JP2009515096A - フィルタエレメントのシール構造、フィルタエレメントアッセンブリ及び方法 - Google Patents

Abstract

ｚフィルタ媒体を具備する媒体パックと、プレフォームと、ハウジングシール部材とを含むフィルタカートリッジ構造が提供される。設置を容易にするためのシール部材の単一の傾斜面と、成型中のはみ出しを制御するためにプレフォームの内側に向いたリップに隣接する先端部を有するシール部材の内側領域とを含むプレフォーム及びシール部材の改良が説明される。多様な媒体パック構成及び特徴が説明される。

Description

本願は、米国以外の全ての指定国に対する出願人を米国国内企業のＤｏｎａｌｄｓｏｎ Ｃｏｍｐａｎｙ， Ｉｎｃ．としたＰＣＴ国際特許出願であり、米国を指定国とした出願人は、ベニー ケビン ネルソン、シェルドン アンダーソン、トーマス ジー．ミラー、ロス ノーマン アンダーソン、及び、ジョン オーリン キルクウォルドであり、いずれも米国国民である。本願は、２００５年１１月９日出願の米国特許仮出願第６０／７３５，６５０号の優先権を主張する。

＜関連出願の相互参照＞
本願は、２００５年８月４日に発行された米国２００５／０１６６５６１ Ａ１号公報、２００５年７月１４日に発行されたＰＣＴ ＷＯ０５／６３３６１号公報、米国特許６，１９０，４３２号及びヨーロッパ特許ＥＰ１１５９０５２号の開示を含み、これらは本書に組み込まれる。

＜技術分野＞
本発明は、取外し自在及び交換自在な、すなわち、保守可能なフィルタエレメント構成要素を有するエアクリーナに関する。他の用途も可能であるが、本発明は、エンジン（例えば、車両、建築用具、農業用具及び採鉱用具、並びに発電機システムで使用される）の吸気を濾過する際に使用するためのエアクリーナにおいて特に有用である。本発明は、特に、そのようなエアクリーナの保守可能なフィルタエレメントに設けられるシール構造に関する。更に、本発明は、アッセンブリ及び使用の方法に関する。

空気流は、汚染物質を運び得る。多くの場合、空気流から汚染物質の一部又は全てを除去することが要求される。例えば、自動車、発電設備、建設設備或いは他の設備に用いられるエンジンへの空気流、ガスタービンシステムへのガス流、様々な燃焼炉への空気流は、粒子状の汚染物質を運ぶ。そのようなシステムの場合、空気又はガスから、選択された汚染物質を除去する（あるいは空気中又はガス中の汚染物質のレベルを低減する）のが好ましい。汚染物質減少のために、多様なエアフィルタ構造が開発されている。しかし、一般に、それらの構造の継続的な改善が求められている。

本書で説明される技術は、それぞれ本書に組み込まれる、２００５年８月４日発行の米国２００５／０１６６５６１ Ａ１号公報、２００５年７月１４日に発行されたＰＣＴ ＷＯ０５／６３３６１号公報、米国特許６，１９０，４３２号及びヨーロッパ特許ＥＰ１１５９０５２号に記載される形式のシール構造のバリエーションである。

本発明によれば、空気の濾過に使用するためのフィルタエレメントが提供される。概して、フィルタエレメントは、吸気端部及びその反対側にある排気端部（若しくはこれらの面）を含む媒体パックを具備する。媒体パックは、概して、濾過される空気が通過する、媒体パックの吸気端部で開放された吸気溝の組を規定し、吸気溝は、典型的には、媒体パックの排気端部から、吸気溝の全長の１０％内の距離において閉鎖され、また、媒体パックの吸気端部から吸気溝の全長の１０％以内の距離で、濾過される空気の通過に対して閉鎖され、媒体パックの排気端部で濾過後の空気の通過に対して開放されている排気溝の組を規定する。概して、媒体パックは、濾過されることなく吸気端部と排気端部との間で媒体パックを通過する空気の通路を封鎖する。エレメントは、媒体パックの吸気端部及び排気端部のうちの第１の端部に隣接して配置されたプレフォームと、プレフォームに装着されたシール構造とを更に含む。

いくつかの好適な用途においては、媒体パックはコイル状ｚフィルタ媒体構造であり、シール構造は発泡ポリウレタンを含む。媒体パックは多様な形状及び構成を有してよい。本書で示される２つの例は、例えばレーストラック形の周囲形状又は断面形状を有する楕円形周囲形状（周縁部）、及び、円形の周囲（周縁部）又は断面形状を有する円筒形状である。その他にも多様な形状が可能である。

本書で説明される技術は、それぞれ本書に組み込まれる、２００５年８月４日発行の米国第２００５／０１６６５６１ Ａ１号公報、２００５年７月１４日発行のＰＣＴ ＷＯ０５／６３３６１号公報、米国特許第６，１９０，４３２号公報及び欧州特許第１１５９０５２号に記載されるような構造の改善を提供するために開発された。本書で説明される改善は、他の用途にも同様に適用可能である。

＜Ｉ．概説＞
本開示は、エアクリーナアッセンブリにおいて使用可能なフィルタエレメントに関する。一般に、当該分野において好適なフィルタエレメントは、（ａ）媒体構成要素が、片面材を形成する、第２の媒体シート（典型的には平坦な媒体又はほぼ平坦な媒体）に装着された第１の溝付き（典型的には折り畳まれた又は波形の）媒体シートを備え、（ｂ）片面材の組が巻き付けられ或いは積層されることで媒体構造を生成し、この媒体構造は、媒体構造の吸気端部又は吸気面において開放し、媒体の排気及び又は面で又は近傍（典型的には吸気溝の全長の１０％以内）で閉鎖された複数の吸気溝と、媒体の吸気及び／又は面又はその近傍（すなわち、典型的には吸気及び／又は面の排気溝の全長の１０％以内）で密封閉鎖され、媒体の排気端部又は排気面で開放した複数の排気流れ溝と、を備える。典型的には、媒体パックは、また、媒体パックの媒体を通過せずに濾過されなかった空気の流れが吸気面から入って排気面から流出しないように閉鎖される。

そのような媒体構造は周知であり、例えば、２００５年８月４日発行の米国第２００５／０１６０５６１ Ａ１号公報、２００５年７月１４日発行のＰＣＴ ＷＯ０５／６３３６１号公報、米国特許第６，１９０，４３２号、及び、欧州特許第１１５９０５２号に記載されている。これら４つの米国特許の全開示内容は、本書に組み込まれる。本書においては、そのような媒体をｚフィルタ媒体と、そのような媒体から形成された媒体パックをｚフィルタ媒体パックと呼ぶ場合がある。

本開示に従った原理によって、そのような媒体の多くの変形を使用できる。例えば、溝の端部シール（溝シール）は様々な方式で設けることができ、シーラントビードの利用、端部において溝の形状を歪ませ、及び、又は、溝の端部を閉じてシールするために、ダーツの形成、折り畳み、或いは他の構造の利用、もしくはこれらの組合せが挙げられる。全ての溝を同じ方法で密封閉鎖する必要はない。溝密封のためにどの特定の方法を採用するかは一般に好みの問題であり、保守可能フィルタエレメントとハウジング又はハウジング構成要素との間の使用中のシールの形成と関連して（特に指摘しない限り）本書で説明される一般原理には特に関連しない。

別の変形例は溝の特定の形状である。ＰＣＴ出願第ＷＯ９７／４０９１８号及びＰＣＴ ＷＯ０３／４７７２２号公報に従った先細形状の溝及び他の溝形状を開示される原理に従った構造と共に使用できる。まっすぐな（先細ではない）溝を使用できること及び多くの場合そのような溝が使用されることは言うまでもない。

媒体構造に関する別の選択肢は、媒体が「コイル状」構造として構成されるか又は「積層」構造として構成されるかである。本書で説明される原理は、概して、以下の説明から明らかになると思われる理由によって、「コイル状」構造と関連して適用される。しかし、原理のうちいくつかは、積層構造と関連して適用可能である。

本書中の用語「コイル状」及びそこから派生する用語は、ｚフィルタ媒体から形成された媒体パックを表すために使用される場合、媒体パックを形成するために平坦な又はほぼ平坦なシートに固定された波形媒体の帯体（その組合わせが片面材である）から製造された媒体の単一の組合わせ帯体又は片面材をコイル状に巻き付けることにより形成された媒体パックを表すものとする。そのようなコイル状媒体は、丸形又は円筒形、例えばレーストラック形の楕円形、正方形、又は角部を丸くした矩形を含む多様な形状で製造可能であり、更に円錐形又はそれに類似する構造でも構成できる。それらの形状のうち選択された形状の例は、米国特許第６３５０２９１号及び２００３年５月２日出願の米国仮出願第６０／４６７５２１号に記載される。これらの従来技術の全開示内容は本書に組み込まれる。

本書中の用語「積層構造」及びそこから派生する用語は、概して、コイル状に巻かれた媒体の単一の組合わせ帯体からではなく、複数の媒体帯体又は片面材（平坦な又はほぼ平坦な媒体に固定された波形媒体）から形成された媒体パックを表し、それらの帯体はスタック又はブロックの形に互いに固定される。積層構造は、例えば、本書に組み込まれる米国特許第５，８２０，６４６号公報の図３に示される。

一般に、説明するｚフィルタ媒体パック構造は、保守可能なフィルタエレメント、すなわち、媒体パックが使用されるエアクリーナに関して取外し自在及び交換自在であるフィルタエレメントにおいて使用される。一般に、そのようなｚフィルタ媒体パックには、ハウジングなどのエアクリーナの構成要素の一部と使用中に係合する密封構造が設けられる。本書では、そのようなシールを「エアクリーナシール」又は「ハウジングシール」と呼ぶか、あるいはそこから派生する用語で呼ぶ。多様なそのようなエアクリーナシールが周知である。外側半径方向シール又は外向き半径方向シールを含む１つの種類は、米国特許第６，３５０，２９１号公報の図５、図中符号２５０により示される。

ｚパック媒体と共に使用可能な他の種類のシールは、例えば、本書に組み込まれる米国特許第６，３４８，０８５号、米国特許第６，３６８，３７４号及び米国第２００２／０１８５００７ Ａ１号公報に記載されるような軸方向ピンチシール、並びに、例えば、２００３年３月２５日出願の米国仮出願第６０／４５７，２５５号公報の図１２に示されるような内向き半径方向シールである。これらの従来技術の全開示内容は本書に組み込まれる。

＜ＩＩ．米国第２００５／０１６６５６１ Ａ１号公報（２００５年８月４日発行）及びＰＣＴ ＷＯ０５／６３３６１号公報（２００５年７月１４日発行）の構造＞
本書で説明される技術は、それぞれ本書に組み込まれる米国第２００５／０１６６５６１号及びＰＣＴ ＷＯ０５／６３３６１号において説明されている原理と関連して適用可能である。従って、本出願の改良による改良技術を説明する前に、米国第２００５／０１６６５６１号及びＰＣＴ ＷＯ０５／６３３６１号の一般原理を説明する。
＜Ａ．エレメントの例、図１〜図６＞

図１の図中符号１は、米国第２００５／０１６６５６１号及びＰＣＴ ＷＯ０５／６３３６１号の開示に係る保守可能フィルタエレメント（エアフィルタカートリッジ）を全体として示す。示されるフィルタエレメント１は、エアクリーナシール構造（ハウジングシール構造）３が上部に配置されたｚフィルタ媒体パック２を具備する。

説明を繰返すと、本書において、「エアクリーナシール構造」及び「ハウジングシール構造」という用語並びにそこから派生する用語は、概して、フィルタエレメント１がエアクリーナに設置されて使用される場合、シール構造３がエアクリーナの適切な構成要素又は部分に、典型的にはエアクリーナハウジングとの間に空気シールを形成するように、保守可能フィルタエレメント又はカートリッジ１の上に設けられるシール構造３を表す。本書中、「保守可能な要素」という用語は、エアクリーナの他の部分に関して取外し及び交換が可能であるフィルタエレメント１を表す。

図示される特定のエアクリーナシール構造３は、外側半径方向シール部材を具備する。本書中、用語「外側半径方向シール部材」は、使用中にエアクリーナ構成要素と共にシールを形成する面６が、その部材が装着されている保守可能フィルタエレメント１の部分に関して半径方向内側ではなく半径方向外側に向いていることを意味する。

一般に、動作中にｚフィルタ媒体パック２を通過する空気の流れは、吸気矢印９及び排気矢印１０により示される。一般に、吸気流れ矢印と排気流れ矢印とが互いにほぼ平行になるように空気の流れが通過することがｚフィルタ媒体パックの特徴である。すなわち、空気流れ溝は互いにほぼ平行であり且つ吸気流れ及び排気流れの方向とも平行であるので、空気がエレメント１を通過する際に行う必要のある唯一の方向転換は、媒体パック２を通過する際の流れのわずかな方向転換である。尚、矢印９及び１０により示される方向とは逆の空気流れの方向も可能であるが、使用中は、図示される空気流れのこの特定の方向が好都合である。使用に際して、このように構成され且つ向きを定められた場合、媒体パック２は吸気端部又は吸気流れ面１５と、反対側の排気端部又は排気流れ面１６とを有する。

図示される例の場合、吸気流れ面１５及び排気流れ面１６はそれぞれほぼ平坦であり、互いにほぼ平行である。別の構造も可能であるが、本書で開示される原理は、この用途に特によく適合するように考慮されている。

図２は、フィルタエレメント構造１を示す平面図である。図２を参照すると、ｚフィルタ媒体２及びシール構造３は、この場合には、両側の２つの側部２２、２３により離間された両側の２つの同様に湾曲した端部２０、２１に対応する楕円形の外周形状を有する。従って、側部２２、２３がほぼ直線状であるため、この特定の楕円形の構成を一般に「レーストラック」形状と呼ぶ。レーストラック形のｚフィルタ媒体パック要素は、例えば、従来技術である米国特許第６，３５０，２９１号の図１０に示される。例えば、以下に説明されるような円形などの他の周囲形状を呈する媒体パックを有する要素に対して、本発明の原理の多くを適用できることは明らかなことである。楕円形の形状の別の変形例は、両側の側部が直線状ではなく、端部の湾曲ほどではないが幾分か湾曲しているような形状である。可能な別の形状は、２対のほぼまっすぐな両側部であって、それらの側部がわずかに湾曲していてもよいが、湾曲していなくてもよく、４つの大きく湾曲した角部を含む形状である。この種類の要素の一例は、全開示内容が本書に組み込まれる米国仮出願第６０／４５７，２５５号の図２２に示される。

