JP2020154003A - 光反射成型体 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、赤外線に対する高い反射率を有し、密着性及び耐久性が向上し、かつ反射光均一性に優れた光反射成型体を提供することである。【解決手段】本発明の光反射成型体は、光反射フィルムと基板より構成され、前記光反射フィルムが、少なくとも保護層、無機微粒子を含有する低屈折率層及び高屈折率層が交互の積層されている光反射層ユニット、及び接着層をこの順で構成され、かつ前記光反射層ユニットと前記基板とが、前記接着層を介して接着していることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、光反射フィルム及び基板より構成されている光反射成型体に関し、より詳しくは、赤外線に対する高い反射率を有し、密着性及び耐久性が向上した光反射成型体に関する。
近年、建築用窓ガラスや車両用窓ガラスにおいて、室内又は車内に入る太陽輻射エネルギーを遮蔽又は反射して、室内や車内の温度上昇、冷房負荷を低減する目的で、屈折率の異なる層を積層して形成した光反射フィルムを窓ガラスに貼付し、太陽光中の熱線の透過を遮断する、又は反射させる方法が、例えば、特許文献1及び特許文献2に開示されている。
近年、特定波長の光を反射する光反射フィルムを樹脂フィルム上に形成して、特徴ある反射色を有する光反射体を作製する試みがなされている。
従来知られている、高屈折率層と低屈折率層とを、それぞれ光学的厚さに調整して積層した光反射層ユニットをポリエチレンテレフタレート等の透明樹脂フィルム上に積層させた光反射フィルムは、例えば、水系重層多層塗布方式で光反射層ユニットを形成する場合、各屈折率層は、主に、ポリビニルアルコール等の親水性樹脂と無機微粒子により構成され、各層の厚さや層数、又は屈折率を調整することにより、可視光線を透過し、特定の波長の光、例えば、近赤外線を選択的に反射することができるものである。
このような構成の光反射層ユニットを有する光反射フィルムを、保持基板とともに成型して光反射成型体を形成しようとする場合、光反射フィルムとしては耐熱性が高く、成型時の熱で構成層が乱れることはないが、基板として疎水性樹脂を使用した場合、光反射層ユニットとの密着性が低下し、かつ十分な光反射性能を得ることができなかった。
一方、異種のポリマー、例えば、ポリエチレンテレフタレート又はポリエチレンナフタレートと、シクロヘキサンジメタノールを共重合したポリエステルとを、光の波長レベルの層厚で交互に数百〜数千層積層した積層フィルムであり、光の干渉現象を利用して、光の反射/透過の波長選択性を有する積層フィルムが開示されている(例えば、特許文献3参照。)。しかしながら、このような積層フィルムは、成型時の熱により積層されている層が乱れ、その結果、反射波形が変動してしまうため、厚膜の基板と一緒に成型するなどの制約が大きい。また、このような積層フィルムは、多層数の界面での光干渉を利用しているため、フィルム表面での干渉縞が発生しやすく、均一の光反射性能を得難いという問題を抱えている。
特開2012−215733号公報 特開2016−139158号公報 特開2012−116045号公報
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、赤外線に対する高い反射率を有し、密着性及び耐久性が向上し、かつ反射光均一性に優れた光反射成型体に関する。
本発明者は、上記課題を解決すべく上記問題の原因等について検討した結果、少なくとも光反射フィルムと基板より構成され、前記光反射フィルムが、少なくとも保護層、複数の層が積層された光反射層ユニット、及び接着層で構成され、かつ前記光反射層ユニットと前記基板とが、前記接着層を介して接着していることを特徴とする光反射成型体により、赤外線に対する高い反射率を有し、密着性及び耐久性が向上し、かつ反射光均一性に優れた光反射成型体を実現することができることを見いだし、本発明に至った。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.少なくとも光反射フィルムと基板より構成される光反射成型体であって、
前記光反射フィルムが、少なくとも保護層、無機微粒子を含有する低屈折率層及び高屈折率層が交互の積層されている光反射層ユニット、及び接着層をこの順で構成され、かつ前記光反射層ユニットと前記基板とが、前記接着層を介して接着していることを特徴とする光反射成型体。
2.前記光反射フィルムを構成する前記光反射層ユニットが、2層の前記保護層により挟持されていることを特徴とする第1項に記載の光反射成型体。
3.前記光反射層ユニットを構成する低屈折率層及び高屈折率層の総数が40層以上であることを特徴とする第1項又は第2項に記載の光反射成型体。
4.前記接着層が樹脂成分を含有し、前記樹脂成分のヒドロキシ価が40mgKOH/g以上、又は酸価が10mgKOH/g以上であることを特徴とする第1項から第3項までのいずれか一項に記載の光反射成型体。
5.前記接着層が含有する樹脂成分が、エポキシ樹脂であることを特徴とする第4項に記載の光反射成型体。
6.赤外線を反射することを特徴とする第1項から第5項までのいずれか一項に記載の光反射成型体。
本発明の上記手段により、特定の波長に対する高い反射率を有し、密着性及び耐久性が向上し、かつ反射光均一性に優れた光反射成型体を提供することができる。
本発明の効果の発現機構・作用機構については明確になっていないが、以下のように推察している。
光反射層ユニットはポリビニルアルコール及び無機微粒子が主体で構成されており、一般的な成型体で使用される疎水性樹脂との密着性が悪い。基板と光反射層ユニット間に接着層を設けることにより、相性の悪い2層を接着させることができる。また、光反射層ユニット上に接着層を設けることで、光学干渉を増強させることができるピーク反射率を10%近く上昇させることができることを見いだした。
本発明の光反射成型体の構成の第1例を示す概略断面図 本発明の光反射成型体の構成の第2例を示す概略断面図 本発明の光反射成型体の第2例の製造方法の一例を示す概略工程図
本発明の光反射成型体は、少なくとも光反射フィルムと基板より構成され、前記光反射フィルムが、少なくとも保護層、無機微粒子を含有する低屈折率層及び高屈折率層が交互の積層されている光反射層ユニット、及び接着層をこの順で構成され、かつ前記光反射層ユニットと前記基板とが、前記接着層を介して接着していることを特徴とする。この特徴は、下記各実施形態に係る発明に共通する技術的特徴である。
本発明の光反射成型体においては、本発明の目的とする効果をより発現できる観点から、光反射フィルムを構成する前記光反射層ユニットが、2層の前記保護層により挟持されている構成とすることが、製造時の構成層の変形(例えば、折れジワ等)をより抑制することができ、より均一な層から構成される光反射成型体を得ることができる。
また、光反射層ユニットを構成する低屈折率層及び高屈折率層の総数を40層以上とすることが、より優れた反射特性を得ることができる点で好ましい。
また、前記接着層が樹脂成分を含有し、樹脂成分として、ヒドロキシ価が40mgKOH/g以上、又は酸価が10mgKOH/g以上である樹脂成分を選択すること、更には樹脂成分としてエポキシ樹脂を選択するにより、より密着性に優れた光反射成型体を得ることができる点で好ましい。
また、本発明の光反射成型体は、赤外線を反射する特性を備えていることが好ましい。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、数値範囲を表す「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
《光反射フィルムの基本構成》
本発明の光反射成型体は、少なくとも保護層、無機微粒子を含有する低屈折率層及び高屈折率層が交互の積層されている光反射層ユニット、接着層及び基板をこの順で構成されていることを特徴とする。
以下、本発明の光反射成型体の代表的な構成例について、図を参照して説明する。ただし、本発明はここで例示する構成にのみ限定されるものではない。なお、各図の説明において、構成要素の末尾の括弧内に記載した数字等は、各図における符号を表す。
(光反射成型体の第1の構成例)
図1は、本発明の光反射成型体の構成の第1例を示す概略断面図である。
図1において、第1例目の本発明の光反射成型体(1)は、基板(2)上に、接着層(3)を介して、屈折率の異なる2層以上の層を積層して構成されている、具体的には、無機微粒子を含有する低屈折率層と高屈折率層とが交互の積層された光反射層ユニット(4)が形成され、最表層に、保護層(5)を有する構成である。
本発明では、少なくとも接着層(3)、光反射層ユニット(4)及び保護層(5)で構成されている積層体を、光反射フィルム(F)と称す。
〈光反射層ユニット〉
本発明に係る光反射層ユニット(4)は、無機微粒子を含有する低屈折率層と高屈折率層とが交互の積層された積層体であるが、「低屈折率層」及び「高屈折率層」なる用語は、隣接した2層の屈折率差を比較した場合に、屈折率が低い方の屈折率層を低屈折率層とし、高い方の屈折率層を高屈折率層と定義する。したがって、「低屈折率層」及び「高屈折率層」なる用語は、光反射フィルムを構成する各屈折率層において、隣接する二つの屈折率層に着目した場合に、各屈折率層が同じ屈折率を有する形態以外のあらゆる形態を含むものである。
(光反射成型体の第2の構成例)
図2は、本発明の光反射成型体の構成の第2例を示す概略断面図である。
図2に示す第2例の構成は、第1例(図1)で示す構成に対し、光反射フィルムを構成する光反射層ユニット(4A及び4B)を、2層の保護層(5A及び5B)挟持する構成であることを特徴とする。
具体的には、図2で示すように、基板(2)上に接着層(3)を介して、第2保護層(5B)、無機微粒子を含有する低屈折率層と高屈折率層とが交互の積層された2つの光反射層ユニット(4A及び4B)が形成され、最表層に第1保護層(5A)が配置されている構成である。
《光反射成型体の基本的な作製方法》
〔第1例の光反射成型体の作製方法〕
図1で示す構成の第1例の光反射成型体においては、最表層である保護層(5)側から順次積層して作製する方法が好ましい。すなわち、第1ステップで光反射フィルム(F)を作製し、最後に、接着層(3)を介して基板(2)と貼合する方法である。
具体的には、保護層(5)として、例えば、ポリエチレンテレフタレート(略称:PET)上に、主に無機微粒子とバインダー樹脂より構成される低屈折率層及び高屈折率層が交互に積層されている光反射層ユニット(4)を、例えば、各屈折率層形成用塗布液を用いて湿式塗布方式により多層同時重層塗布して形成する。次いで、光反射層ユニット(4)上に、接着層形成用塗布液を塗設して、接着層(3)を形成して、光反射フィルム(F)を作製する。
最後に、光反射フィルム(F)を構成する接着層(3)上に、基板(2)、例えば、ポリカーボネート板を付与し、積層体全体に圧力及び熱を付与して熱貼合して、光反射成型体(1)を形成する。
〔第2例の光反射成型体の作製方法〕
次いで、図2で示す第2例の光反射成型体の作製工程について、図3を用いて説明する。
図3は、本発明の光反射成型体の第2例の製造方法の一例を示す概略工程図である。
