JP2009524754A - 内燃機関の排ガス領域内に配置された触媒を診断する方法、および、該方法を実施するための装置 - Google Patents

内燃機関の排ガス領域内に配置された触媒を診断する方法、および、該方法を実施するための装置 Download PDF

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Abstract

内燃機関(110)の排ガス領域(113)内に配置された触媒(115)を、該触媒(115)の酸素貯蔵性能(O2_Sim)の検出に基づいて診断する方法であって、該酸素貯蔵性能(O2_Sim)を、測定された下流ラムダ信号(lam_nK_Mes)に依存して設定されリッチラムダ値およびリーンラムダ値を有する診断混合気λ目標信号経過(lam_Diag_Sol)に基づいて求め、ラムダ制御回路(121)の長時間適合を行う方法と、該方法を実施するための装置とを提供する。診断要求信号(Diag_Anfo)の場合、まずは前記ラムダ制御回路(121)の高速適合を行う。次の触媒診断中には、前記ラムダ制御回路(121)を遮断し、内燃機関(110)に、制御された診断混合気λ目標信号経過(lam_Diag_Sol)を有する診断混合気を供給する。前記触媒診断の終了後、高速適合から長時間適合に切り換える。このような高速適合によって、少なくとも触媒診断の実施中は、診断混合気λ目標信号経過(lam_Diag_Sol)の適正な前制御を行うことができる。

Description

従来技術
本発明は、内燃機関の排ガス領域内に配置された触媒を診断(オンボード診断)するための、独立請求項の上位概念に記載の方法と、該方法を実施するための、独立請求項の上位概念に記載の装置とに関する。
本発明はさらに、制御回路プログラムと制御回路プログラム製品とに関する。
触媒の酸素貯蔵能力は、内燃機関に供給された空気燃料混合気のリーンフェーズで酸素を吸収し、リッチフェーズで放出するのに使用される。このことにより、不所望の排ガス成分を効率的に変換することができる。触媒の劣化が進むにつれて、酸素貯蔵能力は低減する。このことにより、リッチフェーズで酸化反応に十分な酸素が得られなくなる。
DE2444334に、触媒の酸素貯蔵性能の評価に関する触媒診断手法が記載されている。内燃機関には、ラムダ値0.95のリッチ状態の空気燃料混合気と、ラムダ値1.05のリーン状態の空気燃料混合気とが交互に供給される。触媒より下流に配置されたジャンプラムダセンサ(Sprung-Lambdasensor)が、リッチフェーズでは酸素不足の発生を検出し、リーンフェーズでは酸素過剰の発生を検出する。この下流ジャンプラムダセンサの信号はタイミング発生器を停止し、タイミング発生器は、触媒より上流に配置されたジャンプラムダセンサが供給する信号によって開始される。このようなジャンプラムダセンサが使用されるにもかかわらず、リッチフェーズおよびリーンフェーズにおける空気率λの設定はラムダ制御の枠内で行われる。化学量論的燃焼での値1からの空気率λの所定の偏差は次のように決定される。すなわち、両ジャンプラムダセンサの特性曲線が、値1からの偏差を少なくとも近似的に定量的に検出するのになお十分であるように決定される。診断の前提条件は、ガス流量が少なくとも近似的に一定であることだ。このことは、空気量センサおよび/またはスロットルバルブ位置信号発生器によって供給される所定の信号が存在する場合にのみ、診断がイネーブルされることによって保証される。
ドイツ連邦共和国特許第4112480号に記載された触媒診断手法も触媒の酸素貯蔵性能の評価に関し、この手法は、リッチフェーズおよびリーンフェーズの枠内で触媒に供給された酸素量を、測定された空気流と該触媒より上流で広帯域ラムダセンサによって測定された空気率λとに基づいて、積分によって定量的に計算する点で一歩先を行く。
触媒より上流にジャンプラムダセンサ(2点ラムダセンサ)が使用される場合、入力された排ガスの酸素含流量を容易に定量的に検出することはできない。このことは、リッチ混合気にもリーン混合気にも当てはまる。排ガス中の酸素含有量を求める1つのアプローチに、内燃機関に供給される空気燃料混合気の正確な前制御に関するアプローチがある。しかし、この前制御誤差は診断結果に著しく大きな影響を及ぼす。
