JP2009298390A - 車両用空調装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷凍サイクルの運転モードが車両の走行状態に応じて適正に制御され、走行燃費の一層の向上を図ることができる車両用空調装置を提供する。
【解決手段】エアコンECU100は、蓄冷部へ冷媒を流して蓄冷する蓄冷モードと、蓄冷部に蓄えた熱を放冷させる放冷モードと、蓄冷部に冷媒を流すことなく主回路である第1の流路に冷媒を循環させる貯冷モードと、にわたる各モードを熱費の大きさに基づいて制御する。これにより冷凍サイクルの運転モードが車両の走行状態に応じて適正に制御され、走行燃費の一層の向上を図ることができる。
【選択図】図7

Description

本発明は、蓄冷熱交換器を備えた冷凍サイクルを用いて車室内の空調を行う車両用空調装置に関する。
従来、蓄冷熱交換器を備えた冷凍サイクルにより圧縮機停止時の空調を行う車両用空調装置として特許文献1に記載の装置が知られている。この車両用空調装置においては、特許文献1の図1に示すように、冷凍サイクル中の蓄冷熱交換器が蒸発器と圧縮機との間で蒸発器に直列に接続されている。
そして、蓄冷運転時には膨張弁で減圧膨張された低温の冷媒によって蓄冷熱交換器の蓄熱材を冷却して蓄冷し(低温の熱量を蓄え)、エンジンおよび圧縮機の停止時の放冷時(蓄冷した熱の放出時)には蒸発器で蒸発した冷媒を蓄冷熱交換器で凝縮させることにより蒸発圧力を低く保って蒸発器の冷却能力を維持している。
特開2007−1485号公報
しかしながら、特許文献1に記載の車両用空調装置は、いわゆるアイドルストップ車両に適用することを想定しており、蒸発器と蓄冷熱交換器とが直列に接続されているため、蓄冷熱交換器の冷媒圧力が圧縮機の吸入圧力に等しくなってしまう。このため、蓄冷熱交換器の放冷運転を補助するように圧縮機を作動させることができない。すなわち、快適性を優先するため、放冷運転時に蒸発器の吹出し温度の変動を抑えることができず、放冷運転の適用範囲が圧縮機の停止時のみに限定されてしまう。したがって、従来技術では、幅広い車両の走行状態において、蓄冷、放冷等を制御できず、走行燃費の一層の向上を図ることができないという問題があった。
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、冷凍サイクルの運転モードが車両の走行状態に応じて適正に制御され、走行燃費の一層の向上を図ることができる車両用空調装置を提供する。
上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。車両用空調装置に係る第1の発明は、車両のエンジン(21)の軸出力を受けて駆動され、冷媒を吸入して吐出する圧縮機(2)、当該吐出された冷媒を冷却する凝縮器(3)、凝縮器(3)で冷却された冷媒を減圧する減圧器(4)、および当該減圧された冷媒を蒸発させて車室内へ送風する空気を冷却する蒸発器(5)を順次環状に接続して構成される主回路(1a)を有する冷凍サイクル(1)と、
エンジンの軸出力を得るために必要とされる燃料量である熱費を用いて冷凍サイクルの冷媒流れを複数のモードに制御する制御装置(100)と、を備えている。
さらに冷凍サイクル(1)は、主回路から分岐し、圧縮機の吸入側に合流する補助流路(1b)と、蓄熱材(121)を有し、補助流路に配された蓄冷部(12,122)と、蓄冷部への蓄冷と蓄冷部からの放冷とを切り替える弁手段(9,10)と、を有している。
そして、制御装置は、蓄冷部へ冷媒を流して蓄冷する蓄冷モードと、蓄冷部に蓄えた熱を放冷させる放冷モードと、蓄冷部に冷媒を流すことなく主回路に冷媒を循環させる貯冷モードと、にわたる各モードを熱費の大きさに基づいて制御することを特徴とする。
この発明によれば、冷凍サイクルの蓄冷、放冷を実施するタイミングを、ある軸出力を得るために必要な燃料量(熱費)から判断して制御することにより、冷凍サイクルの運転モードが車両の走行状態に応じて適正に制御され、走行燃費の一層の向上を図ることができる。
また、制御装置は、熱費の判定について複数の閾値を有し、
熱費が第1の閾値(Na)よりも小さいときは前記蓄冷モードに制御し、
熱費が第1の閾値(Na)よりも大きい値である第2の閾値(Nb)よりも大きいときは放冷モードまたは貯冷モードに制御することが好ましい。
この発明によれば、熱費が小さく燃料をほとんど使わないような場合(例えば減速時)には蓄冷モードを行うことができる。さらに熱費が大きいとき(例えば、アイドリング時、加速時)に放冷モード等を実施することができる。これらの走行状態に応じて各モードを使い分けて、冷凍サイクルの作動を反復することにより、大幅な省エネルギー効果が得られる。
また、制御装置は、
熱費が第2の閾値(Nb)よりも大きいときは放冷モードに制御し、
熱費が第1の閾値以上で第2の閾値以下であるときは貯冷モードに制御することが好ましい。
この発明によれば、熱費が他のモード時に比べて最も大きい場合に放冷モードが実施され、熱費が蓄冷モード時よりも大きいが放冷モード時よりも小さい場合には貯冷モードが実施される。これにより、アイドリング時や加速時の走行負荷の大きいときに、冷媒流量を抑制できる放冷モードによって効率的な冷凍サイクル運転ができ、走行負荷が中間の状態であるときに蓄冷モードほど冷媒流量を要しない貯冷モードによって効率的な冷凍サイクル運転ができる。
また、制御装置は放冷モードでは圧縮機の吐出容量を減少させるように制御するものである。この発明によれば、冷媒温度を下げることで冷媒圧力が低下するので、高圧側の冷媒圧力が低下し、圧縮機の仕事量を低減できる。これにより、エンジンの負荷も下がり、車両の燃費が改善される。
さらに、減圧器(4)が冷媒の流通を遮断したときに、常に開状態にあり当該遮断された冷媒の流通を許容するブリードポート(7)を備えることが好ましい。この発明によれば、車両停止時等に圧縮機が停止したときに、放冷モードが実施でき、車室内の乗員に対して冷房を供給することができるため、不快感を与えない空調を提供できる。
また、冷媒を減圧する減圧手段であるとともに、高速で噴出する冷媒流の吸引作用によって冷媒の循環を行う流体輸送を行うエジェクタ(32)を備え、
エジェクタは、凝縮器から流出された冷媒を取り入れ、その通路面積を小さく絞って冷媒を等エントロピー的に減圧膨張させるノズル部と、ノズル部の冷媒噴出口と連通するように配置され冷媒を吸引する吸引部とを有し、
エジェクタの吸引部は、蓄冷部に配管で接続されている。
この発明によれば、吸引部からの吸引作用により、蓄冷部の冷媒をエジェクタの内部に引き込むことができる。これにより、蓄冷モード時には当該吸引作用により、蒸発器側の冷媒が蓄冷部内に流入する流量を増加させることができる。したがって、蓄冷モード時の蓄冷量を増やし、さらに省エネルギーを促進することができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態の具体的手段との対応関係を示す一例である。
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、明示してなくても実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
