JP2009511077A - 良質な食料品用に水生動物の排卵後の卵を調製するための方法及び前記方法を使用して調製した排卵後の卵 - Google Patents

良質な食料品用に水生動物の排卵後の卵を調製するための方法及び前記方法を使用して調製した排卵後の卵 Download PDF

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Abstract

排卵後の卵を、その自然な採取に続いて、卵細胞内に自然に存在する少なくとも1つの情報伝達分子、例えば過酸化水素及び/又は塩化カルシウムで外的に処理する。この方法で、オボペルオキシダーゼが活性化され、細胞外の卵膜の形成及び硬化を生じる。卵細胞内に自然に存在し且つ他の場合では通常細胞の代謝において多精受精を阻止するために形成される分子による排卵後の卵の処理は、排卵後の卵を硬化させるために一般に安全と認識される完全に無害な処理の可能性を実現する。硬化の程度は処理時間によって調整できる。硬化した卵は、電子顕微鏡下でその特異的な構造により検査することができる人工的硬化物であり、本方法が殺菌作用を有し、チロシンの結晶化を予防することから、より良く保存し、貯蔵することができる。

Description

本発明は、水生動物に有害な介入を行うことなく排卵後の卵の採取すること及び保存することを含む、水生動物の排卵後の卵を珍味食品に加工するための方法並びに前記方法を使用して珍味食品に加工された水生動物の排卵後の卵に関する。
種々の水生動物の、常には未受精である加工卵は、富裕社会において時に珍味として賞賛されており、消費が増大している。自然にはまだ産卵されていない、未熟な(さまざまな段階の)魚の卵が魚卵と称されている。魚卵は、理論的には卵が有毒でない任意の魚(又は水生動物)の雌から得られる。これは適切な調製を行ってもまだ非常に有毒である、ブロウフィッシュ、フグも含む。いわゆる「真正のキャビア」又は「ロシアキャビア」は、チョウザメの魚卵から製造される。オッシエトラ(ossietra)、ベルーガ(beluga)及びセブルーガ・キャビア(sevruga caviar)は、本発明書において区別される。野生のチョウザメに加えて、養殖のチョウザメもキャビアを得るために既に使用されている。ランプフィッシュ、タラに似た魚及びニシンの魚卵もキャビアの代用品(「ドイツキャビア」)を製造するために使用される。「アイスランドキャビア」は、カペリンの魚卵から製造される。トラウトキャビアはマスから得られ、赤味がかった色を有するサーモンキャビアはサケから製造される。さらに、ウニからも魚卵を得ている。最後に、産卵により繁殖するヒキガエルなどの両生類も本明細書で引用する水生動物に含まれる。魚卵は通常塩漬けにされ、時には薫製にもされる。魚卵の薫製は包膜に入ったままの魚卵から熱煙によって製造される。魚卵の薫製は典型的にはタラ及びポラックから製造する。ロブスター、ラージクレイフィッシュ(large crayfish)及び他の甲殻類の魚卵並びにホタテ貝のオレンジ色の魚卵を「コライユ(corail)」と称する。
高い満足を与える価値に加えて、キャビアは他の価値のある特性も有する。キャビアはタンパク質に富んでおり(25から30%)、必須アミノ酸を高い割合で有する。しかし、脂質が16%であり低脂肪食品ではない。キャビアは、ビタミンD、E、B12及びナイアシン並びにミネラル、ヨウ素及びナトリウムを含んでいる。さらに、良質のコレステロールを高い割合で含んでいる。
市場で現在入手できるキャビアは、未熟な卵がその先の処理ステップで十分な安定性を有することから、魚の雌の卵巣から未熟な状態で採取し、処理(洗浄、塩漬)した魚卵である。したがって、最高の品質のキャビアを得るために、現在までは卵は最大限に成熟する(排卵期)前に採取されている。
キャビアの製造において最も重要な課題は、第一には、卵を得ることである。キャビアを得るために動物(例えばチョウザメ)の雌を屠殺することの問題は、野生での捕獲及び水産養殖(世界中で1年間に約2500トン)の両方で存在する。さまざまな魚類種からキャビア及び魚卵を得るために、卵を取り出す前に動物を屠殺することは、数世紀にわたり標準的な方法である。雌個体を殺す主な論拠は、例えばチョウザメにおいては、排卵に至るまで母動物の体内で最大限に成熟し、したがって受精可能となった卵は、軟らか過ぎるために、自然の排卵期に至る前の未成熟な状態で卵を採取するということである。これらの成熟した卵は、塩(塩化ナトリウム)単独及びホウ砂との組合せによる保存で破裂し、食用に適さない粘着性のパルプ状に固着する。排卵の過程すなわち卵巣の卵胞からの卵の排出においては、卵に自然な変化(精子による差し迫る受精のための卵膜の軟化)が生じ、直接キャビアとして使用することを制限する。さらに、後の塩漬の過程において生じる浸透作用もある。排卵後の(成熟)卵及び未排卵の(未熟)卵から試験目的で製造された軽く塩漬したスターレットキャビア(sterlet caviar)を使用する先行技術から知り得た実験は、成熟卵は軽い接触で早くも破裂し、ベタベタしたペースト状の塊に潮解することを示した。しかし、著しい味の違いは認められなかった。
