JP2011067105A - 微生物由来アルデヒドデヒドロゲナーゼによる不飽和脂肪族アルデヒドの分解方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】微生物酵素を用いることにより毒性の高いアクロレインを酵素反応で分解し除去する方法を提供する。
【解決手段】本発明は、微生物由来のアルデヒドデヒドロゲナーゼによる不飽和脂肪族アルデヒドの分解方法を提供する。
【選択図】なし
【解決手段】本発明は、微生物由来のアルデヒドデヒドロゲナーゼによる不飽和脂肪族アルデヒドの分解方法を提供する。
【選択図】なし
Description
本発明は、微生物由来アルデヒドデヒドロゲナーゼを利用したアクロレインの分解処理方法に関するものである。
アクロレインは、最も単純な構造を持つ、反応性の高いα,β−不飽和脂肪族アルデヒドであり、ガソリンおよび軽油などの燃料の不完全燃焼による自動車からの排気ガス、タバコの煙、および山火事での木の不完全燃焼などにより空気中に放出されることが知られている。
アクロレインは、メチオニン(医薬品や飼料原料)、グルタルアルデヒド、ピリジンおよびアリルアルコールなどの合成原料、塗料、繊維加工剤、樹脂加工剤ならびに冷凍剤などの探知剤および殺菌剤等として広範囲に利用される化学工業における有用な化合物である。アクロレインは、化学工業上、有用な化学物質としての側面がある一方、環境汚染物質としての側面がある。アクロレインは、微生物、魚類、水生生物(藻類などの水生植物やカエルなどの水生動物)、植物および動物など、広範囲にわたる生物種に対して高い毒性を示すことが知られている(化学物質の初期リスク評価書 vol.1 No.66 アクロレイン 独立行政法人製品評価技術基盤機構)。アクロレインに関連する毒性として、変異原性、催奇形性、ミトコンドリアにおける呼吸の阻害、肝細胞の壊死、生体内の様々な酵素の機能阻害(DNAポリメラーゼなど)など、様々な報告がなされている。このように、毒性の高い環境汚染物質アクロレインが、自然界に漏洩することで深刻な環境汚染を引き起こす可能性が大いに懸念される。
これまでにアクロレインの毒性に関する研究から、アクロレインの代謝経路、特にアクロレイン分解に関与する酵素を同定する試みが、各国の研究者らによって鋭意行われてきた。1987年にL. E. Rikansによって、ラット肝臓のアルデヒドデヒドロゲナーゼが、毒性の高いアクロレインをアクリル酸に変換する反応を触媒し、アクロレインの解毒に寄与していることが明らかになった(L. E. Rikans. Drug Metab. Dispos. 15 (1987) 356-362)。しかしながら、アクロレインを分解可能なアルデヒドデヒドロゲナーゼは、これ以外には一切知られていない。上述の初期リスク評価書によれば、化学物質審査規制法に基づく、活性汚泥中での生分解性試験の結果、ガスクロマトグラフ測定ではアクロレインが96%分解されたと記載されており、試験中にアクロレインが3-ヒドロキシプロパナールに変換され、残留していることが明らかとなっている。これは、アクロレインをアクリル酸に変換する活性を有するアルデヒドデヒドロゲナーゼの作用によるものではないと言える。アクロレインの微生物による分解も観察されていることは記載されているが、どのような生物種や酵素種が、難分解性のアクロレインの分解に関与しているのかについては全く同定されていない。
Drug Metab. Dispos. 15, (1987), 356-362
上述したように、アクロレインをアクリル酸に分解する酵素としてこれまでに報告されているものは、ラット肝臓由来のアルデヒドデヒドロゲナーゼのみである。しかしながらこの酵素の活性は非常に低く、実用的とはいえない。また一般に哺乳類由来のタンパク質を大腸菌のタンパク質発現システムを用いて発現させた場合、ポリペプチド鎖が正常に折り畳まれず活性を有さないことが多々ある。ポリペプチド鎖が正常に折り畳まれないタンパク質は、特に過剰にタンパク質を発現させた場合、近隣のタンパク質分子の疎水性領域で結合することにより、不溶性のタンパク質凝集体(インクルージョンボディー)を形成し、結果として活性のあるタンパク質が得られない。