(第1実施形態)
本発明の一実施形態である第1実施形態の車両用空調装置は、例えば、信号待ちなどで車両が停止する所定の条件になると、エアコンがON状態であっても車両のエンジン21を自動的に停止してアイドリングストップ状態とすることで車両停止時の排気ガス量を低減する車両に使用されるものである。
この車両空調装置は、エンジン21の停止時の冷房能力の確保および空調負荷軽減のために、蓄冷部である蓄冷熱交換器12および蓄冷タンク122を蒸発器に対して並列になるように備えている。そして、この蓄冷部を用いて、車両減速時の回生エネルギーを積極的に蓄冷し(低温の熱(本願においては冷熱とも表現する)を蓄え)、効率の悪い運転域では圧縮機2の停止、または作動負荷の軽減によって空調運転を行い、走行燃費を向上させるものである。
具体的には、本車両用空調装置は、エンジン21の効率の良い運転領域または減速製同時の燃料カット領域で積極的に圧縮機2を作動させて蓄冷し、効率の悪い運転領域では放冷して圧縮機2の作動負荷を低減させる。これにより、走行燃費が最大となるような蓄冷、放冷の各モードの制御を実現する。
以下、本実施形態について図1〜図12を用いて説明する。図1は、本実施形態の車両用空調装置に用いられる蒸気圧縮式冷凍サイクル1の構成を示した模式図である。図1に示すように、蒸気圧縮式冷凍サイクル1は、車両のエンジン21の軸出力を受けて駆動され、冷媒を吸入して吐出する圧縮機2と、圧縮機2で吐出された冷媒を冷却する凝縮器3と、凝縮器3で冷却された冷媒を減圧する第1膨張弁4と、第1膨張弁4で減圧された冷媒を蒸発させて車室内へ送風する空気を冷却する蒸発器5と、を順次環状に配管によって接続して構成される第1の流路1a(主回路)を備えている。また、蒸発器5と圧縮機2の吸込み側との間の第1の流路1aには流路抵抗部6が設けられている。流路抵抗部6は、蒸発器5を流出した冷媒を所定圧力に制御する絞り機構である。使用する冷媒は特に限定するものではないが、本実施形態ではR134aを使用することとする。
蒸気圧縮式冷凍サイクル1は、第1の流路1aに加え、第2の流路1b(補助流路)を備えている。第2の流路1bは、主回路のある範囲を迂回するように設けられた補助流路であり、第1膨張弁4と凝縮器3との間の第1膨張弁4よりも上流側の配管部位である分岐部14で第1の流路1aから分岐し、圧縮機2の吸込み側の配管部位である合流部17で第1の流路1aに合流するように接続された流路である。さらに第2の流路1bには、蒸発器5および流路抵抗部6と並列になるように蓄冷熱交換器12が設けられている。蒸気圧縮式冷凍サイクル1は、蒸発器5と流路抵抗部6との間であって蒸発器5よりも下流側の配管部位である分岐部15と、第2の流路1bの蓄冷熱交換器12よりも上流側の配管部16とを接続するバイパス流路1cと、蓄冷熱交換器12の入口および出口と第1の流路1aとの間の冷媒の流通を切り替える弁手段と、を備えている。バイパス流路1cで第1の流路1aと第2の流路1bとが接続されることによって、蓄冷熱交換器12は流路抵抗部6と並列の位置関係にある。
そして、弁手段は、それぞれ電子制御方式であって、後述するエアコンECU100によって例えばソレノイドへの通電がなされることにより開閉される第1電磁弁9、第2電磁弁10、第3電磁弁11で構成される。第1電磁弁9、第2電磁弁10および第3電磁弁11は、蓄冷熱交換器12の入口および出口と第1の流路1aとの間の冷媒の流通を切り替えるものである。第1電磁弁9は、蓄冷熱交換器12よりも第2の流路1bの上流側でかつ第2膨張弁8の下流側に設けられて、凝縮器3から流出した冷媒が第2の流路1bに流入可能となるか否かを制御する弁である。第2電磁弁10は、バイパス流路1cに設けられて、蒸発器5から流出した冷媒が第2の流路1bの蓄冷熱交換器12に流入可能とするか否かを制御する弁である。第3電磁弁11は、蓄冷熱交換器12よりも下流側に設けられて、蓄冷熱交換器12内の冷媒が圧縮機2に吸入され得るか否かを制御する弁である。
第1電磁弁9および第3電磁弁11は、例えば、ノーマルクローズタイプとする。第2電磁弁10は、例えば、ノーマルオープンタイプとする。ノーマルクローズタイプの電磁弁とは、通電状態で開状態となり、非通電状態では閉状態となる弁である。ノーマルオープンタイプの電磁弁とは、通電状態で閉状態となり、非通電状態では開状態となる弁である。
圧縮機2は、蒸気圧縮式冷凍サイクル1内の冷媒を圧縮機構により吸入して吐出する流体機械である。圧縮機2は、容量制御機構によって圧縮容量が可変される可変容量式であり、例えば斜板型可変容量圧縮機を用いる。斜板型可変容量圧縮機には、吐出容量を変化させる容量制御機構である電磁制御弁2aが取り付けられている。
電磁制御弁2aは、電磁駆動式の弁であり、エアコンECU100によって制御される出力電流(例えばデューティ信号)により冷媒の供給通路を繰り返して開閉することができる開閉弁である。電磁制御弁2aは、給気通路の開度を調節する弁体と、この弁体に上方で作動可能に連結されている感圧機構部と、弁体に下方で作動可能に連結されている電磁アクチュエータと、をバルブハウジングの内部に備えるように構成されている。
圧縮機2は動力断続用の電磁クラッチを有し、エンジン21の軸動力が動力伝達機構を構成するVベルトおよび電磁クラッチを介して圧縮機2に伝達される。電磁クラッチへの通電はエアコンECU100によって断続され、電磁クラッチが通電されて接続状態になると、圧縮機2は運転状態となり、電磁クラッチの通電が遮断されて開離状態になると、圧縮機2は停止する。
そして、斜板型可変容量圧縮機においては、走行用のエンジン21からの駆動力がシャフトに伝達され、シャフトに固定されたドライブプレートと隙間嵌合されたガイドピンを介して斜板が回転運動される。圧縮機2は、エアコン制御装置100からの出力電流に比例して冷媒流量が増えるように制御される。
具体的には、エアコン制御装置100からの出力電流により、電磁制御弁2aが作動し、圧縮機2のケース内の制御圧力が変化する。この制御圧力が変化すると、斜板の傾斜角度が変化し、斜板にシューを介して接続されたピストンのストロークが変化して圧縮機2の容量が変化することになる。そして、エアコンECU100によって電磁制御弁2aの開度が調節されると、クランク室への高圧の吐出冷媒ガスの導入量とクランク室からの冷媒ガスの導出量とのバランスが制御され、クランク室の内圧が決定されることになる。クランク室の内圧の変化に応じて、ピストンを介してのクランク室の内圧と圧縮室の内圧との差が変化すると、斜板の傾斜角度が変わり、圧縮機2の吐出容量が調節される。
クランク室の内圧が低下すると、斜板の傾斜角度が増大し、圧縮機2の吐出容量が増大する。逆にクランク室の内圧が上昇すると、斜板の傾斜角度が小さくなりピストンのストロークが減少し、圧縮機2の吐出容量が減少することになる。このように斜板の傾斜角度を変えて圧縮機2の吐出容量を調節することにより、車室内の冷房を最適な状態にするようになっている。