猛烈な魚の乱獲と相まって屠殺する慣習により、チョウザメの約30の異なる種類の野生種が絶滅に瀕する結果となっている。ロシアでは、魚を殺すこと無く未成熟魚卵を得ることができる新しい方法が開発されている。ある種の複数の「帝王切開術」を麻酔下で卵巣に実施し、未成熟卵を押し出し、切開部を再び閉じる。治癒した後は、魚は再び放流するか又は後のキャビアの採取のために繁殖場に保持することができる。しかし、魚に非常に強いストレスを与えるこの非常に複雑な方法の死亡率は、いまだ40%超である。さらにこの方法は、ドイツ動物保護法で禁止されている。
費用がかかる補充プログラムが世界的に始まっている。チョウザメは自然環境では8から12年目に、水産養殖ではチョウザメの種類によりなお早く2から4年目に初めて性的に成熟する。絶滅に瀕している種を救うために、補充プログラムの枠内でチョウザメのさまざまな種が、水産養殖から野生に放流されており、さまざまな成功をおさめている。養殖用に動物の雌が生かされ、卵は絞り出し(stripping)により得られている一方で、キャビアの製造についての前記の理由のために動物の雌を屠殺することの問題は水産養殖においていまだに存在する。
しかし、雌は年齢の増加と共に繁殖能力の著しい向上を示すため、水産養殖や保存手段のための稚魚及び小魚の収穫に関して商業的損失が高くなることも考えなければならない。
キャビアの品質のためには、採取後の加工は必須である。キャビアは軽い塩漬でより貯蔵可能になる。高品質のキャビアは期限内の貯蔵にちょうど必要な程度だけ塩漬されている。「マロッソル(malossol)」と称するキャビアの塩の含有量は多くても2.8から4%である。マロッソルキャビアでは自然な味が十分に保持されている。マロッソルキャビアの他にも、約10から12%の食塩が混合されている長期間の貯蔵が可能な塩漬キャビアもある。新鮮キャビアは非常に温度感受性が高く、したがって貯蔵及び提供が困難である。伝統的な容器の形態は、塩漬用だけで加熱キャビア用ではない、内側をコートした気密性の缶である。60℃への短い加熱により貯蔵可能となった低温殺菌キャビアは、ネジ蓋付きのビン及びリングプル缶で販売されており、未開封で1年間貯蔵可能である。
新鮮キャビアの貯蔵における1つの課題は、より早い製品の腐敗を生じる生きている細菌の増殖である。しかし、低温殺菌では加熱処理によりキャビアは粒の多さ及び味を失う。キャビア及び他の魚卵製品の貯蔵におけるさらなる課題は、卵内に非必須アミノ酸として貯蔵されているチロシン分子の結晶化である。この結晶化のために製品は販売不能になる。さらに、得られた魚卵の加工速度においても課題が存在する。この点について、雌からの卵の採取から缶へのキャビアの注入までは10分間以下でなければならない、そうでなければ卵はだめになる。
しかし、卵の破裂は不可逆的な品質の喪失を生じ、したがって製品が無駄になることから、卵の採取後の加工の全てのステップ(とりわけ保存、低温殺菌)において採取された卵が破裂すること無く残っていることが絶対に必要である。
先行技術
容器詰めのニシン魚卵を製造する方法は、JP60091934Aから既知であり、ここではあらかじめ殺したニシンの雌から未成熟期で取った、採取されたニシン魚卵を、魚卵の固化のために塩を使用して保存した後に過酸化水素及び塩から調製する溶液を使用して抗菌的に処理する。使用する過酸化水素の濃度は、採取されたニシン魚卵からの迅速な血液の除去によって低くでき、結果としてニシン魚卵の味を改善する。過酸化水素処理後、カタラーゼを使用する酵素処理をオキシラジカル過酸化水素の除去のために実施する。まだ凝固していない血液の迅速な除去は、魚を殺した直後又は殺した直後に凍結した魚を解凍する直前においてのみ実施できる。しかし、殺した直後の魚での迅速な除去は大きな労力を伴う場合のみ実施できることから、品質の損失は生じるが魚はまず凍結させるのが典型的である。
