JP2004016071A - ポリヌクレオチドの選択的吸着方法および判定方法 - Google Patents

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Takanori Anazawa
穴澤 孝典
Atsushi Teramae
寺前 敦司
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Abstract

【課題】特定の塩基配列を有するポリヌクレオチドを短時間で高い選択性で固相表面に吸着させる方法、また被検ポリヌクレオチドの塩基配列を簡便かつ迅速に判定する方法を提供する。
【解決手段】オリゴヌクレオチドを表面に固定した固相にポリヌクレオチドを含有する溶液を接触させ、オリゴヌクレオチドの塩基配列と相補的な塩基配列部分を有するポリヌクレオチドを選択的に吸着する方法であって、前記オリゴヌクレオチドと前記オリゴヌクレオチドに対し相補的な塩基配列を有するポリヌクレオチドとで形成される対の融解温度と前記融解温度より15℃低い温度の範囲内の任意の温度から少なくとも10℃低い温度まで前記固相と前記溶液との接触面を0.001〜0.3℃/sの降温速度で冷却するポリヌクレオチドの選択的吸着方法、及び該方法で吸着されたポリヌクレオチドの吸着量から特定の塩基配列部分を有するポリヌクレオチドの有無を判定する方法。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固相に固定したオリゴヌクレオチドの塩基配列と相補的な塩基配列部分を有する吸着対象のポリヌクレオチドを選択的に固相に吸着させる方法、及び該吸着量から検出対象のポリヌクレオチドの有無を判定する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
吸着対象のポリヌクレオチドを選択的に固相に吸着させるためには、該ポリヌクレオチドと相補的な塩基配列を有するオリゴヌクレオチドを固相表面に固定し、該ポリヌクレオチドをハイブリダイゼーションによって該オリゴヌクレオチドに結合させる方法が用いられている。その際、通常は十分な結合の選択性を発揮させるために、40〜70℃の一定温度で被検溶液と接触させた状態で数時間〜12時間保持してハイブリダイズさせる必要があり、ポリヌクレオチドの吸着処理に長時間を要していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、吸着対象のポリヌクレオチドを高い選択性でかつ迅速に固相に吸着させる方法を提供することにあり、また、検出対象のポリヌクレオチドの有無を簡便かつ迅速に判定する方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決する方法について鋭意検討した結果、ポリヌクレオチドを含有する溶液を、オリゴヌクレオチドを表面に固定した固相の表面に接触させた状態で、特定温度領域を特定降温速度で冷却することによって、固定したオリゴヌクレオチドと該オリゴヌクレオチドと相補的な塩基配列を有するポリヌクレオチドを高い選択性で迅速にハイブリダイズさせることができること、及びそれにより溶液中の該ポリヌクレオチドの有無の判定が容易に行えることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
即ち、本発明はオリゴヌクレオチドを表面に固定した固相にポリヌクレオチドを含有する溶液を接触させ、オリゴヌクレオチドの塩基配列と相補的な塩基配列部分を有するポリヌクレオチドを選択的に吸着する方法であって、前記オリゴヌクレオチドと前記オリゴヌクレオチドに対し相補的な塩基配列を有するポリヌクレオチドとで形成される対の融解温度と前記融解温度より15℃低い温度の範囲内の任意の温度から少なくとも10℃低い温度まで前記固相と前記溶液との接触面を0.001〜0.3℃/sの降温速度で冷却するポリヌクレオチドの選択的吸着方法を提供する。
【0006】
