JP2009503018A - フタロジニトリルの連続的な水素化によってキシリレンジアミンを製造する方法 - Google Patents

フタロジニトリルの連続的な水素化によってキシリレンジアミンを製造する方法 Download PDF

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Abstract

反応器中で液体アンモニアの存在において不均一系触媒によりフタロジニトリルを連続的に水素化することによってキシリレンジアミンを製造する方法であって、その際、反応器流出物の一部を液体循環流として連続的に反応器入口に返送する(循環運転方式)製造法において、混合装置を用いてフタロジニトリルを溶融物としてまたは固体の形で、液体アンモニアの流(流a)および少なくとも部分流として水素化反応器の周りの循環流から取り出されるさらに他の流(流b)、または流aおよびbからの混合物と混合しかつ結果生じる液体混合物を水素化反応器中に送り込むことを特徴とする、反応器中で液体アンモニアの存在において不均一系触媒によりフタロジニトリルを連続的に水素化することによってキシリレンジアミンを製造する方法。

Description

本発明は、反応器中で液体アンモニアの存在において不均一系触媒によりフタロジニトリルを連続的に水素化することによってキシリレンジアミンを製造する方法に関する。
キシリレンジアミン(ビス(アミノメチル)ベンゼン)は有用な出発物質であり、例えばポリアミド、エポキシ硬化剤の合成のための、またはイソシアネートを製造するための中間体としての出発物質である。
"キシリレンジアミン"(XDA)という名称は、3つの異性体オルト−キシリレンジアミン、メタ−キシリレンジアミン(MXDA)およびパラ−キシリレンジアミンを包含する。
"フタロジニトリル"(PDN)という概念は、3つの異性体1,2−ジシアンベンゼン=o−フタロジニトリル、1,3−ジシアンベンゼン=イソフタロジニトリル=IPDNおよび1,4−ジシアンベンゼン=テレフタロジニトリルを包含する。
フタロジニトリルは固体であり(例えばイソフタロジニトリル(IPDN)は161℃で溶融する)かつ有機溶媒中で比較的乏しい溶解度を有する。
キシレンのアンモ酸化および得られたフタロジニトリルの引き続く水素化によるキシリレンジアミンの2段階の合成が公知である。
未反応のジニトリルはXDAから非常に困難な形でしか蒸留により分離されえない。
US−A−4,482,741(UOP Inc)は、アンモニア、特殊な触媒およびXDAの溶媒としての存在におけるPDNの水素化を記載する。
MXDA中では、IPDNの溶解度は70℃で約20質量%である。
EP−A2−1193247およびEP−A1−1279661(いずれもMitsubishi Gas Chem.Comp)は、イソフタロジニトリル(IPDN)の精製法もしくは純粋なXDAの製造法に関する。
EP−A2−1193244(Mitsubishi Gas Chem.Comp)は、先の段階においてキシレンのアンモ酸化によって合成されるフタロジニトリルの水素化によるXDAの製造法を記載し、その際、アンモ酸化段階の蒸気状生成物は液体の有機溶媒と直接的に接触させられ(急冷(Quench))かつ得られた急冷溶液または急冷懸濁液は水素化に供給される。
有利な有機溶媒はC〜C12芳香族炭化水素、例えばキシレンおよびプソイドクメンである(第6段、第[0027]段落および第[0028]段落)。
US−A−3,069,469(California Research Corp)は、芳香族ニトリル、例えばPDNの水素化のための溶媒として、芳香族炭化水素、キシレン、ジオキサンおよび脂肪族アルコールを教示する。
EP−A−2164169(Mitsubishi Gas Chemical Co.Inc)は、第6頁、最終段落で、溶媒としてのアンモニア中でのNi触媒および/またはCo触媒の存在におけるIPDNからメタ−XDAへの水素化を記載する。
GB−A−852,972(同等:DE−A−1119285)(BASF AG)は、PDNの水素化における溶媒としてのアンモニアおよびXDAの使用を開示する。固体のPDNから出発する出発材料の溶液の製造は、別工程において切り離された容器中で行われる(第2頁、第119行目〜第120行目を参照のこと)。
JP−A−2003−327563(Mitsubishi Gas Chem.Co.Inc)は、1〜10質量%の溶液として使用される芳香族ジニトリルの固定床水素化法に関する。
そのつど6つの特許出願WO−A−05/028417、WO−A−05/026102、WO−A−05/026103、WO−A−05/026104、WO−A−05/026100およびWO−A−05/026101(BASF AG)は、XDAの製造法に関する。
フタロジニトリルの違った製造法の場合、これは固体としてまたは溶媒、例えばプソイドクメン中に溶解されて、または溶融物として生じる。通常、固体の取り扱いは難しくかつ手間がかかる。溶媒、例えばo−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、プソイドクメン、メシチレン、エチルベンゼンまたはメチルピリジン中でのフタロジニトリルの溶解度が低いことから、溶媒中でのさらなる処理には非常に大きい溶媒量が必要とされ、それらは一般に水素化後に蒸留により分離されなければならなく、このことから−大きい流量に相応して−大きい装置および高いエネルギー消費が必要とされる。代替的に、引き続く蒸留による水を用いたPDNの抽出が可能である。ここでもエネルギー消費は大きい。それというのも水は留去されかつ溶媒は−少なくとも部分流において−再生されなければならないからである。
