JP2009301880A - 伸縮電線 - Google Patents

伸縮電線 Download PDF

Info

Publication number
JP2009301880A
JP2009301880A JP2008155352A JP2008155352A JP2009301880A JP 2009301880 A JP2009301880 A JP 2009301880A JP 2008155352 A JP2008155352 A JP 2008155352A JP 2008155352 A JP2008155352 A JP 2008155352A JP 2009301880 A JP2009301880 A JP 2009301880A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
core material
wire
electric wire
elastic
elongation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008155352A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5354966B2 (ja
Inventor
Yasunori Yuki
康式 結城
Shunji Tatsumi
俊二 巽
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Fibers Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Fibers Corp filed Critical Asahi Kasei Fibers Corp
Priority to JP2008155352A priority Critical patent/JP5354966B2/ja
Publication of JP2009301880A publication Critical patent/JP2009301880A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5354966B2 publication Critical patent/JP5354966B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Insulated Conductors (AREA)

Abstract

【課題】繰返しの伸長回復性と摩擦耐久性に優れ、小さな力で伸縮が可能な伸縮電線を提供する。
【解決手段】伸縮電線は、伸縮性を有する弾性体からなる芯材1の周囲に導体線2を捲回してなる伸縮電線において、芯材の50%伸長回復率が80%以上、50%伸長回復時の横方向応力が0.05cN/mm以上、横方向の50%圧縮応力が5〜100cN/mmであることを特徴とする伸縮電線。
【選択図】図1