また、本発明は前記ポリヌクレオチドの選択的吸着方法によって吸着されたポリヌクレオチドの吸着量から、固相に固定されたオリゴヌクレオチドの塩基配列と相補的な塩基配列部分を有するポリヌクレオチドの有無を判定するポリヌクレオチドの判定方法を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の選択的吸着方法について説明する。本発明のポリヌクレオチドの選択的吸着方法はオリゴヌクレオチドが固定されている固相表面にポリヌクレオチドを含有する溶液を接触させた状態で、前記オリゴヌクレオチドと前記オリゴヌクレオチドと相補的な塩基配列を有するポリヌクレオチド(以下、前記オリゴヌクレオチドと相補的な塩基配列を有するポリヌクレオチドを吸着対象のポリヌクレオチドという。)とで形成される対の融解温度から該融解温度より15℃低い温度範囲までの任意の温度(以下、徐冷開始温度という。)から徐冷開始温度より少なくとも10℃低い温度まで、前記固相と前記溶液との接触面を0.001〜0.3℃/sの降温速度で冷却(以下、徐冷という。)することにより吸着対象のポリヌクレオチドを選択的に吸着させる方法である。
【0008】
表面にオリゴヌクレオチドを固定した固相とポリヌクレオチドを含有する溶液を接触した状態で徐冷開始温度まで昇温する方法や温度経路は任意であり、例えば、(イ)固相と溶液とを接触させた状態で徐冷開始温度まで任意の昇温速度で昇温し、必要に応じて任意の時間保持し、その後、徐冷を開始する方法、(ロ)固相と溶液とを徐冷開始温度を越える温度まで任意の昇温速度で昇温し、必要に応じて任意の時間だけ保持し、その後、徐冷開始温度まで任意の冷却速度で徐冷開始温度まで冷却して、徐冷を開始する方法、(ハ)予め固相と溶液とをそれぞれ独立に徐冷開始温度にしておき、それらを接触させ徐冷を開始する方法等が挙げられる。
【0009】
表面にオリゴヌクレオチドを固定した固相にポリヌクレオチドを含有する溶液を接触させる方法は任意であり、オリゴヌクレオチドが固定された固相が、例えば板状である場合には、従来のDNAマイクロアレイ(DNAチップ)と同様の方法が使用できる。即ち、例えばポリヌクレオチド溶液を該板状の固相表面に滴下し、カバーグラスを被せた状態で接触させることが出来る。ポリヌクレオチド溶液量が多い場合には、オリゴヌクレオチドが固定された固相を該溶液に浸漬することも可能である。オリゴヌクレオチドが固定された固相が流路の内表面である場合には、後述する流路にポリヌクレオチド溶液を流通させた状態、或いは滞留させた状態で接触させることが出来る。
【0010】
前記徐冷開始温度が融解温度より高い場合は、固相に固定されたオリゴヌクレオチドと吸着対象のポリヌクレオチドとが実質的にハイブリダイズせず、また、融解温度より15℃低い温度未満の場合は、吸着対象のポリヌクレオチド以外のポリヌクレオチドを吸着してしまい吸着選択性が極端に低下する上、吸着に長時間を要する。
【0011】
固相に固定されたオリゴヌクレオチドと吸着対象のポリヌクレオチドとの対の融解温度は、予め互いに相補的な同一長のオリゴヌクレオチドの対を用い、それらが解離する温度を測定することによって求めることができる。このようなオリゴヌクレオチドの対は慣用の方法によって合成することができる。解離の測定は、例えば赤外吸収スペクトル、示差熱分析、エチジウムブロマイドなどの蛍光性インターカレーターを添加した状態で温度を変化させる方法で知ることが出来る。本発明において対の融解温度は、0.05℃/sで昇温したときに、対の80%が解離する温度とする。
【0012】
対の融解温度は、ハイブリダイズする部分の塩基数や塩基配列に依存し、通常使用される緩衝液中においては、一般的な長鎖の2本鎖ポリヌクレオチドで95℃程度、20塩基対の2本鎖オリゴヌクレオチドで約60℃であることが知られており、通常60〜95℃程度である。また、ポリヌクレオチドの長さが同じであっても、A−T結合が多い場合にはG−C結合が多い場合より高くなることも知られている。
【0013】
徐冷は徐冷開始温度と前記溶液の凝固点の温度範囲内で、かつ前記徐冷開始温度から少なくとも10℃、好ましくは15℃、さらに好ましくは20℃低い温度まで行う。徐冷する温度範囲が前記範囲より狭いと、吸着対象のポリヌクレオチドの吸着量の低下や吸着選択性の低下が生じる。一方、前記範囲より広くても、時間を要するわりに効果の増加が少ない。降温速度は0.001〜0.3℃/sであり、さらに好ましくは0.002〜0.1℃/sであり、最も好ましくは0.003〜0.03℃/sである。降温速度が0.001℃/sより低いと吸着に長時間を要し本発明の効果が減じる。また、降温速度が0.3℃/sより高いと、吸着対象のポリヌクレオチドの固相への吸着量や吸着選択性が低下する。。なお、徐冷は繰り返し行っても良い。繰り返し徐冷を行う際、徐冷開始温度までの昇温速度は任意である。
【0014】
本発明に用いるポリヌクレオチドを含有する溶液は、該溶液に含有されるポリヌクレオチドが2本鎖ポリヌクレオチドである場合には、前記除冷に先立ち、該ポリヌクレオチドの融解温度以上まで昇温する温度履歴を経由させてから、固相と接触させた状態で徐冷開始温度から少なくとも10℃低い温度まで徐冷することが好ましい。なお、オリゴヌクレオチドと吸着対象のポリヌクレオチドとをハイブリダイズさせた後、ポリヌクレオチドを含む溶液を最終的に室温に戻す際は、任意の降温速度でよい。
【0015】
本発明に用いる固相に固定するオリゴヌクレオチドは、吸着させる吸着対象のポリヌクレオチドと相補的な塩基配列を有するオリゴヌクレオチドであり、オリゴデオキシリボヌクレオチド又はオリゴリボヌクレオチドであり得る。オリゴヌクレオチドの長さは任意であるが、塩基数5〜35が好ましく、7〜30が更に好ましく、10〜25が最も好ましい。塩基数が5未満であると選択性及び吸着対象のポリヌクレオチドの固相への吸着量が低下し、また塩基数が35を超えると同様に選択性が低下する。本発明に用いるオリゴヌクレオチドは1本鎖オリゴヌクレオチドであっても、2本鎖オリゴヌクレオチドであっても良く、目的に応じて選択できるが、吸着速度が高いことから1本鎖オリゴヌクレオチドであることが好ましい。
【0016】
本発明に用いるオリゴヌクレオチドを固定する固相表面は任意であり、板状固相の表面、マイクロウェルの内面、溝状の流路の内面、毛細管状の流路の内面、電極の表面電界効果トランジスタなどの電子素子の表面、磁性体の表面、多孔質体の細孔表面、粒子の表面などであり得る。これらの中でも、毛細管状の流路の内面であることが、温度制御が容易で本発明の効果を発揮させ易いため好ましい。毛細管状の流路は、単なる毛細管でも良いが、マイクロ流体デバイス中に形成された流路であることが好ましい。ここでいうマイクロ流体デバイスは、マイクロ・フルイディック・デバイス、マイクロ・ファブリケイテッド・デバイス、ラブ・オン・チップ、又はマイクロ・トータル・アナリティカル・システム(μ−TAS)とも呼ばれるものであり、流体を流入し流出するまでの経路内で、流体が温度変化をうける機構、濃度調整される機構、化学反応をうける機構、流動の流速、流動の分岐、混合若しくは分離などの制御をうける機構、又は電気的、光学的な測定をうける機構等を設けた毛細管状の流路を有するデバイスである。特に、本発明のポリヌクレオチドの判定方法に使用するポリヌクレオチドを含有する被検溶液を調製する機構、例えば、蛋白質変性用加熱機構、濾過などの試料前処理機構、濃度調節用希釈混合機構、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)反応槽などが形成されたデバイスであることがさらに好ましい。マイクロ流体デバイスは板状の外形を有するものであると取り扱いが容易なため好ましい。
【0017】
さらに、オリゴヌクレオチドの固定された固相がマイクロ流体デバイスの流路の内表面である場合には、試料中のポリヌクレオチドと固定オリゴヌクレオチドとの接触確率を増大させるため、オリゴヌクレオチドの固定部位はできるだけ流路径が小さいことが望ましい。一般に拡散による混合時間は流路径の2乗に比例するため、流路径の小さな流路では通過するポリヌクレオチドが流路壁に結合したオリゴヌクレオチドと接触する確率が高くなるからである。このためマイクロ流路デバイスの流路径は3〜200μmであることが好ましく、さらに5〜100μm程度であることがより好ましい。流路径がこの範囲より小さいと、圧力損失が大きくなり流路にポリヌクレオチド溶液を流すことが困難となる。ただし、流路の断面形状に異方性がある場合、例えば楕円やスリット状の場合には、流路径は短径を言うものとする。
【0018】
また、本発明のポリヌクレオチドの判定方法に前記マイクロ流体デバイスを使用する場合には、複数のオリゴヌクレオチドを流路内の互いに独立した領域に固定することが好ましい。このとき、判定の目的によって1つの流路中の複数の領域に独立に固定したり、並列に形成された複数の流路にそれぞれ固定しても良い。
【0019】