図2の説明では、光反射層ユニット(4)は1ユニットとして説明したが、具体的な製造方法としては、光反射層ユニットは4A及び4Bの二つに分割して形成する方法が好ましい。例えば、低屈折率層及び高屈折率層を交互に積層して、42層の光反射層ユニットを形成する場合、保護層上に22層の光反射層ユニットを形成したセットと、保護層上に21層の光反射層ユニットを形成したセットと準備し、それぞれの最表層の屈折率層が対向する位置で貼合して、保護層/光反射層ユニット(43層)/保護層の積層体を作製する。
具体的な第2例の製造フローについて説明する。
図3に示すように、下記に説明するステップ1〜ステップ5を経て製造する方法が好ましい。
ステップ1:一方のブロックとして、保護層(5A)上に、低屈折率層/高屈折率層/・・・/低屈折率層/高屈折率層の構成で計22層の第1光反射層ユニット(4A)を形成して、ブロックAを作製する。同様に、他方のブロックとして、保護層(5B)上に、低屈折率層/高屈折率層/・・・/低屈折率層の構成で計21層の第2光反射層ユニット(4B)を形成して、ブロックBを作製する。
ステップ2:上記作製したブロックAとブロックBのそれぞれの最表層の屈折率層面同士が接するような配置で貼合して、保護層(5A)/第1光反射層ユニット(4A)/第2光反射層ユニット(4B)/保護層(5B)から構成される積層体を形成する。
ステップ3:次いで、ステップ2で作製した積層体の保護層(5B)上に、接着層形成用塗布液を塗設して、接着層(3)を形成して、光反射フィルム(F)を作製する。
ステップ4:光反射フィルム(F)を構成する接着層(3)上に、基板(2)を付与して光反射成型体(1)を作製する。
ステップ5:上記作製した光反射成型体(1)の構成層間の接着性を向上させるため、所定の温度範囲で加熱処理を施して、貼合する。
《光反射フィルムの構成材料》
〔保護層〕
本発明の光反射成型体に適用する保護層の構成としては、特に制限はないが、透明樹脂フィルム、又はハードコート層を適用することが好ましい。
(透明樹脂フィルム)
本発明の光反射成型体の保護層に用いられる透明樹脂フィルムとしては、透明な有機材料で形成された樹脂フィルムであれば、特に限定されるものではない。
本発明に係る保護層に適用可能な透明樹脂フィルムとしては、例えば、ポリオレフィンフィルム(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリ塩化ビニル、3酢酸セルロース等のセルロース系フィルム、シクロオレフィンフィルム、ポリカーボネートフィルム等を用いることができ、好ましくはポリエステルフィルムである。ポリエステルフィルム(以降ポリエステルと称す)としては、特に限定されるものではないが、ジカルボン酸成分とジオール成分を主要な構成成分とするフィルム形成性を有するポリエステルであることが好ましい。主要な構成成分のジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルエタンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルチオエーテルジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸などを挙げることができる。また、ジオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビスフェノールフルオレンジヒドロキシエチルエーテル、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ハイドロキノン、シクロヘキサンジオールなどを挙げることができる。これらを主要な構成成分とするポリエステルの中でも透明性、機械的強度、寸法安定性などの点から、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸や2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジオール成分として、エチレングリコールや1,4−シクロヘキサンジメタノールを主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。中でも、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートを主要な構成成分とするポリエステルや、テレフタル酸と2,6−ナフタレンジカルボン酸とエチレングリコールからなる共重合ポリエステル、及びこれらのポリエステルの2種以上の混合物を主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。コストや入手の容易性の点では、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などが好ましく用いられる。
透明樹脂フィルムの厚さは、300μm未満であることが好ましく、5〜200μmの範囲内であることがより好ましく、さらに好ましくは15〜150μmの範囲内である。樹脂フィルムは、2枚以上を重ねたものであってもよく、この際、樹脂フィルムの種類は同じでもよいし異なっていてもよい。
また、透明樹脂フィルムは、JIS R 3106:1998で示される可視光領域の透過率としては85%以上であることが好ましく、特に90%以上であることが好ましい。透明樹脂フィルムが上記透過率以上であることにより、光反射フィルムとしたときのJIS R 3106:1998で示される可視光領域の透過率を50%以上にするという点で有利であり、好ましい。
また、上記透明樹脂フィルムは、未延伸フィルムでもよく、延伸フィルムでもよい。強度向上、熱膨張抑制の点から延伸フィルムが好ましい。
透明樹脂フィルムは、従来公知の一般的な方法により製造することが可能である。例えば、材料となる樹脂を押出機により溶融し、環状ダイやTダイにより押し出して急冷することにより、実質的に無定形で配向していない未延伸の基材を製造することができる。また、未延伸の基材を一軸延伸、テンター式逐次二軸延伸、テンター式同時二軸延伸、チューブラー式同時二軸延伸などの公知の方法により、基材の流れ(縦軸)方向、又は基材の流れ方向と直角(横軸)方向に延伸することにより延伸基材を製造することができる。この場合の延伸倍率は、基材の原料となる樹脂に合わせて適宜選択することできるが、縦軸方向及び横軸方向にそれぞれ2〜10倍が好ましい。
また、透明樹脂フィルムは、寸法安定性の点で弛緩処理、オフライン熱処理を行ってもよい。弛緩処理は前記ポリエステルフィルムの延伸製膜工程中の熱固定した後、横延伸のテンター内、又はテンターを出た後の巻き取りまでの工程で行われるのが好ましい。弛緩処理は処理温度が80〜200℃で行われることが好ましく、より好ましくは処理温度が100〜180℃である。また長手方向、幅手方向ともに、弛緩率が0.1〜10%の範囲で行われることが好ましく、より好ましくは弛緩率が2〜6%で処理されることである。弛緩処理された基材は、下記のオフライン熱処理を施すことにより耐熱性が向上し、さらに、寸法安定性が良好になる。
(ハードコート層)
保護層としてハードコート層を適用することにより、光反射成型体の傷を防止する機能を有する。ハードコート層は、ハードコート剤を含み、更に必要に応じてその他の添加剤をさらに含んでもよい。
ハードコート剤としては、活性エネルギー線硬化樹脂が用いられる。その他、必要に応じて前記活性エネルギー線硬化樹脂とともに熱硬化樹脂等を用いてもよい。なお、本明細書において、「活性エネルギー線」とは、紫外線や電子線等の活性線を表し、好ましくは紫外線を意味する。
活性エネルギー線硬化性樹脂としては、特に制限されないが、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーを含むものであることが好ましく、紫外線硬化性樹脂であることがより好ましい。当該紫外線硬化樹脂としては、特に制限されないが、紫外線硬化型ウレタン(メタ)アクリレート樹脂、紫外線硬化型ポリエステル(メタ)アクリレート樹脂、紫外線硬化型エポキシ(メタ)アクリレート樹脂、紫外線硬化型ポリオール(メタ)アクリレート樹脂等が挙げられる。これらのうち、紫外線硬化型(メタ)アクリレート系樹脂を用いることが好ましい。
紫外線硬化型ウレタン(メタ)アクリレート樹脂は、ポリエステルポリオールにイソシアネートモノマー又はプレポリマーを反応させて得られた生成物に、さらに2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレート系のモノマーを反応させることによって容易に得ることができる。例えば、特開昭59−151110号公報に記載のユニディック17−806(DIC株式会社製)100部とコロネートL(東ソー社製)1部との混合物等が好ましく用いられる。
紫外線硬化型ポリエステル(メタ)アクリレート樹脂は、ポリエステル末端のヒドロキシ基やカルボキシ基に、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸等のモノマーを反応させることによって容易に得ることができる(例えば、特開昭59−151112号公報)。
紫外線硬化型エポキシ(メタ)アクリレート樹脂は、エポキシ樹脂の末端のヒドロキシ基に、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸クロライド、グリシジル(メタ)アクリレート等のモノマーを反応させることによって得ることができる。例えばユニディックV−5500(DIC株式会社製)等が挙げられる。
紫外線硬化型ポリオール(メタ)アクリレート樹脂としては、特に制限されないが、エチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、特に制限されないが、ポリシロキサン等の無機系材料が挙げられる。
上述の樹脂は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
ハードコート剤は、上記樹脂を硬化させて得ることができる。硬化方法としては、熱、活性エネルギー線照射等が挙げられるが、硬化温度、硬化時間、コスト等の観点から活性エネルギー線照射であることが好ましい。
活性エネルギー線硬化性樹脂に、活性エネルギー線を照射することで、架橋反応等を経て活性エネルギー線硬化性樹脂が硬化し、ハードコート剤となる。
ハードコート層には、必要に応じて公知の添加剤を使用することができる。好ましい添加剤としては、赤外線を吸収若しくは反射できる色素又は顔料が挙げられる。
ハードコート層の厚さは、1〜10μmの範囲内が好ましく、さらに好ましくは2〜5μmの範囲内である。
〔光反射層ユニットの主要構成材料〕
本発明に係る光反射層ユニットは、屈折率の異なる2層以上の層を積層して構成され、具体的には、無機微粒子を含有する低屈折率層及び高屈折率層が交互の積層されている積層体である。
光反射層ユニットを構成する低屈折率層は、主には第1の金属酸化物粒子と第1のバインダー樹脂で構成され、高屈折率層は、主には第2の金属酸化物粒子と第2のバインダー樹脂で構成されている。
(各屈折率層を構成するバインダー樹脂)