Description

本発明は、伸縮性を有する伸縮電線に関し、特にロボットやウエアラブル電子機器に好適な、伸長回復性と摩擦耐久性に優れた伸縮電線に関する。
近年、ロボットの発展が著しく、多彩な動きをするロボットが登場しつつある。また、人体や衣服に装着可能なウエアラブル電子機器も、様々な機器が開発されている。これらのロボットやウエアラブル電子機器には、動力用や信号伝送用の電線が多数使用されている。しかしながら、一般的に電線は、銅線を芯にし、その外周が絶縁体で被覆された構造になっており、伸縮性がほとんど無い。このため、ロボットや人体の動きを妨げないように電線に大きな余裕を持たせて配線する必要があり、このことが装置設計上及び実用上の障害となることが多い。
特に、最先端のヒューマノイド型ロボットや、人体に装着して筋力を補助するパワーアシスト装置においては、多自由度関節を経由して末端のモーターを動かすための電線や、末端に装備された各種センサーからの信号を伝送するための電線を多数配線しており、多自由度関節における配線の自由度を高めるために、電線に伸縮性を持たせたいというニーズがある。
伸縮性のある電線の代表例としては、電線をコイル状の形態にすることによって伸縮可能にしたカールコードがあり、固定電話機などに用いられているが、一般的に太くて重く、カールコード同士が絡みやすいという問題があるため、多数の電線を使用するヒューマノイド型ロボットやパワーアシスト装置には適さない。
一方、電線自体に伸縮性を持たせた伸縮電線に関する技術としては、例えば特許文献1には、弾性糸を2倍程度に伸ばした状態で非弾性糸を巻き付けて形成した芯糸の外周に、銅箔をらせん状に巻き付けた伸縮電線が開示され、弾性糸としてポリウレタン系合成繊維、天然ゴム、耐熱シリコーン樹脂からなる糸が記載されている。
また、特許文献2には、弾性繊維フィラメント糸を芯にし、1.5〜3.5倍に伸長した弾性繊維フィラメント糸の周りに繊維束を捲回または引き揃えて配置させ、更にその外周に金属線をらせん状に捲回した金属線複合弾性糸が開示され、弾性繊維フィラメント糸の直径は金属線の直径の3倍以上が必要であるとの記載があり、弾性繊維フィラメント糸の種類としてポリウレタン系エラストマー等の各種エラストマー繊維、天然ゴム、合成ゴムが記載されている。
さらに、特許文献3は、伸縮自在な弾性糸からなる芯材の外周に導電線を配設した複数本の芯線を仮撚加工糸で被覆した伸縮電線が開示され、弾性糸は弾性回復性が良く腰の強いものが好ましく、例として天然ゴム、ポリウレタン、シリコーンゴム等の合成ゴムが好適であるとの記載がある。
このように、従来の伸縮電線は、弾性糸を伸長した状態でその外周に非弾性糸を捲回し、更にその外周に金属線を捲回させて製造する方法が一般的であり、芯材に用いられる素材は弾性糸であれば何でもよく、その中でも太い弾性糸や腰の強い、すなわち比較的硬い弾性糸が好適とされていた。
このような方法で製造した電線は、金属線を捲回する際に伸長された弾性糸が元の長さに戻る割合が大きいほど、伸長性の高い伸縮電線が得られる。ところが、捲回した金属線が弾性糸を締め付けているために、伸長された弾性糸の伸長回復力だけでは十分に元の長さに戻ることができないため、電線の伸長性が不十分であるという問題があった。
また、硬い芯材に金属線を捲回した電線は、芯材の表面に金属線が突出した構造になるため、周囲の構造物との摩擦等による金属線の損傷や切断が起き易いという問題があり、損傷を防ぐために金属線の表面を強固に被覆すると伸縮性が大きく阻害されるという問題があった。
更に、太い弾性繊維や硬い弾性繊維を芯材に用いた電線は、電線を伸ばすために大きな力が必要であり、多数の電線を使用するヒューマノイド型ロボットやパワーアシスト装置ではエネルギーロスが多大となったり、より大きなパワーのモーターが必要になって重量が増えたりするといった問題があり、ウエアラブル電子機器では身体の動きが阻害されるという問題があった。
特開昭61−290603号公報 特公昭64−3967号公報 特開2004−134313号公報
本発明は、繰返しの伸長回復性と摩擦耐久性に優れ、小さな力で伸縮が可能な伸縮電線を提供することを目的とする。
本発明者等は、前記課題を解決するため、伸縮電線に用いる芯材に着目し、特定の圧縮特性を有する芯材を用いることによって前記課題を解決できることを見出し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)伸縮性を有する弾性体からなる芯材の周囲に導体線を捲回してなる伸縮電線において、芯材の50%伸長回復率が80%以上、50%伸長回復時の横方向応力が0.05cN/mm以上、横方向の50%圧縮応力が5〜100cN/mmであることを特徴とする伸縮電線。
(2)芯材の50%伸長応力が1〜200cN/mmであることを特徴とする上記(1)に記載の伸縮電線。
(3)芯材が、多孔質の弾性体であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の伸縮電線。
(4)芯材が、長手方向に連続した中空部を少なくとも一つ以上有する弾性体であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれか一項に記載の伸縮電線。
(5)芯材が、弾性長繊維からなる編紐又は組紐であることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか一項に記載の伸縮電線。
(6)伸縮電線が、その外周に被覆部を有することを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれか一項に記載の伸縮電線。
本発明の伸縮電線は繰返しの伸長回復性に優れ、導体線が芯材に適度に埋没した状態で捲回した構造を有しているために摩擦耐久性に優れる。また、小さな力で伸縮が可能なため、多数の伸縮電線を用いるヒューマノイド型ロボット、パワーアシスト装置、ウエアラブル電子機器等に好適である。
本発明について、以下具体的に説明する。
本発明の伸縮電線は、伸縮性を有する弾性体からなる芯材の周囲に導体線が捲回された構造を有する。本発明の伸縮電線に用いる芯材は、50%伸長回復率が80%以上である弾性体であることが必要であり、85%以上が好ましく、90%がより好ましい。50%
伸長回復率がこの範囲であると、繰返しの伸長回復性優れた伸縮電線が得られる。また、芯材の破断伸度は100%以上であることが好ましく、150%以上がより好ましく、200%以上が特に好ましい。破断伸度がこの範囲であると、高い伸長性を有する伸縮電線が得られる。
本発明の伸縮電線の代表的な製造方法としては、後述するように、2対のローラー間で芯材を伸長した状態で導体線をらせん状に捲回する方法が挙げられる。このとき、弾性体である芯材は長手方向に伸長されると同時に、それと直角の方向には収縮、すなわち細くなる。従って、常態よりも細くなった状態の芯材に導体線が捲回されることになる。その後、導体線を捲回された芯材は、出口側ローラーを出たところで十分に弛緩され、元の長さに戻ろうとするが、このとき、芯材には元の長さに戻ろうとする力(芯材の長手方向の力)と同時に、元の太さに戻ろうとする力(芯材の長手方向と直角方向の力)が発生する。この、芯材が元の太さに戻ろうとする力が大きいほど、芯材の周囲に捲回された導体線がより外周方向に押し出されるため、芯材が元の長さに戻る割合が大きくなり、伸長性の高い伸縮電線が得られる。