さらに、先行技術からタンニン酸の応用が繁殖用の魚を得るための水産養殖において証明された薬剤であることは既知である。受精した卵をタンニン酸溶液を使用して処理して、粘着性のゲル層を除去する。これにより卵を繁殖期間中により良く殺菌することができ、卵のインキュベーション中のカビ及び細菌の感染を減少させることができる。チョウザメを含むシーバスなど多様な種の魚についてこの処理は標準的である(参照、Mizunoらによる出版物I:「高い鉄濃度環境において高い孵化率を達成するためのカオリン処理を使用するシシャモ、キュウリウオ、スピリンカス・ランセオラタス(Spirinchus lanceolatus)の卵における粘着性の除去(Elimination of adhesiveness in the eggs of shishamo smelt Spirinchus lanceolatus using kaolin treatment to achieve high hatching rate in environment with a high iron concentration)」,Aquaculture 242(2004)pp.713〜726)。ポリフェノールであるタンニン酸はタンニンの市販形態である。その構造は没食子酸(gallic acid)のグルコースエステルに基づいている。タンニン酸は木材の染色剤として使用され、オーク、クルミ、マホガニー及びセコイア木に耐火剤として天然に存在している。タンニン酸を使用する処理により卵が破裂するまでより高い圧力が達成できることも出版物I(図5)から推察できる。しかし、タンニン酸での処理により卵膜がゴムのように強くなり、もはや消費には適さなくなることは既知である。
特にチョウザメより「劣る品質」の種類の魚でも、薄く天然に着色した排卵後の魚卵を少なくとも0.5時間の間隔を置いて2ステップで染色及び塩漬けする染色法はRU2126218C1から既知である。第1ステップで、着色料の2/3を直接魚卵に加え、第2ステップで残りの着色料を魚卵の質量の5から10%に相当する量の脂質−タンパク質エマルジョンと共に加える。塩漬けは第2の染色ステップの前に実施する。したがって第1ステップでの染料の添加の後に続く塩漬の間に排卵後の魚卵が破裂することはこの方法では防ぐことができない。脂質−タンパク質エマルジョンは塩漬の後に加えられ、染色を安定化し、魚卵の感覚刺激に反応する特性及び放射線保護特性を改善するために使用される。
排卵後のチョウザメの魚卵から粒状のキャビアを製造するための方法は、RU2232523C2から既知であり、これを最も近い先行技術として本発明はここから着手する。この目的のために、採取した排卵後の卵を、まず保存料の1.5〜2%温水溶液で処理し、その後の温度65から70℃での低温殺菌用に調製する。全ての加熱工程は魚卵の食味に著しく影響する事実は別としても、非常に軟らかい卵膜を有することが既知である排卵後の卵を使用する場合、保存料を使用するその後の処理にそれらが破裂すること無く耐えることは確実には保証できない。破裂卵を除去することのみを行うことが困難であると思われるので、たとえ破裂卵の割合が少なくてもキャビアの品質を著しく悪化させる。しかしながら、採取のために動物が殺されたり、ストレスの多い外科手技で処置されたりする必要が無いという事実は、排卵後の卵を使用する際の特別な有利点である。
先行技術における知見及び加工技術によれば、自然に成熟した卵は、予定される受精のためにとても軟らかくなっているので、塩又は他の保存料との接触でただちに破裂してしまうことから、十分に価値のあるキャビアは、成熟した(排卵後の)チョウザメ卵からは製造できないと現在推察されている。排卵された魚卵からキャビアを得るためのこれまで参照した方法は満足な結果を提供しない。
したがって、品質を損なうこと無く、具体的には破裂すること無く、十分に価値のある珍味食品に加工することができ、したがって販売可能であり競争力のある品質を達成できる様に、生きた水生動物から採取したばかりの排卵後の卵を加工する種に応じた方法を、本発明の目的として詳述する。具体的には、加工中の卵の感受性の低下及び強力な保存方法によらなくても貯蔵期間の著しい延長が前記方法により達成される。さらに、前記方法は容易に且つ費用効果的に応用可能であり、加えて最終製品でも検出可能であるように設計される。
本発明の目的の達成は方法クレームにおいて開示され、以下の方法ステップ、
・水生動物に有害な介入を行うことなく排卵後の卵を採取するステップ、
・オボペルオキシダーゼの活性化により卵膜を生理学的に安定化させるために、卵細胞に自然にも存在する少なくとも1つの情報伝達分子を添加することを用いて、水溶液中で、採取したばかりの排卵後の卵を外的に処理するステップ、次いで、
・保存するステップ
を含む。
前記方法の有利な改良のための工夫はサブクレームにおいて開示され、本発明との関連において以下にさらに詳細に説明される。さらに、本発明による方法に従って加工された排卵後の卵は、架橋結合したタンパク質鎖及び不可逆的に結合したチロシン分子を有する硬化した細胞外外皮を有するということは製品クレームにおいて開示される。この形態の分子構造は未受精の卵に自然には生じない。この形態の人工的に製造された製品は現在までに先行技術に存在しない。
