JP2009296926A - 高活性カタラーゼ産生微生物及びその使用 - Google Patents

高活性カタラーゼ産生微生物及びその使用 Download PDF

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Abstract

【課題】高い過酸化水素分解活性を有するカタラーゼ、及びそれを効率的に産生しかつその回収が容易な細菌の提供。
【解決手段】精製カタラーゼタンパク質1mg当たり200,000〜300,000 U/mgタンパク質の過酸化水素分解活性を有するカタラーゼ、および該カタラーゼを生産するサイクロバクター属菌。さらに、サブユニットからなるカタラーゼタンパク質をコードするDNA。
【選択図】なし

Description

本発明は、高い過酸化水素分解活性を有するカタラーゼ、それを生産する細菌、及びそれらの利用に関する。
過酸化水素は、半導体産業界における半導体ウエハーのエッチングや洗浄、繊維の晒しの工程、紙の漂白、脱墨、食品工業における無菌充填関連のプラントの殺菌、洗浄やかずのこの漂白等、公衆浴場におけるレジオネラ菌の殺菌など、各種業界で広く利用されている。しかし使用後の過酸化水素は一般的に廃液中に高濃度で存在し、そのような過酸化水素の残留は、環境浄化に関与する有用生物や微生物の死滅をもたらすなど環境負荷を大きく増大させる点で大きな問題となる。残留した過酸化水素の分解処理法としては、貝殻等を使用した曝気法、オガクズ等を利用した生物処理法などが用いられてきたが、いずれも広大な処理設備を必要としたり、分解速度が遅い等の問題点があり、必ずしも効果的な方法ではなかった。他にも過酸化水素を重亜硫酸ナトリウム等の還元剤と接触させる方法があるが、過酸化水素濃度を分析し当量を添加しなければならないことと、もし過剰に添加した場合においては、還元剤が廃水中に残留してしまう欠点がある。そこで近年では、廃水中の過酸化水素をカタラーゼで酵素的に分解処理する方法も利用されている(例えば、特許文献1)。この酵素法自体は汎用性、操作性、効率の面で優れた方法であるが、通常はコストが高く、必ずしも各種業界で広く使用得るものではなかった。
一方、臨床検査の分野においては、測定対象成分から過酸化水素を生成させ、この過酸化水素を定量することにより測定対象成分の試料中濃度を測定する方法が広く利用されている(例えば、特許文献2)。この方法では、測定対象成分以外の物質から生成される過酸化水素が測定値の誤差要因となるため、測定対象成分以外の物質から生成された過酸化水素を除去するために、カタラーゼを作用させて水と酸素に分解する手法がよく用いられている。またグルコースオキシダーゼを使用して食品中のグルコースを除く際に、その反応の副産物である過酸化水素をカタラーゼを用いて分解することもよく行われている。しかし、カタラーゼはコストが高いことから、やはり使用しにくいという問題があった。
現在市販されている微生物由来カタラーゼは、ミクロコッカス・ルテウス(Micrococcus luteus (lysodeikticus))やアスペルギルス・ニガー(Asperigillus niger)等の真菌由来のものが多数を占める(例えば、特許文献3)。ミクロコッカス・ルテウスは、培養に時間がかかること(典型的には約2日)や、菌体が頑丈で菌体内から酵素を取り出す際の菌体破壊に余分なコストがかかることから、低コストでの生産が難しい。また真菌由来カタラーゼについては、菌体の除去が容易でなく、大量スケールで十分な精製が可能な手法も確立されていない。真菌由来カタラーゼは、その多くが酸性に対して耐性があり、完全に精製された標品を得るのが比較的簡単であるのが長所である一方、分子あたりの活性が比較的低く過酸化水素を低濃度まで分解するためにはより多くの酵素を必要とするという欠点もある。臨床検査薬に含まれるカタラーゼのほとんどは、真菌由来カタラーゼではなく、家畜の臓器由来のカタラーゼを使用しているが、動物由来カタラーゼは大量生産が困難であるだけでなく、狂牛病等の影響で原料の調達に支障が生じる場合もある。
いくつかの細菌由来カタラーゼの単離も報告されている(例えば、特許文献4)が、高熱条件や酸性条件下での安定性の低さなどそれぞれ課題を抱えていることから、有用な細菌由来カタラーゼの提供はなおも望まれている。
このように、従来のカタラーゼは、菌体に含まれる含有量、培養時間、菌体破壊に掛かるコスト、反応速度、酵素回収・精製に掛かるコスト、広範な反応条件(pHや温度等)下での安定性等に問題があり、これはひいては使用時の反応速度の低さや高コストという形で現れていた。
特開平8−132063号公報 特開平5−111395号公報 特開平9−47285号公報 特開2006−304786号公報
本発明は、高い過酸化水素分解活性を有するカタラーゼ及びその効率的な生産に適した細菌を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、ある種のサイクロバクター属菌が高い過酸化水素分解活性を有するカタラーゼを生産すること、及びその細菌からカタラーゼを容易に回収できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下を包含する。
[1] 精製カタラーゼタンパク質1mg当たり200,000〜300,000 Uの過酸化水素分解活性を有するカタラーゼを生産する、サイクロバクター属菌。
このサイクロバクター属菌の好適な例は、サイクロバクター・エスピーT-3株(受託番号FERM P-21525)又はその変異株である。
[2] 上記[1]のサイクロバクター属菌由来の、前記カタラーゼを含有する細胞抽出液。
[3] 以下の(a)又は(b)のタンパク質であるカタラーゼサブユニットから構成されるカタラーゼ。
(a) 配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質
(b) 配列番号2に示されるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、過酸化水素分解活性を有するカタラーゼを構成するタンパク質
このカタラーゼは、精製カタラーゼタンパク質1mg当たり200,000〜300,000 Uの過酸化水素分解活性を有することが好ましい。
[4] 以下の(a)〜(d)のいずれかのカタラーゼサブユニットタンパク質をコードするDNA。
(a) 配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするDNA
(b) 配列番号2に示されるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、過酸化水素分解活性を有するカタラーゼを構成するタンパク質をコードするDNA
