JP2009525863A - 近臨界流体抽出方法 - Google Patents

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Abstract

水性−有機溶媒が水と水混和性有機溶媒との混合物であるときに、該水性−有機溶媒で植物材料又は動物材料を抽出することによって得られる溶液の構成成分の分画方法であって、一般的に、該溶液を近臨界流体と接触させて、高極性構成成分と水を含有するラフィネート相と、低〜中極性構成成分を含有する近臨界流体相を生成する工程;近臨界流体相をラフィネート相から分離する工程;及び近臨界流体相からの低〜中極性構成成分と、ラフィネート相からの高極性構成成分とを回収する工程を含む方法。

Description

本発明は分離技術に関する。植物材料又は動物材料を水性−有機溶媒混合物で抽出することによって得られる溶液の構成成分を、該溶液を近臨界流体と接触させることによって、極性に基づいて画分に分離する方法を提供する。本発明はさらに、特に、該溶液を最初に近臨界二酸化炭素と接触させてラフィネート相を得て、次に、該ラフィネート相を近臨界ジメチルエーテルと接触させる、二工程方法に関する。
背景
植物の抽出物と植物のチンキ(有機溶媒、通常はエタノール中に溶解した植物抽出物)は、天然の健康治療薬(health remedies)として広範囲に用いられている。植物の抽出物は、例えば、摂取される量が新鮮な植物材料の使用に比べて減少する、そしてさらに貯蔵寿命が植物材料に比べて改良されるので、特に好ましい。既知の又は疑わしい生体活性を有する“マーカー化合物”に対して植物抽出物の強度を標準化することが望まれている。これらの植物材料を抽出するために最も広く用いられる溶媒は、水と水+エタノール混合物であり、より軽度に用いられる溶媒は、他の親水性有機溶媒(例えば、アセトンと酢酸)と組み合わせた水である。これらの溶媒混合物は高い溶解強度を有するが、選択性は低く、望ましい生理的活性成分の全ての抽出と、同時に多量の不活性な成分又は好ましくない成分さえもの抽出を生じる。それ故、水性−有機溶媒混合物を用いて植物から得られる粗抽出物をさらに分割して、好ましい生体活性若しくはマーカー化合物の濃度を高めることができ、不活性及び/又は好ましくない成分を減ずる又は除去することができる分離方法の必要性が存在する。
生物学的活性抽出物を得るために植物材料を抽出するための最も一般的な溶媒は、水とエタノールとの混合物である。各溶媒成分の割合は0%から100%まで変化することができる。これらの溶媒混合物は、植物材料からの抽出を行うために比較的簡単な技術を必要とし、食品等級プロセスに許容できるので、これらの溶媒混合物は広く用いられている。他のアルコール(例えば、イソプロパノールとプロパノール)をエタノールの代わりに用いることができるが、これらのアルコールの、最終生成物中の許容可能な濃度はエタノールに比べて低くなる。水性−有機溶媒混合物は、水とエタノール混合物に限定される訳ではない。例えばアセトン、酢酸、ジメチルスルホキシド及びメタノールのような、多くの他の親水性有機溶媒も用いることができる。
近臨界CO又は超臨界COは、その臨界温度及び臨界圧力(31℃、74bar)が比較的容易に得られ、さらにCOは不活性、安価で、かつ容易に入手可能であるので、生物学的活性化合物を抽出するための代替食品等級溶媒の可能性である。COがエタノールよりも実質的に弱い溶媒であることは、当該技術分野で周知である。超臨界COを用いて抽出可能な生理的活性化合物の範囲は、一般に、親油性(脂溶性)で、低〜中分子量分子(例えば、米国特許No. 4,632,837に記載されているフレーバーやフレイグランスのような)に限定される。溶解力を改良する試みは、例えば、米国特許No. 5,017,397(この特許では、350barより大きい圧力が用いられている)と米国特許No. 5,252,729(この特許では、植物物質とCO不溶性分子が加水分解されて、該分子が抽出可能な断片に破壊されている)に記載されている。
純粋なCOの限界にトライして、克服するために、共溶媒として知られる、COと有機溶媒との単相混合物を用いて植物材料から天然産物を抽出することが、試みられている。共溶媒は通常、5〜20質量%の割合で用いられる。植物から生理的活性化合物を抽出するためのCOと共溶媒との使用を述べている特許の例は、米国特許No. 5,252,729(上記)、米国特許No. 6,569,640及び米国特許No. 6,291,241を包含する。さらに、米国特許No. 6,326,504は、溶解した近臨界流体を含む有機溶媒を用いて植物材料を抽出する方法(この場合、近臨界流体は、総溶媒混合物の50重量%未満、好ましくは7〜25重量%である)を述べている。抽出は50〜500bar、好ましくは150〜280barの圧力で行われる。意図される利益は、溶媒混合物の粘性の減少と、拡散性の上昇である。純粋な溶媒に比べて該混合物の溶解力の低下は認められないが、この低下は、以下に記載するように当該技術分野では知られている。上記方法の全ては、植物材料の初期抽出に高圧の使用を必要とし、これによって、大きい抽出容器容量が必要となる。このことは、加工プラントの高い資本コストを生じる。
COに代わる近臨界流体は、ジメチルエーテルである。水を含む又は含まないジメチルエーテルも、米国特許No. 4,234,619、No. 4,157,404、No. 4,136,065、No.4,069,351、No. 4,048,343、No. 3,900,288、No.3,795,750 及び日本特許No. 20011006636に記載されているように、植物材料及び動物材料の抽出に用いられている。しかし、上記特許のいずれも、水性−有機溶媒溶液中に含有される植物又は動物産物を抽出し、抽出物を分画する方法を述べていない。超臨界COに比べてジメチルエーテルによると非常に低い圧力を、広範囲な化合物の抽出に用いることができ、植物材料の乾燥は必要でない可能性がある。しかし、多量のジメチルエーテルと共に、大型の加圧搾出器がまだ必要であり、このことは安全性に危害を及ぼすことになる。抽出されうる化合物の範囲も、水性−有機溶媒よりも実質的に小さい。
極性の及び/又は大きい分子に対してCOの低い溶媒特性を用いて、微細な粉末を生成することができる。CO GAS(Gas Anti-Solvent)沈降プロセスは、米国特許No. 5,360,478に最初に記載された。固体物質を、
(i)最終的には再結晶した物質である溶質;
(ii)該溶質のための適当な溶媒である液体;及び
(iii)溶媒に可溶性であり、該溶媒を過飽和状態に近付けるか又は過飽和状態に達しさせて、該溶質物質を沈降させることができるガス状成分(CO
から成る系から再結晶させることができる。
GASプロセスの変形は、SAS(Supercritical Anti-Solvent)又はPCA(Precipitation with a Compressed Anti-Solvent)である。この場合、再結晶すべき溶質を含有する有機溶媒溶液に、該溶媒が超臨界流体と完全に混和することができるが、該溶質が新たな溶媒混合物に不溶であるような条件下で、超臨界流体を混合する(WO 9003782)。該溶質は沈殿して、微細な粉末を形成する。
米国特許No. 5,349,084は、発酵プロセス中の粗酸の生成、熱水による発酵ブロスからの該粗酸の抽出、該粗酸/水混合物中の水含量の3〜30%までの減少、その後の有機溶媒による該酸の再抽出の後に、GAS分画を用いたジカルボン酸の精製方法を記載する。溶液から好ましくない化合物を沈殿させるためにアンチソルベント(anti-solvent)として、COが用いられる。アンチソルベントの圧力は、COの臨界点未満である。
日本特許No. 6048952は、植物材料を有機溶媒(通常はエタノール)によって抽出して、脂溶性生理的活性成分を含有する溶液を得る多工程方法を記載する。該溶液を高圧ガス(CO)と、該ガスが極性化合物を沈殿させる液体溶媒中及び/又は極性液体画分中に大幅に溶解するような条件下で混合する。次に、溶解したCOを含有する有機溶液を100〜500barの圧力に加圧して、同圧力においてさらなる(超臨界)COと混合して、該有機溶媒中にさらなるCOを溶解して、該有機溶媒の溶解力をさらに減ずる。得られた溶液を次に、カラムに通すが、低極性成分は有機溶媒とCOとの新たな溶液中に依然として溶解状態である。次に、この溶液を減圧バルブに通して、セパレータ中に入れると、そこでCOが該有機溶媒及び低極性成分から分離される。次に、該COはさらなるセパレータを、COがガスであるという条件下で、通過して、汚染物を除去する。