本発明においては、低屈折率層及び高屈折率層は、それぞれバインダー樹脂を含有することが好ましい。各屈折率層を形成する材料としてバインダー樹脂、好ましくは水溶性バインダー樹脂、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂を塗膜形成材料として用いることにより、各屈折率層の形成方法として、湿式塗布方式、例えば、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、ロールコート法、バーコート法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、キャスティング法、ダイコート法、ブレードコート法、バーコート法、グラビアコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、ドクターコート法、インクジェット法等を用いて、積層させることができる。
これらの湿式塗布方式は、使用する塗布装置が簡便であり、保護層等の耐熱性を問わないので選択肢が広く、特に、保護層として透明樹脂フィルムを用いる場合に、有効な成膜方法である。例えば、湿式塗布方式を適用することにより、ロールtoロール法などの連続搬送する大量生産方式が採用でき、コスト面でもプロセス時間面でも有利になる。また、バインダー樹脂を含む各屈折率層はフレキシブル性が高いため、生産時や運搬時に、ロール状に巻き取りを行っても、これらの欠陥が発生しづらく、取扱い性に優れているという長所がある。
〈低屈折率層のバインダー樹脂〉
本発明に係る低屈折率層には、従来公知のバインダー樹脂を用いることができる。
本発明に係る低屈折率層においては、特に、ポリビニルアルコール系樹脂をバインダー樹脂として併用することが好ましい。
酢酸ビニルを加水分解して得られるポリビニルアルコールは、平均重合度が1000以上であることが好ましく、平均重合度が1500〜5000であることが特に好ましい。また、ケン化度は、70〜100%であることが好ましく、80〜99.9%であることが特に好ましい。
本発明で用いられるポリビニルアルコールは、合成品を用いてもよいし市販品を用いてもよい。ポリビニルアルコールとして用いられる市販品の例としては、例えば、PVA−102、PVA−103、PVA−105、PVA−110、PVA−117、PVA−120、PVA−124、PVA−203、PVA−205、PVA−210、PVA−217、PVA−220、PVA−224、PVA−235(以上、株式会社クラレ製)、JC−25、JC−33、JF−03、JF−04、JF−05、JP−03、JP−04、JP−05、JP−45(以上、日本酢ビ・ポバール株式会社製)等が挙げられる。
本発明に適用するバインダー樹脂は、本発明の効果を損なわない限りでは、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる通常のポリビニルアルコールの他に、一部が変性された変性ポリビニルアルコールを含んでもよい。このような変性ポリビニルアルコールを含むと、膜の密着性や耐水性、柔軟性が改良される場合がある。
変性ポリビニルアルコールとしては、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、ノニオン変性ポリビニルアルコール、ビニルアルコール系ポリマーが挙げられる。また、酢酸ビニル系樹脂(例えば、株式会社クラレ製「エクセバール」)、ポリビニルアルコールにアルデヒドを反応させて得られるポリビニルアセタール樹脂(例えば、積水化学工業株式会社製「エスレック」)、シラノール基を有するシラノール変性ポリビニルアルコール(例えば、株式会社クラレ製「R−1130」)、分子内にアセトアセチル基を有する変性ポリビニルアルコール系樹脂(例えば、日本合成化学工業株式会社製「ゴーセファイマー(登録商標)Z/WRシリーズ」)等もポリビニルアルコール系樹脂に含まれる。
アニオン変性ポリビニルアルコールは、例えば、特開平1−206088号公報に記載されているようなアニオン性基を有するポリビニルアルコール、特開昭61−237681号公報及び同63−307979号公報に記載されているようなビニルアルコールと水溶性基を有するビニル化合物との共重合体、及び特開平7−285265号公報に記載されているような水溶性基を有する変性ポリビニルアルコールが挙げられる。
また、ノニオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開平7−9758号公報に記載されているようなポリアルキレンオキサイド基をビニルアルコールの一部に付加したポリビニルアルコール誘導体、特開平8−25795号公報に記載されているような疎水性基を有するビニル化合物とビニルアルコールとのブロック共重合体、シラノール基を有するシラノール変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル基やカルボニル基、カルボキシ基などの反応性基を有する反応性基変性ポリビニルアルコール等が挙げられる。
カチオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開昭61−10483号公報に記載されているような、第1級〜第3級アミノ基や第4級アンモニウム基を上記ポリビニルアルコールの主鎖又は側鎖中に有するポリビニルアルコールであり、カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体と酢酸ビニルとの共重合体をケン化することにより得られる。
ビニルアルコール系ポリマーとしては、エクセバール(前出)やニチゴーGポリマー(商品名:日本合成化学工業株式会社製)などが挙げられる。
低屈折率層においては、上記説明した水溶性ポリエステル樹脂及びポリビニルアルコール系樹脂以外に、本発明の目的効果を損なわない範囲でその他のバインダー樹脂を適用することができる。
〈高屈折率層のバインダー樹脂〉
高屈折率層に適用可能なバインダー樹脂としては、成膜性が良好である観点から、低屈折率層で説明したのと同様のポリビニルアルコール系樹脂を適用すること特に好ましいが、その他には、ポリ(メタ)アクリレート等を適用することができる。
高屈折率層を構成するバインダー樹脂は1種であってもよいし、2種以上であってもよい。
ポリ(メタ)アクリレートとしては、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルの重合体であり、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレートが挙げられる。
高屈折率層に含まれるポリ(メタ)アクリレートの重量平均分子量は、10000〜1000000程度であり、50000〜800000であることが好ましい。なお、重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定した値を採用する。
〈その他の水溶性バインダー樹脂〉
更に、本発明に係る低屈折率層や高屈折率層に適用可能なその他の水溶性バインダー樹脂としては、例えば、ゼラチン、セルロース類、増粘多糖類、反応性官能基を有するポリマー等を挙げることができ、その詳細については、例えば、特開2012−27288号公報、特開2012−139938号公報、特開2012−185342号公報、特開2012−215733号公報、特開2012−220708号公報、特開2012−242644号公報、特開2012−252137号公報、特開2013−4916号公報、特開2013−97248号公報、特開2013−148849号公報、特開2014−89347号公報、特開2014−201450号公報、特開2014−215513号公報等の記載を参照することができる。
(無機微粒子)
本発明において、低屈折率層及び高屈折率層は、無機微粒子として金属酸化物粒子を含有することが好ましい。
〈低屈折率層に適用可能な無機微粒子(金属酸化物粒子)〉
本発明に係る光反射フィルムにおいて、低屈折率層には、金属酸化物粒子として酸化ケイ素(二酸化ケイ素)を用いる。具体的な例としては、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、酸化亜鉛、アルミナ、コロイダルアルミナ等が挙げられる。これらのうち、コロイダルシリカゾル、特に酸性のコロイダルシリカゾルを用いることがより好ましく、有機溶媒に分散させたコロイダルシリカを用いることが特に好ましい。また、屈折率をより低減させるために、低屈折率層の金属酸化物粒子として、粒子の内部に空孔を有する中空微粒子を用いてもよく、特に酸化ケイ素(二酸化ケイ素)の中空微粒子が好ましい。また、酸化ケイ素以外の公知の金属酸化物粒子(無機酸化物粒子)も使用することができる。屈折率を調整するために、低屈折率層に含まれる金属酸化物粒子としては、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
低屈折率層に含まれる酸化ケイ素粒子は、その平均粒径(個数平均;直径)が3〜100nmであることが好ましい。一次粒子の状態で分散された二酸化ケイ素の一次粒子の平均粒径(塗布前の分散液状態での粒径)は、3〜50nmであることがより好ましく、3〜40nmであることがさらに好ましく、3〜20nmであることが特に好ましく、4〜10nmであることが最も好ましい。また、二次粒子の平均粒径としては、30nm以下であることが、ヘイズが少なく可視光透過性に優れる観点で好ましい。
また、低屈折率層に含まれる酸化ケイ素粒子の粒径は、一次平均粒径の他に、体積平均粒径により求めることもできる。
本発明に適用可能なコロイダルシリカは、ケイ酸ナトリウムの酸等による複分解やイオン交換樹脂層を通過させて得られるシリカゾルを加熱熟成して得られるものであり、例えば、特開昭57−14091号公報、特開昭60−219083号公報、特開昭60−219084号公報、特開昭61−20792号公報、特開昭61−188183号公報、特開昭63−17807号公報、特開平4−93284号公報、特開平5−278324号公報、特開平6−92011号公報、特開平6−183134号公報、特開平6−297830号公報、特開平7−81214号公報、特開平7−101142号公報、特開平7−179029号公報、特開平7−137431号公報、及び国際公開第94/26530号などに記載されているものである。
このようなコロイダルシリカは合成品を用いてもよいし、市販品を用いてもよい。市販品としては、日産化学工業株式会社から販売されているスノーテックスシリーズ(スノーテックスOS、OXS、S、OS、20、30、40、O、N、C等)が挙げられる。
コロイダルシリカは、その表面をカチオン変性されたものであってもよく、また、Al、Ca、Mg又はBa等で処理されたものであってもよい。
また、低屈折率層の酸化ケイ素粒子としては、上述のように、中空粒子を用いることもできる。中空微粒子を用いる場合には、平均粒子空孔径が、3〜70nmであると好ましく、5〜50nmであるとより好ましく、5〜45nmであるとさらに好ましい。なお、中空微粒子の平均粒子空孔径とは、中空微粒子の内径の平均値である。中空微粒子の平均粒子空孔径は、上記範囲であれば、十分に低屈折率層の屈折率が低屈折率化される。平均粒子空孔径は、電子顕微鏡観察で、円形、楕円形又は実質的に円形は楕円形として観察できる空孔径を、ランダムに50個以上観察し、各粒子の空孔径を求め、その数平均値を求めることにより得られる。なお、平均粒子空孔径は、円形、楕円形又は実質的に円形若しくは楕円形として観察できる空孔径の外縁を、2本の平行線で挟んだ距離のうち、最小の距離を意味する。