また、哺乳類と大腸菌とではコドン使用頻度が異なるため、異種タンパク質の高発現が困難なことがある。このような場合、大腸菌の発現システムと比べて、よりコストおよび時間がかかり、得られるタンパク質収量の少ない酵母、昆虫細胞および哺乳類細胞などのタンパク質発現システムに移行する必要性が出てくる。ラット肝臓由来のアルデヒドデヒドロゲナーゼは、熱安定性などの酵素安定性に関する報告はなされておらず、ラット肝臓由来のアルデヒドデヒドロゲナーゼをアクロレインの分解処理に用いることは困難であることが容易に推測される。そのため、本発明では、安価な大腸菌を用いたタンパク質の高発現システムの構築が可能な微生物酵素を用いることにより、毒性の高いアクロレインを酵素反応で分解除去する方法を提供することを課題とする。
本発明者等は上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ラット肝臓由来のアルデヒドデヒドロゲナーゼとの配列相同性が約40%程度と低い、Flavobacterium frigidimaris KUC-1由来の高い熱安定性を有するアルデヒドデヒドロゲナーゼに、極めて細胞毒性の高い環境汚染物質アクロレインに作用し、アクリル酸に変換する活性を微生物酵素中に初めて見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
〔1〕微生物由来のアルデヒドデヒドロゲナーゼによる不飽和脂肪族アルデヒドの分解方法。
〔2〕前記微生物が細菌に属することを特徴とする〔1〕に記載の分解方法。
〔3〕前記細菌がFlavobacterium属に属することを特徴とする〔2〕に記載の分解方法。
〔4〕前記Flavobacterium属がFlavobacterium frigidimarisであることを特徴とする〔3〕に記載の分解方法。
〔5〕Flavobacterium frigidimaris由来アルデヒドデヒドロゲナーゼが配列番号1に記載のアミノ酸からなることを特徴とする〔4〕に記載の分解反応。
〔6〕前記不飽和脂肪族アルデヒドがアクロレインであることを特徴とする〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載の分解方法。
〔2〕前記微生物が細菌に属することを特徴とする〔1〕に記載の分解方法。
〔3〕前記細菌がFlavobacterium属に属することを特徴とする〔2〕に記載の分解方法。
〔4〕前記Flavobacterium属がFlavobacterium frigidimarisであることを特徴とする〔3〕に記載の分解方法。
〔5〕Flavobacterium frigidimaris由来アルデヒドデヒドロゲナーゼが配列番号1に記載のアミノ酸からなることを特徴とする〔4〕に記載の分解反応。
〔6〕前記不飽和脂肪族アルデヒドがアクロレインであることを特徴とする〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載の分解方法。
本発明に係るFlavobacterium frigidimaris KUC-1由来のアルデヒドデヒドロゲナーゼを用いれば、毒性の高いアクロレインを酵素で分解し除去することができる。また、本発明に係るFlavobacterium frigidimaris KUC-1由来のアルデヒドデヒドロゲナーゼは熱安定性にも優れる。
本発明は、Flavobacterium frigidimaris KUC-1由来のアルデヒドデヒドロゲナーゼを用いたアクロレインの分解反応に関するものである。本発明に係るアルデヒドデヒドロゲナーゼは、酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド (以下、NAD+ と表記)を補酵素として要求し、不飽和脂肪族アルデヒドのアクロレインに作用してアクリル酸に変換する反応を触媒する酵素である。上記アルデヒドデヒドロゲナーゼは、以下に示す(a)〜(h)の酵素学的諸性質を有する。
(a)作用:アルデヒドデヒドロゲナーゼは、不飽和脂肪族アルデヒドのアクロレインに作用し、アクリル酸に変換する反応を触媒する。上記酵素により触媒される反応式を以下に示す
