JP2009525891A - 超吸収ナノ粒子組成物 - Google Patents

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Abstract

金属性ナノ粒子層と反射フィルム層を備える多層物品を提供する。物品は、入射光線に曝露するとしるしをつけることができる。

Description

本発明は、光エネルギーの適用によりしるしをつけること又は画像化できる多層物品を目的とする。
約1〜100ナノメートル(nm)の直径を有する金属性ナノ粒子は、半導体技術、磁気記憶装置、電子機器製造、及び触媒を含む用途に重要な材料である。金属性ナノ粒子は、気体蒸着によって;流動気流中での蒸着によって;機械的な磨耗によって;スパッタリングによって;電子ビーム蒸着によって;熱蒸着によって;二成分金属アジド類の電子線誘導型噴霧によって;超音速自由噴流中での金属蒸気の拡張によって;逆ミセル法によって;レーザーアブレーションによって;有機金属化合物のレーザー誘導型分解によって;有機金属化合物の熱分解によって;有機金属化合物のマイクロ波プラズマ分解によって;並びにその他の方法によって製造されている。
金属性ナノ粒子は、独特の光学特性を所有していることが知られている。特に、金属性ナノ粒子は顕著な光学共鳴を示す。この、いわゆるプラズモン共鳴は、金属球体内の伝導電子が入射電磁場と集合カップリングを生じることに起因する。この共鳴は、入射電磁放射線の波長に関しナノ粒子の半径に依存する吸収または散乱によって支配される可能性がある。このプラズモン共鳴と関係があるのは、金属ナノ粒子内部での強い局所電場増強である。これらの特定の光学特性を活用するために、様々な潜在的に有用な装置が製造できる。例えば、表面増強ラマン散乱(SERS)に基づく光学フィルター又は化学センサーが製造されている。
過去10年間にわたって、金属性ナノ粒子独自の光学特性に関する関心は、表面プラズモンを励起してSPRスペクトルの検出を可能にするために、こうしたナノ粒子を組み込んだ懸濁液及びフィルムの使用に関して顕著に増大している。更に、赤外線吸光度スペクトル情報のための表面増強ラマン分光法(SERS)及び増強蛍光刺激における表面増強蛍光もまた検出されることがある。金属性ナノ粒子は、可視波長スペクトルに大きな吸光度バンドを示し、色鮮やかなコロイド懸濁液を生じる。光吸光度の物理的原因は、金属性ナノ粒子上の伝導バンド電子の位相の揃った振動と入射光線エネルギーとのカップリングによるものである。入射光線のこうしたカップリングは、個々のナノ粒子及びナノ粒子で形成されたフィルム(金属性島フィルムと称される)に特有である。
グラフィック画像又は他のしるしを有するシーティング材料は、特に物品又は文書を認証するためのラベルとして、広く使用されている。例えば、米国特許番号第3,154,872号、米国特許番号第3,801,183号、米国特許番号第4、082,426号及び米国特許番号第4,099,838号に記載さているものなどの被覆が、車両ナンバープレートの検定シール並びに自動車運転免許証、政府文書、音声及び映像用のコンパクトディスク、トランプ札、飲料容器及びその類のセキュリティフィルムとして使用されている。他の使用としては、警察、消防その他の緊急車両などを識別するためのグラフィックとしての応用、広告及び宣伝ディスプレイ内、及びブランドの強化を提供する特色のあるラベルなどが挙げられる。
本発明は、金属性ナノ粒子層及び反射フィルム層を含み、そのそれぞれが1つ以上の層を含んでもよい多層物品を対象とする。予め設定した波長又は波長領域の光エネルギーを適用すると、ナノ粒子層は、少なくとも入射光線エネルギーの部分を吸収し、それを熱に変換し、それが、物品の光学特性を変えて、しるし、テキスト又は表示をその上に記すのを可能にする。金属性ナノ粒子層は、別個のナノ粒子層を含んでもよく、又はポリマー層内に金属性ナノ粒子の分散液を含んでもよい。「金属」とは、元素金属類及びそれらの化合物類を意味する。
物品は、レーザー源からなどの入射光線エネルギーを金属性ナノ粒子により吸収し局部的な発熱を生じさせ、恒久的な黒化、色変化、又は屈折率の変化によるなどの物品の光学特性を変化させることにより、しるしをつけることが可能な物品として有用である。反射層は、ナノ粒子層を通って透過された光を再びナノ粒子層へ反射することにより物品への入射光線移動の効率を改善する。「しるしをつけることが可能な」とは、しるし、画像、テキスト、図、又はその他の表示を光エネルギーを適用することにより物品に恒久的に記すことができることを意味する。しるしをつけることが可能な物品は、赤外線(近赤外線、中赤外線及び遠赤外線を含む)、可視、又は電磁スペクトルのUV領域における予め設定した波長若しくは波長領域(帯域幅)の光の適用によりしるしをつけられてもよい。物品に付与されるしるしは、好ましくは裸眼で見える、若しくは別の方法として、入射UV又はIR光の下で目に見えるようにしてもよい。
しるし、画像、テキスト、又はその他の表示を有する物品は、パスポートの不正開封防止画像、IDバッジ、イベント通行許可証、アフィニティーカード、バーコードなどの製品認識フォーマット並びに証明、及び信頼性向けの広告促進を確実にするなどの様々な用途に使用してよい。スクリーン印刷又は転写印刷などの表面印刷技術とは異なり、発明の物品は、機械的な損傷、摩耗及び環境破壊の影響を受けにくい。更に、発明は、高速で非接触手段により適用又は画像化できるしるしをつけることが可能な基材を提供する。
本発明は、金属性ナノ粒子層及び反射フィルム層を含み、そのそれぞれが1つ以上の層を含んでもよい多層物品を提供する。金属性ナノ粒子層は、別個のナノ粒子層を含んでもよく、又はポリマー層内に金属性ナノ粒子の分散液を含んでもよい。「金属」とは、元素金属類およびそれらの化合物類を意味する。
本発明は、レーザー源からなどの入射光線エネルギー又は予め設定した波長又は波長領域を金属性ナノ粒子により吸収し局部的な発熱を生じさせ、それにより物品の光学特性を変化させる、しるしをつけるフィルムを更に提供する。局部的加熱は、ナノ粒子近くのポリマーの融解、燃焼又は炭化をもたらし、光学特性の変化を招く。典型的に、入射光線の領域は暗くなり又は色を変化させ、テキスト又はその他の表示を物品上又は物品内に「記す」ことができる。入射光線の多くは、ナノ粒子層を通って透過され、ないしは別の方法で散乱され、ナノ粒子により吸収されない。反射層は、ナノ粒子層を通って透過された光を再びナノ粒子層へ反射することにより物品への入射光線エネルギー移動の効率を改善する。
一般にナノ粒子の最大吸光度及び反射層の最大反射は、予め設定した光源の波長又は帯域幅と一致するよう選択される。ナノ粒子層が、ポリマーマトリックス中に分散された金属性ナノ粒子を含む実施形態において、ポリマーは、予め設定した光源の波長又は帯域幅で透過するように選択される。ポリマーの透明性及びナノ粒子吸光度がそれにしるしを付与するのに十分であれば、ナノ粒子/ポリマー層は、いずれの厚さであってもよい。
本発明の金属性ナノ粒子に使用できる有用な金属類としては、例えばLi、Na、K、Rb、Cs、Fr、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra、Y、La、Ac、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Tc、Re、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、In、Tl、Sn、Pb、これらの金属の混合物、酸化物類及び合金類並びに所望であれば更にランタニド類及びアクチニド類が挙げられる。特に有用な金属類は、金、アルミニウム、銅、鉄、白金、パラジウム、イリジウム、ロジウム、オスミウム、ルテニウム、チタン、コバルト、バナジウム、マグネシウム、銀、亜鉛及びカドミウム、インジウム、ランタン、インジウム酸化錫(ITO)及びアンチモン酸化錫(ATO)、アンチモンインジウム酸化錫(AITO)、錫、硼素、六ホウ化ランタン、希土類金属類並びにそれらの混合物類及び合金類である。最も好ましくは貴金属である。他の金属は当業者には明らかである。
又、金属性ナノ粒子としては、米国特許第6,344,272号(オルデンバーグ(Oldenburg)ら)及び米国特許出願2003/0156991(ハラス(Halas)ら)に記載されたものなどのナノシェルが挙げられ、参照により本明細書に組み込まれる。前記参照は、電気的な導電性材料により取り囲まれる非導電性内側層から構成されるナノ粒子を記載している。非導電性層の厚さと外側導電性シェルの厚さとの比率は、最大吸光度の波長又は粒子の散乱によって決定される。前記参照は、固体金属ナノ粒子の多くの用途を実現する重大な実用上の制限は、所望の波長でプラズモン共鳴を位置付けることができないことであると記載している。相対的なコア及びシェル厚さを調節し、材料を選択することにより、電磁スペクトルの紫外線、可視及び赤外線範囲の多くにわたって任意の波長で光を吸収し又は散乱する金属ナノシェルが調製されてもよい。
1つの実施形態において、本発明は、熱可塑性ポリマーフィルム上に不連続の金属性ナノ粒子コーティングを提供し、ここで、ナノ粒子は、1〜100ナノメートル、最も好ましくは1〜50ナノメートルの範囲内の数平均粒子直径を有する。粒径(ナノ粒子のアグロメレーションによって形成される)は、典型的に、当該技術分野において既知の光散乱技術を用いて測定される。一次粒径は、典型的には、透過電子顕微鏡法又は原子間力顕微鏡法を用いて測定される。本明細書で使用する時、「不連続的な」とは、ナノ粒子コーティングが、コーティングが表面プラズモン共鳴を示すように、コーティングされていない領域に囲まれたナノ粒子又はその粒塊の島(island)として配置されることを意味する。厚さに関係なく、連続的なコーティングは、表面プラズモン共鳴をもたらさない。ナノ粒子は、実質的に球体であってよいが、延伸され、アスペクト比(長さ対直径)が1.5:1を超える(すなわち、実質的には楕円形である)場合もある。
コーティングは、一般に100ナノメートル未満、好ましくは10ナノメートル未満の平均厚さを有する。ナノ粒子コーティングの平均厚さは、市販の水晶振動子マイクロバランスを用いて、蒸着中に測定してもよい。蒸着後、多数の化学分析を用いて、いずれかの指定領域で金属の量を特徴付けることができる。