(c) 配列番号1に示される塩基配列からなるDNA
(d) 配列番号1に示される塩基配列に相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、過酸化水素分解活性を有するカタラーゼを構成するタンパク質をコードするDNA
[5] 上記[4]のDNAを含む組換えベクター。
[6] 組換え発現ベクターである、上記[5]の組換えベクター。
[7] 上記[4]のDNA、又は上記[6]の組換えベクターを含む形質転換細胞。
[8] 上記[1]のサイクロバクター属菌、上記[2]の細胞抽出液、上記[3]のカタラーゼ、又は上記[7]の形質転換細胞を用いて、過酸化水素を含む液体を処理することを含む、過酸化水素の分解処理方法。
[9] 上記[1]のサイクロバクター属菌又は上記[7]の形質転換細胞を培養し、カタラーゼを生産させることを含む、カタラーゼの製造方法。
本発明に係るサイクロバクター属菌は高い過酸化水素分解活性を示す。本発明に係るサイクロバクター属菌からは、高い過酸化水素分解活性を有するカタラーゼを、容易に回収することができる。本発明に係るサイクロバクター属菌等を用いた過酸化水素の分解処理方法は、過酸化水素を効率良く分解することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
1.本発明に係るサイクロバクター属菌
本発明は、高い過酸化水素分解活性を示すサイクロバクター属(Psychrobacter)の細菌(サイクロバクター属菌)に関する。
本発明では、そのようなサイクロバクター属菌を、過酸化水素を含有する条件下で培養し、その増殖の有無を指標として(過酸化水素耐性試験)、さらにはその菌体自体又は細胞抽出液を過酸化水素溶液に添加して過酸化水素分解活性を測定し、その測定値を指標として(カタラーゼ活性測定)、選択することができる。
過酸化水素耐性は、例えば菌の培養物に一定濃度の過酸化水素を添加し、一定時間後の生菌数をカウントし、生菌数が増加したか否かを判定することにより試験することができる。過酸化水素分解活性の測定は、通常行われているカタラーゼ活性測定法に従って行うことができる。例えば、菌体を破壊し遠心分離により未破壊の菌体を取り除いた細胞抽出液を、適当な緩衝液を混合した過酸化水素水溶液と混合して反応させ、分光光度計により過酸化水素濃度の減少を測定することにより、その細胞抽出液が有する過酸化水素を分解する活性を調べることができる。各種菌株由来の細胞抽出液中の単位タンパク質当たりの過酸化水素分解活性を互いに比較することにより、より過酸化水素分解活性の高い細菌株を得ることができる。さらに一定数の細菌中からの細胞抽出液中の全活性量によって選択し、所望の細菌株を得ることができる。
本発明に係るサイクロバクター属菌は、その細胞抽出液中の菌体タンパク質1 mg当たりの過酸化水素分解活性が5000 Uを超えるものが好ましく、さらには10000 Uを超えるもの、特に20000 Uを超えるものがより好ましい。
好適な態様では、本発明に係るサイクロバクター属菌は、カタラーゼタンパク質(特にその精製タンパク質)1mg当たり200,000〜300,000 Uの過酸化水素分解活性を有するカタラーゼを生産するサイクロバクター属菌である。
本発明において、過酸化水素分解活性は、20℃にて1分間に過酸化水素を1μmol 分解する活性を1単位(1U: ユニット)として表す。本発明では、カタラーゼの「過酸化水素分解活性」と、「カタラーゼ活性」とは同じ意味で用いる。
本発明に係るサイクロバクター属菌の特に好ましい例として、サイクロバクター属に属する新菌種であるサイクロバクター・エスピー(Psychrobacter sp.)T-3株、及びその変異株が挙げられる。本発明においてサイクロバクター・エスピーT-3株の「変異株」とは、サイクロバクター・エスピーT-3株の細菌細胞を継代培養等により増殖させ維持した菌株であって、自然突然変異若しくは人為的突然変異により、又は遺伝子導入等の改変により、遺伝的な変異が生じた菌株をいう。具体的には、本発明に係るサイクロバクター・エスピーT-3株の変異株は、精製カタラーゼタンパク質1mg当たり200,000〜300,000 Uの過酸化水素分解活性を有するカタラーゼを生産する能力(生産能)を保持することが好ましい。
本発明に係るサイクロバクター属菌はまた、生育速度が比較的速いものが好ましい。
サイクロバクター・エスピーT-3株は、本発明者らが北海道留萌市の食品加工工場排水より分離した菌株であり、上記のように過酸化水素を含む培地での生育能及び細胞抽出液(細胞抽出液)の過酸化水素分解活性を指標として、過酸化水素耐性を有しかつ高い過酸化水素分解活性を有するものとして選択した。その菌学的性質は下記の通りである。
(1)形態学的特性
グラム染色:陰性
芽胞:無し
運動性:無し
菌形:桿菌
(2)培地における生育特性
色調:白
形:円形
表面:平滑
(3)化学分類学的特性
主要なイソプレノイドキノン:ユビキノン-8 (Q-8)
DNAのG+C含量(mol%):44.6%
(4)生理・生化学的特性
オキシダーゼ試験:陽性
カタラーゼ試験:陽性
尿素分解:弱陽性
ONPG試験:陰性
硫化水素産生:陽性
メチルレッド試験:陽性
VP試験:陰性
インドール試験:陰性
フェニルアラニンのデアミナーゼ試験:陰性
硝酸塩の還元:弱陽性
Na+要求性:陰性
デンプン分解:陰性
ゼラチン分解:陰性
カゼイン分解:陰性
アルギン酸分解:陰性
エスクリン分解:陰性
Tween 20の分解:陽性
Tween 40の分解:陽性
Tween 60の分解:陽性
Tween 80の分解:陽性
(5)各温度における生育
-1℃:+
4℃:+
30℃:+
40℃:−
(6)酸生成
以下の基質から酸を産生する:
L-アラビノース、D-マンノース、メリビオース、ガラクトース、ラムノース、ラクトース、セロビオース
以下の基質から酸を産生しない:
フルクトース、マルトース、シュークロース、ラフィノース、イノシトール、マンニトール、ソルビトール、トレハロース、グリセロール。
本発明のサイクロバクター・エスピーT-3株は、これらの菌学的性質、及び16S rRNA遺伝子配列に基づく系統学解析で得られた系統樹(図1)に基づいて、サイクロバクター属に属する新菌種として分類された。サイクロバクター・エスピー(Psychrobacter sp.)T-3株は、2008年3月7日付で、独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6)に、受託番号FERM P-21525として寄託されている。
本発明のサイクロバクター・エスピーT-3株を培養するのに適した液体培地の例は以下の通りである。
PYS-3培地(液体培地組成)
カゼインペプトン 8 g
酵母エキス 3 g
塩化ナトリウム 5 g
コハク酸ナトリウム 5 g
