JP2013150567A - 核酸分析用反応デバイス、及び核酸分析装置 - Google Patents

核酸分析用反応デバイス、及び核酸分析装置 Download PDF

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Abstract

【課題】シーケンス反応の効率を高めて、塩基配列決定精度を高めるとともに、読み取り塩基長を長くできる核酸分析用反応デバイスを提供する。
【解決手段】反応デバイス200の流路202の壁に規則的な溝207を設けて、液注入口205と液排出口206を結ぶ直線方向とは異なるベクトルを有する試薬の液の流れ(乱流)を生じさせるようにした、フローセルタイプの核酸分析用反応デバイスと、該デバイスを有する核酸分析装置。試薬供給時のDNA断片近傍への試薬の置換効率を高めて、シーケンス反応効率を高める。
【選択図】図2

Description

本発明は、核酸分析用反応デバイス、及び核酸分析装置に関する。
DNAやRNAの塩基配列を決定する新しい技術が開発されてきている。
現在、通常用いられている電気泳動を利用した方法においては、予め配列決定用のDNA断片又はRNA試料から逆転写反応を行い合成したcDNA断片試料を調製し、周知のサンガー法によるジデオキシ反応を実行した後、電気泳動を行い、分子量分離展開パターンを計測して解析する。
これに対し、近年、基板に試料となるDNA断片を数多く固定して、パラレルに数多くの断片の配列情報を決定する方法が提案されている。
非特許文献1では、DNA断片を担持する担体としていわゆるビーズと称せられる微粒子を用い、微粒子上でPCR(Polymerase Chain Reaction)を行う。その後、微粒子のサイズに穴径を合わせた数多くの穴を設けたプレートに、PCR増幅されたDNA断片を担持した微粒子を入れてパイロシーケンス方式で読み出している。
また、非特許文献2では、DNA断片を保持する担体として微粒子を用い、微粒子上でPCRを行う。このプロセスで、同じ配列を持つ数万コピー以上のDNA断片が一つの微粒子上に付与される。一回のPCRで、数万個以上の微粒子が同時に処理される。その後、微粒子をガラス基板上にばら撒いて固定し、ガラス基板上で酵素反応(ライゲーション)を行い、蛍光色素付き基質を取り込ませて蛍光検出を行うことにより各断片の配列情報を得ている。
さらに、非特許文献3では、基板上に、同一配列を有する多数のDNAプローブを固定しておく。また、DNA試料を切断後、DNAプローブ配列と相補鎖のアダプター配列を各DNA試料断片の端に付加させる。これらを基板上でハイブリダイゼーションさせることにより、基板上にランダムに一分子ずつ試料DNA断片を固定化させている。この場合、基板上でDNA伸長反応をおこない、蛍光色素付き基質を取り込ませた後、未反応基質の洗浄や,蛍光検出を行い、試料DNAの配列情報を得ている。
以上のように、基板上に、核酸断片試料を数多く固定することにより、パラレルに数多くの断片の配列情報を決定する方法が開発され、実用化されつつある。
特許文献1の図24に、前述の方法で用いられる反応デバイスが開示されている。DNA断片を保持する微粒子担体を、基板上のサンプル固定層に固定化した後、中央部がくり抜かれたスペーサを介してチャンバに設置する。この反応デバイスでは、チャンバ上部、スペーサ、サンプル固定層から構成される中空が流路となり、シーケンス反応に必要な試薬がDNA断片に供給される。
シーケンス反応は複数種類の試薬が必要な多段階反応であり、試薬の供給、チャンバ温度の上げ下げ、洗浄のための緩衝溶液の供給が繰り返し行われる。反応メカニズムはDNA断片へのプライマーのハイブリダイゼーション、蛍光色素が付与されたプライマーのライゲーション、及び蛍光観察による塩基配列の決定の繰り返しである。一般に、8塩基長の蛍光プライマーを用いた5段階以上の反応が行われ、DNA断片当たり8×5=40以上の塩基配列が一回の分析で決定される。DNA断片当たりの塩基配列決定数(以降、読取り塩基長)が大きいほど、一回の分析で決定できる塩基数を増やすことができスループットを高めることができる。
米国特許出願公開第US2009/0062129号明細書
Nature 2005, vol. 437, pp. 376-380. Science 2005, vol. 309, pp.1728-1732 Science 2008, vol. 320, pp. 106-109.