別の実施形態において、ナノ粒子層は、その中に分散された金属性ナノ粒子を有する高分子層を含む。高分子マトリックスは、熱可塑性又は熱硬化性樹脂ポリマーであってもよい。
ナノ粒子を製造する技術としては、機械的処理、化学的処理、又は物理的(熱)処理が挙げられる。機械的処理において、通常、微細粉末は、高速ボールミルなどの破砕技術を使用し大きい粒子から作製される。化学的処理については、ナノ粒子は、有機金属化合物又は種々の金属塩を使用し様々な寸法の粒子を沈殿させ成形する反応から生成される。化学的処理は、多くの場合、熱的処理、例えば熱分解と組合される。熱処理は、気相又は液相で行うことができる。気相合成としては、金属蒸気縮合及び酸化、スパッタリング、レーザーアブレーション、プラズマ補助化学気相成膜法及びレーザー誘発化学気相成膜法が挙げられる。液相処理は、沈殿技術及びゾル−ゲル処理を包含する。エアゾール技術としては、スプレー乾燥、スプレー熱分解及びハロゲン化物の火炎酸化/加水分解が挙げられる。
セラミック粉末の製造に利用できるエアゾール処理技術のうち、スプレー熱分解及びハロゲン化物の火炎酸化が、超微細粉末を製造するために使用される主な方法である。両方法において、金属塩類又はアルコキシド類の溶液のサブミクロン寸法の大きさの液滴は、標準エアゾール化技術により製造できる。スプレー熱分解では、生成したエアゾールを熱処理し、エアゾール液滴を親液体と同じ化学量論の個々のセラミック粒子に熱分解的に変換する。プロセスの熱的事象としては、溶媒蒸発、溶質沈殿、沈殿のセラミックスへの熱的変換及び粒子の完全密度への焼結が挙げられる。
スプレー熱分解は、金属セラミック粉末の調製に最も一般的に使用される。得られた粉末は、典型的に100〜10,000ナノメートルの範囲内の寸法を有する。製造される粒径は、エアゾール内の液滴寸法及び溶液中に溶解した固体重量パーセントにより制御される。最終粒径は、初期液滴直径がより小さくなり及び溶液中に溶解した固体の濃度がより低くなると共に減少する。
エアゾール化は、いくつかの周知の技術により達成できる。例えば、前駆体溶液は、高圧で制限されたノズルを通る流れ又は大容量、低圧ガス流への流れにより細分化されてもよい。そのようなアトマイザを使用する場合、大容量ガス流は、空気、酸素が豊富な空気又は好ましくは実質的に純粋な酸素であるべきである。制限されたオリフィスを通る高圧噴霧を使用する場合、オリフィスは、上記ガスの1つ、好ましくは酸素の噴流で囲まれてもよい。エアゾール化のため1つを超えるアトマイザが、火炎熱分解室内に位置決めされてもよい。その他のエアゾール製造方法、例えば超音波又は圧電液滴形成が使用されてもよい。しかし、これらの技術のいくつかは、生産レートに好ましくない影響を及ぼす場合がある。超音波発生が好ましい、エアゾール発生機は、室内の酸素流及び液体の共鳴作用により超音波を発生する。エアゾールは、好適な手段、例えばレーザーエネルギー、グローワイヤ、電気放電により点火されるが、酸水素又は炭化水素ガス/酸素トーチの手段により点火されるのが好ましい。燃焼を開始する前に、火炎熱分解室は、500〜2,000℃、好ましくは700〜1500℃、最も好ましくは800〜1200℃の所望の操作範囲に予熱される。予熱は、粒径分布を改善し、系内の水凝縮を最小限度にする。予熱は、アトマイザを通して純粋な溶媒、すなわちエタノールを供給、燃焼させることにより、抵抗加熱又は消音炉内への閉込めにより、これらの方法の組合せにより、又は他の手段により点火トーチのみを使用し達成されてもよい。
多くの金属性ナノ粒子が、市販されている。ナノシェルは、テキサス州ヒューストン(Houston)のナノスペクトラ・バイオサイエンス社(Nanospectra Biosciences, Inc)から入手可能である。多くの金属性ナノ粒子が、ヒューストン(Houston)のナノストラクチャード&アモーファス・マテリアルズ社(Nanostructured & Amorphous Materials, Inc.)、ペンシルベニア州ノースハンティンドン(North Huntingdon)のナノマット社(Nanomat, Inc.)及びフロリダ州サンフォード(Sanford)のアルゴナイド社(Argonide Corporation)から入手できる。
1つの実施形態において、物品は、反射フィルム層上に金属性ナノ粒子の別個のコーティングを含み、ここで、粒子は、ナノ粒子/ポリマーフィルム/金属層の構成を有する。別の実施形態において、物品は、ナノ粒子/多層光学フィルムの構成を備えることができる(本明細書において更に詳細に記載されるような「MOF」)。別の実施形態において、物品は、ナノ粒子/全内部反射(TIR)フィルムの構成を備えてよい。別の実施形態において、物品は、ナノ粒子/無機誘電体/金属の構成を備えてよい。
これらの実施形態のいずれもが、ポリマー層を更に備えることができ露出した別個の金属性ナノ粒子層を摩耗の曝露から保護する。この保護層は、対象の光学領域で透過する全ての熱可塑性又は熱硬化性樹脂ポリマー(本明細書において更に記載されるような)を含んでよい。これらの実施形態の全てが物品を基材に付着する接着層を更に備えることができる。ナノ粒子層が、反射層に別個のコーティングを含む場合、予め設定した波長又は波長領域の入射光線エネルギーは、ナノ粒子層の局部的加熱を生じさせ、反射層及び/又は保護層のポリマーマトリックスの融解、炭化又は燃焼をもたらす。従って、しるし、テキスト、又はその他の表示を物品上又は物品内に記すことができる。
ナノ粒子コーティングは、出願者の同時係属米国特許出願番号11/121479(2005年4月5日申請)、参照により本明細書に組み込まれる、に記載されるような蒸着技術によるなどの従来技術により成膜できる。或いは、ナノ粒子を反射層の表面に分散液として適用し、溶媒を除去してもよい。
好ましい実施形態において、ナノ粒子層は、高分子マトリックス中に金属性ナノ粒子の分散液を含む。金属性ナノ粒子は、表面変性されていてもよく、又は分散剤を添加しアグロメレーションへの傾向を減少させてもよい。マトリクス相は、熱硬化性ポリマー又は熱可塑性ポリマーであってもよい。ポリマーは、純ポリマーで測定したとき対象の光学領域で少なくとも15%、好ましくは少なくとも25%、より好ましくは少なくとも50%を透過するよう選択される。好ましくは、ポリマーは、対象の波長領域(帯域幅)の少なくとも100ナノメートルの広帯域にわたり少なくとも15%、好ましくは少なくとも25%、より好ましくは少なくとも50%を透過するよう選択される。透過率は、純ポリマーで測定でされてもよい。
一般に、対象の波長又は帯域幅は、予め設定した入射光線源のものである。そのような構成において、予め設定した波長又は波長領域の入射光線エネルギーは、ナノ粒子層の局部的加熱を生じさせ、ナノ粒子層のポリマーマトリックスの融解、炭化又は燃焼をもたらす。従って、しるし、テキスト、又はその他の表示をポリマーマトリックスの表面よりもむしろマトリックス内に記すことができる。
1つの実施形態において、物品は、ナノ粒子層/ポリマーフィルム/金属層の構成を備える。別の実施形態において、物品は、ナノ粒子/多層光学フィルムの構成を備えることができる(本明細書においてより完全に記載されるような「MOF」)。別の実施形態において、物品は、ナノ粒子/全内部反射(TIR)フィルムの構成を備えることができる。別の実施形態において、物品は、ナノ粒子/無機誘電体/金属の構成を備えることができる。
熱可塑性ポリマーは、本発明のナノ粒子層(及び選択が自由な保護層)を形成するため使用されてもよい。本発明に使用されてよい熱可塑性ポリマーとしては、融解処理ポリオレフィン類及びそれらのコポリマー類及びブレンド類、スチレンコポリマー類及びターポリマー類(クラトン(Kraton)(商標)等)、アイオノマー類(サーリン(Surlin)(商標)等)、エチル酢酸ビニル(エルバックス(Elvax)(商標)等)、ポリビニルブチレート、ポリ塩化ビニル、メタロセンポリオレフィン類(アフィニティ(Affinity)(商標)及びエンゲイジ(Engage)(商標)等)、ポリ(αオレフィン)類(ベストプラスト(Vestoplast)(商標)及びレックスフレックス(Rexflex)(商標)等)、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー類、フルオロカーボンエラストマー類(3Mダイネオン(Dyneon)からのTHV(商標)等)、その他のフッ素含有ポリマー類、ポリエステルポリマー類及びコポリマー類(ハイトレル(Hytrel)(商標)等)、ポリアミドポリマー類、ポリウレタン類(エスタン(Estane)(商標)及びモーサン(Morthane)商標)等)、ポリカーボネート類、ポリケトン類、ポリビニルブチラール類並びにポリウレア類が挙げられるがこれらに限定されない。
有用なポリアミドポリマー類としては、合成直鎖ポリアミド類、例えばナイロン−6及びナイロン−66、ナイロン−11又はナイロン−12が挙げられるがこれらに限定されない。尚、特定のポリアミド材料の選択は、生成強化複合物物品の特定の用途の物理的要件に基づく。例えば、ナイロン−6及びナイロン−66は、ナイロン−11又はナイロン−12より高い耐熱性を提供し、一方ナイロン−11及びナイロン−12は、より良好な耐薬品性を提供する。これらのポリアミド材料に加え、ナイロン−612、ナイロン−69、ナイロン−4、ナイロン−42、ナイロン−46、ナイロン−7及びナイロン−8などのその他のナイロンが使用されてもよい。環含有ポリアミド類、例えばナイロン−6T及びナイロン−61が使用されてもよい。ペバックス(PEBAX)ポリアミド類(ペンシルベニア州フィラデルフィア(Philadelphia)のアトケム・ノースアメリカ(Atochem North America))などのポリエーテル含有ポリアミド類が使用されてもよい。
使用されてよいポリウレタンポリマー類としては、脂肪族、脂環式、芳香族及び多環式ポリウレタン類が挙げられる。これらのポリウレタン類は、典型的に周知の反応メカニズムにより多官能価イソシアネートをポリオールと反応させることにより製造される。本発明に有用な市販のウレタンポリマー類としては、ニューハンプシャー州シーブルック(Seabrook)のモートンインターナショナル社(Morton International, Inc.)からのPN−04又は3429及びオハイオ州クリーブランド(Cleveland)のB.F.グッドリッチ社(B.F. Goodrich Company)からのX4107が挙げられる。