蒸留水 1 L
(pH 7.0)
2.本発明に係るサイクロバクター属菌の生産するカタラーゼ
本発明のサイクロバクター属菌(特に好ましくは、サイクロバクター・エスピーT-3株)は、カタラーゼを生産し、通常はそれを菌体内に蓄積する。本発明のサイクロバクター属菌を培養し、その培養物に超音波処理やフレンチプレス等の物理的処理又は化学的処理を施すことにより培養物中の菌体を破壊して破砕液とし、さらに必要に応じて、その破砕液から未破壊の菌体を遠心分離等により取り除くことにより、細胞抽出液を調製することができる。細胞抽出液は、無細胞抽出液とも呼ばれる。本発明に係るサイクロバクター属菌から調製した細胞抽出液(サイクロバクター属菌由来の細胞抽出液)は、比活性(ここでは、菌体タンパク質1mg当たりの過酸化水素分解活性)及び総カタラーゼ活性値が非常に高い。サイクロバクター属菌由来の細胞抽出液には、好ましくは、このサイクロバクター属菌が生産した高活性のカタラーゼ(サイクロバクター属菌由来カタラーゼ)が大量に含まれる。本発明はこのようなカタラーゼにも関する。
サイクロバクター・エスピーT-3株由来の上記カタラーゼは、カタラーゼサブユニット4個を含んでおり、そのサブユニットのそれぞれは配列番号2のアミノ酸配列からなるタンパク質である。しかし本発明に係るカタラーゼは、配列番号2のアミノ酸配列にマイナーな変異が導入されたサブユニットタンパク質から構成されるものであってもよい。具体的には、本発明に係るサイクロバクター属菌由来のカタラーゼは、その個々のサブユニットが以下のサブユニットタンパク質であるものであってよい:
(a) 配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質
(b) 配列番号2に示されるアミノ酸配列において1若しくは数個(好ましくは2〜10個、より好ましくは2〜6個)のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、過酸化水素分解活性を有するカタラーゼを構成するタンパク質。
本発明において、「過酸化水素分解活性を有するカタラーゼを構成する」タンパク質とは、そのタンパク質がサブユニットとして(好ましくは4量体へと)反応(会合)してカタラーゼを形成したときに、そのカタラーゼが過酸化水素分解活性を発揮することができるようなタンパク質をいう。
本発明に係る上記カタラーゼは、一般的なカタラーゼと同様に好ましくは4個のサブユニットから構成される。サブユニット1個の分子量は典型的には約60 kDaである。このカタラーゼはそれらサブユニットに加えて他の成分、例えばプロトヘム(ヘムbとも呼ばれる)等を含みうるが、そのようなカタラーゼも本発明に係るカタラーゼに包含する。
本発明に係る上記カタラーゼは、精製カタラーゼタンパク質1mg当たり200,000〜300,000 U、より好ましくは220,000〜270,000 Uという、高い比活性(カタラーゼタンパク質1mg当たりの過酸化水素分解活性)を有する。本発明において「精製カタラーゼタンパク質」とは、典型的には、電気泳動的に均一なバンドが示される程度以上まで精製されたカタラーゼタンパク質を意味する。本発明に係るカタラーゼの至適温度は、典型的には5℃〜70℃、好ましくは10℃〜60℃である。本発明に係るカタラーゼの至適pHは、通常はpH3〜11、好ましくはpH5〜10である。またこの本発明に係るカタラーゼが特に安定なpH範囲は、通常はpH7.0〜9.0、より好ましくはpH7.5〜8.5、特に好ましくはpH8.0である。さらに、この本発明に係るカタラーゼがより安定な温度範囲は、通常は10℃〜45℃、より好ましくは20℃〜45℃である。
なお上述のサイクロバクター・エスピーT-3株の変異株は、このようなサイクロバクター属菌由来カタラーゼを生産する能力を保持しているものであることが好ましい。
上記のような本発明に係るサイクロバクター属菌由来のカタラーゼは、サイクロバクター属菌を培養し、その培養物に物理的処理(超音波処理やフレンチプレス等)又は化学的処理(例えばリゾチーム等の酵素処理)を施すことにより培養物中の菌体を破壊して破砕液とし、さらに必要に応じてその破砕液から未破壊の菌体や、菌体の破壊断片の一部などを取り除くことにより、細胞抽出液を調製し、その細胞抽出液から、常法により精製することができる。用途によっては、未破壊の菌体等を取り除く前の破砕液をそのまま細胞抽出液として使用することもできる。
本発明に係るサイクロバクター属菌は、容易に菌体を破壊することができる。本発明のカタラーゼは、細胞抽出液から、タンパク質の単離精製に用いられる一般的な生化学的方法、例えば硫酸アンモニウム沈殿、ゲルクロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー等を単独で又は適宜組み合わせて用いて単離精製することができる。細胞抽出液からのカタラーゼの特に好適な精製方法としては、例えば、細胞抽出液を陰イオン交換クロマトグラフィーにかけ、溶出させたカタラーゼ画分をさらに疎水性相互作用クロマトグラフフィーにかける方法が挙げられる。本発明は、このようなサイクロバクター属菌からのカタラーゼの製造方法も提供する。この方法では、ゲル濾過を使用しない少ない精製ステップを細胞抽出液に適用できることから、低コストかつ安定的に本発明に係るカタラーゼの精製酵素を供給することができる。また、ゲル濾過は負荷量が制限されること(例えば通常の実験室の系では2 ml程度)から、本発明においてゲル濾過を使用せずにカタラーゼを精製できることは、大容量のサンプルを処理する上で有利である。
あるいは本発明に係るサイクロバクター属菌由来のカタラーゼは、上記のようなカタラーゼサブユニットタンパク質をコードするDNA(カタラーゼ遺伝子)を組換え発現させることによって製造することもできる。
本発明のカタラーゼ遺伝子は、典型的には以下のようなDNAである。
以下の(a)〜(d)のいずれかのカタラーゼサブユニットタンパク質をコードするDNA:
(a) 配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするDNA
(b) 配列番号2に示されるアミノ酸配列において1若しくは数個(好ましくは2〜10個、より好ましくは2〜6個)のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、過酸化水素分解活性を有するカタラーゼを構成するタンパク質をコードするDNA
(c) 配列番号1に示される塩基配列からなるDNA
(d) 配列番号1に示される塩基配列に相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、過酸化水素分解活性を有するカタラーゼを構成するタンパク質をコードするDNA。