しかし、日本特許No.6048952の方法は、幾つかの不利な点を有する。第1の不利な点は、最初の分離工程がより高い圧力で汲み上げなければならないガス飽和有機溶液を生じることである。このことは、ガスの放出のために、ポンプ中にキャビテーションを生じる。第2の不利な点は、COガスが、高圧においてさえも水性−有機溶液中に非常に低い溶解性を有することである(この資料は、水性−エタノール溶液がこの方法に使用可能であると述べている、但し、例は与えられていない)。それ故、この方法は、溶媒が水性−有機であるときに低い水分レベルに限定される。第3の不利な点は、最初の分離段階の低圧必要条件のために、再循環COがガス圧縮器を必要とすることである。ガス圧縮器の使用は、ポンプよりも大きいエネルギーを必要とする。
プロポリス・チンキの分画のための超臨界アンチソルベント方法は、O J Catchpole, J B Grey, K A Mitchell, J S Lan, J. Supercritical Fluids, 29, 97-106, 2004に記載されている。ミツバチは、幾つかの樹木種の葉からの樹脂状滲出物を集めて、次に、これをみつろうと混合して、プロポリスを得て、次に、これを用いて、ミツバチ巣に保護を与える。プロポリスは、ミツバチ巣からのワックス、フラボノイド及びデトリタス(detritus)を包含する成分の複雑な、樹脂状混合物である。プロポリスをミツバチ巣から剥ぎ取り、このプロポリスをエタノール又はエタノールと水との混合物中に溶解することによってチンキを作製する。次に、このチンキをさらに処理して、ワックスとデトリタスを取り出す。上記方法は、アグリコン・フラボノイド(炭水化物基の付着していないフラボノイド)が超臨界COを用いてチンキから抽出されることができ、そして他の未同定成分が沈殿することができる条件を同定する。この方法は、95%エタノールを用いて作製されたチンキからのアグリコン・フラボノイドの回収において効果的であるが、エタノール−水混合物のエタノール含量が70%に減少し、水含量が30%に増加するときに、該効率は著しく低下する。水性−有機溶液によって直接抽出されたものである植物材料又は動物材料の分画方法については記載されていず、アグリコン・フラボノイド以外の化学化合物の単離方法についても記載されていない。葉材料の水性アルコール抽出物中にアグリコン・フラボノイドは通常見出されず、非常に多くの極性グリコシル化フラボノイドが見出されることができる。
WO 2005/075614は、オリーブ葉を抽出し、その後に該抽出物を分留する方法を記載する。この場合に、オリーブ葉をヘキサン若しくはエタノールのいずれかで抽出する、この場合に、粗抽出物は、真空分留によって取り出される溶媒の大部分を有する、これを濾過して又は清澄化して、沈殿を取り出す。ヘキサンは、低極性化合物のみを抽出し、エタノールは葉から低〜中極性化合物を抽出する。濃縮した抽出物を次に、向流充填カラムにおいて超臨界COと接触させる。第2の、より大きく極性の有機溶媒を、10%の濃度まで、超臨界COに加えて、低〜中極性化合物の溶解性を改良する。COと有機共溶媒は、二段階減圧によって回収されうる抽出物中の全ての残留溶媒と低〜中極性化合物を抽出する。高極性化合物は、エタノールを用いた場合に、カラム内で沈殿する。これらの化合物の回収方法は記載されていない。第1抽出溶媒としてヘキサンを用いた場合には、沈殿画分が得られない。5%以上の水分を含有する水性−有機溶媒によって植物材料を抽出する方法も、水性−有機混合物を近臨界流体と直接接触させる(溶媒混合物は最初に部分的に蒸発する)方法も記載されていない。
WO 2005/075614に記載されている方法は、幾つかの不利な点を有する。最初に、粗抽出物を部分的に蒸発させ、濾過し/清澄化させなければならない。これは、溶媒を取り出し、回収するために高エネルギーを必要とし、より多くの処理工程とプロセス装置を必要とする。水性−有機溶媒は用いられていないので、最も高極性の化合物は溶媒抽出工程で抽出されない。抽出されている最高極性化合物は、カラム内で沈殿して、カラムからCOを除去し、次にカラムを有機溶媒で清浄化することによってのみ、不連続式に取り出されることができる。さらなる不利な点は、低〜中極性化合物に対するCOの溶解力を高めるための共溶媒として第2有機溶媒が必要であることである。
本発明者は、今回、溶液(植物材料又は動物材料を水性−有機溶媒によって抽出することによって得られる)を近臨界流体と接触させ、続いてさらなる処理を行うことによって該溶液の構成成分(constituents)を分画する方法が、既知方法の不利な点の1つ以上を克服する又は軽減するという驚くべき発見をした。
それ故、植物材料若しくは動物材料から抽出された成分の溶液の構成成分の分画方法を提供すること、又は少なくとも、有用な代替方法を提供することが、本発明の目的である。
発明の説明
本発明の第1態様では、水性−有機溶媒が水と水混和性有機溶媒との混合物である場合に、該水性−有機溶媒による植物材料若しくは動物材料の抽出によって得られる溶液の構成成分の分画方法であって、下記工程:
(a)該溶液を近臨界流体と接触させて、高極性構成成分と水を含有するラフィネート相と、低〜中極性構成成分を含有する近臨界流体相を生成する工程;
(b)近臨界流体相をラフィネート相から分離する工程;及び
(c)近臨界流体相から低〜中極性構成成分を回収する工程
を含む方法を提供する。
好ましくは、該方法は、該ラフィネート相から高極性構成成分を回収する工程をさらに含む。
本発明の第2関連態様では、水性−有機溶媒が水と水混和性有機溶媒との混合物である場合に、該水性−有機溶媒による植物材料又は動物材料の抽出によって得られる溶液の構成成分の分画方法であって、下記工程:
(a)該溶液を近臨界流体と接触させて、高極性構成成分と水を含有する第1ラフィネート相と、低〜中極性構成成分を含有する第1近臨界流体相を生成する工程;
(b)第1近臨界流体相を第1ラフィネート相から分離する工程;
(c)第1近臨界流体相を第2ラフィネート相と接触させて、中極性構成成分を含有する第3ラフィネート相と、低〜中極性構成成分を含有する第2近臨界流体相を生成する工程;
(d)第2近臨界流体相を第3ラフィネート相から分離する工程;及び
(e)第2近臨界流体相から低〜中極性構成成分を回収する工程
を含む方法を提供する。
近臨界流体が、超臨界CO、液体CO、エタン、エチレン、プロパン、プロピレン、ブタン、フッ化C−C炭化水素、亜酸化窒素、六フッ化硫黄、、ジメチルエーテル、ジメチルエーテルの部分的及び完全フッ化類似体、及びこれらの任意の2つ以上の混合物から成る群から選択されることが好ましい。
近臨界流体は、典型的には、超臨界CO、液体CO及びジメチルエーテルから成る群から選択され、大抵の場合には、超臨界CO又は液体COのいずれかである。或いは、該近臨界流体が好ましくはジメチルエーテルでありうる。
好ましくは、該水混和性有機溶媒はC−Cアルコール、例えばエタノールである。
該近臨界流体が超臨界COであるときに、該水性−有機溶媒は好ましくは50〜99容量%のエタノール、より好ましくは70〜99容量%のエタノールを含有する。
該近臨界流体がジメチルエーテルであるときに、該水性−有機溶媒は好ましくは0〜70容量%のエタノールを含有し、より好ましくは0〜50容量%のエタノールを含有する。
本発明の他の好ましい実施態様では、該水混和性有機溶媒が、C−Cケトン、C−Cカルボン酸、及びジメチルスルホキシドから成る群から選択される。
該近臨界流体相の圧力及び/又は温度を下げることによって、該近臨界流体相又は第2近臨界流体相から低〜中極性構成成分を回収することが好ましい。
2つ以上の画分中の低〜中極性構成成分を回収するために、圧力を2工程以上で下げることが好ましい。