芯材が元の太さに戻ろうとする力を表した特性値が50%伸長回復時の横方向応力であり、本発明の伸縮電線に用いる芯材は、50%伸長回復時の横方向応力が0.05cN/mm以上であることが必要であり、0.1cN/mm以上が好ましい。50%伸長回復時の横方向応力がこの範囲であると、捲回された導体線を外周方向に押し出す力が十分に発揮され、導体線の捲回時に伸長された芯材が元の長さに戻る割合が十分に大きくなり、伸長性の高い伸縮電線が得られる。更に、伸縮電線を繰り返し伸縮する場合においても、伸ばされた電線が元の長さに戻り易くなるため、電線が伸びて元の長さに戻らなくなるという問題が起き難くなり、繰返しの伸長回復性に優れた伸縮電線が得られる。
但し、50%伸長回復時の横方向応力があまり大きすぎる芯材は、芯材の横方向の圧縮応力も高くなり、芯材の表面に導体線が突出した構造になって周囲の構造物との摩擦等による導体線の損傷や切断が起き易くなるため、50%伸長回復時の横方向応力は5cN/mm以下が好ましく、2cN/mm以下がより好ましい。
本発明の伸縮電線に用いる芯材は、横方向の50%圧縮応力が5〜100cN/mmであることが必要であり、10〜90cN/mmがより好ましく、20〜80cN/mmがさらに好ましく、25〜75cN/mmが特に好ましい。横方向の50%圧縮応力がこの範囲であると、図1に示すように導体線が芯材の表面に一部埋没する構造となるため、周囲の構造物との摩擦や接触等による導体線の損傷や切断が起き難くなり、摩擦耐久性に優れた伸縮電線が得られる。
また、導体線を保護する目的で電線の周囲は絶縁繊維や絶縁樹脂等で被覆されているのが一般的であるが、伸縮電線の場合は、この外部被覆が強固であると伸縮性が阻害されるという問題がある。導体線が芯材の表面に一部埋没する構造を有する本発明の伸縮電線であれば、導体線を保護するための外部被覆を薄くすることができるため、高い伸縮性を保持できるという効果も得られる。
本発明の伸縮電線に用いる芯材は、50%伸長応力が1〜200cN/mmであることが好ましく、より好ましくは5〜100cN/mm、特に好ましくは10〜50cN/mmである。50%伸長応力がこの範囲であると、小さな力で伸長が可能な伸縮電線が得られ、多数の伸縮電線を用いる用途、例えばヒューマノイド型ロボット、パワーアシスト装置、ウエアラブル電子機器等に好適な伸縮電線となる。
本発明の伸縮電線を伸長させるのに必要な力としては、30%伸長荷重が5000cN以下であることが好ましく、3000cN以下がより好ましく、1000cN以下がさらに好ましく、500cN以下が特に好ましい。
本発明の伸縮電線に用いる、前記の特性値を満足する芯材は、芯材に用いる弾性体の種類や構造を適宜選択することによって得られる。例えば、多孔質の弾性体や、長手方向に連続した中空部を少なくとも一つ以上有する弾性体、弾性長繊維からなる編紐又は組紐、あるいは弾性体の周囲に絶縁繊維を捲回させた構造等が挙げられるが、前記の特性値を満足する芯材であればこれらに限定されない。
多孔質の弾性体としては、例えば、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー等の熱可塑性エラストマーや、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム等のゴム材料を多孔質化したものが好ましい。
多孔質化の方法としては従来から既知の方法を用いればよく、例えば加熱により分解して炭酸ガス、窒素等の気体を発生する発泡剤を前記熱可塑性エラストマーやゴム材料に含有させ、繊維化すると同時に、あるいは繊維化した後に発泡させて多孔質化する方法がある。発泡剤としては、例えばアゾジカルボンアミド、アゾビスイソビチロニトリル、トリヒドラジノトリアジンなどの有機系発泡剤や、炭酸カルシウムや重炭酸アンモニア、過酸化物などの無機系発泡剤、およびこれらの混合発泡剤を使用することができるが、前記熱可塑性エラストマーやゴム材料の融点に合わせて、適当なものを使用するのが好ましい。
また、他の方法として、可溶性の粒子材料を前記熱可塑性エラストマーやゴム材料に含有させ、繊維化した後に粒子材料を溶解するが繊維材料は溶解しない溶剤に浸漬することによって粒子材料を溶出し、多孔質化する方法がある。粒子材料としては、水溶性の材料の使用が好ましく、食塩、硫酸ナトリウム等の無機塩類、ぶどう糖、蔗糖等の有機物を極めて細かな微粒子として使用することができる。これらの低分子量化合物のほかに、水溶性の高分子材料も使用可能であり、スターチ等が使用可能である。
多孔質化の程度については、本発明で規定する50%伸長回復率、50%伸長回復時の横方向応力、横方向の50%圧縮応力を満足するように、用いる弾性体の特性と組み合わせて適宜設定すればよい。
本発明の伸縮電線に用いる芯材の種類として、長手方向に連続した中空部を少なくとも一つ以上有する弾性体からなる芯材も好ましく用いられる。具体的には、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー等の熱可塑性エラストマーや、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム等のゴム材料からなる中空弾性糸が好ましい。中空弾性糸の断面積から計算される中空率は3〜50%が好ましく、5〜30%がより好ましく、10〜25%が更に好ましい。
中空弾性糸を製造する方法としては特に限定されないが、例えば熱可塑性エラストマーを用いる場合は、中空断面の合成繊維を溶融紡糸する際に用いられる既知の紡糸口金を用いる方法が好ましい。また、シリコーンゴムからなる中空弾性糸の場合は、例えばシリコーンゴム、加硫剤および必要に応じてその他の添加剤を配合したシリコーンゴム配合物を中空糸形状に押し出し成形し、加硫炉にて加熱しながら延伸加工を行う方法が好ましい。シリコーンゴムは例えばミラブルタイプ、液状タイプ等が挙げられるが、特にその種類は制限されるものではない。
また、本発明の伸縮電線に用いる芯材は、多孔質弾性体からなり、長手方向に連続した中空部を少なくとも一つ以上有する多孔質中空弾性糸であってもよい。多孔質中空弾性糸は、前記の多孔質弾性糸を製造する方法と中空弾性糸を製造する方法を適宜組み合わせることにより製造することができる。
このような多孔質弾性糸、中空弾性糸及び多孔質中空弾性糸は、モノフィラメントであってもよく、マルチフィラメントであってもよい。また、弾性糸の半径方向に圧縮特性が異なる複数の層を有する多層構造であってもよく、例えば、内層を非多孔質の弾性体とし、外層を多孔質層とした二層構造の弾性糸であってもよい。また、溶融紡糸等の製造が困
難な弾性体については、弾性体をシート化した後に任意の幅でカットして分割する、いわゆるスリットヤーンであってもよい。
さらに、本発明の伸縮電線に用いる芯材の種類として、弾性長繊維からなる編紐又は組紐を芯材に用いることも好ましい。弾性長繊維からなる編紐又は組紐は、弾性長繊維が適度な空間を内部に含む紐状の形状を有しているため、あたかも多孔質弾性糸、中空弾性糸のような伸長特性及び圧縮特性を有する芯材が得られる。編紐又は組紐に用いる弾性長繊維は、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー等の熱可塑性エラストマーが好ましい。弾性長繊維はモノフィラメントであってもよく、マルチフィラメントであってもよい。弾性長繊維の好ましい繊度は、10〜5000dtexが好ましく、30〜2000dtexがより好ましい。