ポリアクリレート類及びポリメタクリレート類も有用であり、それらには、例えば、ほんの一部を挙げただけでもアクリル酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、アクリルアミド、メチルアクリル酸、メチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート及びエチルアクリレートのポリマー類が挙げられる。
その他の有用な熱可塑性ポリマー類としては、ポリエステル類、ポリカーボネート類、ポリケトン類及びポリウレア類を含む実質的に押出し可能な炭化水素ポリマー類が挙げられる。これらの材料は、例えばセラー(SELAR)(商標)ポリエステル(デラウェア州ウィルミントン(Wilmington)のデュポン(DuPont))、レクサン(LEXAN)(商標)ポリカーボネート(マサチューセッツ州ピッツフィールド(Pittsfield)のゼネラル・エレクトリック(General Electric))、カデル(KADEL)(商標)ポリケトン(イリノイ州シカゴ(Chicago)のアモコ(Amoco))及びスペックトリム(SPECTRIM)(商標)ポリウレア(ミシガン州ミドランド(Midland)のダウ・ケミカル(Dow Chemical))で一般に市販されている。
有用なフッ素含有ポリマー類としては、パーフルオロ(メチルビニル)エーテル、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ(プロピルビニル)エーテルなどの1つ以上の他のモノマーを有するテトラフルオロエチレンのコポリマー類;エチレン又はプロピレンなどのエチレン性不飽和炭化水素モノマー類を有するテトラフルオロエチレンのコポリマー類などの結晶性又は部分的に結晶性のポリマーが挙げられる。
発明に有用な更にその他のフッ素含有ポリマー類としては、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ化ビニリデンに基づくもの;ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン、エチレン、プロピレン等などの1つ以上の他のモノマーを有するフッ化ビニリデンのコポリマー類が挙げられる。更にその他の有用なフッ素含有押出し可能ポリマー類は、この開示の結果として当業者に周知となる。
金属性ナノ粒子は、一般に熱可塑性ポリマー(粉末又はペレットの形態で)と組合され、射出成形、押出成形、キャスティング等によるなどの融解処理が行われる。金属性ナノ粒子としては、シラン類、カルボン酸類などの有機酸類、有機塩基類、アルコール類、チオール類及びその他の種類、又はナノ粒子と高分子マトリックス間の相容性を改善しナノ粒子が凝集する傾向を減少させる分散剤の混合物などの表面変性剤を有する粒子の表面トリエント(treaent)(商標)を挙げることができる。好適な酸性表面変性剤としては、2[−2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸及びヘキサン酸が挙げられるがこれらに限定されない。シラン表面変性剤としては、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン及びイソオクチルトリメトキシシランが挙げられるがこれらに限定されない。
或いは、ナノ粒子は、付加及び縮合モノマー並びに所望により触媒を使用して重合されるものを含む1つ以上の重合可能なモノマーと組合されてもよい。融解処理に関して、界面活性剤又は表面変性ナノ粒子が、アグロメレーションを減少させるため使用されてもよい。
その中に分散されたナノ粒子を有する熱可塑性樹脂を含むナノ粒子層の場合、ナノ粒子層が、別々に調製され、その後反射層に固着、付着、ないしは別の方法で貼りつけられてもよい。1つの実施形態において、その中に分散された金属性ナノ粒子を有する溶融熱可塑性ポリマーが、反射層の表面にキャストされてもよい。別の実施形態において、ナノ粒子、1つ以上の重合可能なモノマー、触媒及び溶媒の混合物が、反射層の表面にコーティングされ、その場で重合されてもよい。更に別の実施形態では、ナノ粒子層及び反射層が、共押出しされてもよい。
熱硬化性ポリマーを使用し、本発明のナノ粒子層を形成してもよい。本明細書で使用する時、熱硬化性樹脂は、硬化時、不可逆に固化又は固まるポリマーを指す。熱硬化性は、構成成分の架橋反応を伴う。
好適な熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂類、エポキシ樹脂類、ビニルエステル樹脂類、ビニルエーテル樹脂類、ウレタン樹脂類、カシュー殻樹脂類、ナフタリンフェノール樹脂類(napthalinic phenolic resins)、エポキシ変性フェノール樹脂類、シリコーン(ヒドロシラン及び加水分解シラン)樹脂類、ポリイミド樹脂類、ウレアホルムアルデヒド樹脂類、メチレンジアニリン樹脂類、メチルピロリドン樹脂類、アクリレート及びメタクリレート樹脂類、イソシアネート樹脂類、不飽和ポリエステル樹脂類及びそれらの混合物に由来するものが挙げられる。
所望の熱硬化性ポリマーを形成するためポリマー前駆体又は前駆体類を有してもよい。ポリマー前駆体又は熱硬化性樹脂はモノマー類を含んでもよく、又は所望の場合オリゴマーなどの部分的に重合する低分子量のポリマーを含んでもよい。必要な場合、溶媒又は触媒などの硬化剤を有してもよい。ナノ粒子は、ポリマー前駆体又は樹脂中に分散されてもよい。ポリマー前駆体溶液の溶媒は、もしあるならば蒸発により除去できる。蒸発及び重合は、重合が実質的に完了し、金属性ナノ粒子がその中に分散されるまで行われてもよい。
ナノ粒子は、ニートとして又は分散液若しくは懸濁液として提供されてもよい。ナノ粒子は、ポリマー前駆体又は樹脂及び選択が自由な硬化剤と混合され、キャストなどで所望の形状に形成され、フィルムにされてもよい。1つの方法は、ナノ粒子、モノマー、オリゴマー又は樹脂及び硬化剤を混合する工程と、溶液を所望の形状にキャストし、その後硬化する工程とを含む。別の方法は、ナノ粒子、ポリマー前駆体及び選択が自由な硬化剤を含む混合物を押出し又は射出成形する工程と、その後硬化する工程とを含む。更に、他の製造技術が、ハンドレイアップ、樹脂トランスファー成形、引出成形、圧縮成形、オートクレーブ、真空バッグ技術及びフィラメントワインディングを含むがこれらに限定されないものに使用されてもよい。
その中に分散されたナノ粒子を有する熱硬化性ポリマーを含むナノ粒子層の場合、ナノ粒子層が、別々に調製され、その後反射層に固着、付着、ないしは別の方法で接着されてもよい。1つの実施形態において、ナノ粒子及び1つ以上の重合可能なモノマー、選択が自由な触媒及び溶媒の混合物が、反射層の表面にコーティングされ、その場で重合されてもよい。
反射層は、完全反射又は半反射層を形成する全ての材料を含むことができる。「反射」とは、半反射又は完全反射を表す。「半反射」とは、完全反射でも完全透過でもなく、一般に対象の光学領域において約70%未満が反射する、より典型的には、約30〜約70%を反射することを表す。「完全反射」とは、対象の光学領域において70%を超えて反射することを表す。
1つの実施形態において、反射層は、ナノ粒子層の真上に硬化層を含んでもよく、それは立ち代って、その中に分散された金属性ナノ粒子を有する熱可塑性又は熱硬化性ポリマーを含む。別の実施形態において、反射層は、金属の層が成膜されたポリマーフィルム又は無機基材(ガラスなど)などの金属化基材を含んでもよい。反射層の好適な材料としては、アルミニウム、クロム、金、ニッケル、ケイ素、銅及び銀などの金属類又は半金属類が挙げられる。反射層に含まれてもよいその他の好適な材料としては、酸化クロム及び酸化チタンなどの金属酸化物を挙げることができる。反射層は、蒸着、スパッタリング、化学気相成膜法、プラズマ成膜法又は火炎成膜法などの標準蒸気コーティング技術により作製されてもよい。別の方法としては、反射層は、好適な基材に溶液から金属層をメッキすることにより調製されてもよい。
金属化フィルムは、当該技術分野において既知のように完全又は半反射のいずれであってもよい。本発明のいくつかの代表的な実施形態において、金属化フィルム反射層は、少なくとも約90%を反射し(すなわち、フィルムに対して垂直な測定でせいぜい約10%の透過又は吸収である)、実施形態によっては、予め設定した光学波長で約99%を反射する(すなわち、約1%の透過又は吸収である)。好ましくは、金属化フィルム反射層は、対象の波長領域(帯域幅)の少なくとも100ナノメートル広帯域にわたって少なくとも約90%を反射する。一般に対象の波長又は広帯域は、入射光線源のものである。種々の金属化フィルムが、現在既知であり、市販されている。
反射層は、米国特許第4,450,201号(ブリル(Brill)ら)に記載され、参照により本明細書に組み入れられるなどの少なくとも1つの誘電体層及び少なくとも1つの金属層を備える多層物品も含んでよい。要するに、例えばガラス、ポリエステルフィルム等などの基材キャリアは、それに適用される金属層を有する。金属は、銀、金、アルミニウム、銅等であってもよい。誘電体カバー層は、金属−窒素化合物を含む金属層及び誘電体層に適用される。誘電体カバー層又は金属層のいずれかを基材キャリアに取り付け又は接続できる。誘電体カバー層は、チタン、ケイ素、タンタル、ジルコニウムの酸化物類及び硫化亜鉛並びに、それに加えて前記酸化物又は硫化物と同じ金属イオンを有する窒素化合物から成る群から選択される少なくとも1つの化合物を含んでもよい。金属層は、銀、金、アルミニウム又は銅から成る群から選択される少なくとも1つの金属の透明な層であることが好ましい。
好ましい実施形態において、誘電体カバー層は、金属層の両側に適用される、すなわち、誘電体カバー層は、その上に金属層が適用されている基材キャリア上に直接適用され、それは、その後、別の誘電体カバー層によりカバーされる。例えば、誘電体カバー層は、金属酸化物、金属窒化物並びに酸化窒化物、例えば二酸化チタン及び窒化チタンの混合物であってもよい。