先の段落で挙げられた種々の形状は、本書で述べられる原理が、図に示される形状のみならず多種多様なコイル形状に適用可能であることを示す。

図１を参照すると、フィルタエレメント１は、媒体２のシール構造３とは反対側の端部にオプションの端部部品又はスキッドスカート３０を含む。オプションの端部部品又はスキッドスカート３０は、設置を容易にするように、使用中にエレメント１とハウジング中の構造とを係合させるために使用できる。そのような端部部品の例は、２００３年１１月２０日発行のＰＣＴ ＷＯ０３／０９５０６８号公報の図４及び図８に示され且つ説明されている。ＰＣＴ ＷＯ０３／０９５０６８号公報の全開示内容は本書に組み込まれる。オプションの端部部品３０に関しては、図１７及び図１８の説明と関連して以下に更に説明する。

図２を参照すると、シール構造３は、硬質のプレフォーム構成要素又はインサート３５と、成型シール構成要素３６と、を具備する。「プレフォーム構成要素」という用語及びそこから派生する用語は、本書で使用される場合、シール構造３を形成するために成型シール構成要素３６の形成前に構成要素３５が形成されることを意味する。実際、フィルタエレメント１の通常の製造工程においては、以下に説明するように、媒体パック２が事前に形成され、構成要素３５が事前に形成され、それら２つの構成要素（２、３５）が成形型の中に共に配置されて成型シール構成要素３６を形成する。本書中において、図示される特定の成型シール構成要素３６は「オーバーモールド」又はそこから派生する用語で表される場合がある。

次に図３に注目する。図３は、図２の線３‐３に沿った断面図である。図３の断面は図１のエレメント１の短い方の寸法、すなわち、狭い方の寸法を横断する。しかし、断面を長軸、すなわち、図２の線Ｙ‐Ｙに沿って取った場合にも同様の特徴が見られる。

図３の媒体パック２はコイル状媒体パックである。一般に、媒体パック２は、１つの帯体又は片面材を形成するために平坦又はほぼ平坦なシートに固定された波形媒体シートを具備する。片面材自体は、図示される構成となるようにコイル状に巻かれる。従って、媒体パック２は、波形シート／平坦なシート又は非波形シートから成る単一の帯体、すなわち、片面材を図示されるようにコイル状に巻いて構成したものである。図２において、媒体パックは概略的に示されるが、外側の３つのコイルが示される。図１を参照すると、最も外側のコイルの外側末端部が図中符号３７で示される。図示される実施形態の場合、末端部３７は高温溶融シーラント帯体３８により密封され、所定の位置に固定されるが、その他の方法も可能である。

尚、図３を再度参照すると、中心ボード、中心間隙、中心部材又は中心シールは、概略的に示す媒体パック２には示されていない。この点に関して、媒体パック２は単純に概略的に示されている。例えば、本書に組み込まれる米国特許第６，３４８，０８４号において説明されるように、中心ボードを使用できる。例えば、２００３年５月２日出願の米国仮出願第６０／４６７，５２１号において説明されるように、櫛形中心帯体を使用できる。また、例えば、２００３年５月２日出願の米国特許出願第６０／４６７，５２１号公報において説明されるように、中心シールも使用できる。図３に関して、それらの構成及びその変形例の中からの特定の選択はない。

図３を参照すると、示されるプレフォーム構成要素３５は、概して、ハウジングシール支持部分４０、媒体係合周縁部又はスカート４１及び媒体面横材構造４３から成る３つの部分を含む。

次に図４に注目する。図４は、図３の一部の部分拡大図である。図４において、媒体パック２の外周部又は側部２ａの周囲まで延在するプレフォーム３５の部分は存在しないことが明らかである。これは本発明に係る構造には好適であるが、他の構造も可能である。図３に示される特定の構造の場合、媒体係合部分４１は、ｚフィルタ媒体パック２の流れ面１６と係合し且つ流れ面１６の外周縁部１６ａまで又はそれを越えて突出しない縁部４５を含む。示される特定のプレフォーム３５は、媒体パック２の中までわずかに突出する図６に示す狭い隆起部分４５ａを含む。シール構成要素３６の製造中に盛り上がるウレタンの流れを取込むのを助けるために、隆起部分４５ａは１ｍｍ未満であり、微細な先端部を形成するのが好ましく、流れ面１６全体に沿って延在することが望ましい。

尚、先に図３を参照して説明したように、示される特定のｚフィルタ媒体パック２はコイル状媒体構造を有する。図４においては、外側に３つのコイル４６ａ、４６ｂ及び４６ｃが形成される。図示されるように、面１６に隣接するコイル４６ａ、４６ｂ及び４６ｃの端部は、４７の場所で閉鎖された折りたたみ端部又はダーツ状端部を含む。そのような折りたたみ又はダーツは、例えば、本書に組み込まれる２００３年５月２日出願の米国仮出願第６０／４６７，５２１号に記載されている。

更に図４を参照すると、成型シール構成要素３６は、プレフォーム構成要素３５が媒体パック２の流れ面１６と係合する接合部４９に部分４８が重なり合い、接合部４９を密封する状態で位置決めされる。特に、成型シール構成要素３６は、接合部４９を越えて流れ面１６から離間する方向に（図３の反対側の流れ面１５に向かって）少なくとも５ｍｍ、好ましくは少なくとも８ｍｍ、典型的には約９ｍｍ以上１８ｍｍ以下の範囲内の距離だけ延在する部分５１を含む。

一般に、成型シール構成要素３６の部分４８及び５１は、この領域において望ましくない汚染空気の流れを抑止するために、この場所で媒体パック２とプレフォーム構成要素３５との間を密封すると共に、面１６に隣接する媒体パック２の周囲及び媒体パック２に接する場所を密封する。

図１、特に高温溶融シール帯体３８を参照すると、概して、帯体３８は連続しており、オーバーモールド部３６の領域５１の下方であって図４の面１６から少なくとも４ｍｍ離間した場所で終端する。概して、オーバーモールド部３６の下方に帯体３８の６〜１２ｍｍの延長部分が配置される。帯体３８が面１６から少なくとも４ｍｍの場所で終端することにより、少なくとも４ｍｍの距離にわたり、オーバーモールド部３６のシール材料は端面１６に隣接して媒体パック２に直接密封されることが保証される。これは、この場所におけるオーバーモールド部３６と媒体パック２との間の漏れを回避するのを助ける。

図４を参照すると、成型シール構成要素又はオーバーモールド部３６は、エアクリーナシール部分５４を更に含む。エアクリーナシール部分５４は、エアクリーナ構成要素との間を密封するように好適な態様で構成された半径方向外側面５６を含む。この特定の面５６は、全開示内容が本書に組み込まれる米国特許第６，３５０，２９１号の図７に図中符号２５０で示されるシール面部分の形状に類似する形状を有する段差面部分５６ａとして示される。

図３を再度参照すると、プレフォーム構成要素３５の部分４０はハウジングシール５６及び成型シール構造３６の段差部分５６ａを支持するように配置されることが明らかである。従って、プレフォーム構成要素３５は、エアクリーナに設置されるときにエアクリーナシール部分５４の厚さが圧縮された場合（概して、最も圧縮の強い部分で少なくとも１０％の厚さ減少）、シールの強度を堅固に補強する機能をある程度果たす。圧縮は部分４０に向かう面５６の圧縮である。概して、圧縮の深さは１．５〜２．８ｍｍの範囲内であり、シール５６の最も厚い部分５６ｂにおいては、概して、約１．９〜２．５ｍｍである。

面１６の全体において媒体パック２の外周部２ａと比較して面４０の高さが低くなることにより、例えば、本書に組み込まれる米国特許第６，３５０，２９１号の図１５の要素４５０のような要素を受入れるように元々構成されたエアクリーナにフィルタエレメント１を設置できる。別の構成も可能であることは言うまでもない。

媒体係合部分４１は、部分４０と縁部５７との間へ半径方向外側に延在するように構成される。媒体係合部分４１は領域４０から半径方向外側に向いたスカートとして構成される。この外側への延在は、図３の領域６０におけるｚフィルタ媒体パック２の排気溝の端部が、濾過動作中、そこから流出する空気の通過に対して閉鎖されないことを意味する。領域４１が斜め方向に裾広がりのスカートとして配置されるのではなく、部分４０が位置６１に向かって延在していたならば、領域６０の溝は、空気流れに対して、延在部分４１により閉塞されてしまう。これは制限を増加させ、媒体の使用効率を低下させることになる。概して、所望のスカートに対応するために、図６の角度Ｘは２０°〜７０°の範囲である。この角度Ｘは、スカート４１の内面と媒体の面１６とが成す角度である。

尚、図４を参照すると、示される特定の構造の場合、スカート４１の大きさ及び位置は、図中符号６６で示されるように、面１６に成型シール構成要素３６の一部を受入れるために露出された領域６４を残すように規定される（これは、媒体パック２の外側溝ラップ４６ａにある本来は開放されている排気溝の端部に対応する）。これは利点を提供できる。特に、これにより、以下に説明されるように、オーバーモールド部３６の一部は成型中媒体パック２の内部へ盛り上がっていくことができる。

尚、図４に示される好適なエレメント１の場合、部分４０の内面４０ａに沿って位置する成型シール構成要素３６の部分は存在しない。更に、縁部４５に直接隣接して幾分かの流出又ははみ出すおそれのある部分を除いて、概して、領域４１の内面４１ａに沿って規定される成型シール構成要素３６の部分は存在しない。引き戻すことができる場合、面１６に沿った望ましくないレベルのはみ出しが防止できる。

更に図４を参照すると、媒体面横材構造４３は、プレフォーム構成要素３５の領域４１と係合しつつ、媒体面１６全体に延在する。媒体面横材構造４３は、使用中に媒体パック２が図１の矢印１０の方向に伸縮するのを防止する。

多様な横材構成を使用できる。図２に示される特定の横材構造４３は、両側部２２、２３の間の平行延在部分４３ａと、それらを互いに結合する斜めフレーム構造４３ｂとから成る格子を具備する。

図５には、プレフォーム構成要素３５を示す斜視図が示される。例えば、射出成型又は他の成型工程によって、プレフォーム構成要素３５を単一の一体型ユニットとして形成できることが明らかである。プレフォーム構成要素は、概して、（例えば３３％）ガラス充填ナイロン材料などのポリマーから形成される。

再び図４を参照すると、成型オーバーモールド部又は成型シール構成要素３６は、プレフォーム構成要素３５の端部７１の一部と重なり合う部分７０を含む。これは、以下に説明されるように、好適な成型作業の結果得られるものである。

尚、図４を参照すると、対角材４３がスカート４１と係合する場所において、面１６に対するスカート４１の角度が若干遮断されてもよい。しかし、一般に、他の場所においては、概して、スカート４１は先に示したような好適な角度Ｘを有する。

米国第２００５／０１６６５６１号公報及びＰＣＴ ＷＯ０５／６３３６１号に記載される技術は、多様な要素構成及び要素サイズで適用される。以下に示す寸法は、本書で説明される技術が広範囲に適用可能であることを理解するのを助けるために、単なる例として挙げられるにすぎない。オーバーモールド部３６は、最も分厚い場所で、約１０〜１２ｍｍ、例えば約１１．５ｍｍの厚さであってもよい。レーストラック形媒体パックの最長断面寸法は約３００〜３２０ｍｍ、例えば約３０８ｍｍであってもよい。レーストラック形要素の最短断面寸法は約１１５〜１２５ｍｍ、例えば約１２１ｍｍであってもよい。まっすぐな側部の長さは約１７５〜１９５ｍｍ、例えば約１８８ｍｍであってもよい。

以上説明したような構造の形成を説明する前に、同一の原理を別の構成に適用した場合について図７〜図１０を参照して説明する。

＜Ｂ．図７〜図１０の構造＞
まず図７に注目する。図７は、フィルタエレメント又はカートリッジ１０１を示す側面図である。フィルタエレメント又はカートリッジ１０１はｚフィルタ媒体パック１０２及びシール構造１０３を具備する。エレメント１０１は、シール構造１０３が配置される端部１０２ａとは反対側の媒体パック１０２の端部１０２ｂにオプションの端部部品１０４を更に含む。

媒体パック１０２は、第１の流れ面１０５及びその反対側の第２の流れ面１０５ａを有するコイル状片面材から構成される。言うまでもなく、媒体パックは、例えば、上記の帯体３８に類似するシーラント帯体によって固定された外側末端部（図示せず）を有する。

一般に、図７を参照すると、シール構造１０３の面１０６は、使用中にハウジング又はエアクリーナ構成要素との間に外向き半径方向シールとしてハウジングシールを形成するように構成される（他の構成が可能であるのは言うまでもない）。面１０６は、断面において図４の面５６と同様に構成されてもよい。

次に図８に注目する。図８には、エレメント１０１が平面図で示される。図７を見ると、エレメント１０１は、シール構造１０３及び媒体パック１０２の双方の外周部により規定されたほぼ円形の外周部１０８を有することが明らかである。図８においては、流れ面１０５に沿って延在する格子構造１０９が示される。この場合、面１０５は排気流れ面であるのが好ましい。

次に図９に注目する。図９は、エレメント１０１を示す断面図である。図９から、シール構造１０３はプレフォーム構成要素１１０及びオーバーモールド部又は成型シール構成要素１１１を具備することが明らかである。プレフォーム構成要素１１０及び成型シール構成要素１１１は、外周部が円形に形成されていることを除いて、図１〜図５に示される実施形態のプレフォーム構成要素３５及び成型シール構成要素３６にほぼ類似していてもよい。

特に、エレメント１０１は芯１１３を含み、芯１１３の周囲に媒体パック１０２が巻き付けられる。芯１１３はプレフォーム構成要素１１０の部分１１４とスナップ嵌め係合する状態で設けられる。例えば、本書に組み込まれる米国特許第６，５１７，５９８号の図５に示される係合構造を含めて、多様な係合構造を使用できる。芯１１３は概略的に示される。概して、芯の内部にプラグが設けられる。プラグは芯１１３のその他の部分と一体であってもよく、あるいは芯に追加される。

図１０には、図９の一部の拡大部分図が示される。プレフォーム構成要素１１０はハウジングシール支持部１１６と、半径方向外向きのスカート１１８として構成された媒体パック係合部分１１７と、媒体面横材構造１０９（図８）とを含む。（図８の横材格子構造１０９を通るように断面が規定されているため、領域１１４において、内側外向きスカート１１８は充填されているように示される。） エレメント１０１に対して、これらの構成要素は図１のエレメント１の同様の構成要素とほぼ同一の基本動作を実行する。