低屈折率層における酸化ケイ素粒子の含有量は、低屈折率層の全固形分に対して、20〜90質量%であることが好ましく、30〜85質量%であることがより好ましく、40〜80質量%であることがさらに好ましい。20質量%以上であると、所望の屈折率が得られ90質量%以下であると塗布性が良好となり好ましい。
上記低屈折率層の酸化ケイ素粒子及び2種以上のカチオンポリマーは、複数存在する低屈折率層の少なくとも1層に含まれていればよい。
〈高屈折率層に適用可能な無機微粒子(金属酸化物粒子)〉
本発明に係る高屈折率層においては、第2の金属酸化物粒子を含有することが好ましい。高屈折率層に適用する第2の金属酸化物粒子としては、上記説明した低屈折率層に適用する第1の金属酸化物粒子とは異なることが好ましい。
本発明に係る高屈折率層に用いられる金属酸化物粒子としては、酸化チタン粒子、酸化ジルコニウム粒子、酸化亜鉛粒子、アルミナ粒子、コロイダルアルミナ、酸化ニオブ粒子、酸化ユウロピウム粒子、ジルコン粒子等を挙げることができる。上記金属酸化物粒子は、それぞれ1種単独で用いても、又は2種以上混合して用いてもよい。上記金属酸化物粒子の中でも、酸化ジルコニウム粒子を含有することが好ましい。酸化ジルコニウム粒子を含む高屈折率層は、透明でより高い屈折率を発現することができる。また、光触媒活性が低いことから、高屈折率層や隣接した低屈折率層の耐光性、耐候性が高くなる。なお、本発明において、酸化ジルコニウムとは二酸化ジルコニウム(ZrO)を意味する。
上記酸化ジルコニウム粒子は、立方晶でも正方晶であってもよく、また、それらの混合物であってもよい。
高屈折率層に含まれる酸化ジルコニウム粒子の大きさは、特に制限されるものではないが、体積平均粒径又は一次平均粒径により求めることができる。高屈折率層で用いられる酸化ジルコニウム粒子の体積平均粒径は、100nm以下であると好ましく、1〜100nmであるとより好ましく、2〜50nmであるとさらに好ましい。また、高屈折率層で用いられる酸化ジルコニウム粒子の一次平均粒径は、100nm以下であることが好ましく、1〜100nmであることがより好ましく、2〜50nmであることがさらに好ましい。体積平均粒径又は一次平均粒径が1nm以上100nm以下であれば、ヘイズが少なく可視光透過性に優れる観点で好ましい。
なお、本明細書でいう体積平均粒径とは、粒子そのものをレーザー回折散乱法、動的光散乱法、又は電子顕微鏡を用いて観察する方法や、屈折率層の断面や表面に現れた粒子像を電子顕微鏡で観察する方法により、1000個の任意の粒子の粒径を測定し、それぞれd1、d2・・・di・・・dkの粒径を持つ粒子がそれぞれn1、n2・・・ni・・・nk個存在する粒子の集団において、粒子1個当りの体積をviとした場合に、体積平均粒径mv={Σ(vi・di)}/{Σ(vi)}で表される体積で重み付けされた平均粒径を算出する。
また、本明細書において、一次平均粒径は、透過型電子顕微鏡(TEM)等による電子顕微鏡写真から計測することができる。動的光散乱法や静的光散乱法等を利用する粒度分布計等によって計測してもよい。
透過型電子顕微鏡から求める場合、粒子の一次平均粒径は、粒子そのもの、又は屈折率層の断面や表面に現れた粒子を電子顕微鏡で観察し、1000個の任意の粒子の粒径を測定し、その単純平均値(個数平均)として求められる。ここで個々の粒子の粒径は、その投影面積に等しい円を仮定したときの直径で表したものである。
また、酸化ジルコニウム粒子としては、水系の酸化ジルコニウムゾルの表面を変性して有機溶剤等に分散可能な状態にしたものを用いてもよい。
酸化ジルコニウム粒子又はその分散液の調製方法としては、従来公知のいずれの方法も用いることができる。例えば、特開2014−80361号公報に記載されるように、ジルコニウム塩を水中にてアルカリと反応させて、酸化ジルコニウム粒子のスラリーを調製し、有機酸を加えて水熱処理する方法が用いられうる。
酸化ジルコニウム粒子は、市販のものを使用してもよく、例えば、SZR−W、SZR−CW、SZR−M、及びSZR−K等(以上、堺化学工業株式会社製)を好適に使用することができる。
さらに、本発明で用いられる酸化ジルコニウム粒子は、単分散であることが好ましい。
高屈折率層における酸化ジルコニウム粒子の含有量としては、特に制限されないが、高屈折率層の全固形分に対して、15〜95質量%であると好ましく、20〜90質量%であるとより好ましく、30〜90質量%であるとさらにより好ましい。上記範囲とすることで、光学反射特性の良好なものとできる。
本発明に係る光反射層ユニットにおいて、高屈折率層には、酸化ジルコニウム粒子以外にも、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、アルミナ、コロイダルアルミナ、酸化ニオブ、酸化ユウロピウム等の金属酸化物粒子(高屈折率金属酸化物微粒子)を用いることができる。なお、上記高屈折率金属酸化物微粒子は、屈折率を調整するために、1種であっても2種以上を併用してもよい。なお、上記酸化ジルコニウム以外の高屈折率金属酸化物微粒子の大きさは、特に制限されないが、体積平均粒径が1〜100nm以下であると好ましく、3〜50nmであるとより好ましい。一次平均粒径が1〜100nm以下であると好ましく、3〜50nmであるとより好ましい。また、高屈折率層における上記高屈折率金属酸化物微粒子の含有量としては、特に制限されないが、酸化ジルコニウムと組み合わせる場合においては、酸化ジルコニウム粒子の含有量と高屈折率金属酸化物微粒子の含有量との和が、高屈折率層の全固形分に対して、15〜95質量%となるように調整されると好ましく、20〜80質量%であるとより好ましく、30〜80質量%であるとさらにより好ましい。
なお、酸化ジルコニウムと他の金属酸化物微粒子を組み合わせる場合、高屈折率層に用いられる金属酸化物粒子の総量(酸化ジルコニウム粒子と上記酸化ジルコニウム以外の高屈折率金属酸化物微粒子との合計量)に対して、酸化ジルコニウム粒子の含有量は80〜100質量%であることが好ましく、90〜100質量%であることが好ましく、100質量%であることがさらに好ましい。
上記高屈折率層の酸化ジルコニウム粒子は、複数存在する高屈折率層の少なくとも1層に含まれていればよい。
(各屈折率層に適用可能なその他の添加剤)
本発明に係る高屈折率層及び低屈折率層に適用可能な各種の添加剤を、以下に列挙する。例えば、特開昭57−74193号公報、特開昭57−87988号公報、及び特開昭62−261476号公報に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、特開昭57−87989号公報、特開昭60−72785号公報、特開昭61−146591号公報、特開平1−95091号公報、及び特開平3−13376号公報等に記載されている退色防止剤、アニオン、カチオン又はノニオンの各種界面活性剤、特開昭59−42993号公報、特開昭59−52689号公報、特開昭62−280069号公報、特開昭61−242871号公報、及び特開平4−219266号公報等に記載されている蛍光増白剤、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整剤、消泡剤、ジエチレングリコール等の潤滑剤、防腐剤、防黴剤、帯電防止剤、マット剤、熱安定剤、酸化防止剤、難燃剤、結晶核剤、無機粒子、有機粒子、ポリエステル樹脂、減粘剤、滑剤、赤外線吸収剤、色素、顔料等の公知の各種添加剤などが挙げられる。
〔光反射層ユニットの積層構造〕
本発明に係る光反射層ユニットは、保護層上に無機微粒子を含有する高屈折率層と低屈折率層が交互に積層して形成された多層の光学干渉膜を有する。生産性の観点から、好ましい高屈折率層及び低屈折率層の総層数の範囲は、100層以下、より好ましくは45層以下である。好ましい高屈折率層及び低屈折率層の総層数の範囲の下限は特に限定されるものではないが、5層以上であることが好ましい。
一般に、光反射層ユニットにおいては、高屈折率層と低屈折率層との屈折率の差を大きく設計することが、少ない層数で所望の光、例えば、赤外線に対する反射率を高くすることができるという観点から好ましい。本発明においては、少なくとも隣接した2層(高屈折率層及び低屈折率層)の屈折率差が0.15以上であることが好ましく、より好ましくは0.2以上であり、特に好ましくは0.21以上である。また、上限には特に制限はないが通常0.5以下である。
この屈折率差と、必要な層数とについては、市販の光学設計ソフトを用いて計算することができる。例えば、近赤外線反射率90%以上を得るためには、屈折率差が0.1より小さいと200層以上の積層が必要になり、生産性が低下するだけでなく、積層界面での散乱が大きくなり、透明性が低下し、故障なく製造することも非常に困難になる場合がある。
光反射層ユニットにおいて、高屈折率層及び低屈折率層を交互に積層する場合には、高屈折率層と低屈折率層との屈折率差が、上記好適な屈折率差の範囲内にあることが好ましい。
本発明に係る光反射フィルムは反射率をアップさせる特定波長領域を変えることにより、可視光反射フィルムや近赤外線反射フィルムとすることができる。即ち、反射率をアップさせる特定波長領域を可視光領域に設定すれば可視光線反射フィルムとなり、近赤外領域に設定すれば近赤外線反射フィルムとなる。また、反射率をアップさせる特定波長領域を紫外光領域に設定すれば、紫外線反射フィルムとなる。本発明の光反射フィルムを遮熱フィルムに用いる場合は、(近)赤外反射(遮蔽)フィルムとすればよい。赤外反射フィルムの場合、高分子フィルムに互いに屈折率が異なる膜を積層させた多層膜を形成し、JIS R3106(1998)で示される可視光領域の550nmでの透過率が50%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、75%以上であることがさらに好ましい。また、1200nmでの透過率が35%以下であることが好ましく、25%以下であることがより好ましく、20%以下であることがさらに好ましい。また、波長900〜1400nmの領域に反射率50%を超える領域を有することが好ましい。
太陽光の入射スペクトルのうち赤外域が室内温度上昇に関係し、これを遮蔽することで室内温度の上昇を抑えることができる。日本工業規格JIS R3106(1998)に記載された重価係数を基に赤外の最短波長(760nm)から最長波長3200nmまでの累積エネルギー比率をみてみると、波長760nmから最長波長3200nmまでの赤外全域の総エネルギーを100としたときの、760nmから各波長までの累積エネルギーを算出すると、760から1300nmのエネルギー合計が赤外域全体の約75%を占めている。したがって、1300nmまでの波長領域を遮蔽することが熱線遮蔽による省エネルギー効果の効率がよい。
この近赤外光域(760〜1300nm)の反射率を最大ピーク値で約80%以上にすると体感温度の低下が官能評価により得られる。例えば、8月の午前中の南東方法を向く窓際での体感温度が近赤外光域の反射率を最大ピーク値で約80%にまで遮蔽したとき明確な差がでた。
