JP2009513609A - ポリアルコキシレートを含有する固体製剤、その製造方法およびその使用 - Google Patents

ポリアルコキシレートを含有する固体製剤、その製造方法およびその使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、(a)液体または低融点ポリアルコキシレートおよび(b)比較的高分子量のスルホネートに基づく担体を含む固体製剤に関し、ここで、(i)固体製剤の総重量に基づく液体または低融点ポリアルコキシレートの割合は少なくとも15重量%であり;(ii)比較的高分子量のスルホネートの総重量に基づく液体または低融点ポリアルコキシレートの割合が少なくとも30重量%であり;かつ(iii)液体または低融点ポリアルコキシレートと比較的高分子量のスルホネートとの重量比は最大で3:1である。本発明はまた、(特に植物保護の分野での)その使用、およびそのような製剤の製造方法にも関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、液体または低融点ポリアルコキシレートを含む固体製剤、(特に植物保護の分野での)その使用、およびその製造方法に関する。
世界中で、毎年のように、農業生産のかなりの部分が広い意味での植物有害生物により被害を受けている。植物有害生物は、大規模な不作をもたらし人間の食糧供給を危うくするだけでなく、有用な多年生植物の成長部分を破壊し、それにより農業的に生産性の高い土地と生態系全体に永続的に悪影響を及ぼす可能性がある。
植物有害生物は、生物の様々な群に属する。重要な多くの有害生物は、高等動物類、特に昆虫およびダニ類で確認されており、さらに線虫類およびカタツムリ類でも確認されている。哺乳動物および鳥類などの脊椎動物は、現在、工業先進国においてはさほど重要ではない。多数の微生物群、例えば、菌類や、マイコプラズマを含む細菌類、ウイルスおよびウイロイドなどは不作の原因となり、価値の低下を招く恐れがある。実質的には食用できる生産物であったとしても、見映えの点から売り物にはならない場合が多い。最後に、限られた生育環境とそれ以外の資源をめぐって有用植物と競合する雑草もまた、広い意味での有害生物に属する。
寄生菌類は、特に重要な有害生物である。うどん粉病は園芸分野で心配されている病気であり、麦角(クラビセプス(Claviceps))は、その有毒アルカロイドのため、ヒトおよび動物にとって危険である。また、19世紀中頃にあった欧州でのジャガイモ備蓄に対するフィトフトラ・インフェスタンス(Phytophthora infestans)による危害は、飢饉と政治不安を引き起こし、歴史的に重大域にまで達した。
「植物保護組成物」という総称は、植物有害生物の特異的防除に使用可能な物質と、そのような物質の混合物の両方を意味する。これら組成物は、標的生物体により分類するか(殺虫剤、殺菌剤、除草剤など)、作用の方法により分類するか(消化中毒剤(stomach poison)、接触毒剤(contact poison)、忌避剤など)、化学構造により分類することができる。特に植物毒性菌類に対しては、菌類の胞子には耐性があり、かつ天敵がいないことから、化学的防除が唯一の有効手段であり、別の場所に存在する共生菌類(菌根菌類)に影響を及ぼすことのないように殺菌剤の作用を局所的に最大限にするように注意しなければならない。
植物保護組成物は純粋な物質であってもよいが、多くの場合、組成物が有利である。かかる組成物は、有害生物に対して即効性のある1種または複数の物質(これ以降、植物保護活性剤と記載する)以外に、様々な種類の添加剤および補助剤(これらは、様々な方法で所望の効果を高めることができるもの(文献では、一般に「添加剤」、「アジュバント」、「促進剤」、「相乗作用剤(booster)」または「エンハンサー」として知られているもの)、操作を簡便にすることができるもの、保存期間を長期化できるもの、あるいは、製品の特性を改善することができるもの)を含む。
典型的には、植物保護組成物を水性媒体に溶解、乳濁化または分散させ、「タンクミックス」と称される水性スプレー混合物を取得し、次いで、これを「スプレー法」で植物またはその生育環境に施用する。添加剤および補助剤は、適切なタンクミックスが得られるように適宜選択することができる。
効果促進添加物の作用は、一般的には、疎水性の植物表面を考慮したその界面活性に基づくものであって、スプレー混合物と植物表面との接触を改善する。詳しくは、湿潤剤、展着剤および浸透剤に区別されるが、これらの群は当然ながら重なり合っている。これ以降、「添加剤」という一般的用語は、物理学的詳細は考慮に入れず、農業技術上の活性剤(特に植物保護剤)の効果を高める補助剤を記述するのに用いる。
非イオン性疎水性アルコキシレートは、様々な植物保護活性剤、特に殺菌剤に好適な添加剤として公知である。
かかるアルコキシレートは、中でも、液体製剤(例えば、溶液、エマルジョン、懸濁液、サスポエマルジョン)で、また他の剤形で用いられる。例えば、EP 707 445 B1に比較的安定性のあるサスポエマルジョンが記載されている。
しかし、液体製剤には欠点が数多くある。施用時には、土壌への流出および浸出の危険が生じる。保管と輸送では、溶媒を輸送または保管しなければならないことから経費が高くつく上に、液体製剤用の入れ物(例えば、容器または缶)は、一般に焼却を簡単にすることができないため、ゴミ処理問題が発生する。また、熱、低温および剪断力の点からみた液体製剤の安定性、つまりその貯蔵安定性は低く、高価な乳化剤および安定化剤が必要である。さらに、多くの活性剤、または活性剤の組合せは、液体剤形で製剤化しようとすると結晶化および/または分離を起こしがちであるため、製剤化は容易にはできない。溶媒は、それ自体可燃性である場合が多く、皮膚刺激があるか、不快な匂いがある。水を溶媒として使用する場合は、長期保管中に、活性剤の加水分解の問題が起こる頻度が高い。
固体製剤、特に無粉塵型(dust-free)固体顆粒は、使用、保管、輸送、安定性および包装材料の廃棄処理に関して、液体製剤と比べると多くの利点がある。しかし、上述のアルコキシレートの低融点は、固体製剤の混和の際に問題を発生し、不都合なことが多い。このため、従来の固体製剤は、液体、油性または低融点の添加剤(例えば、アルコキシレートにより代表されるもの)を少量しか含むことができない。さもないと、顆粒の凝着(agglutination)および凝集(aggregation)が生じるからである。典型的には、かかる添加剤は、15重量%未満しか貯蔵安定性を損なうことなく添加することができない。
添加剤の使用可能な割合は、通常、担体として周知の無機化合物に基づく(特にケイ酸塩に基づく)吸着剤を使用することによって高めることができる。吸着剤は、添加剤と結合することにより、組成物の力学的性質を改善し、貯蔵中の顆粒の凝集を防止する。しかし、無機吸着剤は、非常に微細な粉体(powder)および粉塵(dust)を形成する傾向がある。これは、製造および処理においてさらにまた問題を引き起こし、特に、とりわけ呼吸器の保護の領域でコストのかかる安全工学が必要となる。微粒子の無機粉塵による健康被害は周知である。さらに、固体成分は、施用後に好ましくない影響を示す可能性もある。
US 6 239 115 B1には、活性剤ポリオキシンと分散剤としてのナフタレンスルホン酸-ホルムアルデヒド縮合物を含む顆粒が開示されている。しかし、前記文献では、典型的には、顆粒中にポリオキシエチレンアルキルエーテルはわずか2%しか混合されていなかった。
DE 102 17 201には、9%以下のアルキルスルホネートおよび/またはポリグリコールを含む低粉塵性顆粒が開示されている。これらのポリグリコールは、完全に水溶性であって界面活性ではないので、一般には適切な活性のあるエンハンサーではない。
GB 1 291 251には、アニオン性および非イオン性界面活性剤は5%までしか含まれず、リグノスルホン酸カルシウムを50%まで含む顆粒が開示されている。
界面活性補助剤と活性増強補助剤の混和は、例えば、溶融押出し成形法(溶融押出し法)によって実施することもできる。その例はWO 93/25074で見られ、その文献では、実際には、例外なくcarbowax(PEG 8000)が「結合剤」として用いられている。PEG(すなわち、ポリエチレングリコール)は、一般には非常に高親水性であり、しがって非常によく水に溶解する。
EP 843 964 B1には、10%以下のトリスチリルフェニルポリエトキシレート(tristyrylphenyl polyethoxylates)を含む押出顆粒が実質的に開示されており、US 6 416 775 B1の場合と同様、無機担体系が使用されている。例えば、US 6 416 775 B1またはUS 6 375 969 B1では珪藻土(キースラガー)、特にセライト製品が吸着剤として使用されている。
またDE 696 24 381 T2、WO 97/24173またはEP 880 402 B1には、リグノスルホネートと比較的低比率のジ-およびトリ-スチリルフェノールエトキシレートから製造された顆粒が開示されている。
高含量の液体両親媒性界面活性添加剤を含む顆粒の製造経路が、例えば、WO 99/56543およびWO 99/08518に開示されている。この文献では、尿素誘導体とポリシロキサン誘導アルコールエトキシレートから形成された「クラスレート」が開示されている。30%以下の界面活性補助剤を含む粉末または顆粒が製造できることが記載されている。
「活性剤」を含む除草顆粒を製造するための溶液がWO 93/05652に実証されている。脂肪アルコールエトキシレートを使用する場合、ケイ酸塩に基づく無機吸着剤または担体が高い割合で顆粒中に存在する。これらの吸着剤または担体は、上述のように不都合がある。
要約すると、当技術分野の技術水準では、無機担体系を用いる必要なく、固体製剤に液体または低融点の添加剤を高い割合で混和する方法は明らかにされていないということができる。このため、かかる添加剤を高い割合で含む固体製剤を提供することが目標とされていた。
驚いたことに、比較的高分子量のスルホネートを適当な量で混合した、液体または低融点ポリアルコキシレートは、有利な固体製剤(特に顆粒)を提供できることがわかった。
従って、本発明の目的は、
a)液体または低融点ポリアルコキシレート;および、
b)比較的高分子量のスルホネートに基づく担体
を含む固体製剤であって、
(i)固体製剤の総重量に基づく、液体または低融点ポリアルコキシレートの割合が、少なくとも15重量%であり;
(ii)比較的高分子量のスルホネートの総重量に対する、液体または低融点ポリアルコキシレートの割合が、少なくとも30重量%であり;かつ、
(iii)液体または低融点ポリアルコキシレートと比較的高分子量のスルホネートとの重量比が、最大で3:1である、
固体製剤である。
従って、本発明による固体製剤は、基本的に以下の2種類の成分を含む:
(a)単独では液体であるか低融点を有し、かつ1つのポリアルコキシレートからなる、ポリアルコキシレート成分、または数種類のポリアルコキシレートの混合物;および、
(b)単独では固体であり、かつ、1種または複数の比較的高分子量のスルホネートを含む、担体成分。
これに関して、固体製剤の総重量に対する液体または低融点ポリアルコキシレートの割合は、少なくとも15重量%であり、かつ、比較的高分子量のスルホネートの総重量に対する割合は少なくとも30%である。これに関して、液体または低融点ポリアルコキシレートの割合は、比較的高分子量のスルホネートの割合よりも大きくてもよいが、重量比は最大で3:1以下である。担体成分(b)の大部分は、一般に、比較的高分子量のスルホネートを含む。
「液体」という用語は、標準圧力および20〜30℃の温度範囲での液体の物理的状態を示す。低融点ポリアルコキシレートは、一般に、40℃未満(特に30℃未満)の融点を有する。
特定の実施形態によれば、使用するポリアルコキシレートは油性である。これに関し、「油性」という用語は、粘着性で粘り気のある油脂性の物理的粘稠性を示す。化学的には、この物質は、親油性、親水性、または両親媒性とみなすことができる。ポリアルコキシレートは、一般には両親媒性である。
本発明によるポリアルコキシレートは、基本的には、疎水性または親油性の部分と、1種または複数のポリマーアルコキシレート部分(ポリアルコキシレート部分またはマクロゴール部分)を含んでおり、ポリアルコキシレート部分または各個別のポリアルコキシレート部分は、疎水性または親油性の部分に、例えばアミド結合、エーテル結合またはエステル結合により結合している。「ポリマー」という用語は、これに関し、少なくとも2個(特に少なくとも3個、とりわけ特に3から1000個)の低分子量単位から構成されていることを意味する。これらの単位は、すべて同じ種類のもので、それにより単調なポリマーが形成されているか、少なくとも2つの異なる種類のアルキレンオキシドを含み得る。後者の場合、各毎に、1種類の数個のアルキレンオキシド単位をブロックとして配置し、その結果、数個の同じアルキレンオキシド単位の単調配列からそれぞれなる、少なくとも2つの異なるアルキレンオキシド単位がポリマーの構造成分となるようにするのが望ましい(ブロックポリマーまたはブロックコポリマー)。かかるブロックアルコキシレートを用いる場合、アルキレンオキシド部分は、2または3個のブロック、特に2個のブロックから構成されているのが望ましい。ポリアルコキシレート部分が複数の異なるブロックを含む場合、疎水性または親油性の部分により近い位置にあるものは「近位の」と記述し、より遠い位置にあるものは「遠位の」と記述し、末端に位置するものは、「末端の」と記述する。特に本明細書では、本発明によるアルコキシレートモノマーとして、エチレンオキシド(EO)、プロピレンオキシド(PO)、ブチレンオキシド(BO)、ペンチレンオキシド(PeO)およびヘキシレンオキシド(HO)を挙げることができる。