＜Ｃ．図１〜図１０による要素（エアフィルタカートリッジ）の組立ての方法＞
一般に、図１のエレメント又はカートリッジ１及び図６のエレメント又はカートリッジ１０１に対応するエレメント（エアフィルタカートリッジ）は、以下のような工程によって形成される。

１．媒体パック構成要素（２、１０２）を事前成形する。
２．シール構造のプレフォーム構成要素（３５、１１０）を事前成形する。
３．成形型の内部でプレフォーム構成要素（３５、１１０）及び媒体パック構成要素（２、１０２）を互いに適切に位置決めする。
４．構造の適切な成型シール構成要素を形成するために、シール材料を成型（実施例においてはオーバーモールドにより）する。
５．型から取出す。
６．シールとは反対側の要素の端部に任意にスキッド（３０、１０４）を配置する。

本書で使用される場合の用語「オーバーモールド」及びそこから派生する用語は、
（ａ）成型シール構成要素３６の一部分がシール構造のプレフォーム構成要素（３５、１１０）と媒体パック（２、１０２）との間の接合部の外側の上に重なり合い、
（ｂ）エアクリーナシールを形成するために、同一のシール構成要素３６、１１１の一部分（すなわち、好ましくはオーバーモールド部のその他の部分と一体である部分）が位置決めされる状態で、成型シール構成要素３６、１１１を所定の位置に成型すること、
を表す。成型シール構成要素の形成のために、通常の好適な工程は、以下で説明されるように発泡ポリウレタンを使用する。本書中において、定義されるようにオーバーモールドにより製造された成型シール構成要素３６はオーバーモールド部と呼ばれる場合もある。オーバーモールドシールの各部分は互いに一体であるのが好ましく、オーバーモールド部３６、１１１は単一のポリマーのプールから成型されるのが好ましい。

概して、シール表面の領域において、成型シール構成要素の厚さは、使用するために要素（１、１０１）がエアクリーナに設置された場合、この領域における成型シール構成要素の最も分厚い部分の厚さの圧縮が少なくとも１０％であり、通常は少なくとも１５％であるように規定される。これは、以下に説明されるような材料を使用して、示されるような構成によって実現可能である。

図１１〜図１６を参照して、典型的な方法を説明する。

まず、図１１に注目する。図１１において、図中符号１８０は、図１〜図１０のオーバーモールドシール構造を形成するために使用可能な成形型構造を示す。成形型構造１８０は部分断面図で示される。示される各部分は、オーバーモールドシール構造が形成される方法を理解させるためのものである。成形型のその他の部分は、特定の用途に応じて、丸形又は楕円形などに形成される。

図１１を参照すると、図示される特定の成形型構造１８０は分割成形型１８１である。すなわち、成形型１８０は、オーバーモールド工程が実行される成形型を形成するために、互いに嵌り合う２つ以上の部材を含む。図示される特定の分割成形型１８０は、成形型を形成するために一体に嵌り合う３つの構成要素１８３、１８４及び１８５を具備する。３つの構成要素１８３、１８４、１８５を貫通する開口部１８９は、図１１に示されるように適切に整列された場合、成形型を一体に固定するためのピン又はそれに類似する部材を受入れるために使用できる。

一般に、構成要素１８３は、成型工程のために未硬化樹脂が導入される内側液だめ部分１９２と、使用中にプレフォーム構成要素が当接される内壁１９３と、成型工程中にプレフォーム構成要素の縁部を支えるシェルフ１９４と、説明されるような他の成形型構成要素を支持する中央壁１９５及びシェルフ１９６と、アッセンブリ１８０の外側支持構造を形成する外壁１９７とを含む基本成形型構造を形成する。

第２の構成要素１８４は、使用中にシール構造の成型構成要素の外面の一部分を形成する面２０１を含む延在部分２００を有する成形型インサートを具備する。この場合、面２０１は、以下に図１５に関連して説明するように、中央壁１９５と組合わされて完成後のシール部分の密封面の特定の一部分を成型する成形型アンダーカット２０３を規定する部分２０２を含む。構成要素１８４は、肩部分１９６で支えられる上部延在部分２０５を更に含む。

最後に、構成要素１８５は内壁２１５及び上部フランジ２１８を含む。フランジ２１８は中央の構成要素１８４の部分２０５を越えて延在する。内壁２１５は、以下に図１５に関連して説明するように、成型工程中にシール部材の選択された部分を規定する面２１６を含む。部分２１７は、後述するように、成型作業中に成形型を被覆し且つ媒体と係合する。

次に図１２に注目する。図１２には、液だめ１９２の中に充填線２２６まで硬化性材料２２５が導入された状態のアッセンブリ１８０が示される。一般に、材料２２５は、硬化工程の間に発泡し、成型可能シール構成要素を形成するために硬化物として盛り上がる樹脂から成る。概して、成型中及び使用中、材料２２５の体積は少なくとも８０％膨張し、好ましくは材料の体積は約１００％増加する。

図１３には、樹脂２２５が導入され、その内部にプレフォーム構成要素２３０が挿入された状態の成形型アッセンブリ１８０が示される。プレフォーム構成要素２３０は、例えば、図１のプレフォーム構成要素３５に相当する。プレフォーム構成要素２３０は図７のプレフォーム構成要素１１０に相当してもよい。しかし、図７の構造と組合わせて使用される場合、場合によっては、プレフォーム構成要素は既に媒体パックに装着されている。

次に図１４に注目する。図１４には、プレフォーム構成要素２３０及び媒体パック２３１が適切に位置決めされた状態の成形型構造１８０が示される。尚、媒体パック２３１の外面２３２の大きさは、成形型構成要素１８５の部分２１７と係合するように規定される。

次に図１５に注目する。図１５においては、図中符号２３５で示される材料は、発泡し、盛り上がり、ほぼ硬化した樹脂、すなわち、オーバーモールド部（図１のオーバーモールド部３６又は図７のオーバーモールド部１０３に対応する）を示す。「ほぼ硬化した」という用語は、その後に硬化する間にほぼ維持される形状に到達するまで樹脂が十分に硬化したことを意味する。図１５から、成型作業に関連する以下の重要な特徴のうちいくつかを理解できる。

１．領域２４０において、成型シール部材２３５（その上の番号）の最も外側へ突出する部分が形成される。その後、部分２４０は外向き半径方向シール部材の最も外側の部分、すなわち、エアクリーナシールとしての使用中に最も圧縮する部分を形成する。
２．面２４１は、領域２４０の一部分を形成するために使用される成形型アンダーカットの一部である。
３．領域２４５において、媒体パック２３１の外面２３２の周囲に盛り上がった材料２３５は、成形型部材１８５、特に成形型部材１８５の領域２１６により制限されるか又は妨げられる。

場所２４７において、オーバーモールド部２３５の樹脂の一部は、媒体パック２３１の最も外側の層２４８とその下方の層との間の媒体パックの中まで盛り上がっている。この盛り上がりは、この場所で開いている溝を閉塞しようとする。一般に、これは媒体パックの最も外側の層（例えば、図４の層４６ａ）になり、従って、媒体パックをフィルタ材料として使用できる間、空気は媒体パックから流出する前に次に内側の層に流入しなければならない。これは、媒体パックの最も外側のラップが取扱い中又は設置中に損傷した場合でも、その結果、漏れは起こらないことを意味するか又は保証する。従って、このようにして製造される典型的な構造においては、媒体パックに両端部で閉鎖された第３の組の溝が存在する。この第３の組の溝は最も外側のラップにのみ存在するのが好ましい。それらの溝は排気溝であるとも考えられ、場合によってはその用語により呼ばれる。

図１１〜図１６に示される方法の場合、媒体パックは、縁部が見えるようにするために、ダーツ状に閉鎖された排気流れ面に隣接して吸気溝で閉鎖された端部を有する媒体パックである。全くダーツが形成されない構造を含めて、他の構成も可能であることは言うまでもない。図示されるように、図中符号２４７で示される領域において、オーバーモールド材料は媒体の排気面で排気溝の開いた端部の中まで盛り上がっている。

領域２４９、２５０に沿って、樹脂材料２３６はプレフォーム２３０の外面を完全に覆い、プレフォームを所定の場所に固定する。領域２５５においては、材料２３５はプレフォーム２３０の端部２５６の一部を越えるように位置している。

図１５に示される特定の構造において、オーバーモールド部２３５は図１４の樹脂２２５から成型された単一の一体の部材である。

動力供給工程においてエレメントを成形型１８０から押出すことにより、型外しを実現できる。押出しを実行するための機器は、プレフォーム２３０の横材と係合できる。一般に、オーバーモールド部２３５は成形型のアンダーカットを越えて押出されるように十分に圧縮する。概して、本書で説明される材料及び構成が使用される場合、１１０ｌｂｓ以下、通常は約１００ｌｂｓの力によって型外しを実現できることが予測される。（型外し力は、概して、プレフォーム３５、１１０の格子構造に直接加えられる。）
エレメントの反対側の端部にあるオプションのプレフォームスキッドスカートは成型前に適用されてもよいし、成型後に適用されてもよい。一般に、媒体内部で中心プラグが使用される場合、プラグは説明された成型工程の前に事前成型される。しかし、場合によっては、オーバーモールド部と同時に中心プラグを成型できる。その場合には、成型を実現するようにウレタンを適切に配分するために、成形型の一部又は他の任意の構成が設けられることが保証されなければならない。

尚、前述のように、場合によっては、スナップ嵌め構造によりプレフォーム２３０を媒体パック２３１に装着できるであろう。

図１６には、成型時に媒体パック２３１及びプレフォーム２３０が内部に位置決めされた状態の成形型１８０が示される。この場合、媒体パック２３１はオプションのスキッドスカートが装着されない状態で示される。

＜Ｄ．オプションのスキッドスカート＞
図１に関する先の説明の中で、スキッドスカート３０はオプションの構成要素であることを示した。この構成要素は図１７及び図１８に示される。

まず、図１７の平面図を参照すると、スキッドスカート３０が示される。図１８には、スキッドスカート３０は断面図で示される。図１８を参照すると、設置中に必要に応じてハウジングの構成要素と係合するように構成された外面３０ｂと共に、媒体パックを受入れる領域３０ａが示される。希望に応じて円形の構造に適用するため、類似しているが円形である構成要素を適用できることは図１７及び図１８に示される原理から理解できる。スキッドスカート３０は、概して、接着剤によって所定の位置に固定されたガラス充填（例えば３３％のガラスが充填される）ナイロンから形成される。

＜Ｅ．硬化性シール樹脂＞
概して、このような構造の場合、選択されるポリウレタン組成は、著しく発泡し且つ非常に柔軟である成型エンドキャップを形成する。一般に、主な問題点は、手作業で組立て及び解体を実行できる条件の下で頑丈なシールが形成されるようなエンドキャップを提供する組成を利用することである。これは、一般に、材料を有するシール範囲が相対的に低密度であり、適切且つ望ましい圧縮負荷撓み及び圧縮永久歪みを示すことを意味する。

概して、選択される組成は、２８ｌｂｓ／立方フィート以下、通常は２２ｌｂｓ／立方フィート以下、多くの場合に１８ｌｂｓ／立方フィート以下、好ましくは１２〜１７ｌｂｓ／立方フィートの範囲内の成型時密度を有するエンドキャップを提供するようなものである。

本書で使用される用語「成型時密度」は、重量を体積で除算した値という密度の通常の定義を表すものとする。成型発泡材の試料の体積を判定するために、排水量試験又はそれに類似する試験を利用できる。体積試験を適用する場合、多孔質材料の孔の中への水の吸収を追跡し、それらの孔が表す空気を排除する必要はない。従って、試料の体積を判定するために使用される排水量体積試験は、材料の孔の内部の空気が排除されるのを長時間待つことなく、即時排水量を試験するものになる。言い換えれば、試料の外周により表される体積のみを成型時密度計算のために使用すればよい。

一般に、圧縮負荷撓みは、圧縮に対する剛性、すなわち耐性を示す物理的特性である。一般に、圧縮負荷撓みは、所定の試料をその厚さの２５％撓ませるために必要とされる圧力の量によって測定される。圧縮負荷撓み試験は、本書に組み込まれるＡＳＴＭ３５７４に従って実施できる。一般に、圧縮負荷撓みは時効試料と関連して評価されてもよい。典型的な技術は、７５°Ｆで７２時間十分に硬化されるか又は１９０°Ｆで５時間強制的に硬化された試料について圧縮負荷撓みを測定する。

好適な材料は、成型された場合に、ＡＳＴＭに従って、７日間にわたり１５８°Ｆで加熱させた後に測定された試料について、平均で１４ｐｓｉ以下、通常は６〜１４ｐｓｉの範囲内、好ましくは７〜１０ｐｓｉの範囲内の圧縮負荷撓みを示す材料である。

圧縮永久歪みは、（定義された条件の下で定義された種類の圧縮にさらされた）材料の試料が、圧縮力が除去された場合に以前の厚さ又は高さにどの程度まで戻るかの評価である。ウレタン材料について圧縮永久歪みを評価するための条件もＡＳＴＭ３５７４に規定されている。

典型的な望ましい材料は、高さの５０％まで圧縮され且つ１８０°Ｆの温度で２２時間にわたりその圧縮状態に保持された試料について測定された場合に約１８％以下、通常は約８〜１３％の圧縮永久歪みを有する材料を硬化時に提供する材料である。

一般に、圧縮負荷撓み及び圧縮永久歪みの特性は、エンドキャップを形成するために使用される樹脂と同一の樹脂から製造された試料プラグ又はエンドキャップから切取られた試料について測定できる。概して、工業処理方法は、成型エンドキャップから切取られた部分について直接試験を実施するのではなく、樹脂材料から製造された試験試料プラグを定期的に製造することを含む。

以上定義されたような成型時密度、圧縮永久歪み及び圧縮負荷撓みの範囲内の物理的特性を有する材料を提供するために使用可能なウレタン樹脂系は、４８１９２ミシガン州ワイアンドットのBASF Corp.などの製造業者を含む多様なポリウレタン樹脂製造業者から容易に入手できる。