前記マイクロ流体デバイスの素材は任意であり、公知の、例えば硝子、石英などの結晶、シリコンなどの半導体、ステンレススチールなどの金属、又は重合体などを素材として使用できる。その中でも成形が容易で生産性が高いことから重合体が好ましい。また、重合体がエネルギー線硬化性組成物の硬化物であると特に生産性が高く且つオリゴヌクレオチドを固定するための官能基を高密度に導入できるためさらに好ましい。前記マイクロ流体デバイスを本発明のポリヌクレオチドの判定方法に用いる場合には、オリゴヌクレオチド固定部位からの蛍光を観測できるよう前記マイクロ流体デバイスは透明な部材で構成されていることが好ましい。
【0020】
前記マイクロ流体デバイスの流路において、表面にオリゴヌクレオチドが固定されている流路の長さは任意であり、用途目的に応じて設計出来る。ポリヌクレオチドの判定方法として使用する場合には、固定部位の寸法はできるだけ小さくすることが好ましく、多数の異なるオリゴヌクレオチドを流路内表面上に独立なスポットまたはエリアとして固定することが好ましい。また、ポリヌクレオチドの濃縮や採取方法として使用する場合には、長い流路、例えば数メートルの流路全体にオリゴヌクレオチドを固定しても良い。
【0021】
本発明に用いるオリゴヌクレオチドを固相に固定する方法は任意であるが、固定されたオリゴヌクレオチドが最高温度に曝された場合であっても実質的に固相から脱離しないことが必要である。そのような固定方法としては、例えばビオチン−アビジンなどの蛋白質を介する結合や共有結合による固定が挙げられるが、共有結合による固定であることが好ましい。
【0022】
本発明に用いるオリゴヌクレオチドを共有結合で固相に固定する方法は任意であり慣用の方法を使用でき、例えば(1)特表平4−505763号公報や特開平11−21293号公報などに記載された、固相上にオリゴヌクレオチドをインサイチュ(in−situ)合成するインサイチュ合成法(固相合成法)、(2)官能基を導入したオリゴヌクレオチドを該官能基を利用して固相に結合させる方法などがあげられる。(2)の方法は、固相に導入された−SO−CH=CH基、−NHCONHCOCH=CH基、−COX(Xはハロゲンを示す。)基、アルデヒド基、イソシアナト基、エポキシ基、又はハロゲン原子、アルコキシ基若しくはアミノ基などを有するトリアジニル基などの官能基と、本発明に用いるオリゴヌクレオチドに導入されたアミノ基とを反応させて固定する方法などを採ることができ、また、固相と前記オリゴヌクレオチドの両者にアミノ基を導入し、複数の−SO−CH=CH基、−NHCONHCOCH=CH基、−COX基(Xはハロゲンを示す。)、アルデヒド基、イソシアノト基、エポキシ基、又はハロゲン原子、アルコキシ基若しくはアミノ基などを有するトリアジニル基などの官能基を有するポリマーを介在させて固定する方法などを採ることも出来る(特開2001−272402号公報など)。
【0023】
固相にオリゴヌクレオチドを固定するための官能基の導入方法は任意であり、例えば、アミノ基、ヒドロキシ基、エポキシ基、又はアルデヒド基などの官能基を有するシランカップリング剤でガラスや石英の表面を処理する方法、電離放射線やプラズマ処理などを利用して表面に官能基をグラフトする方法、上記官能基を有するポリマーを部材として使用するか或いはそれをコートする方法又は上記官能基を有するモノマーや重合性オリゴマーを塗布してインサイチュ重合する方法などである。
インサイチュ重合に使用できる官能基を有するモノマーや重合性オリゴマーの例としては、エポキシ基を有する(メタ)アクリレート、アルデヒド基を有する(メタ)アクリレート、ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレート、アンモニウム基を有する(メタ)アクリレート、カルボキシ基とアンモニウム基を有する(メタ)アクリレート、リン酸エステル構造とアンモニウム基を有する(メタ)アクリレート、亜リン酸エステル構造とアンモニウム基を有する(メタ)アクリレート、フォスフォニウム基とアンモニウム基を有する(メタ)アクリレート、アクリルアミド(N−アルキル置換体を含む)などのアミド基を有するビニルモノマーまたはアミノ基を有するビニルモノマーなどを挙げることができる。
【0024】
