JP2009298171A - 衝突被害軽減装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車両進行方向に位置する障害物までの距離L及び障害物との相対速度Vに基づいて障害物に衝突するまでの衝突時間tを演算し(S1及びS2)、衝突時間tがブレーキ作動タイミングを規定する閾値以下となったときに(S8)、ブレーキを作動させると共に燃料供給を中止する(S9)。このとき、車両運転者に加速意思があり(S3)、車両運転者により変速機がシフトダウンされてから所定時間内であり(S4)、かつ、ウインカ作動中であれば(S5)、閾値を所定値だけ小さくする(S6及びS7)。このため、加速を伴う車線変更操作が行われているとき、障害物との距離が一時的に短くなってもブレーキが急に作動することがなく、車両姿勢が変化して不安定となることや、追従する後方車両が衝突してしまうことを抑制できる。
【選択図】図2
Description
奥山宏和、外2名,「大型トラックのプリクラッシュセーフティの開発」,自動車技術,社団法人自動車技術会,2006年12月1日,第60巻,第12号,p.34−38
請求項3記載の発明では、前記閾値変更手段は、前記加速意思があると判定されたことに加え、車両運転者によりウインカーが作動されたときに、前記所定閾値を所定値だけ小さくすることを特徴とする。
請求項5記載の発明では、前記加速意思判定手段は、ペダルストロークの途中に踏力変化点を設けたアクセルペダルが踏力変化点を越えて踏み込まれているときに、車両運転者に加速意思があると判定することを特徴とする。
請求項7記載の発明では、車両が走行する路面の傾斜角度を測定する傾斜角度測定手段と、前記傾斜角度測定手段により測定された傾斜角度に基づいて、前記加速度測定手段により測定された車両加速度から重力による影響を排除する重力影響排除手段と、を更に備え、前記加速意思判定手段は、前記重力影響排除手段により重力影響が排除された車両加速度が所定加速度以上であるときに、車両運転者に加速意思があると判定することを特徴とする。
請求項9記載の発明では、前記変位状態測定手段は、前記距離測定手段により測定された距離の時間的変化から、前記障害物との相対速度又はその変化率を間接的に測定することを特徴とする。
請求項5記載の発明によれば、ペダルストロークの途中に踏力変化点を設けたアクセルペダルが踏力変化点を越えて踏み込まれているか否かを介して、車両運転者に加速意思があるか否かを判定することができる。
請求項7記載の発明によれば、車両が走行する路面の傾斜角度に基づいて車両加速度から重力影響が排除されるため、車両運転者の加速意思判定精度を向上させることができる。
請求項9記載の発明によれば、車両進行方向に位置する障害物までの距離の時間的変化から、障害物との相対速度又はその変化率が間接的に測定されるため、例えば、障害物までの距離のみを測定可能な安価なセンサを使用でき、コストダウンなどを図ることができる。
図1は、本発明を具現化した衝突被害軽減装置の一実施形態を示す。
衝突被害軽減装置は、車両進行方向に位置する障害物を検知する車間距離レーダ10と、アクセルペダルの踏込量(角度)Accを検出するアクセルペダルセンサ12と、ウインカの作動状態(ON/OFF)を検出するウインカスイッチ14と、車両加速度αを測定する加速度センサ16(加速度測定手段)と、車両が走行する路面の傾斜角度θを測定する傾斜角センサ18(傾斜角度測定手段)と、コンピュータを内蔵した衝突被害軽減コントロールユニット20と、を含んで構成される。車間距離レーダ10は、距離測定手段及び変位状態測定手段として機能すべく、悪天候や汚れなどの環境要因の影響を受け難いミリ波レーダからなり、少なくとも、障害物までの距離L[m]及び障害物との相対速度V[m/s]を夫々測定する。
図2は、車両走行中であることを前提条件として、衝突被害軽減コントロールユニット20において繰り返し実行される制御プログラムの処理内容を示す。
ステップ2では、例えば、t=L/Vという演算式を用いて、距離L及び相対速度Vから、障害物に衝突するまでの衝突時間t[s]を演算する。
ステップ3では、車両運転者に加速意思があるか否かを判定する(具体的な判定方法については後述する)。そして、加速意思があると判定されたときにはステップ4へと進む一方(Yes)、加速意思がないと判定されたときにはステップ7へと進む(No)。
ステップ6では、ブレーキを作動させるタイミングを規定する閾値として、所定値t1(例えば0.8秒)を設定する。
ステップ8では、衝突時間tが閾値以下であるか否かを判定する。そして、衝突時間tが閾値以下であればステップ9へと進む一方(Yes)、衝突時間tが閾値より大きければ処理を終了する。
トラックなどの大型車両には、燃費改善及び自動変速機のキックダウン制御などを目的として、特開2004−293761号公報に記載されるように、ペダルストロークの途中に踏力変化点を設けたアクセルペダルを備えたものがある。即ち、図3に示すように、アクセルペダル30の先端下面には、上端部がダンパ32に対面しつつ中間部が軸支された屈曲形状をなすリンケージ34の下端部が摺動可能に接合される。アクセルペダル30が踏み込まれていないときには、同図(A)に示すように、リンケージ34の上端部はダンパ32から離間した位置にある。そして、アクセルペダル30の踏み込みよりリンケージ34が図中反時計方向に回動して、同図(B)に示すように、その上端部がダンパ32に接触した後には、同図(C)に示すように、ダンパ32の付勢力に抗してアクセルペダル30を踏み込むこととなる。このため、リンケージ34がダンパ32に接触する前後で、図4に示すように、踏力が大きく変化するため、踏力変化点が現われることとなる。