弾性長繊維からなる編紐は、例えば小径円筒編機(紐編機)に弾性長繊維(通常は1本)を給糸して編成することによって製造でき、弾性長繊維からなる組紐は、例えば製紐機に弾性長繊維を給糸して編組加工することによって製造できる。このとき、弾性長繊維は表面の摩擦力が高いため、そのまま小径円筒編機や製紐機に給糸しても製造し難い場合があるが、その場合は弾性長繊維の外周をポリエステルやナイロン等の合成繊維(仮撚加工糸等の捲縮糸が好ましい)でカバリング加工する等して被覆することが好ましい。このとき、被覆する合成繊維の繊度は、弾性長繊維の繊度よりも小さいことが好ましく、弾性長繊維の1/5以下の繊度であることがより好ましい。
本発明の伸縮電線は、弾性体の周囲に絶縁繊維を捲回させた後、その外周に導体線を捲回させてもよい。芯材の周囲に絶縁繊維を捲回させることにより、導体線との摩擦を低減させて導体線の捲回を容易にすることができる。また、絶縁繊維をある程度以上の厚さで捲回することにより、芯材に導体線を直接捲回する場合よりも、より大きな捲き径で導体線を捲回することができるため、より太い導体線を捲回できたり、伸縮電線の断面積当りの伸長応力を下げたりできる。捲回する絶縁繊維の厚さは、0.1mm〜3mmが好ましく、0.1mm〜2mmがより好ましく、0.1mm〜1mmがさらに好ましい。また、絶縁繊維の表面にシリコーン樹脂等の平滑剤を付与すると、導体線との摩擦をより低減できるので好ましい。
本発明の伸縮電線に用いる芯材の断面形状としては、導体線の捲回ができるだけ一定の曲率半径で行えるように、鋭角部分や突起部分のない形状がよい。具体的には丸断面が最も好ましく、扁平断面や多角形でもよい。また、鋭角部が曲面状に形成された多角形でもよい。
本発明の伸縮電線に用いる芯材の外径は、目的とする伸縮電線の太さに応じて適宜設定すればよいが、好ましくは0.01〜10mmの範囲であり、0.02〜5mmがより好ましく、0.1〜3mmがさらに好ましく、0.2〜2mmが特に好ましい。
本願発明の伸縮電線は、上記の芯材に導体線が捲回された構造を有する。導体線は単線であってもよく、細線の集合線であってもよいが、少なくとも2本以上の細線の集合線であることが好ましい。細線の集合線とすることで、導体線の柔軟性が高まり、伸縮性を阻害しにくくなり、より細い伸縮電線が得られ易い。
細線を集合させるには様々な方法が知られており、本発明においても公知のどのような方法で集合させてもよい。しかし、ストレートに引き揃えるだけでは捲回しづらいため、撚り線とすることが好ましい。また、可撓性を発揮するために、集合線を絶縁繊維で捲回したものを用いることもできる。
導体線を構成する細線の直径は1mm以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.1mm以下であり、特に好ましくは0.08mm以下であり、最も好ましくは0.05mm以下である。細線の直径がこの範囲であれば導体線の柔軟性が高まり、伸縮性を阻害しにくくなり、伸縮による断線も起きにくくなり、より細い伸縮電線が得られ易い。あま
り細すぎると加工時に断線し易いため、0.01mm以上が好ましい。
導体線を細線の集合線として用いる場合は、以下の式で求められる導体線の換算直径が2mm以下とすることが好ましく、より好ましくは1mm以下、さらに好ましくは0.5mm以下である。
導体線の換算直径=2×√((π×(Lt/2)×(Lt/2)×n/π)=Lt×√n
Lt:導体線を構成する細線の直径
n:導体線を構成する細線の集合本数
導体線の換算直径がこの範囲であれば、可撓性が良好で安定して捲回することができる。また、捲回する際の作業性の点からは、導体線の換算直径は0.01mm以上が好ましく、0.02mm以上がより好ましい。
導体線は、比抵抗が10−4Ω・cm以下であることが好ましく、10−5Ω・cm以下であることがより好ましい。導体線は80wt%以上が銅からなる銅線、または80%以上がアルミニウムからなるアルミニウム線であることが好ましい。銅線は、比較的安価で電気抵抗が低いので、最も好ましい。アルミニウム線は軽量であるから、銅線に続いて好ましい。銅線は軟銅線または錫銅合金線が一般的であるが、導電性をあまり低下させずに、強力を高めた強力銅合金(例えば、無酸素銅に鉄、燐およびインジウム等を添加したもの)、錫、金、銀または白金などでメッキして酸化を防止したもの、電気信号の伝送特性を向上させるために金その他の元素で表面処理したものなどを用いることもできる。
導体線は1本ずつを絶縁体で被覆されているものを用いることもでき、細線の集合線をまとめて絶縁体で被覆したものを用いることもできる。被覆する絶縁体の厚さは2mm以下であることが好ましく、より好ましくは1mm以下であり、さらに好ましくは0.1mm以下である。被覆する絶縁体の厚さがこの範囲であれば、絶縁被覆された導体線は柔軟であり、かつ外径の小さい導体線となる。
被覆する絶縁体の種類は、公知の絶縁樹脂から上記の趣旨に沿ったものを任意に選ぶことができる。導体線1本ずつに樹脂被覆を行う場合は、例えば一般のマグネットワイヤーで用いられるいわゆるエナメル被覆として、ポリウレタン被覆、ポリウレタン−ナイロン被覆、ポリエステル被覆、ポリエステルーナイロン被覆、ポリエステルーイミド被覆およびポリエステルイミド・ポリアミドイミド被覆等が挙げられる。また、集合線としてから樹脂被覆を行う場合は、塩ビ樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、ウレタン樹脂およびエステル樹脂などを用いることができる。また、識別のため、各導体線をあらかじめ色分けしておくこともできる。
導体線にあらかじめ絶縁繊維を被覆したものを用いることもできる。絶縁繊維としてはは、フッ素繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、ポリプロピレン繊維、塩化ビニル繊維、サラン繊維、ガラス繊維およびポリウレタン繊維等の公知の絶縁繊維を用いることができる。導体線に絶縁繊維を捲回および/または編組することによって、導体線を被覆することができる。あらかじめ絶縁繊維で被覆した導体線は、加工時に細線表層の絶縁性樹脂層が破壊されにくく、好ましい。
次に、本発明の伸縮電線の代表的な製造方法について説明する。なお、本発明の伸縮電線は以下の製造方法に限定されるものではない。
本発明の伸縮電線の代表的な製造方法としては、2対のローラー間で芯材を伸長した状態で導体線をらせん状に1本または複数本捲回させる方法が挙げられる。伸縮性を発現させやすくするために、芯材を30%以上伸長することが好ましく、さらに好ましくは50%以上、特に好ましくは100%以上である。
導体線をらせん状に捲回させる方法としては、例えば、カバリング機を用いて導体線を
捲回する方法が挙げられる。導体線を複数本捲回する場合は、ダブルカバリング機を用いてS撚り方向とZ撚り方向の両方に捲回することも、1方向のみに捲回することもできるが、S撚り方向とZ撚り方向の両方に捲回すると、導体線同士の摩擦によって断線が起き易いため、1方向のみに捲回することが好ましい。捲回は、一度に1本ずつ数回にわけて行うことも、一度に数本ずつ捲回することもできる。複数本を同じ方向に捲回する場合、隣り合う導体線が交差する場合があるため、あらかじめ1つのボビンに複数本を引き揃えて捲きつけたボビンを用い、これを一度に捲回することが好ましい。