一般に、材料に関して適切な物理的特性を選択するためにどの所定の工業プロセスを使用する場合であっても、重要な問題は、要素の装着及び取外しに関して、並びに多様な条件に対するシールの保守に関して所望の特性及び最終製品を管理することである。先に規定した物理的特性は使用可能であるが、実現可能であると考えられる製品に関して特に限定するものではない。更に、状況に応じて、種々の要素メーカーは、例えば、通常は−４０°Ｆまで冷却された試料について測定される低温圧縮撓みなどの更に別の仕様を希望する場合もあり、それらの仕様は、ＡＳＴＭ試験の下で圧縮を例えば最大１００ｐｓｉにさせるために要求される圧力に関するものである。

使用可能な材料の一例は、１４〜２２ポンド／立方フィートの「成型時」密度を有する最終製品に処理された下記のポリウレタンを含む。ポリウレタンは、４８１９２ミシガン州ワイアンドットのBASF Corporationにより譲受人Donaldsonに独占的に販売されているI36070R樹脂及びI305OUイソシアネートによって製造された材料から成る。

材料は、概して、I36070R樹脂１００（重量）部に対しI3050Uイソシアネート４５．５（重量）部の混合比で混合される。樹脂の比重は１．０４（８．７ｌｂｓ／ガロン）であり、イソシアネートの比重は１．２０（１０ｌｂｓ／ガロン）である。概して、材料は高動的せん断力ミキサによって混合される。成分温度は７０〜９５°Ｆでなければならない。成型温度は１１５〜１３５°Ｆでなければならない。

樹脂材料I36070Rは次のような仕様を有する：
（ａ）平均分子量
１）基剤ポリエーテルポリオール＝５００〜１５，０００
２）ジオール＝０〜１０，０００
３）トリオール＝５００〜１５，０００
（ｂ）平均官能性
１）系全体＝１．５〜３．２
（ｃ）ヒドロキシル数
１）系全体＝１００〜３００
（ｄ）触媒
１）アミン＝空気生成物０．１〜３．０ＰＰＨ
（ｅ）界面活性剤
１）系全体＝０．１〜２．０ＰＰＨ
（ｆ）水
１）系全体＝０．２〜０．５％
（ｇ）顔料／染料
１）系全体＝１〜５％カーボンブラック
（ｈ）発泡剤
１）水
I3050Uイソシアネートの性状は次の通りである：
（ａ）ＮＣＯ含有量‐２２．４〜２３．４ｗｔ％
（ｂ）粘度、２５℃におけるｃｐｓ＝６００〜８００
（ｃ）密度＝２５℃で１．２１ｇ／ｃｍ３
（ｄ）初期沸騰点‐５ｍｍＨｇで１９０℃
（ｅ）蒸気圧力＝２５℃で０．０００２Ｈｇ
（ｆ）外観‐無色液体
（ｇ）フラッシュ温度（デンスキー‐マーチンズ密閉カップ）＝２００℃

＜Ｆ．ｚフィルタ媒体の概要＞
以上、説明された構造において、例えば、ｚフィルタ媒体パックから成る媒体パック２、１０２として使用可能な媒体パックの概要を説明した。そのような媒体パックにおいて、上述の構成に代わる多様な溝形状及びシールの種類を使用できることが示された。

＜１．ｚフィルタ媒体の構成の概要＞
流体フィルタ構成を多様な態様で提供するために溝付きフィルタ媒体を使用できる。周知の態様の１つはｚフィルタ構成である。本書で使用される場合の用語「ｚフィルタ構成」は、波形、折りたたみ形状又はその他の形状で形成された個々のフィルタ溝が媒体を通る流体の流れに対して長手方向の、典型的には、互いに平行な複数組の吸気フィルタ溝及び排気フィルタ溝を規定するために使用されるようなフィルタ構成を表す。この場合、流体は、媒体の両側の吸気流れ端部（又は流れ面）と排気流れ端部（又は流れ面）との間で溝の長さに沿って流れる。ｚフィルタ媒体のいくつかの例は、それぞれが本書に組み込まれる米国の、特許第５，８２０，６４６号、特許第５，７７２，８８３号、特許第５，９０２，３６４号、特許第５，７９２，２４７号、特許第５，８９５，５７４号、特許第６，２１０，４６９号、特許第６，１９０，４３２号、特許第６，３５０，２９６号、特許第６，１７９，８９０号、及び特許第６，２３５，１９５号、並びに意匠特許第３９９，９４４号、意匠特許第４２８，１２８、意匠特許第３９６，０９８号、意匠特許第３９８，０４６号、及び意匠特許第４３７，４０１号に記載されている。

１つの種類のｚフィルタ媒体は、媒体構成を形成するために互いに接合された２つの特定の媒体構成要素を利用する。それら２つの構成要素は（１）溝付き（通常は波形）媒体シートと、（２）表面媒体シートである。表面媒体シートは通常は波形ではないが、例えば、本書に組み込まれる２００４年２月１１日出願の米国仮出願第６０／５４３，８０４号に記載されるように溝の方向に対して垂直に波形が形成されてもよい。

溝付き（通常は波形）媒体シート及び表面媒体シートは、平行な吸気溝及び排気溝を有する媒体を規定するために共に使用される。場合によっては、溝付きシートと表面シートとは互いに固定され、その後、ｚフィルタ媒体構成を形成するためにコイル状に巻かれる。そのような構造は、例えば、それぞれ本書に組み込まれる米国特許第６，２３５，１９５号及び第６，１７９，８９０号に記載される。いくつかの他の構造においては、表面媒体に固定された溝付き媒体のうちいくつかのコイル状ではない部分が互いに積層られててフィルタ構成を形成する。この構造の一例は、本書に組み込まれる米国特許第５，８２０，６４６号の図１１に示される。

本書で説明される特定の用途の場合、コイル状構造が好ましい。概して、コイル状媒体パックを製造するために溝付きシート／表面シートの組合せをコイル状に巻き付けていく作業は、表面シートを外側に向けて実行される。そのような巻き付け技術は、それぞれ本書に組み込まれる２００３年５月２日出願の米国仮出願第６０／４６７，５２１号及び２００４年３月１７日出願のＰＣＴ出願第ＵＳ０４／０７９２７号において説明される。製造後のコイル状構造は、一般に、媒体パックの外面として表面シートの一部を有する。

本書で媒体の構造を表すために使用される用語「波形」は、媒体を２つの波形付けローラに通すことにより、すなわち、製造後の媒体に波形効果を与えるのに適する表面特徴をそれぞれが有する２つのローラの間のニップ又はかみ合わせ部分に媒体を通すことにより得られる溝構造を表す。用語「波形」は、波形付けローラのかみ合わせ部分に媒体を通すことを含まない技術により形成される溝を意味しない。しかし、「波形」という用語は、例えば、本書に組み込まれる２００４年１月２２日発行のＰＣＴ ＷＯ０４／００７０５４号公報に記載される折りたたみ技術により、波形付けの後に媒体が更に改造又は変形された場合にも適用されるものとする。

波形媒体は溝付き媒体の特定の形態である。溝付き媒体は、媒体に沿って延在する個別の溝（例えば、波形付け又は折りたたみなどの技術により形成される）を有する媒体である。

ｚフィルタ媒体を利用する保守可能フィルタエレメント又はフィルタカートリッジ構成は、「直線流構成」又はそこから派生する名称で呼ばれる場合がある。一般に、本書中において、この名称が意味するのは、保守可能フィルタエレメントが、概して、吸気流れ端部（又は流れ面）及びその反対側の排気流れ端部（又は流れ面）を有し、流れがほぼ同一の直線方向でフィルタカートリッジに入り、フィルタカートリッジから出ることである。本書で使用される場合の用語「保守可能」は、媒体が対応する流体清浄器から定期的に取外され及び交換されるフィルタカートリッジを含むことを表す。場合によっては、吸気流れ端部及び排気流れ端部の各々はほぼ平坦であり、それら２つは互いに平行である。しかし、その変形構成、例えば平坦ではない面も可能である。

直線流構成（特に、コイル状媒体パックのための直線流構成）は、例えば、本書に組み込まれる米国特許第６，０３９，７７８号に示される種類の円筒形プリーツ加工フィルタカートリッジのような保守可能フィルタカートリッジとは対照的である。米国特許第６，０３９，７７８号においては、一般に、流れは保守可能カートリッジを通過する間に方向転換する。すなわち、第６，０３９，７７８号のフィルタの場合、流れは円筒形の側面を通って円筒形フィルタカートリッジに入り、その後、方向転換して、端面（順流システムの場合）を通って流出する。典型的な逆流システムにおいては、流れは端面を通って保守可能円筒形カートリッジに入り、その後、方向転換して、円筒形フィルタカートリッジの側面を通って流出する。そのような逆流システムの一例は、本書に組み込まれる米国特許第５，６１３，９９２号に示される。

本書で使用される場合の用語「ｚフィルタ媒体構成」及びそこから派生する用語は、吸気溝及び排気溝の規定を可能にするために適切な密封を伴って表面媒体に固定された波形又は他の形状の溝付き媒体から成るウェブ、又は吸気溝及び排気溝の３次元網状組織となるようにコイル状に巻かれるか、又は他の形状に構成又は形成された媒体、及び／又はそのような媒体を含むフィルタ構成のうち任意の１つ又は全てを表すものとする。

図１９には、ｚフィルタ媒体において使用可能な媒体４０１の一例が示される。媒体４０１は波形（溝付き）媒体４０３及び表面シート４０４から形成される。

一般に、図１９の波形シート４０３は、溝又は波形から成る規則的な湾曲する波パターン４０７を有することを一般に特徴とする種類のシートである。本書で使用される場合の用語「波パターン」は、交互に配列された谷部４０７及び隆起部４０７ａから成る溝パターン又は波形パターンを表す。本書で使用される場合の用語「規則的な」は、複数対の谷部と隆起部（４０７ｂ、４０７ａ）がほぼ同一の繰返し波形（又は溝）形状及び大きさで交互に現れることを表すものとする。（また、概して、規則的な構成においては、各谷部４０７ｂは各隆起部４０７ａをほぼ反転させたものである。）従って、「規則的な」という用語は、波形（又は溝）パターンが、溝の長さの少なくとも７０％に沿って波形の大きさ及び形状に実質的な変化を示さずに、各対（隣接する谷部及び隆起部から成る）が繰返される谷部及び隆起部を含むことを示すものとする。本書で使用される場合の用語「実質的な」は、媒体シート４０３が可撓性であることからのわずかな変形とは対照的に、波形シート又は溝付きシートを製造するために使用される方法又は型の変更の結果として生じる変化を表すものとする。反復パターンの特徴に関して、任意のフィルタ構成において、必ずしも同数の隆起部と谷部が存在しなくてもよい。媒体４０１は、例えば、１つの隆起部及び１つの谷部を含む１対の間で終端してもよいし、あるいは１つの隆起部及び１つの谷部を含む１対に沿って部分的に終端してもよいであろう。（例えば、図１９に一部が示される媒体４０１は、８つの完全な隆起部４０７ａ及び７つの完全な谷部４０７ｂを有する。）また、両側の溝端部（谷部及び隆起部の端部）は互いに異なっていてもよい。そのような端部の相違は、特に指示のない限り、これらの定義においては無視される。すなわち、溝の端部の相違は上記の定義に含まれることが意図される。

波形の「湾曲」波パターンの特徴を述べる場合、「湾曲」という用語は、媒体に折りたたみ形状又は折目付け形状を与えた結果ではなく、各隆起部の頂点４０７ａ及び各谷部の底部４０７ｂが弧状カーブに沿って形成される結果であるような波形パターンを表すものとする。別の構成も可能であるが、そのようなｚフィルタ媒体の典型的な半径は少なくとも０．２５ｍｍであり、通常は３ｍｍを超えない。（上記の定義により、湾曲していない媒体も使用可能である。）
波形シート４０３に使用される図１９に示される特定の規則的な湾曲波パターンのもう１つの特徴は、溝４０７の長さの大半に沿って、各谷部とそれに隣接する各隆起部との間のほぼ中間点４３０が、湾曲が反転する移行領域にあることである。例えば、図１９の裏側又は裏面４０３ａを見ると、谷部４０７ｂは凹形領域であり、隆起部４０７ａは凸形領域である。言うまでもなく、前側又は前面４０３ｂに向かってみると、裏側４０３ａの谷部４０７ｂは隆起部を形成し、裏面４０３ａの隆起部４０７ａは谷部を形成する。（場合によっては、領域４３０は点ではなく、直線であってもよく、湾曲は直線区間４３０の端部で反転する。）
図１９に示される特定の規則的な湾曲波パターン波形シート４０３の１つの特徴は、個々の波形がほぼまっすぐなことである。本書で使用される場合の用語「まっすぐな」は、縁部４０８及び４０９の間の長さの少なくとも７０％（通常は少なくとも８０％）にわたり、隆起部４０７ａ及び谷部４０７ｂの断面が実質的に変化しないことを意味する。図１９に示される波形パターンに関する場合、「まっすぐな」という用語は、１つには、本書に組み込まれるＰＣＴ ＷＯ９７／４０９１８号の図１及び２００３年６月１２日発行のＰＣＴ ＷＯ０３／４７７２２号公報に記載される波形媒体の先細形状の溝から成るパターンとの区別を表す。例えば、第ＷＯ９７／４０９１８号公報の図１の先細形状の溝は湾曲波パターンであるが、本書で使用される用語による「規則的な」パターン又はまっすぐな溝のパターンではない。

この図１９を参照すると、先に述べた通り、媒体４０１は第１の縁部４０８及びその反対側の第２の縁部４０９を有する。媒体４０１がコイル状に巻かれ、媒体パックとして形成される場合、一般に、縁部４０９は媒体パックの吸気端部を形成し、縁部４０８は排気端部を形成するが、以下に図２４に関して説明するように逆の向きも可能である。

シート４０３、４０４は、縁部４０８に隣接して、例えば、波形（溝付き）シート４０３及び表面シート４０４を共に密封するシーラント、この場合にはシーラントビード４１０により互いに密封される。ビード４１０は、片面材又は媒体帯体４０１を形成するために波形シート４０３及び表面シート４０４の間にビードとして適用される場合、「片面材」ビードと呼ばれる場合がある。シーラントビード４１０は、溝４１１に空気を通すために、縁部４０８に隣接して閉鎖された個々の溝４１１を密封する。

