JP2009504430A - 光学データ記憶媒体及びその製造方法と使用 - Google Patents
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Abstract
Description
・カード所持者の身元を証明する身分証明書(IDカード);
・個人の医療データを記憶する診察カード;
・電子的金融取引用のクレジットカード及び銀行カード;
・デジタル及びアナログデータの十分な記憶容量;
・高度のデータセキュリティ、これは、読み取り権限、書き込み権限及びコピー防止に関する技術的解決手段により確保される;
・拡張できるデータセキュリティ、すなわち、異なる機密性又はセキュリティレベルのデータを識別する能力;
・将来の生体認証方法及び新しい多用途も組み合わせることができるような、アップグレード性(技術アップグレード)
記憶及びセキュリティ素子を含む層構造及びカード又はドキュメントへの組み込みに関する、低いシステムの複雑さ
である。
従って、本発明の目的は、このような要求を満足する光学データ記憶媒体、好ましくはホログラフィック光学記憶カードの形の光学データ記憶媒体、いわゆるスマートカードを提供することである。
下記層構造を有してなる複合フィルム:
a)式(I)の化合物に基づく構造単位を有するフォトアドレス可能な有機ポリマーの記憶層:
R1及びR2は、相互に独立に、水素原子又は非イオン性置換基を表す。
m及びnは、相互に独立に、0〜4の整数、好ましくは0〜2の整数を表す。
X1及びX2は、X1'-R3又はX2'-R4
(ここで、X1'及びX2'は、直接結合、-O-、-S-、-(N-R5)-、-C(R6R7)-、-(C=O)-、-(CO-O)-、-(CO-NR5)-、-(SO2)-、-(SO2-O)-、-(SO2-NR5)-、-(C=NR8)-、-(CNR8-NR5)- 又は -N=N-を表す。
R3、R4、R5及びR6は、相互に独立に、水素原子、C1〜C20-アルキル基、C3〜C10-シクロアルキル基、C2〜C20-アルケニル基、C6〜C10-アリール、C1〜C20-アルキル-(C=O)-、C3〜C10-シクロアルキル-(C=O)-、C2〜C20-アルケニル-(C=O)-、C6〜C10-アリール-(C=O)-、C1〜C20-アルキル-(SO2)-、C3〜C10-シクロアルキル-(SO2)-、C2〜C20-アルケニル-(SO2)- 又は C6〜C10-アリール-(SO2)-を表す。
R6及びR7は、相互に独立に、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C20-アルキル基、C1〜C20-アルコキシ基、C3〜C10-シクロアルキル基、C2〜C20-アルケニル基又はC6〜C10-アリール基を表す。
あるいは、X1'-R3 及び X2'-R4は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、CF3又はCCl3を表す。)
を表す。]、
b)所望により、透明バリア層、
c)場合により、反射層、
d)場合により、接着層、
e)基材層
を提供する。
II)上に記載したような複合フィルム、
III)所望により、プラスチックフィルム、プラスチックの複合フィルム又はプラスチックの基材の少なくとも1つの形状である、プラスチックのキャリア
を含んでなる、光学的書き込み、恒久的記憶、光学的読み出し、光学的書換、及び記憶層中の情報の消し込み又は上書きに対する保護を確実にする、光学データ記憶媒体
を提供する。
A)フォトアドレス可能なポリマーを、溶媒に溶解し、
B)溶液を、基材、若しくは存在するなら透明バリア層又は反射層に適用し、
C)溶媒を蒸発させ、複合フィルムを乾燥する
複合フィルムの製造方法を提供する。
・光誘起複屈折の水準、
・効率的なホログラフィック回折のための基本的必要条件である高度の光学純度/特性、
記憶中及び読み出し中の光誘起複屈折の長期安定性
・ポリマー層の高い方位分解能、
・先のデータの直接上書きにより又は先のデータの消去及びその後の書き込みにより、一般に、デジタル又はアナログデータ/情報を書き換える可能性、
・一般に、データ記憶の目的で(コードとして又は可視的に)記憶されたデータ/情報を固定(定着)する、すなわち、データを完全な消去から保護し、また、まず第一に書き込みから領域を保護する可能性、
および
