JP2009504430A - 光学データ記憶媒体及びその製造方法と使用 - Google Patents

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Abstract

本発明は、フォトアドレス可能なポリマーに基づく情報層を有する層構造、ならびに、この層構造に基づく光データメモリー、その製造、および、セキュリティ用途(例えば、スマートカードまたはスマートラベルなど)のためのその使用に関する。

Description

本発明は、フォトアドレス可能なポリマーに基づく情報層を有する層状構造、この層状構造に基づく光学データ記憶媒体、その製造方法、及びセキュリティ用途、例えばスマートカード又はスマートラベルでのその使用に関する。
現在の技術水準に従って、記憶及び計算気機能を有する電子チップの形の情報記憶素子を含むチェックカードサイズのプラスチックのカードは、スマートカードと呼ばれている。電子チップの代表的な仕様は、8ビットマイクロプロセッサ;5MHzサイクルレート;40〜60キロバイトの記憶容量である。
集積された独立モードの機能の故に、スマートカードは、高度のセキュリティが要求される用途で使用される。セキュリティは、偽造、データ安全性及び真正認証に対する安全性を意味する。
スマートカードの代表的な用途は、以下である:
・カード所持者の身元を証明する身分証明書(IDカード);
・個人の医療データを記憶する診察カード;
・電子的金融取引用のクレジットカード及び銀行カード;
新しい用途は、とりわけ、いわゆる多機能カード(多用途カード)での種々の機能の組み合わせに特徴がある。多岐にわたる使用に基づき、多機能カードは、電子財布とも呼ばれる。
次世代の多機能カードは、より一層日常生活の一部となり、従って、より多数の様々な機能を一枚のカードにまとめることになるであろう。それ故に、データの性質に従って適切なセキュリティレベルが要求され、カードにより提供されるセキュリティレベルは最も高い要求を満足する必要がある。
セキュリティに対する増大するニーズにより促進されるそのような組み合わせの現在の例は、生体認証(バイオメトリックス)のスマートカード及び身分証明書との組み合わせである。身分証明書には、社員証、パスポート、運転免許証、アクセスカードなどが含まれ、これらは、スマートカードと同様、集積記憶チップと組み合わせたプラスチックの複合フィルムからなる。
上記のカードの次世代タイプに対する主たる要求は、
・デジタル及びアナログデータの十分な記憶容量;
・高度のデータセキュリティ、これは、読み取り権限、書き込み権限及びコピー防止に関する技術的解決手段により確保される;
・拡張できるデータセキュリティ、すなわち、異なる機密性又はセキュリティレベルのデータを識別する能力;
・将来の生体認証方法及び新しい多用途も組み合わせることができるような、アップグレード性(技術アップグレード)
記憶及びセキュリティ素子を含む層構造及びカード又はドキュメントへの組み込みに関する、低いシステムの複雑さ
である。
いわゆるフォトアドレス可能なポリマーは、これらの光学データ記憶媒体のベースを形成する。
側鎖基を含み、性質の変化の非常に広範な可能性により特徴付けられるポリマー及びコポリマーは、データ記憶媒体目的に非常に適している。それらの特異性は、それらの光学特性、例えば、吸収、放射、反射、複屈折及び散乱を光誘起法により、可逆的に変化させ得ることである。この種のポリマーの例は、アゾベンゼン基を含む、US-A 5 173 381に記載されている側鎖基ポリマーである。このようなポリマーは、フォトアドレス可能なポリマー種に属する。
フォトアドレス可能なポリマーなる用語は、偏光を照射した場合に整列した複屈折を発現する能力を特徴付ける。書き込まれた複屈折は、偏光により可視化できる。更に、このようなポリマーの層に、局所的に分画された複屈折を、所望の部分に、偏光により書き込むことができ、その好ましい軸は、偏光方向が回転するに伴い移動することも、知られている。整列した複屈折は、光によりホログラフィック照射した場合に、干渉パターンに従って発現し、光回折をもたらす。従って、アナログ情報又はデジタル情報のホログラフィック記憶が可能である。
ホログラフィック記録媒体として、フォトアドレス可能なポリマーを、例えば光カードに一体化することができる。
上記の要求を同時に満足することができる次世代の新規製品が必要とされる。
従って、本発明の目的は、このような要求を満足する光学データ記憶媒体、好ましくはホログラフィック光学記憶カードの形の光学データ記憶媒体、いわゆるスマートカードを提供することである。
上記の目的は、無機又は金属成分を含まず、記憶層として特有の有機プラスチックを含んでなる少なくとも1つの層又はより一般的には領域を有する光学データ記憶媒体の構造、製造方法及び使用により、達成することができる。
本発明は、
下記層構造を有してなる複合フィルム:
a)式(I)の化合物に基づく構造単位を有するフォトアドレス可能な有機ポリマーの記憶層:
Figure 2009504430
[式中、
R及びRは、相互に独立に、水素原子又は非イオン性置換基を表す。
m及びnは、相互に独立に、0〜4の整数、好ましくは0〜2の整数を表す。
X及びXは、X1'-R又はX2'-R
(ここで、X1'及びX2'は、直接結合、-O-、-S-、-(N-R)-、-C(RR)-、-(C=O)-、-(CO-O)-、-(CO-NR)-、-(SO)-、-(SO-O)-、-(SO-NR)-、-(C=NR)-、-(CNR-NR)- 又は -N=N-を表す。
R、R、R及びRは、相互に独立に、水素原子、C〜C20-アルキル基、C〜C10-シクロアルキル基、C〜C20-アルケニル基、C〜C10-アリール、C〜C20-アルキル-(C=O)-、C〜C10-シクロアルキル-(C=O)-、C〜C20-アルケニル-(C=O)-、C〜C10-アリール-(C=O)-、C〜C20-アルキル-(SO)-、C〜C10-シクロアルキル-(SO)-、C〜C20-アルケニル-(SO)- 又は C〜C10-アリール-(SO)-を表す。
R及びRは、相互に独立に、水素原子、ハロゲン原子、C〜C20-アルキル基、C〜C20-アルコキシ基、C〜C10-シクロアルキル基、C〜C20-アルケニル基又はC〜C10-アリール基を表す。
あるいは、X1'-R 及び X2'-Rは、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、CF又はCClを表す。)
を表す。]、
b)所望により、透明バリア層、
c)場合により、反射層、
d)場合により、接着層、
e)基材層
を提供する。
非イオン性置換基は、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、C〜C20-アルキル基、C〜C20-アルコキシ基、フェノキシ基、C〜C10-シクロアルキル基、C〜C20-アルケニル基又はC〜C10-アリール基、C〜C20-アルキル-(C=O)-、C〜C10-アリール-(C=O)-、C〜C20-アルキル-(SO)-、C〜C20-アルキル-(C=O)-O-、C〜C20-アルキル-(C=O)-NH-、C〜C10-アリール-(C=O)-NH-、C〜C20-アルキル-O-(C=O)-、C〜C20-アルキル-NH-(C=O)- 又は C〜C10-アリール-NH-(C=O)-を意味する。
アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基及びアリール基は、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、C〜C20-アルキル基、C〜C20-アルコキシ基、C〜C10-シクロアルキル基、C〜C20-アルケニル基又はC〜C10-アリール基からなる群から選択される3個までの基により置換されていてよく、アルキル基及びアルケニル基は、直鎖又は分岐鎖であってよい。
ハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及び沃素原子、特にフッ素原子及び塩素原子を意味する。
式(I)の化合物は、通常スペーサ(連結基)を介して、ポリマー骨格に共有結合される。例えば、式(I)のX(又はX)は、そのようなスペーサ、特に-S-T-(Q)i-X1'を表す。この式中、X1'は、前記と同じ意味であり、Qは、-O-、-S-、-(N-R)-、-C(RR)-、-(C=O)-. -(CO-O)-、-(CO-NR)-、-(SO)-、-(SO-O)-、-(SO-NR)-、-(C=NR)-、-(CNR-NR)、(CH)p-、p-又はm-CH-、若しくは下記構造:
Figure 2009504430
の2価基を表し、i は、0〜4の整数を表し、i が1より大きい場合、各Q は異なる意味を有することができ、Tは、-(CH)p-(ここで、連鎖は-O-、-NR- 又は -OSiR10 O-により中断されてもよい)を表し、Sは、直接結合、-O-、-S- 又は -NR-を表し、p は、2〜12の整数、好ましくは2〜8の整数、特に2〜4の整数を表し、Rは、水素原子、メチル基、エチル基又はプロピル基を表し、R10は、メチル基又はエチル基を表し、R〜R、R、mは、上記と同じ意味を有する。
ホモポリマー又はコポリマーとして、好ましくは側鎖ホモポリマー及び側鎖コポリマーとして存在し得、側鎖にアゾベンゼン染料を含む、フォトアドレス可能なポリマー(PAP)が好ましい。
PAPの主鎖は、次のベース構造から生じる:ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリシロキサン、ポリウレア、ポリウレタン、ポリエステル、ポリスチレン又はセルロース。ポリアクリレート、ポリメタクリレート及びポリアクリルアミドが好ましい。