DE3341015A1に、内燃機関の混合気形成のための燃料信号決定部が記載されている。この燃料信号決定部はラムダ制御回路を有し、該ラムダ制御回路は、所定のラムダ目標値と排ガス流中でラムダセンサによって測定されたラムダ値との差に依存して操作量を供給する。燃料信号決定部は、可能な限り正確な燃料信号をラムダ制御回路による介入なしでも供給するための前制御部を有する。実際に排ガス流に発生するλへの影響は、たとえば燃料品質、内燃機関の周辺条件、および、内燃機関の燃料調量部において使用されるたとえば燃料噴射弁等の部材のドリフトを有する。このような影響を補償するため、複数の適合量を供給する前制御部の適合部が設けられる。このような適合量は燃料信号の決定に、ラムダ制御回路によって供給される操作量による介入の他に付加的に行われる乗算および/または加算による介入によって影響する。この適合は長時間適合とも称され、この長時間適合では適合量は、幅広く分領域にある比較的長い時間にわたって平均値形成によって検出される。適合量はさらに有利には、内燃機関の運転状態に依存して、たとえば回転数および負荷に依存して決定される。
本発明の基礎となる課題は、内燃機関の排ガス領域内に配置された触媒を診断する方法と、該方法を実施するための装置とにおいて、触媒の酸素貯蔵性能の検出において高い精度を実現する方法および装置を提供することである。
発明の概要
上記課題は、独立請求項に記載の各構成によって解決される。
本発明による方法により、診断の基礎となる触媒の酸素貯蔵性能を高信頼性で求めることができ、触媒診断の精度ないしは信頼性が向上される。
触媒診断直前で実施されるラムダ制御回路の高速適合が行われる。この高速適合は、ラムダ制御回路制御振動の少ない周期内で、すなわち数秒で行われるという点で、従来技術から公知の適合と異なる。このような公知の適合は、以下では長時間適合と称する。
高速適合は長時間適合と比較して、記憶された補正値をより大きな変化ステップの枠内で置換する。極端な例では、ラムダ制御回路制御振動の1周期後にすでに、古い補正値を中間ステップなしで新たな補正値に置換することができる。
このような高速適合により、次に実施される触媒診断中に生じる診断混合気λ瞬時信号経過は十分に、制御される運転の枠内で設定された診断混合気λ目標信号経過に相応することができる。
高速適合では、少なくとも1つの記憶された補正値は比較的短い時間にわたってのみ有効であることを甘受する。しかし、このような短い時間で触媒診断はすでに終了している。少なくとも1つの記憶された補正値は妨害影響または場合によっては先行のダイナミック過程に起因して、長時間適合の枠内で求められた補正値に相応しない危険性があるため、この触媒診断後には長時間適合に移行し戻る。
高速適合は、少なくとも触媒の酸素貯蔵性能の計算時間にわたって定義される条件を、可能な限り正確なラムダ前制御によって提供するので、触媒の酸素貯蔵性能を基礎とする高信頼性の触媒診断を前提とすることができる。
従属請求項に、本発明による方法の有利な実施形態および構成が記載されている。
1つの実施形態では、高速適合は内燃機関の少なくとも1つの運転量に依存して行われるように構成される。適切な運転量は、たとえば内燃機関の回転数および/または負荷である。前記運転量が閾値を超えるかまたは下回るかを検査することができる。有利には、前記運転量は高信頼性の領域にあるか否かの検査が行われる。前記高速適合によって少なくとも、該高速適合が実施された運転点以内ないしは運転領域内で正確な前制御を行うことができる。
別の実施形態では高速適合は、少なくとも近似的に内燃機関の運転状態が定常的である場合にのみ行われる。この検査によってたとえば、内燃機関の前記少なくとも1つの運転量の微分商を、差分商による近似で求め、閾値との比較によって評価することができる。
このような手段は各個別または一緒に、高速適合の枠内で求められた補正量が少なくとも、直後の触媒診断中に十分に正確になるのを保証する。