また、製紐機等を用いて導体線を芯材の外周に編組する方法により捲回することもできる。捲回する導体線は1本でも複数本でもよく、導体線の編組の方向は1方向でも双方向でもよいが、編組の方法であれば、一度に複数本の導体線を互いに交差することなく並行に捲回させることができるため、複数本の導体線を1方向に捲回する方法が好ましい。例えば、導体線を1方向に編組し、反対方向に絶縁繊維を編組すれば、伸縮により導体線同志が磨耗することを防ぐことができる。また、絶縁繊維を同時に捲回することもでき、例えば、1方向に編組する複数の導体線の間に絶縁繊維を配し、反対方向にも絶縁繊維を配することにより、伸縮による導体線同志の重なりや短絡を防止できるため、特に好ましい。
さらに、複数の導体線を有する伸縮電線においては、信号線を2本と電力線を2本とする場合がある。この場合、信号線間の間隔が不均一であると、信号線間の特性インピーダンスが不均一となり、伝送ロスが大きくなる(特に高周波において)という問題がある。複数の導体線を1方向とし、反対方向に絶縁繊維を編組した構造、または、複数の導体線間に絶縁繊維を同一方向で配置し、反対方向に絶縁繊維を配置して編組したものは、伝送ロスが少なく特に好ましい。このとき、信号線間の間隔をより均一にするためには、導体線と反対方向に配置する絶縁繊維は、導体線と同一方向に配置する絶縁繊維に比較して細い方が好ましく、1/2〜1/10の繊度がより好ましい。
導体線の捲回または編組角度(以後、捲回角度で代表する)は、30度以上80度以下の範囲が好適である。捲回角度がこの範囲であれば、伸縮性が発現しやすい。捲回角度は35度以上75度以下であればさらに好ましく、40度以上70度以下であれば特に好ましい。本発明において捲回角度とは、伸縮電線を側面から見たときの、伸縮電線の長さ方向(軸方向)と導体線のなす角度であり、伸縮電線が弛緩状態での角度をいう。捲回角度は、弛緩状態の伸縮電線を一定長切りとり、捲回されている導体線をほどいてその長さを測定し、逆三角関数を用いて求める。
本発明の伸縮電線は、芯材へ導体線を捲回した後、通常、その外周に被覆部を形成する。外周被覆部は、伸縮性を阻害せずに内部の導体線を保護することが求められる。このため、絶縁繊維の編組、および/または伸度50%以上の絶縁樹脂の弾性チューブ状物により形成されることが好ましい。
外周被覆部を絶縁繊維の編組によって形成する場合は、芯材に導体線を捲回した中間体を、製紐機等に再度仕掛け、該中間体を伸長した状態で外周に絶縁繊維を編組する方法が好ましく、編組の最終形体は丸紐状でも細幅テープ状でもよい。また、芯材に導体線を捲回した中間体を複数本まとめ、その外周を絶縁繊維で被覆してもよく、あるいは、上記中間体を予め絶縁繊維で被覆したものを複数本まとめ、さらにその外周を絶縁繊維で被覆してもよい。好ましくは、芯材に導体線を複数本同時に捲回し、その外周を絶縁繊維で被覆したものが最もコンパクトにできる。
外周を被覆する絶縁繊維としては、マルチフィラメントまたは紡績糸を用いることができ、伸縮電線の用途や想定される使用条件に合わせて、公知の絶縁性繊維から任意に選ぶことができる。絶縁繊維は原糸のままでも良いが、意匠性や劣化防止の観点から原着糸や
先染め糸を用いることもできる。また、仕上げ加工により、柔軟性や耐摩擦性の向上を図ることもできる。さらに、難燃加工、撥水加工、撥油加工、防汚加工、抗菌加工、制菌加工および消臭加工など、公知の繊維の加工を施すことにより、実用時の取り扱い性を向上させることもできる。特に、絶縁繊維の表面にシリコーン樹脂等の平滑剤を付与すると、伸縮電線表面の摩擦係数をより低減できるので好ましい。また、ヒューマノイド型ロボットの外皮配線に用いる場合は、外皮を構成する樹脂が伸縮電線内部に浸透して伸縮性を阻害しないように、外周被覆部に撥水加工を施すことが好ましい。
耐熱性と耐磨耗性を両立させる絶縁繊維としては、アラミド繊維、ポリスルホン繊維およびフッ素繊維が挙げられる。耐火性の観点からは、ガラス繊維、耐炎化アクリル繊維、フッ素繊維およびサラン繊維が、また、耐磨耗性や強度の観点からは、高強力ポリエチレン繊維およびポリケトン繊維が挙げられる。コストと耐熱性の観点からは、ポリエステル繊維、ナイロン繊維およびアクリル繊維がある。これらに、難燃性を付与した難燃ポリエステル繊維、難燃ナイロン繊維および難燃アクリル繊維(モダクリル繊維)なども好適である。摩擦熱による局部的な劣化に対しては、非溶融繊維を用いることが好ましい。その例としては、アラミド繊維、ポリスルホン繊維、コットン、レーヨン、キュプラ、ウール、絹およびアクリル繊維を挙げることができる。強度を重視する場合は、高強力ポリエチレン繊維、アラミド繊維およびポリフェニレンサルファイド繊維が挙げられる。摩擦性を重視する場合は、フッ素繊維、ナイロン繊維およびポリエステル繊維が挙げられる。意匠性を重視する場合は、発色の良いアクリル繊維を用いることもできる。さらに、人との接触による触感を重視する場合は、キュプラ、アセテート、コットンおよびレーヨンなどのセルロース系繊維や、絹または繊度の細い合成繊維を用いることができる。
液体からの被覆性を高めたい場合には、外部被覆として絶縁樹脂の弾性チューブ状物を好適に用いることができる。絶縁樹脂はさまざまな弾性の絶縁樹脂から任意に選ぶことができ、伸縮電線の用途及び伸縮電線の内部構造に使用する他の絶縁繊維との相性を考慮しながら、選定することができる。
考慮すべき性能は伸縮性、耐磨耗性、耐熱性および耐薬品性などが挙げられ、これらの性能に優れるものとしては合成ゴム系弾性体が挙げられ、フッ素系ゴム、シリコーン系ゴム、エチレン・プロピレン系ゴム、クロロプレン系ゴムおよびブチル系ゴムが好ましい。
絶縁体からなる外部被覆層は、絶縁繊維により編組された被覆と弾性チューブ状物とを組み合わせることもできる。伸縮電線は、小さい力で伸縮させることを望むケースが多いが、弾性チューブ状物のみで被覆する場合は、弾性チューブの厚みを厚くする必要があり、伸縮に必要な力が大きくなりやすい。このような場合は、厚みの薄いチューブと絶縁繊維による編組を組み合わせることで、被覆性と伸縮性を両立させることができる。
芯材に導体線を捲回した中間体に被覆部を設ける前に、必要に応じて、弾性体による一体化層を設けることもできる。この一体化層は、導体線と芯材とのずれ防止を主な目的としていることから、その目的を達成できる範囲であれば、必ずしも連続的な層である必要はない。
一体化層は、芯材に導体線を捲回したのち、得られた構造物を弾性体の液状物中に浸漬するか、または、少なくとも捲回された導体線上に弾性体の液状物を付与し、その後、必要に応じて脱液を行った後、加熱による反応促進または乾燥を行うか、冷却による固化を行うことによって、形成することができる。
柔軟性に優れた薄い一体化層を形成するためには、弾性体の液状物の粘度が2000ポイズ以下であることが望ましい。これ以上の場合は、薄い膜形成が難しく、また、導体線と弾性円筒体の隙間に弾性体の液状物が浸透しにくくなる。薄い膜形成のために、弾性体の液状物として、2液混合反応型のポリウレタン系弾性体、溶剤中に溶解したポリウレタン系弾性体、ラテックス状の天然ゴム系弾性体およびラテックス状の合成ゴム系弾性体を
用いることができる。