金属層の光の透過率は、予め設定したスペクトル範囲内の反射率に依存する。反射率は、材料の屈折率の関数である。金属層は、可視スペクトル範囲内に高い屈折率を有する。
別の実施形態において、反射層は、全内部反射(TIR)フィルムであってもよい。光がより小さい屈折率を有する媒質に入射するとき、光線は、法線から曲げられる、そのため出口角度は、入射角度より大きい。前記反射は、通常「内部反射」と呼ばれる。その後、出口角度は、ある臨界入射角度θの場合、90°に近づくことになる、臨界角より大きい入射角度の場合、完全な内部反射となる。臨界角は、屈折角を90°と等しくする設定することによりスネルの法則から計算できる。
この発明において、光が、第一屈折率を有するナノ粒子層(ナノ粒子層がポリマーマトリックス中に分散された金属性ナノ粒子を含むそのような実施形態において)を透過し、その後、より低い屈折率を有する第二ポリマー層に衝突する場合、内部反射が生じ得る。従って、反射層は、例え反射ポリマー層自身が反射しなくてもナノ粒子ポリマー層の屈折率未満の少なくとも約0.05単位の屈折率を有するよう選択されてもよい。
別の実施形態において、TIR反射層は、それぞれが異なる屈折率を有する2つ又はそれ以上のポリマー層(ナノ粒子ポリマー層に加えて)を備えてもよい。前記TIRフィルムは、例えば欧州特許番号EP225123から既知であり、それらの特徴の詳細な記載についてはそれを参照してよい。前記TIRフィルムの例は、3M社によりOLF−光学照明フィルム(OLF-Optical Lighting Film)の商標名で製造及び市販されているものである。それらは、可撓性シート又はテープとして形成され、実質的に三角形部分を有する一連の平行なミクロ−リリーフを備える表面を示す、前記フィルムは、ミクロ−リリーフが伝達方向に向き及び通常外側に向いた状態でナノ粒子層の表面上に適用でき、それにより有効な光ガイドを生成する。
別の実施形態において、反射層は、多層光学フィルム(「MOF」)を含んでもよい。多層光学フィルムの構成、材料及び光学特性は、一般に既知であり、最初にアルフレイ(Alfrey)ら、ポリマー技術と科学(Polymer Engineering and Science)9巻、No.6、400〜404頁、1969年11月、ラドフォード(Radford)ら、ポリマー技術と科学(Polymer Engineering and Science)13巻、No.3、216〜221頁、1973年5月及び米国特許番号第3,610,729号(ロジャーズ(Rogers))に記載された。より最近の特許及び出版物としては、米国特許第5,882,774号(オウダーカーク(Ouderkirk)ら)、米国特許第6,613,421号(オウダーカーク(Ouderkirk)ら)、米国特許第6,117,530号(オウダーカーク(Ouderkirk)ら)、米国特許第5,962,114号(オウダーカーク(Ouderkirk)ら)、米国特許第5,965,247号(オウダーカーク(Ouderkirk)ら)、米国特許第6,635,337号(オウダーカーク(Ouderkirk)ら)、米国特許第6,296,927号(オウダーカーク(Ouderkirk)ら)、米国特許第5,095,210号(ホィートリー(Wheatley)ら)、米国特許第6,045,894号(ジョンザ(Jonza)ら)及び米国特許第5,149,578号(ホィートリー(Wheatley)ら)、異なる光学特性、特に異なる方向の異なる屈折率を示す異なる高分子材料の多数の交互薄層で達成できる光学作用に有用な議論が挙げられる。これら参照の全ての内容が、参照により本明細書に組み込まれる。
多層ポリマーフィルムは、数百又は数千の薄層を含むことができ、積み重ね体内にある層と同数の多くの材料を包含してもよい。製造を容易にするため、好ましい多層フィルムは、2〜3の異なる材料しか有さず、簡単にするため、本明細書において議論するものは、典型的に2つのみを含み、それは、実厚さdを有する第一ポリマーAと実厚さdを有する第二ポリマーBを含む。多層フィルムとしては、第一屈折率を有する第一高分子材料と第一材料のものと異なる第二屈折率を有する第二高分子材料の交互層が挙げられる。個々の層は、典型的に0.05マイクロメートル〜0.45マイクロメートル程度の厚さである。例として、オウダーカーク(Ouderkirk)らへのPCT国際公開特許は、結晶性ナフタレンジカルボン酸ポリエステルとコポリエステル又はコポリカーボネートなどの他の選択されたポリマーの交互層を有する多層ポリマーフィルムを開示しており、ここで層は0.5マイクロメートル未満の厚さを有し、ポリマーの1つの屈折率は、1つの方向で1.9まで及び他の方向で1.64までである。
隣接した一対の層(一方が高い屈折率を有し、他方が低い屈折率を有する)は、好ましくは反射されることが望ましい光の波長の1/2である合計光学厚さを有する。最大反射率の場合、多層ポリマーフィルムの個々の層は、反射されることが望ましい光の波長の1/4である光学厚さを有するが、層対内の光学厚さの比率は、他の理由で選択されてもよい。これらの好ましい条件は、式1及び2でそれぞれ表わされる。尚、光学厚さは、材料の実厚さを乗した材料の屈折率として定義され、特記しない限り、本明細書において議論される全ての実厚さは、全ての配向又はその他の処理の後で測定される。垂直入射の2軸配向、多層光学積み重ね体の場合、下記式を適用する
λ/2=t+t=n+n 式1
λ/4=t=t=n=n 式2
(式中、λ=最大光反射の波長であり、
=材料の第一層の光学厚さであり、
=材料の第二層の光学厚さであり、及び
=第一材料の面内屈折率であり、
=第二材料の面内屈折率であり、
=第一材料の実際の厚さであり、
=第二材料の実際の厚さである)。
異なる光学厚さを有する層を備える多層フィルム(例えば、層厚さ勾配を有するフィルムにおける)を生成することにより、フィルムは異なる波長の光を反射することになる。所望の光学厚さを有する層を選択することで(実層厚さ及び材料の選択により)スペクトルのUV、可視及びIR部分を含むスペクトルの予め設定した部分における光の反射が可能となる。更に、以下に記載するように、一対の層は、光の予測可能な帯域幅を反射することになるため、個々の層の対は、所定の光の帯域幅を反射するよう設計及び作製されてもよい。従って、多数の適切に選択された層の対が組合される場合、スペクトルの所望部分の優れた反射率を達成できる。
様々なMOFが使用できる。好適なMOFを調製する好ましい方法は、好適な多層ポリマーフィルムを2軸配向(2つの軸線に沿って伸張する)することを包含する。隣接した層が異なる応力誘導複屈折を有する場合、多層光学フィルムの2軸配向は、両軸線と平行な平面に対して隣接する層の屈折率間で異なり、偏光の両平面の光を反射する。一軸の複屈折の材料は、正又は負のどちらかの一軸複屈折を有することができる。z方向(n)の屈折率が面内指標(n及びn)より大きいときに、正の一軸複屈折が生じる。z方向(n)の屈折率が面内指標(n及びn)より小さいときに、負の一軸複屈折が生じる。
が、n =n =n を整合させるために選択され、多層光学フィルムが2軸配向される場合、p−偏光に対するブルースター角は存在しない、従って、入射の全ての角度に対して一定の反射率が存在する。2つの互いに垂直の面内軸線に配向される多層光学フィルムは、層数、f−比(2構成成分多層光学フィルムの光学厚さの比率、米国特許番号第6,049,419号を参照)及び屈折率などの要因により途方もなく高い割合の入射光線を反射でき、非常に効率的な鏡面である。
実施形態によっては、MOFは、全ての入射方向のs及びp偏光両方を高度に反射し、対象の波長領域(フィルムに対して垂直に測定)の少なくとも100ナノメートル帯域幅にわたって少なくとも30%、好ましくは少なくとも50%、より好ましくは70%、最も好ましくは90%の平均反射率を有する。反射率は、ナノ粒子層又はその他の層を有さないMOF被膜上で測定される。
対象の波長領域は、使用するナノ粒子及びポリマーの性質により広範囲で変更されてもよい。従って、対象の波長領域は、赤外領域(約700ナノメートル〜約2,000ナノメートル)、可視領域(約380ナノメートル〜約700ナノメートル)又は紫外領域(約300ナノメートル〜約380ナノメートル)であってもよく、フィルムは、その領域の少なくとも100ナノメートル帯域幅にわたって入射光を反射するよう設計される。反射帯域幅の外側領域は、所望により吸収又は透過のいずれかに設計されてもよい。
1つの好ましいIR反射MOF層の実施形態において、MOF支持体は、約1200ナノメートルを超えるIR領域で発生する一次反射帯域からのスペクトルの可視領域内で発生するより高次の反射による可視色を無くすように設計された2構成成分狭周波数帯多層光学フィルムである。ブロックされる、すなわちゼロ度観察角度でこのMOF層により透過されない光の帯域幅は、約700〜1200ナノメートルである。非垂直角度での可視色を更に減少させるため、反射帯域が最大使用角度でスペクトルの可視領域内にシフトしないように短波長帯域端を典型的に長波長可視帯域端からIR内に約100〜150ナノメートルだけシフトする。これが、垂直の角度で約850ナノメートル〜約1200ナノメートルを反射する狭周波数帯IR反射MOF支持体を提供する。四分の一波長積み重ね体の場合、前記MOF支持体の層の対は、好ましくは425〜600ナノメートルの範囲([1/2]反射されることが望まれる光の波長)の光学厚さを有し、近赤外光を反射する。より好ましくは、四分の一波長積み重ね体の場合、前記IR反射MOF支持体は、212〜300ナノメートルの範囲([1/4]反射されることが望まれる光の波長)の光学厚さを備える個々の層をそれぞれ有し、近赤外光を反射する。
別のMOF実施形態において、反射層は、約360ナノメートル〜450ナノメートルの光学厚さを有する少なくとも第一ポリマーと第二ポリマーの交互層を含んでもよく、フィルムは、実質的に全ての入射可視光線を透過し、約720〜900ナノメートルの波長を有する光をおおよそゼロ度観察角度で反射する、ここでフィルムは、一連の層の対を含む。前記物品が、米国特許第6,045,894号に詳細に記載されている。