特許文献1の方法では、ライゲーション反応効率が必ずしも高くないため、一つ前のライゲーションで未反応の断片が次のライゲーションで反応する「ディフェージング」の課題がある。理想的には同じ配列を持つ一つの微粒子上の複数DNA断片のライゲーションが同時に進み、一つの微粒子は一色の蛍光色素で検出されるべきである。しかしながら、ディフェージングとは、一つの微粒子が複数種類の蛍光で検出される現象であり、塩基配列決定精度を低下させるものである。ディフェージングが生じる微粒子の割合は、ライゲーションのステップ数が増えるとともに増加するため、読取り塩基長を小さくせざるを得ない課題があった。
本発明は、以上の点を鑑みてなされ、その目的は、従来の核酸分析用反応デバイスにおける上記の課題を解決し、塩基配列決定精度を高め、さらに、読取り塩基長を増やし一度の分析で決定できる配列決定数を増やしてスループットを高めることにある。
本発明の発明者は、鋭意研究の結果、次に述べるように、ディフェージングが生じる微粒子割合を低減する手段を見出し、読取り塩基長を増やして一度の分析で決定できる塩基決定数を増やすことができる核酸分析用反応デバイスを完成させた。
本発明は、基本的には、次のように構成される。
(1)すなわち、核酸試料を固定するためのサンプル固定層と、サンプル固定層上に形成される1以上の流路とを備えるフローセルタイプの核酸分析用反応デバイスにおいて、
前記サンプル固定層と対向する流路壁面には、前記流路の液注入口と液排出口を結ぶ直線方向とは異なるベクトルを有する試薬の液の流れを生じさせる溝が流路方向に列をなして形成されていることを特徴とする。
(2)例えば、前記核酸分析用反応デバイス(第1の例)としては、第1の基板と、この第1の基板上に形成された前記サンプル固定層と、前記流路を形成するためのくり抜き部を有するスペーサと、第2の基板とを有し、前記スペーサを挟んで且つ前記サンプル固定層が前記スペーサ側に向くようにして、前記第1の基板と前記スペーサと前記第2の基板とがサンドイッチ構造で貼り合わされたデバイスを例示する。前記スペーサのくり抜き部と前記第1の基板の一面と前記第2の基板の一面とで前記流路が形成され、前記サンプル固定層が前記流路に臨み、流路ごとに一つの液注入口及び液排出口を備える。かような構造の核酸分析用反応デバイスにおいて、前記第2の基板上の前記流路に臨む流路壁面に、多数の溝が、流路方向に規則的に列をなして形成される。規則的に列をなす溝は、液注入口と液排出口を結ぶ直線方向(流路方向)とは異なるベクトルを有する試薬の液の流れ(いわゆる渦流、螺旋流などの乱流)を生じさせる効果がある。その乱流によって、サンプル固定層が臨む流路に、試薬を供給する時に、DNA断片近傍への試薬の置換効率を高め、ライゲーション効率を高めることができる。
(3)また、別の例(第2の例)を挙げれば、前記核酸分析用反応デバイスとしては、第1の基板と、この基板上に形成された前記サンプル固定層と、第2の基板と、この第2の基板上に設けた接着シートと、流路を形成するためのくり抜き部を有するスペーサとを備え、前記スペーサ及び前記接着シートを挟んで且つ前記サンプル固定層と前記接着シートとが対向するようにして、前記第1の基板と前記スペーサと前記接着シートと前記第2の基板とがサンドイッチ構造で貼り合わされたデバイスが例示される。前記スペーサのくり抜きと前記サンプル固定層と前記接着シートの一面とで前記流路が形成され、流路ごとに一つの液注入口及び液排出口を備える。かような構造の核酸分析用反応デバイスにおいて、前記接着シート(流路壁面)上に前記同様の溝を、規則的に列をなして形成する。接着シート上への溝の形成方法として、工業的に広く一般的に活用されている射出成型や型押しを用いることができ、核酸分析用反応デバイスの製造を容易にするものである。射出成型や型押しは、溝形状のバラツキを低減することができるため、デバイス毎のライゲーション効率のバラツキも低減できる。
前記スペ−サ及び接着シートは、有機物であることが好ましい。すなわち、有機物は柔らかいため基板表面の凹凸に対する追従性高く、流路への送液時の接着界面からの液漏れを防止することができる。
前記有機物は、例えば、ポリジメチルシロキサン、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、及びそれらの少なくとも2種類以上の混成物からなる群から選択される。これらの材料は、基板との密着性、及びスペーサと接着シートとの接着性を高める接合を行うことができ、送液時の耐圧性を高めることができる。
(4)上記構成において、使用時には、核酸分析用反応デバイスのサンプル固定層上には、表面にDNA断片を有する微粒子担体(ビーズ)が存在する。微粒子担体を用いた配列決定方法では、微粒子が影となり流れ方向反対側の微粒子近傍の液置換率が低いために、従来は、ライゲーション効率が低く読取り塩基長を短くせざるを得ない課題があった。これに対して、本発明によれば、上記したように流路における乱流効果により、試薬を供給する時に、DNA断片近傍への試薬の置換効率を高め、ライゲーション効率を高めることができるので、読取り塩基長を長くし、且つ微粒子担体を用いた高スループットな配列決定を同時に実現する。