このような機能を発現するのに必要となる多層膜構造を光学シミュレーション(FTG Software Associates Film DESIGN Version 2.23.3700)で求めた結果、1.7以上、望ましくは1.73以上の高屈折率層を利用し、22層以上積層した場合に優れた特性が得られることが分かっている。例えば、高屈折率層と低屈折率層(屈折率=1.45)を交互に22層積層したモデルのシミュレーション結果を見ると、高屈折率層の屈折率が1.6では反射率が30%にも達しないが、1.7になると約60%の反射率が得られる。
低屈折率層は、屈折率が1.10〜1.60であることが好ましく、より好ましくは1.30〜1.50である。高屈折率層は、屈折率が1.65〜1.80であることが好ましく、より好ましくは1.70〜1.75である。
屈折率層の1層(最下層、最表層を除く)あたりの厚さ(乾燥後の層厚)は、20〜1000nmであることが好ましく、50〜500nmであることがより好ましく、50〜350nmであることがより好ましい。
本発明において、光反射フィルムの全体の厚さは、好ましくは12〜315μm、より好ましくは15〜200μm、さらに好ましくは20〜100μmである。
さらに、光学特性をより良好なものとするために、光反射フィルムのヘイズは小さい方が好ましく、0〜1.5%であるとより好ましい。また、耐久性の観点から、露光後のクラックが抑制されることが好ましい。なお、ヘイズは、実施例の方法により測定された値を指すものとする。
〔光反射層ユニットの形成方法〕
次いで、本発明に係る光反射層ユニットの形成方法について説明する。
光反射層ユニットの形成方法としては、前述のように、保護層上に、高屈折率層と低屈折率層とから構成されるユニットを積層して形成することができる方法であれば、いかなる方法でも用いられ得る。
具体的には、保護層上に、高屈折率層と低屈折率層とを交互に塗布、乾燥して積層体を形成することが好ましい。具体的には以下の形態が挙げられる。
(1)保護層、例えば、PETフィルム上に、高屈折率層塗布液を塗布・乾燥して高屈折率層を形成した後、低屈折率層塗布液を塗布・乾燥して低屈折率層を形成し、これを順次繰り返して行い反射層ユニットを形成する方法、
(2)保護層上に、低屈折率層塗布液を塗布・乾燥して低屈折率層を形成した後、高屈折率層塗布液を塗布・乾燥して高屈折率層を形成し、これを順次繰り返して行い反射層ユニットを形成する方法、
(3)保護層上に、高屈折率層塗布液と、低屈折率層塗布液とを逐次重層塗布した後乾燥して、所定の層数の高屈折率層及び低屈折率層で構成されている反射層ユニットを形成する方法、
(4)保護層上に、高屈折率層塗布液と、低屈折率層塗布液とをウェット状態で複数層積層し、所定の層数を同時重層塗布・乾燥して、高屈折率層及び低屈折率層を含む光反射層ユニットを形成する方法、
などが挙げられる。
なかでも、より簡便な製造プロセスとなる上記(4)の方法が好ましい。すなわち、本発明の光反射成型体における光反射層ユニットの形成方法としては、水系同時重層塗布法により、高屈折率層及び低屈折率層とを複数層積層することを含むことが好ましい。
塗布方式としては、例えば、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティング法、カーテン塗布方法、又は米国特許第2761419号明細書、同第2761791号明細書に記載のホッパーを使用するスライドビード塗布方法、エクストルージョンコート法等が好ましく用いられる。
高屈折率層塗布液及び低屈折率層塗布液を調製するための溶媒は、特に制限されないが、水、有機溶媒、又はその混合溶媒が好ましい。本発明においては、各屈折率層の構成バインダー樹脂としてポリビニルアルコールを主として用いることが好ましいが、このように、ポリビニルアルコールを用いることにより、水系溶媒による塗布が可能となる。さらに、本発明では、ヘイズの低減やクラックの抑制のため、2種以上のカチオンポリマーを低屈折率層塗布液に添加することが好ましい。水系溶媒は、有機溶媒を用いる場合と比較して、大規模な生産設備を必要とすることがないため、生産性の点で好ましく、また環境保全の点でも好ましい。
前記有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノールなどのアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類、ジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル類、ジメチルホルムアミドなどのアミド類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類などが挙げられる。これら有機溶媒は、単独でも又は2種以上混合して用いてもよい。環境面、操作の簡便性などから、塗布液の溶媒としては、水系溶媒が好ましく、水、又は水とメタノール、エタノール、若しくは酢酸エチルとの混合溶媒がより好ましく、水が特に好ましい。
水と少量の有機溶媒との混合溶媒を用いる際、当該混合溶媒中の水の含有量は、混合溶媒全体を100質量%として、80〜99.9質量%であることが好ましく、85〜99.5質量%であることがより好ましい。ここで、80質量%以上にすることで、溶媒の揮発による体積変動が低減でき、ハンドリングが向上し、また、99.9質量%以下にすることで、液添加時の均質性が増し、安定した液物性を得ることができるからである。
高屈折率層塗布液中の樹脂の濃度(複数種類の樹脂を用いる場合は、その合計濃度)は、0.5〜10質量%であることが好ましい。また、高屈折率層塗布液中の酸化ジルコニウムを含む金属酸化物粒子の合計濃度は、1〜50質量%であることが好ましい。
低屈折率層塗布液中の樹脂の濃度は、0.5〜10質量%であることが好ましい。また、低屈折率層塗布液中の酸化ケイ素粒子を含む金属酸化物粒子の合計濃度は、1〜50質量%であることが好ましい。また、低屈折率層塗布液中の2種以上のカチオンポリマーの含有量は、各カチオンポリマーが、酸化ケイ素粒子を含む金属酸化物粒子の合計質量に対して、例えば0.5〜20質量%であり、2〜20質量%であることが好ましく、3〜10質量%であることがより好ましく、3〜5質量%であることがさらにより好ましい。
高屈折率層塗布液の調製方法は、特に制限されず、例えば、金属酸化物粒子、樹脂バインダー、例えば、ポリビニルアルコール、さらに必要に応じて添加されるその他の添加剤を添加し、撹拌混合する方法が挙げられる。この際、各成分の添加順も特に制限されず、撹拌しながら各成分を順次添加し混合してもよいし、撹拌しながら一度に添加し混合してもよい。
低屈折率層塗布液の調製方法も、特に制限されず、例えば、金属酸化物粒子、樹バインダー、例えば、ポリビニルアルコール、さらに必要に応じて添加されるその他の添加剤を添加し、撹拌混合する方法が挙げられる。この際、各成分の添加順も特に制限されず、撹拌しながら各成分を順次添加し混合してもよいし、撹拌しながら一度に添加し混合してもよい。
また、本発明において、同時重層塗布を行う場合は高屈折率層塗布液及び低屈折率層塗布液に用いるポリビニルアルコールのケン化度が異なることが好ましい。ケン化度が異なることによって塗布、乾燥工程の各工程において層の混合を抑制することができる。
同時重層塗布を行う際の高屈折率層塗布液及び低屈折率層塗布液の温度は、スライドホッパー塗布方式を用いる場合は、25〜60℃の温度範囲が好ましく、30〜45℃の温度範囲がより好ましい。また、カーテン塗布方式を用いる場合は、25〜60℃の温度範囲が好ましく、30〜45℃の温度範囲がより好ましい。
同時重層塗布を行う際の高屈折率層塗布液と低屈折率層塗布液の粘度は、特に制限されない。しかしながら、スライドビード塗布方式を用いる場合には、上記の塗布液の好ましい温度の範囲において、5〜160mPa・sの範囲が好ましく、さらに好ましくは60〜140mPa・sの範囲である。また、カーテン塗布方式を用いる場合には、上記の塗布液の好ましい温度の範囲において、5〜1200mPa・sの範囲が好ましく、さらに好ましくは25〜500mPa・sの範囲である。このような粘度の範囲であれば、効率よく同時重層塗布を行うことができる。
塗布及び乾燥方法の条件は、特に制限されないが、例えば、逐次塗布法の場合は、まず、30〜60℃に加温した高屈折率層塗布液及び低屈折率層塗布液のいずれか一方を保護層上に塗布、乾燥して層を形成した後、もう一方の塗布液をこの層上に塗布、乾燥して積層膜前駆体(ユニット)を形成する。次に、所望の遮蔽性能を発現するために必要なユニット数を、前記方法にて逐次塗布、乾燥して積層させて積層膜前駆体を得る。乾燥する際は、形成した塗膜を、30℃以上で乾燥することが好ましい。例えば、湿球温度5〜50℃、膜面温度5〜100℃(好ましくは10〜50℃)の範囲で乾燥するのが好ましく、例えば、40〜60℃の温風を1〜5秒吹き付けて乾燥する。
また、同時重層塗布を行う場合の塗布及び乾燥方法の条件は、高屈折率層塗布液及び低屈折率層塗布液を30〜60℃に加温して、保護層上に高屈折率層塗布液及び低屈折率層塗布液の同時重層塗布を行った後、形成した塗膜の温度を好ましくは1〜15℃に一旦冷却し(セット)、その後10℃以上で乾燥することが好ましい。より好ましい乾燥条件は、湿球温度5〜50℃、膜面温度10〜50℃の範囲の条件である。例えば、40〜80℃の温風を1〜5秒吹き付けて乾燥する。また、塗布直後の冷却方式としては、形成された塗膜の均一性向上の観点から、水平セット方式で行うことが好ましい。
〔接着層〕
本発明に係る接着層は、通常、光反射層ユニット又は保護層と、基板との間に設けられる。
本発明に適用可能な接着層を構成する接着剤としては、ポリエステル系接着剤、ウレタン系接着剤、ポリ酢酸ビニル系接着剤、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ニトリルゴム等が用いられ、また光硬化性又は熱硬化性の樹脂を主成分とする接着剤を用いることができる。
使用されるアクリル系接着剤は、溶剤系及びエマルジョン系どちらでもよいが、接着力等を高めやすいことから、溶剤系接着剤が好ましく、その中でも溶液重合で得られたものが好ましい。このような溶剤系アクリル系接着剤を溶液重合で製造する場合の原料としては、例えば、骨格となる主モノマーとして、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクリルアクリレート等のアクリル酸エステル、凝集力を向上させるためのコモノマーとして、酢酸ビニル、アクリルニトリル、スチレン、メチルメタクリレート等、さらに架橋を促進し、安定した接着力を付与させ、また水の存在下でもある程度の接着力を保持するために官能基含有モノマーとして、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、ヒドロキシエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート等が挙げられる。接着層には、主ポリマーとして、特に高タック性を要するため、ブチルアクリレート等のような低いガラス転移温度(Tg)を有するものが特に有用である。
上記アクリル系接着剤の市販品としては、例えば、コーポニールシリーズ(日本合成化学社製)等が挙げられる。