WO−A−05/026098(BASF AG)は、反応器流出物(Reaktoraustrag)の一部が液体循環流として連続的に反応器入口に返送され(循環運転方式(Kreislauffahrweise))、その中で混合装置を用いてフタロジニトリルの溶融物の流が液体で水素化反応器の周りの循環流中に送り込まれ、その際、反応器中のフタロジニトリルの転化率は一回通過した場合に99%より大きく、かつ循環流は93質量%より大きい値で液体アンモニアとキシリレンジアミンとからなりかつフタロジニトリルのためのさらに他の溶媒を含有しない、反応器中で液体アンモニアの存在において不均一系触媒によりフタロジニトリルを連続的に水素化することによってXDAを製造する方法に関する。
WO−A−05/026099(BASF AG)は、混合装置を用いてフタロジニトリル溶融物の流が液体で液体アンモニアの流と混合されかつ液体混合物が水素化反応器中に送り込まれる、反応器中で液体アンモニアの存在において不均一系触媒によりPDNを連続的に水素化することによってXDAを製造する方法に関する。
融点が高いことから、フタロジニトリルは溶融された形において困難にしかかつ保護加熱(Schutzbeheizung)のための多大な費用の下でしか取り扱われえない。上記のWO−A−05/026098に記載の方法様式において必要とされるように、高圧に逆らって運搬するために、特殊なポンプ、例えば加熱可能な高圧膜ポンプが使用されるが、それは一方では非常に故障を起こしやすくかつ他方では非常に高価である。WO−A−05/026098に記載の方法はしかし、比較的に少量の液体アンモニアしか後処理される必要がなく、すなわち後処理のための反応段階から反応生成物のキシリレンジアミンとともに排出される量しか後処理される必要がないという利点を有する。反応器中のアンモニア量は、相応して選択された大きさの循環路を用いて、新鮮なアンモニア流が小さいにも関わらず反応が最適な条件下で進行しうるように選択されうる(例えば使用されるフタロジニトリル1モル当たりのモルにおけるNHの量)。
それに対して上記のWO−A−05/026099に類似する方法様式の場合、フタロジニトリル溶融物の運搬のためには、明らかにより低い圧力、例えば20〜40barで運転される混合容器中に溶融物を運搬しなければならない単に加熱可能なポンプしか必要とされない。例えばこのために、低コストのおよびほとんど故障を起こさない多段階の遠心ポンプが使用されうる。たしかに反応器圧力(例えば200bar)で溶液を運搬するためには付加的なポンプが必要とされるが、しかしながらアンモニア中でのフタロジニトリルの溶液の取り扱いは明らかにより簡単となりかつ保護加熱の要求は著しく低くなる。相応して、より低い運転温度でもより故障が起こりにくいより高価ではないポンプが使用されうる。殊に停止または運転故障に際して、例えばまた他の装置部分においても、溶液は溶融物より良好に取り扱われうる。しかしながら、アンモニア中でのフタロジニトリルの溶解度は限られておりかつ温度に依存するという欠点が存在する。低い温度の場合、アンモニア中での達成可能なフタロジニトリル濃度は小さいが、しかし溶解容器は低い温度でも運転されえ、これに付随してまた相応してメルトポンプの要求が低くなる。しかしまた、それにより大量のアンモニアがフタロジニトリルの水素化後に加圧蒸留によって再び後処理されかつ取得し戻されなければならない。溶解容器中の温度が上昇する場合、より大きいフタロジニトリル濃度が調整されえ、かつ相応してより少ないアンモニアが処理されなければならない。他方では、それにより溶解容器中の圧力が上昇しかつメルトポンプおよび保護加熱のための要求は増す。装置、機械および設備はより高価になり、かつより故障を起こしやすくなる。
本発明に基づく課題は、WO−A−05/026098およびWO−A−05/026099に類似する2つの描写された方法変法の利点を可能な限り兼ね備えかつ欠点を抑制する、フタロジニトリルを溶解する改善された溶解法を見つけ出すことであった。
それに従って反応器中で液体アンモニアの存在において不均一系触媒によりフタロジニトリルを連続的に水素化することによってキシリレンジアミンを製造する方法であって、その際、反応器流出物の一部を液体循環流として連続的に反応器入口に返送する(循環運転方式)、反応器中で液体アンモニアの存在において不均一系触媒によりフタロジニトリルを連続的に水素化することによってキシリレンジアミンを製造する方法において、混合装置を用いてフタロジニトリルを溶融物としてまたは固体の形で
液体アンモニアの流(流a)および
少なくとも部分流として水素化反応器の周りの循環流から取り出されるさらに他の流(流b)、
または流およびbからの混合物と混合しかつ結果生じる液体混合物を水素化反応器に送り込むことを特徴とする、反応器中で液体アンモニアの存在において不均一系触媒によりフタロジニトリルを連続的に水素化することによってキシリレンジアミンを製造する方法が見つかった。
本発明による方法の特別な一実施態様において、水素化反応器として、例えば個々の水素化反応器の代わりに水素化反応器カスケードが使用される。
反応器カスケードは、2,3,4つのまたはそれを上回る連続して接続された水素化反応器である。循環運転方式に従って(例えば最後の反応器の)反応器流出物の一部は、液体循環流として連続的に(例えば最初の反応器の)反応器入口に返送される。
有利には混合装置は、反応器中の圧力より小さい圧力で運転される。
従って反応器の周りの循環流(例えば図3の中の流[11])は、少なくとも部分的に直接的には(例えば図3の中の流[12]として)反応器に返送されず、間接的に(図3の中の流[13]として)混合装置を介して返送される。反応器循環流は、実際には完全に転化させられかつ有利にはさらに他の溶媒は使用されないので、キシリレンジアミン、アンモニアおよび場合により副生成物もしくは副成分の揮発性混合物からなる。
