JP2009507898A - グルコピラノシル置換(エチニル−ベンジル)‐ベンゼン誘導体及びその中間体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【化1】
Description
本発明の別の目的は前記製造方法における出発物質の製造方法を提供することである。
本発明のさらなる目的は、本発明よる製造方法における新規な中間体及び出発物質に関する。
本発明の他の目的については、当業者であれば前述及び後述の記載から直接的に明らかになるであろう。
R1は、
水素、或いは、
C1-4-アルキル、C3-7-シクロアルキル、テトラヒドロフラニル又はテトラヒドロピラニルを表し、これらは1〜4個の置換基L2で置換されていてもよく、或いは、
アリール基又は5員もしくは6員の単環式ヘテロアリール基又は8員、9員もしくは10員の二環式ヘテロアリール基を表し、前記ヘテロアリール基は窒素、酸素及び硫黄からなる群から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有し、かつ、前記ヘテロアリール基は、前記単環式又は二環式芳香族環系の一部として1個又は2個のカルボニル基を有していてもよく、さらには
前記ヘテロアリール環の窒素原子が酸化され、対応するN−酸化物を形成していてもよく、さらには、
前記アリール基及びヘテロアリール基の1個以上のメチン基が、互いに独立して置換基L1で置換されていてもよく、さらには、
前記ヘテロアリール基における1個以上のイミノ基が、互いに独立して置換基RNで置換されていてもよく、
R2は塩素又はメチルを表し、
R3は水素を表し、
RNは互いに独立してC1-3-アルキルから選択され、
L1は互いに独立して、フッ素、塩素、臭素、C1-3-アルキル、C1-4-アルコキシ及びニトロから選択され、
L2は互いに独立して、フッ素、塩素、ヒドロキシ、ヒドロキシル-C1-4-アルキル、C1-4-アルコキシ、トリフルオロメトキシ、C1-4-アルコキシ-C1-4-アルキル、シアノ、C1-4-アルキル、トリフルオロメチル、アミノ、C1-4-アルキル-カルボニルアミノ、C1-3-アルキル-アミノ及びジ(C1-3-アルキル)-アミノから選択され、
上述の基の定義に記載のアリール基とは、フェニル基又はナフチル基を意味し、好ましくはフェニル基を意味し、L1でモノ置換又はポリ置換されていてもよい)
下記一般式IIで表される化合物において:
R1及びR2は前述の定義のとおりであり、
R4は互いに独立して水素、C3-18-アルケニル、(C1-18-アルキル)カルボニル、(C1-18-アルキル)オキシカルボニル、(C3-18-アルケニル)カルボニル、(C3-18-アルケニル)オキシカルボニル、ジ-(C1-18-アルキル)アミノカルボニル、アリールカルボニル、アリール-(C1-3-アルキル)-カルボニル、アリール-C1-3-アルキル、C1-6-アルコキシメチル、アリール-C1-3-アルコキシ、C1-4-アルキルチオエチル、アリールチオエチル、C1-4-アルキルスルホニルエチル、アリールスルホニルエチル、RaRbRcSi-、-CRaRbORcを表し、2つの隣接するR4基が互いに結合して橋架け基SiRaRb、C=O、CRaRb又はCRaORb-CRaORbを形成してもよく、また、前記において各アルキルが、フッ素、塩素、C1-3-アルキル、RaRbRcSi、C1-4-アルコキシから選択される3個までの置換基で置換されていてもよく、R4が少なくとも1個は水素ではないことを条件とし、
Ra、Rb、Rcは互いに独立して、C1-4-アルキル、アリール又はアリール-C1-3-アルキルを表し、前記アルキルがハロゲンでモノ置換又はポリ置換されていてもよく、
L1及びL2は前述の定義のとおりであり、
上述の基の定義におけるアリール基とは、フェニル基又はナフチル基を意味し、好ましくはフェニル基を意味し、L1でモノ置換又はポリ置換されていてもよい)、水素ではない保護基R4を開裂する、とりわけ加水分解することを特徴とする製造方法に関する。
本発明の第二の態様は、下記一般式II'で表される化合物の製造方法であって、
R1は、
水素、或いは
C1-4-アルキル、C3-7-シクロアルキル、テトラヒドロフラニル又はテトラヒドロピラニルを表し、これらは1〜4個の置換基L2で置換されていてもよく、或いは、
アリール基又は5員もしくは6員の単環式ヘテロアリール基又は8員、9員もしくは10員の二環式ヘテロアリール基を表し、該ヘテロアリール基は窒素、酸素及び硫黄からなる群から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有し、かつ、前記ヘテロアリール基は、単環式又は二環式芳香族環系の一部として1個又は2個のカルボニル基を有していてもよく、さらには
前記ヘテロアリール環の窒素原子が酸化され、対応するN−酸化物を形成していてもよく、さらには、
前記アリール基及びヘテロアリール基の1個以上のメチン基が、互いに独立して置換基L1で置換されていてもよく、さらには、
前記ヘテロアリール基における1個以上のイミノ基が、互いに独立して置換基RNで置換されていてもよく、
R2は塩素又はメチルを表し、
R3は水素を表し、
R6は、水素、パラ-R7-フェニル-、C1-6-アルキルオキシ、アリールオキシ、-OR4を表し、
R7は、-C≡C-R1、塩素、臭素、ヨウ素、-OSO2R、-CHO、-SiAlk3、-O-C1-6-アルキル、-OR4、-C≡C-Si(C1-4-アルキル)3、-C≡C-Si(アリール)(C1-4-アルキル)2、-C≡C-Si(ビフェニル)(C1-4-アルキル)2、又は、-C≡C-C(OH)(C1-4-アルキル)2を表し、
Rは、C1-4-アルキル、C3-4-アルケニル、C1-4-アルコキシ、CF3、アリール又はアリール-C1-3-アルキルを表し、該アリール基はL1でモノ置換又はポリ置換されていてもよく、
RNは互いに独立してC1-3-アルキルから選択され、
L1は互いに独立して、フッ素、塩素、臭素、C1-3-アルキル、C1-4-アルコキシ及びニトロから選択され、
L2は互いに独立して、フッ素、塩素、ヒドロキシ、ヒドロキシル-C1-4-アルキル、C1-4-アルコキシ、トリフルオロメトキシ、C1-4-アルコキシ-C1-4-アルキル、シアノ、C1-4-アルキル、トリフルオロメチル、アミノ、C1-4-アルキル-カルボニルアミノ、C1-3-アルキル-アミノ及びジ(C1-3-アルキル)-アミノから選択され、
上述の基の定義に記載のアリール基は、フェニル基又はナフチル基を意味し、好ましくはフェニル基を意味し、L1でモノ置換又はポリ置換されていてもよい)の製造方法に関するもので、下記一般式III'の化合物を還元剤と反応させることを特徴とする製造方法に関する。
R’は水素、C1-6-アルキル、(C1-4-アルキル)カルボニル、(C1-4-アルキル)オキシカルボニル、アリールカルボニル、アリール-(C1-3-アルキル)-カルボニルを表し、「アリール」という用語は前述の定義とする)
本発明の第三の態様は、下記一般式III'で表される化合物の製造方法であって、
R2、R’及び各R4は本願明細書前記の定義のとおりであり、
R6は、水素、パラ-R7-フェニル-、C1-6-アルキルオキシ、アリールオキシ、-OR4を表し、
R7は、-C≡C-R1、塩素、臭素、ヨウ素、-OSO2R、-CHO、-SiAlk3、-O-C1-6-アルキル、-OR4、-C≡C-Si(C1-4-アルキル)3、-C≡C-Si(アリール)(C1-4-アルキル)2、-C≡C-Si(ビフェニル)(C1-4-アルキル)2、又は、-C≡C-C(OH)(C1-4-アルキル)2を表し、
Rは、C1-4-アルキル、C3-4-アルケニル、C1-4-アルコキシ、CF3、アリール又はアリール-C1-3-アルキルを表し、該アリール基はL1でモノ置換又はポリ置換されていてもよく、
前記R1、アリール及びL1は本願明細書前記の定義のとおりである)
下記式VIで表される有機金属化合物又はそのトランスメタル化により得た誘導体:
この式VIの化合物を下記一般式IVのグルコノラクトンに添加し、
得られた付加物を、酸の存在下、水又はアルコールR'-OH(R’はC1-6-アルキルを表す)と反応させ、R’が水素である場合の水との反応で得た生成物は、さらに引き続きアシル化剤との反応で式III'の生成物(式中、R’は(C1-4-アルキル)カルボニル、(C1-4-アルキル)オキシカルボニル、アリールカルボニル又はアリール-(C1-3-アルキル)-カルボニルを表し、「アリール」という用語は前記定義のとおりとする)に変換してもよいことを特徴とする式III'の化合物の製造方法に関する。
本発明の第四の態様は、下記一般式Xで表される化合物の製造方法であって、
式VIIで表される保護D−グルカールのメタル化を行い、
式VIIIで表される前記メタル化又はトランスメタル化D−グルカールを、遷移金属触媒の存在下、式Vのアグリコンと反応させて
式IXのグルカール誘導体のグルカール部位の二重結合に形式的には水を付加することにより、詳細には二重結合のヒドロホウ素化を行った後に炭素−ホウ素結合の酸化開裂を行うこと、或いは、二重結合のエポキシ化又はジヒドロキシル化を行った後に得られたアノマー炭素−酸素結合の還元を行うことにより、式IXのグルカール誘導体を式Xの生成物に変換することを特徴とする、式Xの化合物の製造方法に関するものである。
本発明の第五の態様は、下記式Xで表される化合物の製造方法であって、
式VIIで表される保護D−グルカールをエポキシ化して
式XIのグルカールオキシドを式VIのアグリコンと反応させて
本発明の第六の態様は、下記一般式II'で表される化合物の製造方法であって、
式XIIのグルコース誘導体:
本発明の第七の態様は、下記一般式XXVI'で表される化合物の製造方法であって、
R13は、-CHO、-C≡C-R1、OH、C1-6-アルキルオキシ、-Si(C1-6-アルキル)3、-C≡C-Si(C1-4-アルキル)3、-C≡C-Si(アリール)(C1-4-アルキル)2、-C≡C-Si(ビフェニル)(C1-4-アルキル)2、-C≡C-C(OH)(C1-4-アルキル)2、ヨウ素、臭素、塩素又はC1-6-アルキルスルホニルオキシを示し、該R1は前記記載のとおりである)
式Xの化合物において
R6は水素、OH、C1-6-アルキルオキシ又はアリールオキシを示す)又は
式II'の化合物において
R6基をZ4基に変換してもよく、式XXXIXの化合物を得て、
Z4は塩素、臭素、ヨウ素、C1-6-アルキルオキシ、アリールオキシ、C1-6-アルキルカルボニルオキシ、C1-6-アルキルオキシカルボニルオキシ、C1-6-アルキルスルホニルオキシ、-OPO(O-C1-6-アルキル)2又はアリールオキシを示す)
該式XXXIXの化合物を、式XXIIIで表されるメタル化ベンゼンと反応させて式XXVI'の化合物を得る、式XXVI'の化合物の製造方法に関する。
M3はリチウム部位、ホウ素部位、マグネシウム部位、珪素部位、錫部位、セリウム部位、インジウム部位、亜鉛部位又はクロム部位を示す。)
本発明の更なる態様は新規な化合物、とりわけ新規な抽出物(educts)及び中間体、なかでも、本発明による製造方法で記載の式II、II'、IX及びXで表される化合物に関するものである。