特定のポリアルコキシレートは、アルコキシル化脂肪アルコール、アルコキシル化脂肪酸エステル、アルコキシル化脂肪アミン、アルコキシル化グリセリド、アルコキシル化ソルビタンエステル、アルコキシル化アルキルフェノール、ならびにアルコキシル化ジスチリルフェノールおよびトリスチリルフェノールに確認されており、アルキルフェノールは、ポリアルキル化、特にジアルキル化またはトリアルキル化されているのが好ましい。さらに、ポリアルコキシレートは末端基修飾されていてもよい。すなわち、アルコキシレート部分の末端OH基が修飾(例えば、エーテル化またはエステル化)されていてもよい。好適な末端基修飾されたポリアルコキシレートとしては、特に、アルキル化、アルケニル化、またはアリール化されたポリアルコキシレート、好ましくはメチル基またはtert-ブチル基またはフェニル基を含むもの、あるいはポリアルコキシレートエステル、例えば一リン酸エステルもしくは二リン酸エステルまたは硫酸エステル、ならびにその塩、例えばアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩が挙げられる。かかる末端基修飾は、例えば、硫酸ジアルキル、C1-10-ハロゲン化アルキルまたはハロゲン化フェニルを用いて実施することができる。
使用するアルコールポリアルコキシレートの少なくともいくつかは、それ自体は周知である。例えば、WO 01/77276およびUS 6 057 284またはEP 0 906 150には、好適なアルコールポリアルコキシレートが開示されている。前記文献中のこれらのアルコールポリアルコキシレートに関する記載は、本明細書に添えて明示的に参照され、それにより、前記アルコールポリアルコキシレートそのものとそこに開示されているそれらの製造もまた、本明細書の一部である。
さらなる特定の実施形態では、アルコールポリアルコキシレートは、次式(I):
R7-O-(CmH2mO)x-(CnH2nO)y-(CpH2pO)z-R6 (I)
[式中、
R6は有機基であり;
R7は3〜100個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素基であり;
m、nおよびpは、互いに独立に2〜6の整数、好ましくは2、3、4または5であり;
x、yおよびzは、互いに独立に0〜1000の数字であり;かつ、
x+y+zは、2〜1000の値に対応する]
により表されるアルコールポリアルコキシレートより選択される。
脂肪族炭化水素基(R7)は一般に疎水性または親油性であり、それにより、アルコールポリアルコキシレートはその油性特性を獲得する。特に、R7は、3〜30個、好ましくは5〜24個の炭素原子を含む分枝鎖または直鎖の炭化水素基であり、これは、飽和であっても(特にC3-30-アルキル)、不飽和であってもよい(特にC3-30-アルケニル)。
有機基(R6)は、典型的には式(I)のアルコールポリアルコキシレートの分子量の10%未満、好ましくは5%未満を占めており、この基は、好ましくは、水素、アルキル、好ましくはC1-10-アルキル、特に好ましくはメチルもしくはtert-ブチル、アルケニル、好ましくはC2-10-アルケニル、アシル、特にアセチル、プロピオニル、ブチリルもしくはベンゾイル、またはアリール、特にフェニルであるか、あるいは無機酸基、特にリン酸、二リン酸または硫酸基である。
一態様によれば、本発明により使用されるアルコールポリアルコキシレートは、エトキシ化されているか、少なくとも1つのエチレンオキシドブロックを有するのが好ましい。さらなる態様によれば、エチレンオキシドブロックは、特にプロピレンオキシドブロックまたはペンチレンオキシドブロックと組み合わされている。
特定の実施形態によれば、m=2であり、x>0である式(I)で表されるアルコールポリアルコキシレートを用いる。これに関し、EO型のアルコールポリアルコキシレートが含まれ、中でも特に、アルコールエトキシレート(m=2;x>0;y、z=0)および近位のEOブロックを有するアルコールポリアルコキシレート(m=2;x>0;yおよび/またはz>0)が挙げられる。
さらに、近位のEOブロックを有するアルコールポリアルコキシレートの特定の実施形態は、別のモノマーから調製された末端のブロックを有するものに代表される(n>2;y>0)。これらのうち、中でも特に、EO-POブロックアルコキシレート(n=3;y>0;z=0)を挙げることができる。好ましいのは、EOとPO(xとy)の比が好ましくは1:1〜4:1、特に1.5:1〜3:1のEO-POブロックアルコキシレートである。これに関し、エトキシ化度(xの値)は、一般に1〜20、好ましくは2〜15、特に4〜10であり、プロポキシル化度(yの値)は、一般に1〜20、好ましくは1〜8、特に2〜5である。総アルコキシル化度(すなわち、EO単位とPO単位の合計)は、一般に2〜40、好ましくは3〜25、特に6〜15である。
近位のEOブロックを有する特に好ましいアルコールポリアルコキシレートのうち、EO-PeOブロックアルコキシレート(n=5;y>0;z=0)を挙げることができる。これに関し、EOとPeO(xとy)の比が好ましくは2:1〜25:1、特に4:1〜15:1のEO-PeOブロックアルコキシレートが好ましい。これに関し、エトキシ化度(xの値)は、一般に1〜50、好ましくは4〜25、特に6〜15であり、またペントキシル化度(yの値)は、一般に0.5〜20、好ましくは0.5〜40、特に0.5〜2である。アルコキシル化度の合計(すなわち、EO単位とPeO単位の合計)は、一般に1.5〜70、好ましくは4.5〜29、特に6.5〜17である。
さらなる特定の実施形態によれば、n=2であり、m、xおよびyの値がそれぞれ0よりも大きく、z=0である式(I)で表されるアルコールポリアルコキシレートを使用する。これに関し、また、EOブロックが遠位で結合されているが、追加のポリアルコキシレートブロックがEOブロックとアルキル部分との間に挿入されている、EO型のアルコールポリアルコキシレートが含まれる。これらとしては、中でも特に、PO-EOブロックアルコキシレートおよびPeO-EOブロックアルコキシレート(n=2;x>0;y>0;m=5;z=0)が挙げられる。
さらに、遠位のEOブロックを有するそのようなアルコールポリアルコキシレートの特定の実施形態は、PO-EOブロックアルコキシレート(n=2;x>0;y>0;m=3;z=0)に代表され、この場合、POとEO(xとy)の比は、好ましくは1:10〜3:1、特に1.5:1〜1:6である。これに関し、エトキシ化度(yの値)は、一般に1〜20、好ましくは2〜15、特に4〜10であり、またプロポキシル化度(xの値)は、一般に0.5〜10、好ましくは0.5〜6、特に1〜4である。総アルコキシル化度(すなわち、EO単位とPO単位の合計)は、一般に1.5〜30、好ましくは2.5〜21、特に5〜14である。
別の特定の実施形態によれば、m=5であり、x>0である式(I)で表されるアルコールポリアルコキシレートを利用する。これに関し、PeO型のアルコールポリアルコキシレートが含まれる。これに関し、PeOとEO(xとy)の比が1:50〜1:3、特に1:25〜1:5である、PeO-EOブロックアルコキシレート(n=2;y>0;z=0)が特に好ましい。これに関し、ペントキシル化度(xの値)は、一般に0.5〜20、好ましくは0.5〜4、特に0.5〜2であり、またエトキシ化度(yの値)は、一般に3〜50、好ましくは4〜25、特に5〜15である。総アルコキシル化度(すなわち、EO単位とPeO単位の合計)は、一般に3.5〜70、好ましくは4.5〜45、特に5.5〜17である。
特定の実施形態によれば、アルコールポリアルコキシレートは末端基修飾されていない(すなわち、R6は水素である)。
本発明の好ましい実施形態によれば、アルコールポリアルコキシレートのアルコール部分は、5〜30個、好ましくは8〜20個、特に9〜15個の炭素原子を含む、それ自体は公知のアルコールまたはアルコールの混合物に基づく。本明細書では、特に、約8〜20個の炭素原子を有する脂肪アルコールを挙げることができる。周知のように、これらの脂肪アルコールの多くは非イオン性界面活性剤およびアニオン性界面活性剤の製造に用いられており、その目的で、アルコールは、例えばアルコキシル化またはグリコシド化による適切な官能化(functionalization)が施される。
アルコール部分は、直鎖であっても分岐鎖であっても環状であってもよい。アルコール部分が直鎖である場合、特に14〜20個(例えば16〜18個)の炭素原子を有するアルコールを挙げることができる。アルコール部分が分岐鎖である場合、アルコール部分の主鎖は、特定の実施形態によれば、一般に1〜4個の分岐を有するものであって、混合物の平均分岐数が所定の範囲内にある限り、さらに高分岐度または低分岐度のアルコールを追加のアルコールアルコキシレートとの組合せで用いることができる。
アルコール部分は、飽和であっても不飽和であってもよい。アルコール部分が不飽和の場合、特定の実施形態によれば、1個の二重結合を有する。一般に、アルコール部分の分岐は、互いに独立して、それぞれ、1〜10個、好ましくは1〜6個、特に1〜4個の炭素原子を有する。特定の分岐は、メチル基、エチル基、n-プロピル基またはイソプロピル基である。
好適なアルコール、特に脂肪アルコールは、天然起源から、例えば抽出により、場合によっては必要に応じて、グリセリドおよび脂肪酸の加水分解、エステル交換および/または水素化により得ることができ、また、合成的には、例えば、より小さい炭素原子数を有する抽出物から合成することにより得ることができる。従って、例えば、SHOP法(シェル高級オレフィン法(Shell Higher Olefin Process))によって、エーテルから出発して、さらに界面活性剤を製造するのに適した炭素原子数を有するオレフィン画分を得る。これに関し、対応するアルコールを得るためのオレフィンの官能化は、例えば、ヒドロホルミル化および水素化によって実施する。
アルコキシル化は、好適なアルキレンオキシドとの反応から得られる。一般的なアルコキシル化度は、反応において選択されるアルキレンオキシドの量および反応条件によって決まる。これに関し、反応から得られるアルコールポリアルコキシレートのアルキレンオキシド単位の数は様々であるので、一般に統計上の平均値が関係する。
アルコキシル化度、すなわち、本発明により用いられるアルコールポリアルコキシレートのポリエーテル鎖の平均鎖長は、アルコールとアルキレンオキシドのモル比により決定することができる。好ましいアルコールポリアルコキシレートは、約2〜100、好ましくは約2〜50、特に3〜30、とりわけ4〜20、殊に5〜15のアルキレンオキシド単位を有するものである。
アルコールまたはアルコールの混合物とアルキレンオキシドの反応は、当業者に公知の慣用の方法にしたがって、その目的の慣用の設備を用いて実施する。
アルコキシル化反応は、強塩基、例えばアルカリ金属水酸化物およびアルカリ土類金属水酸化物、ブレンステッド酸またはルイス酸、例えばAlCl3、BF3などにより触媒反応を受け得る。狭い分布のアルコールアルコキシレートには、ハイドロタルサイトまたはDMCなどの触媒を用いることができる。
アルコキシル化は、約80〜250℃、好ましくは約100〜220℃の範囲の温度で実施するのが好ましい。圧力は、大気圧〜600barの範囲であるのが好ましい。所望により、アルキレンオキシドは、例えば約5〜60%の不活性ガス混合物を含んでいてもよい。
好ましい実施形態によれば、本発明により用いられるアルコールポリアルコキシレートは、式(IV):
Figure 2009513609
[式中、
R10およびR11は、互いに独立して、水素またはC1-C26-アルキルである]
で表される第1級α分枝アルコールに基づく。
好ましくは、R10およびR11は、互いに独立して、C1-C6-アルキル、特にC2-C4-アルキルである。
特定の実施形態によれば、2-プロピルヘプタノールがアルコール部分であるアルコールポリアルコキシレートを用いる。これには、特に、R7が2-プロピルヘプチル基、すなわち、式(IV)中のR10とR11がそれぞれn-プロピルである、式(I)で表されるアルコールポリアルコキシレートが含まれる。
かかるアルコールは、ゲルベ(Guerbet)アルコールとも呼ばれる。これは、例えば、高温(例えば180〜300℃)で、水酸化カリウムなどのアルカリ縮合触媒の存在下で、対応する第1級アルコール(例えば、R10,11-CH2CH2OH)を二量化することにより得ることができる。ゲルベアルコールに基づく本発明の好ましい実施形態においては、特にEO型のアルコキシレートを使用する。特に好ましいのは、エトキシ化度が2〜50、好ましくは2〜20、特に約3〜10のエトキシレートである。これらの中でも、特に、適切にエトキシ化された2-プロピルヘプタノールを挙げることができる。
さらなる特定の実施形態によれば、アルコール部分がC13-オキソアルコールであるアルコールポリアルコキシレートを用いる。
これらのC13-オキソアルコールは、不飽和のC12-炭化水素をヒドロホルミル化し、その後水素化することによって、特に、ヒドロホルミル化したブテン三量体を水素化するか、ヒドロホルミル化したヘキセン二量体を水素化することによって得るのが特に好ましい。
「C13-オキソアルコール」という用語は、一般的には、その主成分が、少なくとも1種のC13-アルコール(イソトリデカノール)により形成されているアルコール混合物を意味する。かかるC13-アルコールとしては、特に、テトラメチルノナノール、例えば2,4,6,8-テトラメチル-1-ノナノールまたは3,4,6,8-テトラメチル-1-ノナノール、さらにはエチルジメチルノナノール、例えば5-エチル-4,7-ジメチル-1-ノナノールなどが挙げられる。
好適なC13-アルコール混合物は、一般的には、ヒドロホルミル化したブテン三量体の水素化により得ることができる。特に、以下のステップで処理することができる:
1)ブテンをオリゴマー化するために好適な触媒と接触させるステップ、
2)C12-オレフィン画分を反応混合物から単離するステップ、
3)C12-オレフィン画分を、好適な触媒の存在下で一酸化炭素および水素と反応させることによりヒドロホルミル化するステップ、および、
4)水素化するステップ。
水素化の前のブテンの三量化は、均一系または不均一系触媒を用いて実施することができる。
C12-オレフィン画分は、まず、記載したオリゴマー化反応の反応生成物から1種または複数の分離段階において単離する。この画分は、次のヒドロホルミル化および水素化によって、使用可能なC13-アルコール混合物を製造するのに好適である(処理段階2)。好適な分離装置は、当業者に公知の通常の装置である。
本発明によるアルコール混合物を製造するために、単離したC12-オレフィン画分をヒドロホルミル化してC13-アルデヒドを得て(処理段階3)、続いて水素化して、C13-アルコールを得る(処理段階4)。これに関しては、アルコール混合物は、単一段階か、2つの別々の反応段階で製造することができる。