弾性体による一体化層を設けることにより、導体線と芯材とが伸縮によりずれることを防ぐことができ、実用での耐久性を向上させることができる。
このようにして得られた伸縮電線は、抵抗が弛緩状態で10Ω/m以下であることが好ましい。これ以上の場合は、微弱電流を流すことができても、駆動電流を流すには適さない。さらに好ましくは1Ω/m以下である。
本発明の伸縮電線を複数本組み込んだ、細幅弾性テープ形状にしたものも作る事ができる。細幅弾性テープ形状とするためには、あらかじめ絶縁被覆された伸縮電線を2〜100本用いることが好ましい。汎用的なものは3〜5本用いるものであるが、電源から末端まで多数のモータやセンサーを1本のテープで配線したいという場合もあり、多数の伸縮電線をテープ状にすることもできる。取り扱い性の点から、テープの幅は20cm以下が好ましく、10cm以下であることがより好ましい。
以下、本発明を実施例及び比較例に基づいて説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
本発明で用いた評価方法は以下の通りである。
(1)50%伸長回復率
標準状態(温度20℃、相対湿度65%)に試料を2時間以上静置した後、標準状態下で、引張試験機(株式会社エー・アンド・デイ製、テンシロン試験機)につかみ間隔100mmで試料をセットし、引張速度100mm/minで伸長し、50%伸長後直ちに同速度で除重し、記録した荷重−伸長曲線から荷重がゼロになった時の残留伸びx(mm)を求め、次式により50%伸長回復率を求めた。
50%伸長回復率(%)=〔(50−x)/50〕×100
(2)50%伸長応力
(1)と同様の測定を行い、得られた荷重−伸長曲線から、50%伸長時の荷重P1(cN)を求め、次式により50%伸長応力を求めた。
50%伸長応力(cN/mm)=P1/A1
A1:当該試料の標準状態下の断面積A(mm)。断面積Aは、試料が変形しないように断面の寸法(丸断面の場合は直径、四角断面の場合は縦横の各辺の長さ)をノギスで測定して求めた。
(3)30%伸長荷重
(1)と同様の測定を行い、得られた荷重−伸長曲線から、30%伸長時の荷重(cN)を求めた。
(4)横方向の50%圧縮応力
標準状態(温度20℃、相対湿度65%)に試料を2時間以上静置した後、標準状態下で、圧縮試験機(カトーテック株式会社製、ハンディ圧縮試験機、KES−G5)の測定台に、試料の横方向(試料の長さ方向と直角の方向)を圧縮するように試料を置く。加圧板(直径1.6cm、面積2.0cm)をゆっくりと降下させて荷重が0.5gfになったところで加圧板を停止し、試料を取り除いてGAP測定を行う。GAPが試料の初期高さH1(mm)となる。次に、再び試料を加圧板の下に置き、0.1mm/秒の速度で初期高さH1の50%まで加圧板を降下させた後、直ちに同速度で除重し、記録した荷重−伸長曲線から50%圧縮時の荷重P2(cN)を求め、次式により横方向の50%圧縮応力を求めた。
横方向の50%圧縮応力(cN/mm)=P2/A2
A2(mm)=加圧板直径×試料幅B1=16×B1
なお、試料幅B1(mm)は、略丸断面の場合はGAP測定で求めた初期高さH1(m
m)を用い、四角断面の場合は初期高さH1と直角方向の幅を前記GAP測定と同様の方法であらかじめ測定した値(mm)を用いる。
(5)50%伸長回復時の横方向応力
標準状態(温度20℃、相対湿度65%)に試料を2時間以上静置した後、標準状態下で、圧縮試験機(カトーテック株式会社製、ハンディ圧縮試験機、KES−G5)の測定台に、試料の横方向(試料の長さ方向と直角の方向)を圧縮する方向に、試料を50%伸長した状態で固定する。加圧板(直径1.6cm、面積2.0cm)をゆっくりと降下させて荷重が0.5gfになったところで加圧板を停止し、試料を取り除いてGAP測定を行う。GAPが試料の初期高さH2(mm)となる。次に、再び試料を50%伸長した状態で加圧板の下に配置した後、試料を弛緩させ、加圧板に働く荷重P3(cN)を読み取る。次式により50%伸長回復時の横方向応力を求めた。
50%伸長回復時の横方向応力(cN/mm)=P3/A3
A3(mm)=加圧板直径×50%伸長時の試料幅B2=16×B2
なお、50%伸長時の試料幅B2(mm)は、略丸断面の場合はGAP測定で求めた初期高さH2(mm)を用い、四角断面の場合は初期高さH2と直角方向の幅を前記GAP測定と同様の方法であらかじめ測定した値(mm)を用いる。
(6)繰返し伸長回復性
デマッチャ式繰返疲労試験機(株式会社大栄科学精器製作所製)を用い、図3に示すように固定チャック(11)および可動チャック(12)の間隔を20cm、可動チャック(12)の可動長さを10cmにセットし、無荷重状態で20cm間隔でマーキングした試料(14)を、マーキング位置を固定チャック(11)の下端及び可動チャック(12)の上端に合わせて把持する。固定チャック(11)と可動チャック(12)の中間に、直径1.27cmの表面が鏡面のステンレス棒(13)を、固定チャック(11)と可動チャック(12)を結ぶ直線から横方向に5cm張り出させて配置する。この条件で、初期伸長率が約11%、引張時伸長率が約60%となる。
室温で、60回/分の速度で伸縮を10万回、20万回、50万回及び100万回繰り返した後、試料のマーキング間の長さL(cm)を無荷重状態で測定し、次式により残留歪みを求めた。
残留歪み(%)=〔(L−20)/20〕×100
(7)摩擦耐久性(電気抵抗値変化率)
(6)と同様の試験を行い、試験前の電気抵抗値R1(60%伸長時)及び伸縮を所定回数繰り返した後の電気抵抗値R2(60%伸長時)を、ミリオームハイテスター3540(日置電機株式会社製)により測定し、次式により電気抵抗値変化率を求めた。
電気抵抗値変化率(%)=〔(R2−R1)/R1〕×100
なお、導体線を複数本捲回している電線は、各導体線の電気抵抗変化率をそれぞれ測定し、それらの平均値を算出した。また、導体線が1本でも断線した電線は断線と判定した。
[実施例1]
ダブルカバリング機(カタオカテクノ社製、SP−400型)を用い、940dtex/72fのポリウレタン弾性長繊維(旭化成せんい株式会社製、商品名:ロイカ)を芯にして、伸長倍率6倍で伸長しながら、155dtex/48fのナイロン仮撚糸を500T/mの下撚り(S撚り)および332T/mの上撚り(Z撚り)で捲回し、ダブルカバー糸を得た。得られたダブルカバー糸を用い、8本打ちの製紐機(株式会社国分社製)を用いて編組加工を行い、ポリウレタン弾性長繊維の組紐からなる直径1.9mmの略丸断面の芯材を得た。得られた芯材の50%伸長回復率、50%伸長応力、横方向の50%圧縮応力及び50%伸長回復時の横方向応力の評価結果を表1に示す。
得られた芯材を芯にして、16本打ちの製紐機(株式会社国分社製)を用いて、芯材を2.0倍に伸長しながら、Z方向に銅細線集合線(直径0.03mm×90本)2本(対角線上に配置)とナイロン仮撚糸(220dtex/72f)6本を配置し、S方向にエステル仮撚糸(56dtex/24f)を8本配置して編組加工を行い、伸縮電線中間体を得た。得られた伸縮電線中間体を芯にして再度16本打ちの製紐機に仕掛け、1.8倍に伸長しながら、エステル仮撚糸(167dtex/72f)をZ方向及びS方向に各々8本ずつ配置して編組加工による外部被覆を行い、2本の導体線を有する伸縮電線を得た。得られた伸縮電線の30%伸長荷重、残留歪み及び摩擦耐久性(電気抵抗値変化率)の評価結果を表1に示す。