更に高密度に前記官能基を固定する方法として、以下の方法を用いることができる。即ち、活性光線により重合可能なモノマー及びオリゴマーの少なくとも1つ(a)と光重合開始剤とを必須成分として含む光重合性樹脂組成物(A)を賦形し、得られた未硬化の賦形物を、親水性モノマー及び親水性オリゴマーの少なくとも1つ(b)からなり光重合開始剤を含まない親水性層形成材料(B)と接触させた状態で、これらに活性光線を照射することによって未硬化の賦形物を硬化させると共に、未硬化の賦形物と親水性層形成材料(B)との界面において光重合性樹脂組成物(A)中のモノマー及びオリゴマーの少なくとも1つ(a)と親水性層形成材料(B)中の親水性モノマー及び親水性オリゴマーの少なくとも1つ(b)の一部とを共重合させる表面親水性成型物の製造方法であって、モノマー及びオリゴマーの少なくとも1つ(a)は、重合開始剤の存在下又は不存在下で使用する活性光線によって重合可能であり、親水性モノマー及び親水性オリゴマーの少なくとも1つ(b)は、重合開始剤の存在下では、使用する活性光線によって重合可能であるが、重合開始剤の不存在下では、使用する活性光線によって重合しない、という条件を満足するモノマー及びオリゴマーの少なくとも1つ(a)、親水性モノマー及び親水性オリゴマーの少なくとも1つ(b)及び活性光線を使用することを特徴とする表面親水性成型物の製造方法を使用できる(特開平10−053658号公報)。
【0025】
本発明に用いるポリヌクレオチドを含有する溶液中に含有されるポリヌクレオチドはDNAであってもRNAであっても良く、その長さも任意である。長さは例えば5塩基以上であって良く、数億であり得るが、吸着速度と選択性を共に高くするために7〜10000塩基が好ましく、10〜3000が更に好ましい。ポリヌクレオチドの長さは、制限酵素を使用する場合やPCRなどによってDNAを増幅する場合には、プライマーの設計によって調節できる。ポリヌクレオチドの長さは固定されたオリゴヌクレオチドより短くても、同じでも、長くても良く、お互いの相補的な塩基配列部分がハイブリダイズして吸着される。しかしながら、固定されたオリゴヌクレオチドと同じか、それより長い場合に特に有用である。
【0026】
本発明に用いるポリヌクレオチドを含有する溶液は本発明の用途目的によって種々の場合があり得る。例えば、溶液中のポリヌクレオチドが吸着対象の塩基配列部分を有するか否かを判定する場合には、全DNA、cDNA、制限酵素により切断されたDNA断片、PCRなどにより増幅されたDNA断片など溶液であり得るし、1本鎖ポリヌクレオチドまたは2本鎖ポリヌクレオチドでありうるし、単独の塩基配列のポリヌクレオチド、ヘテロ接合の1塩基多型を有するポリヌクレオチド、野生型と変異型のポリヌクレオチドの混合溶液であり得るし、単独溶液であり得るし、異なる塩基配列のポリヌクレオチドの混合溶液や、ポリヌクレオチド以外の物質との混合溶液であり得る。また例えば、ポリヌクレオチドの濃縮、精製、回収、採取を目的とする場合には、上記の他にポリヌクレオチドの希薄溶液などであり得る。RNAについても同様である。
本発明のポリヌクレオチドの選択的吸着方法は、従来のマイクロアレイ法では数時間〜12時間もの長時間を有していた一塩基多型の選択的吸着に特に有用である。
【0027】
次に本発明のポリヌクレオチドの判定方法について説明する。本発明のポリヌクレオチドの判定方法は、本発明のポリヌクレオチドの選択的吸着方法により吸着されたポリヌクレオチドの吸着量から検出対象のポリヌクレオチドの有無を判定する方法である。
従って、本発明の判定方法における被検ポリヌクレオチド溶液と固定オリゴヌクレオチドとの接触方法、オリゴヌクレオチドを固定した固相と被検ポリヌクレオチド溶液との接触面を徐冷開始温度に設定する手順、徐冷方法などは、前記と同様である。
【0028】
検出対象のポリヌクレオチドの吸着量の測定は、慣用の方法を利用することができる。例えば、蛍光標識したポリヌクレオチドを使用し、オリゴヌクレオチド固定部分の蛍光を測定する方法、色素や着色粒子で標識したポリヌクレオチドを使用し、オリゴヌクレオチド固定部分の着色や吸光度を測定する方法、蛍光インターカレーターを添加しオリゴヌクレオチド固定部分の蛍光を測定する方法、オリゴヌクレオチド固定部分を挟んで設けられた電極間の電位差や抵抗を測定する方法、電界効果トランジスタ上にオリゴヌクレオチドを固定し、出力電圧を測定する方法、ELISA法、即ち、酵素で標識したポリヌクレオチドを使用し、基質との反応生成物濃度を、着色、吸光度、蛍光、電気伝導度、過酸化水素濃度、酸素濃度又は水素イオン濃度などにより測定する方法などを挙げることができる。
【0029】