別の実施形態において、MOF反射層は、少なくとも第一及び第二高分子材料の複数個の交互層を含む鏡面フィルムを含む、ここで第一又は第二高分子材料の少なくとも1つは、複屈折であり、フィルムの互いに直交する面内両軸線に沿って偏光した可視光線について第一及び第二高分子材料の屈折率の差は、少なくとも0.05であり、フィルムの平面に垂直の第三軸線に沿って偏光した可視光線について第一及び第二高分子材料の屈折率の差は、0.05未満である。前記可視鏡面フィルムは、米国特許第6,080,467号(ウェーバー(Weber)ら)、米国特許第6,451,414号(ホィートリー(Wheatley)ら)及び米国特許第5,882,774号(ジョンザ(Jonza)ら)に記載されており、その各々が参照により本明細書に組み込まれる。
別のMOF実施形態において、MOF支持体における層の対は、変化する相対厚さを有し、本明細書において層厚さ勾配と呼ばれる、そしてそれは、広範囲の反射帯域にわたる反射の所望の帯域幅に達するよう選択される。例えば、層厚さ勾配は、層の対がMOF支持体の厚さに対して一定速度で増加する状態で線状であってもよく、そのため各層の対は、前の層の対の厚さよりある割合で厚い。層の厚さは、MOF支持体の一方の主表面から他方に減少し、次に増加し、その後再び減少していてもよく、又は例えば米国特許番号第6,157,490号に記載されているように、一方又は両方の帯域端の鋭さを増加させるよう設計された交互層厚さ分布を有していてもよい。
更に別のMOF実施形態において、MOFは、延在した帯域端、2つの構成成分、米国特許番号第5,360,659号に記載されたような6層交互繰返し単位を有するIR反射フィルム構成を含むことができる。この構成が、約380〜約700ナノメートルの可視波長領域の不必要な二、三及び四次反射を抑制すると同時に約700〜約2,000ナノメートルの赤外線波長領域の光を反射する。四次より高い反射は、一般にスペクトルの可視領域ではなく、紫外領域内にあり、又は反対できないようなそのように低い強度になるはずである。そのようなMOF支持体は、第一(A)及び第二(B)高分子材料の交互層を有し、そこでは、6層交互繰返し単位は、約0.778A.111B.111A.778B.111A.111Bの相対的な光学厚さを有する。繰返し単位6層のみの使用は、より効率的な材料使用をもたらし、製造が比較的容易になる。そのような実施形態において、MOF支持体の厚さに対して上記したように繰返し単位厚さ勾配を導入することも望ましい。
更に別の実施形態において、MOFは、2つを超える光学的に区別できるポリマーを含むことができる。例えば、第三又はそれに続くポリマーは、例えばMOF支持体内の第一ポリマーと第二ポリマーの間の接着促進層、光学目的の積み重ね体の追加の構成成分、光学積み重ね体間の保護境界層、表面薄層、機能コーティングとして又は任意のその他の目的に使用できる。そのような次第で、第三又はそれに続くポリマーの組成は、存在する場合、限定されない。2つを超える区別できるポリマーを含有するMOF支持体の例としては、米国特許再発行番号第Re34,605号に記載されたものが挙げられ、参照により本明細書に組み込まれる。米国特許再発行番号第Re34,605号は、3つの異なる実質的に透明な高分子材料A,B及びCを含み、ABCBの繰返し単位を有するフィルムを記載している。層は、約90ナノメートル〜約450ナノメートルの光学厚さを有し、高分子材料の各々は、異なる屈折率niを有する。層厚さ勾配も層厚さが好ましくはMOF支持体の厚さ全体にわたって単調に増加する状態で前記MOF支持体の厚さ全体にわたって導入できる。3構成成分系の場合、好ましくは、第一高分子材料(A)は、屈折率が第二高分子材料(B)と少なくとも0.03だけ異なり、第二高分子材料(B)は、屈折率が第三高分子材料(C)と少なくとも0.03だけ異なり、第二高分子材料(B)の屈折率は、第一(A)及び第三(C)高分子材料のそれぞれの屈折率の間の中間にある。高分子材料のいずれか又は全ては、合成され、コポリマー、又はポリマーの相溶性ブレンドを利用することにより所望の屈折率を有することができる。
更に別のMOF実施形態が、米国特許番号第6,207,260号に記載されている。その特許の光学フィルム及び他の光学体は、スペクトルの第一領域内で電磁放射線の少なくとも1つの偏光に関して一次反射帯域を示し、それと同時に一次反射帯域の少なくとも二次、好ましくはまた少なくとも三次、より高次の高調波を抑制する。一次高調波のパーセント反射は、本質的に一定又は入射角の関数として増加する。これは、MOF支持体の少なくとも部分を高分子材料A、B及びCから形成することにより達成される、そしてそれは、繰返し順序ABCに配列される、ここでAは、それぞれ互いに直交する軸線x、y及びzに沿って屈折率n、n及びnを有し、Bは、それぞれ軸線x、y及びzに沿って屈折率n、n及びnを有し、Cは、それぞれ軸線x、y及びzに沿って屈折率n、n及びnを有する、ここで軸線zは、フィルム又は光学体の平面と直交する、ここでn >n >n 又はn >n >n であり、及びn ≧n 及び/又はn ≧n である。好ましくは、2(n −n )/(n +n )及び2(n −n )/(n +n )の差の少なくとも1つは、約−0.05以下である。MOF支持体をこれらの拘束内に設計することにより、二、三及び四のより高次反射の少なくともいくつかの組合せを、一次高調波反射の実質的な減少なしに入射角で特に一次反射帯域がスペクトルの赤外領域内にあるときに抑制できる。
更に別のMOF実施形態において、上記したMOF支持体のいずれも「間隙−充填剤」構成成分と組合せることができ、反射帯域がスペクトルの可視領域から離れて選択的に位置決めされる際MOFの光学的な効率を増加させ、角度による知覚される色変化を最小にする。前記構成成分は、垂直の角度で作用し、可視スペクトルの縁部とIR反射帯域の短波長帯域端の間の領域内のIR照射を吸収又は反射する。前記MOF支持体がより完全に米国特許番号第6,049,419号に記載されている。
積み重ね体内の層に選択される材料もMOFの反射率特性を決定する。多くの異なる材料が使用でき、所定用途の材料の正確な選択は、特定の軸線に沿った種々の光学層間の屈折率における入手可能な望ましい整合及び不整合、並びに最終フィルムの望ましい物理特性によって決まる。簡単にするため、以後の議論は2つのみの材料から作製される層の対を包含するMOF支持体に注力することとし、本明細書において第一ポリマー及び第二ポリマーと呼ぶ。議論の目的のため、第一ポリマーは、大きい絶対値を備える応力光学係数を有すると想定する。従って、第一ポリマーは、伸張時、大きい複屈折を発現できる。用途にもよるが、複屈折は、MOF支持体の平面内の2つの直交する方向の間、1つ以上の面内方向とMOF支持体フィルム面に対して垂直の方向又はこれらの組合せ間で発現できる。第一ポリマーは、伸張後の複屈折を保持すべきで、その結果、所望の光学特性が完成したMOF支持体に付与される。
反射又は鏡面MOFを作製するため、屈折率基準は、フィルム平面のいずれの方向にも等しく適用する。任意の所定の層の屈折率が、直交する面内方向で等しい又はほぼ等しいことが一般的である。しかし、第一ポリマーの面内屈折率は、第二ポリマーの面内屈折率とできるだけ異なることが好ましい。配向前に第一ポリマーが第二ポリマーより高い屈折率を有する場合、第一ポリマーの面内屈折率は、好ましくは伸張方向で増加し、z−軸線屈折率は、好ましくは減少し、第二ポリマーのそれと整合する。同様に、配向前に第一ポリマーが第二ポリマーより低い屈折率を有する場合、第一ポリマーの面内屈折率は、好ましくは伸張方向で減少し、z−軸線屈折率は、好ましくは増加し、第二ポリマーのそれと整合する。伸張時、第二ポリマーは、好ましくは、ほとんど又は全く複屈折を発現しない、又は、その面内屈折率は、完成したMOF支持体内の第一ポリマーのそれと可能な限り異なるように、反対(正−負又は負−正)の複屈折を発現する。MOF支持体がある程度の偏光性もまた有することが意図される場合、これらの基準は、偏光フィルムに関して上記したものと適切に組合されてもよい。
大部分の用途では、MOFポリマーが対象の帯域幅内に感知されるほどの吸光帯域を有しないことが好ましい。従って、帯域幅内の全ての入射光線は、反射若しくは透過されることになる。しかしながら、いくつかの用途にとって、第一の及び第二のポリマーの一方又は両方が、特定の波長を全体的又は部分的に吸収するのに有用であることがある。
上記したように、MOFの第二ポリマーは、好ましくは第二ポリマーの屈折率が、完成したMOF支持体内の少なくとも1つの方向で、同じ方向の第一ポリマーの屈折率と有意に異なるように選択される。高分子材料は、典型的に分散性である、すなわちそれらの屈折率は波長により変化するため、これらの条件は、特定の対象のスペクトル帯域幅に関して考慮されなければならない。前記の議論から第二ポリマーの選択は、本発明のフィルムの意図された用途ばかりではなく、第一ポリマーに対して行われた選択、また、MOF支持体及びフィルム処理条件によることが理解される。第二光学層は、第一ポリマーのそれに適合するガラス転移温度及び第一ポリマーの等方性屈折率と同じ屈折率を有する種々の第二ポリマーから作製できる。好適な第二ポリマーの例としては、ビニルナフタレン類、スチレン、無水マレイン酸、アクリレート類及びメタクリレート類などのモノマーから作製されるビニルポリマー類並びにコポリマー類が挙げられる。前記ポリマーの更なる例としては、ポリアクリレート類、ポリ(メチルメタクリレート)(「PMMA」)などのポリメタクリレート類、及びアイソタクチック又はシンジオタクチックポリスチレンが挙げられる。その他の好適なポリマーとしては、ポリスルフォン類、ポリアミド類、ポリウレタン類、ポリアミック酸類及びポリイミド類などの縮合ポリマー類が挙げられる。MOF支持体内の第二光学層は、ポリエステル類及びポリカーボネート類などのポリマー類からも形成できる。