[実施例2]
実施例1で用いたダブルカバー糸を用い、卓上紐編機(圓井繊維機械株式会社製、10ゲージ、4本)を用いて製編加工を行い、ポリウレタン弾性長繊維の編紐からなる直径2.1mmの略丸断面の芯材を得た。得られた芯材の50%伸長回復率、50%伸長応力、横方向の50%圧縮応力及び50%伸長回復時の横方向応力の評価結果を表1に示す。
得られた芯材を芯にして、実施例1と同様にして伸縮電線を作成した。得られた伸縮電線の30%伸長荷重、残留歪み及び摩擦耐久性(電気抵抗値変化率)の評価結果を表1に示す。
[実施例3]
実施例1で用いたダブルカバー糸を6本引き揃えたものを芯にして3.2倍に伸長しながら、8本打ちの製紐機を用いて、ナイロン仮撚糸(220dtex/72f)をZ方向及びS方向に各々4本ずつ配置して編組加工を行い、直径2.6mmの略丸断面の芯材を得た。得られた芯材の50%伸長回復率、50%伸長応力、横方向の50%圧縮応力及び50%伸長回復時の横方向応力の評価結果を表1に示す。
得られた芯材を芯にして、実施例1と同様にして伸縮電線を作成した。得られた伸縮電線の30%伸長荷重、残留歪み及び摩擦耐久性(電気抵抗値変化率)の評価結果を表1に示す。
[実施例4]
エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)に発泡剤を混入した発泡性ゴム(日東電工株式会社製、商品名:エプトシーラー)からなるシートをスリット加工し、多孔質弾性体からなる1辺が2mmの四角断面の芯材を得た。得られた芯材の50%伸長回復率、50%伸長応力、横方向の50%圧縮応力及び50%伸長回復時の横方向応力の評価結果を表1に示す。
得られた芯材を芯にして、実施例1と同様にして伸縮電線を作成した。得られた伸縮電線の30%伸長荷重、残留歪み及び摩擦耐久性(電気抵抗値変化率)の評価結果を表1に示す。
[実施例5]
シリコーンゴム100部に対して、有機過酸化物系のシリコーンゴム用加硫剤を0.8部の割合で添加した後、2本ロールを使用して室温で混練りしてシリコーンゴム原材料を作成し、シリコーンゴム用押出機でチューブ状に押し出し、420℃の加硫温度で予備加硫しながら成形速度70m/minで延伸して、外径2.2mm、内径1.3mmの中空糸形状の弾性体からなる芯材を得た。得られた芯材の50%伸長回復率、50%伸長応力、横方向の50%圧縮応力及び50%伸長回復時の横方向応力の評価結果を表1に示す。
得られた芯材を芯にして、実施例1と同様にして伸縮電線を作成した。得られた伸縮電線の30%伸長荷重、残留歪み及び摩擦耐久性(電気抵抗値変化率)の評価結果を表1に示す。
[実施例6]
実施例1と同様にして得られた芯材を用い、ダブルカバリング機を用いて、芯材を2.0倍に伸長しながら、Z方向に銅細線集合線(直径0.03mm×90本)2本を捲回させて伸縮電線中間体を得た。得られた伸縮電線中間体を芯にして、16本打ちの製紐機に仕掛け、1.8倍に伸長しながら、エステル仮撚糸(167dtex/72f)をZ方向及びS方向に各々8本ずつ配置して編組加工による外部被覆を行い、2本の導体線を有する伸縮電線を得た。得られた伸縮電線の30%伸長荷重、残留歪み及び摩擦耐久性(電気抵抗値変化率)の評価結果を表1に示す。
[比較例1]
12番手の天然ゴム糸(1辺が2.1mmの四角断面)を芯材に用いた他は、実施例1と同様にして伸縮電線を作成した。芯材の得られた50%伸長回復率、50%伸長応力、横方向の50%圧縮応力、50%伸長回復時の横方向応力、得られた伸縮電線の30%伸長荷重、残留歪み及び摩擦耐久性(電気抵抗値変化率)の評価結果を表1に示す。
[比較例2]
ダブルカバリング機を用い、940dtex/72fのポリウレタン弾性長繊維(旭化成せんい株式会社製、商品名:ロイカ)を6本引き揃えて芯にして、伸長倍率6倍で伸長しながら、155dtex/48fのナイロン仮撚糸を250T/mの下撚り(S撚り)および140T/mの上撚り(Z撚り)で捲回し、ポリウレタン弾性長繊維のダブルカバー糸からなる直径1.7mmの略丸断面の芯材を得た。得られた芯材の50%伸長回復率、50%伸長応力、横方向の50%圧縮応力及び50%伸長回復時の横方向応力の評価結果を表1に示す。
得られた芯材を芯にして、実施例1と同様にして伸縮電線を作成した。得られた伸縮電線の30%伸長荷重、残留歪み及び摩擦耐久性(電気抵抗値変化率)の評価結果を表1に示す。
[比較例3]
エステル仮撚糸(333dtex/144f)を用い、16本打ちの製紐機を用いて編組加工を行い、エステル仮撚糸の組紐からなる直径2.0mmの略丸断面の芯材を得た。得られた芯材の50%伸長回復率、50%伸長応力、横方向の50%圧縮応力及び50%伸長回復時の横方向応力の評価結果を表1に示す。なお、芯材の50%伸長応力が高すぎるために、50%伸長して圧縮試験機に固定することが困難であったため、横方向の50%伸長回復時の横方向応力は評価不可能であった。
得られた芯材を芯にして、芯材の伸長倍率を1.3倍、伸縮電線中間体の伸長倍率を1.2にした以外は実施例1と同様にして伸縮電線を作成した。得られた伸縮電線の30%伸長荷重、残留歪み及び摩擦耐久性(電気抵抗値変化率)の評価結果を表1に示す。
Figure 2009301880
実施例の伸縮電線はいずれも、30%伸長時の荷重が小さく、小さな力で伸縮が可能であった。また、繰返しの伸縮による残留ひずみが小さく、伸長回復性に優れていた。さらに、図1に示すように導体線が芯材に適度に埋没した状態で捲回した構造を有しているために、伸縮電線の表面が繰返し摩擦作用を受けても電気抵抗値の増加が少ないことから、導体線の断線が起きにくく摩擦耐久性に優れていることが判る。
比較例1の伸縮電線は、小さな力で伸縮が可能であり伸長回復性にも優れているが、芯材の横方向の圧縮応力が高すぎるため、図2に示すように導体線が芯材の表面に突出して捲回した構造となっており、摩擦耐久性が劣っていた。
比較例2の伸縮電線は、伸長回復性には優れているが、芯材の伸長応力が高すぎるために電線を伸長させるのに大きな力が必要であり、また、芯材の横方向の圧縮応力が高すぎるため、図2に示すように導体線が芯材の表面に突出して捲回した構造となっており、摩擦耐久性が劣っていた。
比較例3の伸縮電線は、芯材の伸長性、伸長回復性及び横方向の圧縮応力が著しく低いため、得られた伸縮電線は伸長性及び伸長回復性が著しく低く、摩擦耐久性も大きく劣るものであった。
本発明の伸縮電線は、ロボット分野をはじめとして、身体装着機器、衣服装着機器等、曲げ伸ばしなどの屈曲部を有する装置の配線に好適であり、特に、ヒューマノイド型ロボット(内部配線及び外皮配線)、パワーアシスト装置、ウエアラブル電子機器等に好適である。その他、各種ロボット(産業用ロボット、家庭用ロボット、ホビーロボット等)、リハビリ用補助具、バイタルデータ測定機器、モーションキャプチャー、電子機器付防護服、ゲーム用コントローラー(人体装着型を含む)、マイクロフォン、ヘッドフォン等の分野で好適に利用できる。
本発明の伸縮電線の芯材と導体線の位置関係を表す模式図である。 本発明の比較例1及び2の伸縮電線の、芯材と導体線の位置関係を表す模式図である。 本発明の繰返し伸長回復性及び摩擦耐久性の評価装置の模式図である。
符号の説明
1 芯材
2 導体線
11 固定チャック
12 可動チャック
13 ステンレス棒
14 試料