本発明による方法において、排卵後の卵、すなわち受精(産卵)のために完全に成熟した卵は、休止している水生動物、主としてチョウザメから、身体の開口部から排卵された卵の自然な放出及び簡単な絞り出しによって採取される。このように動物へのストレス負荷は最小化され、それらをほとんど痛めない。採取したばかりの排卵後の卵は、保存前に卵細胞に自然にも存在する情報伝達分子を使用して外因的に処理する。このように細胞外外皮の形成及び硬化並びに卵膜の生理学的な安定化を開始する酵素オボペルオキシダーゼが活性化される。したがって、本発明による硬化法について記憶しやすい名称として名称「OVOHARD」を使用することができる。食品に関する法律に抵触しない、卵を硬化するための完全に無害な処理の可能性は、卵細胞内に自然に存在し、他に通常の細胞代謝においては低濃度でだけ形成されている少なくとも1つの分子を使用する排卵後の卵の処理を通じて見出されている。後から人為的に開始させた採取卵の硬化は、天然物質の簡単な応用による本発明による方法によって引き起こされ、とりわけ保存及び注入の間のみならず貯蔵及び再包装の間におけるさらなる処理に対して排卵後の卵を著しく低感受性にさせる。この、後から人為的に硬化させる方法のさらなる利点は、貯蔵中のチロシン結晶の発生が回避されることによる採取卵の貯蔵性の向上及びすなわちこれによるマーケティングの改善である。オボペルオキシダーゼの活性化により、タンパク質鎖の架橋結合及び不可逆的なチロシンの取り込みが不可入性の膜において生じ、これにより結晶の形成が回避される。さらに、この処理は製品の貯蔵性が著しく延長される殺菌作用も有する。
本発明による方法は、自然な受精で膜において硬化を開始させる情報伝達鎖において鍵となる役割を演じている卵細胞に自然にも存在する少なくとも1つの分子を使用する採取したばかりの排卵後の卵を外部処理することを含む。これは具体的には、外的な刺激の後に卵の中へ波状に流入し、酵素の活性化を生じるカルシウムイオン(Ca++)に関する。加えて、少なくともさらに1つの鍵となる分子が存在する。これは、NADPH依存性のオキシダーゼにより形成される分子、過酸化水素Hである。過酸化水素は、非常に低いミクロモル濃度において自然に、内因性に生じる卵の周囲の硬い受精膜の形成を開始させる。カルシウムイオン(Ca++)は、未受精卵細胞ではいわゆるカルシウム貯蔵部位であるミトコンドリア及び小胞体中に存在するが、特異的な受容体を通じて外側から流入することにより細胞内に入ることもできる。酵素は、それらが不活性型で貯蔵されている細胞内貯蔵部位からカルシウム波によって放出される。これらの酵素(例えばグルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ)は、次にNADPHを産生する。NADPHは、同化作用において重要であり、水素イオンの添加によってNAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)から生じるNADHのリン酸化物を意味する。NADPHオキシダーゼは、過酸化水素を産生し、次にそれが卵膜の硬化の要因であるオボペルオキシダーゼの基質になる。
天然では、未受精の排卵後の卵は、自然な受精で複数の精子によって攻撃されるまでは休止状態にある。卵と融合する1つを除く全ての精子は阻止されなければならない。自然な受精では、卵膜は、胚にとって致命的である複数の精子による複数の受精(多精受精、わずかな複数の受精を除いて、1個の卵から多数の発生を生じる)を阻止するために精子の貫入の数秒後に硬化する。生じた胚は、さらなる精子を貫入不可能にする細胞外外皮を数秒以内に形成することによりこのタスクを実施する。さらに、胚は機械的な損傷及び毒物から保護される。この過程において鍵となる酵素は、卵膜下の顆粒(表層顆粒)に待機状態で準備しているオボペルオキシダーゼである。受精の瞬間に前記の一連の反応が作動し始める。産生されたオボペルオキシダーゼにより、タンパク質鎖は当該過程を促進するチロシンキナーゼにより架橋結合し、チロシンは胚を保護する貫入不可能な細胞外膜に不可逆的にとりこまれる。この胚を保護するためのメカニズムは、ウニなどの無脊椎動物並びに魚、マウス、及びヒトなどの脊椎動物の動物界全体において分布している(参照例、La Fleurらによる出版物II:「オボペルオキシダーゼの探索:多精受精を阻止するために機能するヘム依存性ペルオキシダーゼスーパーファミリーの卵母細胞に特異的な要素(Searching ovoperoxidase:oocyte specific member of a heme dependent peroxidase superfamily that functions to stop polyspermy)」Mechanisms of Developments 70(1998),pp.77〜89及びWesselらによる出版物III「表層顆粒の生物学(The Biology of Cortical Granules)」Int.Rev.Cytol.209(2001),pp.117〜206)。