CH2=CH-CHO + H2O + NAD+ → CH2=CH-COOH + NADH + H+
(b)高い酵素安定性:10 mM リン酸カリウム pH 7.0の緩衝溶液中で50 ℃で静置し、半減期が65 分、45 ℃で2時間静置した場合、約70 %の活性を保持している
(c)反応至適温度:55-60 ℃
(d)至適pH:最も活性の高い反応pHは10-10.5 (基質ベンズアルデヒド、NAD+存在下で酵素反応を行った)
(e)安定に保持可能なpH範囲:pH 5.5-10
(f)サブユニット構造:SDS-ポリアクリルアミド電気泳動から約56000 Da, ゲル濾過クロマトグラフィーから約110000 Daと概算されることから、本酵素はホモダイマー構造をとる
(g)補酵素:NAD+を要求する
(h) 基質特異性:アクロレイン以外にも、様々な脂肪族または芳香族アルデヒドに作用し、対応するカルボン酸に変換する活性を有する
上記アルデヒドデヒドロゲナーゼは、配列番号1に示すアミノ酸配列を有するタンパク質、あるいは配列番号1に示すアミノ酸配列に、アクロレインに対するデヒドロゲナーゼ活性を維持し得る範囲内で、1もしくは2以上、好ましくは3以上のアミノ酸が置換、欠失、修飾、挿入または付加されたアミノ酸配列を有するタンパク質である。
CH2=CH-CHO + H2O + NAD+ → CH2=CH-COOH + NADH + H+
(b)高い酵素安定性:10 mM リン酸カリウム pH 7.0の緩衝溶液中で50 ℃で静置し、半減期が65 分、45 ℃で2時間静置した場合、約70 %の活性を保持している
(c)反応至適温度:55-60 ℃
(d)至適pH:最も活性の高い反応pHは10-10.5 (基質ベンズアルデヒド、NAD+存在下で酵素反応を行った)
(e)安定に保持可能なpH範囲:pH 5.5-10
(f)サブユニット構造:SDS-ポリアクリルアミド電気泳動から約56000 Da, ゲル濾過クロマトグラフィーから約110000 Daと概算されることから、本酵素はホモダイマー構造をとる
(g)補酵素:NAD+を要求する
(h) 基質特異性:アクロレイン以外にも、様々な脂肪族または芳香族アルデヒドに作用し、対応するカルボン酸に変換する活性を有する
上記アルデヒドデヒドロゲナーゼは、配列番号1に示すアミノ酸配列を有するタンパク質、あるいは配列番号1に示すアミノ酸配列に、アクロレインに対するデヒドロゲナーゼ活性を維持し得る範囲内で、1もしくは2以上、好ましくは3以上のアミノ酸が置換、欠失、修飾、挿入または付加されたアミノ酸配列を有するタンパク質である。
本発明に係るアルデヒドデヒドロゲナーゼをコードする配列番号2に示す塩基配列は、配列番号1に示すアミノ酸配列をコードする。ただし、配列番号1に示すアミノ酸配列をコードする塩基配列には、配列番号2に示す塩基配列のみならず、異なるコドンに基づくあらゆる塩基配列が含まれる。さらに、配列番号2に示す塩基配列に対して、置換、欠失、修飾、挿入または付加を導入することにより得られる塩基配列のホモログを得ることも可能である。
本発明における塩基配列のホモログは、配列番号2に示す塩基配列に対して、これによりコードされるアルデヒドデヒドロゲナーゼの活性を維持し得る範囲内で、塩基の置換、欠失または付加を導入して得られた塩基配列を含む。
本発明に係るアルデヒドデヒドロゲナーゼは、南極海水より単離された Flavobacterium frigidimaris KUC-1に由来し、本菌株中でアルデヒド非存在下においても構成的に高生産されていることが知られている(参考文献:Y. Yamanaka et al. Biochem. Biophys. Res. Commun. 298 (5) (2002) 632-637、Y. Nogi et al. Systematic and Applied Microbiology 28 (2005) 310-315)。上記アルデヒドデヒドロゲナーゼは、特にアルデヒドの解毒など、アルデヒドの代謝に極めて重要な役割を担っていると考えられる。なお、 Flavobacterium frigidimaris KUC-1は、独立行政法人理化学研究所バイオリソースセンター微生物材料開発室 (RIKEN BRC JCM) (寄託番号JCM 12218T)および、Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen (DSMZ) (寄託番号 DSM 15937 T)にそれぞれ寄託されている。