有利には本発明による方法は、殊に先の段階においてメタ−キシレンのアンモ酸化によって合成されたイソフタロジニトリル(IPDN)の水素化によってメタ−キシリレンジアミン(MXDA)を製造するために用いられる。
溶融されたフタロジニトリルは、例えばアンモ酸化に後接続された急冷、蒸発段階または蒸留塔から生じ、その際、フタロジニトリルは、例えばWO−A−05/026103(BASF AG)において記載されるように、例えばそのつど溶融物としてこれらの熱分離装置の塔底部(または側方排出部)を介して分離される。
代替的に本発明による方法において、溶融された、まず先に固体として存在するPDNも使用されうる。溶融は、例えば押出機を用いて行われうる。
さらに他の一可能性は、例えば粉末、フレークまたはペレットの形で存在する固体のフタロジニトリルを、連続的に、不連続的にまたは半連続的に、混合容器(例えば攪拌容器)、攪拌槽またはその他の混合装置中で、アンモニア(流a)および反応器循環路からの部分流または全体流(流b)からの2つの他の流と混合しかつその際に溶解するという点にある。
液体アンモニアおよび実際にはキシリレンジアミンとアンモニアとからなる反応器循環路の部分流中へ溶融物または固体としてのPDNを計量供給する利点は、フタロジニトリルがすでに混合直後に希釈されかつ明らかに120℃を下回る温度で存在し、そうしてニトリルと生成物との間の不所望の反応がほぼ抑えられるということである。さらに、反応器圧力より小さい圧力で溶融物の計量供給が行われえ、それによって費用のかからないメルトポンプが使用されうる。次いで溶液は引き続き、所望された反応器圧力に圧縮されうる。反応器循環路の部分流の使用によって、その中に含有されたアンモニアは前もって後処理されることなく新たにフタロジニトリルの溶解のために使用されうる。従って反応に最適なフタロジニトリルとアンモニアとの比が調整されうる。アンモニアの極めて大きい流が従って循環させられ、かつ反応生成物とともに後処理のために送り込まれる(例えば図3の中の流[16])小さい量のアンモニアしか加圧蒸留によって後処理される必要がない。低い温度でフタロジニトリルを溶解するための新鮮なまたは後処理されたアンモニアの付加的な量は必要ではない。従って可能であるのは、低い温度でフタロジニトリルの溶解を実施することおよび同時に最小量のアンモニアしか処理する必要がないことである。使用されるべき機械および装置の要求は提案された基準に相応し、それによって装置費および維持費は小さく保たれうる。
2つの液体流aおよびbへのフタロジニトリルの送り込みおよび溶解には、混合装置、有利には混合ノズルまたは混合容器が必要とされる。その際、アンモニア(流a)およびアンモニアとキシリレンジアミンの混合物(流b)からの流をまず混合し、次いでPDN、例えばIPDNをこの混合物中で溶解することが可能である。しかしまた3つの流を同時にかつ分離して混合装置に供給することも可能である。
混合ノズルは、最も簡単なケースにおいてはT形管路によって実現されうる。有利には、ノズル口は先細になった先端部を有する。
混合ノズルが使用される場合、2つ以上の流が分離して供給されかつ引き続く管内で行き渡る乱流に基づき混合されかつ均質化される。有利には、付加的にスタティックミキサーが後接続されうる。しかしながら溶媒中で(固体または液体の)フタロジニトリルを溶解するためにおよそ攪拌槽のような付加的な装置は必要とされない。
有利には、混合装置はフタロジニトリルを流aおよびbへ供給する箇所が、使用されるフタロジニトリルの融点を1〜60℃の範囲で、とりわけ5〜40℃の範囲でおよび殊に7〜25℃の範囲で上回る温度に加熱される。
有利には、PDNの供給は実際には15barから反応器圧力の間の絶対圧で行われる。最小圧力は、混合および調整される混合温度に際して蒸発が生じずに混合物が液体で留まるとりわけ有利な限界条件からもたらされる。従ってそれは混合されるべき成分の出発温度および量比に依存する。低い圧力での、例えば25〜40barの範囲における混合は、メルトポンプが明らかにより高い反応器圧力のために設計される必要がなくなるという利点を供給する。しかしながらこのケースにおいては、アンモニア中のPDNの溶液はなお−構造的により簡単な−高圧ポンプを用いて反応器圧力に圧縮されなければならない。
とりわけ有利には、混合装置としての混合ノズルを用いて液体フタロジニトリルは流aおよびbに注入される。
混合ノズルの有利な一実施態様は、添付される図1の中で示されている。混合ノズルの加熱は、例えば蒸気、熱媒体油を用いてまたは電気的にも行ってよい。
液体アンモニアの供給は、例えば図2の中で示されるように1つ以上のラジアルまたはタンジェンシャルに取り付けられた口管を介して行ってよい。
重要なのは局所的に高い流速度(高いパルス流および乱流)であり、そうして迅速な混合(均質化)が行われる。層流の場合、物質交換は均質化のために十分ではなくかつ流は不十分にしか混合されない(シュリーレンの形成(Schlierenbildung))。
適切な混合ノズルは、例えばUllmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, 第5版, 第B4巻, 第565頁〜第569頁において記載されている。
さらに他のとりわけ有利な混合装置は、例えば図3の中で示されるような循環流を有する混合容器である。