また、硬化型接着層の形成には、接着剤組成物として、例えば、ラジカル硬化型接着剤が好適に用いられる。ラジカル硬化型接着剤としては、電子線硬化型、紫外線硬化型などの活性エネルギー線硬化型の接着剤を例示できる。特に短時間で硬化可能な、活性エネルギー線硬化型が好ましく、さらには低エネルギーで硬化可能な紫外線硬化型接着剤が好ましい。
紫外線硬化型接着剤としては、大きくラジカル重合硬化型接着剤とカチオン重合型接着剤に区分できる。その他、ラジカル重合硬化型接着剤は熱硬化型接着剤として用いることができる。
上記硬化に用いる紫外線としては、ガリウム封入メタルハライドランプ、波長範囲380〜440nmを発光するLED光源が好ましい。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、白熱電球、キセノンランプ、ハロゲンランプ、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、蛍光灯、タングステンランプ、ガリウムランプ、エキシマレーザー又は太陽光を光源とし、バンドパスフィルターを用いて380nmより短波長の光を遮断して用いることもできる。
ラジカル重合硬化型接着剤の硬化性成分としては、(メタ)アクリロイル基を有する化合物、ビニル基を有する化合物が挙げられる。これら硬化性成分は、単官能又は二官能以上のいずれも用いることができる。またこれら硬化性成分は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これら硬化性成分としては、例えば、(メタ)アクリロイル基を有する化合物が好適である。
カチオン重合硬化型接着剤の硬化性成分としては、エポキシ基やオキセタニル基を有する化合物が挙げられる。エポキシ基を有する化合物は、分子内に少なくとも2個のエポキシ基を有するものであれば特に限定されず、一般に知られている各種の硬化性エポキシ化合物を用いることができる。好ましいエポキシ化合物として、分子内に少なくとも2個のエポキシ基と少なくとも1個の芳香環を有する化合物や、分子内に少なくとも2個のエポキシ基を有し、そのうちの少なくとも1個は脂環式環を構成する隣り合う2個の炭素原子との間で形成されている化合物等が例として挙げられる。
前記水系接着剤としては、ビニルポリマーを含有する接着剤などを用いることが好ましく、ビニルポリマーとしては、ポリビニルアルコール系樹脂が好ましい。またポリビニルアルコール系樹脂としては、アセトアセチル基を有するポリビニルアルコール系樹脂を含む接着剤が耐久性を向上させる点からより好ましい。また、ポリビニルアルコール系樹脂に配合できる架橋剤としては、ポリビニルアルコール系樹脂と反応性を有する官能基を少なくとも二つ有する化合物が好ましく使用できる。例えば、ホウ酸やホウ砂、カルボン酸化合物、アルキルジアミン類;イソシアネート類;エポキシ類;モノアルデヒド類;ジアルデヒド類;アミノ−ホルムアルデヒド樹脂;さらに二価金属、又は三価金属の塩及びその酸化物が挙げられる。
本発明に係る接着層においては、上記説明した各種接着剤の中でも、接着層を構成する樹脂成分が、ヒドロキシ価が40mgKOH/g以上、又は酸価が10mgKOH/g以上である樹脂成分を含む接着剤を選択することが好ましく、更には樹脂成分としてエポキシ樹脂を選択することが、光反射層ユニットと下記に説明する基板との接着性を高めることができる点で好ましい。
ここで、樹脂のヒドロキシ価(水酸基価ともいう。)とは、ヒドロキシ基を含有する樹脂1gをアセチル化させたとき、ヒドロキシ基と結合した酢酸を中和するのに必要とする水酸化カリウムのmg数で表される。ヒドロキシ基の測定方法は滴定、例えば、JIS K1557−1:2007などで定められている方法を用いることができる。
また、樹脂の酸価とは、カルボキシ基を含有する樹脂1gに含まれる全酸性成分(例えば、カルボキシ基、スルホ基等)の量を表すものであり、全酸性成分を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数で表される。酸価の測定方法は滴定、例えば、JIS K1557−1:2007などで定められている方法を用いることができる。
前記硬化型接着剤層を形成する接着剤は、必要であれば適宜添加剤を含むものであっても良い。添加剤の例としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等のカップリング剤、エチレンオキシドで代表される接着促進剤、透明フィルムとの濡れ性を向上させる添加剤、アクリロキシ基化合物や炭化水素系(天然、合成樹脂)などに代表され、機械的強度や加工性などを向上させる添加剤、紫外線吸収剤、老化防止剤、染料、加工助剤、イオントラップ剤、酸化防止剤、粘着付与剤、充填剤(金属酸化物粒子)、可塑剤、レベリング剤、発泡抑制剤、帯電防止割、耐熱安定剤、耐加水分解安定剤等の安定剤等が挙げられる。
接着層の層厚としては、所望の接着性が得られる範囲内であれば特に制限はないが、光反射性フィルム全体の厚さや柔軟性を考慮すると、0.5〜30μmの範囲内であることが好ましく、更に好ましくは0.5〜10μmの範囲内である。
〔基板〕
本発明の光反射成型体においては、上記説明した光反射フィルムを、接着層を介して基板と貼合する。
本発明において、基板を構成する材料として、特に制限はないが、基板を構成しうる好ましい樹脂材料を以下に示す。
樹脂材料としては、例えば、
1)メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、等の1種以上の重合体であるアクリル系樹脂;
2)スチレン、α−メチルスチレン、o−,m−,及びp−メチルスチレン、エチルスチレン、プロピルスチレン、ブチルスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン等の1種以上の重合体であるスチレン系樹脂;
3)ポリ塩化ビニル、又は塩化ビニルと塩化ビニルと共重合可能なコモノマー(例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート等のアクリル酸エステル類、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類、ジブチルマレエート、ジエチルマレエート等のマレイン酸エステル類、ビニルブチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類、エチレン、プロピレン、スチレン等のα−オレフィン類、塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン、又はハロゲン化ビニル類等)との共重合体を含む塩化ビニル系樹脂;
4)ポリ塩化ビニリデン、又は塩化ビニリデンと共重合可能なコモノマー(例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート等のアクリル酸エステル類、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類、ジブチルマレエート、ジエチルマレエート等の、マレイン酸エステル類、ビニルブチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類、エチレン、プロピレン、スチレン等のα−オレフィン類、塩化ビニル等)との共重合体を含む塩化ビニリデン系樹脂;
5)ホルムアルデヒドの単独重合体又はホルムアルデヒドとその他の成分との共重合体を含むポリアセタール系樹脂;
6)2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)プロパン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、1,3−ビス{2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピル}ベンゼン、1,4−ビス{2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピル}ベンゼン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1−3,3,3−ヘキサフルオロプロパン等の芳香族ビスフェノール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、スピログリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂肪族ジオール等のジヒドロキシ化合物と、ホスゲン又はジフェニルカーボネート等の重縮合体であるポリカーボネート系樹脂;
7)ポリエステル、若しくは1分子中にポリエステル由来の成分だけでなく、その他のポリマー成分との共重合体を含むポリエステル系樹脂;
8)ポリフェニレンスルフィド、若しくは1分子中にポリフェニレンスルフィド由来の成分だけでなく、その他のポリマー成分との共重合体を含むポリフェニレンスルフィド系樹脂;主鎖に芳香環基とその結合基としてスルホン基を有するポリスルホンホモポリマー又は1分子中にポリスルホンホモポリマー由来の成分だけでなくその他のポリマー成分との共重合体を含むポリスルホン系樹脂;
9)ポリエーテルケトンポリマー又はその他のポリマー成分との共重合体を含むポリエーテルケトン系樹脂;
10)p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、1,4−ジアミノナフタレン、1,5−ジアミノナフタレン等の芳香族ジアミンとピロメリット酸二無水物、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸二無水物、2,3,4,5−チオフェンテトラカルボン酸二無水物等の酸無水物との反応において生成するポリイミド系樹脂、等を挙げることができる。
更には、フッ素系樹脂、疎水性シリコーン系樹脂、メラミン系樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂等を挙げることができる。
これらの中でも、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂、エポキシ系樹脂が好ましく、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂がより好ましい。
本発明の光反射成型体において、基板の厚さとしては、光反射フィルムを安定して保持する観点から、300μm以上であることが好ましく、より好ましくは400〜2000μmの範囲内であることが好ましく、更に好ましくは500〜1000μmの範囲内である。なお、同様の樹脂フィルムで構成されている保護層の厚さは、前述のとおり、300μm未満であることが好ましい態様である。
本発明に係る基板は、従来公知のプラスチックフィルムの製膜方法を適宜選択して、製造することができる。
〔光反射フィルムのその他の構成層〕
光反射フィルムは、保護層の下又は保護層と反対側の最表面層の上に、さらなる機能の付加を目的として、導電性層、帯電防止層、ガスバリアー層、易接着層(接着層)、防汚層、消臭層、流滴層、易滑層、ハードコート層、耐摩耗性層、反射防止層、電磁波シールド層、紫外線吸収層、赤外線吸収層、印刷層、蛍光発光層、ホログラム層、剥離層、粘着層、上記高屈折率層及び低屈折率層以外の赤外線カット層(金属層、液晶層)、着色層(可視光線吸収層)、合わせガラスに利用される中間膜などの機能層の一つ以上を有していてもよい。上記構成層の中でも、赤外線吸収層を設けることが、不要な赤外線吸収し、赤外線反射能と反射精度をより高めることができる観点で好ましい。
