JP2001106636A - 植物エキスの製造法 - Google Patents

植物エキスの製造法

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JP2001106636A JP28290099A JP28290099A JP2001106636A JP 2001106636 A JP2001106636 A JP 2001106636A JP 28290099 A JP28290099 A JP 28290099A JP 28290099 A JP28290099 A JP 28290099A JP 2001106636 A JP2001106636 A JP 2001106636A
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和成 宮田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 植物原料から単純なプロセスにより、水溶性
の活性阻害物質や毒物等の不要物が除去された植物エキ
スが得られる方法を提供する。 【解決手段】 植物原料のジメチルエーテル抽出液をジ
メチルエーテル層と水層に分離し、水層を除去した後、
ジメチルエーテル層を蒸発乾固する方法。 【効果】 本発明によれば、水溶性の活性阻害物質や毒
物等の不要物が除去され、さらに、抽出溶剤としてジメ
チルエーテルのみを使用するので、製品に有機溶剤の痕
跡の残留も認められないため、継続的な体内への摂取に
ついても安全性が高い。また、有機溶剤としてジメチル
エーテルのみを使用するため、溶剤回収が容易であり、
経済的なプロセスが提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植物エキスを製造
するにあたって、抽出溶剤としてジメチルエーテルを使
用することにより、医薬、食品、化粧品素材として利用
可能な、水溶性の活性阻害物質や毒物等の不要物が除去
された植物エキスを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】植物エキスとは、植物の有効成分を水も
しくは有機溶剤等で抽出したもので、数多くの植物エキ
スが、食品添加物、食品、化粧品、医薬品として、ま
た、その原料として使用されている。植物から得られた
エキスの生理活性機能を明らかにし、医薬品、健康食
品、化粧品に応用しようとして開発が進められている
が、古くは、東洋の「漢方薬」、ヨーロッパの「伝統的
ハーブ治療薬」、インドの「アーユルヴェーダ」等があ
り、伝統的に植物及びその抽出物が利用されてきた。例
えば、甘草の抽出物はグリチルリチンを多く含むので甘
味料として、また、その抗炎症作用等から化粧品、医薬
品として使用されていることはよく知られている。
【0003】近年、特に抗酸化機能が注目され、野菜や
果物などの植物には、抗酸化物質が比較的多く含まれて
おり、食品として摂取した抗酸化物質が、ヒトの体内で
病気の原因になる活性酸素やラジカルの消去に役立って
いると考えられるようになってきた。実際に抗酸化物質
が動脈硬化やガンの予防に有効であることが報告されて
いる。抗酸化物質としては、ビタミンE、ビタミンA、
ビタミンC等のビタミン類の他に、フラボノイドやイソ
フラボノイド、香辛料中のクルクミノイド、ゴマ中のセ
サミン類、米糠中のフェルラ酸、トコトリエノール、茶
葉中のカテキン類等が良く知られている。抗酸化物質を
含む植物エキスとしては、例えば、ピクノジュール(フ
ランス海岸松の樹皮抽出物)、ルチン(ソバや小豆の抽
出物)や茶葉抽出物がよく知られており、実際に医薬
品、健康食品に利用されている。
【0004】一方、体内での脂質酸化を抑えるために
は、脂質膜内に取り込まれる脂溶性の抗酸化物質が必須
である。脂溶性の抗酸化物質としては、例えば、ビタミ
ンE、ビタミンD、カロテノイド、クルクミンがある。
また、抗酸化活性を効果的に発現させるためには、鉄等
の金属類のように抗酸化活性を阻害する物質を除去する
必要がある。したがって、各種植物原料から脂溶性抗酸
化物質を製造する場合、抽出操作を実施後、水溶性の活
性阻害物質を除去するために、抽出物を各種有機溶剤に
溶解し、水で洗浄したり、カラム分画を実施するなどの
追加工程を必要とする。
【0005】一般に抽出に使用される溶剤としては、ヘ
キサン、ヘプタン等の炭化水素系溶剤、メタノール、エ
タノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール系
溶剤、アセトン等のケトン系溶剤、ジクロロメタン等の
塩素系溶剤、酢酸エチル等のエステル系溶剤、ジエチル
エーテル等のエーテル系溶剤がある。ジエチルエーテル
は過酸化物を形成、アセトンは縮合生成物を形成、酢酸
エステルは容易に加水分解を起こす等、溶剤によって
は、安定性に問題があったり、製品に特異臭を与えた
り、化学反応により製品劣化を引き起こす等の問題があ
る。また、塩素系の溶剤は毒性が非常に強く、さらに、
環境への影響も大きいという問題がある。したがって、
従来技術において、溶剤の劣化もなく、毒性の低い溶剤
としては、ヘキサンもしくはエタノールが好ましい。
【0006】ヘキサンを抽出溶剤として使用する場合
は、以下の欠点が挙げられる。ヘキサンは水を溶解しな
いため、水があると原料と溶媒の接触効率が低下するな
どして、抽出効率が低下するため、抽出原料を予め乾燥
する必要がある。また、溶剤の脂溶性が高いため、フラ
ボノイド等のやや水溶性の抗酸化物質の抽出が達成され
ない。エタノールを抽出溶剤として使用する場合は、以
下の欠点が挙げられる。エタノールは水との親和性が高
いため、水溶性の活性阻害物質や毒物等の不要物も多く
抽出する。したがって、抽出物を水と溶解しない溶剤、
例えば、ブタノールやヘキサンに溶解して水で洗浄する
か、カラム精製等の複雑な操作を追加する必要がある。
【0007】さらに、一般に有機溶剤を使用する欠点と
して、溶剤の残留を低減するため、乾燥温度を高くして
製品の熱劣化を引き起こしたり、乾燥時間を長くするた
め、経済的でないことが挙げられる。有機溶剤抽出の問
題点を解決する手段の一つとして、超臨界二酸化炭素に
よる抽出が実施されている。例えば、コーヒー豆からの
カフェインの除去、ビールホップの抽出や各種香辛料の
抽出が挙げられる。しかし、設備が非常な高圧を必要と
するため、設備費が高価となる欠点を有する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記説明にあるよう
に、従来の技術では、製造物の品質やプロセスに多くの
問題を残している。品質としての問題点には、溶剤の残
留、乾燥工程での物質の熱変性等があり、プロセスとし
ての問題点には、精製に2種類以上の溶剤を使用するた
め溶剤の回収工程が複雑となることや、原料に水分があ
るために効率的に抽出が達成されない等があり、経済的
で効率的なプロセスとはいえない。本発明は、植物原料
から単純なプロセスにより、水溶性の活性阻害物質や毒
物等の不要物が除去された植物エキスが得られる植物エ
キスの製造法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的に即して鋭意検討を重ねた結果、ジメチルエーテルの
特性を効果的に利用することにより、単純なプロセス
で、ジメチルエーテル溶解物を精製濃縮できることを見
出した。さらに、本プロセスが特に植物原料から抗酸化
活性を有する組成物を抽出することに適していることを
見出し、本発明を完成するに至った。ジメチルエーテル
の特徴としては、低沸点(−25℃)であるため除去す
ることの容易さ、エアゾール噴射剤に多用されているこ
とからも理解されるように、高い人体への安全性、水及
び脂質を溶解する能力、相対的な化学的不活性等々が挙
げられる。ジメチルエーテルはエーテル類でありながら
空気にさらした時に、ジエチルエーテルが形成するよう
な過酸化物を形成しない。また、アセトンが形成するよ
うな縮合生成物も形成しない。
【0010】このような特徴を利用して、ジメチルエー
テルを抽出溶剤として使用することは既に知られてい
る。例えば、ジメチルエーテルにより固形及び液状食品
から脱脂、脱水を同時に行うことが知られている(特公
昭51−12692号公報)。また、植物からジメチル
エーテルにより抽出された例としては、花、果実、種
子、葉からの香気成分の抽出がある(特開昭50−36
650)。また、液化されたジメチルエーテルは水を約
7%溶解し、また、水中に約35%溶解する性質を持
つ。ジメチルエーテルと水の混合溶剤により、脂溶性成
分だけでなく水溶性成分も抽出できることが知られてい
る(特開昭50−157560、特開昭50−1575
67,US4069351明細書、US4136065
明細書)。しかし、これらは、ジメチルエーテルの抽出
力と低沸点で除去されやすい性質を利用しているにすぎ
ない。
【0011】ジメチルエーテルによる植物からの抽出は
各種検討されているが、ジメチルエーテルを抽出溶剤と
して使用し、引き続き精製溶剤として利用された例はな
い。本発明者らは、まず、各種植物成分のジメチルエー
テルによる抽出特性を検討した結果、表1に示す結果を
得た。ジメチルエーテルとヘキサンを比較した場合、共
にジテルペンを抽出するが、ジメチルエーテルはフラボ
ノイドを抽出する点で、抗酸化物質の抽出に優れている
といえた。また、ジメチルエーテルとエタノールを比較
した場合、ジメチルエーテルの方がジテルペンの抽出率
が高く、抗酸化物質の抽出に優れており、さらに、アル
カロイドの抽出率が低い点で毒性が低いことが予想され
た。さらに、ジメチルエーテル抽出では、ジメチルエー
テルと水との相分離により、抽出物から抗酸化活性を阻
害する水溶性の鉄等の金属イオンも除去されると予想さ
れ、本発明が特に抗酸化物質を含む植物エキスの製造に
適していると考えられた。すなわち、本発明者らは、ジ
メチルエーテルが、テルペンやフラボノイド等の脂溶性
側の物質に対して高い溶解度を示し、アルカロイド等の
水溶性側の物質に対しては低い溶解度を持つことを見出
し、植物原料から抗酸化物質を含む成分を抽出し、水と
の相分離により、水溶性の活性阻害物質や毒物等の不要
物が簡単に除去できることを見出した。
【0012】
【表1】
【0013】以下、本発明を詳細に説明する。ジメチル
エーテルは、沸点−25℃と常温では気体の状態である
ため、抽出溶剤として利用する際は、特殊な冷却設備を
必要としない温度10〜40℃、圧力0.2〜1.0M
Paに液化させて使用する。抽出する素材は特に限定し
ないが、乾燥していない植物原料からの抽出に適してい
る。液化したジメチルエーテルは水を4〜10%溶解す
るため、水が溶解したジメチルエーテル層を濃縮する
と、水層が分離してくる。分離した水層を除去し、ジメ
チルエーテル層を得る。このジメチルエーテル層を再度
濃縮すると、さらに水層が分離してくるので、水層を除
去する。この操作を必要な容量になるまで繰り返すこと
で、水分及び水溶性物質の除去を進めながら、ジメチル
エーテル溶解物を簡単に濃縮できる。
【0014】より具体的に以下に説明する。植物原料は
特に限定されない。植物の全草、実、種子、花、葉、
茎、根、根茎、樹皮等を目的に応じて選択できる。天然
抗酸化物質を含む部位としては、レモン、プルーン、リ
ンゴ、ブドウ、イチゴ、唐辛子、トマト等の実、ゴマ、
菜種、ヒマワリ、米、小麦、大豆、ブドウ等の種子、緑
茶、シソ、ユーカリ等の葉、ウコン、人参、ショウガ、
イモ類、甘草等の根または根茎、桂皮等の樹皮等が挙げ
られる。また、天然抗酸化物質を含む部位から得られた
エキスは、抗酸化活性を有する。抗酸化活性を有すると
は、生体内もしくは食品保存において、フリーラジカ
ル、活性酸素等の発生を抑制したり捕捉する等して、脂
質、糖質の酸化、タンパク質の変性を抑制するものであ
る。
【0015】抽出に供する原料は、生でも乾燥されたも
のでもかまわない。好ましくは抽出効率を上げるため、
原料を粉砕する。粉砕の程度は5mm角程度で十分であ
る。仕込量に関して、一般に、原料1重量部(乾燥重
量)に対してジメチルエーテル5〜20倍量で実施され
る。原料及び目的とする植物エキスの性質に応じて、水
を添加してもよい。水を添加する場合は、通常はジメチ
ルエーテル中への水の溶解度以下である10%以下の範
囲で水を添加する。抽出は常圧でジメチルエーテルが液
化する温度−25℃以下でも可能であるが、一般に常温
付近である10〜40℃、圧力0.2〜1.0MPaの
条件で、30分〜2時間実施される。抽出後、抽出残渣
をろ過により分離し、ジメチルエーテル抽出液をろ液と
して回収する。
【0016】このジメチルエーテル抽出液を濃縮し、ジ
メチルエーテル相と水相に分離し、水相を除去し、ジメ
チルエーテル相を回収する。10%水を含有したジメチ
ルエーテル液で抽出した場合は、およそ1/6の容量ま
で濃縮することにより、ほぼ等量のジメチルエーテル相
と水相が得られる。また、水をほとんど含まない条件で
抽出した場合は、およそ1/10の容量まで濃縮し、等
量の水を添加することにより、ほぼ等量のジメチルエー
テル相と水相が得られる。水溶性の高い成分は、水相に
溶解するため、ジメチルエーテル相から除去される。こ
の時の条件は、常温付近である10〜40℃、圧力0.
2〜1.0MPaで実施できる。リン脂質等の界面活性
成分を多く含む場合、温度があまり低いとエマルション
を形成し、分離が悪くなる。また、ジメチルエーテル相
の濃縮時に必要に応じて、その都度出てきた水相を除去
することにより、最終的な乾燥工程で除去すべき水分量
が少なくなり、効率的である。
【0017】回収したジメチルエーテル相を濃縮し、含
水の抽出物を得る。この抽出物を蒸発乾固(凍結乾燥、
噴霧乾燥等)することにより、目的とする抽出物を得る
ことができる。蒸発乾固は、低温で、しかも、酸素との
接触の少ない条件で乾燥できる凍結乾燥が望ましい。上
記のようにして得られた植物エキスは、水溶性の活性阻
害物質や毒物等の不要物が除去されており、さらに、ジ
メチルエーテルの残留を痕跡も認めないという特徴を持
つ。
【0018】本発明は、植物エキスの製造法及び製品に
以下の利点をもたらす。 (1)使用する有機溶剤がジメチルエーテルのみであ
り、さらに、水との共沸がないため、溶剤回収が容易で
ある。また、ジメチルエーテルの沸点が低いため、真空
蒸留等の特別の操作がなく、加熱するだけで溶剤をほぼ
定量的に回収できる。 (2)ジメチルエーテルの沸点が低いため、製品中に溶
剤が残留しない。 (3)低温で処理できるため、製品の劣化が少ない。 すなわち、本発明は、植物原料から有機溶剤としてジメ
チルエーテルのみを用い、水溶性の活性阻害物質や毒物
等の不要物が除去された植物エキスを、安価に製造する
方法に関する。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、実験例及び実施例により、
さらに詳しく本発明を説明するが、これら実施例は、何
ら本発明を限定するものではない。
【実験例1】漢方生薬である乾燥された甘草(水分10
%)を、5mm以下程度に粉砕し、ジメチルエーテル、
ヘキサン、エタノールの各溶剤による抽出比較を実施し
た。ジメチルエーテル抽出は、原料200g及び水15
0mLを撹拌機付き5L耐圧容器に入れ、ジメチルエー
テル3000mLを圧入後、30℃下30分間撹拌抽出
を行った後、燒結金属によりろ別し、別の耐圧容器に受
け入れた。このろ別した抽出液を30℃下で、ジメチル
エーテルを蒸発させ、500mLまで濃縮した。この濃
縮液を静置し、二相に分離させた後、水層を除去した。
得られたジメチルエーテル相を減圧下濃縮後、一昼夜室
温にて凍結乾燥することにより、抽出物6.8gを得た
(試料A)。また、ジメチルエーテルによる抽出を行
い、水層部を除去しない他は同様の操作を行い、抽出物
12.0gを得た(試料B)。
【0020】ヘキサン抽出及びエタノール抽出は、それ
ぞれ原料200gを撹拌機付き5L耐圧容器に入れ、溶
剤3000mLを加え、30℃下30分間撹拌抽出を行
った後、燒結金属によりろ別し、抽出ろ液を回収した。
抽出ろ液をエバポレータで真空濃縮後、一昼夜室温にて
凍結乾燥することにより、抽出物各々1.2g(試料
C)及び10.6g(試料D)を得た。各試料の評価
は、抗酸化活性及び残留溶剤を測定して行った。結果を
表2に示した。ジメチルエーテルによる抽出物は、残留
溶剤もなく、さらに、水層部の除去により抗酸化活性が
増加することが示された。
【0021】抗酸化活性の測定は、リノール酸の酸化抑
制を測定することにより行った。リノール酸1gに各抽
出試料0.01gを各々添加し、均一に溶解後、ペトリ
皿に載せ、55℃のオーブン中での、その重量増加を経
時的に測定した。重量増加率が0.5%に達した時間を
酸化時間とした。また、抽出物を添加しない試料(ブラ
ンク)と、ビタミンEを同様に1%添加した試料も測定
した。各試料の酸化力の比較は、下記の式で計算される
値を酸化抑制時間と定義し、 (試料の酸化抑制時間)=(試料の酸化時間)−(ブラ
ンクの酸化時間) 下記の式で計算される値を、ビタミンEに対する相対抗
酸化力と定義して行った。 (相対抗酸化力)=(試料の酸化抑制時間)/(ビタミ
ンEの酸化抑制時間) 残留溶剤は、ガスクロマトグラフィーにより分析した。
【0022】
【表2】
【0023】
【実施例1】米糠200g(水分11%)及び水150
mLを撹拌機付き5L耐圧容器に入れ、ジメチルエーテ
ル3000mLを圧入後、30℃下30分間撹拌抽出を
行った後、燒結金属によりろ別し、別の耐圧容器に受け
入れた。このろ別した抽出液を30℃下で、ジメチルエ