ヒドロホルミル化工程の概説と好適な触媒は、Bellerら, Journal of Molecular Catalysis A 104 (1995), pp.17-85に開示されている。
水素化については、ヒドロホルミル化で得た反応混合物を、水素化触媒の存在下で水素と反応させる。
さらなる好適なC13-アルコール混合物は、以下のステップにより得ることができる:
1)C4-オレフィン混合物をメタセシス反応で処理するステップ、
2)6個の炭素原子を含むオレフィンをメタセシス混合物から分離するステップ、
3)分離したオレフィンを、個別にまたは混合物として二量化し、12個の炭素原子を含むオレフィン混合物を得るステップ、および、
4)それにより得られたオレフィン混合物を(場合よっては分留後に)誘導体化して、C13-オキソアルコールの混合物を得るステップ。
本発明によるC13-アルコール混合物は、成分(a)として使用するために、水素化後に得られる混合物から当業者に公知の慣用の精製法により(特に分留により)純粋なものとして得ることができる。
本発明によるC13-アルコール混合物は、一般的に、ブテン三量体に基づく場合には1〜4、好ましくは2.0〜2.5、特に2.1〜2.3の平均分枝度を有し、あるいはヘキセン二量体に基づく場合には1.3〜1.8、特に1.4〜1.6の平均分枝度を有する。分岐度は、アルコール1分子中のメチル基数から1を引いた数として定義される。平均分枝度は、サンプルの分子の分枝度の統計的平均値である。サンプルの分子中の平均メチル基数は、1H-NMR分光分析により容易に測定することができる。この目的においては、サンプルの1H NMRスペクトル中のメチルプロトンに対応するシグナル領域を3で割り、2で割ったCH2-OH基のメチレンプロトンのシグナル領域と比較する。
C13-オキソアルコールに基づくこの特定の実施形態の範囲内においては、エトキシ化されているか、またはEO/PO型のブロックアルコキシレートであるアルコールアルコキシレートが特に好ましい。
本発明により使用するエトキシ化C13-オキソアルコールのエトキシ化度は、通常、1〜50、好ましくは3〜20、特に3〜10、とりわけ4〜10、特に5〜10である。
本発明により使用するEO/POブロックアルコキシレートのアルコキシル化度は、ブロックの位置によって決まる。POブロックが末端に位置する場合、EO単位とPO単位の比は、一般的に少なくとも1、好ましくは1:1〜4:1、特に1.5:1〜3:1である。これに関しては、エトキシ化度は、一般的に1〜20、好ましくは2〜15、特に4〜10であり、プロポキシル化度は、一般的に1〜20、好ましくは1〜8、特に2〜5である。総アルコキシル化度、すなわちEO単位とPO単位の合計は、一般的に2〜40、好ましくは3〜25、特に6〜15である。一方、EOブロックが末端に位置する場合、POブロックとEOブロックの比はそれほど重要でなく、一般的に1:10〜3:1、好ましくは1:1.5〜1:6である。これに関しては、エトキシ化度は、一般的に1〜20、好ましくは2〜15、特に4〜10であり、プロポキシル化度は、一般的に0.5〜10、好ましくは0.5〜6、特に1〜4である。一般的に、総アルコキシル化度は、一般に1.5〜30、好ましくは2.5〜21、特に5〜14である。
さらなる特定の実施形態によれば、アルコール部分がC10-オキソアルコールであるアルコールポリアルコキシレートを用いる。「C10-オキソアルコール」という用語は、既に説明した用語「C13-オキソアルコール」と同様に、少なくとも1つの分枝C10-アルコール(イソデカノール)から形成される主成分を有するC10-アルコール混合物を表す。
好適なC10-アルコール混合物は、ヒドロホルミル化されたプロペン三量体を水素化することにより得るのが特に好ましい。
特に、以下のステップで得ることができる:
1)プロペンを、オリゴマー化のために好適な触媒と接触させるステップ、
2)C9-オレフィン画分を反応混合物から単離するステップ、
3)C9-オレフィン画分を、好適な触媒の存在下で、一酸化炭素および水素との反応によりヒドロホルミル化するステップ、および、
4)水素化するステップ。
この方法の特定の実施形態は、ヒドロホルミル化された三量体ブテンの水素化について上述した実施形態と同様にして行う。
C10-オキソアルコールに基づくこの特定の実施形態の範囲内においては、エトキシ化されているか、またはEO-PeO型のブロックアルコキシレートであるアルコールアルコキシレートが特に好ましい。
本発明により用いるエトキシ化されたC10−オキソアルコールのエトキシ化度は、一般的に2〜50、好ましくは2〜20、特に2〜10、とりわけ3〜10、特に3〜10である。
本発明により使用するEO/PeOブロックアルコキシレートのアルコキシル化度は、ブロックの位置によって決まる。PeOブロックが末端に位置する場合、EO単位とPeO単位の比は、一般的に少なくとも1、好ましくは2:1〜25:1、特に4:1〜15:1である。これに関して、エトキシ化度は、一般的に1〜50、好ましくは4〜25、特に6〜15であり、ペントキシル化度は、一般的に0.5〜20、好ましくは0.5〜4、特に0.5〜2である。総アルコキシル化度、すなわちEO単位とPeO単位の合計は、一般的に1.5〜70、好ましくは4.5〜29、特に6.5〜17である。一方、EOブロックが末端に位置する場合、PeOブロックとEOブロックの比はそれほど重要でなく、一般的に1:50〜1:3、好ましくは1:25〜1:5である。これに関して、エトキシ化度は、一般的に3〜50、好ましくは4〜25、特に5〜15であり、ペントキシル化度は、一般的に0.5〜20、好ましくは0.5〜4、特に0.5〜2である。総アルコキシル化度は、一般的に3.5〜70、好ましくは4.5〜45、特に5.5〜17である。
以上の実施形態から、特に、本発明により使用するC13-オキソアルコールまたはC10-オキソアルコールは、既に分岐しているオレフィンに基づくことになる。言い換えれば、分枝は、直鎖オレフィンのヒドロホルミル化の場合のような、ヒドロホルミル化反応に影響を受けるだけではない。従って、本発明により使用するアルコキシレートの分枝度は、一般的に1より大きい。
本発明により使用するアルコキシレートは、一般的に比較的小さい接触角を示す。特に好ましいのは、アルコキシレートを2重量%含有する水溶液に対してパラフィン表面上で、それ自体は公知の方法により測定したときに、120°未満、好ましくは100°未満の接触角をもつアルコキシレートである。
一態様によれば、ポリアルコキシレートの界面活性特性は、ポリアルコキシレート群(grouping)のタイプと分布によって決まる。懸滴法(pendant drop method)により測定可能な、本発明により使用するポリアルコキシレートの表面張力は、ポリアルコキシレート0.1重量%を含む溶液に対して25〜70mN/m、特に28〜50mN/mの範囲にあり、ポリアルコキシレート0.5重量%を含む溶液について25〜70mN/m、特に28〜45mN/Mの範囲にあることが好ましい。本発明により使用するアルコキシレートは、好ましくは両親媒性物質である。
式(I)で表される典型的な商品は当業者に周知である。これらは、例えば、「Lutensoles」の一般商品名でBASFから販売されており、基剤のアルコールにより区別されている、A、AO、AT、ON、APおよびFAのLutensolesのシリーズがある。さらに、含まれている数字はエトキシ化度を示す。すなわち、例えば、「Lutensol AO 8」は、8つのEO単位を有するC13-15-オキソアルコールである。「Lutensol ED」は、アルコキシル化されたアミン類のシリーズを表す。
本発明によるポリアルコキシレートのさらなる例は、Akzo製の製品、例えば、直鎖または分岐鎖のアルコールに基づく「Ethylan」シリーズである。すなわち、例えば、「Ethylan SN 120」は10個のEO単位を含むC10-12-アルコールであり、また、「Ethylan 4 S」は4個のEO単位を含むC12-14-アルコールである。
さらに、本発明によるポリアルコキシレートのさらなる例は、ノニルフェノールに基づくAkzo製(以前はWitco)の「NP」という製品である。
本発明によるポリアルコキシレートのさらなる例は、ヒマシ油エトキシレート(ヒマシ油-EOx)、例えばAkzo製の「Emulphon CO」の製品のシリーズまたは「Emulphon EL」の製品のシリーズの製品であり、例えば15個のEO単位を含む「Emulphon CO 150」、あるいはヤシ油アミンまたは獣脂アミンに基づく「Ethomee」シリーズの製品、例えば「Ethomee C/25」(25個のEO単位を含むヤシ油アミン)である。
本発明によるアルコキシレートには、さらに「狭い分布」の製品も含まれる。これに関して、「狭い分布」という表現は、EO単位数にかなり狭い分布があることを表す。これらには、例えばAkzo製の「Berol」シリーズの製品が挙げられる。
さらに、ソルビタンエステルエトキシレート、例えば「Armotan AL 69-66 POE(30)ソルビタンモノタレート(sorbitan monotallate)」(すなわち、ソルビトールでエステル化され、続いて、エトキシ化された不飽和脂肪酸)も、本発明によるものである。
異なるポリアルコキシレートの混合物も成分(a)として用いることができる。
本発明の特定の実施形態によれば、製剤は、アルコキシレートを少なくとも20重量%、好ましくは少なくとも25重量%、特に少なくとも30重量%含む。
本発明のさらなる特定の実施形態によれば、製剤は、アルコキシレートを最大で70重量%、好ましくは最大で60重量%、特に最大で45重量%含む。
一般に、担体成分(b)としては、固体で比較的高分子量の(例えば、ポリマーまたはマクロマーの)有機スルホネートを使用することができる。本明細書では、「スルホネート」という用語は、スルホネートアニオンおよび好適なカチオンからなる塩を表す。
これに関して、比較的高分子量のスルホネートは、水溶性であるのが好ましい。従って、本発明によるスルホネートは、一般に水に不溶性である無機固体に基づいている典型的な担体とは異なって、固体製剤の製造において、溶解された形態で(好ましくは水性原液として)導入することができる。これにより、これらは、成分(a)の担体として特に有効に作用する。
好適な比較的高分子量のスルホネートは、一般に、少なくとも約1 kDa、好ましくは少なくとも約2.5 kDa、特に少なくとも約5 kDaの重量平均分子量(ポリスチレンスルホネートを検量標準として使用するゲル透過クロマトグラフィーによって測定される)を有する。例えば、約6〜7 kDaの重量平均分子量(例えば「Tamol NN」シリーズ)、または約20 kDaの重量平均分子量(例えば「Tamol NH」シリーズ)を有する。さらなる態様によれば、好適な比較的高分子量のスルホネートは、例えば、約1 kDa(例えば「Tamol NN」シリーズ)、または約2 kDa(例えば「Tamol NH」シリーズ)の重量平均分子量(ポリスチレンスルホネートを検量標準として使用するゲル透過クロマトグラフィーによって測定される)を有しており、その結果、好適な比較的高分子量のスルホネートの多分散性指数は、一般に、約2〜20の範囲、好ましくは5〜15の範囲にあり、例えば、約6(例えば「Tamol NN」シリーズ)または約20(例えば「Tamol NH」シリーズ)である。好適な比較的高分子量のスルホネートのさらなる特性は、例えば、かさ密度が約450〜550g/L固体であるか、密度が約1.17〜約1.23g/mLであり、かつ粘度が液体で約20〜約80 mPa・sであり、さらに中性〜アルカリ性の挙動を示す(水性溶液のpH値は約7〜10)。
本発明の好ましい実施形態によれば、リグノスルホネートを用いる。
リグノスルホネートは、植物中で(特に木本植物中で)、以下の3種類のフェニルプロパノールモノマーから順次重合されることにより生じるリグニンから製造する:
A) 3-(4-ヒドロキシフェニル)-2-プロペン-1-オール(p-クマリルアルコール)、
B) 3-(3-メトキシ-4-ヒドロキシフェニル)-2-プロペン-1-オール(コニフェリルアルコール)、
C) 3-(3,5-ジメトキシ-4-ヒドロキシフェニル)-2-プロペン-1-オール(シナピルアルコール)。
巨大高分子リグニン構造の合成における第1のステップは、酵素でこれらのモノマーから水素を除去し、フェノキシ基を提供することである。これらのフェノキシ基間でランダムなカップリング反応が起こると、三次元の非晶質ポリマーが生じる。これには、他の大部分の生体高分子とは異なり、規則的配置または繰り返し単位がない。この理由から、「平均」構造に関する各種モデルが提案されてはいるが、リグニン構造の定義は説明することができない。リグニンのモノマーは9個の炭素原子を含むため、分析データはC9-化学式という書き方で表されることが多い。例えば、ピセア・アビエス(Picea abies)のリグニンはC9H8.3O2.7(OCH3)0.97であり、ユーカリプツス・レグナンス(Eucalyptus regnans)のリグニンはC9H8.7O2.9(OCH3)1.58である。
ある任意の生物種の異なる組織、細胞および細胞壁層間でみられるように、植物の異なる分類間にリグニンの同一性がないことは当業者に周知である。針葉樹、広葉樹および草から得られるリグニンは、グアイアシル(3-メトキシ-4-ヒドロキシフェニル)、シリンギル(3,5-ジメトキシ-4-ヒドロキシフェニル)、および4-ヒドロキシフェニル単位の含有量の点で異なっている。針葉樹由来のリグニンは、主としてコニフェリルアルコールからなっているが、一方、広葉樹由来のリグニンは、種々の比率のグアイアシルとシリンギルの単位からなっており、リグニンの組成は、針葉樹に比べると広葉樹において変化がより大きい。広葉樹由来の典型的なリグニンのメトキシル含量は、フェニルプロパン単位当たり1.20〜1.52メトキシル基で変化する。草本植物由来のリグニンは、一般に、メトキシルとC9単位の比率が1未満のシリンギルプロパンを低含量で含んでいる。