Flavobacterium frigidimaris KUC-1のアルデヒドデヒドロゲナーゼの遺伝子の単離およびこの遺伝子と連結させた組換えベクターの作製、組換えベクターによる形質転換体の作製、および形質転換体の培養等は公知の方法、例えばモレキュラー・クローニング(コールドスプリングハーバー出版社)およびカレント・プロトコールス・イン・モレキュラー・バイオロジー(ワイリー・インターサイエンス出版社)等に記載された方法を参照することができる。例えば遺伝子は、配列番号2に示す塩基配列中の部分配列を合成し、この合成DNAをプローブとしてDNAライブラリーから単離する方法、タンパク質をコードする塩基配列の両端部分を含有する合成DNAをプライマーとし、染色体DNAを鋳型とするPCR法によって目的遺伝子を特異的に増幅する方法等によって取得することができる。
本発明に係る組換えベクターは、アルデヒドデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子を含有するものであり、ベクターにアルデヒドデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子を連結することにより得ることができる。ベクターとしては、特に限定されるものではなく、例えばpET-21a(+)、pKK223-3、pUC19、pBluescriptKS(+)およびpBR322等に代表される市販の発現プラスミドに、Flavobacterium frigidimaris KUC-1のアルデヒドデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子を組み込むことにより、該アルデヒドデヒドロゲナーゼの発現プラスミドを構築することができる。また、形質転換に使用する宿主生物としては、組換えベクターが安定、かつ自己増殖可能で、さらに外来のDNAの形質が発現できるものであればよく、例えば大腸菌が好例として挙げられるが、大腸菌だけに限らず枯草菌、酵母等に導入することにより、アルデヒドデヒドロゲナーゼの生産能を有する形質転換体を得ることができる。
本発明において、発現プラスミドで形質転換して得られた形質転換微生物をそれ自体、公知の方法により培養することができ、本発明に係るアルデヒドデヒドロゲナーゼを産生させることもできる。この場合使用される培地としては炭素源、窒素源、無機塩類およびその他の栄養素を適量含有する培地であれば合成培地または天然培地のいずれも使用可能である。培養は前記培養成分を含有する液体培地中で振とう培養、通気攪拌培養、連続培養、流加培養などの通常の培養方法を用いて行うことができる。形質転換体の培養温度としては、15-37 ℃が好ましい。培養条件は、培養の種類、培養方法により適宜選択すればよく、菌株が生育しアルデヒドデヒドロゲナーゼを産生できる条件であれば特に制限はない。
培養終了後、微生物をろ過、遠心分離等の方法で集め、緩衝液および生理食塩水等で菌体を洗浄後、凍結融解処理、超音波破砕処理、フレンチプレス等を利用した加圧処理やガラスビーズ等を利用した磨砕処理などの物理的処理、リゾチームなどの細胞溶解酵素を用いた生化学的処理もしくは界面活性剤との化学的処理を組み合わせて行うことにより微生物を破砕し、細胞中に存在するアルデヒドデヒドロゲナーゼを含有する菌体破砕液を回収し、遠心分離等で、細胞破砕物などの不溶物を除去した上清を粗酵素液とすることができる。上記の粗酵素液を、硫安分画、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、疎水クロマトグラフィー、色素をリガンドとして利用したアフィニティークロマトグラフィー等の各種タンパク質の精製技法を組み合わせることにより、不飽和脂肪族アルデヒドを対応するカルボン酸に変換する活性画分を分画することで精製することが可能である。