或いは、該方法を、圧力を下げずに、ラフィネート相と近臨界流体相又は第2近臨界流体相を取り出す連続方法として行うことも可能である。
本発明の第3態様では、水性−有機溶媒が水と水混和性有機溶媒との混合物である場合に、該水性−有機溶媒による植物材料又は動物材料の抽出によって得られる溶液の構成成分の分画方法であって、下記工程:
(a)該溶液を第1近臨界流体と接触させて、高極性構成成分と水を含有する第1ラフィネート相と、第1近臨界流体相を生成する工程;
(b)第1近臨界流体相を第1ラフィネート相から分離する工程;
(c)第1ラフィネート相を第2近臨界流体と接触させて、高極性構成成分と水を含有する第2ラフィネート相と、中極性構成成分を含有する第2近臨界流体相を生成する工程;
(d)第2近臨界流体相を第2ラフィネート相から分離する工程;及び
(e)第2近臨界流体相から中極性構成成分を回収する工程
を含む方法を提供する。
第1近臨界流体と第2近臨界流体が、超臨界CO、液体CO、エタン、エチレン、プロパン、プロピレン、ブタン、フッ化C−C炭化水素、亜酸化窒素、六フッ化硫黄、、ジメチルエーテル、ジメチルエーテルの部分的及び完全フッ化類似体、及びこれらの任意の2つ以上の混合物から成る群から独立的に選択されることが好ましい。
第1近臨界流体が、第2近臨界流体よりも極性化合物に対して低い溶解力を有することが好ましい。
第1近臨界流体が液体CO若しくは超臨界COであり、第2近臨界流体が液体ジメチルエーテルであることがより好ましい。
本発明の第4態様では、水性−有機溶媒が水と水混和性有機溶媒との混合物である場合に、該水性−有機溶媒による植物材料又は動物材料の抽出によって得られる溶液の構成成分の分画方法であって、下記工程:
(a)該溶液を第1近臨界流体と接触させて、高極性構成成分と水を含有する第1ラフィネート相と、第1近臨界流体相を生成する工程;
(b)第1近臨界流体相を第1ラフィネート相から分離する工程;
(c)第1ラフィネート相を第2近臨界流体と接触させて、高極性構成成分と水を含有する第2ラフィネート相と、中極性構成成分を含有する第2近臨界流体相を生成する工程;
(d)第2近臨界流体相を第2ラフィネート相から分離する工程;
(e)第2近臨界流体相を第3ラフィネート相と接触させて、中極性構成成分を含有する第4ラフィネート相と、他の中極性構成成分を含有する第3近臨界流体相を生成する工程;
(f)第3近臨界流体相を第4ラフィネート相から分離する工程;及び
(g)第3近臨界流体相から該他の中極性構成成分を回収する工程
を含む方法を提供する。
第1近臨界流体と第2近臨界流体が、超臨界CO、液体CO、エタン、エチレン、プロパン、プロピレン、ブタン、フッ化C−C炭化水素、亜酸化窒素、六フッ化硫黄、、ジメチルエーテル、ジメチルエーテルの部分的及び完全フッ化類似体、及びこれらの任意の2つ以上の混合物から成る群から独立的に選択されることが好ましい。
第1近臨界流体が、第2近臨界流体よりも極性化合物に対して低い溶解力を有することが好ましい。
第1近臨界流体が液体CO又は超臨界COであり、第2近臨界流体が液体ジメチルエーテルであることがより好ましい。
本発明の第5態様では、水性−有機溶媒が水と水混和性有機溶媒との混合物である場合に、該水性−有機溶媒による植物材料又は動物材料の抽出によって得られる溶液の構成成分の分画方法であって、下記工程:
(a)該溶液を第1近臨界流体と接触させて、高極性構成成分と水を含有する第1ラフィネート相と、低〜中極性構成成分を含有する第1近臨界流体相を生成する工程;
(b)第1近臨界流体相を第1ラフィネート相から分離する工程;
(c)第1近臨界流体相から該低〜中極性構成成分と有機溶媒とを回収して、第2溶液を得る工程;
(d)第2溶液を第2近臨界流体と接触させて、中極性構成成分を含有する第2ラフィネート相を生成する工程;
(e)第2近臨界流体相を第2ラフィネート相から分離する工程;
(f)第2ラフィネート相から中極性構成成分を回収する工程;及び
(g)第2近臨界流体相から低極性構成成分を回収する工程
を含む方法を提供する。
第1近臨界流体と第2近臨界流体が、超臨界CO、液体CO、エタン、エチレン、プロパン、プロピレン、ブタン、フッ化C−C炭化水素、亜酸化窒素、六フッ化硫黄、ジメチルエーテル、ジメチルエーテルの部分的及び完全フッ化類似体、及びこれらの任意の2つ以上の混合物から成る群から独立的に選択されることが好ましい。
第1近臨界流体が、第2近臨界流体よりも極性化合物に対して高い溶解力を有することが好ましい。
第1近臨界流体が液体ジメチルエーテルであり、第2近臨界流体が液体CO又は超臨界COであることがより好ましい。
詳細な説明
本発明は、植物材料の水性−有機溶媒抽出から画分を生成するための近臨界アンチソルベント分画方法に関する。この方法では、近臨界流体は溶媒及びアンチソルベントとして同時に作用して、少なくとも2つの画分:低〜中極性化合物を含有する、少なくとも1つの抽出物画分と、高極性化合物と水を含有する、少なくとも1つの画分を生成する。これらの画分のいずれかに、第2近臨界流体を用いて、該方法を再適用することができる。
本発明は、大ざっぱには、水性−有機溶媒によって植物原材料又は動物原材料を抽出して、複数の化合物を有する抽出物を含有する溶液を得て、続いて、該溶液を近臨界流体と接触させることによって、該抽出物を画分に、それらの極性に基づいて分離することに関する。該近臨界流体は、溶媒とアンチソルベントの両方として作用する。
本明細書で用いる“高極性”なる用語は、一般的に、純粋なエタノール中よりもエタノール/水混合物中でより大きく溶解性である化合物に関係する。
本明細書で用いる“低極性”なる用語は、一般的に、脂肪若しくは油中に、典型的な脂肪溶媒(fat solvents)若しくは油溶媒(oil solvents)中に溶解性であり、エタノール中で中程度〜弱溶解性を有する(そして水中では不溶性である)化合物に関係する。
本明細書で用いる“中極性”なる用語は、一般的に、エタノール中で溶解性であるが、水中では弱溶解性又は不溶性である化合物に関係する。
本明細書で用いる“水性−有機溶媒”なる用語は、一般的に、水と低分子量の水混和性有機溶媒(例えば、C−Cアルコール、アセトン、C−Cカルボン酸、ジメチルスルホキシド、C−Cアルキルアミン、アリールアミン、C−Cアルデヒド、及びピリジン)とを含有する溶媒混合物を意味する。該有機溶媒が水混和性有機溶媒であること、及び該有機溶媒が、当業者に知られた、適当な圧力及び温度において超臨界CO又は近臨界ジメチルエーテルに対して非常に溶解性であるか又は混和性であることは、当業者によって理解されるであろう。
本明細書で用いる“接触(contact)”なる用語は、一般的に、当業者に周知であるような抽出器/沈降チャンバに連結する又は抽出器/沈降チャンバ内に含まれる、適当な装置中で該溶液を近臨界流体と混合することを意味する。適当な装置は、非限定的に、静的ミキサー、ノズル、混合弁、充填(構造化若しくはランダム)、T字型ジョイント、膜型コンタクター、及び同心パイプを包含する。好ましくは、該溶液と近臨界流体を、静的ミキサーを用いて接触させる。
本明細書で用いる“溶解力(solvent power)”なる用語は、一般的に、溶質を溶解する溶媒の能力を意味する。例えば、極性化合物に対して高い溶解力を有する流体は、該流体が、極性化合物に対して低い溶解力を有する流体よりも、極性化合物を溶解する大きい能力を有することを意味する。
本明細書で用いる“分離する(separate)”なる用語は、一般的に、近臨界流体相と溶解している低〜中極性化合物とを含む流れを装置から、該流れから沈降した極性化合物を除去しながら、取り出すことを意味する。
本明細書で用いる“近臨界流体(near-critical fluid)”なる用語は、一般的に、その臨界点に近い状態である流体を意味し、したがって、臨界未満流体と超臨界流体の両方を包含する。近臨界は、0.70≦T≦1.25(この場合、Tは該流体の臨界温度Tによって分割した温度である)の低い温度範囲と;T<Tに対してP>P(この場合に、Pは蒸気圧である)とT≧Tに対するP>P(この場合に、Pは臨界圧力である)の圧力範囲を包含する。