好ましいMOF支持体第二ポリマーとしては、イネオス・アクリリックス社(Ineos Acrylics, Inc.)から商品名CP71及びCP80として入手可能なものなどのPMMAのホモポリマー類並びにPMMAより低いガラス転移温度を有するポリエチルメタクリレート(「PEMA」)が挙げられる。追加の好ましい第二ポリマーとしては、PMMA(「共PMMA」)のコポリマー類、例えばイネオス・アクリリックス社(Ineos Acrylics, Inc.)から商品名パースペックス(PERSPEX)(商標)CP63として入手可能なものなどの75重量%のメチルメタクリレート(「MMA」)モノマーと25重量%のエチルアクリレート(「EA」)モノマーから作製される共PMMA;MMAコモノマー単位とメタクリル酸n−ブチル(「nBMA」)で形成される共PMMA;及びPMMAとソルベイ・ポリマーズ社(Solvay Polymers, Inc.)から商品名ソレフ(SOLEF)1008として入手可能なものなどのポリ(フッ化ビニリデン)(「PVDF」)とのブレンドが挙げられる。更にその他の好ましい第二ポリマーとしては、上記PE−POエンゲイジ(ENGAGE)(商標)8200などのポリオレフィンコポリマー類;フィナオイル・アンド・ケミカル社(Fina Oil and Chemical Co.)から商品名Z9470として入手可能なポリ(プロピレン−共−エチレン)(「PPPE」);及びハンツマンケミカル社(Huntsman Chemical Corp.)から商品名レクスフレックス(REXFLEX)(商標)W111として入手可能なアタクチック(atatctic)ポリプロピレン(「aPP」)とアイソタクチック(isotatctic)ポリプロピレン(「iPP」)のコポリマーが挙げられる。第二光学層は、官能化ポリオレフィン、例えばE.I.デュポン・デ・ネマース&Co.社(E. I. duPont de Nemours & Co., Inc.)から商品名バイネル(BYNEL)(商標)4105として入手可能なものなどの直鎖低密度ポリエチレン−g−無水マレイン酸(「LLDPE−g−MA」);イサン(商標)ケミカル社(Eas(Trademark)an Chemical Company)から商品名エクデル(ECDEL)商標)として入手可能なものなどのコポリエステルエーテルエラストマー(「COPE」);シンジオタクチックポリスチレン(「sPS」);テレフタル酸に基づくコポリマー又はブレンド(「共PET」);第二級グリコール(second glycol)、例えばシクロヘキサンジメタノール(「PETG」)を使用したPETのコポリマー;及びミネソタ・マイニング・アンド・マニュファクチャリング社(Minnesota Mining and Manufacturing Company)(3M)から商品名THV(商標)のもとに入手可能なフルオロポリマーからも作製できる。
反射MOF支持体フィルムの光学層の第一/第二ポリマーの特に好ましい組合せとしては、PEN/PMMA、PET/PMMA又はPET/共PMMA、PEN/COPE、PEN/sPS、PET/sPS、PEN/共PET、/PEN/PETG及びPEN/THVが挙げられる。これらの組合せのいくつかが、入射光線の角度に対して一定の反射率を有する(すなわち、ブルースター角は存在しない)。例えば、特定の波長で、2軸配向PENの面内屈折率は、1.76であり、一方面内z−軸線屈折率は1.49に低下してもよい。PMMAが、多層構成体の第二ポリマーとして使用される場合、その屈折率は、同じ波長で3つの方向全てにおいて1.495であってもよい。別の例は、PET/COPE系であり、そこでは、PETの場合、類似の面内及びz−軸線屈折率は、1.66及び1.51であってもよく、一方COPEの等方性屈折率は、1.52であってもよい。
物品は、所望により1つ以上の非光学層、例えば1つ以上の非光学表面薄層又は光学層の包みの間の保護境界層(「PBL」)などの1つ以上の非光学内側層を含む。非光学層は、MOF支持体に更に強度又は剛性を与え、又は処理時若しくは処理後、それを破損又は損傷から保護するために使用できる。用途によっては、1つ以上の犠牲保護薄層を備えることが望ましい場合もあり、そこでは表面薄層(単数又は複数)とMOF支持体の間の界面接着は、表面薄層が使用前にMOF支持体又は完成したフィルムの下面から剥取れるように制御される。材料は、非光学層に対して種々の特性、例えば本発明の物品の引裂き抵抗、破壊抵抗、強靱性、耐候性及び耐溶媒性を付与し又は改善するために選択されてもよい。
前記MOF支持体内の非光学層は、多くの適切な材料から選択できる。非光学層の材料を選択する場合に考慮される要因としては、破断するためのパーセント伸び、ヤング率、引裂強度、内側層に対する接着、対象の電磁帯域幅におけるパーセント透過率及び吸光度、視覚的な明瞭度又は曇価、周波数、質感、粗さ、融解熱安定性、分子量分布、融解レオロジー、共押出し性、混和性及び光学層と非光学層材料間の相互拡散速度の関数としての屈折率、粘弾性応答、引張り条件下での緩和及び結晶化挙動、使用温度での熱安定性、耐候性、コーティングに対する付着力、並びに各種気体及び溶媒に対する浸透性が挙げられる。勿論、前記したように、選択された非光学層材料は、MOF支持体のこれらに対して有害な光学特性を有しないことが重要である。非光学層は、物品に使用されるポリマーの全てを含むポリエステル類などの様々なポリマーから形成されてもよい。
一般に、本発明の物品をマーキングするのに使用される入射光線源の波長は、ナノ粒子層のナノ粒子の最大吸光度の波長に相当する。好ましくは、入射光線源の帯域幅は、ナノ粒子層のナノ粒子の吸光帯域幅及び反射層の反射帯域幅と重なり合う。
使用されてよい好適な光源の例は、高圧水銀アーク灯、超高圧水銀アーク灯、炭素アーク、キセノンアークランプ、レーザー、タングステンフィラメント白熱電球、蛍光放電管、ブラウン管、日光、発光ダイオード類等である。その他の有用な光源としては、各種レーザー、例えばアルゴンイオン、ダイオード、エキシマ及び染料レーザーが挙げられる。レーザーの場合、曝露時間は、レーザー光線の空間分布及びレーザーの出力によって決まる。一般に、この物品にしるしをつけるのに必要な出力/単位面積の量は、ナノ粒子の吸収帯域で100ナノメートル帯域幅にわたる入射太陽放射の出力/単位面積の量を超える。より具体的には、入射放射照度は、20mW/cmを超えなければならない。
所望の波長又は帯域幅を物品の表面に選択的に透過させるためフィルターが使用されてもよい。更に、増感体がナノ粒子層又は反射層に組み込まれてもよく、それは、入射光線エネルギーの波長をナノ粒子の吸収帯域に移す。
好適な増感体としては、ケトン類、クマリン染料類(例えばケト−クマリン類)、キサンテン染料類、アクリジン染料類、チアゾール染料類、サイアジン染料類、オキサジン染料類、アジン染料類、アミノケトン染料類、ポルフィリン類、芳香族多環炭化水素類、p−置換アミノスチリルケトン化合物類、アミノトリアリールメタン類、メロシアニン類、スクアリリウム染料類及びピリジニウム染料類が挙げられる。ケトン類(例えばモノケトン類又はα−ジケトン類)、ケトクマリン類、アミノアリールケトン類及びp−置換アミノスチリルケトン化合物類が好ましい増感体である。高い感度が必要な用途の場合、ジュロリジニル部分を含有する増感体を使用するのが好ましい。深い硬化(例えば、類似波長のコーティング減衰放射)が必要な用途の場合、光重合に望ましい照射波長で1,000未満、より好ましくは100未満の減衰係数を有する増感体を使用するのが好ましい。
光の強度は、曝露時間が約0.1マイクロ秒〜約1分、より好ましくは約0.5マイクロ秒〜約15秒の範囲内であるように選択される。
この発明による代表的な撮像又はしるしをつけるプロセスは、レーザーからナノ粒子層に集束光を向けることから構成される。しるし、画像、又は表示を生成するため、光は、ナノ粒子に衝突し、放射エネルギーを吸収してそれを熱に転換する。この加熱は、ナノ粒子に隣接したポリマーの局部的融解又は炭化をもたらし、黒化、色の変化又はポリマーの屈折率の変化によるなどのその光学特性を恒久的に変化させる。ナノ粒子層のナノ粒子により吸収されなかった光エネルギーは、反射層に衝突し、ナノ粒子層に向けて反射される、それによりナノ粒子の光−熱エネルギー転換の効率を増加させる。
物品のしるし、画像、又は表示を形成する別の方法では、高度に発散した光源を使用する。予め設定したパターンは、マスクの手段によるなどの物品の選択的な照度により付与されてもよい。このマスクは、曝露される画像の全て又は部分に対応する透過領域と画像を曝露すべきでない非透過又は反射領域とを有することになる。入射光線エネルギーにより十分に照射されるマスクを有することによりエネルギーが通過できるマスクの部分は、ナノ粒子層のある領域のみに衝突することになる。結果として、しるし、表示、又は画像を形成するのに単一光パルスのみが必要である。別の方法としては、マスクの代わりに、スキャナーによるガルボメトリック(galvometric)などのビーム位置決めシステムが、ナノ粒子層の予め設定した領域を局部的に照射し、複合物画像を追跡するため使用できる。
接着剤が、本発明のしるしをつけることが可能なフィルムを別のフィルム、表面又は基材に積層するため使用されてもよい。典型的に、接着層は、ナノ粒子層と反対側の反射層の主表面上にある。そのような構成は、ナノ粒子層/反射層/接着層として表わされてもよい。前記接着剤としては、光学的に透明及び拡散両方の接着剤並びに感圧性及び非感圧性接着剤が挙げられる。感圧性接着剤は通常、室温で粘着性があり、高々軽く指で圧を与えることで表面に粘着でき、一方、非感圧性接着剤には溶媒、熱、又は放射線で活性化される接着剤システムがある。本発明に有用な接着剤の例としては、ポリアクリレート;ポリビニルエーテル;天然ゴム、ポリイソプレン及びポリイソブチレンなどのジエン含有ゴム;ポリクロロプレン;ブチルゴム;ブタジエンアクリロニトリルポリマー類;熱可塑性エラストマー類;スチレン−イソプレン及びスチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー類、エチレン−プロピレン−ジエンポリマー類及びスチレン−ブタジエンポリマー類などのブロックコポリマー類;ポリαオレフィン類;非晶質ポリオレフィン類;シリコーン;エチレンビニルアセテート、エチルアクリレート及びエチルメタクリレートなどのエチレン含有コポリマー類;ポリウレタン類;ポリアミド類;ポリエステル類;エポキシ類;ポリビニルピロリドン及びビニルピロリドンコポリマー類;及び上記の混合物の一般的な組成物に基づくものが挙げられる。
