JP2009511704A - プラズマ処理を用いるプラスチック基質の製造方法および同方法を用いて製造されるプラスチック基質 - Google Patents
プラズマ処理を用いるプラスチック基質の製造方法および同方法を用いて製造されるプラスチック基質 Download PDFInfo
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- B29C59/14—Surface shaping of articles, e.g. embossing; Apparatus therefor by plasma treatment
Abstract
自家蛍光がより少なく、特異性がより良好なプラスチック基質の製造方法が提供される。上記方法は、(a)50μm×50μm以下の条件下で、Ra3nm未満またはRq4nm未満の原子間力顕微鏡(AFM)表面粗さを有するプラスチック基質を調製する工程;(b)前記プラスチック基質をプラズマで処理する工程;および(c)前記プラスチック基質を表面修飾モノマーで処理する工程を含む。また、上記方法により製造されるプラスチック基質も提供される。上記プラスチック基質は、自家蛍光が顕著に低く、よって標的生体分子の検出に対するよりよい特異性を示す。このことにより、微小流体構造を含ませる設計がガラス基質に比して容易でありながら、高い自家蛍光のために、マイクロアレイ、バイオチップまたはウェルプレートへの利用が限られていたプラスチック基質を、広範に適用することが可能となる。更に、上記プラスチック基質の製造方法は、プラスチック基質の表面特異性を向上することができ、またプラスチック基質の表面特性を容易に調節することができる。
【選択図】図1
【選択図】図1
Description
本出願は、韓国特許庁に対してなされた特許文献1(2005年10月14日出願)、特許文献2(2006年2月10日出願)および特許文献3(2006年3月22日出願)に基づく優先権を主張するものであり、これらの出願における開示内容は、その全体が参照により本願明細書に組み入れられるものとする。
本発明は、標的生体分子(target biomolecule)の検出に対し高い特異性を有するプラスチック基質(plastic substrate)の製造方法、および同方法を用いて製造されるプラスチック基質に関する。
バイオテクノロジーの進展に伴い、生物の遺伝情報を含むDNA配列、タンパク質配列等が明らかにされた。そこで、配列決定、疾病診断等のためのバイオチップの開発が活発に行われた。バイオチップは、DNA、タンパク質等のプローブ生体分子の高密度マイクロアレイ(microarray)を基質に付けたツールである。バイオチップは、その製造方法によりフォトリトグラフィックチップ(photolithographic chips)、ピンスポッティングチップ(pin−spotting chips)、インクジェットスポッティングチップ(inkjet−spotting chips)等に分類することができる。
プローブ生体分子の高密度マイクロアレイを固定化したバイオチップは、プローブ生体分子と標的生体分子の間の相補的ベースペアリングの程度を検出することにより、プローブ生体分子に対する標的生体分子の結合親和性の程度を測定するものである。一般に、プローブ生体分子に対する標的生体分子の結合親和性の程度の測定は、光学的手法を用いて達成される。これは、
蛍光物質でラベルした標的生体分子と、プローブ生体分子のハイブリダイゼーションを行う工程、および
前記蛍光物質から発せられる蛍光信号を検出する工程
を含む。
蛍光物質でラベルした標的生体分子と、プローブ生体分子のハイブリダイゼーションを行う工程、および
前記蛍光物質から発せられる蛍光信号を検出する工程
を含む。
マイクロアレイ法の最も有利な点は、痕跡量の生体分子(DNA、タンパク質等)試料を用いて、多くの生物学的情報が得られる点にある。バイオチップ技術は徐々に拡張しており、プローブ生体分子マイクロアレイを単一のチップに固定化し、その単一のチップについて試料の前処理(標的生体分子の分離、精製、増幅を含む)および試料のアッセイを行うLab−On−a−Chip(LOC)技術という概念的思想(conceptual idea)や、緊急事態における迅速な診断を可能にするPoint−Of−Care(POC)技術という概念的思想、更には、情報通信技術と組み合わせることにより、時間や場所に関係なく個人の健康状態を認識または予測できるe−ヘルスケア技術という概念的思想にまで至っている。
バイオチップ技術において、基質に生体分子を固定化するための表面修飾は、最も重要な技術である。このためには通常、湿式法を用いる。従来の湿式法では、官能基(エポキシ基、アミノ基、アルデヒド基等)を有するシラン化合物の溶液を溶媒(例えばエタノール)で希釈したものをある塗布方法(例えばディップコーティング法)によりガラス基質に塗布し、100℃以上で1時間加熱する。このとき溶媒は、エタノールの他、アルコール性溶媒(メタノール、プロパノール、ブタノール等)、メチルエチルケトンおよびジメチルホルムアミドよりなる群から選択しうる。塗布方法は、ディップコーティング法の他、スプレーコーティング法、スピンコーティング法等の塗布方法よりなる群から選択しうる。