例えば、Alk、L1、L2、R2又はR4のような残基、置換基又は基が化合物中に何度が出てきた場合、それらは同じ定義又は異なる定義を有することがある。
本願明細書前述及び後述の本発明による方法及び化合物において、基及び置換基については下記の定義が好ましい。
R1は好ましくは水素、あるいは、
C1-4-アルキル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、テトラヒドロフラニル及びテトラヒドロピラニルを表し、これらは1〜4個の置換基L2で置換されていてもよく、あるいは、
置換されていてもよいアリール基又は置換されていてもよい5員又は6員の単環式ヘテロアリール基を示す。
C1-4-アルキル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、テトラヒドロフラニル又はテトラヒドロピラニルを表し、これらは1個又は2個の置換基L2で置換されていてもよい。
好適な置換基L2は、ヒドロキシ、ヒドロキシル-C1-4-アルキル、C1-4-アルキル、C1-4-アルコキシ及びC1-4-アルコキシ-C1-4-アルキルから互いに独立して選択される。L2の好適な定義の例は、ヒドロキシ、ヒドロキシメチル、メチル、メトキシメチル、メトキシ及びエトキシである。
R2は好ましくは塩素又はメチルを表す。
R4基の特に好ましい定義は、水素、メトキシカルボニル、メチルカルボニル又はエチルカルボニルである。
Ra、Rb、Rcは、好ましくは、互いに独立してメチル、エチル、n-プロピルもしくはi-プロピル、ターシャリーブチル又はフェニルを表す。
R’は好ましくは水素、メチル又はエチルを表す。
以下、本発明による方法を詳細に説明する。記載されている試薬、触媒、溶媒及び温度等の反応条件は、それぞれの変換を行う際に基本的に適用可能な好適な範囲及び例を意味し、反応条件を記載の選択に限定することを意図するものではない。加えて、反応パラメータは通常互いに独立して与えられる。当該分野の当業者であれば、いずれのパラメータの組合せが特に有用であるかは標準的な実験からわかっていることであり、決定することができる。
Alkは、C1-4-アルキル、
Arは、本願明細書前述のようなアリールを示し、フェニルが好ましく、
Rは、C1-4-アルキル、C3-4-アルケニル、C1-4-アルコキシ、CF3、アリール又はアリール-C1-3-アルキルを示し、アリール基がL1でモノ置換又はポリ置換されていてもよく、
R1は本願明細書前述の定義のとおりであり、
R2は本願明細書前述の定義のとおりであり、
R3は本願明細書前述の定義のとおりであり、
R4は本願明細書前述の定義のとおりであり、
R6は、水素、パラ-R7-フェニル-、C1-6-アルキルオキシ、アリールオキシ、-OR4を示し、
R7は-C≡C-R1、塩素、臭素、ヨウ素、-OSO2R、-CHO、-SiAlk3、-O-C1-6-アルキル、-OR4、-C≡C-SiAlk3、-C≡C-SiArAlk2、-C≡C-Si(ビフェニル)Alk2、-C≡C-C(OH)Alk2を示し、
Xは塩素、臭素、ヨウ素又はOSO2Rを示し、
Yは、
L1は本願明細書前述の定義のとおりである。
スキーム1は、本発明の第一の態様による化合物IIから化合物Iへの変換を示し、化合物IIに存在する水素ではない保護基R4を取り除くことによる変換であり、R1、R2、R3及びR4は本願明細書前述の定義のとおりである。
スキーム1:保護基の除去による式IのC−グルコシドの合成
アシル保護基R4はいずれも、例えば、水中で又は水と1種以上の有機溶媒との混合物中、例えば、水中、イソプロパノール/水、酢酸/水、テトラヒドロフラン/水又はジオキサン/水中で、トリフルオロ酢酸、塩酸又は硫酸等の酸の存在下、或いは、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム等のアルカリ金属塩基の存在下で加水分解により開裂させることができる。この反応は温度-30〜120℃の範囲で行うことが好ましく、より好ましくは10〜100℃の範囲で行うとよい。
アセタール又はケタール保護基R4はいずれも、例えば、水、イソプロパノール、酢酸、テトラヒドロフラン、ジオキサン又はこれらの混合物等の溶媒中、トリフルオロ酢酸、塩酸又は硫酸等の酸の存在下、或いは、非プロトン環境下、例えば、ヨードトリメチルシラン又はブロモトリメチルシランの存在下、加水分解により開裂させることができる。この反応は温度30〜120℃の範囲で行うことが好ましく、より好ましくは10〜100℃の範囲で行うとよい。
シリル保護基の場合、特にメチルよりも大きな置換基を有するシリル保護基、例えば、トリエチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、メチルジフェニルシリル、トリフェニルシリル、ジイソプロピルシリル又はトリイソプロピルシリル等は、塩酸、硫酸、アルキルスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸等の酸を使って、特に不活性有機溶媒、水又はそれらの混合物中、具体的にはメタノールもしくはエタノール等のアルコール、水、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル又はそれらの混合物中で除去することができる。この反応は温度-80〜100℃の範囲で行うことが好ましく、より好ましくは0〜60℃の範囲で行うことが好ましい。フッ化水素、テトラブチルアンモニウムフルオリド、フッ化ピリジニウム、フッ化カリウム又はフッ化セシウム等のフッ化物試薬も、例えば、テトラヒドロフラン、アセトニトリル又はジオキサン等の好適な有機溶媒中で使用することができる。テトラヒドロフラン、ジオキサン、アルコール類、水又はこれらの混合物中で、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムを使用するなどの塩基性の条件も同様に適用することができる。
t−ブチル基又はt−ブチルオキシカルボニル基R4は、トリフルオロ酢酸又は塩酸のような酸で処理することにより好適な開裂を行うことができる。この反応は、好ましくは、塩化メチレン、ジオキサン、メタノール、イソプロパノール、ジエチルエーテル又はこれらの混合物等の不活性有機溶媒中で行う。
スキーム2aは、本発明の第二の態様による式II'の化合物を得るための合成経路を示す。式II'で表されるグルコース誘導体は、分離可能な中間体III'(本発明の第三の態様に従って製造することができる。スキーム2b参照)を介して得られる。
スキーム2a:C−グルコシドの合成 アプローチ1
R7は、好ましくは-C≡C-R1、塩素、-OSO2R、-SiAlk3、-C≡C-SiAlk3、-C≡C-SiArAlk2、-C≡C-Si(ビフェニル)Alk2を示し、R1、R、Ar、Alk及びR4は本願明細書前記の定義のとおりである。
好適な実施形態では、R6が、O-C1-6-アルキル、O-アリール及びパラ-R7-フェニル-を表し、アリールは本願明細書前記の定義のとおりであり、R7が好ましくは-C≡C-R1、-SiMe3、-C≡C-SiAlk3、-C≡C-SiArAlk2、-C≡C-Si(ビフェニル)Alk2を表し、R1、Ar及びAlkは本願明細書前記の定義のとおりである。
別の実施形態で好適なものがあるが、それによると、R6は水素、O-C1-6-アルキル、O-アリール、C1-4-アルキルカルボニルオキシ、C1-4-アルキルオキシカルボニルオキシ又はパラ-R7-フェニル-を示し、アリールは本願明細書前記の定義のとおりであり、R7が好ましくは-OSO2R、-SiAlk3、-C≡C-SiAlk3、-C≡C-SiArAlk2又は-C≡C-Si(ビフェニル)Alk2を表し、Ar及びAlkは本願明細書前記の定義のとおりであり、RはC1-4-アルキル、CF3、アリール又はアリール-C1-3-アルキルを表し、アリール基はL1でモノ置換又はポリ置換されていてもよい。
R’基は好ましくは水素、C1-4-アルキル、C1-4-アルキルカルボニル又はC1-4-アルキルオキシカルボニルを表し、特に好ましくは水素、メチル又はエチルを表す。
本発明の第二の態様の1つ目の好適な変形例では、R6基が下位式:
本発明の第二の態様の2つ目の変形例は、R6基がパラ-R7-フェニル-を示し、該R7が-C≡C-Si(C1-4-アルキル)3、-C≡C-Si(アリール)(C1-4-アルキル)2、-C≡C-Si(ビフェニル)(C1-4-アルキル)2又は-C≡C-C(OH)(C1-4-アルキル)2を示す。得られた式II'のグルコース誘導体を、例えば、三重結合末端の保護基を取り除くことにより変形させ、R1が水素を示す式IIの生成物を得る。R1が前述の定義であるが水素ではない式IIの生成物は、当該分野の当業者には公知である方法で得ることができるが、とりわけスキーム13で記載の方法により得ることができる。
本発明の第二の態様の3つ目の変形例は、R6基がパラ-R7-フェニル-を示し、該R7が塩素、臭素、ヨウ素、-SiAlk3又は-OSO2Rを示し、該RがC1-4-アルキル、CF3又はアリールを表し、該アリール基はL1によりモノ置換又はポリ置換されていてもよい。得られた式II'のグルコース誘導体は、当該分野の当業者には公知の方法で、とりわけスキーム13に記載の方法で、例えば末端フェニル基にアルキン残基を結合させることにより式IIの生成物に変換する。
本発明の第二の態様の4つ目の変形例は、R6基がC1-6-アルキルオキシ又はアリールオキシを示し、該アリールは本願明細書で定義したとおりである。得られた式II'のグルコース誘導体は、当該分野の当業者には公知の方法で、とりわけスキーム6、12及び15に記載の方法で、例えば、R6を塩素、臭素及びヨウ素のような脱離基に変換させ、得られた化合物にパラ-置換フェニル基を外から結合させることにより式IIの生成物に変換させることができる。
本発明の第二の態様の5つめの変形例は、R6基が水素又は-OR4を示し、該R4は本願明細書で定義したとおりである。好ましくは、R6は水素、C1-4-アルキルカルボニルオキシ又はC1-4-アルコキシカルボニルオキシを示し、さらに好ましくは水素を示す。得られた式II'のグルコース誘導体は、当該分野の当業者には公知の方法で、とりわけスキーム6、12及び15に記載の方法で、例えば、対応の臭素化誘導体(R6=Br)を介してR6を末端のパラ-置換フェニル基に置き換えることによって、式IIの生成物に変換させることができる。
スキーム2bは、式III'の中間体を得るための合成経路を示すもので、式III'の中間体は、本発明の第三の態様によるグルコノラクトンIVに式VIのメタル化アグリコンを添加することで得られる。
スキーム2b:C−グルコシドの合成 アプローチ1
好適な実施形態によると、R6はO-C1-6-アルキル、O-アリール及びパラ-R7-フェニル-を示し、該アリールは本願明細書で定義したとおりであり、R7が好ましくは-C≡C-R1、-SiMe3、-C≡C-SiAlk3、-C≡C-SiArAlk2、-C≡C-Si(ビフェニル)Alk2を表し、該R1、Ar及びAlkは本願明細書で定義したとおりである。