用いる近臨界流体が、超臨界CO、臨界未満ジメチルエーテル又はこれらの混合物であることが好ましい。超臨界COは該溶液と、好ましい圧力(≧75bar)及び好ましい温度T(>31.2℃)において混合することができる。或いは、液体COを用いることができる(T<31.2℃、TにおけるCOの蒸気圧よりも大きい圧力);又は一定温度におけるその蒸気圧より大きい圧力において近臨界ジメチルエーテルを用いることができる、この場合、該温度は10℃〜100℃である。近臨界領域は、該溶媒の蒸気圧が室温(298K)において少なくとも5barである領域を包含するように設定される。当該技術分野で知られた、他の近臨界流体(例えば、エタン、エチレン、プロパン、プロピレン、ブタン、フッ化C−C炭化水素(特に、R134a−1,1,1,2−テトラフルオロエタン)、亜酸化窒素、六フッ化硫黄、ジメチルエーテルの部分的及び完全フッ化類似体、及びこれらの任意の混合物)を用いることができる。しかし、ジメチルエーテルを除いた、これらの溶媒の全ては水との不良な相互溶解性を有するので、水性−有機溶媒が50〜100%水分(抽出物を含まない基準で)であるときに、ジメチルエーテルは好ましい溶媒である。
温度が273〜343Kの範囲内であり、圧力が低〜中極性化合物の完全な抽出と、高極性化合物の沈殿を保証するのに充分であることが好ましい。有機溶媒が近臨界流体中に実質的に溶解可能であるように温度及び圧力が選択されることを、当業者は理解するであろう。
適当な低〜中極性化合物は、近臨界流体中に溶解性であるか、又は近臨界流体と有機溶媒との混合物中に溶解性である化合物である。
本発明の方法によって抽出され易い低〜中極性化合物は、非限定的に、脂質(例えば、脂肪酸、脂肪酸C−Cアルコールエステル、脂肪酸アミン、脂肪酸アミド、アルコキシグリセロール・エーテル、脂肪アルコール、脂溶性ビタミン、ステロール、ワックスエステル、カロテノイド、炭化水素)、オレオレジン、精油、アグリコン・フラボノイド、ハイパーフォリン、及びポリフェノール性アンチオキシダント(例えば、camosic acid、salvianolic acid及びルテオリン)を包含する。このリストは排他的ではなく、用いる近臨界流体に依存するものである。例えば、COを用いる場合には、リン脂質が沈殿するが、ジメチルエーテルを用いる場合には、リン脂質が抽出される。
近臨界流体中に溶解性でない如何なる中極性化合物もラフィネート中で水相と共沈することは理解されるであろう。
ラフィネート中で沈殿する高極性及び/又は高分子量化合物は通常、高度に水溶性であり、例えば、タンパク質、アミノ酸、酵素、単糖、炭水化物、タンニン及び尿素を包含する。
本発明を、大部分は、植物材料の抽出によって得られる溶液の分画に関連して記載するが、動物材料の抽出によって得られる溶液の分画も本発明の一部を同様に形成する。
水性アルコール混合物を用いる植物材料の抽出は、当該技術分野で周知である。抽出の収率と組成は、溶媒混合物中の親水性溶媒の水に対する比率、溶媒の固体物質に対する比率、抽出温度、植物材料を粉砕する程度、及び抽出前の植物材料の含水率に依存する。一般に、溶媒中の親水性溶媒の水に対する比率が高ければ高いほど、低〜中極性化合物の収率は大きくなる。溶媒混合物中の含水量の増加は高極性化合物の抽出の増加と低極性化合物の減少を生じる。広範囲な極性を有する植物材料からの抽出を達成するには、通常、親水性溶媒の水に対する最適比率が存在する。エタノール/水混合物の溶媒組成は、通常、95%エタノール/5%水から70%エタノール/30%水までの範囲内である。溶媒の植物材料に対する比率は、溶媒から使用済み植物材料(spent plant material)を分離しうることを保証するために充分である。典型的な溶媒対固体比率は2:1〜20:1である。
本発明の1実施態様では、超臨界COを、適当な植物材料の抽出から得られた水性−有機溶液と共に抽出器に導入する。
植物材料は、好ましくは、他の好ましくない化合物から分離されるべきである少なくとも1種類の好ましい化合物を含有すると分かっている植物材料から選択される、より好ましくは、水性−有機溶媒によって同時に抽出される、種々な分子量及び極性の複数種類の好ましい化合物を含有する。
植物材料は、植物全体及び/又はその部分(葉、幹、花、種子、根、樹皮、芯材、樹液又は樹脂)を包含することができる。植物は陸生又は海水/淡水由来(例えば、ミクロ及びマクロ藻類)であることができる。植物材料は、新鮮な、凍結した又は乾燥した形で、水性−有機溶媒を用いて抽出することができる。植物材料を抽出前に粉砕することが好ましい。
他の実施態様では、溶媒及びアンチソルベントと同時に超臨界COを用いる。COは、植物抽出物を含有する水性−有機溶液と接触すると、該溶液のpHを低下させて、低〜中極性抽出物構成成分とエタノールの殆どを抽出する。エタノールは、共溶媒として作用して、植物抽出物構成成分の溶解性を大きく高める。極性の植物抽出物構成成分と水は、超臨界COのアンチソルベント挙動によって抽出器中に沈降して、水中の極性植物構成成分の液体溶液として連続的に取り出されることができる。
低〜中極性の植物抽出物構成成分のCO溶液は適当な容器に移して、そこで、エタノールと植物抽出物構成成分が液体流として該容器中に沈降するような点まで圧力を低下させる。
図1を参照すると、種々な温度及び圧力における三成分系エタノール/水/COの相図(phase diagram)を示す。一定の温度及び圧力におけるラインの上方領域は単相混合物であり、下方領域は二相である。CO軸から相ラインまでのダッシュ・ラインは、COがアンチソルベントとして作用し(そして沈降させ)うるほど充分なCOが液体相中に溶解し、そしてエタノールが溶媒として作用し、有機溶媒(エタノール)及び中極性化合物を溶解させうるほど充分なエタノールがCO中に溶解することを保証する、好ましい作用領域を示す。液体相は該ラインの右側に存在し、蒸気相は左側に存在する。該相図は、68barの低圧では、抽出を可能にする著しい量のエタノールを溶解する蒸気圧が形成されることができないことを示している。さらに、圧力がさらに低下すると、極性化合物を沈殿させるに十分なCOが液体相中に溶解することができない。低圧相ラインは、圧力低下中に中極性及び低極性溶質と有機溶媒を回収すると期待することができる相を示す。ジメチルエーテルに対しても同様な相図を描くことができるが、ジメチルエーテルは水との相互溶解性が大きいために、単相領域がCOに対する単相領域よりも大きい。
圧力低下を1工程又は複数工程で行って、植物抽出物構成成分の1つ以上の画分を得ることができる。次に、エタノールの蒸発によって、液体流(単数又は複数)から植物抽出物構成成分を回収することができる。
一般に、圧力が低下すると、近臨界流体中に最低溶解性であるような植物抽出物構成成分が最初に沈降するであろう。最高溶解性である植物抽出物構成成分は最後に沈降するであろう。それ故、植物抽出物構成成分の相互からの或る程度の分離又は分画が達成されうることは理解されるであろう。さらに、エタノールの大部分が最後に沈降し、したがって植物材料の再抽出のために再循環することができるように、分離条件を選択することができる。
高分子量で低極性の化合物は低極性を有する低分子量化合物よりも弱溶解性であり;同様な分子量の中極性化合物はそれらの対応する低極性化合物よりも弱溶解性であるので、分画は分子量並びに極性に関して行われる。
代替的に、又は段階的圧力低下による分画の他に、植物抽出物構成成分を充填カラムにおいてさらに分画することができる。
場合によっては、抽出工程後で、圧力低下工程前に、高圧水洗浄工程を導入して、近臨界COによって抽出されるエタノールを部分的に除去して、それによって近臨界流体相中の中極性化合物の溶解性を低下させる。これらの中極性化合物は次に沈降して、さらなる画分を生じる。
他の実施態様では、臨界未満のジメチルエーテルを溶媒及びアンチソルベントと同時に用いる。植物抽出物を含有する溶液と接触すると、ジメチルエーテルは低〜中極性の植物抽出物構成成分と、有機溶媒の全てと、水の一部を抽出する。同時抽出された有機溶媒と水は、共溶媒として作用して、植物抽出物構成成分の溶解性を非常に高める。極性の植物抽出物構成成分と残留する水は、近臨界ジメチルエーテルのアンチソルベント挙動によって抽出器中に沈降して、水中の極性植物構成成分の液体溶液として連続的に取り出されることができる。