またリグニンの組成は、樹齢に依存し(例えば、ポプラの木では、十分に成長した木質部中のシリンギルのグアイアシルに対する比は、若い木の木質部または師部中の場合よりも高い)、かつ細胞壁中のリグニンの形態学上の位置にも依存する。例えば、カバの木では、繊維細胞の二次細胞壁中のリグニンは、ほとんどがシリンギル単位からなっているが、その繊維の中央部ラメラおよび細胞隅部中のリグニンは、主としてグアイアシル単位を含んでいる。広葉樹では、上部の細枝および枝などの張力下にある樹木から得られたリグニンは、正常な樹木のリグニンに比べるとシリンギルプロパン単位を多く含んでいる。一方、針葉樹では、下部の細枝および枝などの圧力下にある樹木は、4-ヒドロキシフェニル単位に富んでいる。
リグニン中のフェニルプロパン単位の3分の2以上はエーテル結合によって結合されており、残りの部分は炭素-炭素結合により結合されている。
リグニンの化学的挙動は、主として、フェノール基、ベンジル基およびヒドロキシカルボニル基の存在によって決まり、その頻度は、上述の因子および単離方法によって変り得る。
リグノスルホネートは、パルプ製造において、リグニンのスルホン化と一定量の脱メチル化を起こす、亜硫酸作用下で副産物として形成される。リグニンと同様、これらは構造と組成は多様である。リグノスルホネートは、全pH領域にわたって水に可溶性であるが、一方、エタノール、アセトンおよび他の一般的な有機溶媒には不溶性である。以下のC9化学式は、針葉樹のリグノスルホネートに典型的なものである:
C9H8.5O2.5(OCH3)0.85(SO3H)0.4 ;e280=3.0×103 L (C9単位の重量)-1 cm-1 ;λmax=280nm;フェノールヒドロキシル含量 0.5meq./g。
リグノスルホネートは、界面活性がわずかしかない。リグノスルホネートは、液体間の界面張力を低下させる傾向がわずかしかなく、水の表面張力の低下またはミセル形成には適さない。これらは、基質の吸着/脱着および電荷形成により分散剤として機能し得る。しかし、これらの界面活性は、リグニン構造中に長鎖アルキルアミンを導入することで高めることができる。
リグノスルホネートを単離・精製する方法は、当業者には周知である。Howard法では、使用済みの亜硫酸パルプ廃液に過剰の石灰を添加することにより、リグノスルホン酸カルシウムが沈殿する。また、リグノスルホネートは、長鎖アミンで不溶性の第4級アンモニウム塩を形成させることによって単離することもできる。工業規模においては、限外濾過とイオン交換クロマトグラフィーをリグノスルホネートの精製に用いることができる。
本発明により使用可能なリグノスルホネートのシリーズは、例えば、Ameri-Bond、Dynasperse、Kelig、Lignosol、Marasperse、Norlig (Daishowa Chemicals)、Lignosite (Georgia Pacific)、Reax (Mead Westvaco)、Wafolin、Wafex、Wargotan、Wanin、Wargonin (Holmens)、Vanillex (Nippon Paper)、Vanisperse、Vanicell、Ultrazine, Ufoxane (Borregaard)、Serla-Bondex、Serla-Con、Serla-Pon、Serla-Sol (Serlachius)、Collex、Zewa (Wadhof-Holmes)、またはRaylig (ITT Rayonier)などの多くの商品名で市販されている。
本発明のさらなる好ましい実施形態によれば、合成の高分子スルホネートを成分(b)として用いる。
これに関しては、さらに、比較的高分子量のスルホネートが、スルホン化芳香族化合物、アルデヒドおよび/またはケトン、ならびに適宜、非スルホン化芳香族化合物、尿素および尿素誘導体より選択される化合物に基づく縮合生成物であるのが特に好ましい。
この点に関しては、スルホン化芳香族化合物は、ナフタレンスルホン酸、インダンスルホン酸、テトラリンスルホン酸、フェノールスルホン酸、ジ-およびポリ-ヒドロキシベンゼンスルホン酸、スルホン化ジトリルエーテル、スルホメチル化4,4'-ジヒドロキシジフェニルスルホン、スルホン化ジフェニルメタン、スルホン化ビフェニル、スルホン化ヒドロキシビフェニル、スルホン化テルペニル酸、およびベンゼンスルホン酸より選択するのが好ましい。
また、アルデヒドおよび/またはケトンは、脂肪族C1-C5-アルデヒドまたはC3-C5-ケトンより選択するのが好ましい。この点に関しては、脂肪族C1-C5-アルデヒドがホルムアルデヒドであるのが特に好ましい。
さらに、非スルホン化芳香族化合物は、フェノール、クレゾールおよびジヒドロキシジフェニルメタンより選択するのが特に好ましい。さらに、尿素誘導体は、ジメチロール尿素、メラミンおよびグアニジンより選択するのが好ましい。
特定の実施形態では、縮合生成物は、式(IIa):
Figure 2009513609
および/または式(IIb):
Figure 2009513609
および/または式(IIc):
Figure 2009513609
[式中、
R8は、水素、1個もしくは複数のヒドロキシル基または1個もしくは複数のC1-8-アルキル基であり;
q1は、100〜1010の値に対応し;かつ、
Aは、メチレン、1,1-エチレン、または以下の式:
Figure 2009513609
により表される基である]
による反復単位を含む。
上式では、結合の位置は特定されない。
好ましくは、Aはメチレンである。同様に、R8は、水素または3個以下ののC1-8-アルキル基、例えば、1または2個のC1-4-アルキル基であるのが好ましい。
かかる縮合生成物およびそれを製造するための方法および装置は、当業者にそれ自体は周知である。
さらなる特定の実施形態では、縮合生成物は、式(III):
Figure 2009513609
[式中、
R9は、水素、1個もしくは複数のヒドロキシル基または1個もしくは複数のC1-8-アルキル基であり;
q2は、100〜1010の値に対応し;
Aは、メチレン、1,1-エチレン、または以下の式:
Figure 2009513609
により表される基である]
による反復単位を含む。
上式では、結合の位置は特定されない。
R9は、ヒドロキシル基であるのが好ましい。
さらなる特定の実施形態では、スルホネートは、フェノールスルホン酸、ホルムアルデヒドおよび尿素の縮合生成物からなる群より選択される。かかる縮合生成物は、好ましくは、式(IIIa):
Figure 2009513609
[式中、
q2は、100〜1010の値に対応する]
による反復単位を含む。
かかる縮合生成物およびそれを製造するための方法および装置もまた、当業者にそれ自体は周知である。
比較的高分子量のスルホネートのさらなる実施形態は、エチレン的に不飽和なモノマーMから合成されたコポリマーCPであって、コポリマーCPを構成するモノマーMが、
α)少なくとも1個のスルホン酸基を有する、少なくとも1種のモノエチレン性不飽和モノマーM1、および、
β)少なくとも1種の中性のモノエチレン性不飽和モノマーM2
を含む、前記コポリマーCPを提供する。
コポリマーCPは、一般に「ランダムコポリマー」であり、すなわち、モノマーM1およびM2は、ポリマー鎖に沿ってランダムに配置されている。基本的に、交互コポリマーCPおよびブロックコポリマーCPもまた好適である。
コポリマーCPを構成するモノマーMは、本発明により、少なくとも1個のスルホン酸基を有する、少なくとも1種のモノエチレン性不飽和モノマーM1を含む。この点に関して、モノマーMに対するモノマーM1の比率は、モノマーMの総重量に対して一般に1〜90重量%、多くの場合1〜80重量%、特に2〜70重量%、とりわけ5〜60重量%である。
この点に関して、少なくとも1個のスルホン酸基を有するモノエチレン性不飽和モノマーはすべて、原則としてはモノマーM1として好適である。モノマーM1は、その酸形態および塩形態のどちらで存在していてもよい。記載した重量部は、この点に関して、酸形態に基づいている。
モノマーM1の例は、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、および下記の一般式(V)により定義したモノマー、ならびに上述のモノマーの塩である。
Figure 2009513609
式(V)において:
nは、0、1、2または3、特に1または2を表し、
Xは、OまたはNR15を表し;
R12は、水素またはメチルを表し;
R13およびR14は、互いに独立して、水素またはC1-C4-アルキル、特に水素またはメチルを表し、
R15は、水素またはC1-C4-アルキル、特に水素を表す。
一般式(V)で表されるモノマーM1の例は、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-メタクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-アクリルアミドエタンスルホン酸、2-メタクリルアミドエタンスルホン酸、2-アクリロイルオキシエタンスルホン酸、2-メタクリロイルオキシエタンスルホン酸、3-アクリロイルオキシプロパンスルホン酸、および2-メタクリロイルオキシプロパンスルホン酸である。
モノマーM1に加えて、コポリマーCPを構成するモノマーMは、少なくとも1種の中性のモノエチレン性不飽和モノマーM2を含む。「中性の」とは、モノマーM2が、水性条件下で酸または塩基として反応する官能基を有していないこと、あるいはイオン形態で存在することを意味する。モノマーM2の総重量は、モノマーMの総重量に対して一般に10〜99重量%、多くの場合20〜99重量%、特に30〜98重量%、とりわけ40〜95重量%となる。
モノマーM2の例は、水に対する限定された溶解度、例えば、50g/L未満、特に30g/L未満の(20℃および1013mbarにおける)水に対する溶解度を有するもの、および水に対する高溶解度、例えば、50g/L、特に80g/Lの(20℃および1013mbarにおける)水に対する溶解度を有するものである。水に対する限定された溶解度を有するモノマーはまた、これ以降、モノマーM2aとして記述する。水に対する高溶解度を有するモノマーはまた、これ以降、モノマーM2bとして記述する。
モノマーM2aの例としては、ビニル芳香族モノマー、例えばスチレンおよびスチレン誘導体、例えばα-メチルスチレン、ビニルトルエン、オルト-、メタ-およびパラ-メチルスチレン、エチルビニルベンゼン、ビニルナフタレン、ビニルキシレンおよび対応するハロゲン化ビニル芳香族モノマー、2〜12個の炭素原子を有するα-オレフィン類、例えばエテン、プロペン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、イソブテン、ジイソブテンなど、ジエン類、例えばブタジエンおよびイソプレン、脂肪族C1-C18-カルボン酸のビニルエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ラウリン酸ビニルおよびステアリン酸ビニル、ハロゲン化ビニル類、例えば塩化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニリデンまたはフッ化ビニリデン、モノエチレン性不飽和モノカルボン酸およびジカルボン酸の(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、またはイタコン酸の)モノ-およびジ-C1-C24-アルキルエステル類、上述のモノエチレン性不飽和モノ-およびジカルボン酸のモノ-およびジ-C5-C12-シクロアルキルエステル類、上述のモノエチレン性不飽和モノ-およびジ-カルボン酸とフェニル-C1-C4-アルカノールまたはフェノキシ-C1-C4-アルカノールとのモノエステルおよびジエステル類、またさらに、モノエチレン性不飽和エーテル類、特にC1-C20-アルキルビニルエーテル類、例えば、エチルビニルエーテル、メチルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、トリエチレングリコールビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、ビニル2-エチルヘキシルエーテル、ビニルプロピルエーテル、ビニルイソプロピルエーテル、ビニルドデシルエーテル、またはビニルtert-ブチルエーテルである。
モノマーM2aは、好ましくは、ビニル芳香族モノマー、アクリル酸とC2-C10-アルカノールとのエステル類、例えばエチルアクリレート、n-ブチルアクリレート、2-ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、tert-ブチルアクリレートまたは2-エチルヘキシルアクリレート、アクリル酸とC4-C10-シクロアルカノールとのエステル類、例えばシクロヘキシルアクリレート、アクリル酸とフェニル-C1-C4-アルカノールとのエステル類、例えばベンジルアクリレート、2-フェニルエチルアクリレートおよび1-フェニルエチルアクリレート、アクリル酸とフェノキシ-C1-C4-アルカノールとのエステル類、例えば2-フェノキシエチルアクリレート、メタクリル酸とC1-C10-アルカノール(特にC1-C6-アルカノール)とのエステル類、例えばメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、2-ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、tert-ブチルメタクリレートまたは2-エチルヘキシルメタクリレート、メタクリル酸とC4-C10-シクロアルカノールとのエステル類、例えばシクロヘキシルメタクリレート、メタクリル酸とフェニル-C1-C4-アルカノールとのエステル類、例えばベンジルメタクリレート、2-フェニルエチルメタクリレートおよび1-フェニルエチルメタクリレート、ならびにメタクリル酸とフェノキシ-C1-C4-アルカノールとのエステル類、例えば2-フェノキシエチルメタクリレートより選択される。特に好ましい実施形態では、モノマーM2aは、アクリル酸および/またはメタクリル酸とC1-C6-アルカノールとのエステル類を、モノマーM2aの総重量に対して少なくとも最大80%で、特に単独で含む。
