JP2009516132A - 粘性ストランドダンパー組立体 - Google Patents

Abstract

固定ラックギア（３２）と、回転ギアダンパー（１６）であって、前記ラックギアに係合するギアと、前記ラックギアに沿って前記ダンパーと共に移動可能で前記ダンパーにより制御される動作可能な対象物に接続された係留具（２０）とを有する回転ギアダンパー（１６）とを備えるダンパー組立体。

Description

関連出願の相互参照
本米国標準出願は、２００５年１１月１４日出願の米国仮出願６０／７３６２３６号の利益を主張する。

本発明は、一般に、物体の動作を制御するダンパーに関し、より具体的には、被制御装置とダンパーとの間に係留具を使用する粘性ダンパーに関する。

組立部品の動作を制御するために、動作ダンパーを様々な組立品に使用することが知られている。いくつかの場合ダンパーは、それが無いと所期したよりも急激そして強力に動く部品の動作を制御するために使用される。ダンパーは、重力によって生じる動作およびバネやその他の作動装置によって引き起こされる動作を制御することができる。ドア、物入れ、家具の引き出しなどがダンパーの用途として知られている。自動車では、グローブボックス、コンソールカバー、サングラス入れ、格納式カップホルダー、その他収納容器または部分にダンパーが使用されている。

ダンパーには、一方向ダンパーや二方向ダンパー等の様々な型式が知られている。名前からも分かるように、一方向ダンパーは一方向のみの動作を制御し反対方向に対しては最小限の動作抵抗をかけるのに対し、二方向ダンパーは両方向への動作抵抗または制御をかける。

粘性ダンパーも知られている。粘性ダンパーでは、減衰流体を含む筐体内部でローターが回転可能となっている。ローターおよび／または筐体の内部構造は、減衰流体とローターとの相対動作を調節するためのポートを有し、それにより所期の抵抗または「減衰（ダンピング）」を及ぼす。

様々な型式のダンパーが多くの用途で有効に作用する。しかしながら、新たに改良されたダンパー構造を必要とする需要は増え続けている。例えば、自動車における空間は貴重である。収納スペースとともに車内の乗員スペースを最大化することが望ましい。従って、ダンパーを小さくするか、またはダンパーが無い場合には使用可能な車内スペースを損なわない場所でダンパーを操作することが望ましい。

従来の減衰システム、特に空気ダンパーは滑らかに起動しない。起動後しばらくしてから減衰機能が開始する場合がある。いくつかの場合には、このような遅れを生じることなく減衰を起こさせることが望ましい。

本発明は、動作を制御する物品に係留具によって固定され、ある経路に沿って動作可能な従来型粘性ダンパーを提供する。

一つの態様における本発明は、ラックギアを有する基部と、前記基部に相対して動作可能な台車と、前記台車とともに動作する回転ダンパーとを備えるダンパー組立体を提供するものである。ダンパーは、ローターと、前記ローターとともに回転可能なダンパーギアとを備える。ダンパーギアは基部上のラックギアに係合する。係留具は台車に接続される。

もう一つの態様における本発明は、固定ラックギアと、ローターおよび前記ローターとともに回転可能で前記ラックギアに沿って動作可能なダンパーギアを有する回転ダンパーと、前記ラックギアに相対する前記ダンパーの動作に実質的に接続されている係留具とを備えるダンパー組立体を提供する。

もう一つの別の態様における本発明は、固定トラックと、固定ラックギアと、前記トラックと摺動するように係合したフォロアーを有する台車と、前記ラックギアに係合したダンパーギアを有し前記台車と共に動作可能な回転ダンパーと、一端が前記台車に接続されダンパー組立体により制御される動作可能な対象物に接続可能な第二端部を有する係留具とを備えるダンパー組立体を提供する。

本発明の利点は、制御対象物から離れ、他の場合には使用されない部分に載置可能で、対象物およびその周辺環境から利用可能な空間を損ねないダンパーを提供することにある。

本発明のもう一つの利点は、起動時に変動すること無く円滑に動作するダンパーを提供することにある。

本発明のさらにもう一つの利点は、一方向ダンパーおよび二方向ダンパーを含む様々はダンパーとして使用可能なダンパーシステムを提供することにある。

本発明の他の特徴および利点は、以下の記述、請求範囲、図面を精査することで当業者に明らかになるであろう。これらを通じて同様の符合は同様の特徴物を示す。

以下に本発明の実施形態を詳細に説明するが、本発明はその適用が以下の記述および図面に説明される構造および部品配置の詳細に限定されるものではないことを理解するべきである。本発明は様々な方法で実施または実行される他の実施形態にも適用可能なものである。また、ここに用いられる表現・用語は説明を目的とするもので、限定的なものと見なすべきではないことを理解するべきである。ここに用いられる「含む」、「備える」およびこれ等の変形表現は、そこに記載される要素およびその等価物、並びに追加的要素とその等価物を包含することを意味する。

添付図面をより具体的に参照し、特に図１および図２の符号１０は、本発明の粘性ストランドダンパー組立体を示す。ダンパー組立体１０は、使用時にダンパー組立体１０が位置決めされ載置される基部１２を備える。台車１４は基部１２と係合動作し、台車１４内部のダンパー１６との相互関係を介して基部１２に沿って前後に動作し、基部１２に沿って操作可能である。例示的な本実施形態では台車１４を一方向に動かすためのバネ１８が設けられているが、他の帰還構造を使用することもできることを理解すべきである。係留具２０は、その一端が台車に接続され、もう一端が制御対象物に接続されている。

基部１２は、動作を制御する対象物の近傍にある組立体１０を載置するためのベースプレート３０を備える。従って、ベースプレート３０を他の物体に締結するため、ベースプレート３０に止具用の孔や一体型スナップ式連結器などの適当な構造（図示せず）を設けても良い。後に詳述するように、基部１２はダンパー１６を係合するラックギア３２を画定する。ラックギア３２は基部１２の一端の近傍から基部１２の他端の近傍にまで延びる。台車１４と係合するように、第一トラック３４がベースプレート３０の一辺に沿って、また第二トラック３６が第一トラック３４と反対側の辺に沿って設けられている。一端において、基部１２は、係留具２０を案内し方向付けるためのスロット３８とガイド４０をさらに画定する。他端において、基部１２はバネ座４２、４４を画定する。

台車１４はダンパー１６を収容し、これと共に基部１２と摺動するように係合しつつ基部１２に沿って縦走する。従って台車１４は、ダンパー１６と共に作動するウェル部５２を有した本体５０を備える。本体５０の第一辺上の第一フォロアー５４は、基部１２の第一トラック３４に沿ってまたがる。本体５０のフォロアー５４を有する辺とは反対側の辺上の第二フォロアー５６は、基部１２の第二トラック３６に沿ってまたがる。トラック３４、３６およびフォロアー５４、５６を介して台車１４と基部１２の摺動関係を保ちつつ、物理的な係合を行うための構造が様々あることを当業者は容易に理解するであろう。例えばスナップ式台車１４を基部１２にはめ込み、かつ基部１２に係合された後に摺動可能に重なり合ったへりを使用することもできる。

ウェル部５２は、その内部にダンパー１６を受ける中空陥凹部またはポケットである。ウェル部５２はその内部（図４）に係止リブ５８と自由走行リブ６０とを備えるが、これ等の動作については後に詳述する。台車１４はバネ座６２，６４およびアーム６６をさらに備える。

ダンパー１６は、例えば超音波溶接などで互いに固定された複数部品からなる外殻または筐体７０を有する回転ギアダンパーである。筐体７０は、例示的な実施形態では筐体７０をダンパー１６の一端において囲むリブ７２を画定する。リブ７２は筐体７０に対して固定された要素で、筐体７０に一体成形されても良い。ダンパー１６は、筐体７０内で回転可能で、筐体７０の外に延びるローター７４をさらに備える。ダンパーギア７６はローター７４に載置され、それと共に回転する。ダンパー１６は、筐体７０内に減衰流体（図示せず）と、筐体７０とローター７４との間の相対的回転に対する抵抗を与えるための筐体７２および／またはローター７４に関連する構造（図示せず）とを含む粘性回転ギアダンパーである。本発明の用途および使用法におけるダンパー１６は一方向または二方向でも良く、その操作のための特性および内部構造について当業者は容易に理解するものである。

バネ１８はバネ本体８０と、バネ座４２、４４に固定可能な第一バネ端部８２と、バネ座６２，６４に固定可能な第二バネ端部８４とを備える。例示的な本実施形態におけるバネ本体８０は螺旋コイルバネであるが、当業者は、例えば弾性部材等、バネ以外の後退要素または構造が使用できることを理解するであろう。

係留具２０は、第一端部９０がアーム６６に接続され、第二端部９２がダンパー１６によって動作が影響される機器、装置または物に接続された弦、ワイヤー、ケーブル、またはストラップ等である。例示的な実施形態（図５および６）における係留具２０の第二端部９２は、固定構造９８にヒンジ９６を介して回転可能に接続された車両用グローブボックス等の蓋付容器９４に接続されている。

ダンパー組立体１０が組み立てられた状態で、フォロアー５４、５６はトラック３４、３６と係合し台車１４を基部１２に固定しつつ、台車１４の基部１２に沿った軸方向の移動を可能にする。ダンパー１６は、ダンパー１６のギア７６がラックギア３２に係合した状態で、ウェル部５２とベースプレート３０との間に収納される。バネ１８は、バネ座対４２、４４および６２、６４のそれぞれの間に固定されたバネ端部８２、８４を介して基部１２と台車１４の間を相互接続する。係留具２０は台車１４のアーム６６に接続され、基部１２に沿ってスロット３８およびガイド４０まで延び、ここでその第二端部９２が取り付けられる制御対象物（本例の場合は蓋付容器９４）へ導かれ、または方向付けされる。

例示的な実施形態は、一方向ダンパーの設置を示す。グローブボックスまたは蓋付容器９４が開かれると、ストリング２０が引かれ、係留具２０とアーム６６との接続を介して台車１４を引っ張る。台車１４は基部１２に沿って動き始め、台車１４とダンパー１６との間の僅かな相対的動作により、台車１４の係止リブ５８とダンパー筐体７０のリブ７２の何れかとが係合する。従って、筐体７０のウェル部５２内部における回転が抑制され、ギア７６がラックギア３２に沿って引かれるにつれ、ローター７４が筐体７０内で回転する。ダンパー１６の減衰効果は、ギア７６の回転を抑制しそれによりギア７６のラックギア３２に沿った動作を抑制する筐体７０内におけるローター７４の回転抵抗を介し、ヒンジ９６廻りにおけるグローブボックス／蓋付容器９４の枢動に伝達される。言い換えると、基部１２に沿った台車の動作に抵抗が加えられ、これが係留具２０を通じて蓋付容器９４の開動作に伝達される。

グローブボックス／蓋付容器９４が閉方向に動くと、蓋付容器９４からの係留具２０の引張力が解放される。バネ１８は、前述と反対の方向に向かって台車１４を引っ張る。台車１４がバネ１８によって引っ張られることにより台車１４とダンパー１６との間で僅かな相対的動作が起こると、台車１４上の係止リブ５８がダンパー筐体７０上のリブ７２から外れる。筐体７０のリブ７２はウェル部５２の自由走行リブ６０に遭遇するが、自由走行リブ６０には係合しない。リブ７２は、自由走行リブ６０に対し相対的に動くことができる。従って、ウェル部５２内部での筐体０の回転にかかる抵抗は最小となる。筐体７０内のローター７４の回転は、ウェル部５２内の筐体７０の回転に対する抵抗よりも大きな抵抗にさらされ、バネ１８が台車１４を引っ張り、ギア７６がラックギア３２に沿って動く際、ローター７４と筐体７０との間における相対的な回転は、殆ど、または全く起こらない。代わりに筐体７０はウェル部５２内で回転する。その結果、台車１４の戻りには減衰効果はかからない。

二方向ダンパーを使用し、台車が基部１２のいずれの方向に動作する際にもダンパー筐体と台車との間の相対的な動作を抑制することにより二方向減衰を提供できることを理解するべきである。例えば、固定、接着または剛体接続により二方向ダンパー筐体を台車に恒久的に固定することができる。

前述の変形および改良は本発明の範囲内に属するものである。ここに開示し定義した発明は、記述および図面に記載またはこれらより明らかな個々の特徴の二つ以上の代替的組み合わせの全てに及ぶものである。これら様々な組み合わせは、本発明の様々な代替的態様を構成する。ここの実施形態は本発明を実施する上で知られている最良の形態を説明するもので、当業者が本発明を利用できるようにするものである。請求範囲は先行技術によって許容される限りの代替的実施形態を含むものと解釈するべきである。

本発明の様々な特徴は添付の請求範囲に説明される。

本発明による粘性ストランドダンパー組立体の斜視図である。 図１に示した粘性ストランドダンパー組立体の分解図である。 図２の分解図で示されたダンパーを図２と反対の側から見た斜視図である。 図２の分解図で示された台車をやはり図２と反対の側から見た斜視図である。 自動車用グローブボックスの開動作を制御するために取り付けた状態の本発明による粘性ストランドダンパー組立体の部分断面を示す斜視図で、グローブボックスが閉の状態を示す。 図５と同様の斜視図で、グローブボックスが開の状態を示す。

符号の説明

１０ ダンパー組立体
１２ 基部
１４ 台車
１６ ダンパー
１８ バネ
２０ 係留具
３０ ベースプレート
３２ ラックギア
３４ 第一トラック
３６ 第二トラック
３８ スロット
４０ ガイド
４２ バネ座
４４ バネ座
５０ ダンパー本体
５２ ウェル部
５４ 第一フォロアー
５６ 第二フォロアー
５８ 係止リブ
６０ 自由走行リブ
６２ バネ座
６４ バネ座
６６ アーム
７０ 筐体
７２ リブ
７４ ローター
７６ ダンパーギア
８０ バネ本体
８２ 第一バネ端部
８４ 第二バネ端部
９０ 係留具第一端部
９２ 係留具第二端部
９４ 蓋付容器
９６ ヒンジ
９８ 固定構造

Claims (20)

1. ラックギアを有する固定基部と、
   前記基部に相対して動作可能な台車と、
   前記台車によって運ばれ、ローターと前記ローターと共に回転可能なダンパーギアを有し、前記基部上の前記ラックギアに係合する回転ダンパーと、
   前記台車からの係留具と、
   を備える、ダンパー組立体。
2. 前記基部がトラックを有し、前記台車が前記トラックに係合するフォロアーを有する、請求項１に記載のダンパー組立体。
3. 前記基部が対向する辺に沿った第一および第二トラックを有し、前記台車が前記第一および第二トラックに係合する第一および第二フォロアーを有する、請求項２に記載のダンパー組立体。
4. 前記基部と前記台車とを接続するバネを備える、請求項２に記載のダンパー組立体。
5. 前記基部と前記台車との間に接続されたバネを備える、請求項１に記載のダンパー組立体。
6. 前記台車がリブを内蔵するウェル部を有し、前記ウェル部内の前記リブと係合し前記ダンパーと前記ウェル部との間の相対的回転を抑制するように前記ダンパーがその外表面上にリブを有する、請求項１に記載のダンパー組立体。
7. 前記ダンパーが筐体を有し、前記台車が前記基部に相対して第一の方向に動作する際に前記筐体に係合するリブを前記台車が有し、前記台車が反対方向に動作する際に前記リブが前記筐体から外れる、請求項１に記載のダンパー組立体。
8. 前記基部と前記台車との間に接続されるバネを備える、請求項７に記載のダンパー組立体。
9. 前記基部が対向する辺に沿った第一および第二トラックを有し、前記台車が前記第一および第二トラックに係合する第一および第二フォロアーを有する、請求項８に記載のダンパー組立体。
10. 第一固定ラックギアと、
    ローターおよび前記ローターと共に回転可能なダンパーギアを有し前記ラックギアに沿って動作可能な回転ダンパーと、
    前記ダンパーの前記ラックギアに相対する動作に連動するように実質的に接続された係留具と、
    を備える、ダンパー組立体。
11. 台車をさらに備え、前記ダンパーが筐体を有し前記ローターが前記筐体内で回転可能であり、前記ダンパーが前記台車によって運ばれる、請求項１０に記載のダンパー組立体。
12. 前記係留具が前記台車に接続されている、請求項１１に記載のダンパー組立体。
13. 前記筐体が前記台車に係合するリブを有し、前記台車が前記ラックギアに沿った少なくとも第一の方向に動作する際に、前記台車に相対して前記筐体の回転を抑制する、請求項１１に記載のダンパー組立体。
14. 一端が前記台車に接続され、前記ラックギアに相対し位置の固定された他端を有するバネを備える、請求項１３に記載のダンパー組立体。
15. 前記台車が前記ラックに沿った第二方向に動作する際に、前記リブが前記筐体から外れる、請求項１４に記載のダンパー組立体。
16. 一端において前記ラックギアに沿った前記ダンパーとの動作のために接続され、もう一端において前記ラックギアに相対して位置の固定されたバネを備える、請求項１０に記載のダンパー組立体。
17. ダンパー組立体であって、
    固定トラックと、
    固定ラックギアと、
    前記トラックに摺動するように係合したフォロアーを有する台車と、
    前記ラックギアに係合するダンパーギアを有し、前記台車と共に動作可能な回転ダンパーと、
    一端が前記台車に接続し前記ダンパー組立体によって制御される動作可能な対象物に接続可能な第二端部を有する係留具と、
    を備える、ダンパー組立体。
18. 前記回転ダンパーが前記台車と選択的に係合可能な筐体を有し、前記筐体が前記台車に相対して選択的に回転可能および非回転可能である、請求項１７に記載のダンパー組立体。
19. 前記台車と前記ラックギアに相対した固定点とを接続する後退要素を備える、請求項１８に記載のダンパー組立体。
20. 第二固定トラックを備え、前記ラックギアが前記固定トラック間に配置され、前記台車が前記第二トラックに係合した第二フォロアーを有する、請求項１７に記載のダンパー組立体。

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