この「過酸化水素分解活性を有するカタラーゼを構成する」タンパク質の意味は上記と同様である。
ここでストリンジェントな条件とは、いわゆる特異的な核酸ハイブリッドが形成される条件をいう。典型的には、ナトリウム塩濃度50〜750mM、より好ましくは300〜750mM、反応温度50℃〜70℃、より好ましくは55〜65℃、ホルムアミド濃度20〜50%、より好ましくは35〜45%でハイブリダイゼーション反応を行い、さらにハイブリダイゼーション後の洗浄を、ナトリウム塩濃度50〜600mM、より好ましくは300〜600mM、温度55〜70℃、より好ましくは60〜65℃で行う条件を、本発明における「ストリンジェントな条件」と呼ぶ。
なお、この配列番号1に示される塩基配列からなるDNAは、配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質をコードする、サイクロバクター・エスピーT-3株由来のカタラーゼ遺伝子である。
本発明のカタラーゼ遺伝子は、実施例のようにサイクロバクター・エスピーT-3株の細菌細胞から単離することができるが、それ以外のサイクロバクター属菌から単離してもよい。
本発明のカタラーゼ遺伝子は、本発明のカタラーゼ遺伝子配列又はカタラーゼのアミノ酸配列(例えば、それぞれ、配列番号1の塩基配列、配列番号2のアミノ酸配列)に基づいて、常法により単離することができる。例えば、サイクロバクター属菌から常法により調製された全mRNA、全RNAからRT-PCRにより得られたcDNA、cDNAライブラリー等の核酸を鋳型とし、本発明のカタラーゼ又はカタラーゼ遺伝子の配列に基づいて設計されるプライマーセット(例えば、それぞれ配列番号4及び5の塩基配列からなるプライマーのセット、又はそれぞれ配列番号6及び7の塩基配列からなるプライマーのセット)を用いたPCR法によって、本発明のカタラーゼ遺伝子を含むDNA増幅断片を取得することができる。得られたDNA増幅断片は、常法により抽出・精製することが好ましい。あるいは、本発明のカタラーゼ遺伝子(例えば、配列番号1の塩基配列からなるDNA)又はその一部を用いてプローブを作製し、それをサイクロバクター属菌から常法により調製された全mRNA、全RNAからRT-PCRにより得られたcDNA、cDNAライブラリー等の核酸に対してハイブリダイズさせることにより、本発明のカタラーゼ遺伝子をクローンとして取得することもできる。本発明のカタラーゼ遺伝子はまた、化学合成法を利用して合成してもよい。
また本発明に係るカタラーゼ遺伝子は、天然源から得られたカタラーゼ遺伝子又は合成カタラーゼ遺伝子を、部位特異的突然変異誘発法等の変異導入法を用いて改変することにより作製してもよい。遺伝子に変異を導入するには、Kunkel法、Gapped duplex法等の公知の手法又はこれに準ずる方法を採用することができる。これらの変異導入は、例えば市販の部位特異的突然変異誘発キット(例えばMutan(R)-K、Mutan(R)-Super Express Km、PrimeSTAR(R) Mutagenesis Basal Kit(いずれもTAKARA BIO INC.社製))などを用いて当業者であれば容易に行うことができる。
なお、得られたカタラーゼ遺伝子のDNA増幅断片については、塩基配列決定によりその配列を確認することが好ましい。塩基配列決定はマキサム-ギルバートの化学修飾法、ジデオキシヌクレオチド鎖終結法等の公知手法により行うことができるが、通常は自動塩基配列決定装置(例えばABI社製DNAシークエンサー)を用いて行えばよい。
本発明は、上記のようなサイクロバクター属菌由来カタラーゼ遺伝子にも関する。
本発明では、本発明に係るサイクロバクター属菌由来カタラーゼ遺伝子(当該カタラーゼのサブユニットタンパク質をコードするDNA)をベクター中にクローニングして組換えベクターを作製することも好ましい。
本発明の組換えベクターは、適当なベクターに本発明の遺伝子を連結することにより得ることができる。本発明の遺伝子を挿入するためのベクターは、宿主中で複製可能なものであれば特に限定されず、例えば、プラスミドDNA、ファージDNA等が挙げられる。例えばプラスミドDNAとしては、大腸菌由来のプラスミド(例えばpET22b(+)、pBR322、pBR325、pUC118、pUC119、pUC18、pUC19、pBluescript、pET100/D-TOPO等)、枯草菌由来のプラスミド(例えばpUB110、pTP5等)、酵母由来のプラスミド(例えばYEp13、YCp50、pPICZαA等)などが挙げられ、ファージDNAとしてはλファージ(Charon4A、Charon21A、EMBL3、EMBL4、λgt10、λgt11、λZAP、λZAPII等)などが挙げられる。さらに、レトロウイルス又はワクシニアウイルスなどの動物ウイルス、バキュロウイルスなどの昆虫ウイルスベクターを用いることもできる。ベクター中に本発明のカタラーゼ遺伝子を組み込むには、例えば、その遺伝子を含むDNA断片を適当な制限酵素で切断し、ベクターDNAの制限酵素部位又はマルチクローニングサイトにインフレームで挿入し連結すればよい。
本発明のカタラーゼ遺伝子を含む組換えベクターは、本発明の遺伝子を宿主細胞内で発現させるため、組換え発現ベクターとして作製することも好ましい。この組換え発現ベクターを作製するためには、ベクターのうち発現ベクターを選択して用いればよい。発現ベクターには、プロモーター、ターミネーター、リボソーム結合部位などの宿主生物における発現に必要な各種エレメントが含まれることが好ましい。また発現ベクターにはプロモーターを制御する遺伝子がさらに含まれてもよい。プロモーターは、その発現ベクターを導入すべき宿主細胞中でその制御下の遺伝子の発現を誘導できる任意のものであってよい。例えば細菌中で発現させるのであれば、T7プロモーター、trcプロモーター、tacプロモーター、lacプロモーター等が使用でき、酵母中で発現させるのであれば、グリセルアルデヒド3リン酸デヒドロゲナーゼプロモーター、PH05プロモーター、MFα1プロモーター等が使用でき、糸状菌中で発現させるのであれば、アミラーゼプロモーター、trpCプロモーター等が使用でき、動物細胞中で発現させるのであれば、SV40初期プロモーター、SV40後期プロモーター等が使用でき、植物で発現させるのであれば、CaMV35Sプロモーター、ユビキチンプロモーター等が利用できる。
本発明で使用する発現ベクターには、ベクターが細胞内に保持されていることを示す選択マーカーやベクター内に簡単に正しい向きで遺伝子を挿入するためのポリリンカー、エンハンサーなどのシスエレメント、スプライシングシグナル、ポリA付加シグナル、分泌シグナル配列、精製用のヒスチジンタグ配列等の有用な配列が必要に応じて含まれていてもよい。選択マーカーとしては、例えばジヒドロ葉酸還元酵素遺伝子、アンピシリン耐性遺伝子、ネオマイシン耐性遺伝子、クロラムフェニコール耐性遺伝子(CAT遺伝子)等が挙げられる。本発明のカタラーゼを細胞中で高レベルに発現させる目的では、本発明のカタラーゼ遺伝子を過剰発現プロモーターの下流に連結した状態で組換え発現ベクターに組み込んでもよい。