別の実施形態もまた好適であり、これによると、R6は水素、O-C1-6-アルキル、O-アリール、C1-4-アルキルカルボニルオキシ、C1-4-アルキルオキシカルボニルオキシ又はパラ-R7-フェニル-を示し、該アリールは本願明細書で定義したとおりであり、R7は好ましくは-OSO2R、-SiAlk3、-C≡C-SiAlk3、-C≡C-SiArAlk2又は-C≡C-Si(ビフェニル)Alk2を示し、該Ar及びAlkは本願明細書で定義したとおりであり、RはC1-4-アルキル、CF3、アリール又はアリール-C1-3-アルキルを表し、該アリールはL1でモノ置換又はポリ置換されていてもよい。
スキーム2における置換基R4の好ましい定義は、ベンジル、置換ベンジル、トリアルキルシリル、C1-4-アルコキシメチルで、特に好ましくは、トリメチルシリル、トリイソプロピルシリル、C1-4-アルコキシメチル、4-メトキシベンジル及びベンジルである。2個の隣接する置換基R4が互いに結合している場合、これらの2個の置換基がベンジリデンアセタール、4-メトキシベンジリデンアセタール、ジイソプロピルシリリデンアセタール、イソプロピルケタールの一部となるか、或いは、ブタンの2位及び3位を介して隣接するピラノースの酸素原子と結合する2,3-ジメトキシ-ブチレンと共にジオキサンを構成することが好ましい。R’基は、好ましくは水素、C1-4-アルキル、C1-4-アルキルカルボニル又はC1-4-アルキルオキシカルボニルを示し、特に好ましくは水素、メチル又はエチルを示す。
スキーム3:C−グルコシドの合成 アプローチ2
好適な反応条件については、当該分野の当業者には公知であり、例えば、Synlett 2004,1235-1238頁; Org. Lett. 2003, 5, 405-2408頁等の文献、ならびに同様の方法のために本願明細書に引用されている参考文献から適応させることができる。
保護D-グルカールVIIをメタル化して、D-グルカール誘導体VIII(式中、Mはリチウム部位、マグネシウム部位、亜鉛部位、インジウム部位、ホウ素部位、錫部位、珪素部位又はクロム部位を示し、特に、リチウム、ハロゲン化マグネシウム、ハロゲン化亜鉛、ハロゲン化インジウム、ボロン酸、ボロン酸エステルを示す)を得る。グルカールVIIのC-1でのメタル化は、強塩基による脱プロトン化で行うことができる。グルカールの脱プロトン化を可能にする強塩基としては、例えば、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム又はtert-ブチルリチウム等のリチウム塩基が挙げられる。こうして得られたC-1リチオ化グルカール(M=Li)は、異なる求電子性金属源でトランスメタル化して、対応のC-1メタル化グルカール誘導体としてもよい。その後の反応、即ち、アグリコン部位とのカップリングに好適な金属種は、例えば、リチウム、マグネシウム、亜鉛、インジウム、ホウ素、錫、珪素及びクロムから誘導される。リチウムから記載の金属の1種へグルカール化合物をトランスメタル化するには、導入したい金属種に対応する塩化物、臭化物及びヨウ化物等のハロゲン化物、トリフルオロメタンスルホネートなどのスルホネート類、ならびにメトキシド、エトキシド、プロポキシド及びイソプロポキシド等のアルコキシド類を用いて行うことができる。トランスメタル化される金属の空いている側(vacant sides)の数によっては、例えばトリグルカールインジウム又はジグルカール亜鉛におけるように、グルカール残基を1個より多く有していてもよい。対応のモノグルカール置換金属誘導体も同様に使用できる。強塩基、とりわけリチウム塩基によるグルカールのメタル化は、テトラヒドロフラン、エーテル、ジオキサン、ジメトキシエタン、ヘキサン及びトルエン等のような不活性溶媒中で行うことが好ましい。好適な温度は-80〜50℃の範囲である。求電子性金属種によっては、トランスメタル化も同じ溶媒中で同じ温度範囲で行うことができる。トランスメタル化に使用可能な求電子性金属種のなかでは、以下が最も適切である。トリアルキルクロロスタナン、テトラクロロスタナン、トリアルキルクロロシラン、トリアルコキシクロロシリルクロリド又はブロミド、三塩化ホウ素、ホウ酸トリアルキル、ジアルキルクロロボラン、三塩化インジウム、塩化亜鉛、トリフルオロメタンスルホン酸亜鉛、臭化亜鉛、塩化マグネシウム又は臭化マグネシウム。これらは、使用できる金属求電子剤を上記のものに制限することを意味するのではなく、使用できる求電子剤を例示することを意図している。
スキーム3の最終合成工程は、形式的には、化合物IXのグルカール部位における二重結合に水を付加.することである。これは、例えば、ヒドロホウ素化によって実行すればよく、この場合、結果として2-ホウ素-2-デオキシ(desoxy)グルコース誘導体を形成することになる。この2-ホウ素-2-デオキシグルコース誘導体は、炭素-ホウ素結合を酸化させることにより対応のグルコース化合物に変換することができる。ヒドロホウ素化に用いる好適なボラン類とは、例えば、ボラン又はそのエーテル付加物、チオエーテル付加物、アミン付加物、アルキルボラン又はヘキシルボラン、テキシルボラン、ジエチルボラン及び9-BBN等のジアルキルボラン、ピナコールボラン、カテコールボラン、ハロボラン又はジクロロボラン等のジハロボランである。ヒドロホウ素化は、例えば、テトラヒドロフラン、ヘキサン、シクロヘキサン、エーテル、トルエン、ベンゼン、ジクロロメタン中で行うことができる。好適な温度範囲は-50〜150℃、さらには-20〜50℃が好ましい。炭素-ホウ素結合の酸化開裂は、過酸化水素、t-ブチル過酸化水素(tert-butyl hydrogen peroxide)、過ホウ酸ナトリウム、トリアルキルアミンN-オキシド等の酸化剤を使って行うことができる。酸化剤によっては、水酸化ナトリウムのような塩基の存在下で反応を行うことが有利である。この反応は、不活性有機溶媒又はその混合物中で行うことが好ましい。好適な溶媒は、テトラヒドロフラン、水、アルコール類、ジオキサン、ジメトキシエタン、シクロヘキサン、ヘキサン、トルエン、ジクロロメタン及びこれらの混合物から選択される。好適な温度範囲は-30〜150℃、さらには0〜110℃が好ましい。
式Xの生成物は、ピラノース環の2位の水酸基と、さらに任意であるが1個以上の別の水酸基の保護を行ってもよく、R4が本願明細書の定義のとおりであり、とりわけ水素ではない式II'の化合物が得られる。この追加の保護工程は、式X又は式II'の化合物をさらに変換に供する前に行うことが好ましく、特にR6が以下ではない場合である。
で表される基を示す場合、引き続き、水素ではない保護基R4を開裂により、特に加水分解して、式Iの生成物に変換するとよい。本願明細書に記載の方法で、特にスキーム1のところで説明した方法を用いることが有利である。
反応スキーム4は本発明の第五の態様による合成経路を示している。式VIIの保護D-グルカールをエポキシ化して、式XIで表される対応のグルカールオキシドが得られる。これが式VIのメタル化アグリコンとカップリングして式Xの生成物が得られる。
スキーム4:C−グルコシドの合成 アプローチ3
スキーム4は、グルカールVIIから出発したC−グルコシドの別の合成方法を示す。好適な反応条件については当該分野の当業者には公知であり、例えば、Synlett 2003,870〜872頁; Tetrahedron 2002, 58, 1997〜2009頁等の文献、ならびに同様の方法のために本願明細書に引用されている参考文献から適応させることができる。適切な酸化剤でエポキシ化することにより、グルカールVIIは対応のグルカールオキシドXIに変換される。この変換のための好適な反応条件については、スキーム3で示したグルカールIXの同様な変換で既に記載済みである。そこに記載の酸化剤のなかで、別途生成しておいたジメチルジオキシランやトリフルオロジメチルジオキシラン又はこれらを現場で作成したものが好ましい。該酸化剤は、例えば、ペルオキソモノ硫酸、ペルオキソニ硫酸及びその塩を用いて、少なくとも1個のケトンの存在下、とりわけ、式:2 KHSO5 × KHSO4 × K2SO4で表される三重塩(triple salt)で、例えば、OXONE(登録商標)(E.I. du Pont de Nemours社の商標)及びCAROAT(登録商標)(Degussa, Peroxid-Chemie社の商標、Dr.-Gustav-Adolph-Str. 3, D-82049 プラッハ、ドイツ)という商品名で市販されている三重塩を、ケトン、好ましくはアセトン又はトリフルオロアセトンと一緒に用いて得ることができる。この反応は、温度-80〜0℃の範囲で、不活性有機溶媒又はその混合物中で行うことが好ましい。好適な溶媒としては、ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン、トルエン、ヘキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジクロロメタン及びこれらの混合物から選択される。前述及び後述の反応において、保護基R4は互いに独立して、C1-4-アルキルカルボニル、C1-4-アルキルオキシカルボニル、アリールメチル、C1-6-アルコキシメチル及びRaRbRcSi-からなる群から選択されることが好ましく、該アリール、Ra、Rb、Rcは本願明細書で定義したとおりである。2個の隣接するR4基が互いに結合して橋架け基を形成する場合は、橋架け基がSiRaRb、C=O、CRaRb又はCRaORb-CRaORbからなることが好ましい(前記Ra、Rb、Rcは本願明細書で定義したとおりである)。
式Xの生成物は、ピラノース環2位の水酸基と、さらに任意であるが1個以上の別の水酸基の保護を行ってもよく、R4が本願明細書の定義のとおりであり、とりわけ水素ではない式II'の化合物が得られる。この追加の保護工程は、式X又は式II'の化合物をさらに変換に供する前に行うことが好ましく、特にR6が以下ではない場合である。
で表される基を示す場合、引き続き、水素ではない保護基R4を開裂により、特に加水分解により、式Iの生成物に変換するとよい。本願明細書に記載の方法で、特にスキーム1のところで説明した方法を用いることが有利である。
反応スキーム5は本発明の第六の態様による合成経路を示している。式XIIのグルコース誘導体を式VIのメタル化アグリコンと反応させて、式II'の生成物が得られる。
スキーム5:C−グルコシドの合成 アプローチ4