更に、その接着剤類は、粘着付与剤、可塑剤、充填剤、酸化防止剤、安定剤、色素、散乱粒子、硬化剤、及び溶媒などの添加物を含むことがある。積層接着剤が本発明の光学フィルムを別の表面に付着するため使用される場合、接着剤組成物及び厚さは、好ましくは光学フィルムの光学特性を妨げないように選択される。例えば、高度の透過が望まれる追加の層を光学偏光子又は鏡面に積層する場合、積層接着剤は、偏光子又は鏡面が透明であるよう設計される波長領域において光学的に透明でなければならない。
図1は、発明の実施形態を示す。多層物品10は、反射層12上の別個のコーティングとして配置される金属ナノ粒子層11を有してもよい。金属性ナノ粒子層11は、反射層12の全て又は部分にコーティングされてもよい。実施形態によっては、ナノ粒子層11は、マスクを介した蒸着又は印刷技術によるなどの反射層12上にパターンコーティングされたものであってもよい。反射層12は、金属化フィルム、多層光学フィルム又は全内部反射フィルムを含んでもよい。物品10は、所望により保護層13を含んでもよい。所望の場合、ナノ粒子層は、反射層12の全て又は部分にパターンコーティングを含んでもよい。
特に、予め設定した波長又は帯域幅の入射光線エネルギーは、ナノ粒子表面11に衝突し、光エネルギーを熱エネルギーに転換する。これが、反射層12及び存在すれば保護層13のポリマー層の局所的な融解、炭化又は燃焼を誘発する。物品を通って通常透過される光エネルギーのいくらかは、反射層12によりナノ粒子層11に反射され、入射光線エネルギーのより効率的な吸収及び転換を可能にする。光エネルギーの結果として、物品は、所望によりテキスト又はその他の表示などでしるし付け又は記されてもよい。
図2は、別の実施形態を示す。多層物品20は、分散された金属性ナノ粒子22を含有するポリマー層21を含む。ナノ粒子は、層21の容積全体に均質に又は不均質に分散されてもよい。ポリマー層21は、隣接したポリマー層23に固着され、それが順次金属フィルム又はフォイル層24に固着される。ポリマー層21は、層23の表面の全て又は部分を覆ってもよい。実施形態によっては、ナノ粒子含有層21は、層23上にパターンコーティングされてもよい。別の実施形態において、ポリマー層21は、金属層24に固着される。
層23及び24は、一緒に反射層25を構成する。ポリマー層21は、隣接した層23に接触していてもよく(同じ縁部を共有する)、又は層23の部分をカバーしていてもよい。再度、入射光線は、金属性ナノ粒子により吸収されてもよく、又は反射層により反射されるポリマー層21を通って透過されてもよい。入射光線の光−熱変換は、ポリマーマトリックス21を局部的に融解、炭化又は燃焼させ、物品が記されるのを可能にする。ポリマー層21に関して、入射光線は、レンズの手段によりポリマー層中の予め設定した深さに焦点を合わされてもよい。
別の実施形態において、反射層25は、第一屈折率を有する第一ポリマー層23と、低屈折率を有する第二ポリマー層24とを含んでもよい。ここで、異なる屈折率は、入射光線の全内部反射を生じさせる。
図3において、多層物品は、その中に分散された金属性ナノ粒子32を有するポリマー層31を備える。ナノ粒子は、層31の容積全体に均質に又は不均質に分散されてもよい。ナノ粒子含有層は、多層光学フィルム(MOF)33に固着され、複数個の微細な層を含み、ともに反射層を提供する。ポリマー層31は、MOF層33と接触していてもよく、又は層33の部分だけを含んでいてもよい。ポリマー層31を透過した光は、MOF層33によって反射される。入射光線の光−熱変換は、ポリマーマトリックス31を局部的に融解、炭化又は燃焼させ、物品が記されるのを可能にする。物品30は、物品を他の基材に取り付けるため接着層がMOF層33に固着された任意の接着層34とともに示される。
以下の実施例は、単に説明の目的のためでけであって、添付した請求項の範囲を限定することを意図しない。特に記載のない限り、実施例及びこれ以降の明細書に記載される部、百分率、比率等はすべて、重量による。
(実施例1):
ヘキサホウ化ランタン(LaB)の分散液を3M太陽反射フィルム(3M Solar Reflective Film)(SRF)上にダイコーティングし、その後、D融着電球でUV硬化することにより試料を調製した。分散液は、住友金属鉱業(Sumitomo Metal Mining)(日本、東京)から入手可能でトルエン中1.85%LaB、2.65%ZrO及び2.6%バインダから構成される17.8%KHF−74をボスティックフィンドレイ(Bostik Findley)(ウィスコンシン州ウオウワトサ(Wauwatosa)からの12.4%バイテル(Vitel)2200、アクゾノーベル(Akzo Nobel)(オランダ、アンヘム(Arnhem))からの5.3%アクチレイン(Actilane)420、チバ・ガイギー(Ciba Geigy)(ニュージャージー州ドーバタウンシップ(Dover Township))からの0.9%イルガキュア(Irgacure)651及び63.6%MEKと組合せることにより作製した。SRFの厚さは、55.88μであり、試料の厚さは、81.28μであった。SRF及び試料の透過スペクトルを図4に示す。
試料を走査速度1.27ナノメートル/分で800ナノメートルのチタン−サファイアフェムト秒レーザー(カリフォルニア州アーバイン(Irvine)、スペクトラフィジックス(Spectra Physics))に曝露した。レーザーは、150フェムト秒のパルス持続時間、1KHzのパルス速度及び660ミリワットの平均出力を有する。レーザー光線は、試料と焦点の間の距離を0.1、0.075及び0.05mmとして有する試料上の点に焦点を合わせた。ナノ粒子により感光された試料の部分は、選択された3つの焦点距離の全てで影響を受け(加熱及び溶融された)、一方ナノ粒子の感光を有しない試料の部分は、焦点から最も近い距離(0.05mm)のみで影響を受けた。尚、800ナノメートルのレーザーは、SRFが反射する波長範囲外である。
図5は、入射レーザー源が表面から0.1mmである撮像物品の電子顕微鏡写真である。顕微鏡写真において、縦線の左側は、LaBナノ粒子でコーティングされ、一方右側は、コーティングされていない。入射光線は十分な強度であり、反射層は800ナノメートルで本質的に反射しないのでコーティングされ及びコーティングされていない両方の表面は、レーザーによって撮像される。
図6は、入射レーザー源が表面から0.075mmである撮像物品の電子顕微鏡写真である。再度、縦線の左側は、LaBナノ粒子でコーティングされ、一方右側は、コーティングされていない。入射光線は強度がより少ないので(更に間隔を置いて配置した結果として)、ナノ粒子がコーティングされた表面だけが撮像される。
図7は、3つの記されたしるし(線)を見ることができる撮像物品の電子顕微鏡写真であり、表面(上部から下部)から0.1、0.075及び0.05mmで入射レーザー源に対応する。0.1mmの高い強度で、物品のコーティングされ(右側)及びコーティングされていない(左側)両方が撮像される。より低い強度では、ナノ粒子がコーティングされた表面のみが撮像される。
更に、1064ナノメートルの波長、15ナノ秒のパルス持続時間及び6.2ワットの平均出力を有するネオジムYLFレーザー光線(ミズリー州セント・チャールズ(St. Charles)、カッティング・エッジ・オプトロニクス(Cutting Edge Optronics))に試料を曝露した。レーザー光線がナノ粒子により感光された試料の部分に到達したとき煙又は材料の蒸発が認められたが、ナノ粒子の感光を有しない試料の部分へ所定時間光線を保持した場合は何も観察されなかった。これは、SRFがこの波長領域で有する高度の反射によるものと考えられる。
結果を図8及び9に示す。尚、サファイアレーザー(660ミリワット)と比較してネオジムレーザー(6.2ワット)のより高い出力にもかかわらず、ナノ粒子がコーティングされたもの(右側)のみが撮像される。図9において、撮像領域の境界のクローズアップ顕微鏡写真は、コーティングされていない部分に本質的に撮像がないことを明らかにしている。
(実施例2):
ナノスペクトル社(Nanospectra Inc.)(テキサス州ヒューストン(Houston))から得られた金/シリカナノシェルの分散液をこれらのナノシェルをペンシルベニア州エシントン(Essington)のエステック(Esstech)から入手可能なビス−GMA樹脂に分散し、次にそれをチバ・ガイギー(ニュージャージー州ドーバタウンシップ(Dover Township))からの1%イルガキュア(Irgacure)819とブレンドすることにより作製した。ナノシェルの減衰係数は、1,000〜1100ナノメートルの範囲内で2.2であった。ナノシェルのシリカコア半径は、約430ナノメートルである。銅、アルミニウム、ガラススライド及びシリコンウエファーを含む種々の反射基材上に分散液をダイコーティングすることにより試料を調製した。ナノシェルコーティングを25.4mmの距離で15分間350BLBフィリップス(Phillips)電球で硬化した。コーティングの厚さは、0.5mmである。次に、試料を13ピコ秒のパルス持続時間、15KHzのパルス速度及び2ワットの平均出力を有する1064ナノメートルNd:YOV4ダイオード励起レーザー(ドイツ カイザースラウテム(Kaiserslautem)、ルメラレーザー社((Lumera Laser GmbH))でしるしをつけた。全ての試料上のしるしは、裸眼で見えたが、反射基材が金属の場合光線の焦点を外すとナノシェルコーティングのより有効なしるしづけを生じた。
(実施例3):
イソプロピルアルコール中LaBナノ粒子の分散液をボールミリングにより調製した。50gのLaB粉末(アルファ(Alfa)43100、マサチューセッツ州ワードヒル(Ward Hill)アルファエイサー(Alfa Aesar))を1750gのジルコニア研削媒体(トーソ(Tosoh)YTZ、5mmボール、オハイオ州グローブ市のトーソUSA社(Tosoh USA, Inc.)から入手可能)により1.3リットル磁器ジャー内で200gのイソプロピルアルコールと共に212時間粉砕した。ジャー回転速度は、100rpmであった。粉砕後、粉砕された粉末がジャー及び研削媒体から洗い流される時に別の100gのイソプロピルアルコールをスラリーに添加した。研削媒体の粉砕摩耗時、55.5gのジルコニアをミルバッチに投入した。スラリーの固形部分は、47.4%(67.4容量%)のLaBと52.6%(32.6容量%)のZrOであった。粒径分布は、