前記微粒子担体の直径は、10μm以下であることが好ましい。すなわち、直径を小さくすることで、検出領域内の微粒子密度を高めることができ、一度の分析で決定できる塩基配列数を増やすことができる。
(5)また、規則的配列の前記溝は、その断面形状が第2の基板或いは前記接着シートから流路空間に向かって広がっていることが好ましい。その理由は、次の通りである。
核酸分析用反応デバイスのサンプル固定層に微粒子担体を固定する方法は、微粒子担体を分散させた溶液を核酸分析用反応デバイスの流路に注入した後に、核酸分析用反応デバイスを旋回させ、その旋回による遠心力を利用してサンプル固定層に特異的に微粒子を接触させて固定する。詳細には、微粒子担体を含む溶液を核酸分析用反応デバイスの流路に注入した後、サンプル固定層の一面(サンプルを固定する側の面、以下、「サンプル固定面」とする)が流路壁面のうち最も遠心中心より離れる側になるような状態で、該デバイスを回転させることにより、微粒子担体が遠心力によりサンプル固定面にのみ接触して固定される。このような微粒子担体を固定する場合に、サンプル固定面と対向する流路壁面に、前記したいわゆる規則的配列の溝あると、サンプル固定層とそれに対向する流路壁面(第2の基板やシートの一面)との間の空間は、その溝がある領域が、溝が無い領域に比べて流路空間体積が大きくなる。微粒子担体は、流路空間体積が大きい方が小さい領域に較べて微粒子担体密度が高くなる傾向がある。したがって本願発明のような溝を流路を形成する場合には、溝の有る流路空間領域と溝の無い空間領域とでサンプル固定面への微粒子担体密度にバラツキを生じさせる要素となる。この微粒子担体密度のバラツキは、微粒子担体をサンプル固定面全体で均一に高密度化する場合に、高密度を阻む要素になり得る。しかしながら、このような課題については、上記したように、乱流形成の溝の断面形状を流路空間に向かって、例えばV字型、U字形のように広がるようにすることにより、流路空間体積の大小領域のばらつきを極力減らして遠心時の微粒子担体密度のバラツキを最小化することができる。
(6)なお、上記した第1の基板は、厚さ0.5mm以下のガラスであることが好ましい。微小直径の微粒子からの蛍光画像を鮮明に撮像するためにはNAが高い対物レンズを用いる必要あるが、一般に、高NA対物レンズは焦点深度が浅い。従って、1視野内の微粒子全てを鮮明に撮像するためには、サンプル固定層は対物レンズ面に対して平行である必要がある。厚さ0.5mm以下のガラスは、サンプル面の平行度を高める。
(7)また、本発明は、試料の核酸伸長反応およびそれに伴う核酸分子の蛍光反応を行うフローセルタイプの核酸分析用反応デバイスと、前記核酸分析用反応デバイスに試薬を含む溶液を注入する手段と、前記核酸分析用反応デバイスの流路において保持された試料の核酸伸長反応を蛍光観察する蛍光検出手段と、前記溶液を排出する手段と、を有する核酸分析装置において、前記核酸分析用反応デバイスが前記(1)の特徴を有する、或いは、これに(2)〜(6)の少なくとも一つを含む特徴と有する核酸分析装置を提案する。このような構成を有する核酸分析装置は、ディフェージングを防止して、一度に数多くの塩基配列を決定できる高スループットな核酸分析装置を実現する。
本発明によれば、ディフェージングが生じる微粒子割合を低減し、読取り塩基長を増やして一度の分析で決定できる塩基決定数を増やすことができる核酸分析用反応デバイス及び核酸分析装置を提供することができる。
本発明の実施例1に係るフローセルタイプの核酸分析用反応デバイスの分解斜視図。 本発明の実施例2に係るフローセルタイプの核酸分析用反応デバイスの分解斜視図。 実施例2の核酸分析用反応デバイスの組立てた後の状態を、図2のA-A線位置で断面して示す図。 上記実施形態に用いる核酸分析用反応デバイスの流路に形成される溝配列を示す図。 上記実施形態に用いる核酸分析用反応デバイスの流路に形成される溝配列を示す図。 上記実施形態に用いる核酸分析用反応デバイスの流路に形成される溝配列を示す図。 上記実施形態に用いる核酸分析用反応デバイスの流路に形成される溝配列を示す図。 本発明の核酸分析用反応デバイス製造方法の一例を説明する図。 本発明の核酸分析装置の一例を説明する図。
以下、本発明の実施の形態を、図面に示した実施例を参照して説明する。
ここでは、本発明を完全に理解してもらうため、特定の実施形態についての詳細な説明を行うが、本発明はここに記した内容に限定されるものではない。また、各実施例は適宜組み合せることが可能であり、当該組み合せ形態についても本明細書は開示している。
図1に本発明の実施例1に係るフローセルタイプの核酸分析用反応デバイスの分解斜視図を示す。