縁部４０９に隣接して、この場合にはシールビード４１４の形態をとるシーラントが設けられる。シールビード４１４は、縁部４０９に隣接して、未濾過流体の流通に対して溝４１５をほぼ閉鎖する。ビード４１４は、概して、波形シート４０３を内側に向けて媒体４０１が巻き付けられるときに塗布される。従って、ビード４１４は表面シート４０４の裏面４１７と波形シート４０３の面４１８との間にシールを形成する。帯体４０１がコイル状媒体パックを形成するように巻き付けられる際にビード４１４が塗布される場合、ビード４１４は「巻き付けビード」と呼ばれる場合がある。媒体４０１がコイル状に巻かれるのではなく、複数の帯体に切断されて積層される場合には、ビード４１４は「積層」ビードになる。

用途によっては、線４０４ａで示されるように、波形シート４０３は溝長さに沿った様々な位置で表面シート４に更に仮止めされる。

図１９を参照すると、例えば、巻き付け又は積層により媒体４０１が媒体パックに組込まれた後、媒体は次のように動作できる。まず、矢印４１２の方向の空気が端部４０９に隣接して開いた溝４１１に流入する。ビード４１０により端部４０８が閉鎖されているため、空気は矢印４１３により示されるように媒体を通過する。その後、空気は、媒体パックの端部４０８に隣接する溝４１５の開いた端部４１５ａを通過することにより媒体パックから出ることができる。言うまでもなく、例えば、図２４に関して説明されるように、逆方向の空気流れによっても動作は実行可能である。重要な点は、典型的なエアフィルタに適用された場合、媒体パックの一端部又は一方の面に未濾過の空気流れが流入し、反対側の端部又は面から濾過後の空気流れが流出することであり、その間に未濾過の空気流れはパック又は面の間を通過しないことである。

図１９に示される特定の構造の場合、平行な波形７ａ、７ｂは、縁部７０８から縁部７０９に至るまで媒体の全幅に沿ってほぼまっすぐである。まっすぐな溝又は波形は選択された複数の場所、特に端部において変形されるか又は折りたたまれてもよい。上記の「規則的な」、「湾曲した」及び「波パターン」の定義においては、溝端部における閉鎖のための変形は通常無視される。

まっすぐで規則的な湾曲波パターン波形（溝）形状を利用しないｚフィルタ構成は周知である。例えば、Ｙａｍａｄａらの米国特許第５，５６２，８２５号においては、狭いＶ字形の（側面が湾曲している）排気溝に隣接するやや半円形（断面）の吸気溝を利用する波形パターンが示される（第５，５６２，８２５号の図１及び図３を参照）。Ｍａｔｓｕｍｏｔｏらの米国特許第５，０４９，３２６号においては、管半体を有する別のシートに装着された管半体を有する１枚のシートにより規定され、それにより形成された平行でまっすぐな溝の間に平坦な領域を含む円形（断面）又は管状の溝が示される（Ｍａｔｓｕｍｏｔｏの'３２６号特許の図２を参照）。Ｉｓｈｉｉらの米国特許第４，９２５，５６１号（図１）には、矩形の断面を有するように折りたたまれた溝が示され、それらの溝は長さに沿って先細の形状を有する。ＷＯ９７／４０９１８号（図１）においては、湾曲波パターン（隣接する湾曲した凸形谷部及び凹形谷部から成る）を有するが、長さに沿って先細の形状を有する（従って、まっすぐではない）溝又は平行波形が示される。また、ＷＯ９７／４０９１８号においては、湾曲波パターンを有するが、異なる大きさの隆起部及び谷部を有する溝が示される。

一般に、フィルタ媒体は相対的に可撓性の材料であり、概して、場合によっては添加材料によって処理された樹脂を内部に含むことが多い不織繊維材料（セルロース繊維又は合成繊維、あるいは双方の繊維から成る）である。従って、容認できないほどの損傷を媒体に与えることなく、材料を種々の波形パターンに適応又は構成できる。また、使用するために、同様に容認できないほどの損傷を媒体に与えずに、媒体を容易にコイル状に巻くか又は他の構成に形成することもできる。言うまでもなく、媒体材料は、使用中に要求される波形構成を維持するような性質でなければならない。

波形付け工程において、媒体に対して非弾性変形が引起こされる。これは、媒体が元の形状に戻るのを阻止する。しかし、張力が解放されると、溝又は波形は復元しようとし、発生した延伸及び湾曲のごく一部を回復する。波形シートにおけるこの復元を抑止するために、表面シートは溝付きシートに仮止めされる場合がある。

また、典型的には、媒体は樹脂を含む。波形付け工程の間、媒体を樹脂のガラス転移点を超える温度まで加熱できる。その後に樹脂を冷却すると、溝形状を維持するのに有用であろう。

例えば、本書に組み込まれる米国特許第６，６７３，１３６号に従って、波形シート４０３又は表面シート４０４、あるいはその双方から成る媒体の片面又は両面に微細な繊維材料を設けることができる。

ｚフィルタ構成に関して重要な問題は、個々の溝端部の閉鎖である。概して、この閉鎖を実現するためにシーラント又は接着剤が使用される。上記の説明から明らかであるように、典型的なｚフィルタ媒体、特に、先細形状の溝ではなくまっすぐな溝を使用するｚフィルタ媒体においては、上流側端部及び下流側端部の双方で広いシーラント表面積（及び体積）が必要とされる。形成される媒体構造を適正に動作させるためには、それらの場所で高品質のシールを形成することが重要である。大きなシーラント体積及び広いシーラント表面積は、この点に関して問題を生じる。

次に図２０に注目する。図２０には、規則的な湾曲波パターンの波形シート４４３及び表面（この場合には波形ではない）シート４４４を利用するｚフィルタ媒体構成４４０が示される。点４５０と点４５１との間の距離Ｄ１は、所定の波形溝４５３の下方の領域４５２における表面媒体４４４の延在距離を規定する。同じ距離Ｄ１に沿った波形溝４５３に関するアーチ形媒体の長さＤ２は、波形溝４５３の形状によって、当然のことながらＤ１より長い。溝付きフィルタの用途に使用される典型的な規則的形状の媒体の場合、点４５０と点４５１との間の媒体４５３に沿った長さＤ２は、一般に、Ｄ１の少なくとも１．２倍である。概して、Ｄ２はＤ１の１．２倍以上２．０倍以下の範囲内である。エアフィルタの特に好都合な構造の１つは、Ｄ２がＤ１の約１．２５〜１．３５倍である構成を有する。そのような媒体は、例えば、ドナルドソン パワーコア（商標） Z-filter構造において商用に使用されてきた。この場合、比Ｄ２／Ｄ１は波形（溝付き）媒体の溝／平坦比又は媒体ドローとして特徴付けられることもある。

ダンボール業界においては、種々の標準溝が定義されている。例えば、標準Ｅ溝、標準Ｘ溝、標準Ｂ溝、標準Ｃ溝及び標準Ａ溝などである。図２１は、以下の表Ａと関連して、それらの溝の定義を示す。

本発明の譲受人であるDonaldson Company, Inc.（DCI）は、多様なｚフィルタ構造において標準Ａ溝及び標準Ｂ溝の変形を使用してきた。それらの溝は表Ａ及び図２１にも定義されている。

言うまでもなく、ダンボール業界による他の標準溝定義も周知である。

一般に、ダンボール業界による標準溝構成は、波形媒体における波形形状又は波形に近似する形状を定義するために使用できる。上記のDCI Ａ溝とDCI Ｂ溝との比較、並びにダンボール業界の標準Ａ溝と標準Ｂ溝との比較はいくつかの好都合な変形を示す。本書で説明される構造と関連して、溝の多様な他の大きさ及び形状も使用できる。

＜２．溝付き媒体を使用するコイル状媒体構成の製造の概要＞
図２２には、図１９の帯体４０１に相当する媒体帯体を製造するための製造方法の一例が示される。一般に、表面シート４６４と複数の溝４６８を有する溝付き（波形）シート４６６とは、図中符号４７０においてそれらのシートの間に接着剤ビードが配置される状態で媒体ウェブ４６９を形成するために一体に接合される。接着剤ビード４７０は図１９の片面材ビード４１０を形成する。ウェブ中央に位置する中心ダーツ部分４７２を形成するために、ステーション４７１においてオプションのダーツ形成工程が実行される。ｚフィルタ媒体４７４の２つの断片４７６、４７７を作製するために、４７５の場所でビード４７０に沿ってｚフィルタ媒体又はＺ媒体帯体４７４を切断又は切り離しできる。各断片は、波形シートと表面シートとの間に延在するシーラントの帯体（片面材ビード）を含む縁部を有する。言うまでもなく、オプションのダーツ形成工程が使用される場合、シーラントの帯体（片面材ビード）を含む縁部は、その場所にダーツを取ることにより形成された１組の溝を更に有するであろう。

また、図１９のタックビード又は他のタック接続部４０４ａが使用される場合には、シート４６４、４６６が一体に接合される間にそれらを形成できる。

図２２に関して特徴付けられるような方法を実行するための技術は、本書に組み込まれる２００４年１月２２日発行のＰＣＴ ＷＯ０４／００７０５４号公報に記載される。

更に図２２に関連して説明すると、ｚフィルタ媒体４７４がダーツ形成ステーション４７１を通過し、場所４７５で最終的に切り離される前に、ｚフィルタ媒体は形成されていなければならない。図２２に示される概略図においては、これは媒体のシート４９２を１対の波形付けローラ４９４、４９５に通すことにより実行される。図２２に示される概略図においては、媒体のシート４９２は、テンションローラ４９８の周囲に巻き付けられたロール４９６から送り出され、その後、波形付けローラ４９４、４９５の間のニップ又はかみ合わせ部分５０２に通される。波形付けローラ４９４、４９５は、平坦なシート４９２がニップ５０２を通過した後にほぼ所望の波形の形状を与える複数の歯５０４を有する。ニップ５０２を通過した後、シート４９２は機械の方向に対して横方向に波形を付けられ、４６６で示すように波形シートと呼ばれる。その後、波形シート４６６は表面シート４６４に固定される。（波形付け方法は場合によっては媒体を加熱することを含んでもよい。）
更に図２２を参照すると、方法は、表面シート４６４がダーツ付け工程ステーション４７１へ送り出されることを更に示す。表面シート４６４はロール５０６に蓄えられ、その後、Ｚ媒体４７４を形成するために波形シート４６６に向けて搬送されるものとして示される。波形シート４６６及び表面シート４６４は接着剤又は他の手段（例えば音波溶接）により一体に固定される。

図２２を参照すると、波形シート４６６と表面シート４６４とを一体に固定するために使用される接着剤の線４７０がシーラントビードとして示される。あるいは、片面材ビードを形成するためのシーラントビードは４７０ａにより示されるように塗布されることも可能である。シーラントが４７０ａで塗布される場合、ビード４７０ａを受入れるために、波形付けローラ４９５に、可能であれば波形付けローラ４９４、４９５の双方に間隙を配置することが望ましい。

波形媒体に与えられる波形の種類は好みの問題であり、波形付けローラ４９４，４９５の波形又は波形付け歯によって決まる。好適な波形パターンの１つは、先に本書で定義したようなまっすぐな溝から成る規則的な湾曲波パターンの波形である。使用される典型的な規則的湾曲波パターンは、先に定義したような波形パターンにおける距離Ｄ２が先に定義したような距離Ｄ１の少なくとも１．２倍である波パターンである。１つの好適な用途においては、概して、Ｄ２＝１．２５〜１．３５×Ｄ１である。場合によっては、例えば、まっすぐな溝を使用しない湾曲波パターンを含む「規則的」ではない湾曲波パターンを伴う技術が適用されてもよい。

前述のように、図２２に示される方法は、中心ダーツ部分４７２を作製するために使用される。図２３は、ダーツ付け及び切り離しの後の溝４６８の１つを断面図で示す。

４つの折目５２１ａ、５２１ｂ、５２１ｃ、５２１ｄを含むダーツ溝５２０を形成するための折りたたみ構造５１８が示される。折りたたみ構造５１８は、表面シート４６４に固定された平坦な第１の層又は第１の部分５２２を含む。図示されるように、第２の層又は第２の部分５２４は第１の層又は第１の部分５２２に圧接される。第２の層又は第２の部分５２４は、第１の層又は第１の部分５２２の両側の外側端部５２６、５２７を折りたたむことにより形成されるのが好ましい。

更に図２３を参照すると、折目のうち２つ５２１ａ、５２１ｂは、本書中においては一般に「上部内向き」折目と呼ばれる。この場合に使用される用語「上部」は、折りたたみ部分５２０を図２３の向きに見た場合、折りたたみ部分５２０全体の上部に折目が位置することを示すものとする。「内向き」という用語は、各折目５２１ａ、５２１ｂの折りたたみ線又は折り線が他方の折目のほうに向いていることを表すものとする。

図２３において、折目５２１ｃ、５２１ｄは、本書では一般に「下部外向き」折目と呼ばれる。この場合に使用される用語「下部」は、図２３の向きに見た場合、折目５２１ｃ、５２１ｄが折目５２１ａ、５２１ｂのように上に位置していないことを表す。「外向き」という用語は、折目５２１ｃ、５２１ｄの折りたたみ線が互いに逆の方向を向いていることを示すものとする。

この場合に使用される用語「上部」及び「下部」は、特に、図２３の向きから見た場合の折りたたみ部分５２０に関連するものとする。すなわち、それらの用語は、使用中に折りたたみ部分５２０が実際の製品において向きを規定された場合の方向を示すものではない。

図２３の上記の特徴及び検討に基づいて、本開示における図２３に従う好適な規則的折りたたみ構造５１８は、少なくとも２つの「上部内向き折目」を含む折りたたみ構造であることが明らかである。それらの内向き折目は独自の構造であり、折りたたみ工程が隣接する溝に重大な侵入を引き起こさない全体構造を提供するのに有用である。

第２の層又は第２の部分５２４に圧接された第３の層又は第３の部分５２８も示される。第３の層又は第３の部分５２８は、第３の層５２８の両側の内側端部５３０、５３１を折りたたむことにより形成される。

折りたたみ構造５１８の別の見方は、波形シート５６６の交互に現れる隆起部と谷部の幾何学的配列を参照することである。第１の層又は第１の部分５２２は反転された隆起部から形成される。第２の層又は第２の部分５２４は、反転された隆起部に向かって、好適な構造においては反転された隆起部に接して折りたたまれた二重先端（隆起部を反転した後）に相当する。

図２３に関連して説明されたオプションのダーツを好適な方法により形成するための技術は、本書に組み込まれるＰＣＴ ＷＯ０４／００７０５４号公報に記載される。巻き付けビードを塗布しながら媒体をコイル状に巻くための技術は、本書に組み込まれる２００４年３月１７日出願のＰＣＴ出願第ＵＳ０４／０７９２７号に記載される。