ところで、マイクロアレイ基質の製造には、ガラス、シリコーン、プラスチック等、種々の材料が用いられる。特にプラスチック基質は、他の材料に比して、微細構造(microstructures)を含ませる設計が容易であり、容易に大量生産でき、また費用対効果があるという点において有利である。
しかし、部分的に異なる微小スケールの表面修飾を達成することが困難なことが、従来の湿式法における主要な技術的制限である。そのため、従来の湿式法におけるこの技術的制限を克服しうる、新たなプロセス技術が必要とされている。
加えて、プラスチック基質は、自家蛍光(auto−fluorescence)が比較的高いため、標的生体分子の検出に対し低い特異性を示すので、その適用は限られている。
上記問題の解決方法を探索したところ、本発明者らは、所定の粗さを有するように製造したプラスチック基質を表面修飾のためプラズマ処理すると、そのプラスチック基質からの自家蛍光が顕著に減少し、生体分子の検出に対する良好な特異性が確保されることを見出した。
よって本発明は、プラスチック基質からの自家蛍光を減少させ、生体分子の検出に対する特異性を向上し、またプラスチック基質の表面特性を容易に調節することができるプラスチック基質の製造方法を提供するものである。
本発明はまた、自家蛍光がより少なく、生体分子の検出に対する特異性がより良好な、同方法を用いて製造されるプラスチック基質を提供するものである。
本発明の一態様によれば、プラスチック基質の製造方法であって、
(a)50μm×50μm以下の条件下で、Ra3nm未満またはRq4nm未満の原子間力顕微鏡(AFM)表面粗さを有するプラスチック基質を調製する工程;
(b)前記プラスチック基質をプラズマで処理する工程;および
(c)前記プラスチック基質を表面修飾モノマーで処理する工程
を含む製造方法が提供される。
(a)50μm×50μm以下の条件下で、Ra3nm未満またはRq4nm未満の原子間力顕微鏡(AFM)表面粗さを有するプラスチック基質を調製する工程;
(b)前記プラスチック基質をプラズマで処理する工程;および
(c)前記プラスチック基質を表面修飾モノマーで処理する工程
を含む製造方法が提供される。
本発明の他の一態様によれば、原子間力顕微鏡(AFM)表面粗さが、50μm×50μm以下の条件下でRa3nm未満またはRq4nm未満であり、プラズマおよび表面修飾モノマー(surface−modifying monomer)で表面処理されたプラスチック基質が提供される。
本発明のプラスチック基質は、自家蛍光が顕著に低く、よって標的生体分子の検出に対するよりよい特異性を示す。このことにより、微小流体構造(microfluidic structure)を含ませる設計がガラス基質に比して容易でありながら、高い自家蛍光のために、マイクロアレイ、バイオチップまたはウェルプレートへの利用が限られていたプラスチック基質を、広範に適用することが可能となる。更に、本発明によれば、基質の表面特異性を向上することができ、また基質の表面特性を容易に調節することができる。
本発明の上記および他の諸特徴は、添付の図面を参照する、本発明の代表的な態様の詳細な記載より明らかになる。
本発明の上記および他の諸特徴は、添付の図面を参照する、本発明の代表的な態様の詳細な記載より明らかになる。
以降、本発明のプラスチック基質の製造方法を、工程ごとにより詳細に記載する。
本発明のプラスチック基質の製造方法は、50μm×50μm以下の条件下で、Ra3nm未満またはRq4nm未満の原子間力顕微鏡(AFM)表面粗さを有するプラスチック基質を調製する工程を含む。
本発明のプラスチック基質は、ポリスチレン(PS)、シクロオレフィン共重合体(COC)およびポリカーボネート(PC)よりなる群から選択される透明樹脂、またはポリプロピレン(PP)およびポリエチレン(PE)よりなる群から選択される半透明樹脂から製造されていてよい。好ましくは、プラスチック基質は、半透明樹脂から製造されていてよい。プラスチック基質は、化学的耐性および耐熱性を有していなければならない。
本発明のプラスチック基質は、ポリスチレン(PS)、シクロオレフィン共重合体(COC)およびポリカーボネート(PC)よりなる群から選択される透明樹脂、またはポリプロピレン(PP)およびポリエチレン(PE)よりなる群から選択される半透明樹脂から製造されていてよい。好ましくは、プラスチック基質は、半透明樹脂から製造されていてよい。プラスチック基質は、化学的耐性および耐熱性を有していなければならない。
後述する本発明の実施例においては、費用対効果、収縮の少なさ、適度な耐熱性を満足するPS樹脂製のプラスチック基質を用いた。プラスチック基質からの自家蛍光は、プロセス中に生じた局所的な熱分解や残存歪み(residual stress)、金型の表面粗さ、また樹脂や添加剤の固有特性(intrinsic properties)に有意に影響を受けることが見出された。
表面粗さの小さなプラスチック基質は、有意に減少した自家蛍光を示す(後述の実施例1を参照)。具体的には、本発明のプラスチック基質は、50μm×50μm以下の条件下で、Ra3nm未満またはRq4nm未満のAFM表面粗さを有する。本明細書において、Raとは算術平均粗さ(average roughness)であり、Rqとは二乗平均平方根粗さ(root−mean−square roughness)である。
本発明の表面粗さの小さなプラスチック基質は、例えば射出成形法を用いて製造することができる。即ち、本発明のプラスチック基質を、表面が光学レンズグレードで鏡面仕上げされた金型を用いるプラスチック射出成形法により製造し、その表面粗さを小さくすることができる。
本発明のプラスチック基質の製造方法はまた、プラスチック基質をプラズマで処理する工程を含む。
プラズマは、アルゴンプラズマであってよい。窒素または酸素のプラズマは、プラスチック基質表面において、ラジカルに加え、種々の窒素または酸素化合物が生成するため好ましくない。
プラズマは、アルゴンプラズマであってよい。窒素または酸素のプラズマは、プラスチック基質表面において、ラジカルに加え、種々の窒素または酸素化合物が生成するため好ましくない。
プラズマの特性を定義するプラズマのエネルギー密度は、式W/FM(式中、Wは、プラズマ発生器により印加されるパワー(J/秒)であり;Fは、気体の流速(モル/秒)であり;Mは、気体の分子量(g/モル)である)で表される。即ち、分母の単位はg/秒(F×M)であり、全体の単位はJ/gである。
本発明において、プラズマは、エネルギー密度108J/Kg以下の連続プラズマまたはパルスプラズマであってよい。パルスプラズマは連続プラズマに比して、官能基に対し最低限の悪影響しかもたらさない。
本発明においては、プラズマ処理を行うのを10分以下としてよい。
本発明においては、プラズマの周波数を、マイクロ波周波数である2.45GHzまたはラジオ周波数(RF)である13.56MHzとしてよい。
本発明のプラズマ処理は、通常の方法または装置を用いて行うことができる。図1は、後述する本発明の実施例においてプラズマ処理に用いるプラズマ発生装置の略図である。
本発明においては、プラズマの周波数を、マイクロ波周波数である2.45GHzまたはラジオ周波数(RF)である13.56MHzとしてよい。
本発明のプラズマ処理は、通常の方法または装置を用いて行うことができる。図1は、後述する本発明の実施例においてプラズマ処理に用いるプラズマ発生装置の略図である。
本発明において用いるプラズマはコールドプラズマ、真空プラズマのいずれかであり、従ってプラズマ処理中に損傷(例えば熱変形)をもたらすことがほとんどない。よって、本発明のプラズマ処理をプラスチック様材料に適用することができる。即ち、図3−bに示すように、微細構造を有する生成物(microstructure products)を、プラスチック材料を用いて、ガラスまたはシリコーンに比して容易に、費用対効果のある方法で大量生産できる点を考慮すると、本発明のプラズマ処理は、ガラス基質、シリコーン基質等の無機基質に代えて、プラスチック基質に適用することができるという点において有利である。更に、本発明のプラズマ処理は真空下に乾式法で行われるので、非常に均等な表面処理を達成することができる。マイクロパターン化マスク(micropatterned mask)を用いれば、部分的に異なる表面修飾を達成することもできる。
本発明のプラスチック基質の製造方法はまた、プラスチック基質を表面修飾モノマーで処理する工程を含む。
本発明に8いて、表面修飾モノマーは、エポキシ基含有モノマーよりなる群から選択されるものであってよい。いずれも炭素−炭素二重結合を有するアリルグリシジルエーテル(下記式1で表される)およびメタクリル酸グリシジル(下記式2で表される)が好ましい。よって、プラスチック基質はエポキシ基により表面処理されたものであってよい。プラスチック基質からの自家蛍光減少という観点からは、アリルグリシジルエーテルがより好ましい。
表面修飾モノマーがプラスチック基質を表面修飾するためのアルデヒド基を含む場合、表面修飾モノマーは高沸点の化合物、例えばヘキサナール、オクタナール、ノナナール、デカナール、ドデシルアルデヒド、トランス−2−ペンテナール、トランス−2−ヘキセナール等であってよい。
表面修飾モノマーがプラスチック基質を表面修飾するためのアミノ基を含む場合、表面修飾モノマーは1級アミノ基を含む化合物よりなる群から選択されるもの、例えば3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(ジエチルアミノ)プロピルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、1−アミノ−2−プロパノール、トリス(2−アミノエチル)アミン、イソブチルアミン、イソペンチルアミン等であってよい。炭素−炭素二重結合を有するアリルアミンおよびエーテル化合物である3−メトキシプロピルアミンがより好ましい。
本発明においては、プラズマ処理および表面修飾モノマーによる処理を引き続いて行うことも、同時に行うこともできる。
図2は、本発明のプラスチック基質の製造方法における、プラズマ処理および表面修飾モノマーとしてアリルグリシジルエーテルを用いる表面修飾を示す略図である。この手順により、プラスチック基質の表面にエポキシ基が組み入れられる。
図2の(a)を参照すると、基質をアルゴンプラズマで処理すると、アルゴンプラズマは基質と化学的に反応しないが、基質上にラジカルを発生させる。図2の(b)を参照すると、そのラジカルはモノマーの炭素−炭素二重結合と反応し、ラジカル移動が生じて、種々の構造の化合物の形成に至る。本発明の最も重要な特徴は、プラズマ処理条件の調節を通じて、プラスチック基質の特異性が向上するように、プラスチック基質上に形成される化合物を制御できる点にある。図2の(c)を参照すると、水素の添加によりラジカル停止反応が誘発される。
本発明のプラスチック基質の製造方法は、プラスチック基質中に微小流体構造を形成する工程を更に含んでいてもよい。微小流体構造の形成もまた、プラスチック基質の製造と同時に行ってよい。
本発明はまた、上記の方法により製造されるプラスチック基質を提供するものである。
本発明のプラスチック基質は、AFM表面粗さが、50μm×50μm以下の条件下でRa3nm未満またはRq4nm未満であり、プラズマおよび表面修飾モノマーで表面処理されている。
プラズマは、アルゴンプラズマであってよい。またプラズマは、エネルギー密度108J/Kg以下の連続プラズマまたはパルスプラズマであってよい。プラズマ処理を行うのは10分以下としてよい。プラズマの周波数は、マイクロ波周波数である2.45GHzまたはラジオ周波数である13.56MHzであってよい。
好ましくは、プラスチック基質は、ポリスチレン(PS)、シクロオレフィン共重合体(COC)およびポリカーボネート(PC)よりなる群から選択される透明樹脂、またはポリプロピレン(PP)およびポリエチレン(PE)よりなる群から選択される半透明樹脂から製造されるものであってよい。
表面修飾モノマーは、エポキシ基および炭素−炭素二重結合を有するアリルグリシジルエーテルまたはメタクリル酸グリシジルのいずれかであってよい。よって、プラスチック基質はエポキシ基を用いて表面修飾されていてよい。
或いは、表面修飾モノマーは、アルデヒド基を有し沸点が80℃以上であるヘキサナール、オクタナールおよびノナナールのいずれかであってよい。よって、プラスチック基質はアルデヒド基を用いて表面修飾されていてよい。
更に、表面修飾モノマーは、1級アミノ基および炭素−炭素二重結合を有するアリルアミン、または1級アミノ基を有するエーテル化合物である3−メトキシプロピルアミンであってよい。よって、プラスチック基質はアミノ基を用いて表面修飾されていてよい。
図3−aは、本発明のプラスチック基質を示す図であり、図3−bは、微小流体構造を含む本発明のプラスチック基質を示す略図である。
図4は、本発明のプラスチック基質に固定化したプローブ生体分子と、標的生体分子の間のプローブ−標的ハイブリダイゼーションについての蛍光検出の結果を示す図である。
以下の本発明の実施例においては、従来のガラス基質に固定化したプローブ生体分子と、標的生体分子の間のプローブ−標的ハイブリダイゼーションについての蛍光検出の結果を、本発明の方法で製造したプラスチック基質に固定化したプローブ生体分子と、標的生体分子の間のプローブ−標的ハイブリダイゼーションについての蛍光検出の結果と比較した。蛍光検出の結果によれば、本発明のプラスチック基質における特異性は、従来のガラス基質におけるそれに比して遥かに優れていた。
以降、実施例を参照して本発明をより具体的に記載する。以下の実施例は例証を目的とするものであり、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
実施例1
・表面粗さに対応する自己蛍光の評価
自己蛍光に対するプラスチック基質の表面粗さの影響を測定するため、PS 15NFI樹脂(LG Chemical Ltd.、大韓民国)製のプラスチック基質を、表面を一般鏡面仕上げした(generally mirror−finished)金型と、表面を光学レンズグレードで鏡面仕上げした金型を用いて製造した。
・表面粗さに対応する自己蛍光の評価
自己蛍光に対するプラスチック基質の表面粗さの影響を測定するため、PS 15NFI樹脂(LG Chemical Ltd.、大韓民国)製のプラスチック基質を、表面を一般鏡面仕上げした(generally mirror−finished)金型と、表面を光学レンズグレードで鏡面仕上げした金型を用いて製造した。
そのようにして製造したプラスチック基質の表面粗さを、AFMを用いて測定した。表面粗さに関する臨界的な(critical)数値は以下の通りであった。
50μm×50μm以下の条件下で、Ra3nm未満またはRq4nm未満
50μm×50μm以下の条件下で、Ra3nm未満またはRq4nm未満
プラスチック基質からの自己蛍光は、GenePix 4000B型スキャナー(Axon)を用いて測定した。自己蛍光の測定条件は、以下の通りであった。
レーザー強度(laser power):100%