水に対する溶解度が高いか、あるいは水に混和性である中性のモノエチレン性不飽和モノマーは、例えばUllmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, "Polyacrylates", 第5版、CD-ROM版, Wiley-VCH, Weinheim, 1997により当業者には公知である。典型的なモノマーM2bは、モノエチレン性不飽和モノカルボン酸の(特にアクリル酸およびメタクリル酸の)ヒドロキシ-C2-C4-アルキルエステル類、例えば2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、3-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシブチルアクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、3-ヒドロキシプロピルメタクリレート、2-ヒドロキシブチルメタクリレートまたは4-ヒドロキシブチルメタクリレート、さらにモノエチレン性不飽和モノカルボン酸のアミド類、例えばアクリルアミドまたはメタクリルアミド、さらにアクリロニトリルおよびメタクリロニトリル、N-ビニルラクタム類、例えばN‐ビニルピロリドンまたはN-ビニルカプロラクタム、脂肪族C1-C4-モノカルボン酸のN-ビニルアミド類、例えばN-ビニルホルムアミドまたはN-ビニルアセトアミド、尿素基を有するモノエチレン性不飽和モノマー、例えばN-ビニル尿素およびN-アリル尿素、ならびにまたイミダゾリジン-2-オンの誘導体、例えばN-ビニル-およびN-アリル-イミダゾリジン-2-オン、N-ビニルオキシエチルイミダゾリジン-2-オン、N-アリルオキシエチルイミダゾリジン-2-オン、N-(2-アクリルアミドエチル)イミダゾリジン-2-オン、N-(2-アクリロイルオキシエチル)イミダゾリジン-2-オン、N-(2-メタクリルアミドエチル)イミダゾリジン-2-オン、N-(2-メタクリロイルオキシエチル)イミダゾリジン-2-オン(=ウレイドメタクリレート)、N-[2-(アクリロイルオキシアセトアミド)エチル]イミダゾリジン-2-オン、N-[2-(2-アクリロイルオキシアセトアミド)エチル]イミダゾリジン-2-オンまたはN-[2-(2-メタクリロイルオキシ-アセトアミド)エチル]イミダゾリジン-2-オンなどである。
モノマーM2bは、アクリル酸およびメタクリル酸のヒドロキシ-C1-C4-アルキルエステル、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリルまたはN-ビニルラクタムより選択するのが好ましく、特にアクリル酸およびメタクリル酸のヒドロキシ-C2-C4-アルキルエステルが好ましい。特に、モノマーM2bは、少なくとも1種のアクリル酸および/またはメタクリル酸のヒドロキシ-C2-C4-アルキルエステルを、モノマーM2bの総重量に対して少なくとも最大80重量%で含む。
好ましくは、モノマーM2は、水中20℃で、50g/L未満、特に30g/L未満の溶解度を示す、少なくとも1種の上述のモノマーM2aを含む。コポリマーCPを構成するモノマーM中のモノマーM2aの割合は、典型的には、モノマーMの総重量に対して10〜99重量%、多くの場合20〜99重量%、特に30〜98重量%、とりわけ40〜95重量%の範囲である。
本発明の第1の好ましい実施形態では、モノマーM2aは、単独であるか、あるいは実質的には単独のモノマーM2で、モノマーM2の重量の少なくとも95重量%、特に少なくとも99%である。
本発明の第2の好ましい実施形態では、モノマーM2は、モノマーM2aに加えて、水中20℃で、少なくとも50g/L、特に少なくとも80g/Lの溶解度を示す、少なくとも1種のモノマーM2bを含む。対応して、コポリマーCPを構成するモノマーMは、モノマーM1に加えて、少なくとも1種の上述のモノマーM2a(特に、好ましいものとして挙げた少なくとも1種のモノマーM2a)と、少なくとも1種の上述のモノマーM2b(特に、好ましいものとして挙げた少なくとも1種のモノマーM2b)の両方を含む。
モノマーM1+M2bの総量は、多くの場合、モノマーMの総量に対して90重量%、特に80重量%、とりわけ70重量%を超えることはなく、モノマーMの総量に対して特に10〜90重量%、特に20〜80重量%、とりわけ30〜70重量%の範囲である。対応して、モノマーM2aは、多くの場合、モノマーMの総量に対して少なくとも10重量%、特に少なくとも20重量%、とりわけ少なくとも30重量%になり、その範囲は、例えば10〜90重量%、特に20〜80重量%、とりわけ30〜70重量%である。
この第2の特に好ましい実施形態では、モノマーMの総量に対して、モノマーM1は1〜80重量%、特に2〜70重量%、特に好ましくは5〜60重量%を占めるのが好ましく、モノマーM2aは10〜90重量%、特に20〜80重量%、特に好ましくは30〜70重量%を占めるのが好ましく、モノマーM2bは5〜89重量%、特に10〜78重量%、特に好ましくは20〜65重量%を占めるのが好ましい。これらのうち特に好ましいコポリマーCPは、その構成モノマーMが、モノマーM1として、式(V)で表される少なくとも1種のモノマーと、モノマーM2aとして、アクリル酸とC2-C10-アルカノールとのエステルおよびメタクリル酸とC1-C10-アルカノールとのエステルより選択される少なくとも1種のモノマーと、モノマーM2bとして、アクリル酸およびメタクリル酸のヒドロキシ-C2-C4-アルキルエステルより選択される少なくとも1種のモノマーとを含むものである。
さらに、コポリマーを構成するモノマーMは、モノマーM1およびM2とは異なる、さらなるモノマーM3を含んでいてもよい。モノマーMの総量中のモノマーM3の割合は、40重量%以下、特に20重量%以下を占めるのが好ましい。好ましい実施形態では、モノマーは、モノマーM1およびM2とは異なるモノマーM3を含まないか、あるいは3重量%以下、とりわけ1重量%以下で含む。
モノマーM3としては、少なくとも1個のカルボン酸基を有するモノエチレン性不飽和モノマー、特に3〜6個の炭素原子を有するモノエチレン性不飽和モノカルボン酸およびジカルボン酸(モノマーM3a)、例えばアクリル酸、メタクリル酸、ビニル酢酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸など、ならびに、上述のモノエチレン性不飽和ジカルボン酸の無水物が挙げられ、そのモノマーM3aの割合は、一般に、モノマーMの総量に対して20重量%、特に10重量%を超えない。
モノマーM3は、さらにポリエチレン性不飽和モノマー(M3b)を含んでいる。かかるモノマーM3の割合は、一般に、モノマーMの総量に対して2重量%以下、特に0.5重量%以下である。これらの例は、モノエチレン性不飽和カルボン酸のビニルエステルおよびアリルエステル類、例えばアリルアクリレートおよびアリルメタクリレート、ジオールまたはポリオールのジアクリレートおよびポリアクリレート類、例えばエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ブタンジオールジアクリレート、ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリス(ヒドロキシメチル)エタントリアクリレートおよびトリメタクリレート、またはペンタエリトリトールトリアクリレートおよびトリメタクリレート、さらに多官能性カルボン酸のアリルエステルおよびメタリルエステル類、例えばジアリルマレエート、ジアリルフマレートまたはジアリルフタレートである。また典型的なモノマーM3bは、ジビニルベンゼン、ジビニル尿素、ジアリル尿素、トリアリルシアヌレート、N,N'-ジビニル-およびN,N'-ジアリル-イミダゾリジン-2-オン、またさらにメチレンビスアクリルアミドおよびメチレンビスメタクリルアミドなどである。
さらに本発明により好ましいのは、1000〜500000ダルトン、特に2000〜50000ダルトン、とりわけ5000〜20000ダルトンの範囲の数平均分子量Mnを有するコポリマーCPである。重量平均分子量は、多くの場合、2000〜1000000ダルトン、特に4000〜100000ダルトン、とりわけ10000〜50000ダルトンの範囲である。Mw/Mnの比は、多くの場合、1.1:1〜10:1、特に1.2:1〜5:1の範囲である。
モル質量MWおよびMn、ならびにポリマーの均一性不足については、サイズ排除クロマトグラフィー(=ゲル透過クロマトグラフィー、または単にGPC)により測定する。検量用物質としては、市販のポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)標準単位を用いることができる。
一般に、本発明によるコポリマーは、−80℃〜160℃(一般には−40℃〜+100℃)の範囲のガラス転移温度Tgを示す。「ガラス転移温度Tg」という用語は、本明細書では、示差走査熱量測定法(DSC)によってASTM D 3418-82にしたがって測定する「中点温度」を意味するものと理解されたい(Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, 第5版, A 21巻, VCH Weinheim, 1992, p. 169、ならびにZosel, FarbeおよびLack, 82 (1976), pp. 125-134を参照さらたい。またDIN 53765も参照)。
これに関して、ポリマーを構成するモノマーMの各ホモポリマーのガラス転移温度からフォックスの方程式(Fox equation)(T.G. Fox, Bull. Am. Phys. Soc. (Ser. II), 1, 123 [1956]、およびUllmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, Weinheim (1980), pp. 17-18)を用いてコポリマーCPのガラス転移温度Tgを評価するのが有用であることがわかっている。後者は、例えば、Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, VCH, Weinheim, Vol. A 21 (1992), p. 169、またはJ. Brandrup and E.H. Immergut, Polymer Handbook, 第3版, J. Wiley, New York, 1989から公知である。
本発明によるコポリマーCPは、一部の場合、PCT/EP04/011797により公知であるか、あるいは、モノマーMのラジカル重合によって従来法により製造することができる。重合は、遊離基重合法または制御ラジカル重合法により実施することができる。また、1種または複数の反応開始剤を用いる重合は、溶液重合として、乳化重合として、懸濁重合として、沈殿重合として、またはバルク重合として実施することができる。重合は、バッチ的に、半連続的にまたは連続的に行なうことができる。
反応時間は、一般に1〜12時間の範囲である。反応が実施可能な温度範囲は、一般に20〜200℃、好ましくは40〜120℃の範囲である。重合圧力は二番目に重要であり、標準気圧またはわずかに陰圧(例えば>800mbar)の範囲で、あるいは陽圧(例えば10bar以下)下で行なうことができるが、より高圧または低圧も同様に用いることができる。
ラジカル重合用の反応開始剤としては、慣用のラジカル形成剤を用いる。好ましいのは、アゾ化合物、ペルオキシド化合物、またはヒドロペルオキシド化合物の群より選択される反応開始剤である。例としては、アセチルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、ラウリルペルオキシド、tert-ブチルペルオキシイソブチレート、カプロイルペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、2,2'-アゾビスイソブチロニトリル、2,2'-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、2,2'-アゾビス[2-メチル-N-(2-ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、1,1'-アゾビス(1-シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)または2,2'-アゾビス(N,N'-ジメチレンイソブチロアミジン)を挙げることができる。特にアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)が好ましい。反応開始剤は、通常、モノマーMの量に対して0.02〜5重量%、特に0.05〜3重量%の量で用いる。反応開始剤の最適量は、本来、用いる反応開始剤の系に依存し、当業者が通常の実験で決定することができる。反応開始剤は、反応槽内に部分的にまたは完全に投入することができる。好ましくは、反応開始剤の大部分を、特に反応開始剤の少なくとも80%、例えば80〜100%を重合工程中に重合リアクターに加える。
コポリマーCPの分子量は、少量の(例えば、重合するモノマーMに対して0.01〜5重量%の)調節剤(regulator)を添加することによって調整できるのは自明である。好適な調節剤は、特に有機チオ化合物、例えばメルカプトアルコール類、例えばメルカプトエタノール、メルカプトカルボン酸類、例えばチオグリコール酸またはメルカプトプロピオン酸、あるいはアルキルメルカプタン類、例えばドデシルメルカプタン、またさらにアリルアルコール類およびアルデヒド類である。
コポリマーCPは、特に、溶媒中のラジカル溶液重合によって製造される。溶媒の例は、水、アルコール類、例えばメタノール、エタノール、n-プロパノールおよびイソプロパノール、二極性の非プロトン性溶媒、例えばN-アルキルラクタム類、例えばN-メチルピロリドン(NMP)またはN-エチルピロリドン、さらにはジメチルスルホキシド(DMSO)または脂肪族カルボン酸のN,N-ジアルキルアミド類、例えばN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)またはN,N-ジメチルアセトアミド、あるいはさらに、ハロゲン化されてもよい芳香族、脂肪族および脂環式の炭化水素、例えばヘキサン、クロロベンゼン、トルエンまたはベンゼンである。好ましい溶媒は、イソプロパノール、メタノール、トルエン、DMF、NMP、DMSOおよびヘキサンである。特にDMFが好ましい。
スルホネートは、塩として、化学量論的量のカチオンを含む。好適なカチオンの例は、アルカリ金属カチオン類、例えばNa+またはK+、アルカリ土類金属イオン類、例えばCa2+およびMg2+、さらにアンモニウムイオン類、例えばNH4 +、テトラアルキルアンモニウムカチオン類、例えばテトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウムおよびテトラブチルアンモニウム、あるいはさらにプロトン化された第1級、第2級および第3級アミン類、特にC1-C20-アルキル基およびヒドロキシエチル基より選択される1、2または3個の基を有するもの、例えば、モノ-、ジ-、およびトリ-ブチルアミン、プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ヘキシルアミン、ドデシルアミン、オレイルアミン、ステアリルアミン、エトキシ化オレイルアミン、エトキシ化ステアリルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンまたはN,N-ジメチルエタノールアミンのプロトン化形態である。
本発明の好ましい実施形態では、スルホネートは、スルホン酸アンモニウム、スルホン酸アルカリ金属塩、スルホン酸アルカリ土類金属塩またはスルホン酸遷移金属塩である。
この点に関して、特に、それぞれ、アルカリ金属はナトリウムまたはカリウムであり、アルカリ土類金属はカルシウムまたはマグネシウムであり、遷移金属は銅であるのが好ましい。
さらに、異なるスルホネートの混合物も成分(b)として使用可能である。
好適なスルホネートは当業者に周知であり、例えば、BASF製の商品名「Tamol」および「Setamol」が市販されている。
また、成分(b)として基本的に好適である、スルホン酸を含むポリマーの例は、EP 707 445に開示されている。
この点に関して、製剤は、比較的高分子量のスルホネートを少なくとも15重量%、好ましくは少なくとも25重量%、特に少なくとも30重量%含むのが特に好ましい。
またこの点に関して、製剤は、比較的高分子量のスルホネートを最大で80重量%、好ましくは最大で70重量%、特に最大で55重量%含むのが特に好ましい。
本発明による固体製剤は、比較的高含有量のポリアルコキシレートを含む。比較的高分子量のスルホネートの量に対して、液体または低融点ポリアルコキシレートと比較的高分子量のスルホネートの重量比が少なくとも3:10、好ましくは少なくとも1:3、特に好ましくは1:2であるのが好ましい。しかし、液体または低融点ポリアルコキシレートと比較的高分子量のスルホネートの比は、3:1より大きく、好ましくは2:1より大きくてはならない。
本発明の一実施形態では、担体成分(b)中のスルホネートの一部は無機固体と置換されていてもよい。この実施形態では、成分(b)は、比較的高分子量のスルホネート(b1)に加えて、無機固体(b2)も含む。
担体成分(b)中で利用可能な無機固体は、特に、液体または低融点(特に油状)の補助剤、例えば本発明によるポリアルコキシレート(担体)などを利用するために固体製剤で慣用的に用いられているものである。この点について、主に、前述の補助剤の吸着を可能にする無機固体(吸着剤)が含まれる。
好適な無機固体は、一般に、水に難溶性であるか、または不溶性である。すなわち、20℃で1部の無機固体を溶解するのに、少なくとも100部、一般には少なくとも1000部、特に少なくとも10000部の水が必要である。しかし、難溶性または不溶性の無機固体は水中で膨潤する可能性がある。
特に無機固体としては、酸化アルミニウムに基づく物質、特に酸化アルミニウムおよびボーキサイト、ならびに二酸化ケイ素に基づく物質、特にシリケートおよびケイ酸塩鉱物、中でも特に珪藻土(キースラガー(kieselguhr)、珪藻岩(diatomite))、シリカ、葉ろう石(pyrophyllite)、タルク、雲母およびクレイ、例えばカオリナイト、ベントナイト、モンモリロナイトおよびアタパルジャイトなどが挙げられる。一部の無機塩類、例えばアルカリ土類金属炭酸塩、特に炭酸カルシウム(石灰石、チョーク)および炭酸マグネシウム、またさらに炭酸カルシウムマグネシウム、またアルカリ土類金属硫酸塩、特に硫酸カルシウム(例えば石膏)もまた基本的には好適である。ケイ酸塩のうち、例えば、Sipernatシリーズの製品(Degussa)、特にSipernat 22Sまたは50Sを挙げることができ、前記製品は、これらの目的で典型的に使用することができる。
しかし、上で挙げた成分(b2)として好適な無機固体は、本発明によれば、比較的低い割合で選択することができる。というのは、比較的高分子量のスルホネートがポリアルコキシレートの担体として実質的に作用するからである。その上、高い割合で無機固体を使用するのを避けることの利点は明らかである。
この効果を得るためには、成分(b)中の比較的高分子量のスルホネートの重量相対比は、一般に、無機固体の重量相対比よりも大きく、本発明によれば、比較的高分子量のスルホネートと無機固体の重量比は、好ましくは少なくとも2、好ましくは少なくとも5、特に少なくとも10である。
特に、製剤は、酸化アルミニウムに基づく物質を合計で10重量%未満、特に5重量%未満で含むのが好ましく、また、製剤が酸化アルミニウムに基づく物質を合計で実質的には含まないのが特に好ましい。
また、製剤は、珪藻土を合計で5重量%未満、特に2重量%未満で含むのが好ましく、製剤が珪藻土を合計で実質的に含まないのが特に好ましい。さらに、製剤は、カオリナイトを合計で5重量%未満、特に1重量%未満で含むのが好ましく、製剤がカオリナイトを合計で実質的に含まないのが特に好ましい。さらに、製剤は、ベントナイトを合計で5重量%未満、特に1重量%未満で含むのが好ましく、特に製剤がベントナイトを合計で実質的に含まないのが好ましい。
さらに、製剤は、クレイを合計で7.5重量%未満、特に1.5重量%未満で含むのが好ましく、製剤がクレイを実質的に含まないのが特に好ましい。
さらに、製剤は、二酸化ケイ素に基づく物質を合計で15重量%未満、特に2重量%未満で含むのが好ましく、製剤が二酸化ケイ素に基づく物質を実質的に含まないのが特に好ましい。
特定の実施形態によれば、製剤は、以下の無機固体:酸化アルミニウムに基づく物質、特に酸化アルミニウムおよびボーキサイト、ならびに二酸化ケイ素に基づく物質、特にシリケートおよびケイ酸塩鉱物、中でも特に珪藻土(キースラガー(kieselguhr)、珪藻岩(diatomite))、シリカ、葉ろう石(pyrophyllite)、タルク、雲母およびクレイ、例えばカオリナイト、ベントナイト、モンモリロナイトおよびアタパルジャイトを合計で15重量%未満、特に10重量%未満、特に好ましくは5重量%未満で含む。
製剤は、吸着剤を合計で1重量%未満で含むのが好ましく、特に製剤が吸着剤を合計で実質的に含まないのが好ましい。
さらに、製剤は、炭酸カルシウムを合計で5重量%未満、特に1重量%未満で含むのが好ましく、製剤が炭酸カルシウムを合計で実質的に含まないのが特に好ましい。さらに、製剤は、炭酸マグネシウムを合計で5重量%未満、特に1重量%未満で含むのが好ましく、製剤が炭酸マグネシウムを合計で実質的に含まないのが特に好ましい。
特定の実施形態によれば、製剤は、以下の無機固体:アルカリ金属およびアルカリ土類金属の炭酸塩、特に炭酸カルシウム(石灰石、チョーク)および炭酸マグネシウム、ならびに炭酸カルシウムマグネシウム、またアルカリ金属およびアルカリ土類金属の硫酸塩、特に硫酸カルシウム(例えば石膏)を合計で10重量%未満、特に5重量%未満、特に好ましくは1重量%未満で含むのが好ましい。
これに関して、製剤は、無機固体を合計で最大15重量%、好ましくは合計で最大10重量%、とりわけ最大5重量%、例えば最大1重量%で含むのが特に好ましく、とりわけ、担体成分(b)が無機固体を実質的に含まないのが好ましい。
特定の実施形態によれば、本発明は、成分(a)および(b)に加えて、成分(c)として追加の補助剤を含んでいてもよい固体製剤に関する。
任意成分(c)は多くのいろいろな目的を果たすことができる。従って、一般に、成分(c)は、異なる機能および特性をもつ数種類の物質の組み合わせからなる。好適な補助剤は、必要条件に基づいて当業者により慣例的に選択される。
下記のものが、成分(c)として特に好適である:
c1)界面活性補助剤;
c2)懸濁化剤、消泡剤、保持剤、pH緩衝剤、ドリフト防止剤、ならびに製剤の取り扱い性および/または物性を改善する他の補助剤;および
c3)キレート剤。
「界面活性補助剤」(c1)という用語は、本明細書においては、界面活性のある薬剤(surface-active agent)、例えば界面活性剤(surfactant)、分散剤、乳化剤または湿潤剤を意味する。
アニオン性、カチオン性、両性、および非イオン性界面活性剤を原則的に使用することができる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、以下のものが挙げられる:
・カルボン酸塩、特に脂肪酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩およびアンモニウム塩;
・アシルグルタミン酸塩;
・サルコシン酸塩、例えばラウリルサルコシネートナトリウム;
・タウリン酸塩;
・メチルセルロース;
・リン酸アルキル、例えば一リン酸アルキルエステルおよび二リン酸アルキルエステル;
・硫酸塩;
・モノマーのスルホン酸塩、特にアルキルスルホン酸塩およびアルキルアリールスルホン酸塩、とりわけ、アリールスルホン酸、アルキル置換アリールスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、例えば、フェノールスルホン酸、ナフタレンスルホン酸およびジブチルナフタレンスルホン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩およびアンモニウム塩、またはドデシルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルメチルエステルスルホン酸塩、またはモノアルキルもしくはジアルキルコハク酸エステルスルホン酸塩;
・タンパク質加水分解物および使用済みのリグニン亜硫酸廃液。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、以下のものが挙げられる:
・第4級アンモニウム塩、特にハロゲン化アルキルトリメチルアンモニウム、ハロゲン化ジアルキルジメチルアンモニウム、およびアルキル硫酸塩、ならびに、
・ピリジンおよびイミダゾリン誘導体、特にハロゲン化アルキルピリジニウム。
非イオン性界面活性剤としては、特に以下のものが挙げられる:
・グリセロールエステル、例えばモノステアリン酸グリセロール;
・糖界面活性剤、特にソルビトールエステル、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル(モノオレイン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン)、および一価または多価アルコールのエステル、例えばアルキル(ポリ)グリコシドおよびN-アルキルグルコンアミド;
・アルキルメチルスルホキシド;
・アルキルジメチルホスフィンオキシド、例えば、テトラデシルジメチルホスフィンオキシド;
・(AB)x、ABAおよびBAB型のジ-、トリ-およびマルチブロックポリマー、例えばポリスチレン-ブロック-ポリエチレンオキシド、およびABくし形ポリマー、例えばポリメタクリレートくし形ポリエチレンオキシド、特にエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマー、またはそれらの末端キャップ型誘導体。
両性界面活性剤としては、例えば、以下のものが挙げられる:
・スルホベタイン;
・カルボキシベタイン;および
・アルキルジメチルアミンオキシド、例えば、テトラジデシルジメチルアミンオキシド。
記載した群の1つに明確に割り当てられることができないもので、例として本明細書に記載可能なさらなる界面活性剤には、以下のものが含まれる:
・過フッ素化界面活性剤、
・シリコーン界面活性剤、
・リン脂質、例えばレシチンまたは化学修飾レシチン、
・アミノ酸界面活性剤、例えばN-ラウロイルグルタミン酸、ならびに、
・界面活性ホモポリマーおよびコポリマー、例えば、ポリビニルピロリドン、その塩の形態でのポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレンオキシド、無水マレイン酸/イソブテンコポリマーおよびビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー。
さらに、以下のものが特に湿潤剤として利用可能である:ジオクチルスルホスクシネート(例えば「Pelex OTP」)、ジアルキルスルホンイミド(「Leophen RBD」)、ジイソブチルナフタレンスルホネート(「Nekal BX」)、各種のアルキルアルキノール(alkylalkynols)(「Surfynol」、Bisterfeld)、アルキルアリールフェノールエーテルリン酸エステル(「Phospholan PNP」)、およびポリエチレングリコール(「Pluriol」)、ならびにまた記載した物質の組み合わせ。
製剤の総重量における界面活性補助剤成分(c1)の割合は、もし存在すれば、一般に、製剤の総重量に対して25重量%以下、好ましくは20重量%以下、特に15重量%以下、とりわけ10重量%以下である。
かかる界面活性補助成分は、一部の場合において、本発明による成分と組み合わせて用いられる、活性剤懸濁液および原液中に含まれる。あるいは、これらの成分は製剤の製造の好適な段階で別々に加えることができる。
消泡剤としては、特にシリコーン型のもの、例えば、Wacker社から販売されているのSilicone SLなどが挙げられる。
懸濁化剤、保持剤、pH緩衝液およびドリフト防止剤には、多くの利用可能な物質が含まれている。これらは当業者に周知である。
(c2)の追加の補助剤は、例えば、ダスティング防止剤(antidusting agent)、支持物質、顆粒構造を改良するポリマー、コーティング剤または顆粒用の高分子流動性向上剤である。かかる補助剤は当分野の従来技術に開示されており、当業者に周知である。親水性焼成シリカ、例えばAerosilブランド(Degussa)もまた、補助剤および/またはブロッキング防止剤として作用し得る。
製剤の総重量における界面活性補助剤成分(c2)の割合は、もし存在すれば、一般に、製剤の総重量に対して15重量%以下、好ましくは10重量%以下、特に5重量%以下である。