低〜中極性の植物抽出物構成成分のジメチルエーテル溶液を適当な容器に移して、そこで、ジメチルエーテルが蒸気になり、有機溶媒の水及び植物抽出物構成成分が液体流として該容器中に沈降するような点まで圧力を低下させる。
或いは、一定圧力において温度を下げて、ジメチルエーテル中の水の溶解性を実質的に低下させることができる。この結果として、中極性化合物の沈殿が生じる。
別の代替手段として、温度を殆ど又は全く変化させないで、系ジメチルエーテル/水に関して3相領域が存在するような点まで圧力を部分的に低下させることができる。
次に図2を参照すると、該方法の好ましい実施態様に用いる装置の概略的で、非限定的な図を示す。最初の実施態様では、液体供給シリンダーCYL1とCYL2によって、近臨界溶媒を装置に供給する。次に、該近臨界溶媒は、冷水トラップWT1とコンデンサー/サブクーラーHX1を通過してから、容量型ポンプMP1によって運転圧(operating pressure)に加圧される。加圧された近臨界溶媒は、次に、プレヒーターの熱交換器HX2を通過してから、第1接触容器EX1に垂直降下管(選択的に終端は静的ミキサーに入る)を介して達する。同時に、植物又は動物抽出物を含有する水性−有機溶液が供給タンクから引き出されて、ピストンポンプLP1によって運転圧に加圧される。この高圧溶液は次に、EX1中に達する降下管の直前で、T字型ジョイント中で近臨界溶媒と混合される。不溶性の高極性抽出物と水は沈降して、EX1の底部から弁EXV1を介して回収される。二次セパレーターを用いて、近臨界溶媒(フラッシュオフ(flash off)する)を回収することができる(図示せず)。残りの中〜低極性抽出物と、有機溶媒の大部分は近臨界流体中に溶解して、該容器の頂部に分離相を形成する。この相は、第1接触容器から弁EXV4を介して連続的に取り出される。
一緒にした近臨界富化溶液(near-critical rich solution)は、次に、減圧弁CV1を通過し(ここで、圧力は少なくとも中極性抽出物を沈降させるに充分に低下する)、次に第1加熱分離容器SV1に入る(熱転移を改良するためにCV1の後に熱交換器を含めることもできる)。中極性抽出物と有機溶媒量は該容器中に沈降する。この抽出物は弁EV4を通してのさらなる減圧によって二次抽出物回収容器SV4に連続的に回収され、次に弁VV4を通して回収されうる。有機溶媒からのガス分離から生じるガスは弁RV3を介して回収されうる。
近臨界流体の大部分と低極性抽出物は、SV1の頂部に分離相を形成する。この相は次に背圧調節弁BPR1を通過して、そこで圧力がシリンダー圧に低下してから、第2分離容器SV2に熱交換器HX3を介して入る。抽出物の残部と有機溶媒は、この容器中に沈降する。この抽出物はさらなる減圧によって弁EV5を介して容器SV5中に連続的に回収することができ、次に弁VV5を介して回収されることができる。有機溶媒からのガス分離から生じるガスは、安全弁RV5を介して回収することができる。或いは、低〜中極性抽出物と有機溶媒の回収は、当該技術分野で周知であるように、単一分離工程で行われる。ガスの大部分はSV2の頂部に存在し、次に、コリオリ効果質量流量計FM1とクーラー熱交換器HX4を通過してから、水トラップWT1を介してMP1に戻して再循環される。
該方法の第2実施態様では、第1接触容器EX1中に存在する近臨界相がこの容器を出るまで、工程は第1実施態様に関した述べたのと同じである。この場合に、該近臨界相は弁EXV3を通過して、第2接触容器EX2に入り、そこで、該近臨界相は、静的ミキサーに終端が入る降下管中で、高圧ポンプLP2によって供給される水と接触する。2つの流れが相互に接触した後で、一部の有機溶媒と中極性の植物抽出物又は動物抽出物を含有する水相は、上部の近臨界相から下部相として分離して、弁EXV2を介して回収されうる。上部の近臨界相は弁EXV7を介して回収され、次に、残留する低〜中極性抽出物と有機溶媒は、第1実施態様に関して述べたように回収される。
該方法のさらなる実施態様では、近臨界溶媒として超臨界COを用いての該方法の第1実施態様の適用から生じる複数の極性抽出物を含有する水相は、該方法の第1実施態様のさらなる適用のためのフィードストックになるが、この場合に該近臨界溶媒は今やジメチルエーテルである。
該方法の別の実施態様では、近臨界溶媒としてジメチルエーテルを用いての該方法の第1実施態様の適用から生じる複数の中極性又は低〜中極性抽出物を含有する水性有機相は、該方法の第1実施態様のさらなる適用のためのフィードストックになるが、この場合に該近臨界溶媒は今や超臨界COである。
該方法のなお、さらなる実施態様では、追加の有機溶媒がポンプLP2と弁EXV5を介して供給され、次に、水性有機溶媒混合物及び第1実施態様による近臨界流体と混合される。
実施例1 エキナセア・プルプレア水性−有機溶液(気中部分)
この実施例は、連続アンチソルベント/抽出方法を用いて、水/エタノール溶液から活性成分、フェノール系化合物(phenolics)及びアルカミドを分離する方法を実証する。エキナセア・プルプレアの乾燥した気中部分の溶媒抽出によって得られる、市販の水性アルコール(水/エタノール)溶液を用いた。水性アルコール溶媒のエタノール含量(抽出物を含まない基準)は93%であった。エキナセア・プルプレア溶液を抽出容器中で280bar及び60℃において超臨界COと接触させた。ラフィネート画分を該抽出容器の底部から一定の時間間隔で回収した。抽出物は、30bar及び60℃で操作される単一セパレーターから回収した。
フィード液体(エキナセア頂部の水性アルコール・チンキ)の、溶媒(超臨界CO)に対する比率は、プロセス中に抽出されるアルカミド(親油性化合物)とプロセス中に沈降するチコリン酸(親水性化合物)との分離度に対する効果を調べるために、0.012〜0.25の範囲にわたって変化させた。
ラフィネートと抽出物のサンプルを、チコリン酸を含めたフェノール系化合物に関して公開HPLC方法(N. B. Perry, E. J. Burgess, and V. L Glennie, J. Agri. Food Chem., 2001, 49, 1702-1706)によって分析した。溶媒を含有する液体サンプルに関しては、サブサンプル(1ml)を乾燥させ、エタノール/水(70%)10ml中に再溶解し、15分間振とうし、濾過(0.45μmフィルター)してから、分析した。固体サンプルに関しては、サンプル125mgをエタノール/水(70%)25mlと共に15分間振とうし、濾過(0.45μmフィルター)した。
ラフィネートと抽出物のサンプルを、アルカミドに関してHPLCによって公開方法(N. B. Perry, J. W. van Klink, E. J. Burgess, and G. A Parmenter, Planta Medica, 1997, 66, 58-62)を用いて分析した。溶媒を含有する液体サンプルに関しては、該サンプルのサブサンプル(1ml)を乾燥させ(回転蒸発、35℃)、次に、水(0.2ml)中に再溶解した。この溶液を、内部標準としてN−フェニルペンタンアミド0.1mg/mlを含有するアセトニトリル(1.8ml)によって希釈した。得られた懸濁液のサブサンプル(1ml)をC18固相抽出カラム(Supelco、3ml、9:1アセトニトリル/水によって予め浸潤)に通して濾過し、さらなる9:1アセトニトリル/水(2ml)によってすすぎ洗いした。一緒にした溶出液をHPLC分析の前に濾過した(0.45μm)。固体サンプルの抽出はやや変化し、採取した質量(0.5g)を水(1ml)中に溶解して、次に、内部標準としてN−フェニルペンタンアミド0.1mg/mlを含有するHPLC等級のアセトニトリル(9ml)に加えた。
結果は、表1にラフィネート・サンプル及び抽出物サンプルに関して、特定の溶媒流速対CO流速比率において示す。総フェノール系化合物がラフィネート・サンプルの質量に直接関連付けられるように、ラフィネート・サンプルを蒸発乾燥させた。抽出物サンプルは該チンキからのエタノールを含有するが、エタノールを蒸発させずに分析した。この実施例は、超臨界アンチソルベント分画が、抽出物中に濃縮されている活性アルカミド成分と、ラフィネート中に濃縮されている活性フェノール系成分とを分離することができることを示す。該実施例はさらに、溶媒のフィードに対する比率が該2種類の化合物の分離効率に殆ど影響を及ぼさないことを示す。