光電子増倍管(PMT)レベル(PhotoMultiplier Tube (PMT) level):600
レーザー強度(laser power):100%
光電子増倍管(PMT)レベル(PhotoMultiplier Tube (PMT) level):600
実験結果を下記表1に示す。表1に示す通り、532nmのレーザー照射では、表面を光学レンズグレードで鏡面仕上げした金型を用いて製造したプラスチック基質からの自己蛍光のレベルは、表面を一般鏡面仕上げした金型を用いて製造したプラスチック基質からのそれに対し約26%であった。635nmのレーザー照射では、表面を光学レンズグレードで鏡面仕上げした金型を用いて製造したプラスチック基質からの自己蛍光のレベルは、表面を一般鏡面仕上げした金型を用いて製造したプラスチック基質からのそれに対し約44%であった。
上記実験結果から、プラスチック基質の表面粗さを小さくすることにより、プラスチック基質からの自己蛍光を低減させることができることがわかる。
実施例2
・PS樹脂の種類に対応する自己蛍光の評価
PS樹脂の種類に対応する自己蛍光のレベルを評価するため、3種の市販PS樹脂、即ちLG Chemical PS 15NFI、LG Chemical PS 25SPIおよびBASF PS 147Fを用いてプラスチック基質を製造した。このとき、表面を光学レンズグレードで鏡面仕上げした金型を用い、自己蛍光の測定条件は、実施例1と同様にした。
・PS樹脂の種類に対応する自己蛍光の評価
PS樹脂の種類に対応する自己蛍光のレベルを評価するため、3種の市販PS樹脂、即ちLG Chemical PS 15NFI、LG Chemical PS 25SPIおよびBASF PS 147Fを用いてプラスチック基質を製造した。このとき、表面を光学レンズグレードで鏡面仕上げした金型を用い、自己蛍光の測定条件は、実施例1と同様にした。
実験結果を下記表2に示す。表2に示す通り、3種のPS樹脂で製造したプラスチック基質からの自己蛍光のレベルは、有意に異なっていた。LG Chemical PS 15NFIで製造したプラスチック基質からの自己蛍光のレベルが最も少なかった。LG Chemical PS 15NFIで製造したプラスチック基質におけるそのような低自己蛍光は、PS樹脂に含まれる添加剤と、製造中の局所的熱分解や残存歪みが極めて少ないことの両者に帰するものである可能性がある。特に、添加剤が類似しているLG Chemical PS 15NFIおよびLG Chemical PS 25SPIで製造したプラスチック基質からの自己蛍光を比較すると、LG Chemical PS 15NFIで製造したプラスチック基質からの自己蛍光が、LG Chemical PS 25SPIで製造したプラスチック基質からのそれよりも少なかった。これは、LG Chemical PS 25SPIに比して、LG Chemical PS 15NFIは低分子量であり、流動性が良好であるため、生じる局所的熱分解や残存歪みが極めて少ないことによるものである。
実施例3
・プラズマ処理時間に対応する自己蛍光の評価
実施例1と同様にして、表面を光学レンズグレードで鏡面仕上げした金型を用いて、LG Chemical PS 15NFI樹脂でプラスチック基質を製造し、プラズマ処理時間に対応する、プラスチック基質からの自己蛍光を測定した。
・プラズマ処理時間に対応する自己蛍光の評価
実施例1と同様にして、表面を光学レンズグレードで鏡面仕上げした金型を用いて、LG Chemical PS 15NFI樹脂でプラスチック基質を製造し、プラズマ処理時間に対応する、プラスチック基質からの自己蛍光を測定した。
プラズマ処理に用いるプラズマ発生装置の概略を図1に示す。プラズマ処理は、アルゴン流速30cc/分、圧力20Pa、プラズマパワー100Wで、5分の間隔を置いて最大で30分間行った。このとき、プラズマのエネルギー密度を1.12×108J/Kgとした。自己蛍光の測定条件は、実施例1と同様にした。
実験結果を下記表3に示す。表3に示す通り、プラスチック基質からの自己蛍光のレベルは直線的増分(linear increment)1分あたり約110で増加した。
実施例4
・プラズマパワーに対応する自己蛍光の評価
実施例3と同様にしてプラスチック基質を製造し、プラズマパワーに対応する、プラスチック基質からの自己蛍光を測定した。プラズマ処理は、アルゴン流速30cc/分、圧力20Paで、プラズマパワーを増加しながら(50W間隔で最大300Wまで)10分間行った。このとき、プラズマのエネルギー密度を5.61×107〜3.36×108J/Kgとした。自己蛍光の測定条件は、実施例1と同様にした。
・プラズマパワーに対応する自己蛍光の評価
実施例3と同様にしてプラスチック基質を製造し、プラズマパワーに対応する、プラスチック基質からの自己蛍光を測定した。プラズマ処理は、アルゴン流速30cc/分、圧力20Paで、プラズマパワーを増加しながら(50W間隔で最大300Wまで)10分間行った。このとき、プラズマのエネルギー密度を5.61×107〜3.36×108J/Kgとした。自己蛍光の測定条件は、実施例1と同様にした。