PAPは、好ましくは、少なくとも40℃、特に好ましくは少なくとも90℃のガラス転移温度Tg を有する。ガラス転移温度は、例えば、B. Vollmer, Grundriss der Makromolekularen Chemie, p. 406-410(Springer-Verlag、Heidelberg)1962に従って、測定することができる。
PAPは、ゲル浸透クロマトグラフィ(ポリメチルメタクリレート(PMMA)により較正)により測定して、重量平均で表すと、通常、3,000〜2,000,000g/mol、好ましくは5,000〜1,500,000g/molの分子量を有する。
フォトアドレス可能なポリマーの側鎖として、アゾ染料フラグメント、及び所望により付加的に、少なくとも1つの形状異方性を有する基(メソゲン)が好ましい。
好ましく使用されるPAPの場合、アゾ染料フラグメントは、通常、柔軟なスペーサを介してポリマー主鎖に共有結合される。アゾ染料フラグメントは、電磁放射と相互作用し、それにより、その空間配向を変化させる。
メソゲンは、通常、アゾ染料フラグメントと同様の方法で結合される。メソゲンは、受動的分子基として機能するので、化学光を必ずしも吸収する必要はない。従って、メソゲンは、上記の意味で光活性ではない。メソゲンの役割は、光誘起複屈折を強め、光の作用の後で系を安定化することである。
化学光の照射後の染料フラグメントの再配向が、例えば、下記の偏光吸収分光法の研究から知られている:予め化学光を照射した試料を、染料の吸収スペクトル範囲において、UV/可視光分光計(例えば、CARY 4G、UV/VIS スペクトロメータ)の2枚の偏光板の間で分析する。試料に法線の周りで試料を回転し、適切に偏光板を調節する、例えば交差状態に調節することにより、染料の再配向は、試料角度の関数としての消光強度の過程から生じ、それにより、明確に決定される。
分子の長軸の配向は、重要なパラメータである。これは、例えば、分子モデリング(例えば、CERIUS)の分子形状を用いて、決定できる。
特に好ましい複合フィルムは、記憶層a)中のフォトアドレス可能な有機ポリマーが、下記式(II)の化合物に基づく構造単位を有することに特徴があるフィルムである:
Figure 2009504430
[式中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。他の基は、先に記載した意味を有する。]。
特に適するフォトアドレス可能なポリマー(PAP)は、X1'が-(CO-O)-、-(CO-NR)- 又は-N=N-を表し、Q1
Figure 2009504430
を表し、i が1であり、他の基が先に記載した意味を有する、式(II)の化合物に基づく構造単位を有するポリマーである。
特に好ましく使用されるフォトアドレス可能なポリマーは、有機溶媒中での溶解度が、CD-R及びDVD-R媒体に使用される典型的な染料の溶解度に匹敵するポリマーである。匹敵する溶解度により、フォトアドレス可能なポリマーを溶液から、プラスチックの基材へ、プラスチックを化学的又は物理的に変性することなく、適用することが可能になる。
従って、特に好ましい複合フィルムは、記憶層a)中のフォトアドレス可能な有機ポリマーが、X1'は上記の意味を有し、Q
Figure 2009504430
を表し、i は1を表し、Sは-NR-であり、基R、T、X、R、R 及び R 並びに m 及び n は前記の意味を有する、式(II)の化合物をベースとする構造単位を有することに特徴があるフィルムである。
-NR-形のSは、CD-R及びDVD-Rフォーマットの製造に典型的に使用される溶媒(例えば、2,2,3,3-テトラフルオロプロパノール(TFP))への溶解性を、PAPに付与する。従って、PAPを、記憶層として、通常の塗布方法(例えば、ナイフコーティング、流延又はスピンコーティング)により、溶液からプラスチックの基材へ直接、適用することができる。プラスチック、特にポリカーボネートの表面は、この方法により表面上溶解されることはない。
本発明はまた、 I)1つ又はそれ以上の、透明、低複屈折性、非散乱性の無定形カバー層、
II)上に記載したような複合フィルム、
III)所望により、プラスチックフィルム、プラスチックの複合フィルム又はプラスチックの基材の少なくとも1つの形状である、プラスチックのキャリア
を含んでなる、光学的書き込み、恒久的記憶、光学的読み出し、光学的書換、及び記憶層中の情報の消し込み又は上書きに対する保護を確実にする、光学データ記憶媒体
を提供する。
本発明のデータ記憶媒体は、好ましくはホログラフィック光学スマートカードとして構成される。情報の光学的記憶、読み出し及び書換を可能にするプラスチックのフィルムに基づく記憶カードを、本発明においては、光学スマートカードと呼ぶ。本発明のスマートカードは、システムの複雑さの低減と同時にパーソナル化、ドキュメントセキュリティ/偽造防止に関する拡張された機能性と共に、記憶容量の点で、現行のスマートカードよりも、明らかに進歩している。
レベル1及びレベル2の安全対策と呼ばれる市場で知られているホログラフイメージは、フォトアドレス可能なポリマーの層に、組み込むことができる。レベル1の安全対策は、ドキュメント又は製品のセキュリティに役立ち、補助手段を用いなくても裸眼で明瞭に認識できる対策を意味すると理解されている。レベル2の安全対策は、直接視認することはできず、補助手段(例えば、レーザー、紫外線ランプ又は顕微鏡)を用いれば視認できる安全対策を意味すると理解されている。
例えば、マイクロスクリプト、デカップリング署名による光波コンダクタ及び偏光イメージのような更なる安全対策も、光照射過程により、実現することができる。
データを符号化する光学的方法、特に位相符号化、インテンシファイ符号化又は偏光符号化の形のホログラフィックハードウエア符号化は、本発明に従ったフォトアドレス可能なポリマーの層を介して、利用することができる。
更に、本発明は、
A)フォトアドレス可能なポリマーを、溶媒に溶解し、
B)溶液を、基材、若しくは存在するなら透明バリア層又は反射層に適用し、
C)溶媒を蒸発させ、複合フィルムを乾燥する
複合フィルムの製造方法を提供する。
各層は、スピンコーティング、ナイフコーティング、流延、積層、浸漬塗布、ホットスタンピング、スクリーン印刷、噴霧塗布及び高圧成形により、発生及び形成することができる。
好ましくは、データ記憶媒体は、チェックカードサイズの、多機能カード、「光学スマートカード」として構成される。スマートカードは、ISO 10373-1 及びISO 7810 / 7816 に記載されている。非接触式スマートカードについては、ISO 14443 及びISO 15376を参照することができる。
これら標準カードの他、個人関連ドキュメント(身分証明書、運転免許証など)も、実現することができる。
更なる例は、非接触形安全キー、特に、安全キーの機能を満足するアクセスカード(安全アクセスカード)、パーソナルコンピュータ及び携帯マルチメディア装置(MP3/4 プレーヤー、テレビ、デジタルカメラ、携帯電話、携帯コンピュータなど)用の光学的記憶カード(フラシュメモリースティック又はメモリーカード)、製品又はブランドの保護のために個々に製造することができるラベル、物流目的、例えば、製造工程又は倉庫の管理のためのラベル、更に、可視性素子としてデータ記憶媒体を含む紙幣である。
本発明のデータ記憶媒体は、データ又は安全対策の恒久的及び/又は可逆的記憶のための基本的要求項目を全て満足する。基本的要求項目には、特に、次のものが含まれる:
・光誘起複屈折の水準、
・効率的なホログラフィック回折のための基本的必要条件である高度の光学純度/特性、
記憶中及び読み出し中の光誘起複屈折の長期安定性
・ポリマー層の高い方位分解能、
・先のデータの直接上書きにより又は先のデータの消去及びその後の書き込みにより、一般に、デジタル又はアナログデータ/情報を書き換える可能性、
・一般に、データ記憶の目的で(コードとして又は可視的に)記憶されたデータ/情報を固定(定着)する、すなわち、データを完全な消去から保護し、また、まず第一に書き込みから領域を保護する可能性、
および
・剥離又は表面変性を引き起こし、情報イメージにおけるひずみ又はコントラストの変化を生じる、材料の収縮がないこと。
記憶層は、溶液から直接プラスチックのフィルムに適用することができる。
必要なら、プラスチックのフィルムは、記憶層の適用前に、金属蒸着(金属化)することができる。この改良例は、攻撃的な溶媒をPAP溶液に用いた場合に、適している。加えて、特に金属層が非常に薄い場合、バリア層を金属層の上又は下に、適用することができる。各層は、既知の方法により形成される。
本発明のデータ記憶媒体の主たる利点は、段階的に変化させ得るデータ記憶媒体の高度の安全レベル、及びデータ記憶媒体の高記憶容量の可能性である。
本発明のデータ記憶媒体は、さらに、多機能カードとしての使用と特に関連する、以下の特性により区別される:
・少ない複雑さ(例えば、トランスポンダアンテナを省ける)、
・記憶フィールドの形状及びサイズについての設計の自由度、
・記憶エリアの利用に関する設計の自由度(ユーザは種々の記憶エリアを割り当てることができる)、
・あらゆる種類のデータを、ホログラフ符号化形式で蓄積できる、
・拡張性のある安全性、
・識別要素を光により書き込むことができる、
・最も多様な光照射技術の使用可能性による多機能性、その使用により、グレーバリューイメージ及びデジタル情報並びにホログラフ符号化が可能になる。
特に好ましいPAP用化合物は、例えば、以下の化合物である:
Figure 2009504430
Figure 2009504430
Figure 2009504430
Figure 2009504430
Figure 2009504430
Figure 2009504430
Figure 2009504430