本発明では、本発明のカタラーゼ遺伝子を宿主に導入して形質転換細胞を作製することもできる。具体的には、本発明のカタラーゼ遺伝子又はその遺伝子を含む組換えベクター(好ましくは組換え発現ベクター)を宿主細胞に導入することにより宿主細胞を形質転換することができる。
宿主細胞は、原核細胞であっても真核細胞であってもよい。より具体的には、宿主細胞には、大腸菌や枯草菌等の細菌、酵母細胞、昆虫細胞、動物細胞(例えば、哺乳動物細胞)、植物細胞等の任意の細胞(好ましくは培養細胞)が含まれる。
本発明の遺伝子又はそれを含む組換えベクターを用いて宿主細胞を形質転換するには、一般的に行われている遺伝子導入法、例えば、リン酸カルシウム法、エレクトロポレーション法、リポフェクション法、パーテイクルガン法、ポリエチレングリコール(PEG)法、アグロバクテリウム法、プロトプラスト融合法等を用いればよい。形質転換細胞の選択は、常法に従って行うことができるが、通常は使用した組換えベクターに組み込まれた選択マーカー又はリポータータンパク質を利用して行うことができる。
本発明では、得られた形質転換細胞において、導入した本発明のカタラーゼ遺伝子を発現させてカタラーゼサブユニットタンパク質を産生させ、それにより当該サブユニットが細胞内で組み立てられてカタラーゼとして生産されるようにすることにより、高い過酸化水素分解活性(カタラーゼ活性)を有するカタラーゼを製造することができる。
限定するものではないが、導入したカタラーゼ遺伝子を発現させる際は、通常は、形質転換細胞を培養することが好ましい。形質転換細胞の培養は、宿主生物の培養に用いられる通常の方法に従って行えばよい。例えば、大腸菌や酵母細胞等の微生物を宿主細胞として得られた形質転換細胞は、宿主微生物が資化し得る炭素源、窒素源、無機塩類等を含有する培地中に接種して培養すればよい。培地は、形質転換細胞の培養を効率的に行える培地であれば、天然培地、合成培地のいずれを用いてもよい。培地には、必要に応じてアンピシリンやテトラサイクリン等の抗生物質を添加してもよい。
誘導性プロモーターを含む組換え発現ベクターで形質転換した宿主細胞を培養する場合は、必要に応じてインデューサーを培地に添加してもよい。例えば、Lacプロモーターを用いた発現ベクターで形質転換した宿主細胞を培養するときにはイソプロピル-1-チオ-β-D-ガラクトシド(IPTG)等を、trpプロモーターを用いた発現ベクターで形質転換した宿主細胞を培養するときにはインドールアクリル酸(IAA)等を培地に添加することができる。培養条件は特に限定されないが、好ましくは形質転換に用いる宿主細胞に適した条件下で行われる。
培養後、通常カタラーゼは細胞内に蓄積されるので、その細胞を常法により破壊してカタラーゼを採取することが好ましい。本発明は、このような本発明のカタラーゼ遺伝子を導入した形質転換細胞を用いたカタラーゼの製造方法にも関する。
産生された本発明のカタラーゼ又はカタラーゼサブユニットタンパク質は、タンパク質の単離精製に用いられる一般的な生化学的方法、例えば硫酸アンモニウム沈殿、ゲルクロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー等を単独で又は適宜組み合わせて用いることにより単離精製することができる。しかしながら、場合により、遠心分離や限外濾過型フィルター等を用いて採取又は濃縮した培養上清や溶菌液上清、あるいはそれらの上清をさらに硫安分画後に透析にかけるなどして得た溶液を、そのまま粗酵素液として使用してもよい。
3.本発明に係るカタラーゼを用いた過酸化水素の分解処理方法
本発明に係るサイクロバクター属菌やそれに由来するカタラーゼは、高い過酸化水素分解活性を有することから、過酸化水素を分解する目的で各種用途に用いることができる。
特に本発明は、本発明に係るサイクロバクター属菌、その細胞抽出液、その菌由来のカタラーゼ、又はそのカタラーゼ遺伝子を導入した形質転換細胞を用いて、過酸化水素を含む液体を処理することを含む、過酸化水素の分解処理方法を提供する。この方法により、工業廃水等に含まれる過酸化水素を効率よく除去することができる。
この方法で処理に供する過酸化水素を含む液体は、含有する過酸化水素を分解除去する必要がある任意の液体であってよい。過酸化水素を含む液体は、好ましくは過酸化水素を含む水性溶媒(アルコール成分を少量含んでもよい)である。より具体的には、過酸化水素を含む液体としては、限定するものではないが、例えば、半導体ウエハーのエッチングや洗浄、繊維の晒しの工程、紙の漂白、脱墨、無菌充填関連の食品プラントの殺菌、洗浄、かずのこの漂白などの過酸化水素を用いる任意の作業工程を行う工場で生成される過酸化水素含有廃液、それらの工場から排出される排水、過酸化水素を使用する試験又は実験で生じる廃液、公衆浴場におけるレジオネラ菌殺菌処理後の下水、過酸化水素が流入しているか又はその恐れがある下水、河川水、湖水、若しくは海水などが挙げられる。
過酸化水素の分解処理を行うには、本発明に係るサイクロバクター属菌、細胞抽出液、カタラーゼ、及び形質転換細胞からなる群より選択される少なくとも1つを、そのような過酸化水素を含む液体に、任意の方法で接触させればよく、例えば当該過酸化水素を含む液体に直接添加してもよいし、任意の固相(例えば、シリカ、活性炭、ガラス、若しくはプラスチック等の各種材料から製造した、微粒子、支持板、繊維状担体等の担体)などに固定して固相触媒の形態で投入してもよい。サイクロバクター属菌は、培養して得られる培養物の形態で、過酸化水素を含む液体に添加してもよい。さらに、サイクロバクター属菌の菌体又は細胞抽出液を透析膜等の低分子のみ透過させるような袋に収納して、この袋を、過酸化水素含有廃液などの過酸化水素を含む液体中に入れてもよい。この際、本発明に係るサイクロバクター属菌等を添加する、過酸化水素を含む液体の温度やpH等は、カタラーゼの活性が保持される条件範囲に調整することが望ましい。例えば、温度は15〜45℃が望ましく、pHは6〜10が望ましい。
本発明に係るこのような過酸化水素の分解処理方法により、高効率に過酸化水素を酸素と水に分解することで、溶液中の過酸化水素を良好に除去することができる。
以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1] 細菌株の分離
北海道留萌市の食品加工工場から採取した工場排水から、過酸化水素含有培地での生育能および菌体からの細胞抽出液の過酸化水素分解活性を指標に、高い過酸化水素分解活性を有する細菌株を分離した。