・剥離又は表面変性を引き起こし、情報イメージにおけるひずみ又はコントラストの変化を生じる、材料の収縮がないこと。
必要なら、プラスチックのフィルムは、記憶層の適用前に、金属蒸着(金属化)することができる。この改良例は、攻撃的な溶媒をPAP溶液に用いた場合に、適している。加えて、特に金属層が非常に薄い場合、バリア層を金属層の上又は下に、適用することができる。各層は、既知の方法により形成される。
・少ない複雑さ(例えば、トランスポンダアンテナを省ける)、
・記憶フィールドの形状及びサイズについての設計の自由度、
・記憶エリアの利用に関する設計の自由度(ユーザは種々の記憶エリアを割り当てることができる)、
・あらゆる種類のデータを、ホログラフ符号化形式で蓄積できる、
・拡張性のある安全性、
・識別要素を光により書き込むことができる、
・最も多様な光照射技術の使用可能性による多機能性、その使用により、グレーバリューイメージ及びデジタル情報並びにホログラフ符号化が可能になる。
Zは、式:
Aは、O、S 又は N-C1〜C4-アルキル基を表す。
X3は、-X3'-(Q2)j-T2-S2-を表す。
X4は、X4'-R13を表す。
X3' 及び X4'は、相互に独立に、直接結合、-O-、-S-、-(N-R5)-、-C(R6R7)-、-(C=O)- -(CO-O)-、-(CO-NR5)-、-(SO2)-、-(SO2-O)-、-(SO2-NR5)-、-(C=NR8)- 又は -(CNR8-NR5)-を表す。
R5、R8 及び R13は、相互に独立に、水素原子、C1〜C20-アルキル基、C3〜C10-シクロアルキル基、C2〜C20-アルケニル基、C6〜C10-アリール基、C1〜C20-アルキル-(C=O)-、C3〜C10-シクロアルキル-(C=O)-、C2〜C20-アルケニル-(C=O)-、C6〜C10-アリール-(C=O)-、C1〜C20-アルキル-(SO2)-、C3〜C10-シクロアルキル-(SO2)-、C2〜C20-アルケニル-(SO2)- 又は C6〜C10-アリール-(SO2)-を表す。
X4'-R13は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、CF3又はCCl3を表す。
R6 及び R7は、相互に独立に、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C20-アルキル基、C1〜C20-アルコキシ基、C3〜C10-シクロアルキル基、C2〜C20-アルケニル基又は C6〜C10-アリール基を表す。
Yは、単結合、-COO-、-OCO-、-CONH-、-NHCO-、-CON(CH3)-、-N(CH3)CO-、-O-、-NH- 又は -N(CH3)-を表す。
R11、R12、R15は、相互に独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、C1〜C20-アルキル基、C1〜C20-アルコキシ基、フェノキシ基、C3〜C10-シクロアルキル基、C2〜C20-アルケニル基、C6〜C10-アリール基、C1〜C20-アルキル-(C=O)-、C6〜C10-アリール-(C=O)-、C1〜C20-アルキル-(SO2)-、C1〜C20-アルキル-(C=O)-O-、C1〜C20-アルキル-(C=O)-NH-、C6〜C10-アリール-(C=O)-NH-、C1〜C20-アルキル-O-(C=O)-、C1〜C20-アルキル-NH-(C=O)- 又は C6〜C10-アリール-NH-(C=O)-を表す。
q、r 及び s は、相互に独立に、0〜4の整数、好ましくは0〜2の整数を表す。
Q2は、-O-、-S-、-(N-R5)-、-C(R6R7)-、-(C=O)-. -(CO-O)-、-(CO-NR5)-、-(SO2)-、-(SO2-O)-、-(SO2-NR5)-、-(C=NR8)-、-(CNR8-NR5)、(CH2)p-、p- 又は m-C6H4- 若しくは式:
j は、0〜4の整数を表し、 j が1より大きい場合、各Q2 は、異なる意味を有し得る。
T2は、-(CH2)p-(ここで、連鎖は、-O-、-NR9- 又は -OSiR10 2O- により中断されていてよい。)を表す。
S2は、直接結合、-O-、-S- 又は -NR9-を表す。
p は、2〜12の整数、好ましくは2〜8の整数、特に2〜4の整数を表す。
R9は、水素原子、メチル基、エチル基又はプロピル基を表す。