圧縮機2で高温高圧に圧縮されたガス冷媒は、凝縮器3に流入する。凝縮器3は、圧縮機2により高温高圧に圧縮された冷媒を冷却して凝縮液化する熱交換器である。凝縮器3に車両の走行風と電動式のファン(図示せず)によって冷却風が送風されることにより、凝縮器3内部のガス冷媒が冷却されて凝縮する。
第1膨張弁4は、凝縮器3を流出した冷媒を所定圧力に減圧膨張できる減圧器であり、弁部と、蒸発器5の出口温度を検出する感温部とを備えた温度式膨張弁である。感温部で検出された冷媒の温度に応じて弁部の開度が制御されることにより、蒸発器5出口の冷媒の過熱度は所定値に制御される。第1膨張弁4が設けられている配管には、弁部とは別に常に開状態にある細い管のブリードポート7が設けられている。また、第1膨張弁4としてブリードポート付きのものを用いてもよい。
蒸発器5は、冷媒の蒸発潜熱により車室内の空気を冷却するものであり、エアコン操作パネル101の裏側に配置された空調ケース内に設けられている。そして、空調ケースにおいて、車両室内または車両室外から取り込んだ空気を蒸発器5に向かって送風機(図示せず)により送風することで、蒸発器5により冷却された空気が車室内に送り出される。
蒸発器5の下流側には、蒸発器5を流出した後の冷媒の温度を検出する蒸発器後センサ13が設けられている。この蒸発器後センサ13により検出された温度情報は、エアコンECU100に送信され、蒸発器5の冷却能力を制御するために用いられる。また、蒸発器後センサ13は着霜防止の機能を有する。冷房能力が冷房負荷に勝った場合、冷媒蒸発圧力が低下し、蒸発器5の表面温度が0℃以下となる。このため、凝縮水の氷結が進行して通過空気の流動を妨げ、蒸発圧力がさらに下がり、空気が流れなくなってしまうということになる。このような状態を防止するために、冷凍サイクルの冷房能力を制御して着霜を防止する機能が必要である。なお、蒸発器5の温度を知るために蒸発器後センサ13の代わりに蒸発器5のフィン温度を直接検出するフィン温度センサを用いてもよい。
さらに、空調ケース内においては、蒸発器5の下流側にエアミックスドア(図示せず)が配置され、このエアミックスドアの下流側にはエンジン21の温水を熱源として空気を加熱するヒータコア(図示せず)が配置されている。エアミックスドアは、車室内への吹出し空気の温度調節機能を有しており、ヒータコアからの温風と蒸発器5から直接流れてくる空気との割合を調節するものである。
第2の流路1bに設けられた第2膨張弁8は、前述の第1膨張弁4と同様の減圧器である。蓄冷熱交換器12は蒸発器5に対して並列に設けられている。蓄冷熱交換器12は、冷凍サイクルの作動媒体である冷媒(例えばHFC134a等)と空気と蓄熱材(例えばパラフィン、氷等)との三者間で熱交換が可能な構成を備えている。蓄熱材は冷媒により運ばれる熱(冷たい熱、暖かい熱)等を蓄えることができる。蓄冷(蓄熱材に低温の熱エネルギ(冷熱)を蓄えること)モードでは、蓄熱材の融点よりも低い温度の冷媒を蓄冷熱交換器12に流通させることにより、蓄熱材が凝固し、凝固潜熱が蓄えられる。放冷(蓄冷した熱を放出すること)モードでは、蓄熱材の融点よりも高い温度の空気を流通させることにより、蓄熱材が加熱されて融解潜熱を受けて融解し液相になる。
蓄冷熱交換器12は、蓄熱材が充填されている蓄熱材セル121と冷媒の通る通路とが隣接して配置される構成を有し、両者間で熱交換を可能としている。さらに、蓄熱材セル121と空気が通る通路と隣接して配置される構成を有し、両者間で熱交換を可能としている。このような熱交換器の具体的構成としては、前述の特許文献1に開示される周知の構成をはじめ、種々の構成を採用することができる。例えば、フィンアンドチューブタイプの熱交換器は、二重構造のチューブにおいて蓄熱材を封入する部分と冷媒を通過させる流路とを構成し、さらにチューブ内部と周囲の空気との熱交換を促進するためのフィンをチューブと交互に積層することにより構成する。
蓄冷熱交換器12と圧縮機2との間には、蓄冷熱交換器12で蓄熱材が放冷するときに凝縮液化される冷媒を貯めるための貯留空間を形成する蓄冷タンク122が設けられている。蓄冷タンク122は蓄冷熱交換器12と一体となって設けられ、当該貯留空間は鉛直方向下方に配置されている。
エアコンECU100は、エンジンECU110およびエアコン操作パネル101と双方向に通信可能な構成であり、冷凍サイクルを構成する各機器を制御する制御装置である。エアコンECU100は、空調制御に係る各種制御プログラム、マップ、演算式等が記憶されたマイクロコンピュータ、エンジンECU110等の外部機器との通信を可能とする通信処理回路、およびマイクロコンピュータで演算された結果に基づいて当該各機器を制御する信号を出力する出力処理回路を内蔵している。
マイクロコンピュータは、エンジンECU110から送信される熱費(エンジンの軸出力を得るために必要とする燃料量)に応じて圧縮機2の吐出容量を制御するとともに上記弁手段の作動を制御することにより、冷凍サイクルの運転モードを決定するプログラムを内蔵している。エアコンECU100は、エアコン操作パネル101の操作により出力される信号、内気または外気の温度を検出する内外気検知センサ、日射センサ、蒸発器後センサ13、エンジン水温センサ等のセンサ群から出力される各信号や、エンジンECU110から送信される信号に基づいて、吹出口切替ドア、内外気切替ドア、エアミックスドア、電磁クラッチ、送風機、圧縮機2等を制御する。
次に、上記構成における蒸気圧縮式冷凍サイクル1の作動について、貯冷モード、蓄冷モード、圧縮機2が作動している放冷モード、および圧縮機2が停止している放冷モードを説明する。
表1に、各電磁弁9〜11の開閉状態と、蒸気圧縮式冷凍サイクル1の3つのモードである貯冷モード、蓄冷モードおよび放冷モードとの関係を示す。
Figure 2009298390
車両走行時のエンジン21により圧縮機2が駆動され、蒸気圧縮式冷凍サイクル1が作動すると、初期状態(冷媒が第1の流路1aのみを流れる状態)である貯冷モードが行われる。貯冷モードは、蓄冷タンク122の冷熱を用いることなく冷媒が循環するモードである。貯冷モードでは、第1電磁弁9、第2電磁弁および第3電磁弁11のすべてが閉状態に制御されて、冷媒は第1の流路1aを循環する。したがって冷媒は、第1膨張弁4、蒸発器5、流路抵抗部6、圧縮機2および凝縮器3の順に流れ、順次循環する。これによって、前述したように空調ケース内に供給される空調空気を冷却する。また冷媒は、蓄冷タンク122に流下せず、また蓄冷タンク122から圧縮機2に流れないため、蓄冷タンク122に蓄えられている冷熱が放出されない。したがって蓄冷タンク122の断熱機能によって蓄えられている冷熱は放出することなく保存され、換言すれば貯冷されることになる。