アノマー炭素に脱離基(LG)となりうる基を担持するグルコース誘導体XIIを、メタル化アリールアグリコンとのカップリングの出発物質として利用することもできる。好適な反応条件については当該分野の当業者には公知であり、例えば、J. Carbohydr. Chem. 1994, 13, 303-321頁等の文献、ならびに同様の方法のために本願明細書に引用されている参考文献から適応させることができる。好適な脱離基LGとしては、ハロゲン化物、アルコキシド、カルボキシレートのようなアシル基、及びカーボネートで、とりわけ、フッ素、塩素、臭素、C1-3-アルキルカルボニルオキシ、C1-3-アルキルオキシカルボニルオキシ又はC1-3-アルキルオキシであり、例えば、塩素、臭素、メトキシド、エトキシド、アセテート及びメチルカーボネート又はトリクロロアセトイミダートを挙げることができる。アリール部分に結合する金属Mの好適な例としては、リチウム、例えばハロゲン化マグネシウムのマグネシウム、ハロゲン化亜鉛の亜鉛、ニハロゲン化インジウムのインジウム、ボロン酸又はボロン酸エステルのホウ素である。これらのメタル化アリール化合物を対応するハロゲン化芳香族化合物(aromats)から調製することについてはスキーム4で記載済みである。置換反応は、使用する金属種やグルコシル供与体によっては、例えば三フッ化ホウ素エーテラート、トリメチルシリルクロリド、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル等の追加のルイス酸の存在下で行うことも、あるいは、それらを使わずに行うこともできる。この反応は不活性有機溶媒又はその混合物中で行うことが好ましい。好適な溶媒は、メタル化アグリコン、グルコシル供与体及び必要なアジュバントを考慮して選ぶことが好ましい。下記溶媒が有利である。テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ヘキサン、エーテル、N-メチルピロリジノン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジクロロメタン及びこれらの混合物。通常、カップリング反応は-80〜120℃、好ましくは-60〜60℃で行う。前述及び後述の反応において、保護基R4は互いに独立して、C1-4-アルキルカルボニル、C1-4-アルキルオキシカルボニル、C1-4-アルキルオキシメチル、アリールメチル及びRaRbRcSiからなる群から選択されることが好ましく、該アリール、Ra、Rb、Rcは本願明細書で定義したとおりである。2個の隣接するR4基が互いに結合して橋架け基を形成する場合は、橋架け基がSiRaRb、C=O、CRaRb又はCRaORb-CRaORbからなることが好ましい(前記Ra、Rb、Rcは本願明細書で定義したとおりである)。
式II'の生成物のR6基が下位式:
で表される基を示す場合、引き続き、水素ではない保護基R4を開裂することにより、とりわけ加水分解することにより、式Iの生成物に変換するとよい。本願明細書に記載の方法で、特にスキーム1のところで説明した方法を用いることが有利である。
本発明の第七の態様によると、式II'の生成物のR6基が下位式:
スキーム6
R6基は、好ましくは水素、OR4、C1-6-アルキルオキシ又はアリールオキシを表し、より好ましくはC1-6-アルキルオキシ又はアリールオキシを表す。
第1の反応工程で、化合物II'のR6基が任意であるがZ4基に変換され、式XXXIXの化合物が得られる。Z4基は、塩素、臭素、ヨウ素、C1-6-アルキルカルボニルオキシ、C1-6-アルキルオキシカルボニルオキシ、C1-6-アルキルスルホニルオキシ又は-OPO(O-C1-6-アルキル)2を表す。Z4基の好ましい定義は、塩素、臭素及びヨウ素であり、とりわけ臭素である。式II'の化合物は、反応スキーム2a、3、4及び5で記載の方法によって得ることができる。あるいは、式Xの化合物を出発物質として使用することもできる。式Xの化合物は、反応スキーム3及び4で記載の方法により得られる。R6基がOR4を表す場合、R4が(C1-18-アルキル)カルボニル、(C1-18-アルキル)オキシカルボニル、(C3-18-アルケニル)オキシカルボニル、アリールカルボニル、アリール-(C1-3-アルキル)-カルボニルを示すのであれば上記のような変換は必要ない。この場合、スキーム6の式XXVI'の化合物を得る第2の反応工程を、基本的に式II'の化合物で行えばよい。
M3がリチウム、ホウ素、マグネシウム、珪素、錫、セリウム、インジウム、亜鉛又はクロム部位を示す)と反応させる。R13の好ましい定義は、-CHO、-C≡C-R1、-C≡C-C(OH)Me2、-C≡C-SiMe3、-C≡C-SiiPr2、-C≡C-SiArMe2、-C≡C-Si(ビフェニル)Me2、-SiMe3、臭素、塩素、トリフルオロメチルスルホニルオキシである。M3の好ましい定義は、ボロン酸、ボロン酸エステル、ハロゲン化マグネシウム、ハロゲン化亜鉛及びハロゲン化インジウムである。式XIIIのメタル化ベンゼンの合成は当業者には公知であり、有利な合成方法については反応スキーム10で記載する。ピラノシドXXXIXと求核分子XXIIIとのカップリング反応及び好ましい反応条件については、スキーム11で説明する。結果として得られる式XXVI'の生成物は、R13がR1-C≡C-を示す場合は、式IIの化合物に相応する。R13がそれ以外の定義を有する場合は、式XXVI'の化合物を式IIの化合物に変換することが好ましい。このような変換は当業者には公知であり、例えば反応スキーム13で記載する。当業者には公知の方法で式IIの保護化合物の脱保護を行い、式Iの生成物を得る。水素ではない保護基R4の開裂は、とりわけスキーム1で記載したような方法で行う。
アグリコン部位の合成、とりわけ式V及びVIで表されるアグリコンの合成、又は、アグリコンへ糖部位が結合した後の官能化は、有機化学における標準的な変換により、あるいは、少なくとも有機合成における専門家向けの文献から公知の方法により行うとよい(特に、J. March, Advanced Organic Reactions, Reactions, Mechanisms, and Structure 4版、John Wiley & Sons, チチェスター/ニューヨーク/ブリスベン/トロント/シンガポール、1992ならびに本願明細書に引用の文献を参照)。下記に記載の合成方法は、一例として明示するものである。
スキーム7は、ベンゾフェノン誘導体XIIIから出発するアグリコン部分XVIの合成を示すもので、XIIIは安息香酸誘導体及びフェニルアルキルエーテル又はメタル化フェニルアルキルエーテルから調製することができる(スキーム8及び11参照)。
スキーム7:アグリコン部分の合成 アプローチ1
スキーム8は、公知の塩化ベンゾイルXVII及びベンゼン誘導体XVIIIから出発するアグリコン部分XXの合成を説明するものである。
スキーム8:アグリコン部分の合成 アプローチ2
スキーム9は、ベンジル求電子剤XXIを用いたベンゼン誘導体XVIIIのフリーデル‐クラフツ型アルキル化による、アグリコン部分の別の合成方法を示す。
スキーム9:アグリコン部分の合成 アプローチ3
スキーム10に示すアプローチでは、化合物XXIIのメタル化から出発する。スキーム2に記載のメタル化アグリコンVIで使用した方法と同様にして、塩素化、臭素化又はヨウ素化芳香族化合物XXIIからリチウム置換又はマグネシウム置換芳香族化合物XXIIIを調製することができる。
スキーム10:アグリコン部分の合成 アプローチ4
スキーム11に示す合成は、メタル化ベンゼン誘導体XXIIIを安息香酸又は安息香酸誘導体XXVII(例えば、安息香酸エステル、無水安息香酸、ワインレブアミドのようなベンズアミド、ベンゾニトリルもしくは塩化ベンゾイル等)に添加することから始まり、ベンゾフェノンXXVIIIを得る。
スキーム11:アグリコン部分の合成 アプローチ5
後者の反応は、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、ベンゼン、トルエン、ヘキサン及びこれらの混合物中、-80〜100℃、好ましくは-30〜40℃で行うことができる。ベンゾニトリル及び対応のワインレブアミドのようなベンズアミド、又はそれに近い誘導体は、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ヘキサン、エーテル及びそれらの混合物中、-90〜50℃、好ましくは-80〜20℃の範囲で選択的に反応させる。ベンゾイル塩化物又は無水物及び安息香酸エステルは、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、トルエン、ジクロロメタン、ジオキサン、ヘキサン等の炭化水素化合物又はそれらの混合物等の不活性溶媒中、低温で、好ましくは-80〜0℃で通常用いられる。ベンゾイル塩化物又はベンゾイル無水物又は安息香酸エステルに有機金属化合物が二重付加(double addition)し、対応のアルコールが生成されることを防ぐため、例えば、トリメチルシリルクロリド等のトラッピング試薬の存在下で添加を行うことが好ましい。上記の場合の二重添加を防ぐための別の選択肢は、反応性がより低い求核分子XXIIIにトランスメタル化することである。好適な金属としては、例えば、亜鉛、セリウム、クロム又はインジウムで、これらは塩化物、臭化物、ヨウ化物又はトリフルオロメタンスルホネート等の擬ハロゲン化塩として導入され、リチウム又はマグネシウム化合物をトランスメタル化し、対応の反応性がより低く、選択性のより高い金属化合物XXIIIが得られる。トランスメタル化は、最初の有機金属化合物を生成した溶媒中(上記参照)で-90〜0℃で選択的に行われる。トランスメタル化は記載の金属やスキーム10で既に説明したホウ素誘導体化合物に限られるものではなく、スタナン(水素化錫)やシラン(水素化珪素)なども提供することができる。トランスメタル化した化合物の中には、対応するベンゾイル求電子体と、なかでも塩化ベンゾイルや無水ベンゾイルと自然に反応するものもあるが、遷移金属触媒を添加しても有利である。特にアリールボロン酸とそのエステル、ジアルキルアリールボラン、アリールトリフルオロボレート、スタナン、シラン、インジウム、クロム及び亜鉛の誘導体化合物XXIIIの場合は、例えば、パラジウム、銅、鉄、ニッケル等の遷移金属(これらは元素として、又は、アセテート、塩化物、臭化物、ヨウ化物、アセチルアセトネート、トリフルオロメタンスルホネート及びシアン化物として使用できる)を、例えば、亜リン酸塩、トリフェニルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリトリルホスフィン等のホスフィン類、1,3-置換イミダゾリウム又はジヒドロイミダゾリウム化合物等の配位子と一緒に仲介させることにより、塩化ベンジル誘導体XXVIIとカップリングして、ジアリールケトンXXVIIIとなる。
スキーム12によると、前述のようにして合成できるメタル化アリール基XXIIIを、ベンジル塩化物、臭化物、ヨウ化物、スルホネート、ホスホネート、カーボネート又はカルボキシレートといったベンジル求電体XXIXと反応させて、ジアリールメタンXXVIを得ることができる。
スキーム12:アグリコン部分の合成 アプローチ6
下記のスキームは、アグリコン部分へアルキン残基を結合させるための好適な方法を概説したものである。
スキーム13は、遷移金属触媒下で、末端アルキンと適宜活性化したフェニル基をカップリングすることにより、アルキン残基を末端フェニル基へ結合することを説明する。
スキーム13:アルキン残基の結合 アプローチ1
また、対応のアルデヒドXXXIVを出発物質として、1炭素延長(one carbon elongation)により末端フェニル基に末端アルキンを形成することもできる(スキーム14)。
スキーム14:アルキン残基の結合 アプローチ2
下記スキーム15は、所望の化合物を得るための特に好ましい方法を示す。
スキーム15:目的の分子への好適な合成経路
R1及びR2は本願明細書前記定義のとおりである。
R4は好ましくは、水素、(C1-8-アルキル)カルボニル(C1-4-アルコキシで置換されていてもよい)、(C1-8-アルキル)オキシカルボニル、(C3-6-アルケニル)カルボニル、アリールカルボニル、C1-6-アルコキシメチル、RaRbRcSi-、-CRaRbORcを示す。2個の隣接するR4基が互いに結合しあって橋架け基を形成する場合、SiRaRb、C=O、CRaRb又はCRaORb-CRaORbからなり、RaRbRcは本願明細書前記の定義のとおりであり、各アルキル基はフッ素、塩素、C1-3-アルキル、RaRbRcSi-、C1-4-アルコキシから選択される3個までの置換基で置換されていてもよい。
R6は好ましくは、水素、ヒドロキシ、C1-6-アルキルオキシ又はアリールオキシを表し、より好ましくはC1-6-アルキルオキシ又はアリールオキシを表す。
合成シーケンスは、残基R2と臭素又はヨウ素原子と-CH2-R6とを有し、脱離可能な基R6が水素、C1-4-アルコキシ又はアリールオキシを示す、アグリコン部分XXXVのメタル化から出発する。メタル化アグリコンを保護グルコノラクトンIVに添加するのは、前述のとおり、とりわけスキーム2で説明したように行うとよい。メタノール又はエタノールのようなアルコール中、酢酸、塩酸、硫酸又はメタンスルホン酸等の酸で付加物をクエンチング(quenching)して、対応のアルコキシ付加物XXXVIIを得ることができる。C−グルコシド(XXXVIII)を得るために次に行う還元は、前述の使用可能な方法のなかの1つを使って、とりわけスキーム2に関する方法を使って行う。トリエチルシランのようなシランを三フッ化ホウ素エーテラートのようなルイス酸と一緒に使用することにより、この種の還元は可能になる。
ハロゲン化物XXXIXとボロン酸XLとの次のカップリングは、既に記載済みの鈴木反応であって、なかでもスキーム11を基準とした反応である。この変換のための特に好ましい反応条件は、塩化パラジウム、臭化パラジウム又は酢酸パラジウム等のパラジウム源を触媒前駆体とし、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム又はリン酸カリウムを塩基とし、ジオキサン、水、アセトン、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、キシレン又はトルエンを溶媒とする。ホスフィン配位子や、前もって作成したパラジウムと配位子との錯体を添加することが有利な場合もある。この反応は0〜130℃で行うことが好ましい。IIにおける保護基を取り除き最終生成物Iを得るための条件については既に記載済みで、なかでもスキーム1にを基準とする。
エチニル、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ又はイミノ基のような存在するいずれの反応基も従来の保護基により反応中は保護することができ、反応後は保護基を再び開裂する。
例えばヒドロキシ基の保護基としては、トリメチルシリル基、アセチル基、トリチル基、ベンジル基又はテトラヒドロピラニル基が挙げられる。
アミノ、アルキルアミノ又はイミノ基の保護基としては、例えば、ホルミル基、アセチル基、トリフルオロアセチル基、エトキシカルボニル基、t-ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、ベンジル基、メトキシベンジル基又は2,4-ジメトキシベンジル基が挙げられる。
末端アルキンの保護基は、例えば、トリメチルシリル、ビフェニルジメチルシリル又はトリイソプロピルシリル等のシリル基及び2-ヒドロキシ-イソプロピル基である。
さらに、得られた化合物及び中間体は、本願明細書で記載したように、それぞれの鏡像異性体及び/又はジアステレオ異性体に分離することができる。例えば、シス/トランス混合物を、シス及びトランス異性体に分離したり、少なくとも1個の光学活性炭素原子を有する化合物を鏡像異性体に分離することができる。
そこで、例えば、シス/トランス混合物はクロマトグラフィーによりシス及びトランス異性体に分離することができ、ラセミ体として得られた化合物や中間体は、それ自体が公知の方法(Allinger N. L.及びEliel E. L. "Topics in Stereochemistry", 第6巻、Wiley Interscience, 1971参照)で光学的対掌体に分離することができる。少なくとも2個の不斉炭素原子を有する化合物又は中間体は、それぞれの物理化学的相違に基づいてそれ自体公知である方法により、例えば、クロマトグラフィー及び/又は分別晶出によりジアステレオ異性体に分割することができ、これらの化合物がラセミ体で得られた場合は、引き続き、前述のように鏡像異性体に分割することができる。
さらに、本発明の化合物及び中間体はその塩に変換してもよい。とくに、製薬用途では、無機酸又は有機酸と一緒に医薬的に許容できる塩に変換するとよい。この目的のために使用できる酸としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、メタンスルホン酸、燐酸、フマル酸、コハク酸、乳酸、クエン酸、酒石酸又はマレイン酸が挙げられる。
また、本発明の化合物は以下の実施例に記載の方法を用いて有利に得られるが、実施例記載の方法は、本目的のため、当業者が文献から得た公知方法、なかでも例えばWO98/31697、WO01/27128、WO02/083066、WO03/099836、WO2004/063209及びWO2005/092877に記載の方法と組み合わせることができる。
ハロゲンという用語はフッ素、塩素、臭素及びヨウ素からなる群から選択される原子を示し、特にはフッ素、塩素及び臭素を示す。
C1-n-アルキル(nは1〜18)という用語は、炭素原子を1〜n個有する分岐又は分岐していない、飽和炭化水素基を示す。このような基の例としては、メチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、ブチル、iso-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、iso-ペンチル、neo-ペンチル、tert-ペンチル、n-ヘキシル、iso-ヘキシル等が挙げられる。特に記載がない場合は、アルキルという用語は好ましくはC1-6-アルキル基を表し、さらに好ましくはC1-4-アルキル基を表し、特に好ましくはC1-3-アルキル基を表す。
C2-n-アルキニル(nは3〜6)という用語は、炭素原子を2〜n個とC≡C三重結合とを有する、分岐又は分岐していない炭化水素基を示す。このような基の例としては、エチニル、1-プロピニル、2-プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニル、3-ブチニル、1-ペンチニル、2-ペンチニル、3-ペンチニル、4-ペンチニル、1-ヘキシニル、2-ヘキシニル、3-ヘキシニル、4-ヘキシニル、5-ヘキシニル等が挙げられる。特に記載がない場合は、アルキニル基が1位の炭素原子を介して分子の残余に結合している。そのため、1-プロピニル、2-プロピニル、1-ブチニル等の用語は、1-プロピン-1-イル、2-プロピン-1-イル、1-ブチン-1-イル等に対応している。このことはC2-n-アルケニル基にも同様にあてはまる。
C1-n-アルキルカルボニルという用語はC1-n-アルキル-C(=O)基を示し、C1-n-アルキルは前記定義のとおりである。このような基の例としては、メチルカルボニル、エチルカルボニル、n-プロピルカルボニル、iso-プロピルカルボニル、n-ブチルカルボニル、iso-ブチルカルボニル、sec-ブチルカルボニル、tert-ブチルカルボニル、n-ペンチルカルボニル、iso-ペンチルカルボニル、neo-ペンチルカルボニル、tert-ペンチルカルボニル、n-ヘキシルカルボニル、iso-ヘキシルカルボニル等が挙げられる。
C3-n-シクロアルキルという用語は、3〜n個の炭素原子を有する飽和モノ-、バイ-、トリ-又はスピロ炭素環式基を表す。このような基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロドデシル、バイシクロ[3.2.1.]オクチル、スピロ[4.5]デシル、ノルピニル、ノルボニル、ノルカリル、アダマンチル等が挙げられる。好ましくは、C3-7-シクロアルキルという用語は飽和単環式基を表す。
C5-n-シクロアルケニルという用語は、前記定義のとおりであるC5-n-シクロアルキル基がさらに少なくとも1個の不飽和C=C二重結合を有するものである。
トリ-(C1-4-アルキル)シリルという用語は、同じ又は異なる2個もしくは3個のアルキル基を有するシリル基である。
ジ-(C1-3-アルキル)アミノという用語は、同じ又は異なる2個のアルキル基を有するアミノ基である。
アリールという用語は、好ましくはナフチル又はフェニルを表し、より好ましくはフェニルを示す。
前記及び本願明細書後記で使用の構造式における命名について、例えばフェニル環等の環式基の置換基の結合は環式基の中央に向かって示されているが、特に記載のない限り、該置換基は環式基の水素原子を有するいずれの位置にも結合できることを表す。
前記及び以下の本文において、ヒドロキシル基の水素原子は、いずれも構造式中に明示していない。下記実施例は本発明を説明することを意図するもので、本発明を限定するものではない。圧力が単位「Torr」で示されている場合、対応の値は、1torr = 133.322Paを用いてSI系に換算することができる。
下記合成例は、式Iの化合物及びその中間体の製造方法を説明するためのものである。これは、可能な方法を一例として説明したものにすぎないとみなすべきであり、この内容に本発明を限定するものではない。
実施例I
38.3mlの塩化オキサリルと0.8mlのジメチルホルムアミドとを、100gの5-ブロモ-2-クロロ-安息香酸を含む500mLのジクロロメタンに添加する。反応混合物を14時間攪拌した後、濾過を行い、ロータリーエバポレータで揮発成分をすべて分離させる。残渣を150mlのジクロロメタンに溶解させ、得られた溶液を-5℃に冷却する。46.5gのアニソールを加える。さらに、温度が5℃を超えないようにしながら51.5gの三塩化アルミニウムを少しずつ添加する。溶液を1〜5℃でさらに1時間攪拌した後、砕いた氷の上に注ぐ。有機相を分離させ、水性相をジクロロメタンで3回抽出する。有機相を併せて1M塩酸で洗い、1M水酸化ナトリウム溶液で2回洗い、塩水で洗う。有機相を乾燥させ、溶媒を真空下で除去する。残渣をエタノールで再結晶させる。
収量:86.3g(理論量の64%)
質量スペクトル (ESI+): m/z = 325/327/329 (Br+Cl) [M+H]+
下記化合物は実施例Iと同様にして得られる。
(1) (5-ブロモ-2-メチル-フェニル)-(4-メトキシ-フェニル)-メタノン
実施例II
4.0gのN-ブロモスクシンイミドを、5.0gの4-ブロモ-1-クロロ-2-ヒドロキシメチル-ベンゼン及び5.9gのトリフェニルホスフィンを含む50mLのテトラヒドロフラン溶液(5℃に冷却)にゆっくり添加する。周囲温度で1時間攪拌した後、析出物を濾取し、溶媒を真空下で取り除く。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル 50:1)で精製する。
収量:4.9g(理論量の76%)
質量スペクトル (EI): m/z = 282/284/286/288 (2Br+Cl) [M]+
実施例III
40.0gの4-ブロモ-1-クロロ-2-ヒドロキシメチル-ベンゼン及び60mLの塩化チオニルを含む150mLのジクロロメタン溶液を、45〜50℃で5時間攪拌する。その後、溶媒分と過剰な試薬とを真空下で除去する。
収量:43.2g(理論量の100%)
質量スペクトル (EI): m/z = 238/240/242/244 (Br+2Cl2) [M]+
実施例IV
86.2gの(5-ブロモ-2-クロロ-フェニル)-(4-メトキシ-フェニル)-メタノンと101.5mLのトリエチルシランとを含む、ジクロロメタン75mL及びアセトニトリル150mLの溶液を、10℃に冷却する。温度が20℃を超えないように50.8mLの三フッ化ホウ素エーテラートを添加する。溶液を周囲温度で14時間攪拌し、さらに9mLのトリエチルシランと4.4mLの三フッ化ホウ素エーテラートとを加える。溶液を45〜50℃でさらに3時間攪拌した後、周囲温度に冷却する。28gの水酸化カリウムを70mLの水に溶解させた溶液を添加し、得られた混合物を2時間攪拌する。その後、有機相を分離させ、水性相をジイソプロピルエーテルで3回抽出する。有機相を併せて、2M水酸化カリウム溶液で2回、塩水で1回洗い、硫酸ナトリウムで乾燥させる。溶媒分を取り除き、残渣をエタノールで洗い、60℃で乾燥させる。
収量:50.0g(理論量の61%)
質量スペクトル (ESI+): m/z = 310/312/314 (Br+Cl) [M+H]+
下記化合物は実施例IVと同様にして得られる。
(1) (5-ブロモ-2-メチル-フェニル)-(4-メトキシ-フェニル)-メタン
実施例V
14.8gの4-ブロモ-1-クロロ-2-(4-メトキシ-ベンジル)-ベンゼンを含む150mLのジクロロメタン溶液を、氷浴で冷却する。その後、三臭化ホウ素の1Mジクロロメタン溶液50mLを添加し、溶液を周囲温度で2時間攪拌する。溶液を再度氷浴で冷却し、飽和炭酸カリウム溶液を滴下する。周囲温度において混合物を1M塩酸でpH値が約1になるよう調整し、有機相を分離させ、水性相を酢酸エチルで3回抽出する。有機相を併せて硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒分を完全に除去する。
収量:13.9g(理論量の98%)
質量スペクトル (ESI-): m/z = 295/297/299 (Br+Cl) [M-H]-
下記化合物は実施例Vと同様にして得られる。
(1) 4-(5-ブロモ-2-メチル-ベンジル)-フェノール
実施例VI
13.9gの4-(5-ブロモ-2-クロロ-ベンジル)-フェノールを含む140mLのジクロロメタン溶液を氷浴で冷却する。その後、7.54gのt-ブチルジメチルシリルクロリドを含む20mLのジクロロメタンを添加し、続いて9.8mLのトリエチルアミン及び0.5gの4-ジメチルアミノピリジンを加える。溶液を周囲温度で16時間攪拌し、100mLのジクロロメタンで希釈する。有機相を1M塩酸で2回、炭酸水素ナトリウム水溶液で1回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥せさせる。溶媒分を除去した後、残渣をシリカゲルで濾過する(シクロヘキサン/酢酸エチル 100:1)。
収量:16.8g(理論量の87%)
質量スペクトル (EI): m/z = 410/412/414 (Br+Cl) [M]+
下記化合物は実施例VIと同様にして得られる。
(1) [4-(5-ブロモ-2-メチル-ベンジル)-フェノキシ]-t-ブチル-ジメチル-シラン
実施例VII
7.1gのフェノールと11.1gの炭酸カリウムとを含む100mLのエタノールに、19.5gの4-ブロモ-2-ブロモメチル-1-クロロ-ベンゼンを添加する。混合物を周囲温度で一晩攪拌する。エタノールを蒸発させ、残渣に水を加える。得られた混合物を酢酸エチルで抽出し、抽出物を併せて硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒分を除去する。残渣をシリカゲルのクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル 70:30)で精製する。
収量:16.8g(理論量の82%)
質量スペクトル (ESI+): m/z = 296/298/300 (Br+Cl) [M]+
実施例VIII
アルゴン気流下、15.0gの1-ブロモ-4-ヨード-ベンゼンを含む150mLの無水テトラヒドロフラン溶液(酸素を含まない)に、11.6mLのトリイソプロピルシリルアセチレンと14.4mLのトリエチルアミンを添加し、引き続き、0.2gのヨウ化銅と0.73gのビス-(トリフェニルホスフィン)-パラジウムジクロリドを添加する。溶液を周囲温度で16時間攪拌した後、セライトで濾過し、溶媒分を蒸発させる。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(シクロヘキサン)にかける。
収量:17.4g(理論量の100%)
質量スペクトル (ESI+): m/z = 336/338 (Br) [M]+
下記化合物は実施例VIIIと同様にして得られる。
(1) 4-(トリイソプロピルシリル-エチニル)フェニルボロン酸
4-ヨード-フェニルボロン酸を出発物質として使用する。
(2) 4-(トリメチルシリル-エチニル)フェニルボロン酸
4-ヨード-フェニルボロン酸を出発物質として使用する。
実施例IX
アルゴン気流下、18.0gのヨウ化ナトリウム(無水)と0.6gのヨウ化銅と0.8gのN,N'-ジメチル-シクロヘキサン-1,2-ジアミンとを、20.0gの(4-ブロモ-フェニルエチニル)-トリイソプロピル-シランを含む100mLのジオキサン溶液に添加する。この溶液を24時間攪拌しながら還流し、その後、周囲温度に冷却する。1%アンモニア溶液(100mL)を加え、混合物を酢酸エチルで抽出する。硫酸ナトリウムで乾燥を行った後、溶媒分を除去し残渣をシリカゲル(シクロヘキサン)で精製する。
収量:21.0g(理論量の92%)
質量スペクトル (EI): m/z = 384 [M]+
実施例X
アルゴン気流下、塩化イソプロピルマグネシウムの2Mテトラヒドロフラン溶液0.66mLを、0.50gの(4-ヨード-フェニルエチニル)-トリイソプロピル-シランを含む2.2mLの無水テトラヒドロフラン溶液(-25℃に冷却)に滴下する。溶液を-25℃で30分間攪拌し、CuCN*2 LiClの1Mテトラヒドロフラン溶液0.26mL(CuCNとLiClとを1:2の割合で溶解させて調製)と混合する。その直後に、0.35gの4-ブロモ-2-ブロモメチル-1-クロロ-ベンゼンを添加し、反応混合物を冷却槽中で-5℃まであたためる。-5℃で6時間攪拌した後、溶液を周囲温度まであたため、一晩攪拌する。その後、飽和塩化アンモニウム溶液と25%アンモニア溶液の混合物(9:1)を添加し、得られた混合物を水に加える。有機相を分離させ、水性相を酢酸エチルで抽出し、有機相を併せて硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒分を除去する。残渣をシリカゲルで精製する(シクロヘキサン)。
収量:0.28g(理論量の50%)
質量スペクトル (EI): m/z = 461/463/465 (Br+Cl) [M+H]+
下記化合物は実施例Xと同様にして得られる。
(1) [4-(5-ブロモ-2-メチル-ベンジル)-フェニルエチニル]-トリイソプロピル-シラン
20gのD-グルコノ-1,5-ラクトンと98.5mLのN-メチルモルホリンとを含む200mLのテトラヒドロフラン溶液を、-5℃に冷却する。その後、温度が5℃を超えないように85mlのトリメチルシリルクロリドを滴下する。その後、溶液を周囲温度で1時間、35℃で5時間、再度周囲温度で14時間攪拌する。300mLのトルエンを添加して、溶液を氷浴で冷却し、温度が10℃を超えないように500mLの水を加える。有機相を分離させ、リン酸二水素ナトリウム水溶液、水、塩水で洗浄する。溶媒分を真空下で除去し、残渣をトルエンとの共沸で乾燥させる。
収量:52.5g(約90%の純度)
質量スペクトル (ESI+): m/z = 467 [M+H]+
実施例XII
14.40gの4-ブロモ-1-クロロ-2-フェノキシメチル-ベンゼンを含む120mLの無水テトラヒドロフラン溶液を、アルゴン気流下、-78℃に冷却する。n-ブチルリチウムの1.7Mヘキサン溶液33.5mLを、前記冷却した溶液にゆっくりと滴下する。得られた溶液を-78℃で45分間攪拌し、純度約90%の2,3,4,6-テトラキス-O-(トリメチルシリル)-D-グルコピラノンを25.10g含む80mLのテトラヒドロフラン溶液(-78℃)を分注用注射針で加える。得られた溶液を-78℃で1時間攪拌した後、150 mLの酢酸1%水溶液を加える。室温まであたためた後、得られた反応混合物を酢酸エチルで抽出し、有機抽出物を併せて塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させる。溶媒分を除去した後、残渣を90mLのメタノールに溶解し、1mLのメタンスルホン酸で処理する。溶液を室温で一晩攪拌し、トリエチルアミンで中和させる。溶媒を減圧下で除去し、残渣を250mLの酢酸エチルに溶解させる。この有機溶液を水、塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥させる。溶媒分の除去を行った後、粗生成物を精製せずに還元を行う。
収量:17.20g(粗生成物)
質量スペクトル (ESI+): m/z = 433/435 (Cl) [M+Na]+
下記化合物は実施例XIIと同様にして得られる。
(1) 1-クロロ-4-(1-メトキシ-D-グルコピラノス-1-イル)-2-(4-トリイソプロピルシリルエチニル-ベンジル)-ベンゼン
実施例XIII
17.20gの1-クロロ-4-(1-メトキシ-D-グルコピラノス-1-イル)-2-(フェノキシメチル)-ベンゼンと13.6mLのトリエチルシランとを含む、ジクロロメタン120mL及びアセトニトリル360mLの溶液を-10℃に冷却する。さらに、溶液の温度を0℃未満に保ちながら、8.4mLの三フッ化ホウ素エーテラートを滴下する。得られた溶液を氷浴で0.5時間攪拌した後、室温まであたためる。炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、得られた混合物を0.5時間攪拌する。有機層を分離させ水性層を酢酸エチルで抽出する。有機層を併せて塩水で洗浄し硫酸ナトリウムで乾燥させる。溶媒を除去し、残渣を200mLのジクロロメタンに投入する。溶液を氷浴で冷却して、36mLのピリジンと40mLの無水酢酸と0.5gの4-ジメチルアミノピリジンとを添加する。溶液を周囲温度で1時間攪拌し、100mLのジクロロメタンで希釈する。有機溶液を1M塩酸で2回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させる。溶媒分を除去した後、残渣をエタノールから再結晶させ、白色結晶の生成物を得る。
収量:7.30g(理論量の32%)
質量スペクトル (ESI+): m/z = 566/568 (Cl) [M+NH4]+
下記化合物は実施例XIIIと同様にして得られる。
(1) 1-クロロ-4-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノス-1-イル)-2-(4-トリイソプロピルシリルエチニル-ベンジル)-ベンゼン
(2) 1-クロロ-4-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノス-1-イル)-2-(4-トリイソプロピルシリルエチニル-ベンジル)-ベンゼン
還元後、化合物を上記方法により無水酢酸のかわりにクロロギ酸メチルで処理した。
実施例XIV
6.04gの1-クロロ-4-(1-メトキシ-D-グルコピラノス-1-イル)-2-フェニルオキシメチル-ベンゼンを含む200mLの酢酸溶液に、33%臭化水素酸の酢酸溶液200mLを添加する。溶液を周囲温度で2時間攪拌した後、氷浴で冷却する。反応混合物を冷却した飽和炭酸カリウム水溶液で中和させ、得られた混合物を酢酸エチルで抽出する。有機抽出物を併せて硫酸ナトリウムで乾燥させる。溶媒分を真空下で除去する。残渣を酢酸エチル/シクロヘキサン(1:3)に投入し、析出物を濾過により分離して50℃で乾燥させ、純粋な生成物を得る。
収量:4.50g(理論量の76%)
質量スペクトル (ESI+): m/z = 552/554/556 (Br+Cl) [M+NH4]+
下記化合物は実施例XIVと同様にして得られる。
(1) 1-クロロ-4-(2,3,4,6-テトラ-O-ベンゾイル-D-グルコピラノス-1-イル)-2-ブロモメチル-ベンゼン
実施例XV
3.25gの1-クロロ-4-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-D-グルコピラノス-1-イル)-2-ブロモメチル-ベンゼンと、1.46gの4-トリメチルシリルエチニル-フェニルボロン酸と、2.10gの炭酸カリウムとを含むアセトン45mL及び水15mLの溶液に、アルゴン気流下、32mgのニ塩化パラジウムを添加する。反応混合物を周囲温度で10時間攪拌した後、塩水で希釈する。得られた混合物を酢酸エチルで抽出し、抽出物を併せて硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒分を真空下で除去する。残渣を40mLのメタノールに投入し、8mLの4M水酸化カリウム水溶液を添加する。溶液を周囲温度で1時間攪拌した後、1M塩酸で中和させる。メタノール分を留去し、残渣を塩水で希釈して酢酸エチルで抽出する。有機抽出物を回収して硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒分を除去する。残渣をシリカゲルのクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール 1:0から6:1へ勾配)にかける。
収量:1.37g(理論量の58%)
質量スペクトル (ESI+): m/z = 406/408 (Cl) [M+H]+
1-クロロ-4-(2,3,4,6-テトラ-O-ベンゾイル-D-グルコピラノス-1-イル)-2-ブロモメチル-ベンゼンも、上記の反応に使用することができる。
下記化合物は実施例XVと同様にして得られる。
(1) [4-(5-ブロモ-2-クロロ-ベンジル)-フェニルエチニル]-トリイソプロピル-シラン
4-(トリイソプロピルシリル-エチニル)フェニルボロン酸と、5-ブロモ-2-クロロ-ベンジルブロミドがカップリングパートナーであり、前記反応条件に供する。
(2) [4-(5-ブロモ-2-メチル-ベンジル)-フェニルエチニル]-トリイソプロピル-シラン
4-(トリイソプロピルシリル-エチニル)フェニルボロン酸と、5-ブロモ-2-メチル-ベンジルブロミド(公知化合物)がカップリングパートナーであり、前記反応条件に供する。
テトラブチルアンモニウムフルオリドの1Mテトラヒドロフラン溶液0.77mLを、0.55gの1-クロロ-4-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノス-1-イル)-2-(トリイソプロピルシリルエチニル-ベンジル)-ベンゼンを含むテトラヒドロフラン溶液2mLに添加する。溶液を周囲温度で1時間攪拌する。その後、4mLのメタノールと0.85mLの4M水酸化カリウム溶液とを添加し、得られた溶液を周囲温度でさらに1時間攪拌する。溶液を1M塩酸で中和させ、メタノール分を留去する。残渣を塩化ナトリウム水溶液と混合し、酢酸エチルで抽出する。有機抽出物を併せて硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒分を除去する。残渣をシリカゲルのクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール 19:1から2:1へ勾配)にかける。
収量:0.15g(理論量の50%)
質量スペクトル (ESI+): m/z = 406/408 (Cl) [M+NH4]+
以下の化合物は実施例XVIと同様にして得られる。
(1) 4-(β-D-グルコピラノス-1-イル)-3-(4-エチニル-ベンジル)-4-メチル-ベンゼン
実施例XVII
37mgのヨウ化銅と、67mgのビス-(トリフェニルホスフィン)-パラジウムジクロリドと、0.46mLのトリエチルアミンとを、0.35gの1-クロロ-4-(β-D-グルコピラノス-1-イル)-2-(4-エチニル-ベンジル)-ベンゼンと0.2gの5-ブロモ-ピリミジンとを含むジメチルホルムアミド溶液1mL(酸素を含まない)に添加する。アルゴン雰囲気下、溶液を60℃で16時間攪拌する。反応混合物をセライトで濾過し溶媒分を留去する。残渣をシリカゲルのクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール 1:0から9:1へ勾配)にかける。
収量:120mg(理論量の29%)
質量スペクトル (ESI+): m/z = 467/469 (Cl) [M+H]+
下記化合物は実施例XVIIと同様にして得られる。
(1) 4-(β-D-グルコピラノス-1-イル)-3-[4-(ピリミジン-5-イル-エチニル)-ベンジル]-4-メチル-ベンゼン
(2) 1-クロロ-4-(β-D-グルコピラノス-1-イル)-2-[4-(6-メトキシ-ピリジン-3-イル)-エチニル-ベンジル]-ベンゼン
(3) 1-クロロ-4-(β-D-グルコピラノス-1-イル)-2-[4-(ピラジン-2-イル-エチニル)-ベンジル]-ベンゼン
(4) 1-クロロ-4-(β-D-グルコピラノス-1-イル)-2-[4-(1 メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-エチニル-ベンジル]-ベンゼン
(5) 1-クロロ-4-(β-D-グルコピラノス-1-イル)-2-[4-(1H-ピラゾール-4-イル-エチニル)-ベンジル]-ベンゼン
(6) 1-クロロ-4-(β-D-グルコピラノス-1-イル)-2-[4-(フェニル-エチニル)-ベンジル]-ベンゼン
(7) 1-クロロ-4-(β-D-グルコピラノス-1-イル)-2-[4-(1-メチルピリジン-2-オン-5-イル)-エチニル-ベンジル]-ベンゼン
Claims (22)
- 下記一般式Iの化合物の製造方法であって、
R1は、
水素、あるいは、
C1-4-アルキル、C3-7-シクロアルキル、テトラヒドロフラニル又はテトラヒドロピラニルを表し、これらは1〜4個の置換基L2で置換されていてもよく、あるいは、
アリール基又は5員もしくは6員の単環式ヘテロアリール基又は8員、9員もしくは10員の二環式ヘテロアリール基を表し、前記ヘテロアリール基は窒素、酸素及び硫黄からなる群から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有し、かつ、前記ヘテロアリール基は、前記単環式又は二環式芳香族環系の一部として1個又は2個のカルボニル基を有していてもよく、さらには
前記ヘテロアリール環の窒素原子が酸化され、対応するN−酸化物を形成していてもよく、さらには、
前記アリール基及びヘテロアリール基の1個以上のメチン基が、互いに独立して置換基L1で置換されていてもよく、さらには、
前記ヘテロアリール基における1個以上のイミノ基が、互いに独立して置換基RNで置換されていてもよく、
R2は塩素又はメチルを表し、
R3は水素を表し、
RNは互いに独立してC1-3-アルキルから選択され、
L1は互いに独立して、フッ素、塩素、臭素、C1-3-アルキル、C1-4-アルコキシ及びニトロから選択され、
L2は互いに独立して、フッ素、塩素、ヒドロキシ、ヒドロキシル-C1-4-アルキル、C1-4-アルコキシ、トリフルオロメトキシ、C1-4-アルコキシ-C1-4-アルキル、シアノ、C1-4-アルキル、トリフルオロメチル、アミノ、C1-4-アルキル-カルボニルアミノ、C1-3-アルキル-アミノ及びジ(C1-3-アルキル)-アミノから選択され、
上述の基の定義に記載した前記アリール基とは、フェニル基又はナフチル基を意味し、L1でモノ置換又はポリ置換されていてもよい)
一般式IIで表される化合物において、
R1及びR2は前述の定義のとおりであり、
R4は互いに独立して水素、C3-18-アルケニル、(C1-18-アルキル)カルボニル、(C1-18-アルキル)オキシカルボニル、(C3-18-アルケニル)カルボニル、(C3-18-アルケニル)オキシカルボニル、ジ-(C1-18-アルキル)アミノカルボニル、アリールカルボニル、アリール-(C1-3-アルキル)-カルボニル、アリール-C1-3-アルキル、C1-6-アルコキシメチル、アリール-C1-3-アルコキシ、C1-4-アルキルチオエチル、アリールチオエチル、C1-4-アルキルスルホニルエチル、アリールスルホニルエチル、RaRbRcSi-、-CRaRbORcを表し、2つの隣接するR4基が互いに結合して橋架け基SiRaRb、CRaRb又はCRaORb-CRaORbを形成してもよく、また、前記において各アルキルが、フッ素、塩素、C1-3-アルキル、RaRbRcSi、C1-4-アルコキシから選択される3個までの置換基で置換されていてもよく、R4が少なくとも1個は水素ではないことを条件とし、
Ra、Rb、Rcは互いに独立して、C1-4-アルキル、アリール又はアリール-C1-3-アルキルを表し、前記アルキルがハロゲンでモノ置換又はポリ置換されていてもよく、
L1及びL2は前述の定義のとおりであり、
上述の基の定義に記載のアリール基は、フェニル基又はナフチル基を意味し、L1でモノ置換又はポリ置換されていてもよい)、水素ではない保護基R4を開裂することを特徴とする製造方法。 - 下記一般式II'で表される化合物の製造方法であって、
R1は、
水素、或いは
C1-4-アルキル、C3-7-シクロアルキル、テトラヒドロフラニル又はテトラヒドロピラニルを表し、これらは1〜4個の置換基L2で置換されていてもよく、或いは、
アリール基又は5員もしくは6員の単環式ヘテロアリール基又は8員、9員もしくは10員の二環式ヘテロアリール基を表し、前記ヘテロアリール基は窒素、酸素及び硫黄からなる群から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有し、かつ、前記ヘテロアリール基は、前記単環式又は二環式芳香族環系の一部として1個又は2個のカルボニル基を有していてもよく、さらには
前記ヘテロアリール環の窒素原子が酸化され、対応するN−酸化物を形成していてもよく、さらには、
前記アリール基及びヘテロアリール基の1個以上のメチン基が、互いに独立して置換基L1で置換されていてもよく、さらには、
前記ヘテロアリール基における1個以上のイミノ基が、互いに独立して置換基RNで置換されていてもよく、
R2は塩素又はメチルを表し、
R4は互いに独立して水素、C3-18-アルケニル、(C1-18-アルキル)カルボニル、(C1-18-アルキル)オキシカルボニル、(C3-18-アルケニル)カルボニル、(C3-18-アルケニル)オキシカルボニル、ジ-(C1-18-アルキル)アミノカルボニル、アリールカルボニル、アリール-(C1-3-アルキル)-カルボニル、アリール-C1-3-アルキル、C1-6-アルコキシメチル、アリール-C1-3-アルコキシ、C1-4-アルキルチオエチル、アリールチオエチル、C1-4-アルキルスルホニルエチル、アリールスルホニルエチル、RaRbRcSi、CRaRbORcを表し、2つの隣接するR4基が互いに結合して橋架け基SiRaRb、C=O、CRaRb又はCRaORb-CRaORbを形成してもよく、また、前記において各アルキルが、フッ素、塩素、C1-3-アルキル、RaRbRcSi、C1-4-アルコキシから選択される3個までの置換基で置換されていてもよく、
R6は、水素、パラ-R7-フェニル-、C1-6-アルキルオキシ、アリールオキシ、-OR4を表し、
R7は、-C≡C-R1、塩素、臭素、ヨウ素、-OSO2R、-CHO、-SiAlk3、-O-C1-6-アルキル、-OR4、-C≡C-Si(C1-4-アルキル)3、-C≡C-Si(アリール)(C1-4-アルキル)2、-C≡C-Si(ビフェニル)(C1-4-アルキル)2、又は、-C≡C-C(OH)(C1-4-アルキル)2を表し、
Rは、C1-4-アルキル、C3-4-アルケニル、C1-4-アルコキシ、CF3、アリール又はアリール-C1-3-アルキルを表し、該アリール基はL1でモノ置換又はポリ置換されていてもよく、
Ra、Rb、Rcはそれぞれ独立してC1-4-アルキル、アリール又はアリール-C1-3-アルキルを表し、前記アルキル基はハロゲンでモノ置換又はポリ置換されていてもよく、
RNは互いに独立してC1-3-アルキルから選択され、
L1は互いに独立して、フッ素、塩素、臭素、C1-3-アルキル、C1-4-アルコキシ及びニトロから選択され、
L2は互いに独立して、フッ素、塩素、ヒドロキシ、ヒドロキシル-C1-4-アルキル、C1-4-アルコキシ、トリフルオロメトキシ、C1-4-アルコキシ-C1-4-アルキル、シアノ、C1-4-アルキル、トリフルオロメチル、アミノ、C1-4-アルキル-カルボニルアミノ、C1-3-アルキル-アミノ及びジ(C1-3-アルキル)-アミノから選択され、
上述の基の定義に記載のアリール基はフェニル基又はナフチル基を意味し、L1でモノ置換又はポリ置換されていてもよい)
一般式III'の化合物:
R2、R6及び各R4は前記の定義のとおりであり、
R’は水素、C1-6-アルキル、(C1-4-アルキル)カルボニル、(C1-4-アルキル)オキシカルボニル、アリールカルボニル、アリール-(C1-3-アルキル)-カルボニルを表し、前記アリールという用語は前述の定義とする)を還元剤と反応させることを特徴とする製造方法。 - 下記一般式III'で表される化合物の製造方法であって、
R2、R’及び各R4は請求項2の定義のとおりであり、
R6は、水素、パラ-R7-フェニル-、C1-6-アルキルオキシ、アリールオキシ、-OR4を表し、
R7は、-C≡C-R1、塩素、臭素、ヨウ素、-OSO2R、-CHO、-SiAlk3、-O-C1-6-アルキル、-OR4、-C≡C-Si(C1-4-アルキル)3、-C≡C-Si(アリール)(C1-4-アルキル)2、-C≡C-Si(ビフェニル)(C1-4-アルキル)2、又は、-C≡C-C(OH)(C1-4-アルキル)2を表し、
Rは、C1-4-アルキル、C3-4-アルケニル、C1-4-アルコキシ、CF3、アリール又はアリール-C1-3-アルキルを表し、前記アリール基はL1でモノ置換又はポリ置換されていてもよく、
前記R1、アリール及びL1は請求項2の定義のとおりである)
下記式VIで表される有機金属化合物又はそのトランスメタル化により得た誘導体:
得られた付加物を、酸の存在下、水又はアルコールR'-OH(R’はC1-6-アルキルを表す)と反応させ、R’が水素である場合の水との反応で得た生成物は、さらに引き続きアシル化剤との反応で式III'の生成物(式中、R’は(C1-4-アルキル)カルボニル、(C1-4-アルキル)オキシカルボニル、アリールカルボニル又はアリール-(C1-3-アルキル)-カルボニルを表し、「アリール」という用語は前記定義のとおりとする)に変換してもよいことを特徴とする製造方法。 - 下記一般式Xで表される化合物の製造方法であって、
式VIIの保護D−グルカールのメタル化を行い、
前記式VIIIのメタル化又はトランスメタル化D−グルカールを、遷移金属触媒の存在下、式Vのアグリコンと反応させて
前記式IXのグルカール誘導体のグルカール部位の二重結合に水を添加することにより、詳細には前記二重結合のヒドロホウ素化を行った後に炭素−ホウ素結合の開裂を行うか、或いは、前記二重結合のエポキシ化又はジヒドロキシル化を行った後に得られたアノマー炭素−酸素結合の還元を行うことにより、前記式IXのグルカール誘導体を式Xの生成物に変換することを特徴とする、製造方法。 - 下記一般式II'で表される化合物の製造方法であって、
式XIIのグルコース誘導体:
- 請求項5又は6により得られた前記式Xの生成物、或いは、請求項4、7又は8により得られた前記式II'の生成物において、水素ではない保護基R4を開裂して請求項1で定義した式Iの化合物を得ることを特徴とする、請求項9記載の製造方法。
- 前記R6基が、水素、C1-6-アルキルオキシ又はアリールオキシを示し、前記アリールが請求項1で定義されたとおりである、請求項4、5、6、7又は8記載の製造方法。
- 下記一般式XXVI'で表される化合物の製造方法であって、
R13は、-CHO、-C≡C-R1、OH、C1-6-アルキルオキシ、-Si(C1-6-アルキル)3、-C≡C-Si(C1-4-アルキル)3、-C≡C-Si(アリール)(C1-4-アルキル)2、-C≡C-Si(ビフェニル)(C1-4-アルキル)2、-C≡C-C(OH)(C1-4-アルキル)2、ヨウ素、臭素、塩素又はC1-6-アルキルスルホニルオキシを示し、R1は請求項1の定義のとおりである)
式Xの化合物において
R6は水素、OH、C1-6-アルキルオキシ又はアリールオキシを示す)又は
式II'の化合物において
R6基をZ4基に変換してもよく、式XXXIXの化合物を得て、
Z4は塩素、臭素、ヨウ素、C1-6-アルキルオキシ、アリールオキシ、C1-6-アルキルカルボニルオキシ、C1-6-アルキルオキシカルボニルオキシ、C1-6-アルキルスルホニルオキシ、-OPO(O-C1-6-アルキル)2又はアリールオキシを示す)
前記式XXXIXの化合物を式XXIIIで表されるメタル化ベンゼンと反応させて、式XXVI'の化合物を得ることを特徴とする製造方法。
M3はリチウム部位、ホウ素部位、マグネシウム部位、珪素部位、錫部位、セリウム部位、インジウム部位、亜鉛部位又はクロム部位を示す。) - 前記式XXVI'の化合物において、-C≡C-R1ではないR13基を、-C≡C-R1に変換する(式中、R1は請求項1で定義したとおりである)ことを特徴とする、請求項12記載の製造方法。
- 前記R13基が-C≡C-R1を示すことを特徴とする、請求項12記載の製造方法。
- 前記XXVI'の生成物において、水素ではない保護基R4を開裂して、請求項1記載の式Iの化合物を得ることを特徴とする、請求項13又は14記載の製造方法。
- a)式Xの化合物を出発物質として使用する場合、前記化合物が請求項5又は6の製造方法により得られたか、或いは、
b)式II'の化合物を出発物質として使用する場合、前記化合物が請求項4、7又は8の製造方法により得られたことを特徴とする、請求項12〜15のいずれか1項記載の製造方法。 - 前記R4基の1個以上が、互いに独立して水素、(C1-6-アルキル)カルボニル、(C1-6-アルキル)オキシカルボニル、(C3-6-アルケニル)オキシカルボニル、アリールカルボニル、アリール-メチル、C1-6-アルコキシメチル、RaRbRcSi、CRaRbORcを表し、2つの隣接するR4基が互いに結合して橋架け基SiRaRb、C=O、CRaRb又はCRaORb-CRaORbを形成してもよく、前記において各アルキルが、フッ素、塩素、C1-3-アルキル、RaRbRcSi、C1-4-アルコキシから選択される3個までの置換基で置換されていてもよく、Ra、Rb、Rc及びアリールが請求項1の定義のとおりである、請求項1〜16のいずれか1項記載の製造方法。
- 前記R1基が水素、或いは
C1-4-アルキル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、テトラヒドロフラニル又はテトラヒドロピラニルを表し、これらは1個又は2個の置換基L2で置換されていてもよいことを特徴とする、請求項1〜17のいずれか1項記載の製造方法。 - R6が、パラ-R7-フェニル-、C1-6-アルキルオキシ又はアリールオキシを表し、
R7が、-OSO2R、-Si(C1-4-アルキル)3、-C≡C-Si(C1-4-アルキル)3、-C≡C-Si(アリール)(C1-4-アルキル)2、-C≡C-Si(ビフェニル)(C1-4-アルキル)2を表し、
Rが、C1-4-アルキル、CF3、アリール又はアリール-C1-3-アルキルを表し、前記アリール基がL1でモノ置換又はポリ置換されていてもよく、
アリールが請求項1で定義したとおりである、請求項19記載の一般式II'又はXで表される化合物。 - R6が、C1-6-アルキルオキシ又はアリールオキシを表し、
各R4が互いに独立して、アルキル基がC1-4-アルコキシで置換されている(C1-6-アルキル)-カルボニル、(C1-6-アルキル)-オキシカルボニル、(C3-6-アルケニル)カルボニル、(C3-6-アルケニル)オキシカルボニル、ジ-(C1-6-アルキル)アミノカルボニル、アリールカルボニル、RaRbRcSi-又は-CRaRbORcからなる群から選択されるか、あるいは、2個の隣接するR4基が互いに結合して橋架け基SiRaRb、C=O、CRaRb又はCRaORb-CRaORbを形成してもよく、前記の各アルキル基は、フッ素、塩素、C1-3-アルキル、RaRbRcSi、C1-4-アルコキシから選択される3個までの置換基で置換されていてもよく、
Ra、Rb、Rc及びアリールが請求項1で定義したとおりである、請求項19記載の一般式II'又はXで表される化合物。
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