実験結果を下記表4に示す。表4に示す通り、プラスチック基質からの自己蛍光のレベルは直線的増分10Wあたり約110で増加した。
実施例3および4の結果全てを考慮すると、エネルギー量が同じになる(6kJ)ため、プラズマパワー100Wで1分間プラズマ処理した後の自己蛍光のレベルは、プラズマパワー10Wで10分間プラズマ処理した後のそれと同じであった。
実施例3および4の結果全てを考慮すると、エネルギー量が同じになる(6kJ)ため、プラズマパワー100Wで1分間プラズマ処理した後の自己蛍光のレベルは、プラズマパワー10Wで10分間プラズマ処理した後のそれと同じであった。
実施例5
・圧力に対応する自己蛍光の評価
実施例3と同様にしてプラスチック基質を製造し、圧力に対応する、プラスチック基質からの自己蛍光を測定した。プラズマ処理は、アルゴン流速30cc/分、プラズマパワー100Wで、圧力を増加しながら(20Pa間隔で最大100Paまで)10分間行った。このとき、プラズマのエネルギー密度を1.12×108J/Kgとし、自己蛍光の測定条件は、実施例1と同様にした。
・圧力に対応する自己蛍光の評価
実施例3と同様にしてプラスチック基質を製造し、圧力に対応する、プラスチック基質からの自己蛍光を測定した。プラズマ処理は、アルゴン流速30cc/分、プラズマパワー100Wで、圧力を増加しながら(20Pa間隔で最大100Paまで)10分間行った。このとき、プラズマのエネルギー密度を1.12×108J/Kgとし、自己蛍光の測定条件は、実施例1と同様にした。
実験結果を下記表5に示す。表5に示す通り、圧力に対応する自己蛍光の増加は有意ではなかった。本発明においては、コールド/真空プラズマを用いても、圧力増加によるプラズマ生成はない。
実施例6
・類似したヌクレオチド配列を有するプローブ生体分子を固定化させたプラスチック基質における特異性の評価
実施例3と同様にしてプラスチック基質を製造し、プラズマ処理を用いてエポキシ基で表面修飾した。
・類似したヌクレオチド配列を有するプローブ生体分子を固定化させたプラスチック基質における特異性の評価
実施例3と同様にしてプラスチック基質を製造し、プラズマ処理を用いてエポキシ基で表面修飾した。
プラズマ処理は2工程に分けた。第1のプラズマ処理では、アルゴン流速20cc/分、圧力20Pa、プラズマパワー100W、処理時間1分間の条件でアルゴンプラズマを用いてプラスチック基質にラジカルを取り込ませた。このとき、プラズマのエネルギー密度を1.68×108J/Kgとした。
第2のプラズマ処理は、アルゴンとアリルグリシジルエーテルモノマーのプラズマを用いて行った。このとき、アルゴン流速および圧力は第1のプラズマ処理と同じとし、プラズマ処理時間は5分間とした。官能基に対する損傷と自己蛍光の増加を最小限にするため、パワー100Wのプラズマをパルス法で適用した。プラズマのパルスサイクルは、1秒、2秒、5秒および無限大とした。各サイクルにおいて、パルスオン時間(pulse on−time)を100ミリ秒とした。1秒のパルスサイクルにおいては、パルスオフ時間(pulse off−time)を900ミリ秒とし、パルスオン時間を100ミリ秒とした。最後に、水素を用いてラジカル停止反応を行い、エポキシド修飾プラスチック基質を製造した。
エポキシド修飾プラスチック基質に、圧電マイクロアレイヤー(piezoelectric microarrayer)(Perkin−Elmer)を用いて2種のプローブ生体分子(SEQ ID NO:1およびSEQ ID NO:2)を固定化させた。これらはヌクレオチド配列が類似しており、識別が困難である。反応条件は次の通りであった。
3×SSC緩衝液、0.01%SDS、60℃、70%RH、16時間
得られたプラスチック基質を、50mMのTris−HCl溶液(pH9.0)中、50℃で30分間インキュベートし、0.2%SDSで2分間の洗浄を2回、次いで蒸留水で2分間の洗浄を2回行い、1,000rpmで5分間遠心分離し、乾燥させた。
3×SSC緩衝液、0.01%SDS、60℃、70%RH、16時間
得られたプラスチック基質を、50mMのTris−HCl溶液(pH9.0)中、50℃で30分間インキュベートし、0.2%SDSで2分間の洗浄を2回、次いで蒸留水で2分間の洗浄を2回行い、1,000rpmで5分間遠心分離し、乾燥させた。
その一方で、蛍光ラベルしたPCR産物を標的生体分子として用い、ハイブリダイゼーション溶液(3×SSC、0.001%SSC)と混合比1:20で混合した。反応溶液を55℃で30〜60分間インキュベートし、室温下1×SSC緩衝液1リットルで5分間洗浄し、次いで0.1×SSC緩衝液1リットルで2分間洗浄し、室温で乾燥させた。蛍光の測定条件は、実施例1における自己蛍光の測定条件と同様にした。
ヌクレオチド配列が類似しており、識別が困難な2種のプローブ生体分子を固定化させたプラスチック基質における特異性を、下記表6に示す。ここで特異性は、下記式によって与えられる。
特異性=(プローブA1と反応した標的A1の蛍光シグナル)/(プローブA1と反応した標的A2の蛍光シグナル)