R10は、メチル基又はエチル基を表す。]。
R は、水素原子又はメチル基を表す。
X5は、-O- 又は -(N-R15)-を表す。
R14及びR15は、相互に独立に、所望により分岐していてよいC1〜C20-アルキル基又は少なくとも1つの更なるアクリル単位を含む基を表すか、又は両者が一体となって架橋基-(CH2)f-、-CH2-CH2-O-CH2-CH2- 又は -CH2-CH2-N(R)-CH2-CH2-(ここで、f は2〜6を表す。)を形成する。]。
市販の金属化熱可塑性フィルムを使用することもできる。
基材層は、好ましくはフィルムとして形成される。
1.1
最初に、47.6gの4-アミノアセトアニリドを80℃で200mLの水に導入した。20mLの37%濃度塩酸をこの混合物に加え、混合物を、溶解が完了するまで撹拌した。この溶液を0℃に冷却した。その後、残る230mLの37%濃度塩酸をゆっくり加えた。80.5gの亜硝酸ナトリウム溶液(水中30%濃度)を、0℃〜5℃の温度を維持しながら45分かけて滴加した。続いて混合物を0℃〜5℃で2時間撹拌した。
50gのKOHを450gのエタノールに溶解した。25gの物質B1.1をこの溶液に加え、混合物を還流下で3時間撹拌した。この溶液を室温に冷却し、1,000mLの水に加えた。懸濁物のpHを10%濃度塩酸でゆっくり10にした。沈殿物を濾過し、フィルター上で水により洗浄し、乾燥した。精製を、室温においてトルエン中で激しく撹拌することにより2回抽出することによって、行った。下記の生成物の収量は17gであった:
計算値:C69.97;H6.71;N23.31
実測値:C70.00;H6.70;N23.10
500mLのジオキサン中の107gの物質B1.2を、120gの4-(2-メタクリロイルオキシ-エトキシ)安息香酸塩化物を650mLのジオキサンに溶解した溶液に加え、混合物を60℃で2時間撹拌し、冷却した。その後、生成物を、この溶液を4Lの水に注ぐことによって沈殿させた。沈殿物を濾過し、乾燥し、ジオキサンから2回再結晶することによって精製した。下記の生成物の収量は124gであった:
計算値:C68.63;H5.97;N11.86
実測値:C68.10;H6.00;N11.40
100gのB1.3を、200mLのジオキサン、100mLのメタノール、300mLのN-メチルピロリジノン(NMP)および16mLの水の混合溶媒に溶解した。ナトリウムメチラートのメタノール中30%濃度溶液の54gを加え、次いで、16gの水を加えた。反応混合物を室温で3時間撹拌し、その後、3,000mLの水に加えた。沈殿物をフィルター上に集め、乾燥した。下記の生成物の収量は100gであった:
計算値:C68.30;H5.98;N13.85
実測値:C67.50;H5.90;N13.60
72gのB1.4を660gのピリジンおよび150mLのN-メチルピロリジノン(NMP)の混合物に60℃で溶解した。溶液を室温に冷却した。68gのp-トルエンスルホン酸塩化物を少量ずつ加えた。反応混合物を室温で24時間撹拌した。反応混合物を水に導入した。沈殿物を濾過し、フィルター上で水およびメタノールにより洗浄し、50℃において真空中で乾燥した。精製をシクロペンタノンにおける10cmのシリカゲル層による吸収濾過によって行った。濾液をロータリーエバポレーターで濃縮した。結晶を50℃において真空中で乾燥した。下記の生成物の収量は30gであった:
5.4gのB1.5を20gのN-メチルピロリジノン(NMP)に溶解した。5gのNa2CO3(無水)および9.1gの33%濃度メチルアミンのエタノール溶液を加えた。反応混合物を70℃で3時間撹拌した。反応混合物を水に導入した。沈殿物を濾過し、真空中で乾燥した。精製をジオキサン/エタノール(2:1)におけるシリカゲルでのクロマトグラフィによって行った。下記の生成物の収量は2gであった:
計算値:C69.04;H6.52;N16.77
実測値:C68.60;H6.50;N16.30
36.6gのB1.6を250mLのN-メチルピロリジノン(NMP)に溶解した溶液と、15.9gのアクリル酸塩化物を36mLのNMPに溶解した溶液とを合わせ、70℃にまで加熱し、1時間撹拌した。反応混合物を、92gの炭酸ナトリウムを3,700mLの水に溶解した溶液に加え、混合物を30分間撹拌した。沈殿物を濾過し、乾燥した。精製をシクロペンタノンにおけるシリカゲルでのクロマトグラフィによって行った。下記の生成物の収量は9gであった:
元素分析:C27H29N5O3 (471.56)
計算値:68.77;H6.20;N14.85
実測値:68.20;H6.20;N14.00
a)ジアゾ化
最初に、400mLの水および70.5gの4-フルオロアニリンを反応槽に60℃で導入した。40mLの37%濃度塩酸をこの懸濁物に加え、混合物を、溶解が完了するまで撹拌した。溶液を0℃に冷却し、460mLの37%濃度塩酸をゆっくり加えた。4-フルオロアニリンの塩酸塩がペーストの形態で沈降した。161gの亜硝酸ナトリウム溶液(水中30%濃度)を、0℃〜5℃の温度を維持しながら45分かけて滴加した。続いて混合物を0℃〜5℃で2時間撹拌した。透明な溶液が形成された。
最初に、178mLの亜硫酸水素ナトリウム溶液(37%濃度)および70mLのホルムアルデヒド溶液(37%濃度)を反応槽に60℃で導入した。59.6gのアニリンをこの温度で加え、続いて混合物を2時間撹拌した。次に、反応混合物を撹拌装置に移した。2,000mLの水を反応混合物に加え、続いて混合物を再び60℃で30分間撹拌した。無色透明の溶液が形成された。これを外部冷却によって10℃〜15℃に冷却した。
上記のジアゾニウム塩溶液を計量漏斗に移した。ジアゾニウム塩溶液を、10℃〜20℃の温度を維持しながら上記カップリング成分の溶液にゆっくり加えた。ジアゾニウム塩溶液を加えている間、約2,500mLの水酸化ナトリウム溶液(10%濃度)を、pHを5〜6の間で保つためにゆっくり滴加した。続いて反応混合物を30分間撹拌した。沈殿物を濾過し、依然として湿ったまま、保護基を切断するために準備した。
依然として湿っているe)からの生成物を2,000mLの水酸化ナトリウム溶液(20%濃度)に加え、混合物を40℃で一晩撹拌した。10〜10.3のpHを得るために、約2.0L〜2.5Lの塩酸を、氷浴により冷却しながらゆっくり加えた。
d)からの粗生成物をトルエンおよび酢酸エチルの混合物(4:1)中で沸騰させた。溶液を濾過して未溶解物質を除き、冷却し、シリカゲルによるカラムに通した。溶媒をロータリーエバポレーターで適切な分画物から除いた。物質を真空中で乾燥した。下記の生成物の収量は23gであった:
1.8と同様にして、合成を、75gの4-シアノアニリンをジアゾ化成分として用いて行った。粗生成物を750mLのジオキサン中で沸騰させた。溶液を濾過して未溶解物質を除き、冷却し、高さが10cm〜15cmのAl2O3カラムに通した。溶媒を、ロータリーエバポレーターを使用して、通過した溶液から除いた。物質を真空中で乾燥した。下記の生成物の収量は97gであった:
元素分析:C13H10N4 (222.25)
計算値:C70.26;H4.54;N25.21
実測値:C70.30;H4.40;N24.40
1.8と同様にして、合成を行った。この場合、75gの4-シアノアニリンをジアゾ化成分として使用し、68gのo-トルイジンをカップリング成分のために使用した。下記の生成物の収量は110gであった:
9.0gのB1.8から、下記の生成物:
計算値:C67.11;H4.96;F4.25;N9.39
実測値:C67.00;H4.90;F4.40;N9.50
64gのB1.8から、下記の生成物:
100mLのジオキサン中11gのアクリル酸塩化物を、10gのN-メチル-N-(2-メチルアミノ-エチル)アニリンを30mLのジオキサンに溶解した溶液に加え、混合物を90℃で24時間撹拌し、冷却した。溶媒をロータリーエバポレーターで反応混合物から除いた。精製をトルエン/酢酸エチル(1:2)によるシリカゲルでのクロマトグラフィによって行った。下記の生成物の収量は5.5gであった:
5.4gのB1.10を、加熱しながら40mLの氷酢酸および15mLの塩酸(37%濃度)に溶解し、溶液を0℃に冷却した。9gの亜硝酸ナトリウム溶液(水中30%濃度)を、0℃〜5℃の温度を維持しながら滴加した。続いて混合物を0℃〜5℃で1時間撹拌した。
元素分析:C27H27N7O (465.56)
計算値:C69.66;H5.85;N21.06
実測値:C68.00;H5.90;N19.90
2.1