具体的には、まず、採取した水試料を過酸化水素の濃度が10 mMになる様に調整したPYS-2寒天平板培地(カゼインペプトン8 g、酵母エキス3 g、塩化ナトリウム5 g、寒天15 g; pH 7.5)に塗抹して27℃で一週間培養後、出現したコロニーについて、再分離を行い分離株を得た。得られた分離株について100 mlのPYSG培地(PYS-2培地に0.5%グルタミン酸ナトリウムを添加した培地)に接種し、140 rpm、27℃で対数増殖期後期まで振盪培養した後、15,000 × gの遠心分離によって集菌した。フレンチプレス(1,8000 Ib/in2)によって菌体を破壊後、15,000 × gの遠心分離によって未破壊の菌体を取り除き、細胞抽出液を得た。酵素活性による細胞抽出液中の過酸化水素の減少について、分光学的に240 nmの吸光値の経時的変化をモニターし、各細胞抽出液のカタラーゼ活性の活性値を計算した。活性の単位としては、1分間に過酸化水素を1μmol分解する活性を1 U(ユニット)とした。測定の結果に基づき、細胞抽出液のタンパク質1 mg当りのカタラーゼ活性が20,000 U以上の菌株を選抜し、T-3株を得た。
[実施例2] 分離菌株の分類
実施例1で分離した細菌株(T-3株)は、常法に従って分析したところ、上述の菌学的性質を有していた。
このT-3株の帰属分類群の同定は、以下のようにして行った。まず分離した菌株(T-3株)をPYS-2寒天斜面培地で27℃で1〜2日間培養し、光学顕微鏡及び電子顕微鏡で観察したところ、グラム染色陰性の桿菌であり芽胞及び運動性は無いことが判明した。また、得られた生理学的、生化学的性状検査結果は、Berger's manual of systematic Bacteriology, second edition(Brenner DJ, Krieg NR, Staley, JT, Garrity GM (2005)Bergey's manual of systematic Bacteriology, 2nd edn. Springer, New York, NY, USA)に記載されているサイクロバクター属細菌の性質と一致していた。
続いて、分離した菌株について、16S rRNA遺伝子配列に基づく分子系統学的解析を行った。培養したT-3株菌から常法によりDNAを抽出し、それを鋳型として16S rRNA遺伝子に特異的なプライマーを用いてPCRにより16S rRNA遺伝子断片を増幅し、次いでその塩基配列を自動シークエンサーを用いて解析した。得られた16S rRNA遺伝子断片の塩基配列について、配列データベースでのBLAST(ブラスト)サーチによる相同性検索を行い、細菌由来16S rRNAの類似配列を調べた。ヒットした類似配列とT-3株菌の16S rRNA遺伝子配列とのアラインメントをとり、近隣結合法により系統樹を作成したところ、この菌がサイクロバクター属に属することが示された(図1)。この結果、T-3株は、サイクロバクター属(Psychrobacter)に属する菌株であると考えられた。さらに16S rRNA遺伝子配列に基づく系統学上の近縁株サイクロバクター・ニビマリス(Psychrobacter nivimaris)DSM 16093T、サイクロバクター・プロテオリティカス(Psychrobacter proteolyticus)DSM 13887T及びサイクロバクター・アキマリス(Psychrobacter aquimaris)DSM 16329Tに対してDNA-DNA相同性を調べたところ、それぞれ40%、38%及び32%でいずれも同種と考えられる値である70%未満であったことからT-3株はいずれの菌株とも同一種でないことが示された。
以上の結果から、実施例1で分離した菌株(T-3株)は、サイクロバクター属(Psychrobacter)の新菌種に属するものとして同定された。本発明者らは、この分離した菌株を、サイクロバクター・エスピー(Psychrobacter sp.)T-3株と名付けた。サイクロバクター・エスピーT-3株は、2008年3月7日付で、独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6)に、受託番号FERM P-21525として寄託されている。
[実施例3] 細胞抽出液を用いた過酸化水素分解試験
サイクロバクター・エスピーT-3株、ミクロコッカス・ルテウス(Micrococcus luteus)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、アエロモナス・ハイドロフィーラ(Aeromonas hydrophila)、アルカリゲネス・フェーカリス(Alcaligenes faecalis)、シュードモナス・フローレッセンス(Pseudomonas fluorescence)、大腸菌(Escherichia coli)、腸炎ビブリオ菌(Vibrio parahemolyticus)を、それぞれ対数期後期から定常期まで同じスケ−ルで培養し、遠心分離(10,000×g、15分)で集菌した。集菌後、加圧型細胞破壊装置(フレンチプレス)で菌体を破壊し、得られた菌体破壊液をさらに遠心分離(10,000×g、15分)することにより未破壊の菌体を取り除いた液を細胞抽出液とした。一方、30 mMの過酸化水素液を50 mMリン酸緩衝液(pH 7.0)中で調製し、この1 mlを1 cm 光透過の石英セルに入れ、反応基質として用いた。
過酸化水素の分解反応は、上記で調製した過酸化水素液を入れた石英セルに、上記の細胞抽出液 数μlを粗酵素液としてマイクロシリンジで投入することによって開始させた。この反応は20℃で行った。反応混合液中の過酸化水素濃度の減少を分光光度計で240 nmでの吸光度を経時的にモニターし、減少の初速度を見積もることにより、各細胞抽出液の活性値を計算した。活性の単位としては、1分間に過酸化水素を1μmol分解する活性を1 U(ユニット)とした。
その結果、各細胞抽出液の菌体タンパク質(粗タンパク質)1mg当たりの活性値は以下の通りであった。
サイクロバクター・エスピーT-3株 23,000 U/mgタンパク質
ミクロコッカス・ルテウス 12,341 U/mg タンパク質
黄色ブドウ球菌 1,425 U/mg タンパク質
アエロモナス・ハイドロフィーラ 622 U/mg タンパク質
アルカリゲネス・フェーカリス 540 U/mg タンパク質
シュードモナス・フローレッセンス 290 U/mg タンパク質
大腸菌 44 U/mg タンパク質
腸炎ビブリオ菌 15 U/mg タンパク質
この結果から、サイクロバクター・エスピーT-3株菌が、他の菌と比べて格段に高いカタラーゼ活性を示すことが判明した。なおこの段階では菌体タンパク質中に夾雑タンパク質が多く含まれるため、各細胞抽出液の活性値はより低い値として算出されていると思われる。