出版物IV「ウニ受精膜におけるオボペルオキシダーゼ触媒作用のコンフォーメーション制御(Conformational Control of Ovoperoxidase Catalysis in the Sea Urchin fertilization Membrane)」T.L.Deitsら、(Journal of Biological Chemistry,Vol.261,No.26,9月15日発行,pp.12159〜12165,1966)及び出版物V「チロシン架橋結合で受精膜が硬化したウニ卵からのオボペルオキシダーゼの放出(Release of ovoperoxidase from sea urchin eggs hardens the fertilization membrane with tyrosine crosslinks)」Ch.A.Foerderら、(Proc.Natl.Acad.Sci.Vol.74,No.11,pp.4214〜4218,1977年10月,Biochemistry)において、チロシンの架橋結合及び膜の硬化がどのように生じるかについてクロマトグラフィー法を使用して初めて基本的に確立された。さらに解析の結果、チロシン(残基)が硬化過程において重要な役割を演じていることを示した。オキシダーゼの特異的阻害剤を用いることによってチロシン架橋結合及びこれによる膜の硬化において(オボ)ペルオキシダーゼが重要な生物学的な役割を明らかに演じていることが見出された。
前記の細胞生物学的現象に基づいて、本発明による方法において、精子を使用すること無く卵膜を硬化させるために、卵細胞内において自然にも存在する少なくとも1つの情報伝達分子の外因的な応用を開発した。情報伝達分子は好ましくはオキシラジカル過酸化水素H又はカルシムイオンを提供する塩化カルシウム溶液CaClであって良い。卵膜の硬化の自然な過程を最も良く模倣することから、両方の情報伝達分子を合わせて使用することが可能であり、この様にすることによって、具体的には処理する卵の硬さの程度についてマーケッティング戦略に応じて個々の製品の設計が可能である。本発明による人為的に供給した情報伝達分子の未受精で排卵後の卵への外的な投与及び透過は、自然な受精の情報伝達カスケードを模倣し、未受精で排卵後の卵に硬い細胞外外皮を形成する。
全ての卵の均一な硬化は、本発明による方法で処理時間を1分間から20分間に増加することにより達成された。このように硬さの程度は、処理時間によって個々に調節することができる。反対に、卵細胞に自然にも存在する情報伝達分子の供給濃度は、より低い濃度において硬化の程度に最も強い効果を示す(Hについての図5Cを参照)。このことは、細胞中の情報伝達分子の天然での濃度がナノモル及びミクロモルの範囲で作用することから理にかなっている。本発明による方法を使用する採取したばかりの卵の処理は、0.01%〜0.02%過酸化水素及び/又は塩化カルシウムCaClの形態でのカルシウムイオンを加えて使用して、水浴中で5分間において特に有利に実施される。両方の情報伝達分子は別々に又は組み合わせて使用することもできる。
採取後、成熟前の固着を防ぎ且つ新鮮卵の加工可能時間を延長するために、加工する未受精で排卵後の卵を水と接触させる前に、生理的食塩溶液で最初に洗浄することもできる。洗浄ステップは好ましくは滅菌条件下で実施する。滅菌洗浄した卵を次いで、方法の開発において決定した特定の濃度の過酸化水素及び/又は塩化カルシウムを含有する対応する水浴にそのまま注ぎ、作用時間終了後に選り分ける。このように本発明は非常に簡易、迅速で且ついまだ費用効果的でもある方法に関する。使用する化学物質が低濃度であることも、非常に少ない必要量だけを必要とし、また処理した排卵後の卵の味に肯定的な効果を有することから有利である。過酸化水素は水と酸素に分解し、したがって味は無い。カルシウムは全ての動物及び植物の細胞に存在し、本発明において使用しない非常に高い濃度においては多少チョークのような味がある。