本書中に記載される技術は、波形シート／表面シートの組合せを含む単一のシート、すなわち、「片面材」帯体をコイル状に巻くことにより形成される媒体パックと共に使用するのに特に良好に適する。それらの技術のうちいくつかは、コイル状に巻くことにより形成されるのではなく、複数の片面材の帯体から形成される構造と共に適用できる。

コイル状媒体パック構造は多様な周囲部定義を伴って提供できる。この場合に使用される用語「周囲部定義」及びそこから派生する用語は、媒体パックの吸気端部又は排気端部のいずれかで見た場合に定義される外側周囲形状を表す。典型的な形状は、ＰＣＴ ＷＯ０４／００７０５４号公報及びＰＣＴ出願第ＵＳ０４／０７９２７号に記載されるような円形である。使用可能な他の形状は長円形であり、長円形のいくつかの例は楕円形である。一般に、楕円形状は、１対の両側部により接続された両側の湾曲端部を有する。いくつかの楕円形状においては、両側部も湾曲している。場合によってはレーストラック形と呼ばれる他の楕円形状においては、両側部はほぼまっすぐである。レーストラック形状は、例えば、ＰＣＴ ＷＯ０４／００７０５４号公報及びＰＣＴ出願第ＵＳ０４／０７９２７号に記載される。

周囲部形状を記述する別の方法は、コイルの巻き付け軸に対して直交する方向に媒体パックの断面を取ることにより見られる周囲部を定義することである。

媒体パックの両側の流れ端部又は流れ面は、多様な異なる定義によって規定できる。多くの構造において、端部はほぼ平坦であり、互いに対して垂直である。他の構造においては、端部面は、媒体パックの側壁の軸方向端部から軸方向外側へ突出するか、又は媒体パックの側壁の端部から軸方向内側へ突出するかのいずれかとして定義できる先細でコイル状の段差部分を含む。そのような媒体パック構造の例は、本書に組み込まれる２００４年６月８日出願の米国仮許出願第６０／５７８，４８２号公報に示される。

溝シール（例えば、片面材ビード、巻き付けビード又は積層ビード）は多様な材料から形成できる。本書に組み込まれる文献のうち種々の文献には、種々の用途に対して高温溶融シール又はポリウレタンシールが可能であると記載されている。そのような材料は本書で特徴付けられる構造に対しても使用可能である。

媒体がコイル状に巻かれる場合、未濾過の空気が流れ面の間を流れる、すなわち、媒体パックを通過して流れるのを阻止するために、コイルのほぼ中央を閉鎖する必要がある。このためのいくつかの方法を以下で参照する。他の方法は２００４年６月８日出願の米国仮出願第６０／５７８，４８２号及び２００４年７月２６日出願の米国仮出願第６０／５９１，２８０号に記載される。

波形シート及び表面シートとして選択される媒体は同一であってもよいし、あるいは異なっていてもよい。セルロース繊維材料、合成繊維材料又はその混合媒体繊維材料を選択できる。媒体は、全開示内容が本書に組み込まれる２００４年１月６日発行の米国特許第６，６７３，１３６号に従って１つ以上の面に塗布された微細繊維層を具備することが可能である。そのような材料が各シートの片面でのみ使用される場合、概して、材料は吸気溝の上流側を形成する面に塗布される。

先に、流れは図１９に示される方向とは逆の方向であってもよいと説明した。その一例が図２４に示される。

図２４には、そのようなｚフィルタ媒体パックにおいて使用可能な媒体の概略図が示される。図２４の概略図は一般的であり、唯一の又は好適なシールの種類又は溝形状を示すものではない。

図２４を参照すると、図中符号３００は、一般に、平坦なシート３０２に固定された波形シート３０１から構成される片面材を示す。尚、平坦なシート３０２は完全に平坦である必要はなく、それ自体がごく小さな波形及び他の形状を有するシートであってもよい。

図示される特定の片面材３００は、通常は平坦なシート３０２を外側に向けて、芯なしでコイル状に巻かれるか、又は芯の周囲に巻き付けられた後に更にコイル状に巻かれてもよい。図示される構造の場合、縁部３１０は完成後の媒体パックにおいて吸気面を形成し、端部又は縁部３１１は排気流れ面を形成する。従って、矢印３１２は吸気矢印を表し、矢印３１３は排気流れ矢印を表す。シート３１５は、次の巻きのシート３０２に対応する平坦なシートを概略的に表すにすぎない。

縁部３１１に隣接して片面材シール構造３２０が設けられる。この場合、片面材シールド構造３２０は、波形シート３０１と平坦なシート３０２との間に、縁部３１０に沿ってか、又は溝の全長、すなわち、吸気縁部３１０と排気縁部３１１との間の距離の約１０％以内に配置されたシーラントのビード３２１を具備する。シール構造３２０には多様な材料及び構造を使用できる。シール構造は、シーラント又は他の手段によって密封された波形構造又は折りたたみ構造を具備できる。図示される特定のシール構造３２０は高温溶融シーラントのビードを具備できるが、それに代わる構造も可能である。図４及び図１０に示すように、シール３２０にダーツ又は折目が形成されてもよいであろう。

端部３１０に隣接して巻き付けシール３３０が示される。片面材３００がコイル状に巻かれているため、巻き付けシール３３０は、一般に、縁部３１１に隣接して層の間にシールを形成する。巻き付けシール３３０は、縁部３１０の溝の全長（すなわち、縁部３１１と縁部３１０との間の距離）の１０％以内に配置されるのが好ましい。

片面材の末端部（前端部及び後端部）を波形シートと平坦なシートとの間で密封しなければならない場合、それを実行するために、それらの場所にシーラントを塗布できる。

＜Ｇ．エアクリーナシステムに関する概要背景＞
米国第２００５／０１６６５６１号公報及びＰＣＴ ＷＯ０５／６３３６１号公報に記載される原理及び構造は、多様なシステムにおいて使用可能である。その１つの特定のシステムが図２５に全体を図中符号６５０により概略的に示される。図２５には、例えば、５０ｃｆｍ〜２，０００ｃｆｍ（立方フィート／分）（すなわち、１．４〜５７立方メートル／分）の範囲の何らかの定義済み要求空気流量定格を有するエンジン６５３を含む車両６５２ａなどの機器６５２が概略的に示される。これに代わる構造も可能であるが、機器６５２は、例えば、バス、ハイウェイトラック、オフロード車、トラクター、小型トラック又は中型トラック、あるいは大型モーターボートなどの船舶であってもよい。エンジン６５３は燃料燃焼時に機器６５２に動力を供給する。図２５には、領域６５５においてエンジン６５３の吸気口に取り込まれる空気流れが示される。エンジン６５３への空気の取り込みを任意に増進するオプションのターボ６５６が想像線により示される。ターボ６５６はエアクリーナ６６０の下流側にあるように示されるが、これに代わる構造も可能である。

エアクリーナ６６０はフィルタカートリッジ６６２を有し、エンジン６５３に対する空気吸気流れの中に示される。一般に、動作中、空気は矢印６６４の方向にエアクリーナ６６０の中に取り込まれ、フィルタカートリッジ６６２を通過する。エアクリーナ６００を通過する間に、選択された微粒子及び汚染物質は空気から除去される。その後、浄化された空気は矢印６６６の方向に下流側の吸気口６５５へ流れる。空気流れは吸気口からエンジン６５３の内部へ搬送される。

典型的なエアクリーナ６６０においては、フィルタカートリッジ６６２は保守可能な構成要素である。すなわち、カートリッジ６６２はエアクリーナ６６０内部において取外し自在及び交換自在である。これにより、保守が必要になるほどの塵芥又は他の汚染物質がカートリッジ６６２に付着してしまった場合に、エアクリーナ６６０のカートリッジ以外の部分に関して、取外し及び交換によりカートリッジ６６２を保守することができる。

＜ＩＩＩ．米国特許第６，１５０，４３２号及び欧州特許第１，１５９，０５２号に従ったフィルタカートリッジの一例、図２６〜図２７＞
米国特許第６，１５０，４３２号及び欧州特許第１，１５９，０５２号には、ｚフィルタカートリッジの初期の変形構成が記載されている。そのような一例が図２６に図中符号７００により示される。エアフィルタカートリッジ７００は、両端部７０２、７０３を有する媒体パック７０１を具備する。媒体パックは先に説明された媒体パック２にほぼ相応する。端部７０３には、プレフォーム７０５及び一体成型されたシール部材７０６を具備するシール構造７０４が配置される。プレフォーム７０５は横材構造７０８を含む。横材構造７０８はプレフォーム７０５の構造に半径方向強度を与えると共に、面７０３において媒体が伸縮するのを抑止する。

典型的な空気流れ方向は矢印７１０により示される。図２７においては、シール構造７０４の一部は断面で示される。シール構造のこの部分は支持体７２０及び一体成型されたシール部材７０６を含む。シール構造７０６は、段差の付いた半径方向シール領域７０６ｓを有する外面７０６ｏを含み、図中符号７０６ｂで示される最も肉厚の部分は、密封中に圧縮が最大になる領域を構成する。構造７２０は半径方向シール７０６を支える部分であり、図２６の媒体パックの端部７０３から半径方向外側へ媒体パック７０１から離間する方向に突出する。図２７を参照すると、外向きのスカート７２１は支持体７２０と、媒体パック７０１の外周部の周囲に嵌合するプレフォーム７０５の外側リム７２２（図２６）との間に延在する。媒体パック７０１はプレフォーム７０５に貼付又は他の接着方法により固定される。概して、シール７０６は、プレフォーム７０５（支持体７２０、フレーム７０８、スカート７２１及びリム７２２を具備する）が、例えば、接着剤によって媒体パック７１０に装着される前に、プレフォーム７０４、特に支持体７２０に予め成型される。

シール部材７０６は先に説明したシールと同様に動作するであろうが、シール部材のオーバーモールド部分の利点は提供されない。

図２６及び図２７と関連して説明された種類のシール構造は多様な形状のカートリッジに適用可能である。図２６及び図２７に示される例は、ほぼ円筒形の形状であり円形の断面を有する媒体パック７０１である。要望に応じて、例えば、レーストラック形構造などの楕円形状の構造に同一の種類のシールを設けることができる。このことは、本書に組み込まれる米国特許第６，１９０，４３２号及び欧州特許第１，１５９，０５２号に記載されている。

媒体パック７０１は上記の説明にほぼ従っており、上記の説明に従って製造できる。

＜ＩＶ．図１、図３、図４、図７、図９、図１０、図２６及び図２７に示され且つ説明されたハウジングシール構造の選択された変形例＞
図２８〜図３１には、図１、図３、図４、図７、図９、図１０、図２６及び図２７で説明されたハウジングシールを変形したハウジングシールの概要が示される。図１、図３、図４、図７、図９、図１０、図２６及び図２７のハウジングシールに共通する特徴は、シール領域が段付き領域であることであり、各々の場合においてシールの外側先端部と最も肉厚の部分との間に合計３つの段が示される。場合によっては、図１、図３、図４、図７、図９、図１０、図２６及び図２７に従うシール形状を有する要素を設置するために必要とされるほど強い力が望ましくないこともある。この力を減少するために、これらの図によるハウジングシール形状の変形例が提供される。説明される変形例は、例えば、円形の媒体パック及びシール外周部（周囲部）を有する形状、並びにレーストラック形などの楕円形の外周部（周囲部）を備えた媒体パック及びシールを有する形状を含めたシール及び媒体パックの多様な周囲形状に適用可能である。このことは以下の説明から理解されるであろう。

図２８〜図３１には、成型シール部材自体のみが示される。すなわち、使用中にシール部材が装着されるプレフォーム部材は省略され、シール部材のみが概略的に示される。尚、プレフォーム部材は先に図１〜図２７で説明されたプレフォーム部材に従ってもよく、あるいは図３２〜図４０に関連して以下に説明される改良に従ってもよいことを理解すべきである。

典型的な構造においては、図２８のシール部材８００は、シール部材が装着されるプレフォームとは別個に存在しない。概して、シール部材８００は、シール部材が使用されるプレフォームの所定の場所に成型される。

図２８のシール部材８００は、媒体パックに装着（接着）されるプレフォームに成型される図２７及び図２７に従ったシール部材の形態で提供されてもよいし、あるいはハウジングシール部材及び支持体をシール部材とは別個の接着剤によって媒体パックに装着するための部分を含むオーバーモールド部の一部として成型される図１、図３、図４、図７、図９及び図１０に従った構造であってもよい。図２８〜図３０には、ハウジングシール部材が図２７の支持体７２０の所定場所に成型される場合にとると考えられる形態を有する一例が示される。

図３１には、図１、図３、図４、図７、図９及び図１０のオーバーモールド部のようなオーバーモールド部の形態で成型されるシール部材の一部として同様のハウジングシールの形状が示される。図３１の構造においては、シール部材は、シール部材及びプレフォームを媒体パックに更に固定するオーバーモールド部の一体の部分であろう。

そこで図２８に注目する。図２８において、図中符号８００はハウジングシール部材を示す。シール部材８００は円形の周囲部形状を有するように図示されるが、例えば、レーストラック形のような楕円形などの別の周囲部形状でシール部材を形成することも可能である。

図２９には、ハウジングシール部材８００が断面図で示される。ハウジングシール部材８００は外側シール部分８０１を含む。外側シール部分８０１は、外側環状ハウジング部分（設置された場合）と支持体７２０などの支持体との間にハウジングシールを形成するために圧縮される部分である。外側部分８０１は単一の面取りされたか又は傾斜した前縁部領域８０３を含む。面取りされたか又は傾斜した前縁部領域８０３については、以下に更に詳細に説明する。

先の段落に関して使用される場合の用語「単一の」は、支持体（例えば支持体７２０）と重なり合う半径方向シール領域８０１の肉厚部分８０１ｔと先端部８０５との間にただ１つの傾斜面領域８０３を含む外側部分８０１を表す。これは、いくつかの段差部分を形成する互いに離間した２つの小さな傾斜面領域が配置される図１、図３、図４、図７、図９、図１０、図２６及び図２７に関連して先に説明された構造とは異なる。