Figure 2009504430
ポリマー又はオリゴマー状の有機無定形材料(PAP)は、例えば式(I)の構造単位に加えて、形状異方性を有する基(III)を含むことができる。このような基も、スペーサを介して、ポリマー骨格に共有結合されている。
形状異方性を有する基は、例えば、下記式(III)の構造を有する:
Figure 2009504430
[式中、
Zは、式:
Figure 2009504430
又は
Figure 2009504430
(ここで、
Aは、O、S 又は N-C〜C-アルキル基を表す。
Xは、-X3'-(Q)j-T-S-を表す。
Xは、X4'-R13を表す。
X3' 及び X4'は、相互に独立に、直接結合、-O-、-S-、-(N-R)-、-C(RR)-、-(C=O)- -(CO-O)-、-(CO-NR)-、-(SO)-、-(SO-O)-、-(SO-NR)-、-(C=NR)- 又は -(CNR-NR)-を表す。
R、R 及び R13は、相互に独立に、水素原子、C〜C20-アルキル基、C〜C10-シクロアルキル基、C〜C20-アルケニル基、C〜C10-アリール基、C1〜C20-アルキル-(C=O)-、C〜C10-シクロアルキル-(C=O)-、C〜C20-アルケニル-(C=O)-、C〜C10-アリール-(C=O)-、C〜C20-アルキル-(SO)-、C〜C10-シクロアルキル-(SO)-、C〜C20-アルケニル-(SO)- 又は C〜C10-アリール-(SO)-を表す。
X4'-R13は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、CF又はCClを表す。
R 及び Rは、相互に独立に、水素原子、ハロゲン原子、C〜C20-アルキル基、C〜C20-アルコキシ基、C〜C10-シクロアルキル基、C2〜C20-アルケニル基又は C〜C10-アリール基を表す。
Yは、単結合、-COO-、-OCO-、-CONH-、-NHCO-、-CON(CH)-、-N(CH)CO-、-O-、-NH- 又は -N(CH)-を表す。
R11、R12、R15は、相互に独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、C〜C20-アルキル基、C〜C20-アルコキシ基、フェノキシ基、C〜C10-シクロアルキル基、C〜C20-アルケニル基、C〜C10-アリール基、C〜C20-アルキル-(C=O)-、C〜C10-アリール-(C=O)-、C〜C20-アルキル-(SO)-、C〜C20-アルキル-(C=O)-O-、C〜C20-アルキル-(C=O)-NH-、C〜C10-アリール-(C=O)-NH-、C〜C20-アルキル-O-(C=O)-、C〜C20-アルキル-NH-(C=O)- 又は C〜C10-アリール-NH-(C=O)-を表す。
q、r 及び s は、相互に独立に、0〜4の整数、好ましくは0〜2の整数を表す。
Qは、-O-、-S-、-(N-R)-、-C(RR)-、-(C=O)-. -(CO-O)-、-(CO-NR)-、-(SO)-、-(SO-O)-、-(SO-NR)-、-(C=NR)-、-(CNR-NR)、(CH)p-、p- 又は m-CH- 若しくは式:
Figure 2009504430
の2価基を表す。
j は、0〜4の整数を表し、 j が1より大きい場合、各Q は、異なる意味を有し得る。
Tは、-(CH)p-(ここで、連鎖は、-O-、-NR- 又は -OSiR10 O- により中断されていてよい。)を表す。
Sは、直接結合、-O-、-S- 又は -NR-を表す。
p は、2〜12の整数、好ましくは2〜8の整数、特に2〜4の整数を表す。
Rは、水素原子、メチル基、エチル基又はプロピル基を表す。
R10は、メチル基又はエチル基を表す。]。
形状異方性を有する基(III)は、好ましくは、いわゆるスペーサを介して、例えばアクリレート又はメタクリレートに結合され、従って、下記式(IV)を有する:
Figure 2009504430
[式中、R は、水素原子又はメチル基を有する。他の基は、上記の意味を有する。]。
アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基及びアリール基は、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、C〜C20-アルキル基、C〜C20-アルコキシ基、C〜C10-シクロアルキル基、C〜C20-アルケニル基及びC〜C10-アリール基から成る群から選択される3個までの基により置換されていてよく、アルキル基及びアルケニル基は、直鎖であっても、分岐鎖であってもよい。
ハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及び沃素原子、特にフッ素原子及び塩素原子を意味する。
形状異方性を有する基を含む式(IV)の特に好ましい化合物は、例えば、以下の化合物である:
Figure 2009504430
これらの官能性単位に加えて、PAPは、主として、官能性単位、特に染料単位の含有割合を低下させるのに役立つ単位も含み得る。この機能に加えて、そのような単位は、PAPの他の特性、例えば、ガラス転移温度、液晶性、膜形成性などに寄与することもできる。
ポリアクリル又はポリメタクリルプラスチックに基づくPAPの場合、下記式(V)のアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル若しくはアミドが好ましい:
Figure 2009504430
[式中、
R は、水素原子又はメチル基を表す。
Xは、-O- 又は -(N-R15)-を表す。
R14及びR15は、相互に独立に、所望により分岐していてよいC〜C20-アルキル基又は少なくとも1つの更なるアクリル単位を含む基を表すか、又は両者が一体となって架橋基-(CH)f-、-CH-CH-O-CH-CH- 又は -CH-CH-N(R)-CH-CH-(ここで、f は2〜6を表す。)を形成する。]。
特に好ましいのは、下記式(Va)の化合物である:
Figure 2009504430
[式中、
R は、水素原子又はメチル基を表す。
Xは、-(N-R15)-を表す。
R14及びR15は、上記の意味を有する。]。
このようなモノマー単位を導入することにより、CD-R及びDVD-Rの製造において典型的な溶媒、例えば2,2,3,3-テトラフルオロプロパノール(TFP)への溶解性を、PAPに付与することができる。これにより、PAPをプラスチックの基材の直接適用できる。プラスチック(特にポリカーボネート)の表面は、この方法によっては表面上溶解されない。
入射する光物理的活性光による光情報の記憶を担う式(I)及び(II)の官能性単位に加えて、ポリマーは、波長スペクトルが光物理的活性光の波長(例えば、いわゆる書き込みレーザーの波長)と重複しないUV、VIS及びIR外部光の吸収に主として寄与し、それ故に、記憶された情報を更に光安定的な方法により記憶層に蓄積するような仕方で、外部光から構造単位(I)、(II)及び(III)を保護する、他の種類の染料を有する更なる単位をも含むことができる。しかしながら、他のコモノマーも存在することができる。
特に好ましいPAPは、例えば、以下のものである:
Figure 2009504430
Figure 2009504430
Figure 2009504430
Figure 2009504430
Figure 2009504430
Figure 2009504430
Figure 2009504430
Figure 2009504430
上記式中、x、y 及び p は、5〜50,000、好ましくは10〜20,000であり、x は、x 及び y に基づき、1モル%〜99モル%であり、y は(100モル%−x)である。好ましくは、(II)の濃度は、(II)の吸収係数に依存して、特定の混合物に基づき0.1及び100%である。(II)及び(IV)の比は、100:0及び1:99、好ましくは100:0及び20:80、特に好ましくは100:0及び50:50である。
フォトアドレス可能なポリマー(PAP)は、屈折率に非常に大きい光誘起変化を示し、その程度は、照射される光エネルギー量により、制御された方法で調節することができる。VIS(可視光)スペクトル範囲で、好ましくは0.07より大きい、特に好ましくは0.1より大きい、非常に好ましくは0.15より大きい層水準の複屈折値を達成することができる。従って、光に照射することにより、偏位している屈折率を有する領域をPAP層中に発生させることができ、最も一般的な性質の情報を恒久的に蓄積する、すなわち記憶することができる。
PAPは、キャリア(基材層)、特にキャリアフィルムに、既知の方法、例えばスピンコーティング、噴霧塗布、ナイフコーティング、浸漬塗布などにより、溶液から適用することができる。生成するフィルムの層厚さは、典型的には10nm〜50μm、好ましくは30nm〜5μm、特に好ましくは200nm〜2μmである。
PAPフィルムに記憶された情報の読み取り/読み出しに望ましい方法に基づいて、キャリアフィルム(基材層)には、少なくとも20%の反射率を有する反射層を供給することができる。1つの態様において、反射層は金属層を含んでなる。金属又は合金、好ましくはアルミニウム、チタン、金及び銀、特に好ましくはアルミニウム及び銀を使用することができる。
製造は、既知の方法、例えば電気メッキ、蒸着及びスパッタリングにより行うことができる。
市販の金属化熱可塑性フィルムを使用することもできる。
第2の態様では、反射層は、層状構造中に制御された多重反射により所望の反射度が達成される構造として、独自のものである。
反射層は、少なくとも20%の高光反射率により特徴づけられる。可視光(VIS)及び近赤外(NIR)スペクトル範囲での平均反射率は、少なくとも50%、好ましくは少なくとも80%、特に好ましくは少なくとも90%である。