本発明において、不飽和脂肪族アルデヒドとしては、アクロレイン、メタクロレイン、クロトンアルデヒド(β−メチルアクロレイン)などが挙げられる。この中ではアクロレインが好ましい。
上記反応は、通常は常圧あるいは常圧近辺で行われるが、アクロレインは揮発性が高く、水に対する溶解度を高めるために加圧下で行うこともできる。酵素の反応温度は、好ましくは20〜50℃の範囲である。また、酵素反応液のpHは、アルデヒドデヒドロゲナーゼ活性が維持されている限りは、特に制限されるものではないが、好ましくはpH7〜10.5の範囲であり、より好ましくはpH10〜10.5の範囲である。
次に本発明の実施例を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[調製例]
Flavobacterium frigidimaris KUC-1のアルデヒドデヒドロゲナーゼの精製
2 %ポリペプトンおよび1 %酵母エキスでpH 7.0に調整した培地を121℃で20分間オートクレーブ滅菌し、培地を調製した。この培地にFlavobacterium frigidimaris KUC-1を接種し、好気的に15℃下で培養した。15℃で48時間培養した200 mLのシード培養液を7 Lの新しい培地に接種し、10 Lジャーファーメンター(丸菱バイオエンジ)で15℃で48時間培養した。菌体を遠心分離により回収し、冷却した0.75% NaClを含有する10 mM リン酸カリウムバッファー(pH 7.0)で、2度洗菌した後、10 mM リン酸カリウムバッファー(pH 7.0)に懸濁した(懸濁液1 mL当たり0.5g 湿菌体含有)。
Flavobacterium frigidimaris KUC-1のアルデヒドデヒドロゲナーゼの精製
2 %ポリペプトンおよび1 %酵母エキスでpH 7.0に調整した培地を121℃で20分間オートクレーブ滅菌し、培地を調製した。この培地にFlavobacterium frigidimaris KUC-1を接種し、好気的に15℃下で培養した。15℃で48時間培養した200 mLのシード培養液を7 Lの新しい培地に接種し、10 Lジャーファーメンター(丸菱バイオエンジ)で15℃で48時間培養した。菌体を遠心分離により回収し、冷却した0.75% NaClを含有する10 mM リン酸カリウムバッファー(pH 7.0)で、2度洗菌した後、10 mM リン酸カリウムバッファー(pH 7.0)に懸濁した(懸濁液1 mL当たり0.5g 湿菌体含有)。
菌懸濁液を超音波破砕し、27600×g、90分間遠心し、上清を粗酵素として回収した。バッファー1: 2 mM DTTを含有する10 mM リン酸カリウムバッファー(pH 7.0)で透析を行い、透析液を予め、同じバッファー1で平衡化したDEAE-Toyopeal(東ソー)にアプライした後、バッファー1で洗浄した。洗浄後、10-150 mM リン酸カリウムのリニアグラジエント溶出を行った。活性画分を回収し、バッファー1で透析した。透析後、終濃度1Mになるまで硫酸アンモニウムを徐々に添加し、予め、バッファー2: 2 mM DTT、1M 硫酸アンモニウムを含有する10 mM リン酸カリウムバッファー(pH 7.0)で平衡化したButyl-Toyopearl(東ソー)カラムにアプライした。カラムをバッファー2で洗浄後、1-0.5 M硫酸アンモニウムのリニアグラジエント溶出を行い、活性画分を回収し、バッファー2で透析した。透析後、バッファー2で平衡化した活性画分をPhenyl-Toyopearl(東ソー)カラムにアプライした。0.8 M硫酸アンモニウムを含有するバッファー1で洗浄した後、0.65 M 硫酸アンモニウムを含有するバッファー1で溶出し、活性画分を回収し、バッファー2で透析を行った。活性画分をバッファー3: 2 mM DTTを含有する10 mM リン酸カリウムバッファー (pH 6.5)で予め平衡化したレッドセファロースカラムにアプライし、バッファー3で洗浄し、0-0.1 mM NADP+でリニアグラジエント溶出を行った。回収した活性画分を、限外ろ過により濃縮、ゲル濾過クロマトグラフィーでNADP+を完全に除去し精製酵素を得た。精製酵素の純度は、SDS−ポリアクリルアミド電気泳動を用いて、均一に精製できていることを確認した。