本発明による方法は、本質的に特定の水生動物の未受精で排卵後の卵(産卵)に使用される。もちろんその種を危険にさらさない様な、生きた水生動物からの採取が好ましい。しかし、殺した又は死んだ水生動物からの摘出も可能である。この場合の利点は、野生での捕獲又は水産養殖からの卵が、排卵期に成熟が進んでいてもまだ加工できることである。現在、既に排卵期にある魚卵は、加工産業においては使用されず廃棄されて著しい経済的損失となっている。一方では他の理由(消費など)で殺された水生動物からの卵が使用できるし、他方では水生動物がその卵が既に排卵期にある場合でも(いままでは、これらの卵は使用不可能として使用されず廃棄されていた)、もはや無益に殺す必要はない。本発明による方法は、固化した卵膜内の架橋結合とチロシンの安定なインタカレーションによって、貯蔵中の結晶の析出も予防し、それにより著しい製品の改善及びしばしば製品の救済までも達成される。さらに、本発明による方法は殺菌、防腐特性を有し、それにより排卵後の卵の貯蔵性それ自体及びそれから製造される珍味食品が著しく改善される。
しかし、本発明による方法の主な利点は、魚及び他の水生動物の成熟した排卵後の卵を排卵期にあるキャビアとして加工することを初めて可能にすることである。卵は絞り出しにより採取されるが、機械的又はポンプ装置を使用して得ることもでき、その結果動物の雌は生きたまま残る。絶滅しそうな種類の種の保存に加えて、繁殖可能な雌が保存される利点もあり、それにより水産養殖において著しい経済的利点が達成される。複数回の繁殖期の延長によって、得られる魚卵の量及び繁殖成功率(生育可能な胚の割合)が著しく上昇する。
本発明による方法は、水中及び水上に生息する動物の任意の形態の卵に簡単に且つ問題無く応用でき、したがって稀少動物種の保存にも貢献できる。もちろんこれは、チョウザメの卵からのキャビアの製造及びロブスターの卵からのコライユの製造において特別な経済的利点を提供する。加えて、例えば塩化ナトリウム又はホウ砂を使用する信頼できる卵の保存法が、本発明による方法の応用によって実施される採取された排卵後の卵の硬化によって可能になる。卵を問題無く薫製することもできる。卵の破裂はもはやいかなる場合においても扱う必要は無く、これは製品の品質を著しく向上させる。さらに、処理時間/濃度の変化により並びに塩及び/又はホウ砂との組合せによりさまざまな程度の硬さでキャビアを製造することができ、したがって特定の消費者の集団の味覚の要求に合わせて調整することができる。
得られる排卵された卵は、本発明による方法の応用によって硬化した卵膜の形態に関しては著しく変化している。具体的には架橋結合したタンパク質鎖及び不可逆的に結合したチロシン分子を有する硬化した細胞外外皮は、光学顕微鏡、詳細には電子顕微鏡の使用で当業者によって簡単且つ明確に同定できる。この外観は天然において、慣用で処理した水生動物の卵には生じない。硬化した卵細胞は常に受精の完了、したがって受精卵細胞中の少なくとも1つの精子の存在との関連においてのみ生じることができる。本発明による方法の応用は、したがって完成した未受精生成物において明確に検出できる。
本発明による水生動物の卵を珍味食品に加工するための方法の実施を図に基づいて以下にさらに詳細に説明する。
図1は、ウニ卵の自然な受精及び細胞外受精膜の形成を示す。左の画像は、200x拡大での未受精卵を示す。右の画像は、硬化した受精膜(矢印)を有する同拡大での受精卵を示す。小ダッシュは攻撃中の精子を示す。
本発明による方法を、ウニ(プサメキヌス・ミリアリス(Psammechinus miliaris))の生きた卵及びシベリアチョウザメ(アシペンサー・バエリー(Acipenser baerii))において試験した。排卵後の卵の硬化の結果は、酵素活性の測定並びにウニ卵及びチョウザメ卵の形態に基づいてin vivoでモニターした。
前記の通り、オボペルオキシダーゼの基質であるH産生のための還元当量のNADPHを産生するために数秒で生じる酵素グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼの活性化は、卵膜の硬化のための開始誘因である。G6PDH活性の上昇は、外因的な刺激の影響下で生きた卵で測定できる。Van Noorden及びFredericks(1992)によるテトラゾリウム塩法を、証拠として生きた細胞に応用した。基質反応によるNADPHの上昇は、テロラゾリウム塩(TNBT)を定量的に還元させ、茶色い反応生成物、フラマゾンを形成させる。反応生成物の形成は波長585nmで吸収測定することによって実時間で検出する。