核酸分析用反応デバイス100は、一面に例えばDNA断片のような核酸試料を固定するためのサンプル固定層104を有する第1の基板101と、流路102´となるくり抜き部102aを有するスペーサ102と、第2の基板103とを備え、スペーサ102を第1、第2の基板101,103で挟んで、これらの部材をサンドイッチ構造で貼り合わせた構造である。第1の基板101には、流路102´と接する側の一面にサンプル固定層104が形成されている。スペーサ102をくり抜くことによって生じるくり抜き部(細長穴)102aは、1以上形成され、このくり抜き部102aと、サンプル固定層104と、第2の基板103の一面(流路壁面)とにより外部から閉ざされた流路102´が形成される。第1の基板101の一端側に形成された穴が液注入口105となり、もう一端側に形成された穴が液排出口106となる。液注入口105及び液排出口106は、第1の基板101に代わって、第2の基板103に設けても良い。サンプル固定層104の詳細については後述する。
第2の基板103のうち流路102´の流路壁面となる一面に、本発明の要部となる溝107が流路方向に規則的な配列により形成されている。また、この溝107の配列は、流路102´の数だけ流路102´の位置に合わせて設けてある。第1の基板101、スペーサ102、第2の基板103をサンドイッチ構造に貼り合わせることにより、溝107は、流路底面上で、流路方向に規則的な列をなすことになる。
ここで、溝107の詳細な仕様の説明に先立ち、図2及び図3を用いて、同様の溝を形成し得る別の核酸分析用反応デバイスの形態(実施例2)を説明する。図3は図2のA-Aにおける断面図である。
この核酸分析用反応デバイス200は、一面にサンプル固定層204が形成される第1の基板201と、流路202´となるくり抜き部202aを有するスペーサ202と、接着性を有する接着シート208と、第2の基板203とを貼り合わせた構造である。すなわち、スペーサ202及び接着シート208を挟んで且つサンプル固定層204と接着シート208とが対向するようにして、第1の基板201とスペーサ202と接着シート208と第2の基板203とがサンドイッチ構造で貼り合わされる。本実施形態では、第2の基板に代わって規則的配列の溝207は、接着シート208上に形成される。外部と閉ざされた流路202´は、くり抜き部202aとサンプル固定層204と接着シート208の一面(流路壁面)とで形成され、流路202´ごとに液注入口205及び液排出口206を備える。多数の溝207は、接着シート208の流路壁面に形成され、その配列は、先の実施形態の溝107同様である。溝加工法として、射出成型や型押しを用いることができ、再現性高い溝形状を形成することができる。第2の基板203は、全ての部材を貼り合わせた後の反応デバイスの平坦性を保持するために用いられる。
図4〜図6を用いて、上記した規則的配列の溝形状を説明する。上記した実施形態1の溝107も溝207もその仕様は、共通であり、ここでは、代表として溝207を用いて説明する。図4〜図6では、接着シート208と第2の基板203とを貼り合わせ、第1の基板201およびスペーサ202は、省略した状態を示している。接着シート208には、スペーサ202に設けたくり抜き部202aに対応して溝207を規則的配列でくり抜いたものである。
図4〜図6には、種々の形態の溝形状を例示しており、これらの図に示した様な溝207を流路方向に規則的に整列することで、流路内に液注入口と液排出口を結ぶ直線方向に垂直なベクトル成分も持つ定常的な液の流れである螺旋状の渦流が生じる。このような渦流は、流路202´の流路方向に螺旋状に進行する流れであり、流れ方向に対して影となる微粒子担体の液排出口側のDNA断片近傍の液置換率を高め、ライゲーション効率を高める。定常的な渦流は、流路内の固定場所による微粒子担体毎のバラツキを最小化する。また、流路内の液進行方向(流路方向)に対する溝207(107)の角度(向き)は、定常的な渦流を生じることができれば特に制限はないが、送液時の圧力損失を高めることなく反応効率を高めることができる45度の角度が望ましい。
また、図6に示す溝207の断面形状は、第2の基板203から流路方向に向かって末広がり(断面V字型溝)に広がっていることを特徴とする。この形状は、液注入時に巻き込んだ泡の流路内滞留を防止する。一般に、泡滞留は流路エッジ部での発生頻度が高い。これは泡が流路底面と側面の両面で接することで泡と流路面との摩擦力が増えることに起因すると考えられる。基板203から流路空間に向かって広がっていく溝207の断面形状は、両面に接する泡の出現頻度を下げることができる。また、広がっていく形状は、前述の通り、遠心力を用いた微粒子担体の固定時に、溝がある領域とない領域の微粒子担体密度のバラツキを最小化する。また、図6-Aに示す通り溝207は、断面が半円状(断面U字型溝)であっても好ましい。溝の深さは、定常的な渦流を生じることができれば特に制限はないが、送液時の圧力損失を高めることなく反応効率を高めることができる流路高さの0.1倍から0.5倍程度が望ましい。溝の幅、溝のピッチともに定常的な渦流を生じることができれば特に制限はないが、流路内の場所に由来する微粒子担体の反応効率を小さくすることができる0.01mmから0.5mm程度が望ましい。
ここで、核酸分析反応デバイスの第1基板、第2の基板、サンプル固定層、スペーサ、接着シート等の材質、仕様などについて実施例2の核酸分析用反応デバイス200に基づいて説明する。なお、実施例1の核酸分析用反応デバイス100の同様の構成部材も同様の材質、仕様を有する。
第1の基板201は、蛍光を透過し得るガラス、石英、アクリル樹脂やシクロオレフィンポリマー等の樹脂製のものを用いる。前述の通り、高NA対物レンズを用いて撮像する場合は、厚さ0.5mm以下のガラスを用いることが特に好ましい。ガラスは応力による変形が小さく、高耐圧送液時も対物レンズに対するサンプル固定面の平行度を保持することができる。
くり抜き部を有するスペーサ202及び接着シート208は、柔らかく基板表面の凹凸に対する追従性が高く、且つ基板への高い接着性が得られるポリジメチルシロキサン、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、及びそれらの少なくとも2種類以上の混成物からなる両面テープなどを用いる。スペーサ202、及び接着シート208の厚さに特に制限はないが、厚さが薄いほど流路内容量を低減することができ、使用する試薬量を少なくすることができる。スペーサ506は厚さ1mm以下が望ましい。
第2の基板203は、熱伝導性が高く、且つ組立後の反応デバイスの平坦性を保持できる、ガラス、シリコン、SUS、高熱伝導樹脂などを用いる。第2の基板203は分析時に温調素子と接触して用いられるものであり、温調素子の熱を流路内の溶液に短時間で伝達する。反応デバイスの平行度を高めるために、第2の基板の材料は、第1の基板で用いられる材料との熱膨張係数の差が少ない材料を用いることが望ましい。
サンプル固定層204は、無機酸化物、金、カチオン性高分子、アクリルアミド、シランカップリン剤を用いて導入された有機官能基を有する膜など、広く一般に知られているDNAを基板に固定するための固定膜を用いる。無機酸化物は、酸素を含む官能基が特異的に吸着することが知られている。測定に用いられるDNA断片の末端、または微粒子担体上のDNA断片の末端にリン酸基やカルボン酸を導入することで無機酸化物上にDNA断片を固定することができる。この様な無機酸化物として、チタニア、ジルコニア、アルミナ、ゼオライト、五酸化バナジウム、シリカ、サファイア、酸化タングステン及び五酸化タンタルからなる群から選択され、これらの少なくとも2種類の混合物であってもよい。
金はメルカプト基と強固に結合することが知られており、末端にチオール基が導入されたDNAをサンプル固定層である金薄膜上に固定してもよい。また、カチオン性高分子のポリリジンやアクリルアミドなどは末端に官能基がないDNAを固定することができる。UVなどを照射して、DNAとカチオン性高分子との密着力を高めても良い。
無機酸化物や金属酸化物にシランカップリング剤を用いてアミノ基、エポキシ基、グリシドキシ基、メルカプト基、ビニル基、アクリル基、メタクリル基などの官能基を導入してもよい。無機酸化物としては、チタニア、ジルコニア、アルミナ、ゼオライト、五酸化バナジウム、シリカ、サファイア、酸化タングステン及び五酸化タンタルなどが挙げられる。
導入されたアミノ基に二価性の化合物を反応させて再表面にアミノ基と反応可能な官能基を導入することで末端がアミノ基で修飾されたDNAを固定することができる。この様な二価性の化合物として、分子内にイソチオシアナート基、イソシアナート基、NHSエステル基などを持つ化合物が挙げられる。また、分子内にメルカプト基と反応する官能基を持つ二価性の化合物を介して、末端がメルカプト基で修飾されたDNAを固定しても良い。この様な二価性の化合物として、分子内にハロアセチル基、マレイミド基などを持つ化合物が挙げられる。
エポキシ基、グリシドキシ基、ビニル基、アクリル基、メタクリル基はアミノ基と反応することが知られており、シランカップリング剤を用いてこれらの官能基を導入することで末端がアミノ基で修飾されたDNAを固定することができる。
DNA断片を有する微粒子担体は、Science 2005, vol. 309, pp.1728-1732(非特許文献2)に示されるエマルジョンPCRを用いて作製することができる。エマルジョンPCRは、微粒子に核酸を1分子固定し、オイル中に存在する水滴内に1分子の核酸を固定した微粒子1個を含む状態でPCR反応を行うことにより、微粒子上で核酸を増幅する方法をいう。微粒子担体としては、特に磁気微粒子(磁気ビーズ)を用いることが望ましい。
上記ライゲーションを用いたサンプル作製方法では、中間産物を洗浄するプロセスが数多く存在する。この際、磁気微粒子を用いることにより、磁気を利用して容易に高いサンプル回収率で回収することができるので、磁気微粒子を用いることが望ましい。磁気微粒子としては、磁性体を粒子化した微粒子や磁性体を核として表面をアガロース、デキストラン、ポリスチレン、アクリルアミド等の高分子物質で被覆した微粒子等を用いることができる。磁気微粒子としては、市販のものを用いることができDynabeads、Dynabeads Myone(商標)(Dynal社)等を挙げることができる。磁気微粒子の粒子径は0.1〜10μm、好ましくは0.5〜5μmである。上記のエマルジョンPCRを用いることにより、磁気微粒子上に多数コピーの増幅した核酸試料が結合し得る。磁気微粒子1個当たり、103〜1030分子、好ましくは106〜1021分子の核酸分子を結合させればよい。
図1から図7の核酸分析用反応デバイスは、流路が6つ形成されたデバイスの例を示すが、流路の数は限定されず、例えば、1〜1000個、1〜100個、1〜10個、1〜6個あればよい。流路の数が多い場合、一度に多数の反応を行うことができ、高スループットの分析が可能なデバイスとして用いることができる。
本発明の核酸分析用反応デバイスの製造方法の一例を、図7を用いて説明する。両面に離型フィルムを有するスペーサ202を型抜きプレス加工やレーザ加工などを用いて内部をくり抜き、流路部となるくり抜き部202aを形成する。片面の離型フィルム710を剥離した後、サンプル固定層204を有する第1の基板201とスペーサ202を貼り合せる。サンプル固定層204とスペーサ202の接着力を高めるために、貼り合せ直前にサンプル固定層204の表面、及びスペーサ202の表面を、エキシマ処理、酸素プラズマ処理、又は大気圧厚プラズマ処理しても良い。また、貼り合せ後に加熱処理を行い、接着力を高めても良い。次に、残っている離型フィルム711を除去する。
射出成型で規則的な溝が形成された接着シート208を第2の基板203に貼り合わせる。前述のエキシマ処理、酸素プラズマ処理、大気圧厚プラズマ処理、または加熱処理などを行い、接着力を高めても良い。
次に、スペーサ202を持つ第1の基板201と接着シート208を持つ第2の基板203を貼り合わせる。同様の処理を行いスペーサ202と接着シート208の接着性を高めても良い。
このようにして作製した核酸分析用反応デバイス200(100)を、核酸分析装置にセットし核酸分析を行う。本発明は、本発明の核酸分析用反応デバイスをセットして核酸反応を行うための核酸分析装置も包含する。本発明の核酸分析装置は、少なくとも本発明の核酸分析用反応デバイス、核酸分析用反応デバイスに試薬を含む溶液を注入する手段、核酸分析用反応デバイスに保持された試料を観察する検出手段を含む。さらに、核酸分析装置は、少なくとも本発明の核酸分析用反応デバイス、該デバイスを固定するためのホルダユニット、該デバイスとホルダユニットを移動させるステージユニット、試薬を供給するための試薬供給ユニット、試料観察用の検出ユニットを含む。試薬を供給するための試薬供給ユニットは、以下に示す、試薬容器、送液ユニット、ノズル、ノズル搬送ユニットを含む。
本発明の核酸分析装置の一例を、図8を用いて説明する。核酸分析装置813において、上記実施形態で述べた核酸分析用反応デバイス200(或いは100)は、ホルダユニット815に固定される。ホルダユニット815は、核酸分析用反応デバイス200の温度を調整する機構(図示省略)を有する。核酸分析装置813は、さらに、核酸分析用反応デバイス200及びホルダユニット815を移動させるステージユニット816、複数の試薬や洗浄水が収容された試薬容器817、試薬容器817に収容された試薬を吸引し核酸分析用反応デバイス200に注入するための駆動源である送液ユニット818、試薬の吸引・吐出の際、実際に試薬容器817や核酸分析用反応デバイス200にアクセスするノズル819、ノズル819を搬送させるノズル搬送ユニット820、核酸分析用反応デバイス200に固定された試料を観察するための検出ユニット821、及び廃液を収容する廃液容器822等を有する。検出ユニット821は、例えば、蛍光検出装置からなり、ステージユニット上の核酸分析用反応デバイスに励起光を照射し、発生した蛍光を検出することができる。
本発明の核酸分析装置は以下の通りに動作する。まず、測定対象の核酸試料を保持した核酸分析用反応デバイス200をホルダユニット816に設置する。次に、ノズル819が試薬容器817にアクセスし、試薬を送液ユニット818により吸引する。ノズル819は、ノズル搬送ユニット820により核酸分析用反応デバイス200上面に搬送され、核酸分析用反応デバイス200に試薬を注入する。そして、ホルダユニット815にて、核酸分析用反応デバイス200の流路内に含まれた核酸試料と試薬を温度調整することで核酸伸長反応及び蛍光反応が起こる。反応した核酸試料を観察するために、核酸分析用反応デバイス200をステージユニット816にて移動させ、励起光を当てて検出領域内にある複数の核酸試料の蛍光を検出する。この際、好ましくは、核酸試料又は核酸試料を表面に有する微粒子担体が固定された側の基板を通して励起光を当て、蛍光を検出すればよい。検出後、核酸分析用反応デバイス200を微小に動かし同様の方法で検出、という動作を複数回繰り返す。全ての検出領域で観察が終了したら、試薬容器817に収容された洗浄水を送液ユニット818により吸引し、核酸分析用反応デバイス200へ注入することで、核酸分析用反応デバイス200の流路内を洗浄する。また、別の試薬を注入し検出、という動作を複数回繰り返すことで、核酸試料を読み取ることが出来る。核酸分析装置は、コンピュータにより制御され、上記動作を自動的に行うことができる。