好ましいキレート剤は、重金属(特に遷移金属)を錯体化する化合物、例えばEDTAおよびその誘導体である。
製剤の総重量における成分(c3)の割合は、もし存在すれば、一般的に0.001〜0.5重量%、好ましくは0.005〜0.2重量%、特に0.01〜0.1重量%である。
製剤は、合計で最大で60重量%、好ましくは最大で45重量%、特に最大で30重量%の追加の補助剤(c)を含むのが好ましい。
典型的には、(c)に対する(a)および(b)の重量比は、少なくとも3、好ましくは少なくとも5である。
特定の実施形態によれば、本発明は、成分(a)、(b)、適宜(c)に加えて、成分(d)として水溶性無機塩を含んでいてもよい固体製剤に関する。
20℃で1部の無機塩を溶解するのに必要な水が20部未満、特に10部未満である場合、無機塩は水溶性である。成分(d)の利用可能な水溶性無機塩類は、特に農業上使用可能なものであって、例えば植物が利用できる無機質および微量元素である。
好適な水溶性無機塩類は、特にアルカリ金属塩およびアンモニウム塩に含まれ、特に好ましくはナトリウム、カリウムおよびアンモニウムの硫酸塩、塩化物、炭酸塩、硝酸塩およびリン酸塩で、特に好ましくは硫酸アンモニウムおよび硫酸水素アンモニウム、ならびにこれらの混合物である。特定の実施形態によれば、成分(d)は、実質的には硫酸アンモニウムからなる。
製剤の総重量における成分(d)の割合は、存在するならば、65重量%以下であり得る。好ましくは、製剤全体におけるその割合は、50重量%以下、好ましくは28.5重量%以下、特に好ましくは25重量%以下、例えば0重量%〜17.5重量%である。
成分(d)は、流動床顆粒用のベース固体として特に好適である。流動床乾燥中は、それに接着する固体芯を導入しなければ流動相からの規定の粒子のデノボ形成はできず、あるいは、固体核を添加しない流動床法では使用可能な粒度分布が得られないため、水溶性無機塩は、従って、流動床乾燥中、形成工程の核として機能を果たし得る。
比較的低い割合の成分(d)を含む固体製剤は、好ましい実施形態を確実に示す。この効果を得るためには、製剤全体における成分(d)の割合は、0〜10重量%、好ましくは0〜5重量%、特に0〜2重量%、例えば0重量%〜1重量%である。この実施形態では、しかしながら、存在する水溶性無機塩類は、製剤化の観点からは一般に特に重要ではない。典型的には、これらの成分は製造の結果として含まれている。すなわち、これらの成分は本発明による他の成分と一緒に加えられる。
従って、製剤は、合計で5重量%未満、特に2重量%未満の塩化ナトリウムを含むのが好ましく、製剤が合計で塩化ナトリウムを実施的に含まないのが特に好ましい。また従って、製剤は、合計で5重量%未満、特に2重量%未満の塩化カリウムを含むのが好ましく、製剤が合計で塩化カリウムを実質的に含まないのが特に好ましい。また従って、製剤は、合計で5重量%未満、特に2重量%未満の炭酸ナトリウムを含むのが好ましく、製剤が合計で炭酸ナトリウムを実質的に含まないのが特に好ましい。また従って、製剤は、合計で5重量%未満、特に2重量%未満のリン酸水素カリウムを含むのが好ましく、製剤が合計でリン酸水素カリウムを実質的に含まないのが特に好ましい。
特定の実施形態によれば、製剤は、合計で10重量%未満、特に5重量%未満、特に1重量%未満の以下の水溶性無機固体を含む:ハロゲン化アルカリ金属およびハロゲン化アルカリ土類金属、特に塩化ナトリウムおよび塩化カリウム、アルカリ金属硫酸塩、例えば硫酸ナトリウム、アルカリ金属炭酸塩、例えば炭酸ナトリウム、ならびにアルカリ金属およびアルカリ土類金属のリン酸塩、特にリン酸水素カリウム。
本発明の特定の実施形態では、製剤は実質的に無水であり、特に水分は総重量の5%未満、とりわけ2%未満である。
本発明の特定の実施形態では、製剤は低吸湿性であり、65%の大気湿度でのその水分が20重量%未満、好ましくは15重量%、特に好ましくは10重量%未満であるのが好ましい。
本発明の特定の実施形態では、組成物は粒子固体、特に顆粒または粉末である。
これに関して、顆粒が粗粒状であるのが特に好ましい。
さらにこれに関して、顆粒は、水分散性顆粒(WG)および水溶性顆粒(SG)より選択されるのが特に好ましく、これに関し、特に流動床顆粒(FBG)であってもよい。
さらに、粉末は、散粉用粉末(DF)、特に注入または浸透可能な粉末であるのが特に好ましく、さらに特に好ましくは、CIPAC MT 59試験法(「乾式篩法」)で測定した場合、1〜200μm、好ましくは2〜150μm、特に5〜100μmの範囲の粒径を持つ粉末である。
本発明の特定の実施形態では、製剤は、CIPAC MT 171試験法(「顆粒剤の粉塵度(dustiness)」)で測定した場合、実質的に粉塵(dust)を含んでいない。
本発明の特定の実施形態では、製剤は保管時に実質的に安定しており、特に、組成物は保管時に凝集せず、特に、製剤はCIPAC MT 172試験法(「水分の流動性(flowability of water)」)で測定した場合に、-10℃〜40℃の範囲の温度で、少なくとも8週間の保管、好ましくは少なくとも12週間の保管で凝集しない。
本発明の特定の実施形態では、製剤は、CIPAC MT 174試験法(「水分散性顆粒の分散性(dispersibility of water dispersible granules)」)で測定した場合、水中で分散性である。
本発明のさらなる内容は、本発明による固体製剤の製造法である。
本発明による固体製剤の実際の製造においては、一般に、市販品を使用し、その場合それはさらに溶媒(例えば水)、および他の添加物を含んでいてもよいが、好ましくは高濃度品を用いる。特に、使用する製品中には、比較的少量の無機物質(とりわけ無機塩類)が含まれていてもよい。すなわち、比較的高分子量のスルホネートは、製造の結果、無機塩類(特に無機アルカリ金属塩、例えば硫酸ナトリウム)を20重量%以下で含んでいてもよい。特に本発明によるポリアルコキシレートおよび比較的高分子量のスルホネートに関する重量パーセントおよび重量比などのすべての量は、名称で挙げた構成成分に基づいており、かかる市販品の使用時に、列挙した成分の製品中の実際の含量にしたがって変換される。
固体製剤は、本発明によれば、少なくとも成分の一部を含む、液体含有混合物から液体を除去し、少なくとも部分的に液体が除去された固体を得ることにより製造することができる。通常の成分は、適宜、液体を除去する前に導入し、かつ/または液体を除去した後に加えることができる。これに関して、当初投入は固体として行われるのが好ましい。混合が液体含有混合物として行われる場合、その後で再度液体を除去し、少なくとも部分的に液体が除去された固体を得ることができる。この液体は、好ましくは、1種または複数の成分に対する溶媒、特に水である。多段操作の間に、異なる液体を用いることもできる。
好ましい実施形態では、液体含有混合物は、成分(a)および(b)の少なくとも一部を含む。一般に、かかる流体含有混合物は、成分(a)および(b)の総量を含むのが望ましい。
本発明によれば、製剤は、液体をできるだけ速く除去することにより、すなわち、特にできるだけ速く乾燥させることにより製造するのが好ましい。使用可能なこれらの方法は、基本的には当技術分野においては周知である。液体の除去は、これ以降、「乾燥」と記載する。これに関し、重要なことは、局部的な(分子〜超分子)サイズ規模の液体の除去が十分に素早く行われることであり、これが本発明による固体形成に好影響を与える。一方、方法全体としては、適宜使用される供給物質でこれが可能であり、実施上の配慮点によりこれが望ましいと思われるようならば、例えば、流動床法で比較的多数の非常に薄い層を連続して適用することにより、比較的ゆっくりと行なうことができる。その場合、それらの各層自体は、素早く乾燥される。
本発明によれば、液体は、本発明による固体が得られる程度まで、あるいはわずかに超過する程度まで、除去されなければならい。液体を極端により多量に除去することは基本的にできるが、必ずしも望ましいとは限らない。その理由は、経験によれば、残存する水分含量が極端に少量の場合、機械的安定性と多くの顆粒の溶解特性が損なわれる可能性があるからである(「破壊的乾燥(destructive drying)」。この理論に限定されるものではないが、これに関して、過度に乾燥した場合には、顆粒で不適当な転位が生じ、架橋反応が起こり得ると基本的に考えれらる。特定の方法の生成物に対する理想的な乾燥程度は、この系が複雑であるがゆえに、多くの要因(例えば、所望の特性および顆粒の使用目的、投入原料の組成、実際の実施における最も好ましい工程の変更など)に依存し、その大部分は経験的に決定される。
本発明の好ましい実施形態によれば、液体の除去は、対流乾燥によって行なわれる。これに関して、好ましいのは、乾燥させる原料を液体またはペースト状の状態で噴霧する方法である。これには特に噴霧乾燥が含まれる。この方法では、液体含有原料が噴霧され(供給原料)、液体がガス流中で除去され、液体が部分的または完全に除去された原料が粒子状の排出生成物として得られる。この噴霧法には流動床法も含まれる。この方法では、固体原料(好ましくは粒状原料)が導入され(「当初投入」)、液体含有原料が噴霧され(「供給原料」)、液体がガス流中で除去され、これにより、導入された粒状原料と噴霧された原料が互いに結合し、液体が部分的または完全に除去された原料が粒状の「排出生成物」として導入した粒状原料と組み合わされて得られる。
さらなる好適な乾燥方法は、凍結乾燥(方法C)である。この方法もまた当業者には周知である。
各方法の生成物(一般には排出生成物)は、本発明により直ちに使用されるか、あるいは、その一部について、各施用剤形の製造におけるさらなる工程段階で当初投入として用いることができる。
本発明の特定の実施形態では、乾燥は、噴霧乾燥によって、例えば「噴霧塔」の使用によって行う(方法A)。
方法Aの具体的な実施形態では、本発明による固体製剤、例えば水溶性顆粒(SG)は、(a)、(b)、および適宜(c)の好適な液体含有混合物(例えば水性原液)を噴霧乾燥することにより、成分(a)、(b)および適宜(c)から製造する(方法A1)。これに関して、生成物の排出は連続的に行うのが好ましい。
成分(b2)を用いる場合、これを成分(a)、(b1)、および適宜(c)の混合物に液体含有スラリーまたは分散液として技術的に加え、その後噴霧乾燥することができる(「同時噴霧乾燥(co-spray-drying)」)。
成分(d)に該当する成分は、多くの場合、標準成分と一緒に、例えば市販品の形態で導入する。
本発明のさらなる特定の実施形態では、乾燥は流動床法(方法B)で行なう。
流動床法では、生成物の排出はバッチ的に行うのが好ましい(バッチ法)。この方法の適用においては、一般には好適な粒状原料(担体核)を導入する必要がある。それにより、次いで、実際の供給原料を本方法中に取り入れることができる。供給原料は、シングルまたはマルチの流動ノズルおよび/または底部ノズルから得ることができる。本方法の設定および制御に応じて、単層、少数層または多層がその核に加えられる。それぞれの個別の層は、本発明による固体の形成に有用であるためには十分速く乾燥されなければならないことに配慮されたい。これらの層の数および厚さの選択は、この系が複雑であることから、多くの要因(例えば、最も好ましい処理の可変部の実際の実施での、所望の特性および顆粒の使用目的、投入される原料の組成など)に依存し、大部分は経験的に決定される。
方法Bの特定の実施形態では、本発明による固体製剤、例えば水溶性顆粒(SG)は、成分(d)に基づく粒状原料(担体核)を導入し、成分(a)、(b)、および適宜(c)を、1種または複数の液体含有混合物(例えば水性原液)の形態で投入することにより製造する(方法B1)。
原則として、本発明は、固体製剤中の液体または低融点ポリアルコキシレートの固体担体としての、比較的高分子量のスルホネートの使用に関する。
本発明による固体製剤は、植物保護活性剤を含む組成物中の添加剤として、またはそのための固体担体として、特に有用である。つまり、本発明による固体製剤は、例えば、植物保護組成物の製造において、例えば流動床造粒法で、基材として用いることができ、または、本発明による単独の製品として、例えば、植物保護組成物中の効果促進添加剤としてタンクミックス法において用いることができる。これら固体製剤は、組成物中に存在する植物保護活性剤に対して、効果促進添加剤(相乗作用剤(booster))として作用する。したがって、本発明のさらなる対象は、本発明による固体製剤の、植物保護活性剤の効果の促進での使用である。
本発明の製剤は、同様に、木材保存の分野でも用いることができる。これに関してまた、本発明による固体製剤は、タンクミックス中に溶解され、いわゆる一時的木材保存(temporary wood preservation)または真空圧力法において用いられる。これに関して、一般的に、木材保護活性剤が溶解されたまま保つことが重要である。このことは特にタンクミックスに浸漬することに当てはまり、この場合、ポリアルコキシレートは木材への活性剤の浸透を増強する。SG製剤(例えば水に溶解されているもの)は、続いて、好ましくは「ミクロエマルジョン」ももたらす。ミクロエマルジョンは、木材保存において特に好ましい。
ここで、本発明を以下の実施例を用いてさらに詳しく説明するが、これらに限定されるものではない。
実施例1〜37:固体製剤
一連の固体製剤をV1、V2、V3またはV4の方法にしたがって製造し、評価した。
方法V1:凍結乾燥による製造
各成分を250ml容の丸底フラスコ中で水により処理し、室温(RT)で撹拌しながら、または50℃で穏やかに加熱しながら溶解した。次いで、この丸底フラスコをアセトン/ドライアイス浴中に置き、混合物を約−70〜−78℃で凍結し、塊状固体を得た。あるいは、液体窒素または液体空気を用いて凍結した。凍結は、通常ほんの数分間行った。
次いで、慣用の凍結乾燥装置にフラスコを接続した。凍結乾燥法は、量に依存して、最大48時間継続した(典型的には、0.5mbar未満の部分真空が設けられた)。
残渣をフラスコから単離し(すなわち、一般にはスパチュラで掻取ることで行い)、続いて、それらの特性を評価した。
方法V2:蒸発による製造
成分を水に溶解し、この量の一部分を深さ約1〜2mmのペトリ皿に置く。ペトリ皿を一定重量以下でホットプレート上に置き、この水性混合物を大気圧下での水の自然蒸発により100℃で乾燥させる。
方法V3:ロータリーエバポレーションによる製造