図2は、生きたウニ卵におけるNADPH産生の経時的顕微鏡(Zeiss Axiovert,Axiocam,KS300 Software,Axiovsion Softwareを使用して画像化)を示す。矢印は、外因的な刺激(海水中1%H)の適用を示す。表層領域(卵の境界)及び細胞質(卵の内部)での上の2本の吸収曲線は、適用の数秒後から著しい上昇を示している。対照は外因的な刺激をせずに実施した。表層領域及び細胞質についての下の2本の吸収曲線は、適用後に変化を示さなかった。顕微鏡の測定マスク(測定マクロ)を図2の下の2つの画像で示す。左の画像は、表層領域のリング状の測定マスクを示し、右の画像は細胞質の丸い測定マスクを示す。H消費のためにNADPHが最も高く要求されるため、酵素活性は、卵膜下の表層領域において最も高い。Hの適用後のオボペルオキシダーゼについても酵素活性の同一の曲線が観察された。
図3aは、保護膜の無いウニの未処理の排卵後の卵を示す(400x拡大)。表層顆粒は、卵の表面におおまかに分布して位置し、光学顕微鏡では認識できない薄いビテリン層によってのみ覆われている。図3bは、明瞭に形成された保護膜(矢印)を有する本発明による方法を使用して処理した卵を示す(400x拡大)。検出は、本発明による外因的な硬化剤を使用する処理の前後での、固定した卵材料(4%Bakers ホルムアルデヒド、TEM用のEponへの包埋、トルイジンブルーを用いた染色)の薄切片の組織学的アッセイによって実施する。
チョウザメ(アシペンサー・バエリー(Acipenser baerii))から採取した卵についての広範な実験は、ウニ卵で開発した方法を直接応用でき、且つ望ましい結果を提供することを示した。食塩及びホウ砂を使用する保存を卵の硬化後に実施し、12ヶ月を超える貯蔵期間実験は卵が安定なままであることを示した。
図4AからCは、H&Eで染色したクライオスタット切片の光学顕微鏡写真、GA及びオスミウムで固定し、Eponに包埋したチョウザメ卵の超薄切片の電子顕微鏡写真を示す。写真は、本発明による処理によるチョウザメの排卵後の卵の膜の変化を示す。
図4Aは、本発明による処理をしていない排卵後のチョウザメ卵の切片の光学顕微鏡写真を示す。チョウザメ卵の卵プラズマ(EPL)を包んでいるエンベロープ(連続した線)は、膜の複数の層を含んでいる。最も内側の膜を星1個()で示し、最も外側の膜(受精膜)を星3個(★★★)で示す。図4Aaは、最も内側の膜()の領域の3000x拡大及び緩いチロシン繊維束を示すその12000x拡大での詳細な電子顕微鏡写真を示す。
図4Bは、本発明により塩化カルシウム115mg/mlを使用して処理した排卵後のチョウザメ卵を示す。図4Bbは、3000x拡大及びチロシン架橋結合による緊密化を示すその12000x拡大での詳細な電子顕微鏡写真を示す。図4Cは、0.01%過酸化水素を使用して処理した排卵後のチョウザメ卵を示す。図4Ccは、3000x拡大及びチロシン架橋結合による鎖への緊密化を示すその12000x拡大での詳細な電子顕微鏡記録を示す。
図4A(未処理)、4B(塩化カルシウムを使用する処理)、4C(過酸化水素を使用する処理)の比較から、本発明による処理を通じて、排卵後のチョウザメ卵の最も内側の膜()は直径が減少し、チロシン架橋結合により緊密化する一方で、最も外側の膜(★★★)は直径が増加しているがこれもさらに密になっていることが明らかに観察できる。緊密化は卵膜の望ましい硬化を生じる。硬化の程度は、外的添加物の種類、量及び期間を計ることにより調整できる。
図5AからDは、未成熟卵から現在商業的に入手できるキャビアについて(図5A、5B)、及び過酸化水素又は塩化カルシウムを使用する本発明による処理の後の排卵後の卵(図5C、5D)の膜の総厚における膜構成物の%での割合の測定の種々のグラフを示す。図5A及び5Cは、過酸化水素Hを使用する処理(処理0:未処理、処理1:0.01%溶液、処理2:0.02%溶液、処理3:0.05%溶液、処理4:0.1%溶液)を示し、図5B及び5Dは、塩化カルシウムCaClを使用する処理(処理0:未処理、処理1:115mg/l、処理2:123mg/l、処理3:130mg/l、lは溶液1リットルあたりを示す)を示す。これは、ミクロモル範囲でのカルシウムイオンの計量が、一般飲用水及びわき水を著しく超えるカルシウムイオンを含むことを意味する。受精によらず本発明による処理を通じてのみ生じる受精膜を「FM」と記載し、内膜は「IM」と記載する。
現在商業的に入手できるキャビア、すなわち未成熟卵の処理において、図5A及び5Bより膜の厚さにおいて関連する変化が生じていない一方で、図5C及び5Dにより、内部膜の厚さの割合の、本発明による排卵後の卵の処理によって硬化を生じて形成された受精膜への移動が顕著であることが、明らかに観察できる。内膜(IM)及び外側の受精膜(FM)それぞれの50測定のメジアンを、25%〜75%四分位数並びに最小値及び最大値の信頼区間での値の分布と共に示す。