本発明の核酸分析装置を用いて種々の核酸分析を実施することができ、例えば、DNA配列決定やハイブリダイゼーションを行うことができる。特に本発明の核酸分析装置を用いてDNA配列決定(DNAシークエンス)を行うことができる。DNAシークエンスの方法は限定されないが、段階的ライゲーションを利用した方法(Sequencing by Oligonucleotide Ligation and Detection)によるDNA配列決定が好ましい。段階的ライゲーション法とは、微粒子上の1本鎖DNAを鋳型に蛍光標識されたプローブを順次結合させ、2塩基ずつ配列を決定する手法をいう。該方法により、1サイクルで数十〜数百bpの解読を行うことができ、1ランで数十Gbのデータを解析することが可能である。段階的ライゲーション法においては、蛍光標識したオリゴヌクレオチドを繰り返しハイブリダイズすることで並列シーケンシングすることができる。段階的ライゲーションを利用した配列決定法は、例えばScience 2005, vol. 309, pp.1728-1732の記載に従って行うことができる。
本発明の核酸分析装置を用いた核酸分析方法を説明する。分析方法はScience 2005, vol. 309, pp.1728-1732(非特許文献2)に開示されている方法に準じる。
(1)ライブラリー作製
測定対象の核酸試料をDneasy Tissue kit(QIAGEN社)を用いて精製した後、核酸試料を断片化した。断片化DNAに対して、End-it DNA End Repair kit(EpiCentre社)を用いてテンプレートDNAの両端にタグ配列を付加した。タグ配列が付加したテンプレートを精製した後、スペーサ配列が付加されたテンプレートをエキソヌクレアーゼで処理して、RCA(Rolling Circle Amplification)用のテンプレートを作製した。得られたテンプレートに対して、ランダムヘキサマーを用いたRCAを行いテンプレートを増幅した。増幅産物をMicrocon-30(Millipore社)で精製した後、制限酵素で断片化した。断片化された産物に対してゲル精製を行い、70塩基長のタグライブラリーを抽出した。抽出されたタグライブラリーに対してプライマーをライゲーションした後PCR増幅を行い、ライブラリーを作製した。
(2)エマルジョンPCR
Light mineral oil(Sigma社)からなるオイル溶液にPCR溶液、MyOne(商標) paramagnetic streptavidin磁気ビーズ(Dynal社)、及びライブラリー溶液を加えてエマルジョンPCRを行った。増幅溶液に対して、界面活性剤を含む溶液を加えて高速遠心を行った後、マグネットを用いて溶媒置換を行い、表面に数多くの増幅産物を持つ測定用のDNAを表面に有する付きビーズ水溶液を作製した。
(3)核酸分析用反応デバイスへのDNA付きを表面に有するビーズの固定
(2)で得られた核酸試料付きビーズに5'がリン酸化されたプライマーをライゲーションし、ビーズ上の核酸試料末端に固定用の官能基であるリン酸基を付加した。サンプル固定層としてチタニアを持つ本発明の核酸分析用反応デバイスに5'がリン酸化された核酸試料付きビーズ水溶液を注入した。サンプル固定層を有する面が外側になるように遠心を行った後、サンプル固定層を有する面を下側にして40℃で12時間保持して、チタニア上にDNA付きビーズを固定した。
(4)核酸分析
本発明の核酸分析装置813に核酸試料を表面に有する付きビーズが固定された核酸分析用反応デバイスを設置した。アンカープライマーを含む水溶液を、ノズル819を介して核酸分析用反応デバイス200に注入した。ホルダユニット815を用いて反応デバイス200内の水溶液を60℃に加熱した後、42℃に保持した。配列決定用の色素でラベル化されたプライマー、ライゲーション酵素を含む水溶液を注入した後、35℃で30分保持した。バッファーで反応デバイス200内の流路を洗浄し、未反応のラベル化プライマーを除去した。核酸分析用反応デバイス200をステージユニット818にて移動させた後、検出ユニット821にて励起光を当てて検出領域内にある複数の核酸試料付きビーズに導入された蛍光を検出した。ライゲーション反応と洗浄、及び蛍光検出を複数サイクル繰り返した後、DNAウラシル化とエンドヌクレアーゼを用いてアンカープライマーとラベル化プライマーのライゲーション産物を分解除去した。新たなアンカープライマーによるライゲーション反応、洗浄、検出の繰り返し、及びさらなるライゲーション産物の分解除去から新たなアンカープライマーを用いた一連の検出を、繰り返し行いDNA配列を決定した。
本発明の核酸分析用反応デバイス又は核酸分析装置を用いて、種々の核酸反応を行うことができ、DNAシーケンス等の核酸の分析を行うことができる。
特に、ディフェージングが生じる微粒子割合を低減し、読取り塩基長を増やして一度の分析で決定できる塩基決定数を増やすことができる。また、渦流などの乱流形成の溝は、射出成形や型押し成形等で形成でき、バラツキを低減できるため、再現性高く分析を行うことができる。また、核酸分析用反応デバイスの構成部材の接着性に優れ、高耐圧条件下での液漏れを防止することができるため、正確かつ効率的に分析を行うことができる。