(赤外線吸収層)
以下、一例である赤外線吸収層について、その詳細を説明する。
本発明の光反射成型体においては、赤外線吸収層を有していることが好ましい。すなわち、赤外線吸収層を有することが、赤外線遮蔽効果の観点から好ましい。
赤外線吸収層の層厚は、厚いと虹彩や色ムラの劣化が起こることと、近赤外線を吸収することで熱を帯びるため、50μm未満であることが好ましく、10〜30μmの範囲であることがより好ましい。
本発明において、赤外線吸収層を構成する材料としては、特に制限されないが、例えば、バインダー成分である紫外線硬化樹脂、光重合開始剤、赤外線吸収剤などが挙げられる。赤外線吸収層は、含まれるバインダー成分が硬化していることが好ましい。ここで、硬化とは、紫外線などの活性エネルギー線や熱などにより反応が進み硬化することを指し、鉛筆硬度がH以上であるハードコート性を有する層を形成することが好ましい。
赤外線吸収層に適用可能な赤外線吸収剤としては、無機赤外線吸収剤、有機赤外線吸収剤を挙げることができる。
無機赤外線吸収剤としては、可視光線透過率、赤外線吸収性、樹脂中への分散適性等の観点から、金属酸化物粒子であることが好ましく、例えば、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化タングステン及び酸化インジウム等が挙げられる。熱線吸収粒子の具体例としては、アルミニウムドープ酸化スズ粒子、インジウムドープ酸化スズ粒子、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)粒子、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)粒子、インジウムドープ酸化亜鉛(IZO)粒子、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)粒子、ニオブドープ酸化チタン粒子、スズドープ酸化インジウム(ITO)粒子、スズドープ酸化亜鉛粒子、ケイ素ドープ酸化亜鉛粒子、一般式MxWyOz(ただし、Mは、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、Iの内から選択される1種以上の元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.001≦x/y≦1、2.2<z/y≦3.0)で表される複合タングステン酸化物の微粒子、及び一般式XB(ただし、元素Xは、La、Ce、Pr、Nd、Gd、Tb、Dy、Ho、Y、Sm、Eu、Er、Tm、Yb、Lu、Sr又はCaから選択される少なくとも1種以上である)で表される6ホウ化物の微粒子(A2)を含有することが好ましい。
中でも、スズドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、及びセシウム含有酸化タングステン(Cs0.33WO)から選択される化合物を用いることが好ましい。これらは単独でも又は2種以上組み合わせても用いることができる。赤外線吸収剤の平均粒径は、5〜100nmが好ましく、10〜50nmがより好ましい。5nm以上であれば樹脂中の分散性や、赤外線吸収性が向上する。一方、100nm以下であれば、可視光線透過率が低下することがない。
前記赤外線吸収剤の赤外線吸収層における含有量は、赤外線吸収層の全質量に対して1〜80質量%であることが好ましく、5〜50質量%であることがより好ましい。含有量が1%以上であれば、十分な近赤外線吸収効果が現れ、80%以下であれば、十分な量の可視光線を透過できる。
また、有機物の赤外線吸収材料としては、ポリメチン系、フタロシアニン系、ナフタロシアニン系、金属錯体系、アミニウム系、イモニウム系、ジイモニウム系、アンスラキノン系、ジチオール金属錯体系、ナフトキノン系、インドールフェノール系、アゾ系、トリアリルメタン系の化合物などが挙げられる。金属錯体系化合物、アミニウム系化合物(アミニウム誘導体)、フタロシアニン系化合物(フタロシアニン誘導体)、ナフタロシアニン系化合物(ナフタロシアニン誘導体)、ジイモニウム系化合物(ジイモニウム誘導体)、スクワリウム系化合物(スクワリウム誘導体)等が特に好ましく用いられる。
バインダー成分として用いられる紫外線硬化樹脂は、ほかの樹脂よりも硬度や平滑性に優れ、更にはスズドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、セシウム含有酸化タングステン(Cs0.33WO)や熱伝導性の金属酸化物の分散性の観点からも有利である。紫外線硬化樹脂としては、硬化によって透明な層を形成する物であれば特に制限なく使用でき、例えば、紫外線硬化型ウレタン(メタ)アクリレート樹脂、紫外線硬化型ポリエステル(メタ)アクリレート樹脂、紫外線硬化型エポキシ(メタ)アクリレート樹脂、紫外線硬化型ポリオール(メタ)アクリレート樹脂等が挙げられる。これらのうち、紫外線硬化型(メタ)アクリレート系樹脂を用いることが好ましい。
赤外線吸収層の厚さは0.1μm以上、50μm未満の範囲が好ましく、1〜30μmの範囲がより好ましい。0.1μm以上であれば赤外線吸収能力が向上する傾向にあり、一方、50μm未満であれば塗膜の耐クラック性が向上する。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。なお、実施例において「部」又は「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」又は「質量%」を表す。また、特記しない限り、各操作は、室温(25℃)で行った。
《光反射成型体の作製》
〔光反射成型体1の作製〕
下記の記載の方法に従って、図1に記載の第1例の構成(保護層(5)/光反射層ユニット(4)/接着層(3)/基板(2))からなる光反射成型体1を作製した。
(1)保護層の準備
保護層として、東洋紡株式会社製、コスモシャインA4300(長さ1000m、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(略称:PET))を準備した。
(2)光反射層ユニットの形成
(低屈折率層形成用塗布液1の調製)
下記の方法に従って、低屈折率層形成用塗布液1を調製した。
撹拌容器にカチオンポリマーとしてメチルジアリルアミン塩酸塩重合体(3級アミン塩を含む)(PAS M−1、重量平均分子量20000、50質量%水溶液、ニットーボーメディカル株式会社製)4.0g、及びジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合体(4級アンモニウム基を含む)(PAS H−5、重量平均分子量30000、28質量%水溶液、ニットーボーメディカル株式会社製)5.0gと、ゆすぎ水31gと、ホウ酸(3質量%水溶液)31.9gとを混合した。ここに10質量%の酸性コロイダルシリカの水溶液(ST−OXS、濃度10%、平均一次粒径:4〜6nm、日産化学工業株式会社製)を489.9g加えた。これを撹拌しながら40℃まで加温した。ここに、ポリビニルアルコールの8質量%水溶液(JP−45、重合度4500、ケン
化度88モル%、日本酢ビ・ポバール株式会社製)386.3g、エマルジョン樹脂(スーパーフレックス650、第一工業製薬株式会社)30.5g、及び5質量%の界面活性剤の溶液(ソフタゾリンLMEB−R、川研ファインケミカル株式会社)6.3g、及び純水15gの混合液を加え、40℃で撹拌、混合し、低屈折率層形成用塗布液1を得た。低屈折率層形成用塗布液1を用いて作製した単層の屈折率は1.48であった。なお、屈折率の測定方法は下記のとおりである(以下同様)。
〈各層の単膜屈折率の測定〉
屈折率を測定するため、透明フィルム基材上に上記高屈折率層塗布液1を単層で塗布したサンプルを作製し、このサンプルを10cm×10cmに裁断した後、下記の方法に従って屈折率を求めた。日立製の分光光度計 U−4100(固体試料測定システム)を用いて、各サンプルの測定面とは反対側の面(裏面)を粗面化処理した後、黒色のスプレーで光吸収処理を行って裏面での光の反射を防止して、5°正反射の条件にて400〜2500nmの反射率の測定を行い、結果より屈折率を求めた。下記の屈折率は屈折率の波長依存性を考え1000nmの屈折率とした。
(高屈折率層形成用塗布液1の調製)
30質量%の酸化ジルコニウム粒子の分散液(SZR−W、ジルコニアゾル、粒度分布:D50 3〜5nm、堺化学工業株式会社製)384.8gに対してクエン酸水溶液(1.9質量%)を175.4g加えた。これに界面活性剤(ソフタゾリンLMEB−R、川研ファインケミカル株式会社製)の5質量%水溶液を1.94g添加し、これを40℃まで加温した。次いで、さらにエチレン変性ポリビニルアルコールの8質量%水溶液(株式会社クラレ製、エクセバールRS2117、ケン化度:97.5〜99モル%)を120.4g加え、さらに純水9.9gを加えた。これを10分撹拌後、ポリビニルアルコールの6質量%水溶液(JC−40、ケン化度:99モル%以上 日本酢ビ・ポバール株式会社製)240.8g及び純水66.7gを加えた。この後、40℃で180分間撹拌し、高屈折率層塗布液1を得た。
高屈折率層塗布液1を用いて作製した単層の屈折率は1.73であった。
(光反射層ユニットの形成)
32層同時塗布が可能なスライドホッパー方式の塗布装置を用い、上記調製した低屈折率層用塗布液1及び高屈折率層用塗布液1を45℃に保温しながら、45℃に加温した保護層(5)である長尺のフィルム1(長さ1000m、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム;東洋紡株式会社製、コスモシャインA4300、図1には5で記載。)上に、21層同時重層塗布(低屈折率層及び高屈折率層を交互に21層積層)を行った。この際、最下層及び最上層は低屈折率層(108nm)とし、それ以外は低屈折率層(108nm)及び高屈折率層(96nm)がそれぞれ交互に積層されるようにして、21層から構成される光反射層ユニット(4)を形成した。
(3)接着層の形成
上記形成した光反射層ユニット(4)上へ、下記の接着剤LR914を含む接着層形成用塗布液を、グラビアコーターを用いて、乾燥後の層厚が1.0μmとなる条件で塗布乾燥して、接着層(3)を形成した。
LR914:三菱ケミカル社製、アクリル樹脂、重量平均分子量:37000、酸価:5.0(mgKOH/g)、ヒドロキシ価:45.0(mgKOH/g)
(4)基板の付与と加熱貼合
次いで、基板として、ポリカーボネートフィルム(AGC社製、カーボグラス、厚さ:500nm)を、粘着層上に貼付した後、加圧しながら、130℃で加熱貼合を行って、光反射成型体1を作製した。
〔光反射成型体2の作製〕
上記光反射成型体1の作製において、光反射層ユニットの形成方法を下記に記載の方法に変更した以外は同様にして、光反射成型体2を作製した。
(光反射層ユニットの形成)