ーテルを蒸発させ、500mLまで濃縮した。この濃縮
液を静置し、二相に分離させた後、水層を除去した。得
られたジメチルエーテル相を減圧下濃縮後、一昼夜室温
にて凍結乾燥することにより、抽出物18gを得た。実
験例1で示された相対抗酸化力は0.8であった。この
抽出物は、抗酸化成分であるγ−オリザノール1.5
%、トコフェロール類1.4mg/gを含有していた。
γ−オリザノールは、ヘプタン中での波長315nmを
測定し、オリザノールAの分子吸光係数21878より
算出した。トコフェロール類の含量は、高速液体クロマ
トグラフィーでα−、β−、γ−、及びδ−の各トコフ
ェロール、トコトリエノールを分画し、蛍光検出器によ
り検出し定量した。
【0024】
【実施例2】ウコン200g(水分8.9%)を2mm
程度に粉砕し、実施例1と同様の操作で抽出を実施し、
抽出物11gを得た。実験例1で示された相対抗酸化力
は23であった。この抽出物は、抗酸化成分であるクル
クミン25%を含有していた。クルクミンの含量は、波
長455nmでの試薬との相対吸光度から換算した。
【実施例3】ユーカリの葉200g(水分10.0%)
を2mm程度に粉砕し、実施例1と同様の操作で抽出を
実施し、抽出物17gを得た。実験例1で示された相対
抗酸化力は8.2であった。
【0025】
【実施例4】ヒマワリの種子200g(水分8.6%)
を2mm程度に粉砕し、実施例1と同様の操作で抽出を
実施し、抽出物36gを得た。実験例1で示された相対
抗酸化力は0.9であった。
【実施例5】西洋オトギリソウの全草200g(水分1
1.1%)を2mm程度に粉砕し、実施例1と同様の操
作で抽出を実施し、抽出物3.2gを得た。実験例1で
示された相対抗酸化力は1.7であった。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、水溶性の活性阻害物質
や毒物等の不要物が除去され、さらに、抽出溶剤として
ジメチルエーテルのみを使用するので、製品に有機溶剤
の痕跡の残留も認められないため、継続的な体内への摂
取についても安全性が高い。また、有機溶剤としてジメ
チルエーテルのみを使用するため、溶剤回収が容易であ
り、経済的なプロセスが提供される。
フロントページの続き Fターム(参考) 4B041 LD10 LK05 LK26 LK27 LK32 LP05 4C088 AB12 AB15 AB26 AB33 AB38 AB40 AB45 AB48 AB50 AB51 AB52 AB56 AB57 AB60 AB61 AB62 AB73 AB74 AB80 AB81 AC01 AC03 AC04 AC05 AC06 AC11 AC13 BA08 CA02 CA09 CA11 NA03 ZC21

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植物原料のジメチルエーテル抽出液をジ
    メチルエーテル層と水層に分離し、水層を除去した後、
    ジメチルエーテル層を蒸発乾固することを特徴とする植
    物エキスの製造法。
  2. 【請求項2】 植物原料が、天然抗酸化物質を含む部位
    である請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 植物エキスが、抗酸化活性を有する組成
    物である請求項1または2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 ジメチルエーテルによる抽出操作が、水
    分が4〜10重量%の範囲で実施され、その抽出液を濃
    縮することにより、ジメチルエーテル層と水層に分離す
    る請求項1ないし3のいずれかに記載の方法。
  5. 【請求項5】 ジメチルエーテルによる抽出操作が、温
    度10〜40℃、圧力0.2〜1.0MPaである請求
    項1ないし4のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】 ジメチルエーテル層と水層の分離操作
    が、温度10〜40℃、圧力0.2〜1.0MPaであ
    る請求項1ないし5のいずれかに記載の方法。
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