100,200…核酸分析用反応デバイス、101,201…第1の基板、102,202…スペーサ、102a,202a…くり抜き部、102´…流路、103,203…第2の基板、104,204…サンプル固定層、105,205…液注入口、106,206…液排出口、107,207…溝、208,308…接着シート、813…核酸分析装置、814…ホルダユニット、815…ステージユニット、816…試薬容器、817…送液ユニット、818…ノズル、819…ノズル搬送ユニット、820…検出ユニット、822…廃液容器。

Claims (13)

  1. 核酸試料を固定するためのサンプル固定層と、サンプル固定層上に形成される1以上の流路とを備えるフローセルタイプの核酸分析用反応デバイスにおいて、
    前記サンプル固定層と対向する流路壁面には、前記流路の液注入口と液排出口を結ぶ直線方向とは異なるベクトルを有する試薬の流れを生じさせる溝が流路方向に列をなして形成されていることを特徴とする核酸分析用反応デバイス。
  2. 請求項1において、
    前記核酸分析用反応デバイスは、第1の基板と、この第1の基板上に形成された前記サンプル固定層と、前記流路を形成するためのくり抜き部を有するスペーサと、第2の基板とを有し、前記スペーサを挟んで且つ前記サンプル固定層が前記スペーサ側に向くようにして、前記第1の基板と前記スペーサと前記第2の基板とがサンドイッチ構造で貼り合わされてなり、前記スペーサのくり抜き部と前記第1の基板の一面と前記第2の基板の一面とで前記流路が形成され、前記サンプル固定層が前記流路に臨み、流路ごとに一つの液注入口及び液排出口を備えており、
    前記第2の基板上の前記流路に臨む流路壁面に、前記溝が流路方向に規則的に列をなして形成されている核酸分析用反応デバイス。
  3. 請求項1において、
    前記核酸分析用反応デバイスは、第1の基板と、この基板上に形成された前記サンプル固定層と、第2の基板と、この第2の基板上に設けた接着シートと、流路を形成するためのくり抜き部を有するスペーサとを備え、前記スペーサ及び前記接着シートを挟んで且つ前記サンプル固定層と前記接着シートとが対向するようにして、前記第1の基板と前記スペーサと前記接着シートと前記第2の基板とがサンドイッチ構造で貼り合わされてなり、前記スペーサのくり抜き部と前記サンプル固定層と前記接着シートの一面とで前記流路が形成され、流路ごとに一つの液注入口及び液排出口を備え、
    流路壁面となる前記接着シート上に前記溝が流路方向に規則的に列をなして形成されている核酸分析用反応デバイス。
  4. 請求項2において、
    前記スペーサが有機物であることを特徴とする核酸分析用反応デバイス。
  5. 請求項3において、
    前記スペ−サ及び接着シートが有機物である核酸分析用反応デバイス。
  6. 請求項4又は5において、
    前記有機物がポリジメチルシロキサン、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、及びそれらの少なくとも2種類以上の混成物からなる群から選択されるものである核酸分析用反応デバイス。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項において、
    前記サンプル固定層上には、表面にDNA断片を有する微粒子担体が固定されている核酸分析用反応デバイス。
  8. 請求項7において、
    前記微粒子担体の直径が10μm以下である核酸分析用反応デバイス。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1項において、
    前記溝は、その断面形状が第2の基板或いは前記接着シートから流路に向かって広がっている核酸分析用反応デバイス。
  10. 請求項1ないし9のいずれか1項
    において、前記溝は、断面がV字型溝あるいはU字型溝である核酸分析用反応デバイス。
  11. 請求項1ないし10のいずれか1項において、前記溝は前記流路の流路方向に対して45度の方向を向いている核酸分析用反応デバイス。
  12. 請求項1ないし11のいずれか1項において、前記第1の基板が厚さ0.5mm以下のガラスである核酸分析用反応デバイス。
  13. 試料の核酸伸長反応およびそれに伴う核酸分子の蛍光反応を行う核酸分析用反応デバイスと、前記核酸分析用反応デバイスに試薬を含む溶液を注入する手段と、前記核酸分析用反応デバイスの流路において保持された試料の核酸伸長反応を蛍光観察する蛍光検出手段と、前記溶液を排出する手段と、を有する核酸分析装置において、
    前記核酸分析用反応デバイスが、核酸試料を固定するためのサンプル固定層と、サンプル固定層上に形成される1以上の流路とを備えるフローセルタイプの核酸分析用反応デバイスであって、前記サンプル固定層と対向する流路壁面には、前記流路の液注入口と液排出口を結ぶ直線方向とは異なるベクトルを有する試薬の液の流れを生じさせる溝が流路方向に列をなして形成されていることを特徴とする核酸分析装置。
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