Flavobacterium frigidimaris KUC-1のアルデヒドデヒドロゲナーゼのN末端アミノ酸配列の決定
アルデヒドデヒドロゲナーゼのN末端配列は、エドマン分解法により決定した。上記の精製酵素 約245 pmolをPVDF膜に転写し、プロテインシーケンサー(model 477A, アプライドバイオシステムズ)で分析を行った。明らかとなったN末端アミノ酸配列は、配列番列3に記載する。なお、N末端のメチオニンは欠失していた。
アルデヒドデヒドロゲナーゼのN末端配列は、エドマン分解法により決定した。上記の精製酵素 約245 pmolをPVDF膜に転写し、プロテインシーケンサー(model 477A, アプライドバイオシステムズ)で分析を行った。明らかとなったN末端アミノ酸配列は、配列番列3に記載する。なお、N末端のメチオニンは欠失していた。
Flavobacterium frigidimaris KUC-1のアルデヒドデヒドロゲナーゼ遺伝子のクローニングと塩基配列の解析
決定したアルデヒドデヒドロゲナーゼの部分N末端配列の情報に基づき、配列情報4に示す合成ミックスプライマーを合成した。またアルコールデヒドロゲナーゼの上流領域に相補的な配列情報5に示す合成プライマーを合成した。これら二つのプライマーを用いてFlavobacterium frigidimaris KUC-1染色体DNAをテンプレートにPCR反応を行い、1.3 kbの増幅DNAフラグメントを得た。得られたDNA断片をプラスミドベクターpT7Blue T-VectorにLigation Kit (宝酒造製)を用いてライゲーションし、組換えDNAを得た。得られた組換えDNAをNovaBlueコンピテントセルに導入し、形質転換を行った。得られた形質変換体をアンピシリン、X-galおよびIPTG含むLB寒天培地上で培養し、ブルー・ホワイトスクリーニングにより陽性クローンを得た。このうち数株を選抜し、アンピシリンを含むLB培地5 mlに植菌し、37 ℃で一晩培養後、菌体を回収した。菌体からアルカリSDS法によりプラスミドを調製し、PEG沈殿によりさらに精製した。このプラスミドを、公知の方法に従い、ダイデオキシチェーンターミネーション反応を用いた塩基配列解析に供した。反応にはBig Dye Terminator Cycle Sequencing Ready Reaction Kit(アプライドバイオシステムズ)を用い、DNAシーケンサー377A(アプライドバイオシステムズ)で塩基配列を決定した。決定された塩基配列情報に従って、配列情報6および7に記載の合成プライマーを作製した。
決定したアルデヒドデヒドロゲナーゼの部分N末端配列の情報に基づき、配列情報4に示す合成ミックスプライマーを合成した。またアルコールデヒドロゲナーゼの上流領域に相補的な配列情報5に示す合成プライマーを合成した。これら二つのプライマーを用いてFlavobacterium frigidimaris KUC-1染色体DNAをテンプレートにPCR反応を行い、1.3 kbの増幅DNAフラグメントを得た。得られたDNA断片をプラスミドベクターpT7Blue T-VectorにLigation Kit (宝酒造製)を用いてライゲーションし、組換えDNAを得た。得られた組換えDNAをNovaBlueコンピテントセルに導入し、形質転換を行った。得られた形質変換体をアンピシリン、X-galおよびIPTG含むLB寒天培地上で培養し、ブルー・ホワイトスクリーニングにより陽性クローンを得た。このうち数株を選抜し、アンピシリンを含むLB培地5 mlに植菌し、37 ℃で一晩培養後、菌体を回収した。菌体からアルカリSDS法によりプラスミドを調製し、PEG沈殿によりさらに精製した。このプラスミドを、公知の方法に従い、ダイデオキシチェーンターミネーション反応を用いた塩基配列解析に供した。反応にはBig Dye Terminator Cycle Sequencing Ready Reaction Kit(アプライドバイオシステムズ)を用い、DNAシーケンサー377A(アプライドバイオシステムズ)で塩基配列を決定した。決定された塩基配列情報に従って、配列情報6および7に記載の合成プライマーを作製した。