特に厚い金属反射層(>300nm)は、フォトアドレス可能なポリマーの適用時に使用される溶媒からキャリア物質を保護するようにも役立つ。これは、溶媒がキャリアフィルムの材料を表面上溶解できる場合、重要である。
そのようなキャリアフィルムの表面上の溶解、又は適切な場合にはPAP溶媒とキャリア材料とのある組み合わせに伴う反射層の脱離を防止するために、1つ又はそれ以上の付加的バリア層を保護用に使用することもできる。そのような付加的バリア層は、ポリマー材料又は金属酸化物を含んでなる。好ましい態様は、無定形透明ポリマー層である。そのような層は、溶液からの蒸着、又は種々のCVD(化学気相蒸着)法(例えば、プラズマ重合)により形成することができ、通常、5〜500nmの厚さである。バリア材料の例は、ポリエチレン、部分結晶性PET、ポリスルホン、水素化ポリスチレン、並びにそれらとイソプレン及びブタジエンとのコポリマーである。
キャリアフィルムに保護層を適用する別の方法は、同時押出であり、同時押出は、例えば、ポリカーボネートフィルムにポリスルホン層を適用するために、使用することができる。
いわゆる保護ラッカーが、光データ記憶媒体用カバー層として、好ましく使用される。保護ラッカーは、次の目的で使用され得る:UV保護及び耐候保護、耐引掻き保護、機械的保護、機械的安定性及び熱安定性。特にスマートカード及びIDカード(パス)には、UV保護及び耐引掻き保護が必要である。
カバー層は、好ましくは、照射により硬化するラッカー、好ましくはUV硬化ラッカーである。UV硬化被覆が、文献、例えば、P. K. T. Oldring (編)、Chemistry & Technology of UV & EB Formulations For Coatings、Inks & Paints、第2巻、1991、SITA Technology、London、31〜235頁に記載され、知られている。これらは、純物質として又は混合物として、市販されている。エポキシドアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、アクリル化ポリアクリレート、アクリル化油、シリコンアクリレート、並びにアミン変性及び非アミン変性ポリエーテルアクリレートが、材料の基礎である。アクリレートに加えて又は代えて、メタクリレートを使用することができる。重合性成分としてビニル、ビニルエーテル、プロペニル、アリル、マレイル、フマリル、マレイミド、ジシクロペンタジエニル及び/又はアクリルアミド基を含むポリマー生成物を、更に使用することができる。アクリレート及びメタクリレートが好ましい。市販の光開始剤、例えば芳香族ケトン又はベンゾイン誘導体は、0.1〜約10wt.%の量で存在し得る。
更なる態様では、カバー層は、上記ラッカーにより被覆されたプラスチックのフィルムを含む。プラスチックのフィルムは、流延、ナイフコーティング、スピンコーティング、スクリーン印刷、噴霧又は積層により、適用することができる。ラッカーは、この方法工程の前又は後に、プラスチックのフィルムに適用することができる。
カバー層は、以下の性質を満足しなければならない:750〜300nm、好ましくは650〜300nmの波長範囲での高い透明性、低い複屈折、非散乱性、無定形、耐引掻き性(好ましくは、鉛筆硬度試験又はカードの製造業者により採用されている他の磨耗試験により測定)、好ましくは約100mPas〜約100,000mPasの粘度。
光照射時にほとんど収縮せず、低い二重結合官能性及び比較的高い分子量を有する樹脂/ラッカーが、特に好ましい。従って、特に好ましい材料特性は、3モル/kg未満の二重結合密度、3未満、とりわけ好ましくは2.5未満の官能価、及び1,000g/molを超える、とりわけ好ましくは3,000g/molを超える分子量Mである。
液体は、流延、ナイフコーティング又はスピンコーティングにより適用される。その後の硬化は、大面積での光照射により、好ましくはUV線の照射により、行われる。
そのようなラッカー層は、UVスペクトル範囲のUV吸収剤及び様々な可視光スペクトル範囲(但し、使用される書き込み及び読み取り波長を除く)の光吸収剤、例えば、重合性メロシアニン染料(WO 2004/086390 A1、DE 103 13 173 A1)又はナノ粒子を含むこともできる。
基材層は、データ記憶媒体のためのキャリアの機能を有し、記憶媒体に機械的安定性を与え、あるいは、更なるシステム一体化のため、例えば接着剤フィルムとして、必要である。アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)、ポリカーボネート(PC)、PC/ABSブレンド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエステル(PE). ポリプロピレン(PAP)、セルロース又はポリイミド(PI)が、特に、基材層の材料として適している。ABS、PVC、PE、PET、PC又はこれら材料のブレンドが好ましい。PC及び全てのPCブレンドが、特に好ましい。
基材層は、好ましくはフィルムとして形成される。
バリア層、カバー層及びキャリア材料に対する光学的要求は、記憶層に情報を書き込む方法、情報を読み出す方法及び固定する方法に由来し、層は、読み取り及び書き込みに使用されるレーザー光に対して透明でなくてはならず、偏光に影響を与えてはならない。
書き込みは、光の波長又は波長範囲が本発明のPAP記憶材料の吸収範囲と重複し、光が光物理的に活性になり、所望の光配向過程が分子レベルで生じる、光照射工程である。
光物理的に活性な光の好ましい波長範囲は、380nm〜568nm、特に好ましくは395〜532nmである。
光の写真照射の場合、通例、レーザー光又はランプ光が、垂直入射でシステムに照射される。ホログラフィに使用されるような干渉光照射の場合、光線は、ある角度で入射される。ハログラフィック法により、データ記憶媒体の一方の側から又は両方の側から同時に、照射することが可能になる。
書き込み操作に望まれる光照射の配置に依存して、記憶層の境界層は、透明で、歪みがなく、色消しで、かつ複屈折がないものでなくてはならない。
上方からの書き込みの場合、これらの要件は、カバー層に当てはまる。この光照射配置に対し、データ記憶媒体は、通例、反射層を有する。
下方からの書き込みの場合、これらの要件は、更に、キャリア層及び所望により存在するバリア層にも当てはまる。
読み取り(読み出し)は、記憶されたデータを取り出す過程を意味する。読み出しは、光(太陽光、人工光、例えば、半導体レーザーダイオードからの光、又はレーザー光)は、記憶された情報のサイトに照射しながら、肉眼又は検出手段としてのカメラシステムを用いて行われる。光の波長又は波長範囲は、好ましくは、本発明のPAP記憶材料の吸収範囲と重複せず、光は光物理的に活性にはならない。
読み取り光の波長範囲は、可視光(VIS)又は近赤外(NIR)の範囲、好ましくは633 nm〜1350nm、特に好ましくは650nm〜1200 nmの範囲である。
読み取り光の強度は、ブロードバンド照射の場合、典型的には10mW/(cm nm)未満であり、ナローバンド照射の場合、典型的には10mW/cm未満、好ましくは1mW/cm未満である。
記憶層の吸収範囲での照射は、光の照射に選択された時間が十分に短く、及び/又は選択された光強度が十分に小さいという条件では、記憶された情報の変化をもたらさない。
反射でデータを読み出す場合、光源及び検出器/目は、データ記憶媒体に対して同じ側にある。この光照射配置に好ましいデータ記憶媒体の態様は、反射層を有する。上記の光学的要件は、書き込み操作中と同じく、特にカバー層に当てはまる。
透過での読み出しは、光照射と、観察/検出が、2つの異なる側で起こることを意味する。この場合、上記の光学的要件は、更に、キャリア材料及び存在するならバリア層にも当てはまる。
この光照射配置に特に好ましいデータ記憶媒体の態様は、キャリア材料中に、本発明の複合フィルムがフラッシュされる窪み(リセス)、いわゆる光学ウインドウを有する。
本発明は、書き込まれた情報を固定する方法も提供する。固定とは、光又は熱エネルギーによる消し込みに対する保護を意味する。
書き込まれた情報は、上記PAPフィルムを、情報を記憶した箇所で、強い活性UV/可視光、例えば直射太陽光又は同等の光照射装置(例えば、Atlas Suntester, 750 W/m)に暴露することにより、固定することができる。Sが-NR-である式(II)の化合物に基づく構造単位を有するPAPが、書き込まれた情報を固定するのに、特に適している。典型的なエネルギー量は、500〜5,000kJ/mである。
偶発的な消去に対する安定化は、上記の本発明の複合フィルムを、ガラス転移温度Tからそれより70℃高い温度までの範囲、好ましくは、T〜T+30℃の温度範囲の温度で、加熱処理することにより達成される。
以下の実施例により、本発明をより詳細に説明する。
実施例1(モノマー合成):
1.1
最初に、47.6gの4-アミノアセトアニリドを80℃で200mLの水に導入した。20mLの37%濃度塩酸をこの混合物に加え、混合物を、溶解が完了するまで撹拌した。この溶液を0℃に冷却した。その後、残る230mLの37%濃度塩酸をゆっくり加えた。80.5gの亜硝酸ナトリウム溶液(水中30%濃度)を、0℃〜5℃の温度を維持しながら45分かけて滴加した。続いて混合物を0℃〜5℃で2時間撹拌した。
まず、38.4gのN,N-ジメチルアニリンを500mLのメタノールおよび250mLの水の混合物に導入し、混合物を10℃〜15℃に冷却した。
ジアゾニウム塩溶液をこの溶液にゆっくり滴加した。4〜6のpHを10%濃度NaOH溶液により維持した。続いて反応混合物を30分間撹拌した。沈殿物を濾過し、フィルター上で水により洗浄し、真空中で乾燥した。精製を、トルエン中で2回沸騰することによって行った。