PDNの溶融物(流[1]、図3)は、他の流と分離されて容器B 150に供給される。液体アンモニア(流[2])、水素化反応器の周りの循環流からの部分流(流[13])および混合容器の周りの循環流(流[4])は、分離してまたは、一つにまとめておよび一緒に混合容器B 150に供給してよい。代替的に、図3の中で示されるようにアンモニア(流[2])は分離されて、かつ流[4]および[13]は一つにまとめられて容器B 150に送り込まれる。種々の供給流は、例えばそのつどノズルを用いて吹き付け(噴霧)してよく、または他の方法では合一および混合してもよい。混合容器中の乱流の改善のために流[4]の部分流を分岐させ、かつ混合ノズルを介して容器に送り込んでもよい(流[4a])。
その際、各々の流のために1つまたはそれより多いノズルも使用してよい。液体アンモニアも同様に噴霧してよい。混合容器の周りの循環流(流[4])が省かれる場合、溶液に代わってアンモニアが噴霧される。循環流もしくは液体アンモニアからの溶液は、その際、有利には、ガス室の大部分がカバーされるように噴霧される。殊に溶液もしくはアンモニアは全体の横断面を介して噴霧され、そうして溶液の一部もしくは液体アンモニアの一部は容器壁を流れ落ちかつ液体膜を形成する。固体付着物はそのようにして回避される。PDNも同様に噴霧されるが、しかしながら有利には、本質的に溶液噴霧コーンもしくはアンモニア噴霧コーン内に存在するより狭い噴霧コーン内で噴霧される。例えばそれは有利には、PDNノズルが中心に取り付けられかつ例えば溶液もしくはアンモニアのための3つ以上のノズルがその周りに配置されていることによって実現されうる。PDNの小滴は混ざり合いかつ自発的にアンモニアもしくは溶液中に溶解する。混合物はポンプP 150により混合容器から運搬され、かつ熱伝達媒体(Waermeuebertraeger)W 150において所望された温度に調整されうる。個々の部分流の混合比および温度に従って、所望された温度を得るためにW 150において加熱または冷却されなければならない。引き続き、混合物(流[6])はポンプP 160により反応器圧力に圧縮される。
混合物を熱伝達媒体W 150の後に再び混合容器に返送すること(流[4])およびノズルを用いて噴霧することは、熱の排出に基づき有利である。しかしまた循環流も省いてよい。その時、流量[3]は流量[6]に等しくかつ流量[4]は0となる。容器の運転圧力は方法条件に依存し、殊に温度に依存する。新鮮なアンモニア(流[2])、PDNの溶融物(流[1])および反応器循環路からの部分流(流[3])の所定の供給温度の場合、混合容器の周りの循環流の変動および冷却器W 150による循環流の温度の調整によって容器中の混合温度は、ある一定の限度内で、殊にアンモニアとキシリレンジアミンンとからの混合物中での温度に依存しないPDNの溶解度を考慮に入れて選択されうる。それにより、次いでガス室の溶液を介して相応する蒸気圧が調整される。場合によりガス室にはなお不活性ガス、例えば窒素または水素も存在していてよい。水素は流[13]中で溶解されて運び込まれ、かつ混合容器圧力への圧力除去に際して放出される。従って混合容器から必要に応じてオフガス流[17]が排出されうる。有利には、容器B 150の圧力は40bar未満、有利には30bar未満、とりわけ有利には25bar未満であり、そうして費用のかからない装置および機械が使用されうる。次いで高圧ポンプP 160は溶液を水素化のための反応器圧力に圧縮する。次いで流[6]は反応器の周りの残りの循環流(流[12])と、図3の中で示されるように、例えばスタティックミキサーA 200を用いて混合される。完全な流[11](流[13]は流[11]に相当する;流[12]=0)が混合容器に送り込まれる場合、流[6]は直接的に反応器に送り込まれる。
混合容器の代わりに、その温度が二重壁または外部にある循環流を介して熱伝達媒体により調整されうる攪拌槽も使用されうる。
本発明による方法の有利な一実施態様において、アンモニア、フタロジニトリルおよびキシリレンジアミンンとからの結果生じる液体混合物は、水素化反応器の周りの循環流中に送り込まれ、その際、循環流は93質量%を上回って液体アンモニアとキシリレンジアミンンとからなる。
さらに本発明による方法は、有利な一実施態様において、水素化反応器もしくは水素化反応器カスケードに送り込まれる混合物がフタロジニトリルのためのさらに他の溶媒を含有しないことを特徴とする。
水素化反応器中もしくは水素化反応器カスケード中でのフタロジニトリルの転化率は、一回の通過に際して、有利には99%より大きく、とりわけ99.5%より大きく、とりわけ有利には99.9%より大きく、殊に99.95%より大きく、とりわけ有利には99.97%より大きい。水素化反応器中では、それゆえ反応条件(圧力、温度、PDN、NHおよびHのモル比、触媒、流量、反応器中での滞留時間)の相応する調整によって実際には完全な転化率で運転される。
有利には、反応器出口で分岐された、水素化反応器の周りの液体循環流は、94質量%より大きい割合が、殊に95質量%より大きい割合が、とりわけ有利には96質量%より大きい割合が、さらにとりわけ97質量%より大きい割合が液体アンモニアとキシリレンジアミンンとからなる;残りは副成分によって形成される。
水素化反応器もしくは水素化反応器カスケードの周りの液体循環流(循環流)中の副成分は、反応に際して形成された副生成物ならびに溶解されたガスおよびフタロジニトリルとともに送り込まれた副成分、例えば前接続されたPDN−急冷−段階の溶媒残留物(例えばトルニトリル、ベンゾニトリル)であってよく、しかしながら有利には、フタロジニトリルのための、さらに他の溶媒、例えば有機溶媒ではない。
反応器出口で分岐された、水素化反応器もしくは水素化反応器カスケードの周りの循環流は、有利には25〜90質量%、とりわけ30〜70質量%、殊に45〜60質量%の範囲で液体アンモニアを含有する。