Figure 2009525863
実施例2 エキナセア・アウグスチフォリア水性−有機溶液(根)
この実施例は、連続アンチソルベント/抽出方法を用いて、水/エタノール溶液から活性成分、フェノール系化合物及びアルカミドを分離する方法を実証する。エキナセア・アウグスチフォリアの乾燥した根の溶媒抽出によって得られる、市販の水性アルコール(水/エタノール)溶液を用いた。水性アルコール溶媒のエタノール含量(抽出物を含まない基準)は93%であった。用いた実験方法と分析方法は、実施例1で用いたものと同じであった。
結果は、表2にラフィネート・サンプル及び抽出物サンプルに関して、各々特定の溶媒溶液対CO比率において示す。この実施例は、超臨界アンチソルベント分画が、抽出物中に濃縮されている活性アルカミド成分と、ラフィネート中に濃縮されている活性フェノール系成分とを分離することができることを示す。該実施例はさらに、溶媒のフィードに対する比率が該2種類の化合物の分離効率に殆ど影響を及ぼさないことを示す。
Figure 2009525863
実施例3 セージ水性−有機溶液
この実施例は、水/エタノール溶液から親水性ポリフェノール系化合物(polyphenolics)、親油性アンチオキシダント、及びフレーバー/アロマ化合物を3つの分離画分に分離するための超臨界アンチソルベント分画方法を実証する。該エタノール/水溶液は、乾燥したダルマチアン・セージ葉の溶媒抽出によって得た。乾燥したセージ葉の抽出は、撹拌式タンク内で行った。植物材料をナイフ・ミルで約0.5〜1mmの粒度に粉砕した。植物材料約2kgを該撹拌式タンクに加えて、次に、該植物材料が水中に沈むまで、溶媒(70:30エタノール:水の質量比)を加えた。溶媒対固体の総合比率は3:1(溶媒体積/固体質量)であった。該タンクを40℃において3時間撹拌した。植物材料から真空濾過によってチンキを分離して、フィード溶液を得た。セージ・フィード材料、水性アルコール抽出物の分析、及びアンチソルベント分画からの抽出物とラフィネートを、GCによる精油マーカー成分、比色分析による総フェノール、1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジル(DPPH)のラジカル・スカベンジング、HPLCによるポリフェノール系含量(polyphenolic content)、及びHPLCによる親油性アンチオキシダントに関して分析した。分析方法に関する詳細は、以下に簡単に述べる。
セージ精油のGC分析 乾燥したラフィネート又は抽出物をヘキサンによって抽出し、加熱水浴中で振とうした。ヘキサン溶解性抽出物を不溶性セージ材料から濾過によって分離して、次に蒸発乾燥させた。GC分析は、80〜300℃(7.5℃/分)での石英ガラスDB−5カラムと、FIDデテクター(300℃)を用いて、行った。外部標準及び内部標準として、樟脳とn−オクタデカンを用いた。
総フェノール含量 セージ画分の総フェノール含量は、Folin-Ciocalteau試薬を用いて比色法によって測定した。測定は、酸性化水性メタノール中に溶解した種々な濃度の没食子酸を用いて没食子酸当量として行った。
ラジカル・スカベンジング能力 セージ画分の1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジル(DPPH)ラジカル・スカベンジング能力を、新たに調製したDPPHの0.1mMメタノール溶液を用いて測定した。ラフィネート及び抽出物の溶液をメタノール中に1.0mg/10mlの濃度になるように調製して、これらの0.1mlアリコートを該DPPH溶液の2.0mlに加えた。対照のために、メタノール0.1mlをメタノール2.0mlに加えた。各添加後に該混合物を振とうして、1時間放置した。サンプルの吸光度を517nmにおいて測定し、対照に比較した吸光度の低下は、各サンプルの相対的フリースカベンジング活性値(value of the relative free scavenging activity)を与えた。
HPLCによるポリフェノール系化合物 セージ抽出物サンプルとラフィネート・サンプルを70%水性アセトンによって3回抽出した。3回のアセトン抽出物を一緒にして、濃縮して、凍結乾燥した。一緒にしたアセトン抽出物をHP20カラム上で水画分とメタノール画分に分画して、水画分から、水又は水性メタノ−ル(30%までメタノール)を用いて、Sephadex及び/又はMCl HP20上でのカラムクロマトグラフィーによって、グリコシドを単離した。画分を自動画分コレクターを用いて回収して、HPLCによってモニターした。HPLC分析は、DADデテクター(280と350nmに設定)と30℃に保持されたLiChrospher 100 RP-18カラムを装備したHewlett Packard series 1100上で、下記溶媒プログラム:溶媒A、HO中2%HOAc;溶媒B、CHCN中2%HOAc;4%Bから出発して、20分間で12%Bまで、30分間で20%Bに、及び45分間で50%Bにする、で行った。流速は1ml/分間に設定した。
超臨界アンチソルベント分画は、CO対溶媒混合物の一定比率における3種類の圧力と、一定の抽出圧力(300bar)及び抽出温度(313K)における3種類のCO対溶媒混合物比率において行った。パラメーター及びこの分画試行からの結果は、表3と表4に、それぞれ、種々な圧力と種々な流速比率に関して示す。
Figure 2009525863
Figure 2009525863
この実施例は、ロズマリン酸とその他の高分子量ポリフェノール系化合物はラフィネート画分中に濃縮され、親油性アンチオキシダント、カルノソール、カルノシン酸及びメチル・カルノセートは第1分離画分中に濃縮され、揮発性の油/オレオレジンは第2セパレーター中で濃縮される。各画分中に回収される総フィード固体の割合は、圧力と流速比率の関数である。
実施例4 クロフサスグリ水性有機溶液
この実施例では、アントシアニンとフラボノイドを含有するクロフサスグリ搾りかすのエタノール−水抽出物の分画は、超臨界CO又は液体ジメチルエーテルを用いて行った。クロフサスグリ搾りかすを凍結乾燥させ、次に、粉砕せずに、充填床において70%エタノール:30%水混合物を用いて抽出した。該溶媒は、固体床を通して6時間連続的に循環させた。該溶媒を次に該固体から排出させ、部分的に蒸発させた。次に、該固体を、70%エタノール:30%水混合物によって6時間にわたって2度目の再抽出した。溶媒を再び固体から排出させ、部分的に蒸発させた。2つの濃縮物を一緒にして、次に、28質量%の固形分に部分的に蒸発させて、貯蔵中の分解を最小にした。
該水性−有機抽出溶液を、COを用いる超臨界アンチソルベント分画によって画分に分離した。クロフサスグリ抽出物の濃縮溶液を95%エタノールによって14%固形分に希釈した。クロフサスグリ搾りかすと溶媒混合物のアンチソルベント分画は、超臨界COによって300barの圧力、333Kの温度及び0.035の流速比率(溶媒混合物対CO)において行った。クロフサスグリ搾りかす抽出物とCOを含有する溶媒を静的ミキサー中で混合してから、抽出容器中で沈降させた。弁を通っての減圧によって抽出容器から赤/紫色に着色したラフィネート溶液が連続的に得られた。超臨界COと、溶解した溶媒及び溶解性抽出物は次に、それぞれ、90barと328K及び52barと313Kの圧力と温度における2つの減圧段階を通過した。第1分離段階は赤色溶液を生じ、これは第1段階分離容器から連続的に回収された。第2分離段階は淡黄色/緑色溶液を生じ、これは主として溶媒であった。アンチソルベント画分プロセスからのフィード溶液、ラフィネート及び抽出物画分中のアントシアニン及びフラボノイド濃度を表5に示す、表5では、ジメチルエーテルに対して比較する。