なお、検出対象のポリヌクレオチドの吸着量を測定する際、固相に固定したオリゴヌクレオチドと検出対象のポリヌクレオチドとをハイブリダイズさせ、次いで、オリゴヌクレオチドとハイブリダイズしていないポリヌクレオチドを分離除去するため、該固相表面を緩衝液等で予め洗浄しても良い。
【0030】
本発明のポリヌクレオチドの判定方法は、DNAマイクロアレイの検出速度を改良し目的のポリヌクレオチドの有無の判定を迅速にしたものであり、判定すべきポリヌクレオチドの種類も、DNAマイクロアレイの場合と同様である。例えば、前記本発明のポリヌクレオチドの選択的吸着方法において使用できるポリヌクレオチドを含有する溶液の説明で挙げたものと同様のものを例示できる。
【0031】
また同様に、ポリヌクレオチドを判定する論理も、DNAマイクロアレイに於けるポリヌクレオチドの判定論理と同様である。例えば、ポリヌクレオチドとして、ある病原体に固有の塩基配列部分を含むDNA断片を固定し、被検DNA溶液として患者のDNAと病原体のDNAの混合溶液を使用し、該固定部分に吸着される被検DNAの量から該被検DNA中に該病原体のものが含まれるか否かを判定する方法、
ポリヌクレオチドとして変異型の1塩基多型部分を含むDNA断片を固定し、該固定部分に吸着される被検DNAの量から該被検DNAが変異型1塩基多型を有するか否かを判定する方法、
ポリヌクレオチドとして、野生型と変異型の1塩基多型部分を含むDNA断片をそれぞれ異なる領域に固定し、該固定部分に吸着される被検DNAの量のパターン(+/+、+/−、−/+)から該被検DNAがホモ接合の1塩基多型を有するかヘテロ接合であるかを判定する方法などを挙げることができる。
本発明のポリヌクレオチドの判定方法は、特に従来のマイクロアレイ法では数時間〜12時間もの長時間を要する1塩基多型の判定に有用である。
【0032】
本発明のポリヌクレオチドの判定方法は、従来のDNAマイクロアレイと同じ目的に使用できる。例えば、農林水産業などに於ける種の改良などを目的としたDNAやRNAの塩基配列と機能の関係の解明のための使用や、感染症の原因微生物の判定、疾患に掛かりやすい遺伝的因子の保有の判定、患者の薬物感受性の判定、ガンであるか否かあるいはその種類の判定、生体移植の適合性の判定などの医療用途での使用や、同一人判定、親子判定、男女判定などの法務鑑定での使用、生物学的あるいは考古学的研究での使用、農作物において特定種であるか否か又はあるいは遺伝子組み換え作物であるか否かの判定などを挙げることができる。
【0033】
【発明の効果】
本発明のポリヌクレオチドの選択的吸着方法により、吸着対象の塩基配列を有するポリヌクレオチドを高い選択性で、かつ迅速に固相に吸着させることができる。また、該選択的吸着方法により検出対象のポリヌクレオチドを短時間でかつ高い選択性で固相に吸着させることができることから、簡便、迅速且つ高い精度で目的とするポリヌクレオチドの有無を判定ができる。

Claims (3)

  1. オリゴヌクレオチドを表面に固定した固相にポリヌクレオチドを含有する溶液を接触させ、オリゴヌクレオチドの塩基配列と相補的な塩基配列部分を有するポリヌクレオチドを選択的に吸着する方法であって、前記オリゴヌクレオチドと前記オリゴヌクレオチドに対し相補的な塩基配列を有するポリヌクレオチドとで形成される対の融解温度と前記融解温度より15℃低い温度の範囲内の任意の温度から少なくとも10℃低い温度まで前記固相と前記溶液との接触面を0.001〜0.3℃/sの降温速度で冷却することを特徴とするポリヌクレオチドの選択的吸着方法。
  2. 請求項1に記載のポリヌクレオチドの選択的吸着方法によって吸着されたポリヌクレオチドの吸着量から、固相に固定されたオリゴヌクレオチドの塩基配列と相補的な塩基配列部分を有するポリヌクレオチドの有無を判定するポリヌクレオチドの判定方法。
  3. 前記ポリヌクレオチドの判定が、ポリヌクレオチドの1塩基多型の判定である請求項2に記載のポリヌクレオチドの判定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009511704A (ja) * 2005-10-14 2009-03-19 エルジー ライフサイエンス リミテッド プラズマ処理を用いるプラスチック基質の製造方法および同方法を用いて製造されるプラスチック基質

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