循環流として直接的にまたは間接的に、有利には連続的に反応器入口に返送される液体反応器流出物部分(例えば図3および4の中の流[11];または同様に、例えば図3および4の中の流12および13の合計を参照のこと)は全体の液体反応器流出物の、有利には20〜95質量%、とりわけ50〜92質量%、殊に75〜90質量%となる。
新鮮なフタロジニトリルの供給流+アンモニアの供給流(例えば図3および4の中の流[1]および[2]の合計)対水素化反応器の周りの循環流(例えば流3および4の中の流[11])の質量比は、有利には0.05〜5の範囲、とりわけ0.1〜2.0の範囲、殊に0.15〜1.0の範囲にある。
反応温度は、有利には40〜150℃、とりわけ有利には50〜135℃、殊に60〜130℃である。
アンモニア量、循環流[例えば流11]の量および反応器供給温度は、反応器出口温度が所望された最大値(例えば130℃)を超えないように調整される。それというのも温度が上昇するごとに増大して副生成物が形成されるからである。反応器供給温度は、反応が十分に進行しかつ完全な転化率が達成されるように(例えば付加的な熱伝達媒体によってまたは、混合されるべき流の温度の適切な調整によって)調整される。まず部分的な転化率のみが達成される場合、反応器への供給温度は、完全な転化率が達成されるように高められる。従って水素化反応器もしくは水素化反応器カスケードの周りの循環流量の変動およびアンモニアの新鮮な流量によって、反応器の入口温度と同様、ある一定の限度内で出口温度を調整することおよび進行する反応に最適に合わせることおよびそのようにしてXDAの収率を最適化することが可能である。
水素化は、有利には100〜300bar、殊に120〜220bar、とりわけ有利には150〜200barの範囲の絶対圧で実施される。
水素化のために、当業者に公知の触媒および反応器(殊に管型反応器または管束反応器;固定床運転方式または懸濁運転方式)を使用してもよい。
触媒固定床運転方式の場合、液相運転方式(Sumpffahrweise)と同様また細流運転方式も可能である。有利なのは細流運転方式である。
有利には反応器もしくは複数の反応器は断熱的に運転され、一方で発生する反応熱は、循環流中に取り付けられた冷却器を介して、ならびに使用される循環ガスにより任意に排出される。これは付加的に副生成物のさらなる抑制によって反応の選択性を高める。しかし代替的に、冷却された反応器もしくは複数の反応器、例えば管束反応器も使用可能である。
有利なのは、コバルトおよび/またはニッケルおよび/または鉄を完全触媒としてまたは不活性の担体上で含有する触媒である。この場合、種々の触媒を組み合わせたものも使用可能である。
とりわけ有利には、水素化はマンガンがドープされたコバルト完全触媒により実施される。
適切な触媒は、例えばラネーニッケル、ラネーコバルト、共−完全触媒、担体上でチタンがドープされたコバルト(JP−A−2002205980)、SiO担体上のNi(WO−A−2000/046179)、SiO担体上のCo/Ti/Pd(CN−A−1285343、CN−A−1285236)および二酸化ジルコニウム担体上のニッケルおよび/またはコバルト(EP−A−1−1262232)である。
さらに他の適切な触媒のための例は、例えば以下の出願GB−A−852,972(同等:DE−A−1119285)(BASF AG)、DE−A1259899(BASF AG)およびUS特許番号3,069,469(California Research Corp)および4,482,741(UOP Inc)において見られる。
とりわけ有利な触媒は、EP−A1−742045(BASF AG)において開示された、Mn、P、およびアルカリ金属(Li、Na、K、Rb、Cs)によりドープされたコバルト完全触媒である。これらの触媒の触媒活性材料は水素による還元前に、そのつど酸化物として計算された、コバルト55〜98質量%、殊に75〜95質量%、リン0.2〜15質量%、マンガン0.2〜15質量%およびアルカリ金属、殊にナトリウム0.05〜5質量%からなる。
さらに他の触媒は、EP−A−963975(BASF AG)において開示された、その触媒活性材料が水素による処理前に、
ZrO22〜40質量%、
CuOとして計算された、銅の酸素含有化合物1〜30質量%、
NiOとして計算された、ニッケルの酸素含有化合物15〜50質量%、その際、Ni:Cuのモル比は1より大きい、
CoOとして計算された、コバルトの酸素含有化合物15〜50質量%、
AlもしくはMnOとして計算された、アルミニウムおよび/またはマンガンの酸素含有化合物0〜10質量%を含有し
かつモリブデンの酸素含有化合物を含有しない触媒、
例えば上記引用文献中の第17頁において開示された、ZrOとして計算されたZr33質量%、NiOとして計算された28質量%、CuOとして計算されたCu11質量%およびCoOとして計算されたCo28質量%の組成を有する触媒A、
EP−A−696572(BASF AG)において開示された、その触媒活性材料が水素による還元前に、ZrO20〜85質量%、CuOとして計算された、銅の酸素含有化合物1〜30質量%、NiOとして計算された、ニッケルの酸素含有化合物30〜70質量%、MoOとして計算されたモリブデンの酸素含有化合物0.1〜5質量%、およびAlもしくはMnOとして計算された、アルミニウムおよび/またはマンガンの酸素含有化合物0〜10質量%を含有する触媒、例えば上記引用文献中の第8頁に開示された、ZrO31.5質量%、NiO50質量%、CuO17質量%およびMoO1.5質量%の組成を有する触媒、
およびWO−A−99/44984(BASF AG)において記載された、(a)鉄または、鉄またはその混合物をベースとする化合物、(b)(a)に対して0.001〜0.3質量%の、Al、Si、Zr、Ti、Vの群から選択された2、3、4または5つの元素をベースとする助触媒、(c)(a)に対して0〜0.3質量%の、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属をベースとする化合物、ならびに(d)(a)対して0.001〜1質量%のマンガンを含有する触媒である。