なお市販のカタラーゼの生産菌であるミクロコッカス・ルテウス等の真菌は、菌体が頑丈で破壊しにくく、菌体内酵素を抽出するのにかなり手間が掛かる。またミクロコッカス・ルテウスの生育速度は遅く、カタラーゼ生産の効率は良くない。これに対し、サイクロバクター・エスピーT-3株菌は破壊しやすく、菌体内のカタラーゼを容易に取得することができただけでなく、生育速度が速いためカタラーゼ生産効率に非常に優れていた。
[実施例4] サイクロバクター・エスピーT-3株由来のカタラーゼの特性解析1
サイクロバクター・エスピーT-3株を培養培地(上記のPYS-3培地)中、27℃で24時間培養した。得られた2リットルの培養物を遠心分離(10,000×g、15分)により菌体を回収し、加圧型細胞破壊装置(フレンチプレス)で菌体を破壊し、得られた菌体破壊液をさらに遠心分離(10,000×g、15分)することにより未破壊の菌体を取り除いて得られた無細胞抽出液を細胞抽出液とした。得られた細胞抽出液を陰イオン交換クロマトグラフィー(DEAE-Toyopaerl、東ソー)にかけ、溶出させたカタラーゼ画分を次に疎水性相互作用クロマトグラフィー(Phenyl Sepharose、GEヘルスケアーサイエンス)にかけて精製を行った。
このようにして精製した画分については、電気泳動により、均一な精製標品が得られたことが確認された。このカタラーゼ精製標品のサブユニット1個の推定分子量は約60 kDaであった。
次に、得られたサイクロバクター・エスピーT-3株由来のカタラーゼについて、(1) 比活性、(2) 活性の温度依存性、及び(3) 活性のpH依存性の検討を行った。なお対照としては、市販の牛肝臓カタラーゼと、ミクロコッカス・ルテウス由来のカタラーゼを使用した。カタラーゼ活性は、過酸化水素分解活性として以下の通り測定した。まず30 mMの過酸化水素液を50 mMリン酸緩衝液(pH 7.0)中で調製し、この1 mlを1 cm 光透過の石英セルに入れ、反応基質として用いた。過酸化水素の分解反応は20℃で行い、上記で調製した過酸化水素液を入れた石英セルに、上記の細胞抽出液 数μlを酵素液としてマイクロシリンジで投入することによって開始させた。実施例1と同様に、分光光度計を用いて240 nmでの吸光度(吸光値)を測定することにより反応液中の過酸化水素量を算出し、その経時的変化をモニターした。上記と同様に、活性の単位は、1分間に過酸化水素を1μmol分解する活性を1 U(ユニット)とした。
この測定により、サイクロバクター・エスピーT-3株由来のカタラーゼ精製標品の比活性(精製カタラーゼ1mg当たりの過酸化水素分解活性)は、222,000 U/mgタンパク質であることが示された。
次に、上記で得たカタラーゼ精製標品の数μlを、10 mMトリス-塩酸緩衝液(pH 8.0)に溶解した30 mMの過酸化水素液に混合して、反応温度10〜85℃の範囲内の各種温度で過酸化水素分解活性を測定した。活性値が約222,000 U/mg精製カタラーゼタンパク質であった反応温度を、カタラーゼの至適温度とした。その結果、サイクロバクター・エスピーT-3株は10〜55℃で至適温度を示した。一方、市販の牛肝臓カタラーゼとミクロコッカス・ルテウス由来のカタラーゼは、10〜60℃で至適温度を示した。
さらに、上記で得たカタラーゼ精製標品数μlを、上記と同様の反応液(pH3〜10の範囲内の各種pH値に調整したもの)に添加し、過酸化水素分解活性を測定した。活性値が約222,000 U/mg精製カタラーゼタンパク質であった反応条件のpHを、カタラーゼの至適pHとした。その結果、サイクロバクター・エスピーT-3株由来の精製カタラーゼはpH 5〜10で至適pHを示し、pH 4及びpH 3においてもそれぞれ至適pH時の活性の50%および20%の活性を示した。一方、市販の牛肝臓カタラーゼとミクロコッカス・ルテウス由来のカタラーゼは、pH 6〜8で至適pHを示した。しかしその牛肝臓カタラーゼとミクロコッカス・ルテウス由来のカタラーゼはいずれもpH 4では至適pH時の活性の45%以下の活性しか示さず、pH 3では全く活性が見られなかった。
このように、サイクロバクター・エスピーT-3株由来のカタラーゼは、高いカタラーゼ活性を有し、かつ幅広いpH範囲で作用することが示された。
[実施例5] サイクロバクター・エスピーT-3株由来のカタラーゼの特性解析2
サイクロバクター・エスピーT-3株は実施例4と同様の条件で培養した。得られた20リットルの培養物を遠心分離(10,000×g、15分)して80gの菌体を回収し、これをさらに加圧型細胞破壊装置(フレンチプレス)にかけて菌体を破壊し、得られた菌体破壊液をさらに遠心分離(10,000×g、15分)して未破壊の菌体を取り除いて細胞抽出液とした。この細胞抽出液を陰イオン交換樹脂(DEAE-Toyopearl)に一度かけたところ、カタラーゼ8.8 gを含む、167,000 U/mgタンパク質の過酸化水素分解活性を示す粗酵素標品を回収することができた。カタラーゼのこの活性は、牛肝臓カタラーゼの精製標品の約2倍に相当していた。この結果は、サイクロバクター・エスピーT-3株の細胞抽出物由来の酵素精製物が、非常に高いカタラーゼ含量及びカタラーゼ活性を有することを示していた。
次いで、このサイクロバクター・エスピーT-3株由来のカタラーゼを、実施例4と同様にして、各種pHにて60℃で15分間インキュベートし、残存活性を測定した。その結果、本酵素が最も安定なpHは8.0であることが示された。
そこでこのカタラーゼを、実施例4と同様にして、反応pH8.0にて各種温度で15分間インキュベートし、残存活性を測定したところ、本酵素は45℃まで安定(45℃での残存活性:100%)であることが示された。60℃においては約50%の残存活性を示した。
[実施例6] 実施例4で得たサイクロバクター・エスピーT-3株由来のカタラーゼの精製標品を用いて、タンパク質自動シークエンサー(Applied Biosystems, model 491 Protein Sequencer)を用いてエドマン分解法により、このカタラーゼのN末端アミノ酸配列を決定した(N末端配列:SNDMNDKKXPYDMTPLXMXN(配列番号3))。得られたN末端アミノ酸配列と細菌由来カタラーゼの共通アミノ酸配列から、カタラーゼ遺伝子を増幅するためのプライマーを作成した(フォワードプライマー:5'- AAYGAYAGAAYGAYAARAA -3'(配列番号4)、リバースプライマー:5'- TGNGCRTCNGCRTARTTRAA -3'(配列番号5))。次いで、これらのプライマーを用いたPCR反応により、1 kbpの増幅断片を得た。PCR反応液は、Ex Taq(5 units/μl) 1μl; 10 × Ex Taqバッファー; dNTP Mixture(各2.5 mM)8μl; 鋳型DNA 100 ng; フォワードプライマー(100 pmol/μl)1μl; リバースプライマー(100 pmol/μl)1μlを混合し、滅菌水を添加して総量を100μlとして用いた。PCRサイクルは、ステップ1として94℃で1分;ステップ2として94℃で30秒;ステップ3として44℃で30秒;ステップ4として72℃で1分(1分/1 kbp)の後、ステップ2に戻ってステップ2〜4を全部で30サイクル行い、さらにステップ5として4℃で休止、の条件で行った。