蒸気圧縮式冷凍サイクル1は、初期状態(冷媒が第1の流路1aのみを流れる状態)を経てから蓄冷モードに移行する。蓄冷モードは、蓄冷タンク122に冷熱を蓄えるモードである。蓄冷モードでは、第1電磁弁9および第3電磁弁11が開状態に制御され、第2電磁弁10が閉状態に制御されて、サイクル内の冷媒の流れは二つの経路を形成する。一つは圧縮機2、凝縮器3、第1膨張弁4、蒸発器5、流路抵抗部6、圧縮機2の順に流れる経路であり、もう一つは圧縮機2、凝縮器3、第2膨張弁8、第1電磁弁9、蓄冷熱交換器12、第3電磁弁11、圧縮機2の順に流れる経路である。そして、圧縮機2から吐出された冷媒は凝縮器3で凝縮液化される。凝縮器3を流出した冷媒の一部は、第1膨張弁4で減圧膨張された後、蒸発器5で周囲の空気から吸熱することで蒸発し、周囲の空気を冷却する。蒸発器5で蒸発した冷媒は、流路抵抗部6で減圧された後、圧縮機2の吸込み側の合流部17で第2の流路1bを流れてきた冷媒と合流して圧縮機2に吸入される。
一方、凝縮器3を流出した冷媒の残部は、第1膨張弁4と凝縮器3との間の第1膨張弁4よりも上流側の分岐部14で分岐して第2の流路1bに流入し、第2膨張弁8により減圧膨張されて第1電磁弁9を通った後、蓄冷熱交換器12の冷媒通路に流入する。蓄冷熱交換器12では、冷媒が蒸発することにより、蓄熱材セル121内の蓄熱材が加熱状態から冷却され、低温の熱のエネルギー(冷熱)が蓄熱材に蓄冷されることになる。蓄冷熱交換器12を流出した冷媒は、第3電磁弁11を通り、圧縮機2の吸込み側の合流部17で第1の流路1aを流れてきた冷媒に合流して圧縮機2に吸入される。蓄熱材への蓄冷が完了すると、蓄冷熱交換器12での冷媒と蓄熱材との間の熱移動が停止する。
次に放冷モードについて説明する。放冷モードは冷凍サイクルの冷媒を介して蓄熱材の蓄積された熱量を放冷するモードである。蓄冷モードが完了した段階で第1電磁弁9および第3電磁弁11が閉状態に制御され、第2電磁弁10が開状態に制御されると、放冷モードが開始される。このときの冷凍サイクル内の冷媒の流れは、第1の流路1aを流通する経路と、蒸発器5よりも下流側の分岐部15から分流しバイパス流路1cを介して蓄冷熱交換器12内に流入する経路と、になる。放冷モードにおいてバイパス流路1cを通って蓄冷熱交換器12に流入する冷媒の流量は、蓄熱材セル121内の蓄熱材の温度と蒸発器5の出口温度とによって決まる両者間の圧力差に比例するようになる。この蓄冷熱交換器12に流入する冷媒流量は、上記初期状態に対して高圧側の冷媒圧力(凝縮器3での冷媒圧力)の低下分に相当するので、放冷モードでは初期状態や蓄冷モードに対して高圧側冷媒が圧力低下し、冷凍サイクルのCOPが向上することになる。
一方、車両が停止し、例えばアイドリングストップの所定の条件が満たされるとエンジンECU110がエンジン21を停止し、圧縮機2も停止する。このような圧縮機2が停止した場合にも、第1電磁弁9、第2電磁弁10および第3電磁弁11のすべてが閉状態に制御される貯冷モードが実施される。また、このような圧縮機2が停止した場合の放冷モード時には、第1電磁弁9および第3電磁弁11が閉状態に制御され、第2電磁弁10が開状態に制御される。このとき、冷凍サイクルでは、残圧により、高圧側である凝縮器3から低圧側である蒸発器5に向けて冷媒が流れる。そして、蒸発器5を流出した後の冷媒はバイパス流路1cから分流して第2の流路1bに流れ込み、蓄冷熱交換器12内に流入する。また、この放冷モードによると、圧縮機2が停止していても、車室内の乗員に対して冷房を供給でき、不快感を与えないようにできる。さらに放冷モードにおいて、車両が走行状態に移行するとエンジンECU110がエンジン21を起動し、圧縮機2も作動されると、他のモードに移行する。
また、この放冷モードでは第1膨張弁4がノーマルクローズタイプの場合、第1膨張弁4は閉じられているが、高圧側の凝縮器3等に残圧が残っている間は液冷媒がブリードポート7を通過して蒸発器5に流入可能となり、蒸発器5による冷房能力の維持を助けることができる。また、この放冷モードによると、圧縮機2が停止していても、車室内の乗員に対して冷房を供給でき、不快感を与えないようにできる。さらに放冷モードにおいて、車両が走行状態に移行するとエンジンECU110がエンジン21を起動し、圧縮機2も作動されると、上記蓄冷モードに移行する。
図2は、エンジンECU110の構成と、入力および出力される各機器とを示したブロック図である。エンジンECU110は、図2に示すように、エアコンECU100と双方向に通信可能な構成である。
エンジンECU110は、回転数信号、車速信号、ブレーキ信号等のエンジン21の運転状況を検出するセンサ群に基づいて、電子燃料噴射装置を有するエンジン21を制御するとともに、エアコンECU100にエンジン21の運転状況を伝達する制御装置である。
図2に示すように、エンジンECU110は、エアコンECU100等の外部機器と双方向通信を行うための通信処理回路115と、入力される信号を処理する入力処理回路111と、各種検出信号をA/D変換するA/D変換回路114と、各種制御プログラム、マップ、演算式等を内蔵し入力処理回路111等から入力されたデータを用いて演算を実行するマイクロコンピュータ112と、マイクロコンピュータ112での演算結果に基づいて電気信号を出力する出力処理回路113と、を備えている。
エンジン21に吸入される空気量を計測する空気量計測器116およびスロットル位置検出器117からの電気信号は、A/D変換回路114に入力されて変換された後、マイクロコンピュータ112に入力される。エンジン21に吸入される空気量を計測する空気量計測器116およびスロットル位置検出器117からの電気信号は、クランク角度検出器118によって検出されたクランク軸の角度の電気信号は、入力処理回路111に入力された後、マイクロコンピュータ112に入力される。マイクロコンピュータ112は、演算結果に基づいてインジェクタ119およびインジェクションコイル120に電気信号を出力し、インジェクションコイル120は入力された電気信号に応じて点火プラグ123を作動させる。
このような構成により、エンジンECU110は、エンジン21の回転数信号、車速信号、ブレーキ信号などに基づいて停車状態を検出すると、点火装置の電源遮断や、燃料噴射の停止などを行い、エンジン21を自動的に停止する。エンジン21の停止後、運転者の運転操作により車両を発進させる状態に移行すると、エンジンECU110は、アクセル信号などに基づいて発進状態を認識し、エンジン21を始動する。
以下に、エンジンECU110により実行されるエンジン制御プログラムのルーチンを図3にしたがって説明する。図3は、エンジンECU110によって演算されるエンジン制御プログラムの演算処理手順を示したフローチャートである。図3に示す制御プログラムはエンジンECU110のマイクロコンピュータ112に予め記憶されている。
エンジンECU110は、まずステップ1で、空気量計測器116によって検出された吸入空気量(l/h)を読み込み、ステップ2で、クランク角度検出器118によって検出されたパルス信号によりエンジン回転数(rpm)を演算する。次に、エンジンECU110は、エンジン回転数と吸入空気量をパラメータとして予め内蔵しているマップを検索し、抽出したマップを用いて基本燃料噴射量(mg/str)を演算する(ステップ3)。この基本燃料噴射量はエンジン21の特性に基づいた所定の補正マップによって補正され、補正燃料噴射量が演算される(ステップ4)。そして、エンジンECU110は、1回噴射当たりの燃料噴射量(mg/str)を演算する(ステップ5)とともに、単位時間当たりの全燃料噴射量(g/s)を演算する(ステップ6)。エンジンECU110は、これらの演算結果に応じてインジェクタ119を制御する。