従来の湿式法で製造した市販のエポキシド修飾ガラス基質を、対照として用いた。
特異性=(プローブA1と反応した標的A1の蛍光シグナル)/(プローブA1と反応した標的A2の蛍光シグナル)
従来の湿式法で製造した市販のエポキシド修飾ガラス基質を、対照として用いた。
表6に示す通り、プラズマパルスサイクルの増大に伴い、ヌクレオチド配列が類似しており、識別が困難な類似プローブ生体分子を固定化させたプラスチック基質における検出特異性が増加した。
・特異性の評価
プローブ生体分子B、CおよびD(各々SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4およびSEQ ID NO:5)を固定化させた、比較的良好な特異性を有する本発明のプラスチック基質における検出特異性を、実施例6と同様にして評価した。本実施例7で用いたプラスチック基質は、プラズマパルスサイクルを3秒とした以外、実施例6と同様に製造した。従来のエポキシド修飾ガラス基質を、対照として用いた。
特異性の結果を下記表7に示す。表7に示す通り、本発明のプラスチック基質における特異性は、従来のガラス基質におけるそれの約2倍高かった。特に、低濃度の標的生体分子に対しては、本発明のプラスチック基質は、従来のガラス基質に比して遥かに高い特異性を示した。
実施例8
・特異性の評価
表面修飾モノマーとしてオクタナールを用い、パルスサイクルを0.5秒とした以外は実施例6と同様にして、アルデヒド基で表面修飾したプラスチック基質を製造した。
対照として、従来のアルデヒド修飾ガラス基質およびアルデヒド修飾プラスチック基質(湿式法で製造、Greiner Bio−One)を用いた。
・特異性の評価
表面修飾モノマーとしてオクタナールを用い、パルスサイクルを0.5秒とした以外は実施例6と同様にして、アルデヒド基で表面修飾したプラスチック基質を製造した。
対照として、従来のアルデヒド修飾ガラス基質およびアルデヒド修飾プラスチック基質(湿式法で製造、Greiner Bio−One)を用いた。
アルデヒドを還元するため、アルデヒド修飾基質を0.625gのNaBH4を120mLの100%EtOH+375mLの1×PBSに溶解した溶液中で10分間インキュベートした以外は実施例6と同様にして、本発明のアルデヒド修飾プラスチック基質および2種の対照基質に、プローブ生体分子E、F、GおよびF1(各々SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8およびSEQ ID NO:9)を固定化させた。
特異性の結果を下記表8に示す。表8に示す通り、本発明のプラスチック基質における特異性は、従来のガラス基質におけるそれと同等であり、且つ従来のプラスチック基質に比して遥かに高かった。
標的Fに対する特異性(プローブFと反応した標的Fの蛍光シグナルを、プローブF1と反応した標的Fの蛍光シグナルで除することにより求められる)は、全体に低かった。これは、ヌクレオチド配列が類似しているプローブFとプローブF1の識別が困難なためである。
実施例9
・特異性の評価
表面修飾モノマーとして3−メトキシプロピルアミンを用い、パルスサイクルを5秒とした以外は実施例6と同様にして、アミノ基で表面修飾したプラスチック基質を製造した。対照として、従来のアミノ修飾プラスチック基質(湿式法で製造、Greiner Bio−One)を用いた。
・特異性の評価
表面修飾モノマーとして3−メトキシプロピルアミンを用い、パルスサイクルを5秒とした以外は実施例6と同様にして、アミノ基で表面修飾したプラスチック基質を製造した。対照として、従来のアミノ修飾プラスチック基質(湿式法で製造、Greiner Bio−One)を用いた。
PCR産物をプローブ生体分子として用い、反応温度を80℃とした以外は実施例6と同様にして、本発明のアルデヒド修飾プラスチック基質および2種の対照基質に、プローブ生体分子H、IおよびJ(各々SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:11およびSEQ ID NO:12)を固定化させた。用いたプローブ生体分子の特性のため、熱変性が必要であった。この目的で、プローブ生体分子を100℃の蒸留水で2分間処理した。
特異性の結果を下記表9に示す。表9に示す通り、本発明のプラスチック基質における特異性は、湿式法で製造された従来のプラスチック基質におけるそれと同等であった。
[配列番号1]プローブ
[配列番号2]プローブ
[配列番号3]プローブ
[配列番号4]プローブ
[配列番号5]プローブ
[配列番号6]プローブ
[配列番号7]プローブ
[配列番号8]プローブ
[配列番号9]プローブ
[配列番号10]プローブ
[配列番号11]プローブ
[配列番号12]プローブ
[配列番号2]プローブ
[配列番号3]プローブ
[配列番号4]プローブ
[配列番号5]プローブ
[配列番号6]プローブ
[配列番号7]プローブ
[配列番号8]プローブ
[配列番号9]プローブ
[配列番号10]プローブ
[配列番号11]プローブ
[配列番号12]プローブ
Claims (20)
- プラスチック基質の製造方法であって、
(a)50μm×50μm以下の条件下で、Ra3nm未満またはRq4nm未満の原子間力顕微鏡(AFM)表面粗さを有するプラスチック基質を調製する工程;
(b)前記プラスチック基質をプラズマで処理する工程;および
(c)前記プラスチック基質を表面修飾モノマーで処理する工程
を含む製造方法。 - 前記工程(b)および(c)を同時に行うことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
- 前記プラズマは、アルゴンプラズマであることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
- 前記プラズマは、エネルギー密度108J/Kg以下の連続プラズマまたはパルスプラズマであることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
- 前記工程(b)を10分以下行うことを特徴とする請求項4に記載の製造方法。
- 前記プラズマの周波数は、マイクロ波周波数である2.45GHzまたはラジオ周波数である13.56MHzであることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
- 前記プラスチック基質は、ポリスチレン(PS)、シクロオレフィン共重合体(COC)およびポリカーボネート(PC)よりなる群から選択される透明樹脂、またはポリプロピレン(PP)およびポリエチレン(PE)よりなる群から選択される半透明樹脂から製造されることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
- 前記表面修飾モノマーは、エポキシ基および炭素−炭素二重結合を有するアリルグリシジルエーテルおよびメタクリル酸グリシジルよりなる群から選択され、前記プラスチック基質は、前記エポキシ基を用いて表面修飾されることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
- 前記表面修飾モノマーは、アルデヒド基を有し沸点が80℃以上であるヘキサナール、オクタナールおよびノナナールよりなる群から選択され、前記プラスチック基質は、前記アルデヒド基を用いて表面修飾されることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
- 前記表面修飾モノマーは、1級アミノ基および炭素−炭素二重結合を有するアリルアミン、または1級アミノ基を有するエーテル化合物である3−メトキシプロピルアミンであり、前記プラスチック基質は、前記アミノ基を用いて表面修飾されることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
- 前記プラスチック基質中に微小流体構造を形成する工程を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
- 原子間力顕微鏡(AFM)表面粗さが、50μm×50μm以下の条件下でRa3nm未満またはRq4nm未満であり、プラズマおよび表面修飾モノマーで表面処理されたプラスチック基質。
- 前記プラズマは、アルゴンプラズマであることを特徴とする請求項12に記載のプラスチック基質。
- 前記プラズマは、エネルギー密度108J/Kg以下の連続プラズマまたはパルスプラズマであることを特徴とする請求項12に記載のプラスチック基質。
- 前記プラズマによる処理を10分以下行うことを特徴とする請求項14に記載のプラスチック基質。
- 前記プラズマの周波数は、マイクロ波周波数である2.45GHzまたはラジオ周波数である13.56MHzであることを特徴とする請求項12に記載のプラスチック基質。
- ポリスチレン(PS)、シクロオレフィン共重合体(COC)およびポリカーボネート(PC)よりなる群から選択される透明樹脂、またはポリプロピレン(PP)およびポリエチレン(PE)よりなる群から選択される半透明樹脂から製造されることを特徴とする請求項12に記載のプラスチック基質。
- 前記表面修飾モノマーは、エポキシ基および炭素−炭素二重結合を有するアリルグリシジルエーテルおよびメタクリル酸グリシジルよりなる群から選択され、前記プラスチック基質は、前記エポキシ基を用いて表面修飾されることを特徴とする請求項12に記載のプラスチック基質。
- 前記表面修飾モノマーは、アルデヒド基を有し沸点が80℃以上であるヘキサナール、オクタナールおよびノナナールよりなる群から選択され、前記プラスチック基質は、前記アルデヒド基を用いて表面修飾されることを特徴とする請求項12に記載のプラスチック基質。
- 前記表面修飾モノマーは、1級アミノ基および炭素−炭素二重結合を有するアリルアミン、または1級アミノ基を有するエーテル化合物である3−メトキシプロピルアミンであり、前記プラスチック基質は、前記アミノ基を用いて表面修飾されることを特徴とする請求項12に記載のプラスチック基質。
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