Figure 2009525891
であった。
分散液を銅、アルミニウム、ガラススライド及びシリコンウエファーを含む各種反射基材上に定置し、溶媒の蒸発の結果として乾燥した。得られたコーティングの厚さは、約12.7マイクロメータ(0.5ミル)であった。試料を実施例2で使用した同じレーザーでマーキングした。レーザー経路に沿ってLaBの色が変化し又はコーティングが切除された。全ての試料上のしるし又は色が、裸眼で見えた。
(実施例4):
実施例3で使用したATO(アンチモン酸化錫)ナノ粒子(nanaparticles)の分散液を1%のナノ粒子をSM6080(商標)(韓国、アドバンスド・ナノ・プロダクツ(Advanced Nano Products)から入手可能)/サートマー(Sartomer)CN120B80(商標)(ペンシルバニア州エクストン(Exton)、サートマー社(Sartomer Company)から入手可能)及びイルガキュア(Irgacure)(商標)819の混合物に組み込むことにより作製した。銅、アルミニウム、ガラススライド及びシリコンウエファーを含む各種基材上に分散液をダイコーティングすることにより試料を調製した。ATOコーティングを25.4mmの距離で15分間350BLBフィリップス(Phillips)電球で硬化した。コーティングの厚さは、12.7マイクロメートル(0.5ミル)である。次に、試料を実施例2及び3で使用した同じレーザーでマーキングした。全ての試料上のしるしは、裸眼で見えたが、反射基材が金属の場合光線の焦点を外すとATOコーティングのより有効なしるしづけを生じた。
発明の物品の種々の実施形態の断面表示を示す。 発明の物品の種々の実施形態の断面表示を示す。 発明の物品の種々の実施形態の断面表示を示す。 実施例1の物品の透過スペクトル。 実施例1の撮像物品の電子顕微鏡写真。 実施例1の撮像物品の電子顕微鏡写真。 実施例1の撮像物品の電子顕微鏡写真。 実施例1の撮像物品の電子顕微鏡写真。 実施例1の撮像物品の電子顕微鏡写真。

Claims (43)

  1. 金属性ナノ粒子層と反射フィルム層とを含む、しるしをつけることが可能な多層物品であって、光エネルギーに曝露するとしるしがそれに付与される、物品。
  2. 前記金属性ナノ粒子層が、前記反射フィルム層上に分離した不連続ナノ粒子層を含む、請求項1に記載の物品。
  3. 前記金属性ナノ粒子層が、前記反射層上にナノ粒子のパターンを含む、請求項1に記載の物品。
  4. 前記分離した不連続ナノ粒子層上に保護層を更に含む、請求項2に記載の物品。
  5. 前記金属性ナノ粒子層が、その中に分散された金属性ナノ粒子を有するポリマー層を含む、請求項1に記載の物品。
  6. 前記ナノ粒子層のポリマーは、対象の光学波長において少なくとも15%を透過する、請求項5に記載の物品。
  7. 前記ナノ粒子層のポリマーは、対象の波長領域(帯域幅)の少なくとも100ナノメートル広帯域にわたって少なくとも約15%を透過する、請求項5に記載の物品。
  8. 前記反射フィルム層が、金属化フィルム層を含む、請求項1に記載の物品。
  9. 前記反射フィルム層が、対象の波長領域(帯域幅)の少なくとも100ナノメートル広帯域にわたって少なくとも90%を反射する、請求項8に記載の物品。
  10. 前記反射フィルム層が、多層光学フィルムを含む、請求項1に記載の物品。
  11. 前記反射フィルム層が、予め設定した入射光線の波長で少なくとも30%の反射率を有する、請求項1に記載の物品。
  12. 同じ予め設定した入射光線の波長で、前記反射層が、少なくとも30%の反射率を有し、前記金属性ナノ粒子層が、少なくとも20%の吸光度を有する、請求項11に記載の物品。
  13. 前記反射層が、全内部反射フィルム層である、請求項1に記載の物品。
  14. 前記金属性ナノ粒子層が、第一屈折率を有する第一ポリマーマトリックス中に分散された金属性ナノ粒子を含み、前記反射層が、第二屈折率を有するポリマーを含み、前記屈折率が、少なくとも0.05異なる、請求項13に記載の物品。
  15. 前記金属性ナノ粒子層が、ポリマーマトリックス中に分散された金属性ナノ粒子を含み、前記反射層が、前記金属性ナノ粒子層に隣接した第一ポリマー層、及び前記第一ポリマー層に隣接した第二ポリマー層を含み、前記第一ポリマー層の屈折率が、前記第二ポリマー層の屈折率より少なくとも0.05大きい、請求項13に記載の物品。
  16. 前記ナノ粒子が、金、アルミニウム、銅、鉄、白金、パラジウム、イリジウム、ロジウム、オスミウム、ルテニウム、チタン、コバルト、バナジウム、マグネシウム、銀、亜鉛及びカドミウム、インジウム、ランタン、インジウム酸化錫(ITO)及びアンチモン酸化錫(ATO)、アンチモンインジウム酸化錫(AITO)、錫、硼素、六ホウ化ランタン、希土類金属類並びにそれらの混合物類及び合金類から成る群から選択される、請求項1に記載の物品。
  17. 接着層を更に含む、請求項1に記載の物品。
  18. 前記金属性ナノ粒子層が、スペクトルの赤外領域の入射光線エネルギーを吸収する、請求項1に記載の物品。
  19. 前記金属性ナノ粒子層が、スペクトルの可視領域の入射光線エネルギーを吸収する、請求項1に記載の物品。
  20. 前記金属性ナノ粒子層が、スペクトルの紫外領域の入射光線エネルギーを吸収する、請求項1に記載の物品。
  21. 予め設定した波長又は波長領域の入射光線が、前記金属性ナノ粒子層に局部的加熱を誘発し、その光学特性を変化させることを含む、請求項1に記載のしるしをつけることが可能な物品。
  22. 前記入射光線エネルギーが、対象の波長領域(帯域幅)の少なくとも100ナノメートルの広帯域にわたって前記金属性ナノ粒子層の吸光度範囲と重なり合い、前記反射層が、入射光線の波長において30%の反射率である、請求項21に記載のしるしをつけることが可能な物品。
  23. 前記金属性ナノ粒子層が、その中に分散された金属性ナノ粒子を有するポリマー層を含み、前記ポリマー層は、入射光線源の波長領域の少なくとも100ナノメートルの広帯域にわたって少なくとも約50%を透過する、請求項21に記載のしるしをつけることが可能な物品。
  24. 前記反射層が、少なくとも1つの誘電体層と少なくとも1つの金属層とを有する多層物品を含む、請求項1に記載のしるしをつけることが可能な物品。
  25. 20mW/cmを超える光エネルギーを適用することにより付与されるしるしを有する、請求項1に記載の物品。
  26. a.請求項1の前記物品を用意する工程と、
    b.予め設定した波長又は波長領域の光エネルギーを請求項1の物品の表面の少なくとも一部分に衝突させ、前記金属性ナノ粒子層に局部的加熱を誘発し、それにより前記物品の前記光学特性を変化させる工程と、を含む、しるしをつける方法。
  27. 入射光線エネルギーの波長が、対象の波長領域(帯域幅)の少なくとも100ナノメートル広帯域にわたって前記金属性ナノ粒子層の吸光度範囲と重なり合う、請求項26に記載の方法。
  28. 前記金属性ナノ粒子層が、その中に分散された金属性ナノ粒子を有するポリマー層を含み、前記ポリマー層は、入射光線源の波長領域の少なくとも100ナノメートルの広帯域にわたって少なくとも約15%を透過する、請求項26に記載の方法。
  29. 前記反射層が、入射光線源の波長領域において少なくとも30%の反射率を有する、請求項26に記載の方法。
  30. 前記反射層が、入射光線源の波長領域の少なくとも100ナノメートルの広帯域にわたって少なくとも30%の反射率を有する、請求項26に記載の方法。
  31. 前記金属性ナノ粒子層が、前記反射フィルム層上に分離した不連続ナノ粒子層を含む、請求項26に記載の方法。
  32. 前記金属性ナノ粒子層が、前記反射層上にナノ粒子のパターンを含む、請求項26に記載の方法。
  33. 前記分離した不連続金属性ナノ粒子層上に保護層を更に含む、請求項27に記載の方法。
  34. 前記金属性ナノ粒子層が、その中に分散された金属性ナノ粒子を有するポリマー層を含む、請求項26に記載の方法。
  35. 前記金属性ナノ粒子層の前記ポリマーは、対象の光学波長において少なくとも15%を透過する、請求項34に記載の方法。
  36. 前記反射層が、全内部反射フィルム層である、請求項26に記載の方法。
  37. 前記金属性ナノ粒子層が、第一屈折率を有する第一ポリマーマトリックス中に分散された金属性ナノ粒子を含み、前記反射層が、第二屈折率を有するポリマーを含み、前記屈折率が少なくとも0.05異なる、請求項36に記載の方法。
  38. 前記金属性ナノ粒子層が、ポリマーマトリックス中に分散された金属性ナノ粒子を含み、前記反射層が、前記金属性ナノ粒子層に隣接した第一ポリマー層、及び前記第一ポリマー層に隣接した第二ポリマー層を含み、前記第一ポリマー層の屈折率が、前記第二ポリマー層の屈折率より少なくとも0.05大きい、請求項26に記載の方法。
  39. 前記ナノ粒子が、金、アルミニウム、銅、鉄、白金、パラジウム、イリジウム、ロジウム、オスミウム、ルテニウム、チタン、コバルト、バナジウム、マグネシウム、銀、亜鉛及びカドミウム、インジウム、ランタン、インジウム酸化錫(ITO)及びアンチモン酸化錫(ATO)、アンチモンインジウム酸化錫(AITO)、錫、硼素、六ホウ化ランタン、希土類金属類並びにそれらの混合物類及び合金類から成る群から選択される、請求項26に記載の方法。
  40. 前記金属性ナノ粒子層が、スペクトルの赤外領域の入射光線エネルギーを吸収する、請求項26に記載の方法。
  41. 前記金属性ナノ粒子層が、スペクトルの可視領域の入射光線エネルギーを吸収する、請求項26に記載の方法。
  42. 前記金属性ナノ粒子層が、スペクトルの紫外領域の入射光線エネルギーを吸収する、請求項26に記載の方法。
  43. 前記入射光線放射照度が、20mW/cmを超える、請求項26に記載の方法。
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