次に、エンジンECU110は、ステップ7で、基本燃料噴射に基づくエンジン21の軸出力を推定する演算を実施する。エンジン21の軸出力の推定は、予め内蔵されている図4に示す複数のマップと、前述のエンジン回転数および吸入空気量とを用いて求められる。図4は、基本燃料噴射によるエンジン21の軸出力の推定演算で用いられるマップである。さらに、エンジンECU110は、ステップ7で求められたエンジン21の軸出力の推定値を、ステップ4で求められた補正燃料噴射量によって所定の補正マップを用いて補正して、エンジン21の軸出力を補正する(ステップ8)。
次に、エンジンECU110は、ステップ9で熱費(g/kw)を演算する。熱費は、算出されたエンジンの軸出力を得るために必要とする燃料量である。熱費は、例えば、この燃料量をエンジンの軸出力(kw)で除した値である。このステップ9では、ステップ6で算出された全燃料噴射量をステップ8で求めた軸出力で除することにより、熱費を算出する。そして、エンジンECU110は、ステップ10で、熱費の演算結果をエアコンECU100に送信した後、最初にステップに戻り、以降の各ステップを繰り返し実施する。
次に、車室内の空調を目的とする圧縮機2の制御プログラムのルーチンを図5にしたがって説明する。図5はエアコンECU100によって実行される圧縮機の制御プログラムの演算処理手順を示したフローチャートである。この圧縮機2の制御は、電源が投入されると、空調設定温度を満たす空調が行うために常時実施されるものである。この圧縮機2の制御プログラムは、エアコンECU100のマイクロコンピュータに予め記憶されている。
この制御においては、エアコンECU100は、まず、エアコンECU100に電源が投入された直後(エアコンの電源投入直後)に、第1電磁弁9、第2電磁弁10および第3電磁弁11をすべて閉じ、圧縮機2を起動させることにより、第1の流路1aのみに冷媒を流す初期状態を設定する(ステップ20)。このときエアコンECU100は、電磁制御弁2aに与える出力電流Icを電流値I0とし、圧縮機2の吐出容量を制御する。この初期状態では前述のように貯冷モードが行われる。
次に、エアコンECU100には、エアコン操作パネル101が操作されることにより設定された空調設定温度Ttが入力され(ステップ21)、さらに蒸発器後センサ13によって検出された蒸発器5を流出後の冷媒の温度Trが入力される(ステップ22)。そして、ステップ23では、蒸発器後の冷媒温度Trが空調設定温度Ttよりも高温であるか否かが判定される。蒸発器後の冷媒温度Trの方が高温である場合には、冷房能力を増加させるために、エアコンECU100は、電磁制御弁2aに与える出力電流Icを増加させる(ステップ24)。逆に空調設定温度Ttの方が高温である場合には、冷房能力を低下させるために、エアコンECU100は電磁制御弁2aに与える出力電流Icを低減する(ステップ24)。
このようにして蒸発器後の冷媒温度Trと空調設定温度Ttとが等しくなるように電磁制御弁2aに与える出力電流がフィードバック制御され、圧縮機2の吐出容量が調節されるので、蒸発器5の冷房能力が適正に制御される。したがって、本制御による空調は車室内の空調設定温度Ttを満たすようになる。なお、本制御において蒸発器後の冷媒温度Trの代わりに、フィン温度センサによって検出された蒸発器5のフィン温度、または蒸発器5を通過した後の空気温度を用いてもよい。
この初期状態における冷媒状態について図10にしたがって説明する。図10は初期状態(貯冷モード時)の圧力・エンタルピー図である。初期状態の冷媒の流れは、圧縮機2→凝縮器3→第1膨張弁4→蒸発器5→流路抵抗部6→圧縮機2の流れであり、図10のモリエル線図に対応させると、a0→b→c→d→a→a0で示す流れが対応する。この初期状態では蒸発器5によって周囲の空気が冷却されて冷房を行う。圧力Paと圧力Pa0との差は、流路抵抗部6によって生じる圧力差である。初期状態での冷凍サイクルの効率は、Q0/W0となる。
次に、エアコンECU100が、エンジンECU110から受信した熱費の演算結果に応じて冷凍サイクルの作動を制御する冷凍サイクル制御を図6〜図12にしたがって説明する。図6は、本冷凍サイクル制御におけるサイクルモードと各パラメータ(車速、エンジン回転数および熱費)との関係を示した図である。図7は、エアコンECU100による冷凍サイクルの制御プログラムの演算処理手順を示したフローチャートである。この熱費は前述したようにこのときのエンジンの軸出力を得るために必要とする燃料量を当該軸出力で割り算した値である。
図6に示すように、車両は、エンジンの始動からアイドル発進、加速、定速走行、制動減速、停止といった各運転状態において、一般的に熱費はアイドリング時が最も大きく、減速制動時が最も小さくなり、加速時および定速時がその中間の値になる。そして、本冷凍サイクル制御では、熱費(g/kw)の大きさに応じて、冷凍サイクルモードを放冷モード、貯冷モード、または蓄冷モードに設定し、走行燃費を向上させるものである。特に、本冷凍サイクル制御では、走行燃費が最大となるように、エンジン21が負荷をかけず低速で空転しているアイドリング状態において、熱費の大きさに応じて冷凍サイクルモードを放冷モードまたは蓄冷モードに設定する。
本冷凍サイクルの作動の制御プログラムのルーチンを図7にしたがって説明する。この本冷凍サイクルの作動の制御プログラムは、エアコンECU100のマイクロコンピュータに予め記憶されている。この制御において、まずエアコンECU100は、前述のステップ10でエンジンECU110から送信された熱費Nhの演算結果を受信する(ステップ30)。エアコンECU100は、ステップ40で熱費Nhのレベルの判定を行う。ステップ40では、熱費Nhの大きさによって蓄冷モード、貯冷モード、放冷モードのうち、いずれのモードに冷凍サイクルの冷媒流れを制御するかを判定する。
ステップ40において、熱費Nhが第1の閾値Naよりも小さいと判定されると、エアコンECU100は、蓄冷モードを実施するために、第1電磁弁9および第3電磁弁11を開き、第2電磁弁10を閉じるように制御し(ステップ401)、さらに電磁制御弁2aへの出力電流Icを1度だけ第1の所定値分(ΔI1)増加させて圧縮機2の吐出容量を増加させるようにする(ステップ402)。そして、最初のステップ30に戻り、本制御のルーチンを反復する。
ステップ401および402が処理された場合の蓄冷モード時の冷媒状態について図8にしたがって説明する。図8は蓄冷モード時の圧力・エンタルピー図である。蓄冷モード時の冷媒は二つの流れを形成する。一つは、圧縮機2→凝縮器3→第1膨張弁4→蒸発器5→流路抵抗部6→圧縮機2の流れであり、図8ではa0→b1→c1→d1→a→a0で示す流れが対応する。もう一つは、圧縮機2→凝縮器3→第2膨張弁8→第1電磁弁9→蓄冷熱交換器12→第3電磁弁11→圧縮機2の流れであり、図8のモリエル線図に対応させると、a0→b1→c1→d0→a0で示す流れが対応する。また、図8においてa0→b→c→d→a→a0の破線で示す流れは、初期状態(貯冷モード時)の冷媒流れである。このモードでは、蒸発器5によって周囲の空気が冷却されて冷房を提供するとともに、低温の熱のエネルギー(冷熱)が蓄熱材に蓄冷される。
凝縮器3の入口圧力Pb1は、初期状態(貯冷モード時)における凝縮器3の入口圧力Pbよりも高くなる。この圧力上昇分(Pb1−Pb)は、前述のステップ402で圧縮機2の吐出容量を増加させたことによるものである。
このように熱費Nhが小さいときには蓄冷モードに設定して蓄冷タンク122に、低温の熱エネルギー(冷熱)を蓄える。さらに圧縮機2の吐出容量を初期状態よりも増加させるため、圧縮機2の仕事量が大きくなり、見かけ上の冷凍サイクルの効率Q1/W1は初期状態(Q0/W0)よりも低くなる。
図11は、各モード時の蓄熱材の温度変化を示した図である。この蓄冷モードにおいては、図11に示すように、蓄熱材の温度は初期状態から低下しており、融点より低い温度の冷媒が蓄冷熱交換器12を流れるようになっている(t0〜t3)。一方で、t1〜t2では潜熱に相当する熱量が放出されている。
また、ステップ40において、熱費Nhが第2の閾値Nbよりも大きいと判定されると、エアコンECU100は、放冷モードを実施するために、第1電磁弁9および第3電磁弁11を閉じ、第2電磁弁10を開くように制御し(ステップ421)、さらに電磁制御弁2aへの出力電流Icを第2の所定値分(ΔI2)減少させて圧縮機2の吐出容量を減少させるようにする(ステップ422)。そして、最初のステップ30に戻り、本制御のルーチンを反復する。
ステップ421および422が処理された場合の放冷モード時の冷媒状態について図9にしたがって説明する。図9は放冷モード時の圧力・エンタルピー図である。放冷モード時の冷媒の流れは、圧縮機2→凝縮器3→第1膨張弁4→蒸発器5→流路抵抗部6→圧縮機2の流れと、蒸発器5を流出した冷媒の一部が第2電磁弁10を介して蓄冷熱交換器12に流入する流れである。図9のモリエル線図に対応させると、a→b2→c2→d2→aのようになる。
このモードでは、凝縮器3の入口圧力Pb2(高圧側圧力)は、初期状態(貯冷モード時)における凝縮器3の入口圧力Pbよりも低くなる。この圧力低下分(Pb−Pb2)は、前述のステップ422で放冷している間は圧縮機2の吐出容量を減少させる処理を行うことによるものであり、これにより圧縮機2の仕事量が小さくなり、見かけ上の冷凍サイクルの効率Q2/W2は初期状態(Q0/W0)よりも高くなる。また、圧力低下分(Pb−Pb2)は蓄冷熱交換器12に流入する冷媒流量Grcに相当する。
また、第2電磁弁10を通過する冷媒流量Grcは、蓄冷熱交換器12の蓄熱材セル121での蓄熱材温度Tcで決まる冷媒圧力Pcと蒸発器5出口の冷媒温度で決まる冷媒圧力Prとの差によって算出でき、これに比例する。TrがTcよりも高いときはPrがPcよりも大きい値となり、この圧力差に比例するGrcが蓄冷熱交換器12に流入することになる。潜熱を吸収する間は、流入した冷媒は液化されるため、冷媒の流入は継続する。この放冷モードにおいては(t4〜t7)、図11に示すように、蓄熱材の温度は放冷の進行とともに段階的に上昇している。
また、ステップ40において、熱費Nhが第1の閾値Na以上で第2の閾値Nb以下であると判定されると、エアコンECU100は、貯冷モードを実施するために、第1電磁弁9、第2電磁弁10および第3電磁弁11のすべてを閉じるように制御し(ステップ411)、さらに、蓄冷モードから貯冷モードに移行する場合には電磁制御弁2aへの出力電流Icを第1の所定値分(ΔI1)減少させて圧縮機2の吐出容量を減少させるようにする(ステップ412)。そして、最初のステップ30に戻り、本制御のルーチンを反復する。
ステップ411および412が処理された場合の貯冷モード時の冷媒状態について図10にしたがって説明する。貯冷モード時の冷媒の流れは前述の初期状態と同様である。つまり、圧縮機2→凝縮器3→第1膨張弁4→蒸発器5→流路抵抗部6→圧縮機2の流れであり、図10ではa0→b→c→d→a→a0で示す流れが対応する。この貯冷モードでは、蓄冷モードから移行すると、蓄冷モードで蓄えられた冷熱(低温の熱エネルギー)は放出されることなく蓄冷タンク122の断熱性能によってタンク内に保存される。そして、このモードでは各電磁弁が閉状態に制御されるため、冷媒流量の減少に対応すべく電磁制御弁2aへの出力電流Icを第1の所定値分(ΔI1)低減させる処理により、圧縮機2の吐出容量を減少させている。貯冷モードの冷凍サイクルの効率は、初期状態と同じくQ0/W0となる。図11に示すように、貯冷モードにおいては(t3〜t4)、蓄熱材の温度は初期状態と同様に一定であり、他のモードよりも温度が低下する傾向にある。
このように本制御では、エンジンECU110により演算される熱費の大きさによって冷凍サイクルの作動を放冷モード、貯冷モード、または蓄冷モードに設定するとともに、各モードに対応した圧縮機2の吐出容量を設定する。
図12は、電磁制御弁2aへの出力電流Icから圧縮機2の軸動力Wcを推定するためのマップである。エアコンECU100は、前述の図7に示す制御プログラムのステップ402,412,422で処理された電磁制御弁2aの出力電流Icから、図12に示すマップによって軸動力Wc(kw)を演算して推定する。さらにエアコンECU100は、この軸動力Wcの推定値と、エンジン回転数から演算した圧縮機2の回転数の推定値とから、圧縮機2の軸トルクTRcを演算する。そして、エアコンECU100は、圧縮機2の軸トルクTRcをエンジンECU110に送信する。エンジンECU110は、受信した圧縮機2の軸トルクTRcを前述の図3に示す演算処理に活用するものである。
本実施形態に係る車両用空調装置の効果について以下に述べる。蒸気圧縮式冷凍サイクル1において、本実施形態の特徴である前述の制御を実施しない場合でも、蒸発器5の下流側に直列に流路抵抗部6を設けていることにより、圧縮機2の運転時でも蓄熱材の融点よりも蒸発器5出口の冷媒温度を高温に制御することができる。このため、圧縮機2の運転時でも放冷を行うことができる。しかしながら、制御するパラメータが蒸発器5出口の冷媒温度であるため、このままでは当該制御を行うと同時に蒸発器5の温度が変化して吹出し温度が変化することになる。また、省エネルギーの観点から、効果的な放冷は蒸発器5の出口温度によるものではなく、圧縮機2に動力を伝えるエンジン21の動作に大いに関係する。
そこで、エアコンECU100は、蓄冷部へ冷媒を流して蓄冷する蓄冷モードと、蓄冷部に蓄えた熱を放冷させる放冷モードと、蓄冷部に冷媒を流すことなく主回路である第1の流路に冷媒を循環させる貯冷モードと、にわたる各モードを熱費の大きさに基づいて制御する。これにより、冷凍サイクルの運転モードが車両の走行状態に応じて適正に制御され、走行燃費の一層の向上を図ることができる。また、放冷のタイミングを独立して制御することができるため、蒸発器5の出口温度が高い温度になった場合に必要以上に放冷されてしまうことを防止できる。また、蓄冷のタイミングを独立して制御することができるため、蒸発器5の出口温度にかかわらず適正なタイミングで蓄冷を実施することができる。
また、エアコンECU100は、熱費Nhの判定に使用する複数の閾値を有している。そして、熱費Nhが第1の閾値Naよりも小さいときは蓄冷モードに制御し、熱費が第1の閾値Naよりも大きい値である第2の閾値Nbよりも大きいときは放冷モードまたは貯冷モードに制御する。
この制御によれば、熱費が小さく燃料をほとんど使わないような場合(例えば減速時)には蓄冷モードを行うことができる。さらに熱費が大きいときには放冷モードや貯冷モードを実施することができる。このように走行状態に応じて使い分けた各モードを反復することにより、車両に対して大幅な省エネルギー効果を提供できる。
また、エアコンECU100は、熱費Nhが第1の閾値Naよりも小さいときは蓄冷モードに制御し、熱費Nhが第2の閾値Nbよりも大きいときは放冷モードに制御し、熱費Nhが第1の閾値Na以上で第2の閾値Nb以下であるときは貯冷モードに制御する。
この制御によれば、熱費が大きい順に、放冷モード、貯冷モード、蓄冷モードが切り替わるように冷凍サイクルの作動が制御される。これにより、アイドリング時や加速時の走行負荷の大きいときに、冷媒流量を抑制できる放冷モードを実施して圧縮機の吐出流量を低減したり、走行負荷が中間の状態であるときに蓄冷モードほど冷媒流量を要しない貯冷モードを実施して圧縮機の吐出流量を低減したりすることができる。したがって、エンジンの負荷が下がり、燃費が向上し、車両全体として効率的な冷凍サイクル運転がなされる。
また、図7に示す冷凍サイクルの制御プログラムの演算処理を実施することにより、熱費Nhが小さく燃料をほとんど使わない時(例えば、図6の減速時)に蓄冷モードを行うことができる。さらに蓄冷が終了すると貯冷モードを実施し、熱費が大きいとき(例えば、図6のアイドリング時、加速時)に放冷モードを実施する。これらの冷凍サイクルの作動を反復することにより、大幅な省エネルギー化が実現できる。
また、蒸気圧縮式冷凍サイクル1の上記構成によれば、例えばアイドリングストップ機能によるエンジン21の停止、作動が連動するように、冷熱の移動をともなう蓄冷モード、圧縮機2作動の放冷モード、圧縮機2停止の放冷モード、貯冷モードが繰り返し行われる運転を実施することができる。これにより、車両減速時の回生エネルギーを積極的に圧縮機2の駆動に活用して蓄冷を行い、効率のよくない運転域では圧縮機を停止または作動負荷を減少させて空調運転を行うことにより、走行燃費を向上させている。
また、本実施形態では、蓄冷、放冷、貯冷を独立して制御可能とするので、従来の技術に比べてさらに省エネルギー化を図ることができる。
また、圧縮機2の作動時も放冷することにより、冷凍サイクル運転の制御に自由度が拡大し、車両の様々な走行状況に応じて蓄冷運転、放冷運転を適用することができるので、エンジン21の燃費効率の高い領域で冷凍サイクルを運転させやすくなり、走行燃費の向上が得られる。また、圧縮機2の作動中であっても蓄冷熱交換器12の蓄積熱量を利用して放冷モードを実施することにより、圧縮機2の動力を補助する機能を有する冷凍サイクルを提供でき、冷凍サイクルのCOPの向上が得られる。
(第2実施形態)
第2実施形態の車両用空調装置に関する蒸気圧縮式冷凍サイクル20について図13にしたがって説明する。図13は、蒸気圧縮式冷凍サイクル20の構成を示した模式図である。
図13に示すように、蒸気圧縮式冷凍サイクル20は、第1実施形態の蒸気圧縮式冷凍サイクル1に対して、第2膨張弁8を廃止した点、分岐部14を第1膨張弁4よりも下流側の分岐部14Aとした点、および第3電磁弁11の代わりに逆止弁18(冷媒が圧縮機2の吸込口側から蓄冷熱交換器12に流れることを防止する弁)を設けた点が異なる。第2の流路20bは、第1膨張弁4よりも下流側の配管部位である分岐部14Aで第1の流路20aから分岐している。なお、バイパス流路20cは蒸気圧縮式冷凍サイクル1のバイパス流路1cに対応する。また、本実施形態では第1実施形態と同様の構成、作用効果、適用される各種制御プログラム等については第1実施形態と同一である。
(第3実施形態)
第3実施形態の車両用空調装置に関する蒸気圧縮式冷凍サイクル30について図14にしたがって説明する。図14は、蒸気圧縮式冷凍サイクル30の構成を示した模式図である。
図14に示すように、蒸気圧縮式冷凍サイクル30は、第1実施形態の蒸気圧縮式冷凍サイクル1に対して、第2膨張弁8の代わりの減圧手段としてエジェクタ32を備え、エ蓄冷モード時にエジェクタ32の吸引部に蓄冷タンク122の冷媒を引き込むように構成した点が大きく異なる。
この構成に伴い、第2の流路30bは、補助流路であり、分岐部14で第1の流路30aから分岐し、第1膨張弁4の下流側でかつ蒸発器5の上流側で再び第1の流路30aに合流するようになっている。第2の流路30bの途中には、第1電磁弁9とエジェクタ32が設けられている。
バイパス流路30cは、補助流路であり、流路抵抗部6を迂回するように分岐部15と合流部17とを接続する流路を構成している。バイパス流路30cの途中には、第2電磁弁10と、蓄冷熱交換器12と、蓄冷タンク122と、および第3電磁弁11の代わりに配された逆止弁18とが設けられている。また、第1の流路30aには凝縮器3と第1膨張弁4との間にさらに受液タンク31が設けられている。受液タンク31は、凝縮器3で凝縮された冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離し液相冷媒を流出されるレシーバである。なお、本実施形態では第1実施形態と同様の構成、作用効果、適用される各種制御プログラム等については第1実施形態と同一である。
エジェクタ32は、冷媒を減圧する減圧手段であるとともに、高速で噴出する冷媒流の吸引作用(巻き込み作用)によって冷媒の循環を行う流体輸送を冷媒循環手段でもある。エジェクタ32は、第1電磁弁9を通過してきた一方の冷媒を取り入れ、その通路面積を小さく絞って冷媒を等エントロピー的に減圧膨張させるノズル部と、ノズル部の冷媒噴出口と連通するように配置され、蓄冷タンク122からの冷媒を吸引する吸引部と、を備えている。
ノズル部および吸引部の下流側には、ノズル部からの高速度の冷媒流と吸引部からの吸引冷媒とを混合する混合部が設けられている。そして、混合部の下流側に昇圧部をなすディフューザ部が配置されている。このディフューザ部は冷媒の通路面積を徐々に大きくする形状に形成されており、冷媒流れを減速して冷媒圧力を上昇させる作用、つまり、冷媒の速度エネルギーを圧力エネルギーに変換する機能を有する。このように冷媒は、エジェクタ32内において、ノズル部の入口の圧力がノズル部内で急激に減圧膨張され、ノズル部の出口の圧力が最低となる。混合部で吸引部から吸引される冷媒と混合されることにより、圧力はなだらかに上昇し、さらにディフューザ部で減速によって上昇する。ディフューザ部の冷媒流れ方向下流側には蒸発器5が接続されている。
表2に、各電磁弁9、10の開閉状態と、冷凍サイクルの各モード(貯冷モード、蓄冷モードおよび放冷モード)との関係を示す。
Figure 2009298390