Claims (6)

  1. 伸縮性を有する弾性体からなる芯材の周囲に導体線を捲回してなる伸縮電線において、芯材の50%伸長回復率が80%以上、50%伸長回復時の横方向応力が0.05cN/mm以上、横方向の50%圧縮応力が5〜100cN/mmであることを特徴とする伸縮電線。
  2. 芯材の50%伸長応力が1〜200cN/mmであることを特徴とする請求項1に記載の伸縮電線。
  3. 芯材が、多孔質の弾性体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の伸縮電線。
  4. 芯材が、長手方向に連続した中空部を少なくとも一つ以上有する弾性体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の伸縮電線。
  5. 芯材が、弾性長繊維からなる編紐又は組紐であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の伸縮電線。
  6. 伸縮電線が、その外周に被覆部を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の伸縮電線。
JP2008155352A 2008-06-13 2008-06-13 伸縮電線 Expired - Fee Related JP5354966B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008155352A JP5354966B2 (ja) 2008-06-13 2008-06-13 伸縮電線

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008155352A JP5354966B2 (ja) 2008-06-13 2008-06-13 伸縮電線

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009301880A true JP2009301880A (ja) 2009-12-24
JP5354966B2 JP5354966B2 (ja) 2013-11-27

Family

ID=41548580

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008155352A Expired - Fee Related JP5354966B2 (ja) 2008-06-13 2008-06-13 伸縮電線

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5354966B2 (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012216469A (ja) * 2011-04-01 2012-11-08 Asahi Kasei Fibers Corp 電装用ケーブル
JP2013062065A (ja) * 2011-09-12 2013-04-04 Hitachi Cable Fine Tech Ltd フラットケーブル及びそれを用いたケーブルハーネス
JP2016066509A (ja) * 2014-09-25 2016-04-28 アキレス株式会社 電線用導体
JP2016119158A (ja) * 2014-12-18 2016-06-30 旭化成せんい株式会社 伸縮伝送路
JP2016216886A (ja) * 2016-07-14 2016-12-22 グンゼ株式会社 導電性伸縮編地
WO2019230103A1 (ja) * 2018-05-31 2019-12-05 パナソニックIpマネジメント株式会社 アクチュエータ装置、アクチュエータバンド及びアクチュエータバンドの製造方法
JP2020031099A (ja) * 2018-08-21 2020-02-27 エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド 電子部品及び表示装置
WO2020175646A1 (ja) * 2019-02-28 2020-09-03 東レ株式会社 紐および帽子
CN112513559A (zh) * 2018-07-20 2021-03-16 帝人株式会社 传感器装置

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61194251A (ja) * 1985-02-21 1986-08-28 東レ・デュポン株式会社 金属線を含有してなる伸縮性布帛物

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61194251A (ja) * 1985-02-21 1986-08-28 東レ・デュポン株式会社 金属線を含有してなる伸縮性布帛物

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012216469A (ja) * 2011-04-01 2012-11-08 Asahi Kasei Fibers Corp 電装用ケーブル
JP2013062065A (ja) * 2011-09-12 2013-04-04 Hitachi Cable Fine Tech Ltd フラットケーブル及びそれを用いたケーブルハーネス
JP2016066509A (ja) * 2014-09-25 2016-04-28 アキレス株式会社 電線用導体
JP2016119158A (ja) * 2014-12-18 2016-06-30 旭化成せんい株式会社 伸縮伝送路
JP2016216886A (ja) * 2016-07-14 2016-12-22 グンゼ株式会社 導電性伸縮編地
WO2019230103A1 (ja) * 2018-05-31 2019-12-05 パナソニックIpマネジメント株式会社 アクチュエータ装置、アクチュエータバンド及びアクチュエータバンドの製造方法
US11181100B2 (en) 2018-05-31 2021-11-23 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Actuator device, actuator band, and method for manufacturing actuator band
EP3825646A4 (en) * 2018-07-20 2021-08-25 Teijin Limited SENSOR DEVICE
CN112513559A (zh) * 2018-07-20 2021-03-16 帝人株式会社 传感器装置
US11421974B2 (en) 2018-07-20 2022-08-23 Teijin Limited Sensor device with improved stability
JP2020031099A (ja) * 2018-08-21 2020-02-27 エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド 電子部品及び表示装置
JP7245011B2 (ja) 2018-08-21 2023-03-23 エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド 電子部品及び表示装置
WO2020175646A1 (ja) * 2019-02-28 2020-09-03 東レ株式会社 紐および帽子
CN113474502A (zh) * 2019-02-28 2021-10-01 东丽株式会社 线绳和帽子

Also Published As

Publication number Publication date
JP5354966B2 (ja) 2013-11-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5354966B2 (ja) 伸縮電線
TWI400722B (zh) 伸縮電線及其製造方法
KR101227745B1 (ko) 신축성 광신호 전송 케이블
JP2011082050A (ja) 伸縮電線
JP5872787B2 (ja) 信号伝送用多芯型伸縮ケーブル
JP5828743B2 (ja) 耐屈曲ケーブル
JP2010040337A (ja) 高耐久性伸縮電線
JP2015026476A (ja) 多層型伸縮伝送線
JP2014229568A (ja) 伸縮性を有する帯状伝送路
JP6345521B2 (ja) 端末加工された伸縮性伝送体
CN209433899U (zh) 一种天车移动用编织型橡套软电缆
JP5339798B2 (ja) 伸縮電線
JP2014096262A (ja) シールド付伸縮電線
JP5465856B2 (ja) 伸縮性ワイヤーハーネス
JP2010040339A (ja) 伸縮電線
JP2009054312A (ja) 伸縮性光ファイバー複合ケーブル及びその製造方法
CN211265003U (zh) 一种高柔软性移动用拖链电缆
JP6497927B2 (ja) 伸縮伝送路
JP6600494B2 (ja) 耐捻回性に優れる伸縮ケーブル
JP2021111588A (ja) 伸縮電線及びケーブル
JP2019067709A (ja) 伸縮電線
JP2017183238A (ja) 伸縮電線
CN108766633A (zh) 一种高柔性抗拉耐磨移动扁平电缆
JP2012216469A (ja) 電装用ケーブル

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110608

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130625

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130805

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130827

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130827

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5354966

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees