JP2009524532A - 改善されたコールドセットオフセット輪転印刷方法 - Google Patents

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Abstract

コールドセットオフセット輪転印刷プロセスにおいて、たとえば新聞用紙のような基体に所望の印刷がされ、ついで本質的に同時に両面が透明ワニスで、1面当たりの乾燥重量が2gsm以下であるフィルム重量でコーティングされる。

Description

本発明は、改善されたコールドセットオフセット輪転印刷方法に関する。
コールドセットオフセット輪転印刷は、新聞の印刷のために最も一般に使用され、速く大量の印刷を行う最も安く最も経済的な方法のうちの1つである。しかしながら、正しいものであるが、達成できる印刷品質が限定されると一般に認識されている。使用されるインクは、鉱物/植物油中に分散されたピグメント、およびバインダーから基本的に成り、基質(例えば新聞用紙)のファイバー中への吸収によって乾燥する。このプロセスで経験された特別の問題としては、隣接した1または複数のページを1ページからのインクが汚すインターページセットオフ、および不良な摩擦抵抗があげられ、それは読者の手へのインク移りに帰着する。したがって、経済的プロセスにもかかわらず、これはより高品質な印刷のために使用されない。
その問題に対処する明白な方法は他のページに、あるいは印刷物を持つ人々の手にインクが移動するのを防ぐ、水性のワニスで印刷物をコーティングすることである。この性質を利用して多くの試みがなされたが、我々が知る限りにおいて成功したものはない。遭遇した主な問題は、基体の寸法安定性および、印刷機またはポスト印刷におけるウェブまたは基体の互いのスティッキングまたはブロッキングだった。これらの問題のどちらも、プロセスを使用不可能とする。
使用されるどんなプロセスも、それが経済的に実施可能である場合、現在の印刷プロセスに挿入するのが簡単でなければならず、コストを過度に増してはならない。さらに、それは全面的な印刷プロセスを過度に遅くしてはならない。新聞を印刷する場合、これらの要因は特に重要である。
我々は、これらの問題が2つの印刷パラメータの注意深い選択によって克服されることを発見した:1番目は、オーバープリントワニスの厚さであり、これはフィルム重量の観点から画定される;第2は印刷されたシートの2つの側をコーティングするタイミングである。2つの側は同時に、あるいはほぼ同時にコーティングされるべきである。
したがって、本発明はコールドセットオフセット輪転印刷方法に関し、この方法では基体上にコールドセット印刷インキで印刷がされ、印刷された基体はついで、2gsm(1平方メートル当たりのグラム数)よりも多くない量のフィルム重量でそれぞれの面がクリアワニスでコーティングされる。それぞれの面のコーティングは同時に、または他のコーティングとの差が0.5秒以内でコーティングされる。
このようにコーティング操作を行なうことによって、その結果、基体の2つの側は本質的に同時にコーティングされる。コールドセットオフセット輪転印刷印刷物にオーバーワニスを塗る従来の試みにおいて観察された紙のカーリングまたはフルーティングは生じない。さらに、規定された厚さ内で塗布されたワニスコーティングの厚さを保持することにより、ブロッキングおよび他のスティッキングの問題も解消される。
更に、我々は塗布されたワニスコーティングが認識される印字品質を向上することを見いだし、それにより、それが不適当な外観をもたらすとして従来拒絶されていた用途でコールドセットオフセット輪転印刷が使用されるように導く。
印刷に使用される基体の性質に特別の制限はない。また、コールドセットオフセット輪転印刷において一般に使用される任意の基体も等しくここで使用されてもよい。基体は、インクがそれに浸透し、「乾燥」するために、少なくとも幾分かは、多孔性であることが好ましい。好ましい基体は新聞用紙である。しかし、コーティングの有無にかかわらず、他の紙も使用できる。使用することができる適切なタイプの基体の例としては次のものがあげられる:未コート紙、特には公知の新聞用紙およびMFS(機械コーティングされた表面)タイプ;典型的には35から72gsmの坪量を有するか、または光沢紙またはつや消しのコーティングされた紙で坪量が50から100gsmであるものがあげられる。これらのうち、特に新聞用紙が好ましく、典型的には35から72gsmの坪量を有するものが好ましい。
使用されるコールドセットオフセット輪転印刷用インキは、本発明において臨界的ではない。産業上一般に使用されている任意のインクが等しくここで使用されることができる。そのようなインクの例としては次のものがあげられる:サンケミカルクラシック(Sun Chemical Classic),ポーラーアドバンテイジ(Polar Advantage)およびスーパーセット(Superset)。
任意の公知のオフセット輪転印刷用印刷機が基体上に印刷するために使用されてもよい。また、そのような設備のより多くの詳細が「Handbook of Print Media:Technologies and Production Methods」, Helmut Elipphan編、Springer−Verlag 出版、2001年に見いだされる。
使用されるオーバープリントワニスは、印刷物を覆うためにワニスを選ぶ際の通常の基準により選ばれる:印刷物がそれを通してはっきり目視できるように、それは透明であるべきである;ほとんどの用途において、印刷の色バランスに影響を与えないために、それはさらに本質的に無色であるべきである;それは基体と適合性を有するべきである;また、それはコールドセットオフセット輪転印刷インキを溶かすべきでなく、少なくとも任意の有意の程度までインキを溶かすべきでない。そのようなワニスの選択に適用可能な一般的な考慮は「ワニス剤」(PrintWeek、1998年7月17日、pp39−43)、「Aqueous Coatings:A Primer」(GAFTWorld、1月/2月、1997年、9(1)、ppl5−16)に議論される。
一般に、水性のオーバープリントワニスを使用するが好ましい。特にアクリルの水性オーバープリントワニス、例えばサンケミカル社のVR1922W、Joncryl 90(ジョンソンポリマー)、Joncryl 8050(ジョンソンポリマー)、Vegra E375ウエブコート(Pomeroy)、Vegra VP3406(Pomeroy)、Vegra VP5505 オイルベースダクトコーティング(Pomeroy)が好ましい。
あるいは、公知の溶剤ベースのワニスまたはUVワニスが使用されることができる。しかし、水性のワニスは環境問題を生じさせず、乾かすエネルギーをほとんど要求せず、したがって、好ましい。
オーバープリントワニスは1面当たりで、2gsm(1平方メートル当たりのグラム数)以下のフィルム重量で適用される。これは2面合計で4gsm以下のフィルム重量に相当する。規定されたフィルム重量は、20ミクロン以下の膜厚に広く相当する。好ましいフィルム重量は1面当たり1.5gsm以下(すなわち合計のフィルム重量は3gsm以下)であり、より好ましくは0.25から1.25gsm、もっとも好ましくは0.5から1.0gsmである。
例えば新聞紙印刷用の公知の装置において、テキストあるいは他の印刷物を印刷した後に透明なオーバープリントワニスを適用する手段を組込むための改良のみが必要とされる。
そのような設備は当業者に公知であって、新聞印刷の場合には、標準タワーまたはサテライト型の新聞プレスを含むことができる。さらに、印刷物をコーティングするための追加の手段は公知である。また、詳細は例えば、”Aqueous Coatings: A Process and Equipment Primer” (GAFTWorld. 3/4月 1997, 9(2), pp 17−20)に記載される。例えば、標準ローラー塗工機あるいはアニロックスローラーが使用されてもよい。
好ましいものである、オーバープリントワニスが水性である場合には、油性のコールドセットオフセット輪転印刷用印刷インキと容易に混合せず、実際上印刷のすぐ後に適用されることができる。透明なオーバープリントワニスが、基体の両側に本質的に同時に適用されるべきであることは、本発明の利点を達成するために不可欠である。両側のコーティングが本質的に同時でない場合、基体はカールまたはフルーティングを起こしがちである。これを回避するために、コーティングが同時でない場合には、オーバープリントワニスでコーティングされる第2の側は第1のコーティングの0.5秒以内、より好ましくは0.3秒以内にコーティングされるべきである。
コールドセットオフセット輪転印刷用印刷インキが基体上に印刷された後、オーバープリントワニスはすぐに好ましくは適用されるが、それはコールドセットオフセット輪転印刷用印刷インキが完全には乾いていないだろうということを通常意味する。これは必要ではないが、オーバープリントワニスを完全にあるいは部分的に乾いた印刷インキ上に、適用することは可能である。
プリント装置には、加熱手段があってもなくても良い。加熱装置としては例えば印刷されたかコーティングフを施した基体上に熱風を当てる手段が使用できる。加熱が利用可能な場合には、乾燥が補助される。しかしながら、使用されるオーバープリントワニスの量が上に示唆された量の範囲内にある場合、好ましい結果を達成するためには加熱は通常必要ではないことを見いだした。
本発明は、次の非制限的な例によってさらに例証される。
実施例1
ワニスの調製
次の成分が公知のミキサーで混合され、透明な絹状光沢ワニスが製造された:
Figure 2009524532
固形分:約40%
粘度 35−40秒 DX20。
実施例2
ワニスの調製
次の成分が公知のミキサーで混合され、透明な光沢ワニスが製造された:
Figure 2009524532
実施例3
コーティングを施した印刷物の調製および試験
実施例1に記載されるようにして調製された絹状光沢オーバープリントワニスを使用して、あらかじめ4色で印刷された紙リールはモーゼルフレキソプレスでコーティングされた。速度はその標準速度の、毎秒約1メータで運転された。アニロックスを11ミクロンおよび13ミクロンで適用した。また、ヒーターは900℃にセットされた。紙の両側は本質的に同時にコーティングされた。第一の試行が終わると、オーブンをオフにして行い、最後にヒーターとファンの両方をオフにして実験を繰り返した。すべての場合に、コーティングは良好に行われ、また、上塗りを施した印刷物は、良質な印象を与えた。
実験は実施例2に記載されるようにして調製された光沢オーバープリントワニスを使用して、ヒーターを使用して繰り返された。
10cm×10cmの正方形の10枚のシートが切断され、秤量され、オーバープリントの量の評価ができるようにされた。平均コーティング量は表1に示される。
Figure 2009524532
主観的な評価では、11ミクロンのアニロックスでコーティングされた印刷の外観が優れていた。しかしながら、テストされた時には、2つの重量間の変化を識別することができないかった。
静的摩擦係数
これはダベンポートインクラインドプレーンスリップテスト(Davenport Inclined Plane Slip Test)によって測定された。
結果は表2に示される。
Figure 2009524532
未コート紙はかなり滑らかであるが、オーバープリントワニス、特に実施例1の絹状光沢ワニスの追加は、著しく摩擦を縮小した。
こすれ落ち試験結果
コーティングのあるものと未コート紙の摩擦抵抗が、修正プラフバウ(Prufbau)試験で、スクアレンソーキングされたディスク、この場合にはHolmen 42ペーパーと未処理の紙について測定された。プラフバウ摩耗試験機を使用して、テスト印刷はそれぞれ、10サイクル、スクアレン処理された基体ディスクと未処理の基体ディスクで研摩された。スクアレンテストについては、Holmen 42ペーパーのディスクがスクアレンに浸され、過剰のスクアレンは拭き取られ、10枚の同じ紙の間で15分間吸い取り紙で吸い取ることにより乾燥した。基体ディスク上のすりむかれた物質の量が、摩擦サイクルの後に測色により測定された。結果は、表3(加熱ありの実施例1の絹状光沢コーティング)、表4(加熱なしの実施例1の絹状光沢コーティング)および表5(加熱ありの実施例2の光沢コーティング)に示される。結果はΔEとして報告される。明度および色の違いの両方を考慮した全体的な色差の基準である。0.5〜2の値は、ちょうど知覚可能であると考えられる。
Figure 2009524532
Figure 2009524532
Figure 2009524532
オーバープリントワニスの固形分は40%だけであるので、それは多量の水を導入する。そのためカーリングまたはフルーティングが発生することが懸念されるが、この場合には見られなかった。実際、カーリングおよびフルーティングは全く起こらなかった。モーゼルプレスオーブンは90℃に設定され、その温度で、すべてのオーバープリントワニスは良好な性能を発揮し、タックがなく、きつく巻かれたリールにおいてスティッキングも見られなかった。

Claims (16)

  1. (a)基体上にコールドセット印刷インキを適用すること、(b)印刷された基体のそれぞれの面を透明ワニスで、コーティングされた基体がブロックまたはスティックしない十分に小さいフィルム重量でコーティングすることを含み、1面のコーティングが十分に短い時間で行われ、コーティングされた基体のカールまたはフルートが発生しないようにする、コールドセットオフセット輪転印刷方法。
  2. 基体がコーティングされていない紙である、請求項1記載の方法。
  3. 基体が新聞用紙である、請求項2記載の方法。
  4. 新聞用紙が35から72gsmまでの坪量を有する、請求項3記載の方法。
  5. 基体がコーティングされた紙である、請求項1記載の方法。
  6. コーティングされた紙が50から100gsmまでの坪量を有する、請求項5記載の方法。
  7. ワニスが水性のオーバープリントワニスである、請求項1から6のいずれか1項記載の方法。
  8. ワニスがアクリルの水性オーバープリントワニスである、請求項7記載の方法。
  9. 透明ワニスのフィルム重量が、1面当たりで2gsmの乾燥重量を超えない、請求項1から8のいずれか1項記載の方法。
  10. 透明ワニスのフィルム重量が、1面当たりで1.5gsmの乾燥重量を超えない、請求項9記載の方法。
  11. フィルム重量が、1面当たりで0.25から1.25gsmの乾燥重量である、請求項10記載の方法。
  12. フィルム重量が、1面当たりで0.5から1.0gsmの乾燥重量である、請求項11記載の方法。
  13. 基体の両面が同時にコーティングされる、請求項1から12のいずれか1項記載の方法。
  14. 基体の1面が他の面のコーティングの0.5秒以内にコーティングされる、請求項1から12のいずれか1項記載の方法。
  15. 基体の1面が他の面のコーティングの0.3秒以内にコーティングされる、請求項1から12のいずれか1項記載の方法。
  16. 印刷物がコールドセット印刷インキで基体上に印刷され、ついで印刷された基体が透明ワニスでそれぞれの面に2gsm以下の乾燥重量のフィルム重量でコーティングされ、1面のコーティングが他の面と同時に行われるかまたは他の面のコーティングの0.5秒以内に行われる、コールドセットオフセット輪転印刷方法。
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