ウニ卵の自然な硬化過程を示す図である。 本発明による方法の応用におけるNADPH産生の経時的顕微鏡分析を示す図である。 未処理の排卵後のウニ卵を示す図である。 処理後の排卵後のウニ卵を示す図である 未処理の排卵後のチョウザメ卵の卵膜の超薄切片の写真である。 塩化カルシウムを使用する処理後の未処理の排卵後のチョウザメ卵の卵膜の超薄切片の写真である。 過酸化水素を使用する処理後の未処理の排卵後のチョウザメ卵の卵膜の超薄切片の写真である。 本発明により処理したチョウザメの未成熟卵(キャビア)の膜の総厚における膜構成物の割合の測定を%で示すグラフである。 本発明により処理したチョウザメの未成熟卵(キャビア)の膜の総厚における膜構成物の割合の測定を%で示すグラフである。 本発明により処理したチョウザメの排卵後の卵の膜の総厚における膜構成物の割合の測定を%で示すグラフである。 本発明により処理したチョウザメの排卵後の卵の膜の総厚における膜構成物の割合の測定を%で示すグラフである。

Claims (13)

  1. 以下の方法ステップ、
    水生動物に有害な介入を行うことなく排卵後の卵を採取するステップ、
    オボペルオキシダーゼの活性化により卵膜を生理学的に安定化させるために、卵細胞内に自然にも存在する少なくとも1つの情報伝達分子を添加することを用いて、水溶液中で、採取したばかりの排卵後の卵を外的に処理するステップ、次いで
    保存するステップ
    を有する水生動物の排卵後の卵を珍味食品に加工するための方法。
  2. 情報伝達分子として過酸化水素を使用して排卵後の卵を外的に処理することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 情報伝達分子として塩化カルシウムを使用して排卵後の卵を外的に処理することを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 過酸化水素を0.01、0.02、0.05又は0.1%添加した水溶液を使用して、水浴中で排卵後の卵を外的に処理することを特徴とする、請求項2又は3に記載の方法。
  5. 過酸化水素を0.01%添加した水溶液を使用して、水浴中で1から5分間、排卵後の卵を外的に処理し、その処理時間が処理される排卵後の卵の望ましい硬化の関数として定められることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
  6. 塩化カルシウムを115mg/l、123mg/l又は130mg/l添加した水溶液を使用して、水浴中で排卵後の卵を外的に処理することを特徴とする、請求項2から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 塩化カルシウムを115mg/l添加した水溶液を使用して、水浴中で10から20分間、排卵後の卵を外的に処理し、その処理時間が処理される排卵後の卵の望ましい硬化の関数として定められることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
  8. 過酸化水素及び塩化カルシウムを添加した水溶液を使用して、水浴中で1から20分間、排卵後の卵を組合せ処理し、その処理時間が処理される排卵後の卵の望ましい硬化の関数として定められることを特徴とする、請求項4から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 外的に処理する前に、滅菌条件下で生理的調理用塩溶液中で排卵後の卵を洗浄することを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 生きている水生動物から排卵後の卵を採取することを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 魚類及び甲殻類の動物から排卵後の卵を採取することを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 真正のキャビアを製造するために食用魚としてのチョウザメから排卵後の卵を採取することを特徴とする、請求項11に記載の方法。
  13. 受精状態によらずに架橋結合したタンパク質鎖及び不可逆的に結合したチロシン分子を有する硬化した細胞外外皮を特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法を使用して珍味食品に加工した水生動物の排卵後の卵。
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