下記の生成物の収量は65gであった:
Figure 2009504430
1.2
50gのKOHを450gのエタノールに溶解した。25gの物質B1.1をこの溶液に加え、混合物を還流下で3時間撹拌した。この溶液を室温に冷却し、1,000mLの水に加えた。懸濁物のpHを10%濃度塩酸でゆっくり10にした。沈殿物を濾過し、フィルター上で水により洗浄し、乾燥した。精製を、室温においてトルエン中で激しく撹拌することにより2回抽出することによって、行った。下記の生成物の収量は17gであった:
Figure 2009504430
元素分析:C14H16N4 (240.31)
計算値:C69.97;H6.71;N23.31
実測値:C70.00;H6.70;N23.10
1.3
500mLのジオキサン中の107gの物質B1.2を、120gの4-(2-メタクリロイルオキシ-エトキシ)安息香酸塩化物を650mLのジオキサンに溶解した溶液に加え、混合物を60℃で2時間撹拌し、冷却した。その後、生成物を、この溶液を4Lの水に注ぐことによって沈殿させた。沈殿物を濾過し、乾燥し、ジオキサンから2回再結晶することによって精製した。下記の生成物の収量は124gであった:
Figure 2009504430
元素分析:C27H28N4O4 (472.55)
計算値:C68.63;H5.97;N11.86
実測値:C68.10;H6.00;N11.40
1.4
100gのB1.3を、200mLのジオキサン、100mLのメタノール、300mLのN-メチルピロリジノン(NMP)および16mLの水の混合溶媒に溶解した。ナトリウムメチラートのメタノール中30%濃度溶液の54gを加え、次いで、16gの水を加えた。反応混合物を室温で3時間撹拌し、その後、3,000mLの水に加えた。沈殿物をフィルター上に集め、乾燥した。下記の生成物の収量は100gであった:
Figure 2009504430
元素分析:C23H24N4O3 (404.47)
計算値:C68.30;H5.98;N13.85
実測値:C67.50;H5.90;N13.60
1.5
72gのB1.4を660gのピリジンおよび150mLのN-メチルピロリジノン(NMP)の混合物に60℃で溶解した。溶液を室温に冷却した。68gのp-トルエンスルホン酸塩化物を少量ずつ加えた。反応混合物を室温で24時間撹拌した。反応混合物を水に導入した。沈殿物を濾過し、フィルター上で水およびメタノールにより洗浄し、50℃において真空中で乾燥した。精製をシクロペンタノンにおける10cmのシリカゲル層による吸収濾過によって行った。濾液をロータリーエバポレーターで濃縮した。結晶を50℃において真空中で乾燥した。下記の生成物の収量は30gであった:
Figure 2009504430
1.6
5.4gのB1.5を20gのN-メチルピロリジノン(NMP)に溶解した。5gのNa2CO3(無水)および9.1gの33%濃度メチルアミンのエタノール溶液を加えた。反応混合物を70℃で3時間撹拌した。反応混合物を水に導入した。沈殿物を濾過し、真空中で乾燥した。精製をジオキサン/エタノール(2:1)におけるシリカゲルでのクロマトグラフィによって行った。下記の生成物の収量は2gであった:
Figure 2009504430
元素分析:C24H27N5O2 (417.52)
計算値:C69.04;H6.52;N16.77
実測値:C68.60;H6.50;N16.30
1.7
36.6gのB1.6を250mLのN-メチルピロリジノン(NMP)に溶解した溶液と、15.9gのアクリル酸塩化物を36mLのNMPに溶解した溶液とを合わせ、70℃にまで加熱し、1時間撹拌した。反応混合物を、92gの炭酸ナトリウムを3,700mLの水に溶解した溶液に加え、混合物を30分間撹拌した。沈殿物を濾過し、乾燥した。精製をシクロペンタノンにおけるシリカゲルでのクロマトグラフィによって行った。下記の生成物の収量は9gであった:
Figure 2009504430
融点=222℃
元素分析:C27H29N5O3 (471.56)
計算値:68.77;H6.20;N14.85
実測値:68.20;H6.20;N14.00
1.8
a)ジアゾ化
最初に、400mLの水および70.5gの4-フルオロアニリンを反応槽に60℃で導入した。40mLの37%濃度塩酸をこの懸濁物に加え、混合物を、溶解が完了するまで撹拌した。溶液を0℃に冷却し、460mLの37%濃度塩酸をゆっくり加えた。4-フルオロアニリンの塩酸塩がペーストの形態で沈降した。161gの亜硝酸ナトリウム溶液(水中30%濃度)を、0℃〜5℃の温度を維持しながら45分かけて滴加した。続いて混合物を0℃〜5℃で2時間撹拌した。透明な溶液が形成された。
b)カップリング成分の調製
最初に、178mLの亜硫酸水素ナトリウム溶液(37%濃度)および70mLのホルムアルデヒド溶液(37%濃度)を反応槽に60℃で導入した。59.6gのアニリンをこの温度で加え、続いて混合物を2時間撹拌した。次に、反応混合物を撹拌装置に移した。2,000mLの水を反応混合物に加え、続いて混合物を再び60℃で30分間撹拌した。無色透明の溶液が形成された。これを外部冷却によって10℃〜15℃に冷却した。
c)カップリング
上記のジアゾニウム塩溶液を計量漏斗に移した。ジアゾニウム塩溶液を、10℃〜20℃の温度を維持しながら上記カップリング成分の溶液にゆっくり加えた。ジアゾニウム塩溶液を加えている間、約2,500mLの水酸化ナトリウム溶液(10%濃度)を、pHを5〜6の間で保つためにゆっくり滴加した。続いて反応混合物を30分間撹拌した。沈殿物を濾過し、依然として湿ったまま、保護基を切断するために準備した。
d)保護基の切断
依然として湿っているe)からの生成物を2,000mLの水酸化ナトリウム溶液(20%濃度)に加え、混合物を40℃で一晩撹拌した。10〜10.3のpHを得るために、約2.0L〜2.5Lの塩酸を、氷浴により冷却しながらゆっくり加えた。
続いて、混合物をしばらく撹拌した(約30分間)。沈殿物を大きな吸引フィルターで吸引濾過し、水により洗浄し、残渣を、完全に乾燥するまで50℃で真空乾燥キャビネットにおいて乾燥した。
e)生成物の精製
d)からの粗生成物をトルエンおよび酢酸エチルの混合物(4:1)中で沸騰させた。溶液を濾過して未溶解物質を除き、冷却し、シリカゲルによるカラムに通した。溶媒をロータリーエバポレーターで適切な分画物から除いた。物質を真空中で乾燥した。下記の生成物の収量は23gであった:
Figure 2009504430
1.9
1.8と同様にして、合成を、75gの4-シアノアニリンをジアゾ化成分として用いて行った。粗生成物を750mLのジオキサン中で沸騰させた。溶液を濾過して未溶解物質を除き、冷却し、高さが10cm〜15cmのAl2O3カラムに通した。溶媒を、ロータリーエバポレーターを使用して、通過した溶液から除いた。物質を真空中で乾燥した。下記の生成物の収量は97gであった:
Figure 2009504430
融点=194℃
元素分析:C13H10N4 (222.25)
計算値:C70.26;H4.54;N25.21
実測値:C70.30;H4.40;N24.40
1.10
1.8と同様にして、合成を行った。この場合、75gの4-シアノアニリンをジアゾ化成分として使用し、68gのo-トルイジンをカップリング成分のために使用した。下記の生成物の収量は110gであった:
Figure 2009504430
1.11
9.0gのB1.8から、下記の生成物:
Figure 2009504430
の合成を実施例1.3と同様に行った。精製を、ジオキサンにおけるAl2O3の10cmの層による吸収濾過、続いて、ジオキサンからの結晶化によって行った。収量は7.9gであった。
元素分析:C25H22FN3O4 (447.47)
計算値:C67.11;H4.96;F4.25;N9.39
実測値:C67.00;H4.90;F4.40;N9.50
1.12
64gのB1.8から、下記の生成物:
Figure 2009504430
の合成を実施例1.3と同様に行った。精製を、ジオキサンにおけるAl2O3の10cmの層による吸収濾過、続いて、ジオキサンからの結晶化によって行った。収量は97gであった。
この物質は下記の相転移温度を示した:融点=174℃;204℃までの液晶相。
1.13
100mLのジオキサン中11gのアクリル酸塩化物を、10gのN-メチル-N-(2-メチルアミノ-エチル)アニリンを30mLのジオキサンに溶解した溶液に加え、混合物を90℃で24時間撹拌し、冷却した。溶媒をロータリーエバポレーターで反応混合物から除いた。精製をトルエン/酢酸エチル(1:2)によるシリカゲルでのクロマトグラフィによって行った。下記の生成物の収量は5.5gであった:
Figure 2009504430
1.14
5.4gのB1.10を、加熱しながら40mLの氷酢酸および15mLの塩酸(37%濃度)に溶解し、溶液を0℃に冷却した。9gの亜硝酸ナトリウム溶液(水中30%濃度)を、0℃〜5℃の温度を維持しながら滴加した。続いて混合物を0℃〜5℃で1時間撹拌した。
最初に、5.1gのB1.13を170mLのイソプロパノールに導入した。ジアゾニウム塩溶液を計量漏斗に移した。次に、ジアゾニウム塩溶液をゆっくり加え、この間、10℃の温度を維持し、また、20%濃度の酢酸ナトリウムの水溶液の約30mLまでを同時に加えた。続いて混合物を1時間撹拌した。反応混合物を1Lの水に注いだ。生成物を塩化メチレンに溶解した。溶液を水相から分離し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒をロータリーエバポレーターで溶液から除いた。精製をトルエン/酢酸エチル(1:2)におけるシリカゲルでのクロマトグラフィによって行った。下記の生成物の収量は1gであった:
Figure 2009504430
融点=118℃
元素分析:C27H27N7O (465.56)
計算値:C69.66;H5.85;N21.06
実測値:C68.00;H5.90;N19.90
実施例2(ポリマー合成):
2.1
15.0gのモノマーB1.12を140mLのN,N-ジメチルホルアミド(DMF)に70℃で溶解した。モノマーが溶解した後、装置にアルゴンをさらに30分間流し、その後、5.0mLのDMF中の0.75gの2,2'-アゾイソ酪酸ジニトリルを加え、この混合物をアルゴン流のもとで2日間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、ひだ付きろ紙で濾過した。DMFをロータリーエバポレーターで溶液から完全に除いた。残渣を、100mLのメタノール中、30分間、還流下で沸騰させた。その後、メタノール溶液を捨て、沈殿物から除いた。この操作をさらに2回繰り返した。下記の最終生成物:
Figure 2009504430
を真空中で乾燥した。収量:13.4g。
2.2
15gのモノマーB1.3から、下記のポリマー:
Figure 2009504430
の合成を実施例2.1と同様に行った。収量は14.3gであった。
2.3
5gのモノマーB1.10から、下記のポリマー:
Figure 2009504430
の合成を実施例2.1と同様に行った。収量は4.7gであった。
2.4
1.3gのモノマーB1.7から、下記のポリマー:
Figure 2009504430
の合成を実施例2.1と同様に行った。ポリマーの精製を、トルエン中で3回沸騰させることによって行った。収量は1.0gであった。
2.5
0.6gのモノマーB1.14から、下記のポリマー:
Figure 2009504430
の合成を実施例2.4と同様に行った。収量は0.3gであった。
2.6
5gのモノマーB1.12と、0.57gの下記のモノマーB2.6a:
Figure 2009504430
との混合物から、下記のコポリマー:
Figure 2009504430
を実施例2.1と同様に調製した。収量は4.7gであった。
2.7
5gのモノマーB1.3と、0.45gまたは0.7gのN,N-ジメチルアクリルアミドとの混合物から、下記のコポリマー:
Figure 2009504430
を実施例2.4と同様に調製した。収量はそれぞれ、4.9gおよび4.8gであった。
2.8
1.5gのモノマーB1.14と、0.137gのN,N-ジメチルアクリルアミドとの混合物から、下記のコポリマー:
Figure 2009504430
を実施例2.4と同様に調製した。収量は1.12gであった。
2.9
1gのモノマーB1.7と、0.1gの下記のモノマーB2.9a:
Figure 2009504430
との混合物から、下記のコポリマー:
Figure 2009504430
を実施例2.4と同様に調製した。収量は0.85gであった。
2.10
2gのモノマーB1.3と、1.42gの下記のモノマーB2.10a:
Figure 2009504430
との混合物から、下記のコポリマー:
Figure 2009504430
を実施例2.4と同様に調製した。収量は3.0gであった。
実施例3(ポリマー溶液の調製)
3.1
15.0gのポリマーB2.1を100mLのシクロペンタノンに70℃で溶解した。溶液を室温に冷却し、0.45μmのTeflonフィルターで濾過し、次いで、0.2μmのTeflonフィルターで濾過した。溶液は室温で安定なままであった。この溶液を、ポリマーB2.1を様々な表面(例えば、ポリマー表面および金属蒸着ポリマーの表面など)に適用するために使用した。
3.2
実施例3.1と同様にして、15.0gのポリマーB2.2を100mLのシクロペンタノンに溶解した溶液を調製した。
3.3
実施例3.1と同様にして、15.0gのポリマーB2.3を100mLのシクロペンタノンに溶解した溶液を調製した。
3.4
実施例3.1と同様にして、15.0gのポリマーB2.4を100mLのシクロペンタノンに溶解した溶液を調製した。
3.5
実施例3.1と同様にして、15.0gのポリマーB2.5を100mLのシクロペンタノンに溶解した溶液を調製した。
3.6
実施例3.1と同様にして、15.0gのポリマーB2.6を100mLのシクロペンタノンに溶解した溶液を調製した。
3.7
実施例3.1と同様にして、15.0gのポリマーB2.9を100mLのシクロペンタノンに溶解した溶液を調製した。
3.8
15.0gのポリマーB2.1を35wt%のシクロペンタノンおよび65wt%の2-メトキシエタノールの混合物の100mLに70℃で溶解した。溶液を室温に冷却し、0.45μmのTeflonフィルターで濾過し、次いで、0.2μmのTeflonフィルターで濾過した。溶液は室温で安定なままであった。この溶液を、ポリマーB2.1を様々な表面(例えば、ポリマー表面および金属蒸着ポリマーの表面など)に適用するために使用した。
3.9
実施例3.8と同様にして、15.0gのポリマーB2.6を35wt%のシクロペンタノンおよび65wt%の2-メトキシエタノールの混合物の100mLに溶解した溶液を調製した。
3.10
15.0gのポリマーB2.4を100mLの2,2,3,3-テトラフルオロプロパノール(TFP)に100℃で溶解した。この溶液は80℃まで安定なままであり、さらに冷却すると、ポリマーが析出した。ポリメタクリラートに基づく類似ポリマー(B2.2)はTFPに溶解しなかった。
3.11
15.0gのポリマーB2.4を100mLの2,2,3,3-テトラフルオロプロパノール(TFP)に100℃で溶解した。この溶液は90℃まで安定なままであり、さらに冷却すると、ポリマーが析出した。ポリメタクリラートに基づく類似ポリマーはTFPに溶解しなかった。
3.12
15.0gのポリマーB2.7.1を100mLの2,2,3,3-テトラフルオロプロパノール(TFP)に70℃で溶解した。溶液を40℃に冷却し、0.45μmのTeflonフィルターで濾過し、次いで、0.2μmのTeflonフィルターで濾過した。溶液は室温で数時間安定なままであった。この溶液を、ポリマーB2.7.1を様々な表面(例えば、ポリマー表面および金属蒸着ポリマーの表面など)に適用するために使用した。比較的長時間にわたって放置すると、室温でゲルが形成したが、これは、加熱すると、再び溶解することができた。
3.13
15.0gのポリマーB2.7.2を100mLの2,2,3,3-テトラフルオロプロパノール(TFP)に70℃で溶解した。溶液を室温に冷却し、0.45μmのTeflonフィルターで濾過し、次いで、0.2μmのTeflonフィルターで濾過した。溶液は室温で安定なままであった。この溶液を、ポリマーB2.7.2を様々な表面(例えば、ポリマー表面および金属蒸着ポリマーの表面など)に適用するために使用した。
3.14
実施例3.13と同様にして、15.0gのポリマーB2.10を100mLの2,2,3,3-テトラフルオロプロパノール(TFP)に溶解した溶液を調製した。
実施例4:(フォトアドレス可能なポリマーによるガラスおよびプラスチックの表面のコーティング)
4.1 ガラス基板のコーティング
厚さ1mmのガラス基板のコーティングをスピンコーティングにより行った。「Karl Suess CT60」スピンコーターを使用した。正方形のガラスキャリア(26 x 26mm)を装置の回転台に固定し、溶液3.1で覆い、一定の時間、回転させた。装置の回転プログラム(加速度、回転速度および回転時間)に依存して、厚さが0.2μm〜2.0μmである光学品質の透明非晶質被膜が得られた。溶媒の残渣を、被覆されたガラスキャリアを真空キャビネットに室温で24時間貯蔵することによって被膜から除いた。
4.2 ポリカーボネートフィルムの直接コーティング
ポリカーボネートフィルム(PCフィルム、例えば、Bayer MaterialScienceから得られるMakrofol(登録商標))の直接コーティングが今や、ある種の溶媒から可能である。溶媒はポリカーボネート(PC)を表面的に溶解してはならず、また、フィルムの表面をこのように損なってはならない。2,2,3,3-テトラフルオロプロパノール(TFP)をそのような溶媒として使用した。TFPに可溶性であるフォトアドレス可能なポリマーのみがポリカーボネートの直接コーティングのために使用可能である。
予め打ち抜かれたフィルム片(例えば、長さ85.725mm;幅53.975mm)をコーティングのために使用した。PCフィルムの厚さは75μmから750μmまで変化した。フィルム片を上記の装置の回転台に固定し、溶液3.13で覆い、一定の時間、回転させた。装置の回転プログラム(加速度、回転速度および回転時間)に依存して、厚さが0.2μm〜2.0μmである光学品質の透明非晶質被膜が得られた。溶媒の残渣を、被覆されたPCフィルム片を真空キャビネットに室温で24時間貯蔵することによって被膜から除いた。
サイズが10 x 10cmである正方形のフィルム片を同様に被覆し、その後、このフィルム片から、チェックカードサイズの小片および他の形式での小片(例えば、ストリップ:長さ85.725mm;幅5.54mm)を打ち抜き、カード製造のためにその後で使用した。
4.3 金属蒸着ポリカーボネートフィルムのコーティング
4.3.1 PCフィルムの金属蒸着
銀を反射層として使用し、マグネトロンスパッタリングによって適用した。コーティング中のAr圧は5 x 10-3mbarであった。スパッタリングを1.3W/cm2の出力密度により行った。層の厚さを、Alphastep 500機械的表面形状測定装置(Tencor)を用いて測定した。厚さを100nm〜400nmの間に調節した。
4.3.2 300nm未満の厚さを有する金属被膜に対する直接的なフォトアドレス可能なポリマーの適用
ポリカーボネートフィルム上の金属被膜(その厚さは50nm〜300nmの間である)は実際に、光学的記憶またはホログラフィック記憶には十分であるが、攻撃的な溶媒に対する十分なバリア機能を有しない鏡面特性を提供する。例えば、シクロペンタノンは、これらの金属被膜における無数の微小欠陥を通じてポリカーボネートを攻撃し、これにより、記憶層の光学的特性における顕著な低下をもたらす。このような場合、2,2,3,3-テトラフルオロプロパノール(TFP)における溶液のみを用いた。コーティングをPCフィルムの金属蒸着表面に対して実施例B4.1と同様に行った。
4.3.3 薄いポリマーバリア層が予め金属層に適用されている、300nm未満の厚さを有する金属被膜に対するフォトアドレス可能なポリマーの適用
TFPには溶解しないが、シクロペンタノンまたはシクロペンタノン含有混合物のみに溶解する、ポリメタクリラートに基づくフォトアドレス可能なポリマーを、薄く金属蒸着されたポリカーボネートフィルムに適用することができるようにするために、金属蒸着には、そのような溶媒に対して抵抗性である、薄い、いわゆるポリマーバリア層が予め被覆されなければならない。このバリア層は、光学的な記憶過程および読み取り過程を妨害しないために、光学的に透明でなければならず、また、複屈折を有してはならない。水素化ポリスチレンおよび水素化ポリスチレン/ポリイソプレンコポリマー(米国特許第6492468号)はこれらの特性を有する。
バリア層を下記の方法で作製した:ビニルシクロヘキサン単位の総含有量が90mol%である水素化トリブロックコポリマー(米国特許第6492468号)の1gを9gのn-ヘプタンに溶解した。溶液を0.45μmのTeflonフィルターで濾過し、次いで、0.2μmのTeflonフィルターで濾過した。溶液をスピンコーティングプロセスによって金属蒸着PCフィルムに塗布した(実施例4.2を参照のこと)。
装置の回転プログラム(加速度、回転速度および回転時間)に依存して、厚さが0.05μm〜0.2μmである光学品質の無色透明な非晶質被膜がこの手法によって形成された。溶媒の残渣を、この方法で被覆されたPCフィルムを真空キャビネットに室温で24時間貯蔵することによって、被膜から除いた。フォトアドレス可能なポリマーによる続くコーティングを、実施例4.2と同様に、溶液B3.8および溶液B3.9から行った。装置の回転プログラム(加速度、回転速度および回転時間)に依存して、厚さが0.2μm〜2.0μmである光学品質の透明非晶質被膜が得られた。
4.3.4 300nmを超える厚さを有する金属被膜に対するフォトアドレス可能なポリマーの適用
金属層が300nmよりも厚い金属蒸着PCフィルムは、攻撃性溶媒(例えば、シクロペンタノンなど)からフォトアドレス可能なポリマーにより直接コーティングすることが可能である。
フォトアドレス可能なポリマーを、実施例B4.1と同様に、溶液B3.1〜溶液B3.7から金属蒸着PCフィルムに直接に適用した。装置の回転プログラム(加速度、回転速度および回転時間)に依存して、厚さが0.2μm〜2.0μmである光学品質の透明非晶質被膜が得られた。
4.4 ポリカーボネート/ポリスルホン(PC/PSU)の同時押し出しフィルムのコーティング
4.4.1 PSU側へのPC/PSUフィルムの金属蒸着
金属蒸着を実施例4.3.1に従って行った。
4.4.2 PC/PSU同時押し出しフィルムおよび金属蒸着された同時押し出しフィルムのポリスルホン側へのフォトアドレス可能なポリマーの適用
フィルムのポリスルホン側またはフィルムの金属蒸着されたポリスルホン側を、実施例B4.2と同様に、スピンコーティングによって溶液B3.1〜溶液B3.7からフォトアドレス可能なポリマーにより被覆した。
フォトアドレス可能なポリマーによるコーティングはまた、実施例3.12〜実施例3.14による溶液を用いて行った。
4.5 ナイフコーティングによる金属蒸着ポリカーボネートフィルムのコーティング
銀層が金属蒸着された厚さが750μmのポリカーボネートフィルムをポリマーB2.7.2により被覆した。ポリマー150g/1,000mL溶媒の濃度を有する溶液B3.13の厚さ50μmの層をナイフコーティングによって金属蒸着フィルムに均一に塗布した。真空中で乾燥した後、厚さが4.07μmである被膜が生じた。溶液を70g/1,000mLに希釈すると、厚さが1.65μmである被膜が生じた。さらに希釈すると、下記の層厚が得られた:60g/1,000mL、1.50μmの層厚;50g/1,000mL、1.08μmの層厚;30g/1,000mL、0.53μmの層厚。
実施例5:(データキャリア/カードの作製)
フォトアドレス可能なポリマーが実施例4に従って被覆されたプラスチックのフィルムに、PAP側、および、場合によりさらにプラスチックのフィルム側において、様々なフィルムを被覆または塗布した。これらの被膜/フィルムは、機械的抵抗性を改善し、情報層を機械的影響および他の影響(熱、光、水分)から保護する。層は、真空コーティング、ラッカー塗りまたは積層化によって適用することができる。
5.1 酸化ケイ素によるフォトアドレス可能なポリマー層のコーティング
酸化ケイ素被膜を外側の保護層として適用した。直径が約200nmであるSiO2粒子を、電子ビーム気化器によって、実施例4.2からのフィルムのPAP層における透明保護層として堆積した。この手法での電子ビームの出力は1.5kWであり、プロセスを5×10-7mbarの圧力の高真空下で行った。
5.2 UV硬化性ラッカーの適用
UV硬化性ラッカーの層を実施例5.1からの酸化ケイ素被膜にさらに適用した。ラッカー層を、DVD接着剤「DAICURE CLEAR SD-645」(DIC Europe GmbH)の形態で実施例4.2と同様にスピンコーティングすることによって塗布し、UV光(90ワット;312nm)を照射することによって硬化させた。スピンコーターの回転プログラム(加速度、回転速度および回転時間)の適切な調節によって、光学特性を有する厚さが50μmの透明非晶質被膜が得られた。被膜は、スピンコーターの回転プログラムに依存して、1μm〜100μmの厚さに調節することができる。
5.3 積層化(ポリカーボネートフィルムによるPAP層の保護)
実施例4.4に従って作製されたPAP被覆の同時押し出しフィルム(PC/PSUフィルム)に、構造化ポリカーボネートフィルムまたは平滑ポリカーボネートフィルムを、Buerkle 製油圧式熱間プレス機(タイプLA62)で重ね合わせた(PAP層がポリカーボネートフィルムによって覆われる)。積層化を、2つの研磨された高規格スチール製プレート(鏡面シート金属)と、圧力補正ベッド(プレスクッション)との間で行った。積層化パラメータ(温度、時間、圧力)を調節して、PAP被膜が目に見える損傷を全くを示さないように、かつ、カードブランク(card blank)が平坦度の欠陥を全く示さないようにした。
カードの構成: 保護層:ポリカーボネートフィルム 50μm
はめ込み部:PC/PSU/Al/PAP* 約250μm
白色ポリカーボネートフィルム 約500μm
*はめ込み部のサイズはカードにおける磁気ストリップのサイズに匹敵する)
コーティング用のカードブランク
PC/PSU/Alのサンプルを、蒸着側を鏡面シート金属に向けて、単使用構成(1回の積層プロセスについて1つの層)で油圧式熱間プレス機(製造会社Buerkle)に置いた。積層化を、2つの研磨された高規格スチール製プレートと、圧力補正ベッド(プレスクッション)との間で行った。積層化パラメータ(温度、時間、圧力)を調節して、アルミニウム被膜が目に見える損傷を全く示さないように、かつ、カードブランクが平坦度の欠陥を全く示さないようにした。
カードの構成: 保護層:蒸着されたポリカーボネート/ポリスルホン同時押し出しフィルムPC/PSU/Al
ポリカーボネートフィルム、白色透明、約500μm
実施例6:ホログラフィ特性の測定
ホログラフィ露光期間中の時間に関しての回折効率の経過を、様々な偏光状態について、構造(B2.2)のフォトアドレス可能なポリマー(PAP)に対して求めた。いわゆるホログラフィ成長曲線を、達成された回折効率に関して評価し、また、最大の効率を達成することができる偏光状態を求めた。
図1はホログラフィ測定のための構成を示す。
フォトアドレス可能なポリマー(B2.2)によるキャリアフィルムのコーティングを実施例4に従って行った。PAP層の厚さは約1.6μmであった。
金属層の代わりに、PC/PSUキャリアフィルムには、データキャリアを透過で読み取ることができるように、水素化ポリスチレンのバリア層を実施例4.3.3に従って施した。
この方法で被覆されたキャリアフィルムには、フィルムが、PAP側で、さらにプラスチックのフィルム側で、実施例5に従って覆われた。
カードの構成: 保護層:ポリカーボネートフィルム 50μm
はめ込み部:PC/PSU/水素化ポリスチレン/PAP 約250μm
ポリカーボネートフィルム 約500μm
試料を、λ=532nmの波長での周波数逓倍型ネオジウム-YAGレーザーからの光で照射した。試料に対して40°の角度で重なる2つの平坦(flat)波をこの手段によって作製した。このために、レーザービームを約30mmの直径に広げ、平行化した。
直径6mmの金属ダイアフラムを使用して、光が照射される面積、従って、試料へのエネルギー導入を制限した。
露光用の光ビームの様々な偏光は、λ/2遅延プレートレットおよびλ/4遅延プレートレットを使用して、確立した。
回折効率を、λ=633nmでのHeNeレーザーを用いて露光中に測定し、記録した。
測定を下記の偏光について行った:円偏光(反時計回り);平行での直線偏光;45°での直線偏光;90°での直線偏光。円偏光の露光の場合、挙動を様々なエネルギー密度についてさらに調べた。
すべての偏光について、5〜10個の試料による測定系列を光で照射した。評価では、全試料の平均および最大値を示す。回折効率は、100mW/cm2の所定出力密度における露光時間(秒)に関して%で表される。
Figure 2009504430
結果:
生じたホログラフィック格子は、光の偏光に依存して異なる挙動を示した。試験した偏光のすべてがホログラフィック回折をもたらした。反時計回りの円偏光が、最も大きい回折効率を生じさせたので、好ましい。
他のホログラフィフィルムに対して測定した場合、PAPは、約1.6μmの非常に薄い層厚さにおいてさえ、大きい回折効率を示す。
観察された効果は、偏光光学系において使用することができる。
実施例7:フォトアドレス可能なポリマーの光誘導された複屈折の測定
実施例6に従った試料をPAP B2.1〜B2.10に基づいて作製した。この方法で作製された試料に、偏光したレーザー光をポリマー側から垂直の入射角で照射した(書き込み操作)。532nmの波長を有するVerdiレーザー(Coherent)を光源として使用した。このレーザーの強度は1,000mW/cm2であった。トランス-シス-トランスの異性化サイクルがポリマーの側鎖基分子において誘導され、これにより、レーザーの偏光方向から離れる分子の正味の配向が形成された。これらの分子動力学は、巨視的には、ポリマーフィルムの面での発現する複屈折Δn = ny - nxにおいて現れた。レーザー光の偏光方向における屈折率(nx)がこのプロセス中に低下し、一方、偏光方向に対して直交する屈折率(ny)が増大した。この動力学は、与えられた露光パラメータにおいて数分の範囲で進行した。
633nmの波長での時間に関しての誘導された複屈折の経過を、ヘリウム-ネオンレーザー(典型的な強度:10mW/cm2)を用いて実験的に求めた。この操作は複屈折の読み取りと呼ばれる。このレーザー(いわゆる読み取りレーザー)のポリマー層への入射光は、層の法線に対して15°〜35°の間での固定された角度を占めた。読み取り光および書き込み光がポリマー層上で重なった。読み取り光の偏光方向は、ポリマーフィルムの面において書き込み光の偏光に対して45°の角度を占めた。層が複屈折性であれば、偏光方向が、ポリマー層を通過するときに回転させられた。この回転には、試料の後方のビーム光路に置かれた分析計による読み取り光の強度Isにおける増大が伴い、また、この回転は、光が初めの偏光方向に対して直交して通過することを可能にした。Isが増大したのと同じ程度に、強度Ipが低下した。Ipは、まさにその通りに配置されるが、読み取りレーザーの初めの偏光方向を選択する分析計の後方での透過強度として定義される。最初の方向に対して平行および直交である偏光方向の2つの成分が偏光ビーム分割器によって分離され、2つのSiフォトダイオードによって検出された。複屈折Δは、測定された強度から、下記の関係から計算される。
Figure 2009504430
式中、dはポリマー層の厚さであり、λ=633nmは読み取りレーザーの光波長である。この式では、読み取りがポリマー層に対して直交して行われるという近似を仮定する。
ポリマーB2.4を用いた書き込み/消去実験:
複屈折Δnは、最初の露光の期間中、単調に増加した。試料を書き込みレーザーからの光に2分間さらした後、最初の書き込み操作を完了した。生じた位相シフトΔφ=2πΔnd/λはこの操作期間中および次回の書き込み操作期間中においてΔφ=πの値を超えない。ポリマー層の複屈折nは事実上、2分後、Δn=0.213±0.002の最大値に達していた。
Δnは、書き込み光の偏光方向を90°回転させることによって消去された。この消去操作は、Δn=0となると直ちに完了する。これは、ダイオードによって検出されるIs=0の値と等価である。この場合には、消去が書き込みよりも著しく速く起こった。
さらなる書き込み/消去操作を、同じパターンに従って、この最初の操作の直後に行い、ダイオードのシグナルを記録し、複屈折を計算した。2回目およびすべてのその後の書き込み操作の間での複屈折の発現は、速度およびレベルにおいて1回目と同程度であった。
結果:
本発明のポリマーは減衰せず、これは、複屈折における連続的低下から読み取られる。
本発明のポリマーは0.15の光誘導複屈折値を超える。このことは本発明に従って非常に特に好ましい。
様々なPAP材料の露光特性の比較
光の波長λ=532nm;出力密度:1.000mW/cm2;転移モード
Figure 2009504430
結果:調べたポリマーのすべてが、Δn=0.07の複屈折値を超える。このことは本発明に従って好ましい。

Claims (7)

  1. 下記層構造を有してなる複合フィルム:
    a)式(I)の化合物に基づく構造単位を有するフォトアドレス可能な有機ポリマーの記憶層:
    Figure 2009504430
    [式中、
    R及びRは、相互に独立に、水素原子又は非イオン性置換基を表す。
    m及びnは、相互に独立に、0〜4の整数、好ましくは0〜2の整数を表す。
    X及びXは、X1'-R又はX2'-R
    (ここで、X1'及びX2'は、直接結合、-O-、-S-、-(N-R)-、-C(RR)-、-(C=O)-、-(CO-O)-、-(CO-NR)-、-(SO)-、-(SO-O)-、-(SO-NR)-、-(C=NR)-、-(CNR-NR)- 又は -N=N-を表す。
    R、R、R及びRは、相互に独立に、水素原子、C〜C20-アルキル基、C〜C10-シクロアルキル基、C〜C20-アルケニル基、C〜C10-アリール、C〜C20-アルキル-(C=O)-、C〜C10-シクロアルキル-(C=O)-、C〜C20-アルケニル-(C=O)-、C〜C10-アリール-(C=O)-、C〜C20-アルキル-(SO)-、C〜C10-シクロアルキル-(SO)-、C〜C20-アルケニル-(SO)- 又は C〜C10-アリール-(SO)-を表す。
    R及びRは、相互に独立に、水素原子、ハロゲン原子、C〜C20-アルキル基、C〜C20-アルコキシ基、C〜C10-シクロアルキル基、C〜C20-アルケニル基又はC〜C10-アリール基を表す。
    あるいは、X1'-R 及び X2'-Rは、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、CF又はCClを表す。)
    を表す。]、
    b)所望により、透明バリア層、
    c)場合により、反射層、
    d)場合により、接着層、
    e)基材層。
  2. 記憶層a)中のフォトアドレス可能な有機ポリマーは、式(II)の化合物に基づく構造単位を有する、請求項1に記載の複合フィルム:
    Figure 2009504430
    [式中、
    X、R、R、m、n 及び X1' は、請求項1で与えられた意味を有する。
    Rは、水素原子又はメチル基を表す。
    Qは、-O-、-S-、-(N-R)-、-C(RR)-、-(C=O)-. -(CO-O)-、-(CO-NR)-、-(SO)-、-(SO-O)-、-(SO-NR)-、-(C=NR)-、-(CNR-NR)-、-(CH)p-、p-又はm-CH-、若しくは、式:
    Figure 2009504430
    で示される2価基を表す。
    i は、0〜4の整数を表し、i が1より大きい場合、各Q は、異なる意味を有し得る。
    Tは、-(CH)p-(ここで、連鎖は、-O-、-NR- 又は -OSiR10 O- により中断されていてよい。)を表す。
    Sは、直接結合、-O-、-S- 又は -NR-を表す。
    pは、2〜12の整数、好ましくは、2〜8の整数、特に、2〜4の整数を表す。
    Rは、水素原子、メチル基、エチル基又はプロピル基を表す。
    R10は、メチル基又はエチル基を表す。
    R 〜 R は、請求項1で与えられ意味を有する。]。
  3. 記憶層a)中のフォトアドレス可能な有機ポリマーは、式(II)の化合物に基づく構造単位を有する、請求項1に記載の複合フィルム:
    Figure 2009504430
    [式中、
    X1'は、-(CO-O)-、-(CO-NR)- 又は -N=N-を表す。
    Qは、式:
    Figure 2009504430
    を表す。
    i は、1を表す。
    Sは、-NR-を表す。
    他の基は、請求項2で与えられた意味を有する。]。
  4. I)1つ又はそれ以上の、透明、低複屈折性、非散乱性の無定形カバー層、
    II)請求項1〜3のいずれかに記載の複合フィルム、
    III)所望により、プラスチックフィルム、プラスチックの複合フィルム又はプラスチックの基材の少なくとも1つの形状である、プラスチックのキャリア
    を含んでなる、光学的書き込み、恒久的記憶、光学的読み出し、光学的書換、及び記憶層中の情報の消し込み又は上書きに対する保護を確実にする、光学データ記憶媒体。
  5. A)フォトアドレス可能なポリマーを、溶媒に溶解し、
    B)溶液を、基材、若しくは存在するなら透明バリア層又は反射層に適用し、
    C)溶媒を蒸発させ、複合フィルムを乾燥する
    請求項1〜3のいずれかに記載の複合フィルムの製造方法。
  6. i)透明トップ層を、請求項5に記載の方法により製造された複合フィルムの記憶層側に適用し、
    ii)所望により、プラスチックのキャリアを、複合フィルムの他の側(基材側)に適用する
    請求項4に記載の光学データ記憶媒体の製造方法。
  7. 記憶カード、スマートカード、身分証明書、文書、記憶機能を有するラベル又は記憶機能を有するプラカードとしての、請求項4に記載の光学データ記憶媒体の使用。
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