別の実施形態では、高速適合中および触媒診断中に、内燃機関の同一の運転条件が少なくとも近似的に存在するかないしは現れたか否かの検査が行われる。所定の程度の偏差を超える場合、診断は中断されるか、ないしはすでに検出された診断結果が却下される。このような手段によっても、触媒の酸素貯蔵性能の計算の基礎である制御された診断混合気λ目標信号経過と診断混合気λ瞬時信号経過とが十分に一致するのが保証される。
1つの実施形態では、診断混合気λ瞬時信号経過のλ1通過点と計算された診断混合気λ信号経過のλ1通過点との間に生じる時間差に基づいて、該診断混合気λ瞬時信号経過と該計算された診断混合気λ信号経過との間の偏差が求められる。この時間差は、所定の診断混合気ラムダ目標信号経過の補正または診断の中断に使用される。有意な時間差が存在する場合、高速適合で求められた少なくとも1つの補正値は十分な精度で求められなかったことを推定すべきである。ここで行われる所定の診断混合気λ目標信号経過の枠内において有利には、λの前制御に直接介入することにより、触媒の酸素貯蔵性能の検出時の誤差が最小になるようにする。
この実施形態の別の構成では、診断混合気λ瞬時信号経過のλ1通過点は、測定された下流ラムダ信号に基づいて、2点特性ないしはジャンプ特性によって検出されるように構成される。2点特性ないしはジャンプ特性を有するこのようなセンサ信号を供給するラムダセンサは、特に低コストで入手できる。このことにより、本発明による触媒診断の大量導入で著しい節約が実現される。
本方法を実施するための本発明の装置はまず、本方法を実施するために特別に構成された制御回路に関する。
制御回路は有利には、本方法のステップが制御回路プログラムとして格納されている少なくとも1つの電気的なメモリを有する。
本発明による制御回路プログラムは、本発明の方法が制御回路内で実行される場合に、該方法のすべてのステップが実施されるように構成されている。
機械読み取り可能な担体上に記憶されたプログラムコードを有する制御回路プログラム製品は、プログラムが制御回路内で実行される場合に、本発明による方法を実行する。
後続の従属請求項に、本発明による方法の別の有利な実施形態および構成が記載されている。図面に本発明の実施例が示されており、これらの実施例について以下で詳しく説明する。
図面
図1 本発明による方法が実施される技術的環境を示す。
図2 時間に依存するラムダ信号経過を示す。
図1は内燃機関110を示しており、該内燃機関110の吸気領域111内に空気検出部112が設けられており、排ガス領域113に、触媒115より上流に配置された上流ラムダセンサ114と、該触媒115より下流に配置された下流排ガスセンサ116とが設けられている。
空気検出部112は制御装置120に空気信号ms_Lを供給し、内燃機関110は回転数nを供給し、上流ラムダセンサ114は測定された上流ラムダ信号lam_vK_Mesを供給し、下流ラムダセンサ116は測定された下流ラムダ信号lam_nK_Mesを供給する。制御回路120は燃料調量部121に燃料信号m_Kを供給する。
両ラムダセンサ114,116は有利には、低コストの2点式λセンサないしはジャンプラムダセンサとして構成されており、測定されたラムダ信号lam_vK_Mes,lam_nK_Mesはジャンプ特性を有する。ラムダセンサ114,116は、λ=1の領域内のラムダ値に高い精度で調整できる空気燃料運転混合気、たとえばλ=0.995〜1.005の値領域内のラムダ値に高い精度で調整できる空気燃料運転混合気による内燃機関110の運転を可能にする。
運転混合気制御を行うためにラムダ制御回路121が設けられており、このラムダ制御回路121には、運転混合気λ目標値lam_Solと、診断混合気λ目標信号経過lam_Diag_Solと、測定された上流ラムダ信号lam_vK_Mesと、診断イネーブル信号Diag_Fgと、高速適合値Adap_Sとが供給され、該ラムダ制御回路121は燃料信号m_Kを供給する。
ここでは、触媒115の酸素貯蔵性能を表す少なくとも1つの尺度の検出を基礎とする触媒115の診断が行われる。この酸素貯蔵性能は、触媒115の経時変化の尺度として使用することができる。酸素貯蔵性能が低いということは、ここでは触媒115が経時変化したことを意味する。