水性−有機抽出物溶液も、ジメチルエーテルを用いて、近臨界アンチソルベント分画によって画分に分離した。クロフサスグリ抽出物の濃縮溶液を水によって14%に希釈した。クロフサスグリ搾りかすと溶媒混合物のアンチソルベント分画を、近臨界ジメチルエーテルによって40barの圧力、333Kの温度及び0.096の流速比率(溶媒混合物対ジメチルエーテル)において行った。クロフサスグリ搾りかす抽出物とジメチルエーテルを含有する溶媒を静的ミキサー中で混合してから、抽出容器中で沈降させた。弁を通っての減圧によって抽出容器から暗紫色に着色したラフィネート溶液が連続的に得られた。ジメチルエーテルと、溶解した溶媒及び溶解性抽出物は次に、それぞれ、10barと333K及び5〜6barと313Kの圧力と温度における2つの減圧段階を通過した。第1分離段階は赤色溶液を生じ、これは第1段階分離容器から連続的に回収された。第2分離段階も赤色溶液を生じ、これは主として溶媒であった。フィードとアンチソルベント画分のアントシアニン及びフラボノイド濃度を表5に示す、表5では、COに対して比較する。
濃縮水性−有機抽出物溶液も、ジメチルエーテルを用いて、希釈せずに、近臨界アンチソルベント分画によって画分に分離した。クロフサスグリ搾りかすと溶媒混合物のアンチソルベント分画を、近臨界ジメチルエーテルによって40barの圧力、333Kの温度及び0.10の流速比率(溶媒混合物対ジメチルエーテル)において行った。クロフサスグリ搾りかす抽出物とジメチルエーテルを含有する溶媒を静的ミキサー中で混合してから、抽出容器中で沈降させた。弁を通っての減圧によって抽出容器から暗紫色に着色したラフィネート溶液が連続的に得られた。ジメチルエーテルと、溶解した溶媒及び溶解性抽出物は次に、それぞれ、10barと333K及び5〜6barと313Kの圧力と温度における2つの減圧段階を通過した。第1分離段階は赤色溶液を生じ、これは第1段階分離容器から連続的に回収された。第2分離段階も赤色溶液を生じ、これは主として溶媒であった。フィードとアンチソルベント画分のアントシアニン及びフラボノイド濃度も表5に示す。
Figure 2009525863
この実施例は、超臨界COがアントシアニンの濃縮と(グリコシル化)フラボノイドからのアントシアニンの分離のために効果がないことを示す、この理由は、両方の種類の化合物が超臨界COと有機溶媒に殆ど不溶であるからである。この実施例は、液体ジメチルエーテルを用いて、アントシアニン濃度がフィードから実質的に変化している画分を得ることができ、この場合に、フラボノイドからの或る程度の分画も可能であることを示す。ラフィネート中のアントシアニン濃度は、フィードに比べて、実質的に上昇し、フラボノイド濃度は実質的に低下する。この実施例はさらに、高い含水量がフラボノイドのほぼ完全な抽出(第2抽出物中の総固体の79.4%)に有利に作用し、高いエタノール含量がより大きく選択的な分画を可能にするので、水性−有機溶液の溶媒組成が重要であることを示す。
実施例5 オリーブ葉水性−有機溶液
この実施例は、如何にしたらアンチソルベント分画を超臨界COによって最初に行って、植物抽出物の所望の画分に富化したラフィネートを得ることができ、次に、該ラフィネートを近臨界ジメチルエーテルによって処理して、所望の画分の成分をさらに富化させることができるかを実証する。オリーブ葉を風乾させ、粉砕して微細粉末にした。次に、オリーブ葉粉末6kgを撹拌式タンクにおいて4対1の溶媒対固体比率で95%エタノールによって313Kの温度で1時間抽出した。この溶液を次に、濾過して、濾液を脇に置いておいた。次に、残留固体を4対1の溶媒対固体比率で30%エタノールによって313Kの温度で1時間再抽出した。該溶液を次に濾過して、最初の抽出からの濾液と混合した。次に、混合した溶液を冷蔵して、ワックスを沈殿させてから、超臨界COによってアンチソルベント処理した。
オリーブ葉抽出物と溶媒混合物のアンチソルベント分画を、超臨界COによって30barの圧力、333Kの温度及び0.04〜0.19の流速比率(溶媒混合物対CO)において行った。オリーブ葉抽出物とCOを含有する溶媒を静的ミキサー中で混合してから、抽出容器中で沈降させた。弁を通っての減圧によって抽出容器から褐色に着色したラフィネート溶液が連続的に得られた。超臨界COと、溶解した溶媒及び溶解性抽出物は次に、それぞれ、100bar、60℃及び57bar、43℃の圧力と温度における2つの減圧段階を通過した。第1分離段階は強度に緑色に着色した溶液を生じ、これは第1段階分離容器から連続的に回収された。第2分離段階は淡黄色に着色した溶液を生じ、これは主としてエタノールであった。ラフィネートと抽出物画分をHPLCによってオレウロペインと関連化合物(フラボノイドとビタミンE)に関して分析した。蒸発乾燥させた後の各画分の組成を表6に示す。
Figure 2009525863
該ラフィネートは、オレウロペインとオレウロペイン誘導体とフラボノイドとの高められた濃度を有し、ビタミンEを有さない。最初の抽出物は、クロロフィルとビタミンEに強化されているが、第2抽出物はほぼ100%溶媒であり、これは新たな植物材料の再抽出のために再循環することができる。
COアンチソルベント分画実験からの回収ラフィネートを次に、ジメチルエーテルを用いたアンチソルベント分画によってさらに分画した。オリーブ葉抽出物と溶媒のアンチソルベント分画を、近臨界ジメチルエーテルによって40barの圧力、333Kの温度及び0.21の流速比率(溶媒混合物対ジメチルエーテル)において行った。オリーブ葉抽出物とジメチルエーテルを含有する溶媒を静的ミキサー中で混合してから、抽出容器中で沈降させた。弁を通っての減圧によって抽出容器から褐色に着色したラフィネート溶液が連続的に得られた。近臨界ジメチルエーテルと、溶解した溶媒及び溶解性抽出物は次に、一定圧力における温度低下段階(最終温度20℃)を通過して、第1抽出物画分を生じて、次に42℃の一定温度における減圧段階(最終圧力6.6bar)を通過して、第2抽出物画分を生じた。第1分離段階は少量の暗褐色の抽出物を生じ、これは第1段階分離容器から連続的に回収された。第2分離段階は淡黄色/緑色に着色した溶液を生じ、これは主としてエタノールと所望のオレウロペイン濃縮物であった。ラフィネートと抽出物画分をHPLCによってオレウロペインと関連化合物(フラボノイドとビタミンE)に関して分析した。溶媒を除去した後の各画分の組成を表7に示す。
Figure 2009525863
二工程アンチソルベント分画方法は、オレウロペイン濃度を溶媒抽出物中の溶解固体の12.7%から、最終生成物中の24.0%まで高めている。この実施例はさらに、2種類の溶媒の溶解力の差異も示す。オレウロペインは超臨界CO+エタノール中に事実上不溶性であるが、オレウロペインは、ジメチルエーテルとエタノールと水との三成分混合物中に非常に溶解性である。
本発明を例を挙げて説明したが、本発明の範囲から逸脱せずに、変化又は修正を行いうることを理解すべきである。さらに、特定の特徴に対して既知の同等物が存在する場合には、このような同等物は、本明細書中に、あたかも具体的に言及されているかのように組み込まれる。
産業的利用性
本発明の方法は、植物材料又は動物材料から得られる粗抽出物を含有する水性−有機溶媒混合物の分画と、他の分画方法によっては容易に得られない、このような抽出物の種々な成分の回収のために有用である。このような抽出物の成分は、例えば、食品成分若しくは医薬品として非常に望ましいと考えられる。
図1は、エタノール−水−CO系に関する308Kにおける3圧力と、313Kにおける300barでの三元状態図を示す。 図2は、本発明の方法の1実施態様の概略図を示す。

Claims (31)

  1. 水性−有機溶媒が水と水混和性有機溶媒との混合物であるときに、該水性−有機溶媒で植物材料又は動物材料を抽出することによって得られる溶液の構成成分の分画方法であって、
    (a)該溶液を近臨界流体と接触させて、高極性構成成分と水を含有するラフィネート相と、低〜中極性構成成分を含有する近臨界流体相を生成する工程;
    (b)近臨界流体相をラフィネート相から分離する工程;及び
    (c)近臨界流体相から低〜中極性構成成分を回収する工程
    を含む方法。
  2. 水性−有機溶媒が水と水混和性有機溶媒との混合物であるときに、該水性−有機溶媒で植物材料又は動物材料を抽出することによって得られる溶液の構成成分の分画方法であって、
    (a)該溶液を近臨界流体と接触させて、高極性構成成分と水を含有する第1ラフィネート相と、低〜中極性構成成分を含有する第1近臨界流体相を生成する工程;
    (b)第1近臨界流体相を第1ラフィネート相から分離する工程;
    (c)第1近臨界流体相を第2ラフィネート相と接触させて、中極性構成成分を含有する第3ラフィネート相と、低〜中極性構成成分を含有する第2近臨界流体相を生成する工程;
    (d)第2近臨界流体相を第3ラフィネート相から分離する工程;及び
    (e)第2近臨界流体相から低〜中極性構成成分を回収する工程
    を含む方法。
  3. 該水性相から高極性構成成分を回収する工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
  4. 近臨界流体が、超臨界CO、液体CO、エタン、エチレン、プロパン、プロピレン、ブタン、フッ化C−C炭化水素、亜酸化窒素、六フッ化硫黄、、ジメチルエーテル、ジメチルエーテルの部分的及び完全フッ化類似体、及びこれらの任意の2つ以上の混合物から成る群から選択される、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 近臨界流体が、超臨界CO、液体CO及びジメチルエーテルから成る群から選択される、請求項4記載の方法。
  6. 近臨界流体が超臨界CO又は液体COである、請求項5記載の方法。
  7. 近臨界流体がジメチルエーテルである、請求項5記載の方法。
  8. 水混和性有機溶媒がC−Cアルコールである、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 該C−Cアルコールがエタノールである、請求項8記載の方法。
  10. 該近臨界流体が超臨界COであるときに、該水性−有機溶媒が50〜99容量%のエタノールを含有する、請求項9記載の方法。
  11. 該水性−有機溶媒が70〜99容量%のエタノールを含有する、請求項10記載の方法。
  12. 該近臨界流体がジメチルエーテルであるときに、該水性−有機溶媒が0〜70容量%のエタノールを含有する、請求項9記載の方法。
  13. 該水性−有機溶媒が0〜50容量%のエタノールを含有する、請求項10記載の方法。
  14. 該水混和性有機溶媒が、C−Cケトン、C−Cカルボン酸、及びジメチルスルホキシドから成る群から選択される、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  15. 該近臨界流体相の圧力及び/又は温度を下げることによって、該近臨界流体相から低〜中極性構成成分を回収する、請求項1記載の方法。
  16. 第2近臨界流体相の圧力及び/又は温度を下げることによって、第2近臨界流体相から低〜中極性構成成分を回収する、請求項3記載の方法。
  17. 2つ以上の画分中の低〜中極性構成成分を回収するために、圧力を2工程以上で下げる、請求項15又は請求項16に記載の方法。
  18. 圧力を下げずに、ラフィネート相と近臨界流体相を取り出す連続方法として、方法が行われる、請求項15記載の方法。
  19. 圧力を下げずに、第3ラフィネート相と第2近臨界流体相を取り出す連続方法として、方法が行われる、請求項16記載の方法。
  20. 水性−有機溶媒が水と水混和性有機溶媒との混合物であるときに、該水性−有機溶媒で植物材料又は動物材料を抽出することによって得られる溶液の構成成分の分画方法であって、
    (a)該溶液を第1近臨界流体と接触させて、高極性構成成分と水を含有する第1ラフィネート相と、第1近臨界流体相を生成する工程;
    (b)第1近臨界流体相を第1ラフィネート相から分離する工程;
    (c)第1ラフィネート相を第2近臨界流体と接触させて、高極性構成成分と水を含有する第2ラフィネート相と、中極性構成成分を含有する第2近臨界流体相を生成する工程;
    (d)第2近臨界流体相を第2ラフィネート相から分離する工程;及び
    (e)第2近臨界流体相から中極性構成成分を回収する工程
    を含む方法。
  21. 第1近臨界流体と第2近臨界流体が、超臨界CO、液体CO、エタン、エチレン、プロパン、プロピレン、ブタン、フッ化C−C炭化水素、亜酸化窒素、六フッ化硫黄、ジメチルエーテル、ジメチルエーテルの部分的及び完全フッ化類似体、及びこれらの任意の2つ以上の混合物から成る群から独立的に選択される、請求項20記載の方法。
  22. 第1近臨界流体が、第2近臨界流体よりも高極性化合物に対して低い溶解力を有する、請求項20記載の方法。
  23. 第1近臨界流体が液体CO又は超臨界COであり、第2近臨界流体が液体ジメチルエーテルである、請求項20記載の方法。
  24. 水性−有機溶媒が水と水混和性有機溶媒との混合物であるときに、該水性−有機溶媒で植物材料又は動物材料を抽出することによって得られる溶液の構成成分の分画方法であって、
    (a)該溶液を第1近臨界流体と接触させて、高極性構成成分と水を含有する第1ラフィネート相と、第1近臨界流体相を生成する工程;
    (b)第1近臨界流体相を第1ラフィネート相から分離する工程;
    (c)第1ラフィネート相を第2近臨界流体と接触させて、高極性構成成分と水を含有する第2ラフィネート相と、中極性構成成分を含有する第2近臨界流体相を生成する工程;
    (d)第2近臨界流体相を第2ラフィネート相から分離する工程;
    (e)第2近臨界流体相を第3ラフィネート相と接触させて、中極性構成成分を含有する第4ラフィネート相と、他の中極性構成成分を含有する第3近臨界流体相を生成する工程;
    (f)第3近臨界流体相を第4ラフィネート相から分離する工程;及び
    (g)第3近臨界流体相から該他の中極性構成成分を回収する工程
    を含む方法。
  25. 第1近臨界流体と第2近臨界流体が、超臨界CO、液体CO、エタン、エチレン、プロパン、プロピレン、ブタン、フッ化C−C炭化水素、亜酸化窒素、六フッ化硫黄、ジメチルエーテル、ジメチルエーテルの部分的及び完全フッ化類似体、及びこれらの任意の2つ以上の混合物から成る群から独立的に選択される、請求項24記載の方法。
  26. 第1近臨界流体が、第2近臨界流体よりも高極性化合物に対して低い溶解力を有する、請求項24記載の方法。
  27. 第1近臨界流体が液体CO又は超臨界COであり、第2近臨界流体が液体ジメチルエーテルである、請求項24記載の方法。
  28. 水性−有機溶媒が水と水混和性有機溶媒との混合物であるときに、該水性−有機溶媒で植物材料又は動物材料を抽出することによって得られる溶液の構成成分の分画方法であって、
    (a)該溶液を第1近臨界流体と接触させて、高極性構成成分と水を含有する第1ラフィネート相と、低〜中極性構成成分を含有する第1近臨界流体相を生成する工程;
    (b)第1近臨界流体相を第1ラフィネート相から分離する工程;
    (c)第1近臨界流体相から該低〜中極性構成成分と有機溶媒とを回収して、第2溶液を得る工程;
    (d)第2溶液を第2近臨界流体と接触させて、中極性構成成分を含有する第2ラフィネート相を生成する工程;
    (e)第2近臨界流体相を第2ラフィネート相から分離する工程;
    (f)第2ラフィネート相から中極性構成成分を回収する工程;及び
    (g)第2近臨界流体相から低極性構成成分を回収する工程
    を含む方法。
  29. 第1近臨界流体と第2近臨界流体が、超臨界CO、液体CO、エタン、エチレン、プロパン、プロピレン、ブタン、フッ化C−C炭化水素、亜酸化窒素、六フッ化硫黄、ジメチルエーテル、ジメチルエーテルの部分的及び完全フッ化類似体、及びこれらの任意の2つ以上の混合物から成る群から独立的に選択される、請求項28記載の方法。
  30. 第1近臨界流体が、第2近臨界流体よりも高極性化合物に対して高い溶解力を有する、請求項29記載の方法。
  31. 第1近臨界流体が液体ジメチルエーテルであり、第2近臨界流体が液体CO又は超臨界COである、請求項29記載の方法。
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