ところで、加速度センサ16は、車両姿勢の如何にかかわらず、車両に作用する車両加速度αを測定する。しかし、車両が登坂路又は降坂路などを走行しているときには、車両加速度αとして、車両運転者の加速操作による加速度に加え、路面が傾斜していることに起因する重力影響による加速度が含まれてしまう。即ち、車両が路面傾斜角θの降坂路を走行しているときには、図5に示すように、路面と平行に下方へと向かう重力影響gsinθが作用する。このため、加速度センサ16により測定された車両加速度αには、この重力影響gsinθが含まれており、車両運転者の加速意思が正確に現れていないことから、その判定精度が低下してしまう。そこで、傾斜角センサ18により測定された傾斜角度θに基づいて、加速度センサ16により測定された車両加速度αから重力影響gsinθを排除することで、車両運転者の加速意思の判定精度を向上させることができる。
12 アクセルペダルセンサ
14 ウインカスイッチ
16 加速度センサ
18 傾斜角センサ
20 衝突被害軽減コントロールユニット
24 ブレーキコントロールユニット
26 変速機コントロールユニット
28 エンジンコントロールユニット
30 アクセルペダル
32 ダンパ
34 リンケージ
Claims (10)
- 車両進行方向に位置する障害物までの距離を測定する距離測定手段と、
前記障害物との相対速度又はその変化率を測定する変位状態測定手段と、
前記距離測定手段及び変位状態測定手段により夫々測定された距離及び相対速度若しくはその変化率に基づいて、前記障害物に衝突するまでの衝突時間を演算する衝突時間演算手段と、
前記衝突時間演算手段により演算された衝突時間が所定閾値以下となったときに、ブレーキを自動的に作動させるブレーキ作動手段と、
車両運転者に加速意思があるか否かを判定する加速意思判定手段と、
前記加速意思判定手段により加速意思があると判定されたときに、前記所定閾値を所定値だけ小さくする閾値変更手段と、
を含んで構成されたことを特徴とする衝突被害軽減装置。 - 前記閾値変更手段は、前記加速意思があると判定されたことに加え、車両運転者により変速機がシフトダウンされてから所定時間内であるときに、前記所定閾値を所定値だけ小さくすることを特徴とする請求項1記載の衝突被害軽減装置。
- 前記閾値変更手段は、前記加速意思があると判定されたことに加え、車両運転者によりウインカーが作動されたときに、前記所定閾値を所定値だけ小さくすることを特徴とする請求項1記載の衝突被害軽減装置。
- 前記閾値変更手段は、前記加速意思があると判定されたことに加え、車両運転者により変速機がシフトダウンされてから所定時間内であり、かつ、車両運転者によりウインカーが作動されたときに、前記所定閾値を所定値だけ小さくすることを特徴とする請求項1記載の衝突被害軽減装置。
- 前記加速意思判定手段は、ペダルストロークの途中に踏力変化点を設けたアクセルペダルが踏力変化点を越えて踏み込まれているときに、車両運転者に加速意思があると判定することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の衝突被害軽減装置。
- 車両加速度を測定する加速度測定手段を更に備え、
前記加速意思判定手段は、前記加速度測定手段により測定された車両加速度が所定加速度以上であるときに、車両運転者に加速意思があると判定することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の衝突被害軽減装置。 - 車両が走行する路面の傾斜角度を測定する傾斜角度測定手段と、
前記傾斜角度測定手段により測定された傾斜角度に基づいて、前記加速度測定手段により測定された車両加速度から重力による影響を排除する重力影響排除手段と、
を更に備え、
前記加速意思判定手段は、前記重力影響排除手段により重力影響が排除された車両加速度が所定加速度以上であるときに、車両運転者に加速意思があると判定することを特徴とする請求項6記載の衝突被害軽減装置。 - 前記衝突時間演算手段により演算された衝突時間が所定閾値以下となったときに、エンジンへの燃料供給を中止する燃料供給中止手段を更に備えたことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1つに記載の衝突被害軽減装置。
- 前記変位状態測定手段は、前記距離測定手段により測定された距離の時間的変化から、前記障害物との相対速度又はその変化率を間接的に測定することを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1つに記載の衝突被害軽減装置。
- 前記距離測定手段及び変位状態測定手段は、ミリ波レーダからなることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1つに記載の衝突被害軽減装置。
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