成分を水に溶解し、60℃で100〜約50mbarのロータリーエバポレーターで蒸発させた。
一部の製剤の成分、量、製造法および評価に関する詳細を以下の表1に挙げる。
Figure 2009513609
Figure 2009513609
Figure 2009513609
Figure 2009513609
方法A4:噴霧乾燥による製造
成分を水に溶解させ、以下の表2に記載した条件下で、Niro-Reiholb製の噴霧塔中で噴霧乾燥した(ディスク塔;高さ:6m;直径:1m;循環式ガスユニット、サイクロンおよびフィルターシステムを備えた二流体ノズル;窒素を使用;ノズルガス流速:11.5kg/h;ノズルガス認可圧:2.7bar;生成物入口温度:20℃)。
Figure 2009513609
得られた固形剤の残留含水量は、2.1%(実施例33)、1.7%(実施例34)または1.5%(実施例36)であった。
以下の表3は、使用した成分をまとめたものである。
Figure 2009513609
Figure 2009513609
この理論に限定するものではないが、噴霧乾燥時または凍結乾燥時に、比較的高分子量のスルホネートを、重量パーセントとして高比率、同一比率または類似比率のポリアルコキシレートとともに用いると固体粉末が得られるという所見の説明については、以下のメカニズムを提案する。
噴霧乾燥および凍結乾燥の両事例では、溶媒(一般に水)が原液から速やかに、かつ/または比較的穏やかに除去される。これに関して、まず、双極子-双極子およびファンデルワールス相互作用に加えて、さらに「テンプレート」効果(すなわち、多くの生物学上の高分子構造の形成で知られている方法と同じように、協働効果の結果として、予形成された超分子凝集体中での巨大分子の混入を多くすること、および/または変更すること)も関与することを特徴とする、会合体が存在するか、形成されると推定することができる。この場合、スルホネートのカチオンは、キレート状構造の形成を伴って、ポリアルコキシレート鎖と相互作用する。この方法で、比較的安定性の高い高分子カチオンまたはマクロマーカチオンおよび高分子アニオンまたはマクロマーアニオンが得られる。
空間中で自由度の高い配向をもつ(すなわち、分子の剛性が低い)高分子および/またはマクロマーの不安定アニオンは、多くの場合、同様に高分子および/マクロマーのカチオンとのみ、安定した格子または結晶構造を持つ固体を形成し、かつ/または、融点が50℃を超える会合体を形成し得ることは一般に周知である。顕微鏡による観察では、これらの主鎖会合体は、本発明による迅速または緩やかな速度論的に調節された溶媒の除去で残存している。肉眼的には、この操作により、典型的には空気比率が少なくとも20重量%でかさ密度が0.3〜0.9g/mlのもろい(loose)粉末または顆粒が最終的に得られる。
これとは異なり、例えばロータリーエバポレーター中で行われるような、本発明による混合物からの緩慢または緩やかでない溶媒の除去は、熱力学的制御下で分子会合体が分解するにつれて、高密度(>0.9g/ml)の薄膜またはペースト状塊を生じる。これは、計量することができず、植物保護顆粒の製造にはあまり適していない。
提案したこのメカニズムは単に本発明を説明するために記載したものであり、これに限定されるものではない。
実施例38:流動床によるエポキシコナゾールに基づく植物保護組成物の製造のための本発明の固体製剤の使用
エポキシコナゾールSC:
SC 1.5 kgは、EP 707 445 B1にしたがって、ラボラトリービーズミル中で、エポキシコナゾールを12.5%、Wettol LF 700を5%、Tamol NH 7519を2.5%、およびシリコンSRE(消泡剤)を0.1%含む水性混合物を粉砕することにより製造した。80%が2μm未満である粒度分布が得られた。
方法V5:流動床による製造
Huttlin製のFBGラボラトリーユニット(ターボジェットモデル)は、70℃で、約80m3の窒素流を用い、実施例33の固体製剤1.5kgを用いて流動化させる。次いで、2.5kgのエポキシコナゾールSCをユニットの3本の底部ノズルを通して45分以内に噴霧し、良好な分散特性を有する粗粒子状顆粒を得る。
2.0kgで計算した顆粒排出は、約1.9kgと計測され、エポキシコナゾールの活性剤の割合は約19%で、添加剤(Wettol LF 700)の割合は38%であった。
本発明による固体製剤は粉塵がなく、素早く水和し、容易に分散され、かつ非吸湿性であるか、ごくわずかに吸湿性のある顆粒製剤であって、良好な保存安定性を示す。このことは、該製剤から製造される植物保護組成物にも当てはまる。

Claims (40)

  1. (a)液体または低融点ポリアルコキシレート;および
    (b)比較的高分子量のスルホネートに基づく担体
    を含む固体製剤であって、
    (i)固体製剤の総重量に基づく、液体または低融点ポリアルコキシレートの割合が、少なくとも15重量%であり;
    (ii)比較的高分子量のスルホネートの総重量に基づく、液体または低融点ポリアルコキシレートの割合が、少なくとも30重量%であり;かつ
    (iii)液体または低融点ポリアルコキシレートと比較的高分子量のスルホネートとの重量比が、最大で3:1である、上記製剤。
  2. ポリアルコキシレートが、末端基修飾されていてもよい、アルコキシレート部分を有する、アルコキシル化脂肪アルコール、アルコキシル化脂肪酸エステル、アルコキシル化脂肪アミン、アルコキシル化グリセリド、アルコキシル化ソルビタンエステル、アルコキシル化アルキルフェノールならびにアルコキシル化ジスチリルフェノールおよびアルコキシル化トリスチリルフェノールより選択される、請求項1に記載の固体製剤。
  3. ポリアルコキシレートが、式(I):
    R7-O-(CmH2mO)x-(CnH2nO)y-(CpH2pO)z-R6 (I)
    [式中、
    R6は有機基であり;
    R7は3〜100個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素基であり;
    m、nおよびpは、互いに独立に2〜6の整数、好ましくは2、3、4または5であり;
    x、yおよびzは、互いに独立に0〜1000の数字であり;かつ
    x+y+zは、2〜1000の値に対応する。]
    により表されるアルコールポリアルコキシレートより選択される、請求項1に記載の固体製剤。
  4. R7が、分岐鎖または直鎖C3-30-アルキル、好ましくはC5-24-アルキル、またはC3-30-アルケニル、好ましくはC5-C24-アルケニルである、請求項3に記載の固体製剤。
  5. アルコキシレートを、少なくとも20重量%、好ましくは25重量%、特に少なくとも30重量%含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の固体製剤。
  6. アルコキシレートを、最大で70重量%、好ましくは最大で60重量%、特に最大で45重量%含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の固体製剤。
  7. 比較的高分子量のスルホネートが、少なくとも1kDa、好ましくは少なくとも2.5kDa、特に5kDaの重量平均分子量を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の固体製剤。
  8. 比較的高分子量のスルホネートが、リグノスルホネートである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の固体製剤。
  9. 比較的高分子量のスルホネートが、スルホン化芳香族化合物、アルデヒドおよび/もしくはケトン、ならびに適宜、非スルホン化芳香族化合物、尿素および尿素誘導体より選択される化合物に基づく縮合生成物である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の固体製剤。
  10. 縮合生成物が、式(IIa):
    Figure 2009513609
    および/または式(IIb):
    Figure 2009513609
    および/または式(IIc):
    Figure 2009513609
    [式中、
    R8は、水素、1以上のヒドロキシル基または1以上のC1-8-アルキル基であり;
    q1は、100〜1010の値に対応し;かつ
    Aは、メチレン、1,1-エチレンまたは以下の式:
    Figure 2009513609
    により表される基である。]
    の構造を有する反復単位を含む、請求項9に記載の固体製剤。
  11. 縮合生成物が、式(III):
    Figure 2009513609
    [式中、
    R9は、水素、1以上のヒドロキシル基または1以上のC1-8-アルキル基であり;
    q2は、100〜1010の値に対応し;
    Aは、メチレン、1,1-エチレンまたは以下の式:
    Figure 2009513609
    により表される基である。]
    の構造を有する反復単位を含む、請求項9に記載の固体製剤。
  12. 比較的高分子量のスルホネートがコポリマーであり、該コポリマーの構成モノマーMが、以下:
    α)少なくとも1つのスルホン酸基を有する、少なくとも1種のモノエチレン性不飽和モノマーM1、および
    β)少なくとも1種の中性のモノエチレン性不飽和モノマーM2
    を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の固体製剤。
  13. スルホネートが、スルホン酸アンモニウム、スルホン酸アルカリ金属塩、スルホン酸アルカリ土類金属塩またはスルホン酸遷移金属塩である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の固体製剤。
  14. 比較的高分子量のスルホネートを、少なくとも15重量%、好ましくは少なくとも25重量%、特に少なくとも30重量%含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載の固体製剤。
  15. 比較的高分子量のスルホネートを、最大で80重量%、好ましくは最大で70重量%、特に最大で55重量%含む、請求項1〜14のいずれか1項に記載の固体製剤。
  16. 液体または低融点ポリアルコキシレートと比較的高分子量のスルホネートとの重量比が、最大で2:1である、請求項1〜15のいずれか1項に記載の固体製剤。
  17. 液体または低融点ポリアルコキシレートと比較的高分子量のスルホネートとの重量比が、少なくとも3:10である、請求項1〜16のいずれか1項に記載の固体製剤。
  18. 成分(b)が、
    (b1)比較的高分子量のスルホネート;および
    (b2)無機固体
    を含む、請求項1〜17のいずれか1項に記載の固体製剤。
  19. 無機固体が水に難溶性であるかまたは水に不溶性である、請求項18に記載の固体製剤。
  20. 無機固体が、酸化アルミニウムに基づく物質、特に酸化アルミニウムおよびボーキサイト、および二酸化ケイ素に基づく物質、特にシリケートおよびケイ酸塩鉱物、上記のすべての珪藻土(キースラガー(kieselguhr)、珪藻岩(diatomite))、シリカ、葉ろう石(pyrophylite)、タルク、雲母、ならびにカオリナイト、ベントナイト、モントモリロナイトおよびアタパルジャイトなどのクレイより選択される、請求項18または19に記載の固体製剤。
  21. 無機固体が、合計で15重量%未満、特に10重量%未満、特に好ましくは5重量%未満である、請求項20に記載の固体製剤。
  22. 比較的高分子量のスルホネートの、無機固体に対する重量比が、少なくとも2、好ましくは少なくとも5、特に少なくとも10である、請求項18〜21のいずれか1項に記載の固体製剤。
  23. (c)追加の添加剤
    をさらに含む、請求項1〜22のいずれか1項に記載の固体製剤。
  24. 追加の添加剤が、以下:
    (c1)界面活性添加剤;
    (c2)懸濁化剤、消泡剤、保持剤、pH緩衝剤、ドリフト防止剤、ならびに製剤の取り扱い性および/または物性を改善する他の添加剤;
    (c3)キレート剤
    より選択される、請求項23に記載の固体製剤。
  25. 追加の添加剤を、最大で60重量%、好ましくは最大で55重量%、特に最大で50重量%含む、請求項23または24に記載の固体製剤。
  26. (d)水溶性無機塩
    をさらに含む、請求項1〜25のいずれか1項に記載の固体製剤。
  27. 無機塩が硫酸アンモニウムである、請求項26に記載の固体製剤。
  28. 実質的に無水である、請求項1〜27のいずれか1項に記載の固体製剤。
  29. 顆粒である、請求項1〜28のいずれか1項に記載の固体製剤。
  30. 水分散性顆粒(WG)または水溶性顆粒(SG)である、請求項29に記載の固体製剤。
  31. 顆粒が流動床顆粒(FBG)である、請求項29または30に記載の固体製剤。
  32. 粉末である、請求項1〜27のいずれか1項に記載の固体製剤。
  33. 散粉用粉末(DF)である、請求項32に記載の固体製剤。
  34. 固体組成物中の液体または低融点ポリアルコキシレートの固体担体としての、比較的高分子量のスルホネートの使用。
  35. 成分の少なくとも一部を含む液体含有混合物から液体を除去し、少なくとも部分的に液体が除かれた固体を得る、請求項1〜33のいずれか1項に記載の固体製剤の製造方法。
  36. 液体が水である、請求項35に記載の方法。
  37. 凍結乾燥または噴霧乾燥により液体を除去する、請求項35または36に記載の方法。
  38. 無機塩成分(d)に基づく粒状物質を導入し、成分(a)および(b)の少なくとも一部分を液体含有混合物として投入し、流動床法で液体を除去し、そして液体が少なくとも部分的に除去され、無機塩成分(d)に基づく粒状物質を含む固体が得られる、請求項35または36に記載の方法。
  39. 植物保護活性剤を含む組成物中の添加剤としての、請求項1〜33のいずれか1項に記載の固体製剤の使用。
  40. 植物保護活性剤を含む組成物のための固体担体としての、請求項1〜33のいずれか1項に記載の固体製剤の使用。
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