診断を実施するために診断制御部122が設けられており、これは、触媒の診断を実施すべき場合に診断要求信号Diag_Anfoを供給する。診断要求信号Diag_Anfoは適合制御部123へ供給され、該適合制御部123はまず有利には、触媒診断の実施に適切な内燃機関110の運転条件が存在するか否かの検査を行う。運転条件は内燃機関110の運転量に反映され、たとえば内燃機関110の回転数nまたは負荷に反映される。図中の実施例では、適合制御部123には少なくとも回転数nが供給される。
少なくとも1つの運転量が閾値を上回るかまたは下回るか、たとえば回転数nが閾値を上回るかまたは下回るかを検査することができる。有利には、前記少なくとも1つの運転量nが領域内にあるか否かを検査する。有利には択一的または付加的に、内燃機関110の運転状態が少なくとも近似的に定常的であるか否かを検査する。この検査は、前記少なくとも1つの運転量nの微分商の検出および評価を行う。この微分商は、差分商によって近似することができる。
触媒診断は、内燃機関110の制御される運転の枠内で実施されるので、内燃機関110の少なくとも1つの運転量nの評価によって、高速適合から次のような高速適合値Adap_S、すなわち、少なくとも、該高速適合の次に実施される触媒診断中に、所定の診断λ目標信号経過lam_Diag_Solと実際に発生する診断λ瞬時信号経過lam_Diag_Isとの間の偏差を可能な限り小さくする高速適合値Adap_Sが形成されるのが保証される。この診断λ瞬時信号経過lam_Diag_Isは図2に示されている。
運転条件が高速適合に適している場合、適合制御部123が該高速適合を開始する。この高速適合を行うためには、制御偏差の尺度を反映するラムダ制御回路121の操作量frを適合制御部123によって監視し、高速適合の枠内で可能な限り0にすることができる。適合制御部123は適合部124に適合信号s_Adapを供給し、該適合部124は少なくとも1つの高速適合値Adap_Sを求め、ラムダ制御回路121に供給する。有利には高速適合値Adap_Sも、内燃機関110の少なくとも1つの運転量nに依存して決定される。
この高速適合は、ラムダ制御回路121の制御振動の少ない周期内で行われ、ひいては数秒以内に行われる。高速適合の終了が完了すると、適合制御部123は診断イネーブル信号Diag_Fgを出力し、該診断イネーブル信号Diag_Fgはラムダ制御回路121に対し、運転混合気λ目標値lam_Solの代わりに、特性量決定部130が供給する診断混合気λ目標信号経過lam_Diag_Solを設定するように指示する。この特性量決定部130には診断イネーブル信号Diag_Fgも供給され、また、診断λ補正値lam_Diag_Korrも供給される。
図2に示された第1の時点ti1の前では内燃機関110は、ラムダ値がたとえばλ=1に少なくとも近似的に決定された運転混合気によって運転する。第1の時点ti1で、診断イネーブル信号Diag_Fgが生じる。これに応答して、特性量決定部130が第1の時点ti1で、たとえばλ=0.95のラムダ値に決定された診断混合気で内燃機関110の運転を行わせる。触媒診断の枠内での新たなλへの変化は、有利にはそのつど、測定された下流ラムダ測定値lam_nK_Mesに依存してジャンプ状に行われる。診断混合気のλの時間的経過が、図2に診断混合気λ目標信号経過lam_Diag_Solとしてプロットされている。
第2の時点ti2での切替は、下流ラムダセンサ116によって供給された測定ラムダ信号lam_nK_Mesに依存して行われる。図中にない測定下流ラムダ信号lam_nK_Mesが、触媒115より下流の酸素不足の発生を示すλ1通過点を少なくとも近似的に有する場合、前記変化は行われる。その後、特性量検出部130は診断混合気λ目標信号経過lam_Diag_Solをたとえば1.05のリーンλに決定する。測定された下流ラムダ信号lam_nK_Mesに再び、触媒115に酸素過剰が発生したことを示すλ1通過点が生じた場合、詳細に図示されていない、0.95のλを有するリッチ診断混合気への切替が行われる。
触媒115の酸素貯蔵性能O2_Simは、空気信号ms_Lと診断混合気λ目標信号経過lam_Diag_Solとが供給される特性量計算部140において、積分によって求められる。積分はたとえば、診断混合気λ目標信号経過lam_Diag_Solがたとえば1.05のリーンλを有する間の時間にわたって行われる。