本実施形態に係る車両用空調装置の効果について以下に述べる。本実施形態では、エジェクタ32の吸引部と蓄冷タンク122とを配管によって接続する構成を有するため、吸引部からの吸引作用により、蓄冷タンク122内の冷媒をエジェクタ32の内部に引き込むことができる。これにより、蓄冷モード時には当該吸引作用により、バイパス流路30cを通って蓄冷タンク122内に流入する冷媒量を増加させることができる。したがって、本実施形態の冷凍サイクルの構成によれば、熱費が小さいときの冷凍サイクル作動において蓄冷量を増やし、さらに省エネルギーを促進することができる。
(第4実施形態)
第4実施形態の車両用空調装置に関する蒸気圧縮式冷凍サイクル40について図15にしたがって説明する。図15は蒸気圧縮式冷凍サイクル40の構成を示した模式図である。
図15に示すように、蒸気圧縮式冷凍サイクル40は、第1実施形態の蒸気圧縮式冷凍サイクル1に対して、第2膨張弁8、流路抵抗部6、第2電磁弁10およびバイパス流路1cを廃止した点と、分岐部14を第1膨張弁4よりも下流側の分岐部41とした点とが大きく異なる。第2の流路40bは、第1膨張弁4よりも下流側の配管部位である分岐部41で第1の流路40aから分岐している。第2の流路40bには蓄冷熱交換器12が第1の流路40aに配された蒸発器5に並ぶ位置に設けられている。
蒸気圧縮式冷凍サイクル40では上記構成に伴い、圧縮機2を作動させた状態で、蓄冷モード、放冷モードが制御される。表3に、各電磁弁9、11の開閉状態と、冷凍サイクルの各モード(貯冷モード、蓄冷モードおよび放冷モード)との関係を示す。
Figure 2009298390
(その他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。
上記実施形態において、蒸気圧縮式冷凍サイクル1の第3電磁弁11の代わりに、逆止弁(冷媒が圧縮機2の吸込口側から蓄冷熱交換器12に流れることを防止する弁)を設けてもよい。
また、上記実施形態における蓄冷部は、潜熱によって蓄冷されるものでなくてもよい。例えば、蒸発器出口の冷媒の温度では凍結せず、また相変化が起こらない蓄熱材を備える蓄冷部であってもよい。
第1実施形態の車両用空調装置に用いられる蒸気圧縮式冷凍サイクル1の構成を示した模式図である。 エンジンECU110の構成と、入力および出力される各機器を示したブロック図である。 エンジンECU110によって演算されるエンジン制御プログラムの演算処理手順を示したフローチャートである。 図3のステップ7で用いられるマップである。 エアコンECU100によって演算される圧縮機の制御プログラムの演算処理手順を示したフローチャートである。 エアコンECU100による冷凍サイクル制御におけるモードと各パラメータとの関係を示した図である。 エアコンECU100による冷凍サイクルの制御プログラムの演算処理手順を示したフローチャートである。 蓄冷モード時の圧力・エンタルピー図である。 放冷モード時の圧力・エンタルピー図である。 初期状態(貯冷モード時)の圧力・エンタルピー図である。 各モード時の蓄熱材の温度変化を示した図である。 電磁制御弁2aへの出力電流Icから軸動力Wcを推定するためのマップである。 第2実施形態の車両用空調装置に用いられる蒸気圧縮式冷凍サイクル20の構成を示した模式図である。 第3実施形態の車両用空調装置に用いられる蒸気圧縮式冷凍サイクル30の構成を示した模式図である。 第4実施形態の車両用空調装置に用いられる蒸気圧縮式冷凍サイクル40の構成を示した模式図である。
符号の説明
1…蒸気圧縮式冷凍サイクル(冷凍サイクル)
1a…第1の流路(主回路)
1b…第2の流路(補助流路)
1c…バイパス流路
2…圧縮機
2a…電磁制御弁
3…凝縮器
4…第1膨張弁(減圧器)
5…蒸発器
6…流路抵抗部
9…第1電磁弁(弁手段)
10…第2電磁弁(弁手段)
12…蓄冷熱交換器(蓄冷部)
100…エアコンECU(制御装置)

Claims (6)

  1. 車両のエンジン(21)の軸出力を受けて駆動され、冷媒を吸入して吐出する圧縮機(2)、前記吐出された冷媒を冷却する凝縮器(3)、前記凝縮器(3)で冷却された冷媒を減圧する減圧器(4)、および前記減圧された冷媒を蒸発させて車室内へ送風する空気を冷却する蒸発器(5)を順次環状に接続して構成される主回路(1a)を有する冷凍サイクル(1)と、
    前記エンジンの軸出力を得るために必要とされる燃料量である熱費を用いて前記冷凍サイクルの冷媒流れを複数のモードに制御する制御装置(100)と、
    を備え、
    さらに前記冷凍サイクル(1)は、
    前記主回路から分岐し、前記圧縮機の吸入側に合流する補助流路(1b)と、
    蓄熱材(121)を有し、前記補助流路に配された蓄冷部(12,122)と、
    前記蓄冷部への蓄冷と前記蓄冷部からの放冷とを切り替える弁手段(9,10)と、
    を有し、
    前記制御装置は、前記蓄冷部へ冷媒を流して蓄冷する蓄冷モードと、前記蓄冷部に蓄えた熱を放冷させる放冷モードと、前記蓄冷部に冷媒を流すことなく前記主回路に冷媒を循環させる貯冷モードと、にわたる各モードを前記熱費の大きさに基づいて制御することを特徴とする車両用空調装置。
  2. 前記制御装置は、前記熱費の判定について複数の閾値を有し、
    前記熱費が第1の閾値(Na)よりも小さいときは前記蓄冷モードに制御し、
    前記熱費が前記第1の閾値(Na)よりも大きい値である第2の閾値(Nb)よりも大きいときは前記放冷モードまたは前記貯冷モードに制御することを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 前記制御装置は、
    前記熱費が第2の閾値(Nb)よりも大きいときは前記放冷モードに制御し、
    前記熱費が前記第1の閾値以上で前記第2の閾値以下であるときは前記貯冷モードに制御することを特徴とする請求項2に記載の車両用空調装置。
  4. 前記制御装置は、前記放冷モードでは前記圧縮機の吐出容量を減少させるように制御することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の車両用空調装置。
  5. 前記減圧器(4)が冷媒の流通を遮断したときに、常に開状態にあり前記遮断された冷媒の流通を許容するブリードポート(7)を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の車両用空調装置。
  6. 冷媒を減圧する減圧手段であるとともに、高速で噴出する冷媒流の吸引作用によって冷媒の循環を行う流体輸送を行うエジェクタ(32)を備え
    前記エジェクタは、 前記凝縮器から流出された冷媒を取り入れ、その通路面積を小さく絞って前記冷媒を等エントロピー的に減圧膨張させるノズル部と、ノズル部の冷媒噴出口と連通するように配置され冷媒を吸引する吸引部とを有し、
    前記エジェクタの吸引部は、前記蓄冷部に配管で接続されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の車両用空調装置。
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