次に、1.3kbの挿入配列より上流の塩基配列を決定するために、LA PCR in vitro Cloning Kit (宝酒造)を用いてgenome walking PCRを行った。Flavobacterium frigidimaris KUC-1染色体DNAのうち1μgを制限酵素BamHI(宝酒造)を用いて完全に消化後、ライゲーション反応によりBamHIカセットを連結した。次に、カセットプライマーC1(キットに付属)と配列情報6に示す合成プライマーを用いて1回目のPCRを行った。さらに、この反応液の一部を用いて、BamHIカセットの内側にアニールするプライマーであるカセットプライマーC2(キットに付属)と配列情報7に示す合成プライマーを用いて2回目のPCRを行った。その結果、増幅DNA断片を得ることができた。増幅したDNA断片は、ゲル抽出精製後、プラスミドベクターpT7Blue T-Vectorに組み込み、NovaBlueコンピテントセルを用いて形質転換した。得られた形質変換体をアンピシリン、X-galおよびIPTGを含むLB寒天培地上で培養し、ブルー・ホワイトスクリーニングを行い、陽性クローンを得た。このうち数株を選抜し、アンピシリンを含むLB培地に植菌し、37 ℃で一晩培養後、アルカリSDS法によりプラスミドを調製し、PEG沈殿を行い精製した。このプラスミドを用いて塩基配列を解析した。以上の結果、Flavobacterium frigidimaris KUC-1株から精製したアルデヒドデヒドロゲナーゼの遺伝子配列は、配列番号1に記載の塩基配列を決定することができた。
アルデヒドデヒドロゲナーゼの発現プラスミドの構築
アルデヒドデヒドロゲナーゼ遺伝子のセンス鎖の5'末端に相補的なNdeI認識配列を含有する配列番号8に記載の合成プライマーと、アルデヒドデヒドロゲナーゼ遺伝子のアンチセンス鎖の5'末端に相補的なEcoRI認識配列を含有する配列番号9に記載の合成プライマーを合成した。Flavobacterium frigidimaris KUC-1株の染色体DNAをテンプレートとし、配列番号8および9記載の合成プライマーを用いてPCRを行った。PCR反応液をアガロース電気泳動にかけたところ、約1.5 kbのDNA断片を取得することができた。アガロース電気泳動により増幅DNA断片を分離し、ゲル抽出により精製した。この増幅DNAフラグメントとpET17bベクターを、それぞれ、NdeIおよびEcoRIで処理し、両方の制限酵素の認識部位で切断した。このようにして得られた制限酵素処理したアルデヒドデヒドロゲナーゼ遺伝子のDNA断片とpET17bベクターを、DNA Ligation Kit Ver.2(宝酒造)を用いて16℃で30分間の条件下でライゲーション反応を行い、アルデヒドデヒドロゲナーゼ遺伝子がpET17bベクターに挿入された遺伝子組換え高発現プラスミドpET17b-aldhを得た。
アルデヒドデヒドロゲナーゼ遺伝子のセンス鎖の5'末端に相補的なNdeI認識配列を含有する配列番号8に記載の合成プライマーと、アルデヒドデヒドロゲナーゼ遺伝子のアンチセンス鎖の5'末端に相補的なEcoRI認識配列を含有する配列番号9に記載の合成プライマーを合成した。Flavobacterium frigidimaris KUC-1株の染色体DNAをテンプレートとし、配列番号8および9記載の合成プライマーを用いてPCRを行った。PCR反応液をアガロース電気泳動にかけたところ、約1.5 kbのDNA断片を取得することができた。アガロース電気泳動により増幅DNA断片を分離し、ゲル抽出により精製した。この増幅DNAフラグメントとpET17bベクターを、それぞれ、NdeIおよびEcoRIで処理し、両方の制限酵素の認識部位で切断した。このようにして得られた制限酵素処理したアルデヒドデヒドロゲナーゼ遺伝子のDNA断片とpET17bベクターを、DNA Ligation Kit Ver.2(宝酒造)を用いて16℃で30分間の条件下でライゲーション反応を行い、アルデヒドデヒドロゲナーゼ遺伝子がpET17bベクターに挿入された遺伝子組換え高発現プラスミドpET17b-aldhを得た。