更に図２９を参照すると、ハウジングシール部材８００は先端部８０５及び内側領域８０７を更に含む。内側領域８０７は、ハウジングシール部材８００が使用される場合に、図２７の支持体７２０のような支持体の内面に当接して位置決めされる。言い換えれば、内側領域８０７は、使用中、支持体の領域８０１とは反対の側に位置決めされる。先端部８０５は、領域８０７と領域８０１との間に、通常は使用中にハウジングシール部材８００が位置決めされる支持体の媒体パックから離れた側の最も外側の先端部を覆うように延在する。

次に図３０に注目する。図３０には、図２９の一部が拡大部分図で示される。図１、図３、図４、図７、図９、図１０、図２６及び図２７に示される構造のシール形状とは異なり、ハウジングシール部材８００は複数の段差部分を有するのではなく、先端部８０５と、使用中に支持体７２０のような支持体により支えられる外向き半径方向シールを形成する最も肉厚の部分８０１ｔである領域８０１の外面８１０との間に延在する単一の傾斜した又は面取りされた縁部８０３を外側部分８０１に含む。縁部８０３は、概して、軸方向矢印８２０により示される使用中にフィルタカートリッジを通過する空気の流れに垂直（Ｐで示す）な平面に対して、３０°〜６０°、典型的には３５°以上５５°以下、通常は４０°以上５０°以下の範囲の角度ＨＥを成して延在する。（場合によっては、空気流れは矢印８２０とは反対の方向であってもよいが、垂直な平面は同一である。） 典型的な構造においては、シール８００を利用するカートリッジは、媒体パックから出る濾過済み空気の流れが矢印８２０の方向になるように設置されると予測される。対応する媒体パックにおける溝の方向に垂直な方向に対して角度ＨＥで延在する単一の面取り面又は傾斜面８０３を使用することは、用途によっては設置に好都合である。

概して、面８０３は少なくとも４ｍｍ、通常は少なくとも６ｍｍ、典型的には６ｍｍ以上１６ｍｍ以下の距離にわたりまっすぐである。端部８０３ｏ及び８０３ｉに湾曲した部分を形成することにより、設置が容易になる。

一般に、領域８０１は、その最も肉厚の部分８０１ｔ（使用中に支持体が位置決めされると考えられる領域８０９からの厚さ）において約６ｍｍ以上１８ｍｍ以下の厚さになる。概して、厚さは８ｍｍ以上１４ｍｍ以下の範囲である。

図２９及び図３０において、理解を容易にするために寸法の例を提示する。本明細書において説明される原理に基づいて、別の寸法も利用できる。図２９及び図３０に示される寸法は次の通りである。ＧＡ＝２２６．５ｍｍ、ＧＢ＝１９４ｍｍ、ＧＣ＝５．７ｍｍ、ＧＤ＝半径３．０ｍｍ、ＧＥ＝半径４．０ｍｍ、ＧＦ＝半径４．０ｍｍ、ＧＧ＝２２５．７ｍｍ、ＨＡ＝２０．９ｍｍ、ＨＢ＝１４．９ｍｍ、ＨＣ＝６．４ｍｍ、及び、ＨＤ＝４５°。

領域８０１ｔにおいて、外面８１０は中心軸８２７、すなわち、使用中にフィルタカートリッジを通過する空気の流れと平行な軸と一般に平行であるか又はほぼ平行である。図３０の角度ＨＤは、領域８０１ｔにおける面８０３と面８１０との間の鋭角である。この角度は、概して、６０°を超えず、通常は３０°以上であり、多くの場合に３５°以上５５°以下の範囲内である。概して、角度ＨＤは４０°以上５０°以下の範囲内であり、例えば、図示されるように４５°である。

図３１には、別のハウジングシール構造８３０が示される。シール構造８３０は外側部分８３１、内側部分８３７、先端部８３５及び面取り面８３３を有する。領域８３１が図中符号８４０の部分で分割されていることを除いて、それらの領域は、例えば、図２９及び図３０に示されるシール構造８００とほぼ同一であってもよい。これは、ハウジングシール構造８３０が図１、図３、図４、図７、図９及び図１０に関連して先に説明されたオーバーモールド部に類似するオーバーモールド部のハウジングシール部分であることを示している。従って、図１、図３、図４、図７、図９及び図１０に関連して先に説明されたように、ハウジングシール部材を媒体パックに固定するためのオーバーモールド部を含む構造におけるハウジングシール部材の形状に、図２９及び図３０に関連して説明された原理を適用することも可能である。

＜Ｂ．選択された状況に対して好都合なフィルタカートリッジを規定するためのプレフォームの変形例、図３２〜図４０＞
図３２の図中符号８５０は、本書で説明される選択された改良点を含む別のフィルタカートリッジを示す。図示される特定のフィルタカートリッジ８５０は媒体パック８５１とハウジングシール構造８５２とを含む。媒体パック８５１は、先に説明した変形例に従ったｚフィルタ媒体を具備し、先に説明したようなフィルタパックとほぼ同一であってもよい。図示されるハウジングシール構造８５２に装着された特定の媒体パック８５１は、それぞれほぼ楕円形、この場合にはレーストラック形の外周部形状を有するが、本書で説明される原理は、必要に応じて円形の周囲部（外周部）を有する媒体パックと関連して適用可能である。図示される実施例の場合、ハウジングシール８５２は、先に図１、図３、図４、図７、図９及び図１０に関連して説明されたシール構造のオーバーモールド部にほぼ従ったオーバーモールド部８５５の一部分を具備する。しかし、ハウジングシール８５２は、図２６及び図２７に関する先の説明と同様に後に媒体パックに固定される別個のプレフォームに成型されたシール部材として、形成することも可能である。更に、領域８５２の輪郭形状は、先に図２８〜図３１に関連して説明された面取り構造又は傾斜面構造に従って変形されてもよい。

更に図３２を参照すると、媒体パック８５１は両端部８５０ｘ及び８５０ｙを有する。端部８５０ｘにはハウジングシール構造８５２が配置される。端部８５０ｙには、オプションの端部スカート（スキッドスカート）又は端部部品８６０が配置される。フレーム部材又は端部部品８６０は、先に図７及び図９に関連して説明されたフレーム部材１０４の機能に類似する機能を果たすために使用できる。尚、フレーム部材８６０の選択された複数の部分に沿ってスカラップ形の指先受入れ領域８６１を設けることにより、フレーム部材８６０はフレーム部材１０４と比較して改良されている。スカラップ形領域８６１を設けることにより、設置及び取外しの間のカートリッジ８５０の取扱いが容易になる。スカラップ形領域８６１の８６１ａで示される部分に切欠きを設けることができ、それらは、レーストラック形又は楕円形の媒体パック８５１の湾曲した端部の周囲に位置決めされる場合に特に有用である。特に、本書に組み込まれるＰＣＴ ＵＳ２００５／０１４９０９号に記載される一般的な種類であり、カム又はランプを有するハウジングの側面を経てカートリッジを装填するような構造に設置される場合、スカラップ形領域８６１は、ハウジングシール構造に向かう方向に開いており、カートリッジ８５０の取外しを容易にする。

一般に、開発中であるいくつかのエアクリーナは、保守可能なフィルタカートリッジに相対的に近接して、その下流側の場所に配置された空気流量センサ（ＭＡＦＳ）を含む。ハウジングシールがフィルタカートリッジの下流側端部に配置される典型的な構造においては、これは、成型ハウジングシール部材中にプレフォームを具備するハウジングシール構造が、媒体パックの下流側端部から流れてくる空気流れの中の空気流量センサの比較的近くの位置に配置されるということを意味する。空気流量の変動に望ましくない一貫しない影響を与えないように又は空気流量センサによる検出が容認できないほど妨害されないようにハウジングシール構造を構成するのが好ましい。

ハウジングシール構造が図１、図３、図４、図７、図９、図１０、図２６及び図２７の輪郭形状に従って成型された場合、成型ウレタンの内側に位置する領域は望ましくないレベルの一貫しないはみ出しを生じることがあり、それにより、空気流量センサを通過する流れの安定性を容認しがたいほどの量で妨害してしまうことが判明している。これを抑止するために、カートリッジ８５０は、半径方向内側に向き且つ通常は連続するシール材料樹脂盛り上がりストッパ又はリップを有するプレフォームを含むハウジングシール構造を具備する。このストッパは、成形型の特徴形状と関連して使用された場合、この問題を軽減する。

この点に関して、まず図３３に注目する。図３３において、カートリッジ８５０は端部部品８６０（図３２）を省略して示される。図３３を参照すると、ハウジングシール構造８５２は成型シール部材８６０及びプレフォーム８６１を具備する。以下に説明する点を除いて、プレフォーム８６１は図３、図４及び図５のプレフォーム３５とほぼ同様であり、媒体パック８５１から離間するように面８５０ｘからほぼ軸方向外側へ延在するシール支持体８６２と、支持体８６２と媒体パック８５１の周囲領域との間に延在するスカート８６３と、面８５０ｘに安定性を与えると共にプレフォーム８６１に周囲方向強度を与える横材８６４とを含む。図示される特定のプレフォーム８６１は媒体パック８５１の外周部８５１ｏより短くなっており、図６の先端部４５ａに類似する先端部８６５を含む。（尚、横材８６４は先に示された構造とは異なる部分を規定するが、類似する機能が得られる。）
プレフォーム８６１は、図３〜図６のプレフォーム３５とは異なり、端部支持体８６２、一般には支持体８６２とスカート８６３との接合部に配置される半径方向内側に突出するストッパ又はリップ８７０を含む。図から明らかであるように、突出部８７０は、フィルタカートリッジの製造中に領域８７５におけるシール樹脂の盛り上がりを調整する。これは、不安定な空気流れの発生を減少するために、面８５０ｘと重なり合う成型材料の領域をより均一にするのを助ける。本書で使用される場合の用語「内側」及びそこから派生する用語は、支持体８６２から離間し、成型シール部材８６０のシール領域からも離間する方向を示すものとする。用語「半径方向」は、通常媒体パック８５１を通る中心軸への方向を示すものとする。

図３４は、図３３に類似しているが、楕円形状の短軸を通る断面図である。図示される特徴は同様の機能を有し、従って、同一の図中符号により示される。

図３５には、図３４の一部が拡大部分図で示される。図３５に示される部分は、一般にハウジングシール構造８５２を理解させるためのものである。

図３５を参照すると、ハウジングシール構造８５２は、半径方向外側に向いたハウジングシール面８５２ｓを有する一体に形成された成型シール領域８５５を含む。ハウジングシール構造８５２は、支持体８６２、スカート８６３及びリップ又は突出部８７０を有するプレフォーム８６１を更に含む。図３５を参照すると、領域８７１において、突出部８７０は支持体８６２の内面８６２ｉに隣接する屈曲した内面を具備することを理解できる。通常屈曲した面は、内面８６２ｉに対して、１３０°〜１５５°、典型的には１３５°〜１５０°の範囲内の角度Ａ１を成して延在する。

図３５に示される例においては、面８２１ｉは、接合部８２１ｘと先端部８２１ｙとの間で、媒体パック８５１を通過する空気の流れと平行な方向に対して約６°の角度でわずかに外側へ延在しているが、これとは異なる角度も可能である。

更に図３５を参照すると、成型されたオーバーモールド部８５５は外側部分８８０及び内側部分８８１を含む。面８７１は、成型中に内側部分８８１が盛り上がる領域で成型部を被覆するように設けられる。尚、この点に関して、図３５の構造は図１、図３、図４、図７、図９及び図１０の構造と同様に形成され、従って、領域８８１及び８８０が形成される場合には図３５に対して反転される。

更に図３５を参照すると、領域８８１は、概して、面８２１ｉに沿ってそこから内側へ延在する部分において少なくとも約１ｍｍの厚さであり、典型的には少なくとも約１．５ｍｍの厚さであり、通常は約１．６ｍｍ以上２．５ｍｍ以下の範囲内であるが、これとは異なる寸法も可能である。

領域８２１ｉは、突出部８７０に隣接して面取りされた先端部８２１ｔを含む。

そこで、リップ８７０に対する突出は、概して、少なくとも１ｍｍの距離、普通は少なくとも１．５ｍｍ、典型的には少なくとも１．６〜２．６ｍｍの範囲内の距離にわたり延在するが、これとは異なる寸法も可能である。完成後のカートリッジ８５０において、リップ８７０は、領域８２１ｉでシール材料に隣接し且つ媒体８５１から離間する状態で、先端部８２１ｉと媒体８５１ｇとの間に位置する。

更に図３５を参照すると、反転された場合、突出部８７０は、支持体８６２の内側に沿ってオーバーモールド部８５２の成型部分８８１を形成するために樹脂が盛り上がることができる成型領域を覆うように延在することが理解されるであろう。成形型のキャビティに置かれることにより、領域８７０は領域８８１を形成する樹脂の盛り上がりを押さえる。従って、余分な外側へのはみ出し又は不均一な成型は減少される。これは、安定した空気流れ及び空気流量センサ動作を提供するのに好都合である。

図３６には、プレフォーム８６１が示される。支持体８６２、スカート８６３及び横材８６４が示される。図３７は、図３６の線３７‐３７に沿った断面図である。図３７においては、半径方向内側に向いた突出部又はリップ８７０が示される。尚、隆起部又はストッパ８７０はガセット８７０ａにより支持される。典型的な構造においては、リップ８７０は半径方向の長さ全体にわたり連続しており、空隙を含まない。

図３８は、図３６の線３８‐３８に沿った断面図である。

図３９には、図３６の線３９‐３９に沿った断面図が示される。図３９には、図３３の一体成型シール構造８６０を形成するために成形型に位置決めされた場合のように反転された状態でプレフォーム８６１が示されている。半径方向内側に突出するストッパ又は隆起部８７０は、成型中に領域８６２ｉに沿った上方への樹脂の流れを制止するために配置されることが明らかである。

図４０は、プレフォーム８６１を使用する以外は図１１〜図１６に関して先に説明した成型方法にほぼ従った成型方法によって、プレフォーム８６１を使用して製造された成型シール領域８６０を示す。概して、成型シール領域８６０はプレフォーム支持体と別個に形成されず、プレフォーム支持体に一体成型される。しかし、それぞれの特徴を見やすくするために、図４０には別個に示されている。

図中符号８８０は、図３７〜図３９のストッパ８７０の中への盛り上がりの結果として形成される先端部８２１ｔを規定する面を示す。面８８０は、概して、使用中にシール支持体が配置される図４０の間隙８８１から下方へ延在するように傾斜が付けられている。 使用される一体成型シール構造が形成される間に内側領域に沿った盛り上がりを調整するために、図２６及び図２７の構造において使用されるプレフォームに対しても、リップ８７０に類似するリップを使用できることが理解されるであろう。主な相違点は、そのようなシール構造が図４０のオーバーモールド領域８９０を含まないことである。

図３２〜図４０には、レーストラック形状を利用する構造の例に関して寸法の例が規定されている。寸法の例は次の通りである。ＩＡ＝３００．４ｍｍ、ＩＢ＝３１０．３ｍｍ、ＪＡ＝３００．４ｍｍ、ＪＢ＝１９０ｍｍ、ＪＣ＝２２１．１ｍｍ、ＪＤ＝２９９ｍｍ、ＫＡ＝１５２．４ｍｍ、ＫＢ＝１５１ｍｍ、ＬＡ＝２９５．６ｍｍ、ＬＢ＝７０°、ＬＣ＝４９．５ｍｍ、ＬＤ＝２４．７ｍｍ、ＬＥ＝１４７．６ｍｍ、ＬＦ＝半径６１．８ｍｍ、ＬＧ＝２ｍｍ、ＬＨ＝直径５．０ｍｍ、ＭＡ＝２７６．６ｍｍ、ＭＢ＝２．５ｍｍ、ＭＣ＝２７１．６ｍｍ、ＭＤ＝１５．８ｍｍ、ＭＥ＝２７ｍｍ、ＭＦ＝２９５．６ｍｍ、ＮＡ＝１２８．６ｍｍ、ＮＢ＝１２３．６ｍｍ、ＮＣ＝１５．８ｍｍ、ＮＤ＝１４７．６ｍｍ、ＯＡ＝１４７．６ｍｍ、ＯＢ＝１５．８ｍｍ、ＯＣ＝１２５．２ｍｍ、ＯＤ＝１３０．２ｍｍ、ＰＡ＝３００．４ｍｍ、ＰＢ＝２８．６°、ＰＣ＝２９５．６ｍｍ、ＰＤ＝半径４．０ｍｍ、ＰＥ＝２６９．１ｍｍ、ＰＦ＝１５０．８°、ＰＧ＝２５°、ＰＨ＝２７１．４ｍｍ、ＰＩ＝３３．３°、ＰＪ＝４．２ｍｍ、及び、ＰＫ＝３０４ｍｍ。

＜Ｉ．米国第２００５／０１６６５６１号公報及びＰＣＴ ＷＯ０５／６３３６１号公報から選択された図、図１〜図２５＞
２００５年８月４日発行の米国第２００５／０１６６５６１Ａ１号公報及び２００５年７月１４日発行のＰＣＴ ＷＯ０５／６３３６１号公報からの一例に係るフィルタエレメントを示す側面図である。 フィルタエレメント構成要素を示す平面図である。 図２の線３‐３に沿った断面図である。 図３の一部を示す拡大部分図である。 図１のフィルタエレメントにおいて使用される構成要素を示す拡大斜視図である。 図６は、図５の線６‐６に沿った図５の構成要素を示す断面図である。 ２００５年８月４日発行の米国第２００５／０１６６５６１ Ａ１号公報及び２００５年７月１４日発行のＰＣＴ ＷＯ０５／６３３６１号公報からの第２の例に係るフィルタエレメントを示す側面図である。 図７に示されるエレメントを示す平面図である。 図８の線９‐９に沿った図８に示される構造を示す断面図である。 図９の一部を示す拡大部分図である。 図１又は図７に示される構造のシール構成要素を形成するために使用可能な成形型構造を示す部分概略断面図である。 未硬化ポリマーシール材料のプールと共に示される図１１の成形型を示す概略断面図である。 プレフォームフィルタエレメント構成要素が内部に位置決めされた図１２の成形型を示す図である。 媒体構成要素が内部に位置決めされた状態の図１３の図である。 シール材料が発泡し、ほぼ硬化した状態の図１４の図である。 図１１〜図１５の工程に従った成形型内部のプレフォーム及び媒体パック構成要素を示す図である。 図１の構成要素において使用可能なオプションの端部部品を示す図である。 図１のオプション部品を示す断面図である。 ２００５年８月４日発行の米国第２００５／０１６６５６１ Ａ１号公報及び２００５年７月１４日発行のＰＣＴ ＷＯ０５／６３３６１号公報に係る構造において使用可能なｚフィルタ媒体を示す部分概略斜視図である。 図１９に示される媒体の一部を示す概略断面図である。 種々の波形媒体の定義の例を示す概略図である。 ２００５年８月４日発行の米国第２００５／０１６６５６１ Ａ１号公報及び２００５年７月１４日発行のＰＣＴ ＷＯ０５／６３３６１号公報に係る媒体を製造する方法を示す概略図である。 米国第２００５／０１６６５６１号公報及びＰＣＴ ＷＯ０５／６３３６１号公報に係る構造において使用可能な媒体溝のオプションの端部ダーツを示す概略断面図である。 図１及び図７のフィルタエレメントにおいて使用可能な媒体材料を示す概略斜視図である。 ２００５年８月４日発行の米国第２００５／０１６６５６１ Ａ１号公報及び２００５年７月１４日発行のＰＣＴ ＷＯ０５／６３３６１号公報に係るフィルタカートリッジ構成要素を有するエアクリーナを使用するシステムを示す概略図である。

＜ＩＩ．米国特許第６，１９０，４３２号及び欧州特許第１１５９０５２号から選択された図、図２６〜図２７＞
米国特許第６，１９０，４３２号及び欧州特許第１１５９０５２号の説明に従ったフィルタカートリッジを示す斜視図である。 図２６のカートリッジのシール部分を示す拡大部分断面図である。

＜ＩＩＩ．選択された改善構造を示す図、図２８〜図４０＞

＜Ａ．傾斜付きシールの例、図２８〜図３１＞
先に説明されたフィルタ構造のうち選択されたものに従った構造において使用可能な成型シール部材部分を示す平面図である。 図２８の線２９‐２９に沿った断面図である。 図２９の一部を示す拡大部分図である。 シール部材における別の変形例を示す図２９に類似する断面図である。

＜Ｂ．シール部材の成型を容易にするためのプレフォーム中央突起部を含む変形例、図３２〜図４０＞
本書で説明される原理に従った変形されたプレフォームを有するシールを含み、オプションの端部部品が示されたフィルタカートリッジを示す概略側面図である。 図３２に示されるカートリッジの媒体パック部分及びシール部分を示す長軸に沿った概略断面図である。 図３２に示されるカートリッジを示す短軸に沿った第２の概略断面図である。 図３４の一部を示す拡大部分断面図である。 図３２〜図３５のフィルタカートリッジにおいて使用可能なプレフォーム構成要素を示す平面図である。 図３６の線３７‐３７に沿った断面図である。 図３６の線３８‐３８に沿った断面図である。 シールを形成する成型工程のために成形型の中に配置された場合の反転された状態で示される図３６の線３９‐３９に沿った断面図である。 図３２のカートリッジを形成するために図３７のプレフォームに形成されるオーバーモールドシール部材を示す断面図である。

Claims (19)

1. エアフィルタカートリッジであって、
   （ａ）吸気端部及びその反対側の排気端部を含む媒体パックを備え、
   （ｉ）前記媒体パックは、前記吸気端部と前記排気端部との間に延在する吸気溝の組及び排気溝の組を規定するフィルタ媒体を備え、
   （ｉｉ）前記媒体パックは、前記媒体パックのフィルタ媒体を通過することなく前記媒体パックを通過する未濾過空気の流れに対して閉鎖され、
   （ｂ）前記媒体パックの、前記吸気端部及び前記排気端部のうちの第１の端部に隣接して配置されたプレフォームを備え、
   （ｉ）前記プレフォームは、前記プレフォームが配置されている前記媒体パックの前記端部から軸方向に前記媒体パックから離間する方向へ延在する半径方向シール支持体を含み、
   （ｉｉ）前記半径方向シール支持体が外面を有し、
   （ｃ）前記プレフォームに配置されたシール部材を備え、前記シール部材は、
   （ｉ）前記半径方向シール支持体の前記外面に隣接して配置された半径方向シール領域と、
   （ｉｉ）前記媒体パックの前記吸気端部と反対側の前記排気端部との間の方向に対して垂直な平面に対して３０°以上６０°以下の角度ＨＥを成して延在する、長さが少なくとも４ｍｍのまっすぐな部分を含む単一の傾斜した外側軸方向面と、を含み、
   （ｉｉｉ）前記傾斜した外面が、前記半径方向シール領域の一部と前記シール部材の外側先端部との間に延在したエアフィルタカートリッジ。
2. （ａ）前記シール部材の前記単一の傾斜した外側軸方向面は、６ｍｍ以上１６ｍｍ以下の範囲内の長さを有し、３５°〜５５°の範囲内の角度ＨＥを成して延在する請求項１記載のエアフィルタカートリッジ。
3. （ａ）前記シール部材は一体成型されたシール部材であり、
   （ｂ）前記プレフォームは接着剤によって前記シール部材とは別に前記媒体パックに固定される請求項１及び２のいずれか１項に記載のエアフィルタカートリッジ。
4. （ａ）前記シール部材は、前記プレフォームを前記媒体パックに固定するよう、オーバーモールド一体成型されている請求項１及び２のいずれか１項に記載のエアフィルタカートリッジ。
5. （ａ）前記媒体パックは、表面シートに固定された溝付きシートのコイル状構造を備えた請求項１から４のいずれか１項に記載のエアフィルタカートリッジ。
6. （ａ）前記媒体パックは円形の外周部を有する請求項１から５のいずれか１項に記載のエアフィルタカートリッジ。
7. （ａ）前記媒体パックは楕円形の外周部を有する請求項１から５のいずれか１項に記載のエアフィルタカートリッジ。
8. （ａ）前記媒体パックは、対向する湾曲した端部及び対向するまっすぐな側部を含むレーストラック形の外周部を有する請求項７記載のエアフィルタカートリッジ。
9. （ａ）前記半径方向シール支持体は前記外面とは反対側の内面を有し、
   （ｂ）前記シール部材は、前記プレフォームの前記内面に隣接する内側領域を含む一体成型構造の一部であり、
   （ｉ）前記内側領域は先端部を有し、
   （ｃ）前記プレフォームは、前記内側領域の前記先端部を横切って延在する半径方向内側に向いたリップを含む請求項１から８のいずれか１項に記載のエアフィルタカートリッジ。
10. （ａ）前記媒体パックの前記シール部材とは反対側の端部に装着された第２のプレフォームを含み、
    （ｉ）前記第２のプレフォームは、スカラップ形の複数の指先受入れ領域を含む請求項１から９のいずれか１項に記載のエアフィルタカートリッジ。
11. エアフィルタカートリッジであって、
    （ａ）吸気端部及びその反対側の排気端部を含む媒体パックを備え、
    （ｉ）前記媒体パックは、前記吸気端部と前記排気端部との間に延在する吸気溝の組及び排気溝の組を規定するフィルタ媒体を備え、
    （ｉｉ）前記媒体パックは、前記媒体パックのフィルタ媒体を通過することなく前記媒体パックを通過する未濾過空気の流れに対して閉鎖され、
    （ｂ）前記媒体パックの、前記吸気端部及び前記排気端部のうちの第１の端部に隣接して配置されたプレフォームを備え、
    （ｉ）前記プレフォームは、前記プレフォームが配置されている前記媒体パックの前記端部から軸方向に前記媒体パックから離間する方向へ延在する半径方向シール支持体を含み、
    （ｉｉ）前記半径方向シール支持体が外面及び内面を有し、
    （ｃ）前記プレフォームに配置された一体成型のシール部材を備え、前記シール部材は、
    （ｉ）前記半径方向シール支持体の前記外面に隣接して配置された外側に向いた半径方向シール領域と、
    （ｉｉ）前記プレフォームの前記内面に隣接し且つ先端部を有する内側領域と、を含み、
    （ｄ）前記プレフォームは、前記内側領域の前記先端部を横切って延在する半径方向内側に向いたリップを含むエアフィルタカートリッジ。
12. （ａ）前記プレフォームは接着剤によって前記シール部材とは別に前記媒体パックに固定される請求項１１記載のエアフィルタカートリッジ。
13. （ａ）前記シール部材は、前記プレフォームを前記媒体パックに固定するよう、オーバーモールド一体成型されている請求項１１記載のエアフィルタカートリッジ。
14. （ａ）前記媒体パックは、表面シートに固定された溝付きシートのコイル状構造を備えた請求項１１から１３のいずれか１項に記載のエアフィルタカートリッジ。
15. （ａ）前記媒体パックは円形の外周部を有する請求項１１から１４のいずれか１項に記載のエアフィルタカートリッジ。
16. （ａ）前記媒体パックは楕円形の外周部を有する請求項１１から１４のいずれか１項に記載のエアフィルタカートリッジ。
17. （ａ）前記媒体パックは、湾曲した端部及び対向するまっすぐな側部を含むレーストラック形外周部を有する請求項１６記載のエアフィルタカートリッジ。
18. （ａ）前記媒体パックの前記シール部材とは反対側の端部に装着された第２のプレフォームを含み、
    （ｉ）前記第２のプレフォームはスカラップ形の複数の指先受入れ領域を含む請求項１１から１７のいずれか１項に記載のエアフィルタカートリッジ。
19. エアフィルタカートリッジであって、
    （ａ）吸気端部及びその反対側の排気端部を含む媒体パックを備え、
    （ｉ）前記媒体パックは、前記吸気端部と前記排気端部との間に延在する吸気溝の組及び排気溝の組を規定するフィルタ媒体を備え、
    （ｉｉ）前記媒体パックは、前記媒体パックのフィルタ媒体を通過することなく前記媒体パックを通過する未濾過空気の流れに対して閉鎖され、
    （ｂ）前記媒体パックの前記吸気端部及び前記排気端部のうちの第１の端部に隣接して配置されたプレフォームを備え、
    （ｉ）前記プレフォームは、前記プレフォームが配置されている前記媒体パックの前記端部から軸方向に前記媒体パックから離間する方向へ延在する半径方向シール支持体を含み、
    （ｉｉ）前記半径方向シール支持体が外面を有し、
    （ｃ）前記プレフォームに配置されたシール部材を備え、
    （ｉ）前記シール部材は、前記半径方向シール支持体の前記外面に隣接して配置された半径方向シール領域を含み、
    （ｄ）前記媒体パックの前記シール部材とは反対側の端部に装着された第２のプレフォームを備え、
    （ｉ）前記第２のプレフォームは、スカラップ形の複数の指先受入れ領域を含むエアフィルタカートリッジ。

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