32層同時塗布が可能なスライドホッパー方式の塗布装置を用い、上記光反射成型体1の作製に用いたのと同様の低屈折率層用塗布液1及び高屈折率層用塗布液1を45℃に保温しながら、45℃に加温した保護層(5)であるPETフィルム上に、22層同時重層塗布(低屈折率層及び高屈折率層を交互に22層積層)を行った。この際、最下層は低屈折率層(108nm)、最上層は高屈折率層(96nm)として、22層から構成される第1の光反射層ユニットを形成した。次いで、同様にして、第1の光反射層ユニット上に、21層同時重層塗布(低屈折率層及び高屈折率層を交互に21層積層)を行った。この際、最下層及び最上層は低屈折率層(108nm)として、21層から構成される第2の光反射層ユニットを製膜し、総層数が43層の光反射層ユニットを形成した。
〔光反射成型体3の作製〕
上記光反射成型体1の作製における光反射層ユニットの形成条件として、低屈折率層の層厚を108nmから81nm、高屈折率層の層厚を96nmから72nmに、それぞれ変更した以外は同様にして、光反射成型体3を作製した。
〔光反射成型体4の作製〕
上記光反射成型体1の作製における接着層の形成において、接着剤LR914に代えて、下記に示す55−467を用いた以外は同様にして、光反射成型体4を作製した。
接着剤55−467:商品名:アクリディック55−467、DIC社製、アクリル樹脂、重量平均分子量:70000、酸価:3.8(mgKOH/g)、ヒドロキシ価:18.2(mgKOH/g)
〔光反射成型体5の作製〕
上記光反射成型体1の作製における接着層の形成において、接着剤LR914に代えて、下記に示すA−647GEXを用いた以外は同様にして、光反射成型体5を作製した。
接着剤A−647GEX:商品名:ペスレジンA−647GEX、高松油脂社製、ポリエステル樹脂、酸価:10(mgKOH/g)、ヒドロキシ価:0(mgKOH/g)
〔光反射成型体6の作製〕
上記光反射成型体1の作製における接着層の形成において、接着剤LR914に代えて、下記に示すGP−301を用いた以外は同様にして、光反射成型体6を作製した。
接着剤GP−301:商品名:レゼダGP−301、東亜合成社製、エポキシ樹脂、酸価:0(mgKOH/g)、ヒドロキシ価:0(mgKOH/g)
光反射成型体6の作製においては、接着層の形成時にカチオン重合開始剤を併用し、成型後に紫外線を照射して硬化させた。紫外線照射によりヒドロキシ基が発生し、光反射層ユニットを構成しているポリビニルアルコールと反応する。
〔光反射成型体7の作製〕
下記の記載の方法に従って、図2に記載の第2例の構成(第1保護層(5A)/第1光反射層ユニット(4A)/第2光反射層ユニット(4B)/第2保護層(5B)/接着層(3)/基板(2))からなる光反射成型体7を、図3で示した工程フローに従って作製した。
(1)保護層の準備
第1保護層及び第2保護層として、東洋紡株式会社製、コスモシャインA4300(長さ1000m、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(略称:PET))を準備した。
(2)光反射層ユニットの形成
(低屈折率層形成用塗布液及び高屈折率層形成用塗布液の調製)
上記光反射成型体1の作製に用いたのと同様の低屈折率層用塗布液1及び高屈折率層用塗布液1を用いた。
(ブロックAの作製)
図3のステップ1に記載したように、32層同時塗布が可能なスライドホッパー方式の塗布装置を用い、低屈折率層用塗布液1及び高屈折率層用塗布液1を45℃に保温しながら、45℃に加温した第1保護層(5A、PET)上に、10層同時重層塗布(低屈折率層及び高屈折率層を交互に10層積層)を行った。この際、最下層は低屈折率層(108nm)とし、それ以外は低屈折率層(108nm)及び高屈折率層(96nm)がそれぞれ交互に積層されるようにして、10層から構成される第1光反射層ユニット(4A)を形成した。
(ブロックBの作製)
図3のステップ1に記載したように、32層同時塗布が可能なスライドホッパー方式の塗布装置を用い、低屈折率層用塗布液1及び高屈折率層用塗布液1を45℃に保温しながら、45℃に加温した第2保護層(5B、PET)上に、11層同時重層塗布(低屈折率層及び高屈折率層を交互に11層積層)を行った。この際、最下層及び最上層は低屈折率層(108nm)とし、それ以外は低屈折率層(108nm)及び高屈折率層(96nm)がそれぞれ交互に積層されるようにして、11層から構成される第2光反射層ユニット(4B)を形成した。
(3)ブロックAとブロックBの貼合
次いで、図3のステップ2で示すように、ブロックAの第1光反射層ユニット(4A)と、ブロックBの第2光反射層ユニット(4B)が対向するようにして貼合した。
(4)接着層の形成
上記貼合した光反射層ユニットの第2保護層(5B)上へ、接着剤LR914(前出)を含む接着層形成用塗布液を、グラビアコーターを用いて、乾燥後の層厚が1.0μmとなる条件で塗布乾燥して、接着層(3)を形成した。
(5)基板の付与と加熱貼合
次いで、基板として、ポリカーボネートフィルム(AGC社製、カーボグラス、厚さ:500nm)を、接着層上に貼付した後、加圧しながら、130℃で加熱貼合を行って、第2例で示す光反射成型体7を作製した。
〔光反射成型体8の作製〕
上記光反射成型体7の作製において、第1光反射層ユニットの層数を22層、第2光反射層ユニットの層数を21層に、それぞれ変更した以外は同様にして、光反射成型体8を作製した。
〔光反射成型体9の作製〕
上記光反射成型体8の作製において、基板の構成材料をポリカーボネートフィルム(厚さ:500nm)に代えて、アクリル樹脂(ポリメチルメタクリレート(PMMA)、厚さ:500nm)に変更した以外は同様にして、光反射成型体9を作製した。
〔光反射成型体10の作製〕
上記光反射成型体8の作製において、接着層を形成する接着剤を、LR914に代えて、A−647GEX(前出)を用いた以外は同様にして、光反射成型体10を作製した。
〔光反射成型体11の作製〕
上記光反射成型体10の作製における第1光反射層ユニット及び第2光反射層ユニットの形成条件として、低屈折率層の層厚を108nmから81nm、高屈折率層の層厚を96nmから72nmに、それぞれ変更した以外は同様にして、光反射成型体11を作製した。
〔光反射成型体12の作製〕
上記光反射成型体1の作製において、接着層の形成を行わなかった以外は同様にして、光反射成型体12を作製した。
〔光反射成型体13の作製〕
上記光反射成型体12の作製において、光反射層ユニットと保護層の配置を逆にし、光反射層ユニット/保護層/基板とした以外は同様にして、光反射成型体13を作製した。
〔光反射成型体14の作製〕
上記光反射成型体1の作製において、光反射層ユニットと保護層の配置を逆にし、光反射層ユニット/保護層/接着層/基板とした以外は同様にして、光反射成型体14を作製した。
〔光反射成型体15の作製〕
特開2012−116045号公報の実施例(実施例2)に記載の方法に従って、ポリエステルAとしてポリエチレンテレフタレート(PET)を用い、ポリエステルBとしてシクロヘキサンジメタノールが33モル%共重合された共重合ポリエステル(PETG)を用い、ポリエステルAを401層、ポリエステルBを400層、交互に積層して、801層から構成される光反射成型体15を作製した。
上記作製した各光反射成型体の主要構成を、表Iに示す。
Figure 2020154003
《光反射成型体の評価》
上記作製した各光反射成型体について、下記の各特性値の測定及び評価を行った。
〔最大反射ピーク波長の測定〕
日立製の分光光度計 U−4100(固体試料測定システム)を用いて、5°正反射の条件にて380〜900nmの波長域における反射率を測定し、分光反射率ヒストグラムを作製した。
次いで、ヒストグラムにおける反射率が最大値となる時の最大反射ピーク波長(nm)を求めた。
〔最大ピーク反射率の測定〕
(成型直後の最大ピーク反射率1)
日立製の分光光度計 U−4100(固体試料測定システム)を用いて、作製直後の各光反射成型体について、5°正反射の条件にて380〜900nmの波長域における反射率を測定し、分光反射率ヒストグラムを作製した。次いで、各ヒストグラムにおける最大反射率を求め、これを成型直後の最大ピーク反射率1とした。
(耐久性の評価1:強制劣化処理後の最大ピーク反射率2)
上記作製した各光反射成型体を、85℃、85%RHの環境下で1000時間の強制劣化を施したのち、上記と同様にして最大反射率を測定し、これを強制劣化後の最大ピーク反射率2とした。
〔密着性の評価〕
(成型直後の密着性評価)
密着性の測定は、JIS K 5600に準拠し、成型直後の試料にカッターでクロス状に傷をつけ、100マスの切り目を入れる。セロハンテープを切れ目部分に貼り付けた後、45°方向に引っ張り、剥離されているマス数を計測し、これを密着性評価の尺度とした。
(耐久性の評価2:強制劣化処理後の密着性評価)
上記作製した各光反射成型体を、85℃、85%RHの環境下で1000時間の強制劣化を施したのち、上記と同様にして密着性を評価した。
〔成型後の表面均一性の評価〕
上記作製した各光反射積層体について、保護層面側より表面状態を目視観察した。
光の干渉縞、ぎらつき感、膜面の不均一等が観察される場合には「×」、このような光学的なバラツキがなく、均一性の高い膜面であれば「○」と判定した。
以上により得られた結果を、表IIに示す。
Figure 2020154003
表IIに記載の結果より明らかなように、本発明で規定する構成からなる光反射成型体は、比較例に対し、赤外線及び可視光線に対する高い反射率を有し、密着性及び耐久性が向上し、かつ反射光均一性に優れていることが分かる。
1 光反射成型体
2 基板
3 接着層
4 光反射層ユニット
4A 第1光反射層ユニット
4B 第2光反射層ユニット
5 保護層
5A 第1保護層
5B 第2保護層
F 光反射フィルム

Claims (6)

  1. 少なくとも光反射フィルムと基板より構成される光反射成型体であって、
    前記光反射フィルムが、少なくとも保護層、無機微粒子を含有する低屈折率層及び高屈折率層が交互の積層されている光反射層ユニット、及び接着層をこの順で構成され、かつ前記光反射層ユニットと前記基板とが、前記接着層を介して接着していることを特徴とする光反射成型体。
  2. 前記光反射フィルムを構成する前記光反射層ユニットが、2層の前記保護層により挟持されていることを特徴とする請求項1に記載の光反射成型体。
  3. 前記光反射層ユニットを構成する低屈折率層及び高屈折率層の総数が40層以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光反射成型体。
  4. 前記接着層が樹脂成分を含有し、前記樹脂成分のヒドロキシ価が40mgKOH/g以上、又は酸価が10mgKOH/g以上であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の光反射成型体。
  5. 前記接着層が含有する樹脂成分が、エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項4に記載の光反射成型体。
  6. 赤外線を反射することを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の光反射成型体。
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