有利には触媒診断は、診断混合気λ目標信号経過lam_Diag_Solの複数の周期にわたって行われることにより、複数の周期にわたる酸素貯蔵性能の平均値を形成できるようにされる。
酸素貯蔵性能の検出ひいては診断結果の検出では、実際に排ガス領域113に生じた診断混合気λ瞬時信号経過lam_Diag_Isのλが、‐伝搬時間による既知の信号遅延と立ち上がり振動過程とを除外して‐所定の診断混合気λ目標信号経過lam_Diag_Solと十分に一致することが前提とされる。偏差が発生した場合、この偏差は診断結果に直接影響する。十分な一致は、高速適合によって得られる。
しかし図中の実施例では、高速適合が実施されたにもかかわらず、第1の時点ti1と第3の時点ti3との間に偏差210が生じていると仮定する。このことは、高速適合が偏差210の発生を完全には阻止できなかったことを意味する。
ここでは時間差検出部150が設けられている。この時間差検出部150は、診断混合気λ瞬時信号経過lam_Diag_Isのλ1通過点211と、特性量計算部140によって計算された診断混合気λ信号経過lam_Diag_Simのλ1通過点212との間に生じる時間差ti_Dを検出する。小さい時間差ti_Dは、診断混合気λ瞬時信号経過lam_Diag_Isと計算された診断混合気λ信号経過lam_Diag_Simとが良好に一致することに相応する。この場合、特性量計算部140によって求められた酸素貯蔵性能O2_Simはなお高信頼性であると見なすことができ、診断の基礎とすることができる。正方向または負方向の比較的大きな時間差ti_Dは比較的大きな偏差210を示しているので、求められた酸素貯蔵性能O2_Simは誤差を有することが予測され、このことに相応して診断結果は信頼性を有さないと見なされる。
求められた時間差ti_Dは時間差評価部160において、診断λ補正値lam_Diag_Korrを供給するために使用することができる。この診断λ補正値lam_Diag_Korrは特性量決定部130に供給される。診断混合気λ目標信号経過lam_Diag_Solの後続の周期で、制御された診断混合気λ目標信号経過lam_Diag_Solと発生する診断混合気λ瞬時信号経過lam_Diag_Isとが良好に一致するためには、診断λ補正値lam_Diag_Korrを高速適合値Adap_Sに置換すべきではなく、該診断λ補正値lam_Diag_Korrは特性量決定部130において診断混合気λ目標信号経過lam_Diag_Solの決定に直接影響すべきである。診断混合気λ目標信号経過lam_Diag_Solを調整するために、燃料信号m_Kまたは内燃機関110の空気供給部に介入することができる。
求められた時間差ti_Dは時間差評価部160においてさらに、誤差信号Fを求めるのに使用することができる。こうするためには、時間差ti_Dは所定の時間差閾値ti_D_Limと比較される。時間差ti_Dが時間差閾値ti_D_Limを超える場合には誤差信号Fが出力される。この誤差信号Fは、診断結果が信頼性を有さないことが予測されることを示すか、または、連続的な診断を中断するために使用することができる。さらに誤差信号Fは、すでに求められた診断結果を却下すべきであることを決定することができる。
触媒診断の信頼性をさらに向上するためには、診断混合気λ瞬時信号経過lam_Diag_Isのλ1通過点211の検出時に平均値形成を行うことができる。診断混合気λ瞬時信号経過lam_Diag_Isにノイズが重畳されている場合には、この平均値形成によって、リッチ診断混合気からリーン診断混合気への切替時にすでに、ノイズに起因する第1のλ1通過点211が実際のλ1通過点211として評価される。
この平均値形成の前提条件は、診断混合気λ瞬時信号経過lam_Diag_Isに対して、図2の基礎となるタイムスケールを基準として格段に短いサンプリング間隔を決定することである。このことによって、たとえば第4の時点ti4の前後に、診断混合気λ瞬時信号経過lam_Diag_Isの複数のサンプリング値が得られ、平均値形成が可能になる。このような平均値形成はたとえば次のように実施される。すなわち、まずは、リッチ診断混合気が現れる時間間隔とリーン診断混合気が現れる時間間隔との比が形成された後に、閾値‐たとえば50%‐との比較が行われるように実施される。
本発明による方法が実施される技術的環境を示す。 時間に依存するラムダ信号経過を示す。

Claims (10)

  1. 内燃機関(110)の排ガス領域(113)内に配置された触媒(115)を、該触媒(115)の酸素貯蔵性能(O2_Sim)の検出に基づいて診断する方法であって、
    測定された下流ラムダ信号(lam_nK_Mes)に依存して設定されリッチラムダ値およびリーンラムダ値を有する診断混合気λ目標信号経過(lam_Diag_Sol)に基づいて、該酸素貯蔵性能(O2_Sim)を求め、
    ラムダ制御回路(121)の長時間適合を行う方法において、
    診断要求信号(Diag_Anfo)の場合にまずは該ラムダ制御回路(121)の高速適合を行い、その後、該触媒(115)の診断中に該ラムダ制御回路(121)を遮断し、該内燃機関(110)に、制御された該診断混合気λ目標信号経過(lam_Diag_Sol)を有する診断混合気を供給し、該診断の終了後に、該高速適合から該長時間適合に切り換えることを特徴とする方法。
  2. 前記高速適合を、前記内燃機関(110)の少なくとも1つの運転量(n)に依存して行う、請求項1記載の方法。
  3. 前記高速適合を、少なくとも近似的に前記内燃機関(110)の運転状態が定常的である場合にのみ行う、請求項1記載の方法。
  4. 前記高速適合中および前記触媒の診断中に前記内燃機関(110)の少なくとも1つの運転量(n)は少なくとも近似的に一致しているか/一致していたか否かの検査を行い、
    所定の程度の偏差を超える場合、該診断を中断するか、またはすでに求められた診断結果を却下する、請求項1記載の方法。
  5. 診断混合気λ瞬時信号経過(lam_Diag_Sim)のλ1通過点(211)と該計算された診断混合気λ信号経過(lam_Diag_Sim)のλ1通過点(212)との間に生じた時間差に基づいて、該診断混合気λ瞬時信号経過(lam_Diag_Is)と計算された診断混合気λ信号経過(lam_Diag_Sim)との間の偏差(210)を求め、
    該時間差(ti_D)を、診断λ補正値(lam_Diag_Korr)による所定の診断混合気λ目標信号経過(lam_Diag_Sol)の補正および/または前記診断の中断に使用する、請求項1記載の方法。
  6. 前記診断混合気λ瞬時信号経過(lam_Diag_Is)のλ1通過点(211)を、ジャンプ特性を有する測定された上流ラムダ信号(lam_vK_Mes)に基づいて検出する、請求項5記載の方法。
  7. 内燃機関(110)の排ガス領域(113)内に配置された触媒(115)を診断するための装置において、
    請求項1から6までのいずれか1項記載の方法を実施するために特別に構成された制御回路(120)が設けられていることを特徴とする装置。
  8. 前記触媒(115)より上流にジャンプラムダセンサ(114)が配置されており、
    該ジャンプラムダセンサ(114)は、測定された上流ラムダ信号(lam_vK_Mes)を供給する、請求項7記載の装置。
  9. 制御回路(120)内で実行される場合、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法のすべてのステップを実施することを特徴とする、制御回路プログラム。
  10. 機械読み取り可能な担体上に記憶されたプログラムコードを有し、プログラムが制御回路(120)内で実行される場合に請求項1から6までのいずれか1項記載の方法を実施するための制御回路プログラム製品。
JP2008543794A 2005-12-05 2006-12-01 内燃機関の排ガス領域内に配置された触媒を診断する方法、および、該方法を実施するための装置 Expired - Fee Related JP4755697B2 (ja)

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