このようにして取得した増幅産物について塩基配列を決定し、その内部配列に基づいて同カタラーゼ遺伝子全長を含む領域を増幅可能なプライマー対を設計した(5'-GTATATTGAGTAATGTCATT-3'(配列番号6)、及び5'-GTCGGTAATAATACGCCGG-3'(配列番号7))。それらの合成プライマーおよびTaKaRa PCR in vitro Cloning Kit(TAKARA)を使用して同カタラーゼ遺伝子全長を含む断片を増幅し、同カタラーゼ遺伝子全長の遺伝子配列を決定した。TaKaRa PCR in vitro Cloning Kitによる遺伝子の増幅は、付属したマニュアルに従い行った。
こうして単離されたカタラーゼ遺伝子のオープンリーディングフレームの配列(1533bp)を配列番号1に示した。また配列番号1に示される塩基配列によってコードされるカタラーゼのアミノ酸配列(510アミノ酸残基)を配列番号2に示した。配列番号2のアミノ酸配列のN末端配列は、上記でエドマン分解法により決定したN末端アミノ酸配列と完全に一致していたことから、上記のカタラーゼの精製標品が配列番号2で示されるアミノ酸配列を有することが示された。
本発明に係るサイクロバクター・エスピーT-3株菌は、産業上頻用されているミクロコッカス・ルテウスよりも格段に破壊しやすいため菌体内のカタラーゼを容易に取得でき、また生育速度も速いことから、高効率でのカタラーゼ生産に有利に使用することができる。サイクロバクター・エスピーT-3株菌を用いて、典型的には僅か2ステップ(陰イオン交換クロマトグラフィー及び疎水性相互作用クロマトグラフィー)で、カタラーゼ精製標品を回収することができる。
サイクロバクター・エスピーT-3株菌由来の本発明に係るカタラーゼは、従来のカタラーゼと比べて顕著に高いカタラーゼ活性(過酸化水素分解活性)を示すことから、例えば過酸化水素を大量に含む工業廃水の処理などに好適に使用することができる。本発明に係るカタラーゼはまた、市販の牛肝臓カタラーゼやミクロコッカス・ルテウス由来のカタラーゼ等の従来のカタラーゼよりもかなり広いpH作用範囲を有することから、より広範囲な用途に用いることができる。
本発明に係るサイクロバクター・エスピーT-3株菌又はそれに由来するカタラーゼを用いた過酸化水素の分解処理方法は、T-3株菌やそのカタラーゼの上記のような優れた性質を利用して、高効率かつ簡便に(例えば、過酸化水素含有廃水から)過酸化水素を除去するために使用することができる。
さらに本発明に係るカタラーゼの製造方法は、従来のカタラーゼ生産に見られる様々な問題、例えば(a) 菌体に含まれている含有量の低さ、(2) 長い培養時間、(3) 菌体破壊に掛かるコストの高さ(菌体の破壊しにくさ)、(4) 遅い反応速度、(5) 酵素回収や精製に要するコストの高さ、(6) 広範な反応条件での安定性の低さ等を改善し、低コストで効率良くカタラーゼを生産するために用いることができる。この製造方法によれば、真菌類由来のカタラーゼよりも高活性なカタラーゼを容易に調製することができる。この製造方法によれば、例えば臨床検査用などの精製カタラーゼについても、精製ステップが簡便になるため活性が高い酵素を効率良く供給することができる。
16S rRNA遺伝子に基づく解析によって示されたサイクロバクター・エスピーT-3株の系統学的位置を示す図である。
配列番号4〜7の配列はプライマーである。

Claims (11)

  1. 精製カタラーゼタンパク質1mg当たり200,000〜300,000 Uの過酸化水素分解活性を有するカタラーゼを生産する、サイクロバクター属菌。
  2. サイクロバクター・エスピーT-3株(受託番号FERM P-21525)又はその変異株である、請求項1に記載のサイクロバクター属菌。
  3. 請求項1又は2に記載のサイクロバクター属菌由来の、前記カタラーゼを含有する細胞抽出液。
  4. 以下の(a)又は(b)のタンパク質であるカタラーゼサブユニットから構成されるカタラーゼ。
    (a) 配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質
    (b) 配列番号2に示されるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、過酸化水素分解活性を有するカタラーゼを構成するタンパク質
  5. 精製カタラーゼタンパク質1mg当たり200,000〜300,000 Uの過酸化水素分解活性を有する、請求項4に記載のカタラーゼ。
  6. 以下の(a)〜(d)のいずれかのカタラーゼサブユニットタンパク質をコードするDNA。
    (a) 配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするDNA
    (b) 配列番号2に示されるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、過酸化水素分解活性を有するカタラーゼを構成するタンパク質をコードするDNA
    (c) 配列番号1に示される塩基配列からなるDNA
    (d) 配列番号1に示される塩基配列に相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、過酸化水素分解活性を有するカタラーゼを構成するタンパク質をコードするDNA
  7. 請求項6に記載のDNAを含む組換えベクター。
  8. 組換え発現ベクターである、請求項7に記載の組換えベクター。
  9. 請求項6に記載のDNA、又は請求項8に記載の組換えベクターを含む形質転換細胞。
  10. 請求項1若しくは2に記載のサイクロバクター属菌、請求項3に記載の細胞抽出液、請求項4若しくは5に記載のカタラーゼ、又は請求項9に記載の形質転換細胞を用いて、過酸化水素を含む液体を処理することを含む、過酸化水素の分解処理方法。
  11. 請求項1に記載のサイクロバクター属菌又は請求項9に記載の形質転換細胞を培養し、カタラーゼを生産させることを含む、カタラーゼの製造方法。
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