15.0gのモノマーB1.12を140mLのN,N-ジメチルホルアミド(DMF)に70℃で溶解した。モノマーが溶解した後、装置にアルゴンをさらに30分間流し、その後、5.0mLのDMF中の0.75gの2,2'-アゾイソ酪酸ジニトリルを加え、この混合物をアルゴン流のもとで2日間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、ひだ付きろ紙で濾過した。DMFをロータリーエバポレーターで溶液から完全に除いた。残渣を、100mLのメタノール中、30分間、還流下で沸騰させた。その後、メタノール溶液を捨て、沈殿物から除いた。この操作をさらに2回繰り返した。下記の最終生成物:
5gのモノマーB1.3と、0.45gまたは0.7gのN,N-ジメチルアクリルアミドとの混合物から、下記のコポリマー:
3.1
15.0gのポリマーB2.1を100mLのシクロペンタノンに70℃で溶解した。溶液を室温に冷却し、0.45μmのTeflonフィルターで濾過し、次いで、0.2μmのTeflonフィルターで濾過した。溶液は室温で安定なままであった。この溶液を、ポリマーB2.1を様々な表面(例えば、ポリマー表面および金属蒸着ポリマーの表面など)に適用するために使用した。
実施例3.1と同様にして、15.0gのポリマーB2.2を100mLのシクロペンタノンに溶解した溶液を調製した。
実施例3.1と同様にして、15.0gのポリマーB2.3を100mLのシクロペンタノンに溶解した溶液を調製した。
実施例3.1と同様にして、15.0gのポリマーB2.4を100mLのシクロペンタノンに溶解した溶液を調製した。
実施例3.1と同様にして、15.0gのポリマーB2.5を100mLのシクロペンタノンに溶解した溶液を調製した。
実施例3.1と同様にして、15.0gのポリマーB2.6を100mLのシクロペンタノンに溶解した溶液を調製した。
実施例3.1と同様にして、15.0gのポリマーB2.9を100mLのシクロペンタノンに溶解した溶液を調製した。
15.0gのポリマーB2.1を35wt%のシクロペンタノンおよび65wt%の2-メトキシエタノールの混合物の100mLに70℃で溶解した。溶液を室温に冷却し、0.45μmのTeflonフィルターで濾過し、次いで、0.2μmのTeflonフィルターで濾過した。溶液は室温で安定なままであった。この溶液を、ポリマーB2.1を様々な表面(例えば、ポリマー表面および金属蒸着ポリマーの表面など)に適用するために使用した。
実施例3.8と同様にして、15.0gのポリマーB2.6を35wt%のシクロペンタノンおよび65wt%の2-メトキシエタノールの混合物の100mLに溶解した溶液を調製した。
15.0gのポリマーB2.4を100mLの2,2,3,3-テトラフルオロプロパノール(TFP)に100℃で溶解した。この溶液は80℃まで安定なままであり、さらに冷却すると、ポリマーが析出した。ポリメタクリラートに基づく類似ポリマー(B2.2)はTFPに溶解しなかった。
15.0gのポリマーB2.4を100mLの2,2,3,3-テトラフルオロプロパノール(TFP)に100℃で溶解した。この溶液は90℃まで安定なままであり、さらに冷却すると、ポリマーが析出した。ポリメタクリラートに基づく類似ポリマーはTFPに溶解しなかった。
15.0gのポリマーB2.7.1を100mLの2,2,3,3-テトラフルオロプロパノール(TFP)に70℃で溶解した。溶液を40℃に冷却し、0.45μmのTeflonフィルターで濾過し、次いで、0.2μmのTeflonフィルターで濾過した。溶液は室温で数時間安定なままであった。この溶液を、ポリマーB2.7.1を様々な表面(例えば、ポリマー表面および金属蒸着ポリマーの表面など)に適用するために使用した。比較的長時間にわたって放置すると、室温でゲルが形成したが、これは、加熱すると、再び溶解することができた。
15.0gのポリマーB2.7.2を100mLの2,2,3,3-テトラフルオロプロパノール(TFP)に70℃で溶解した。溶液を室温に冷却し、0.45μmのTeflonフィルターで濾過し、次いで、0.2μmのTeflonフィルターで濾過した。溶液は室温で安定なままであった。この溶液を、ポリマーB2.7.2を様々な表面(例えば、ポリマー表面および金属蒸着ポリマーの表面など)に適用するために使用した。
実施例3.13と同様にして、15.0gのポリマーB2.10を100mLの2,2,3,3-テトラフルオロプロパノール(TFP)に溶解した溶液を調製した。
4.1 ガラス基板のコーティング
厚さ1mmのガラス基板のコーティングをスピンコーティングにより行った。「Karl Suess CT60」スピンコーターを使用した。正方形のガラスキャリア(26 x 26mm)を装置の回転台に固定し、溶液3.1で覆い、一定の時間、回転させた。装置の回転プログラム(加速度、回転速度および回転時間)に依存して、厚さが0.2μm〜2.0μmである光学品質の透明非晶質被膜が得られた。溶媒の残渣を、被覆されたガラスキャリアを真空キャビネットに室温で24時間貯蔵することによって被膜から除いた。
ポリカーボネートフィルム(PCフィルム、例えば、Bayer MaterialScienceから得られるMakrofol(登録商標))の直接コーティングが今や、ある種の溶媒から可能である。溶媒はポリカーボネート(PC)を表面的に溶解してはならず、また、フィルムの表面をこのように損なってはならない。2,2,3,3-テトラフルオロプロパノール(TFP)をそのような溶媒として使用した。TFPに可溶性であるフォトアドレス可能なポリマーのみがポリカーボネートの直接コーティングのために使用可能である。
4.3.1 PCフィルムの金属蒸着
銀を反射層として使用し、マグネトロンスパッタリングによって適用した。コーティング中のAr圧は5 x 10-3mbarであった。スパッタリングを1.3W/cm2の出力密度により行った。層の厚さを、Alphastep 500機械的表面形状測定装置(Tencor)を用いて測定した。厚さを100nm〜400nmの間に調節した。
ポリカーボネートフィルム上の金属被膜(その厚さは50nm〜300nmの間である)は実際に、光学的記憶またはホログラフィック記憶には十分であるが、攻撃的な溶媒に対する十分なバリア機能を有しない鏡面特性を提供する。例えば、シクロペンタノンは、これらの金属被膜における無数の微小欠陥を通じてポリカーボネートを攻撃し、これにより、記憶層の光学的特性における顕著な低下をもたらす。このような場合、2,2,3,3-テトラフルオロプロパノール(TFP)における溶液のみを用いた。コーティングをPCフィルムの金属蒸着表面に対して実施例B4.1と同様に行った。
TFPには溶解しないが、シクロペンタノンまたはシクロペンタノン含有混合物のみに溶解する、ポリメタクリラートに基づくフォトアドレス可能なポリマーを、薄く金属蒸着されたポリカーボネートフィルムに適用することができるようにするために、金属蒸着には、そのような溶媒に対して抵抗性である、薄い、いわゆるポリマーバリア層が予め被覆されなければならない。このバリア層は、光学的な記憶過程および読み取り過程を妨害しないために、光学的に透明でなければならず、また、複屈折を有してはならない。水素化ポリスチレンおよび水素化ポリスチレン/ポリイソプレンコポリマー(米国特許第6492468号)はこれらの特性を有する。
金属層が300nmよりも厚い金属蒸着PCフィルムは、攻撃性溶媒(例えば、シクロペンタノンなど)からフォトアドレス可能なポリマーにより直接コーティングすることが可能である。
4.4.1 PSU側へのPC/PSUフィルムの金属蒸着
金属蒸着を実施例4.3.1に従って行った。
フィルムのポリスルホン側またはフィルムの金属蒸着されたポリスルホン側を、実施例B4.2と同様に、スピンコーティングによって溶液B3.1〜溶液B3.7からフォトアドレス可能なポリマーにより被覆した。
銀層が金属蒸着された厚さが750μmのポリカーボネートフィルムをポリマーB2.7.2により被覆した。ポリマー150g/1,000mL溶媒の濃度を有する溶液B3.13の厚さ50μmの層をナイフコーティングによって金属蒸着フィルムに均一に塗布した。真空中で乾燥した後、厚さが4.07μmである被膜が生じた。溶液を70g/1,000mLに希釈すると、厚さが1.65μmである被膜が生じた。さらに希釈すると、下記の層厚が得られた:60g/1,000mL、1.50μmの層厚;50g/1,000mL、1.08μmの層厚;30g/1,000mL、0.53μmの層厚。
フォトアドレス可能なポリマーが実施例4に従って被覆されたプラスチックのフィルムに、PAP側、および、場合によりさらにプラスチックのフィルム側において、様々なフィルムを被覆または塗布した。これらの被膜/フィルムは、機械的抵抗性を改善し、情報層を機械的影響および他の影響(熱、光、水分)から保護する。層は、真空コーティング、ラッカー塗りまたは積層化によって適用することができる。
酸化ケイ素被膜を外側の保護層として適用した。直径が約200nmであるSiO2粒子を、電子ビーム気化器によって、実施例4.2からのフィルムのPAP層における透明保護層として堆積した。この手法での電子ビームの出力は1.5kWであり、プロセスを5×10-7mbarの圧力の高真空下で行った。
UV硬化性ラッカーの層を実施例5.1からの酸化ケイ素被膜にさらに適用した。ラッカー層を、DVD接着剤「DAICURE CLEAR SD-645」(DIC Europe GmbH)の形態で実施例4.2と同様にスピンコーティングすることによって塗布し、UV光(90ワット;312nm)を照射することによって硬化させた。スピンコーターの回転プログラム(加速度、回転速度および回転時間)の適切な調節によって、光学特性を有する厚さが50μmの透明非晶質被膜が得られた。被膜は、スピンコーターの回転プログラムに依存して、1μm〜100μmの厚さに調節することができる。
実施例4.4に従って作製されたPAP被覆の同時押し出しフィルム(PC/PSUフィルム)に、構造化ポリカーボネートフィルムまたは平滑ポリカーボネートフィルムを、Buerkle 製油圧式熱間プレス機(タイプLA62)で重ね合わせた(PAP層がポリカーボネートフィルムによって覆われる)。積層化を、2つの研磨された高規格スチール製プレート(鏡面シート金属)と、圧力補正ベッド(プレスクッション)との間で行った。積層化パラメータ(温度、時間、圧力)を調節して、PAP被膜が目に見える損傷を全くを示さないように、かつ、カードブランク(card blank)が平坦度の欠陥を全く示さないようにした。
はめ込み部:PC/PSU/Al/PAP* 約250μm
白色ポリカーボネートフィルム 約500μm
(*はめ込み部のサイズはカードにおける磁気ストリップのサイズに匹敵する)
PC/PSU/Alのサンプルを、蒸着側を鏡面シート金属に向けて、単使用構成(1回の積層プロセスについて1つの層)で油圧式熱間プレス機(製造会社Buerkle)に置いた。積層化を、2つの研磨された高規格スチール製プレートと、圧力補正ベッド(プレスクッション)との間で行った。積層化パラメータ(温度、時間、圧力)を調節して、アルミニウム被膜が目に見える損傷を全く示さないように、かつ、カードブランクが平坦度の欠陥を全く示さないようにした。
ポリカーボネートフィルム、白色透明、約500μm
ホログラフィ露光期間中の時間に関しての回折効率の経過を、様々な偏光状態について、構造(B2.2)のフォトアドレス可能なポリマー(PAP)に対して求めた。いわゆるホログラフィ成長曲線を、達成された回折効率に関して評価し、また、最大の効率を達成することができる偏光状態を求めた。
はめ込み部:PC/PSU/水素化ポリスチレン/PAP 約250μm
ポリカーボネートフィルム 約500μm
生じたホログラフィック格子は、光の偏光に依存して異なる挙動を示した。試験した偏光のすべてがホログラフィック回折をもたらした。反時計回りの円偏光が、最も大きい回折効率を生じさせたので、好ましい。
実施例6に従った試料をPAP B2.1〜B2.10に基づいて作製した。この方法で作製された試料に、偏光したレーザー光をポリマー側から垂直の入射角で照射した(書き込み操作)。532nmの波長を有するVerdiレーザー(Coherent)を光源として使用した。このレーザーの強度は1,000mW/cm2であった。トランス-シス-トランスの異性化サイクルがポリマーの側鎖基分子において誘導され、これにより、レーザーの偏光方向から離れる分子の正味の配向が形成された。これらの分子動力学は、巨視的には、ポリマーフィルムの面での発現する複屈折Δn = ny - nxにおいて現れた。レーザー光の偏光方向における屈折率(nx)がこのプロセス中に低下し、一方、偏光方向に対して直交する屈折率(ny)が増大した。この動力学は、与えられた露光パラメータにおいて数分の範囲で進行した。
複屈折Δnは、最初の露光の期間中、単調に増加した。試料を書き込みレーザーからの光に2分間さらした後、最初の書き込み操作を完了した。生じた位相シフトΔφ=2πΔnd/λはこの操作期間中および次回の書き込み操作期間中においてΔφ=πの値を超えない。ポリマー層の複屈折nは事実上、2分後、Δn=0.213±0.002の最大値に達していた。
本発明のポリマーは減衰せず、これは、複屈折における連続的低下から読み取られる。
Claims (7)
- 下記層構造を有してなる複合フィルム:
a)式(I)の化合物に基づく構造単位を有するフォトアドレス可能な有機ポリマーの記憶層:
R1及びR2は、相互に独立に、水素原子又は非イオン性置換基を表す。
m及びnは、相互に独立に、0〜4の整数、好ましくは0〜2の整数を表す。
X1及びX2は、X1'-R3又はX2'-R4
(ここで、X1'及びX2'は、直接結合、-O-、-S-、-(N-R5)-、-C(R6R7)-、-(C=O)-、-(CO-O)-、-(CO-NR5)-、-(SO2)-、-(SO2-O)-、-(SO2-NR5)-、-(C=NR8)-、-(CNR8-NR5)- 又は -N=N-を表す。
R3、R4、R5及びR6は、相互に独立に、水素原子、C1〜C20-アルキル基、C3〜C10-シクロアルキル基、C2〜C20-アルケニル基、C6〜C10-アリール、C1〜C20-アルキル-(C=O)-、C3〜C10-シクロアルキル-(C=O)-、C2〜C20-アルケニル-(C=O)-、C6〜C10-アリール-(C=O)-、C1〜C20-アルキル-(SO2)-、C3〜C10-シクロアルキル-(SO2)-、C2〜C20-アルケニル-(SO2)- 又は C6〜C10-アリール-(SO2)-を表す。
R6及びR7は、相互に独立に、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C20-アルキル基、C1〜C20-アルコキシ基、C3〜C10-シクロアルキル基、C2〜C20-アルケニル基又はC6〜C10-アリール基を表す。
あるいは、X1'-R3 及び X2'-R4は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、CF3又はCCl3を表す。)
を表す。]、
b)所望により、透明バリア層、
c)場合により、反射層、
d)場合により、接着層、
e)基材層。 - 記憶層a)中のフォトアドレス可能な有機ポリマーは、式(II)の化合物に基づく構造単位を有する、請求項1に記載の複合フィルム:
X2、R1、R2、m、n 及び X1' は、請求項1で与えられた意味を有する。
Rは、水素原子又はメチル基を表す。
Q1は、-O-、-S-、-(N-R5)-、-C(R6R7)-、-(C=O)-. -(CO-O)-、-(CO-NR5)-、-(SO2)-、-(SO2-O)-、-(SO2-NR5)-、-(C=NR8)-、-(CNR8-NR5)-、-(CH2)p-、p-又はm-C6H4-、若しくは、式:
i は、0〜4の整数を表し、i が1より大きい場合、各Q1 は、異なる意味を有し得る。
T1は、-(CH2)p-(ここで、連鎖は、-O-、-NR9- 又は -OSiR10 2O- により中断されていてよい。)を表す。
S1は、直接結合、-O-、-S- 又は -NR9-を表す。
pは、2〜12の整数、好ましくは、2〜8の整数、特に、2〜4の整数を表す。
R9は、水素原子、メチル基、エチル基又はプロピル基を表す。
R10は、メチル基又はエチル基を表す。
R5 〜 R8 は、請求項1で与えられ意味を有する。]。 - I)1つ又はそれ以上の、透明、低複屈折性、非散乱性の無定形カバー層、
II)請求項1〜3のいずれかに記載の複合フィルム、
III)所望により、プラスチックフィルム、プラスチックの複合フィルム又はプラスチックの基材の少なくとも1つの形状である、プラスチックのキャリア
を含んでなる、光学的書き込み、恒久的記憶、光学的読み出し、光学的書換、及び記憶層中の情報の消し込み又は上書きに対する保護を確実にする、光学データ記憶媒体。 - A)フォトアドレス可能なポリマーを、溶媒に溶解し、
B)溶液を、基材、若しくは存在するなら透明バリア層又は反射層に適用し、
C)溶媒を蒸発させ、複合フィルムを乾燥する
請求項1〜3のいずれかに記載の複合フィルムの製造方法。 - i)透明トップ層を、請求項5に記載の方法により製造された複合フィルムの記憶層側に適用し、
ii)所望により、プラスチックのキャリアを、複合フィルムの他の側(基材側)に適用する
請求項4に記載の光学データ記憶媒体の製造方法。 - 記憶カード、スマートカード、身分証明書、文書、記憶機能を有するラベル又は記憶機能を有するプラカードとしての、請求項4に記載の光学データ記憶媒体の使用。
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