本発明による方法は、例えば以下のように実施されうる。
図4の中では、任意の循環流[12]および熱伝達媒体(W 210)を含む水素化反応器の可能な配置が示されている。
フタロジニトリル溶融物は流[1]として供給され、液体アンモニア[2]ならびに反応器[13]の周りの循環流からの部分流と混合される。混合物は、任意に存在する循環流[12]と混合されるかまたは直接的に反応器に送り込まれる。循環流とのより良好な混合のために、例えばスタティックミキサーを使用してよい。
水および場合により循環ガスは、任意の熱伝達媒体を用いて、所望された反応器供給温度に熱してよい。ガスおよび液体は一緒にまたは−有利には−分離して反応器に送り込んでよい。有利には、混合されるべき流の温度は熱伝達媒体を用いて、混合地点の後ろで熱伝達媒体がもはや必要とされないように調整される。反応器中で水素化は実際に定量的に行われ、そうして反応器流出物中には実際にフタロジニトリルはもはや存在しない。次いで反応器流出物を冷却してよく、かつガスおよび液体は加圧下にて高圧分離器中で分離される。循環液体運転方式の場合、反応器流出物からの液体の一部は後処理されずに循環させられる(流[11])。それ以外に反応器流出物は部分的に混合容器(流[13]および部分的に後処理(流[16])に供給される。ガスの一部は不活性物質(CO、N、CH、希ガス等)のオーバーフローを回避するために排出してよい。ガスの極めて大きい部分は圧縮機を介して反応器入口に返送される。反応器中での圧力損失が高すぎない場合、このために有利にはエジェクタ噴射ノズル("水噴射ポンプ")も使用されうる。全体的に循環ガス量は幅広い範囲内で変動してよく、新鮮ガス量の数倍から0にいたるまで変動してよい(循環ガスなしの運転方式)。循環ガス運転方式は、反応器を良好な物質移動のために十分にガス側で負荷するためにおよび不活性ガスを反応器出口で排出するために十分な連行流を供給するために有利である。付加的に反応熱の一部はガス流で除去されうる。温度の増加とともに増加するアンモニアの量は蒸発し、これにより循環ガスの冷却効果がさらに強まる。次いで反応器流出物(流[16])はまず加圧蒸留に供給され、そこで液体アンモニアが塔頂部を介して(流[20])およびほぼアンモニア不含の、粗製キシリレンジアミンが塔底部を介して(流[21])取得されえ、その際、アンモニアは凝縮された形で再び水素化段階に(流[2]として)供給されうる。粗製キシリレンジアミンンは、例えば蒸留によってさらに精製される。
本発明による方法において、ジニトリルとアンモニアの新鮮供給流の質量比(例えば図3または4に従って、流[1]対流[2]の比)は、混合容器に向かう流[11]から分岐された部分流[13]が大きれば大きいほどますます大きく選択されうる。流[13]の下限は、流[2]の流の量に従って所定の温度における液体アンモニアとフタロジニトリルとからの混合物中でのフタロジニトリルの溶解度によって決められる(例えば60℃でNH中でのIPDNの溶解度は約44質量%でありかつメタ−キシリレンジアミン中での溶解度は約15質量%である。メタ−キシリレンジアミンおよび液体アンモニアのほぼ同じ質量割合からの混合物中では、溶解度は約30質量%である)。
有利には、ジニトリル(流[1])対アンモニア(流[2])の使用物質の質量比は、1:0.5〜1:2、有利には1:0.7〜1:1.5、とりわけ有利には1:0.9〜1:1.2である。
返送される部分流[例えば流13]対新鮮な供給流(新鮮なフタロジニトリル供給流およびアンモニア供給流からの合計、例えば流[1]および[2]からの合計)の質量比は、有利には1:0.3〜1:2、有利には1:0.5〜1:1.5、とりわけ有利には1:0.7〜1:1.1である。
水素化反応器もしくは複数の水素化反応器の周りの直接的な循環液体を含まない(流[12]=0)運転方式の場合、すなわち、少なくとも部分流として水素化反応器の周りの循環流から取り出される流(流b)は全体の循環流であり、ジニトリル対アンモニアの使用物質の質量比は、有利には1:0.5〜1:2、有利には1:0.7〜1:1.5、とりわけ有利には1:0.9〜1:1.2であり、すなわち、有利には上記のような水素化反応器の周りの直接的な循環によるケースと同じである。
反応器流出物からの返送される部分流[例えば流13]対新鮮な供給流(新鮮なフタロジニトリル供給流およびアンモニア供給流からの合計、例えば流[1]および[2]からの合計)の質量比は、このケースにおいては2:1〜10:1、有利には3:1〜8:1、とりわけ有利には4.5:1〜6:1である。
XDAの単離:
水素化後、使用されたアンモニアは分離、例えば留去される。
有利には、キシリレンジアミンの精製は(同じ圧力で)より易沸性の副生成物の塔頂部を介した留去によっておよびより難沸性の不純物の塔底部を介した蒸留による分離によって行われる。
とりわけ有利なのは、水素化後にアンモニアならびに場合により易沸性の副生成物が塔頂部を介して留去されかつその後により難沸性の不純物がキシリレンジアミンから蒸留により塔底部を介して分離される運転方式である。
特別な一実施態様において、より低沸性のおよびより難沸性の副生成物の分離は、側留塔(Seitenabzugskolonne)または隔壁塔(Trennwandkolonne)内でも行われえ、その際、純粋なキシリレンジアミンが液状のまたはガス状の側方排出物を介して取得される。
所望された純度に応じて、生成物(XDA)は付加的に有機溶媒、有利には脂肪族炭化水素、殊に脂環式炭化水素、とりわけ有利にはシクロヘキサンまたはメチルシクロヘキサンを用いて抽出される。
抽出によるこの精製は、例えばDE−A−1074592(BASF AG)に従って行ってよい。

例の中では流の混合物が計算されており(個々の流量を加えることによって)、結果生じる混合物の水素化は、循環路を閉じずに実験的に実施した。
例1:
溶融されたIPDN90g/h(約170℃に加熱することによって溶融された、市販の薄片状のIPDN)を、容器中で60℃にて循環流[13]からの178g/hおよび新鮮なアンモニア[2]94g/hと混合しかつその際に溶解した。IPDN25質量%を有する溶液が生じる。60℃の場合、混合物中のIPDNの溶解度は約30質量%である。混合温度は、循環流[4]の温度および流量によって調整されうる。アンモニアが30℃で、循環流[13]が50℃でおよびIPDNが170℃で送り込まれる場合、流[4]は、60℃の混合温度となるように、例えば58℃で470g/hであってよく、その際に熱損失は考慮されない。その時、混合容器中の沸騰圧力は23.3bar(絶対)であり、すなわちこの圧力を上回る時、混合物は液体でありかつアンモニアの蒸発は起こらない。溶液は、反応器流出物の液体返送流からなる循環流(約839g/h)中に送り込まれる。従って反応器入口のIPDN濃度は7.5質量%である。IPDN1モル当たり反応器入口でNH50モルが存在する。
得られた反応混合物を、連続的に管型反応器中でコバルト完全触媒により90℃および200barで水素化した。反応器流出物の取り出された部分から、アンモニア塔内でアンモニア量の大部分を除去しかつGCを介して試験した。使用したIPDNの完全な転化(すなわち99.95%より大きい転化率;GCによって出発物質はもはや検出可能ではない)に際して、選択率は92%であった。
引き続く蒸留工程において、まず残留アンモニアおよび易沸性の副成分を分離した。塔底部を介した高沸点不純物の分離後、MXDAを蒸留塔の塔頂生成物として99.9質量%を上回る純度で得た。
例2:
溶融されたIPDN90g/h(約170℃に加熱することによって溶融された、市販の薄片状のIPDN)を、容器中で60℃にて循環流[13]からの320g/hおよび新鮮なアンモニア[2]40g/hと混合しかつその際に溶解した。IPDN20質量%を有する溶液が生じる。60℃の場合、混合物中のIPDNの溶解度は約25質量%である。混合温度は、循環流[4]の温度および流量によって調整されうる。アンモニアが30℃で、循環流[13]が45℃でおよびIPDNが170℃で送り込まれる場合、流[4]は、60℃の混合温度となるように、例えば58℃で527g/hであってよく、その際に熱損失は考慮されない。その時、混合容器中の沸騰圧力は20.2bar(絶対)であり、すなわちこの圧力を上回る時、混合物は液体でありかつアンモニアの蒸発は起こらない。溶液は、反応器流出物の液体返送流からなる循環流(約750g/h)中に送り込まれる。従って反応器入口のIPDN濃度は7.5質量%である。IPDN1モル当たり反応器入口でNH30モルが存在する。
得られた反応混合物を、連続的に管型反応器中でコバルト完全触媒により90℃および200barで水素化した。反応器流出物の取り出された部分から、アンモニア塔内でアンモニア量の大部分を除去しかつGCを介して試験した。使用したIPDNの完全な転化(すなわち99.95%より大きい転化率;GCによって出発物質はもはや検出可能ではない)に際して、選択率は88%であった。
引き続く蒸留工程において、まず残留アンモニアおよび易沸性の副成分を分離した。塔底部を介した高沸点不純物の分離後、MXDAを蒸留塔の塔頂生成物として99.9質量%を上回る純度で得た。
混合ノズルの有利な一実施態様を示す図 液体アンモニアの供給を示す図 循環流を有する混合容器を示す図 水素化反応器の可能な配置を示す図
符号の説明
1 PDNの溶融物、 2 液体アンモニア、 3 混合物、 4 循環流、 4a 混合ノズルを介した流、 6 混合物、 7 混合物と循環流を混合したもの、 8 水素、 11 完全な流、 12 循環流、 13 循環流、 15 オフガス流、 16 アンモニアと反応生成物の流、 17 オフガス流、 20 液体アンモニア、 21 粗製キシリレンジアミンン

Claims (28)

  1. 反応器中で液体アンモニアの存在において不均一系触媒によりフタロジニトリルを連続的に水素化することによってキシリレンジアミンを製造する方法であって、その際、反応器流出物の一部を液体循環流として連続的に反応器入口に返送する(循環運転方式)製造法において、混合装置を用いてフタロジニトリルを溶融物としてまたは固体の形で
    液体アンモニアの流(流a)および
    少なくとも部分流として水素化反応器の周りの循環流から取り出されるさらに他の流(流b)、
    または流aおよびbからの混合物と混合しかつ結果生じる液体混合物を水素化反応器中に送り込むことを特徴とする、反応器中で液体アンモニアの存在において不均一系触媒によりフタロジニトリルを連続的に水素化することによってキシリレンジアミンを製造する方法。
  2. イソフタロジニトリルを水素化することによってメタ−キシリレンジアミンを製造する、請求項1記載の方法。
  3. 混合装置が、流aおよびbへフタロジニトリルを供給する箇所で、使用されるフタロジニトリルの融点を1〜60℃上回る範囲の温度に加熱されていることを特徴とする、請求項1または2記載の方法。
  4. 混合装置としての混合ノズルを用いて、液体フタロジニトリルを流aおよびbに注入することを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
  5. 混合装置としての混合容器中に、液体フタロジニトリルおよび液体アンモニア(流a)、および少なくとも部分流として水素化反応器の周りの循環流から取り出される流(流b)、または流aおよびbからの混合物を注入することを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
  6. 固体フタロジニトリルを混合装置中に導入し、該混合装置に液体アンモニア(流a)、および少なくとも部分流として水素化反応器の周りの循環流から取り出される流(流b)、または流aおよびbからの混合物を送り込むことを特徴とする、請求項1または2記載の方法。
  7. アンモニア、フタロジニトリルおよびキシリレンジアミンからの結果生じる液体混合物を水素化反応器の周りの循環流中に送り込み、その際、循環流は93質量%を上回って液体アンモニアとキシリレンジアミンとからなることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
  8. 水素化反応器に送り込まれる混合物がフタロジニトリルのためのさらに他の溶媒を含有しないことを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
  9. 水素化反応器中のフタロジニトリルの転化率が一回の通過に際して99%より大きいことを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
  10. 水素化反応器中のフタロジニトリルの転化率が一回の通過に際して99.5%より大きいことを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
  11. 水素化反応器の周りの循環流が94質量%を上回って液体アンモニアとキシリレンジアミンとからなることを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
  12. 水素化反応器の周りの循環流が25〜90質量%の範囲で液体アンモニアを含有することを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項記載の方法。
  13. 循環流として反応器入口に直接的にまたは間接的に返送される液体反応器流出物部分が、全体の液体反応器流出物の20〜95質量%になることを特徴とする、請求項1から12までのいずれか1項記載の方法。
  14. 新鮮なフタロジニトリルの供給流+アンモニアの供給流対水素化反応器の周りの循環流の質量比が0.05〜5の範囲にあることを特徴とする、請求項1から13までのいずれか1項記載の方法。
  15. 水素化反応器の周りの循環流からの返送された部分流対新鮮なフタロジニトリルの供給流およびアンモニアの供給流からの合計の質量比が1:0.3〜1:2の範囲にあることを特徴とする、請求項1から14までのいずれか1項記載の方法。
  16. 少なくとも部分流として水素化反応器の周りの循環流から取り出される流(流b)が全体の循環流であり、かつ反応器流出物からの返送された部分流対新鮮なフタロジニトリルの供給流およびアンモニアの供給流からの合計の質量比が2:1〜10:1の範囲にあることを特徴とする、請求項1から6または8から15までのいずれか1項記載の方法。
  17. 水素化を40〜150℃の範囲の温度で実施することを特徴とする、請求項1から16までのいずれか1項記載の方法。
  18. 水素化を100〜300barの範囲の絶対圧で実施することを特徴とする、請求項1から17までのいずれか1項記載の方法。
  19. 水素化を、完全触媒としてのまたは不活性の担体上の、Ni、Coおよび/またはFeを含有する触媒により実施することを特徴とする、請求項1から18までのいずれか1項記載の方法。
  20. 水素化を、マンガンがドープされたコバルトの完全触媒により実施することを特徴とする、請求項1から19までのいずれか1項記載の方法。
  21. 触媒を管型反応器または管束反応器中に固定床として配置することを特徴とする、請求項1から20までのいずれか1項記載の方法。
  22. 水素化反応器を細流運転方式で運転することを特徴とする、請求項21記載の方法。
  23. 水素化反応器を断熱的に運転することを特徴とする、請求項1から22までのいずれか1項記載の方法。
  24. 水素化反応器の周りの循環流から冷却器中で熱を取り去ることを特徴とする、請求項1から23までのいずれか1項記載の方法。
  25. 水素化反応器として水素化反応器カスケードを使用することを特徴とする、請求項1から24までのいずれか1項記載の方法。
  26. 水素化後、アンモニアならびに場合により易沸性の副生成物の塔頂部を介した留去およびより難沸性の不純物の塔底部を介した蒸留分離によってキシリレンジアミンの精製を行うことを特徴とする、請求項1から25までのいずれか1項記載の方法。
  27. キシリレンジアミンを蒸留後にさらに精製するために有機溶媒を用いて抽出することを特徴とする、請求項26記載の方法。
  28. 抽出のためにシクロヘキサンまたはメチルシクロヘキサンを使用することを特徴とする、請求項27記載の方法。
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WO2005026099A1 (de) * 2003-09-10 2005-03-24 Basf Aktiengesellschaft Verfahren zur herstellung von xylylendiamin durch kontinuierliche hydrierung von flüssigem phthalodinitril

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