アルデヒドデヒドロゲナーゼ高発現大腸菌BL21(DE3)/pET17b-aldhからアルデヒドデヒドロゲナーゼの精製
pET17b-aldhを大腸菌 BL21(DE3)コンピテントセル50 μLに混合し、氷上で30分間静置後、42℃で45秒間加温し、形質転換を行った。得られた形質転換体をアンピシリン100 (g/ml含むLB寒天平板培地に塗抹したところ、多数の形質転換体を得た。白金耳で形質転換体のシングルコロニーを1つとり、アンピシリン100 (g/ml含有する5ml LB培地(以下、LB-アンピシリン培地と表記。培地組成: ポリペプトン1%、酵母エキス0.5%、NaCl 1%、アンピシリン100 (g/ml)に植菌した。37℃、120 rpm、7時間で振盪培養し前培養を行った。培養後、4℃で一晩保存した。培養液を、50 mL容ファルコンチューブに回収し、遠心分離 (3000 rpm、10 min、4℃)を行った。培養上清を除き、0.75%滅菌NaCl溶液で、一度洗菌後、菌体をLB−アンピシリン液体培地5 mLの試験管に懸濁した。LB-アンピシリン培地 1Lに菌体懸濁液を加え、30℃、94 rpmで振盪培養した。濁度が0.6〜0.8になるまで培養を行い、濁度が0.6〜0.8に達したら、0.4M IPTGを1 mL添加(終濃度400 (M)し、20℃、94 rpm、16時間で振盪培養を行った。
pET17b-aldhを大腸菌 BL21(DE3)コンピテントセル50 μLに混合し、氷上で30分間静置後、42℃で45秒間加温し、形質転換を行った。得られた形質転換体をアンピシリン100 (g/ml含むLB寒天平板培地に塗抹したところ、多数の形質転換体を得た。白金耳で形質転換体のシングルコロニーを1つとり、アンピシリン100 (g/ml含有する5ml LB培地(以下、LB-アンピシリン培地と表記。培地組成: ポリペプトン1%、酵母エキス0.5%、NaCl 1%、アンピシリン100 (g/ml)に植菌した。37℃、120 rpm、7時間で振盪培養し前培養を行った。培養後、4℃で一晩保存した。培養液を、50 mL容ファルコンチューブに回収し、遠心分離 (3000 rpm、10 min、4℃)を行った。培養上清を除き、0.75%滅菌NaCl溶液で、一度洗菌後、菌体をLB−アンピシリン液体培地5 mLの試験管に懸濁した。LB-アンピシリン培地 1Lに菌体懸濁液を加え、30℃、94 rpmで振盪培養した。濁度が0.6〜0.8になるまで培養を行い、濁度が0.6〜0.8に達したら、0.4M IPTGを1 mL添加(終濃度400 (M)し、20℃、94 rpm、16時間で振盪培養を行った。
遠心分離(7000 rpm、4℃、15分間)により培養菌体を集菌し、0.75%滅菌NaCl溶液で2回洗菌した後、菌体を0.01% 2-メルカプトエタノールを含有する10 mM リン酸カリウムバッファー (pH 7.0)に懸濁し、超音波破砕を行い、菌体破砕液を得た。菌体破砕液を、50℃で30分間、加熱処理を行った。上記アルデヒドデヒドロゲナーゼは、高い耐熱性を有しているため安定に保持することができる。加熱処理により宿主である大腸菌に由来する大部分の夾雑タンパク質を沈殿させることにより、アルデヒドデヒドロゲナーゼを、容易に分離・精製することが可能となる。加熱処理後、超遠心分離(50000 rpm、4℃、1時間)を行い、上清を粗酵素とし調製した。0.01% 2-メルカプトエタノールを含有する10 mM リン酸カリウムバッファー (pH 7.0)で2回透析を行った後、予め、10 mM リン酸カリウムバッファー(pH 7.0)で平衡化したDEAE-Toyopearlカラムにアプライした。10 mM リン酸カリウムバッファー(pH 7.0)で洗浄後、10-150 mM リン酸カリウムバッファー(pH 7.0)のリニアグラジエント勾配により溶出させた。活性画分を回収し、10 mM リン酸カリウムバッファーで2回透析を行った後、限外濾過によりタンパクを濃縮し精製酵素とした。精製酵素の純度は、SDS−ポリアクリルアミド電気泳動を用いて、均一に精製できていることを確認した。
アルデヒドデヒドロゲナーゼの活性測定方法
アルデヒドデヒドロゲナーゼの活性測定は、アクロレインを基質とし、20-50℃の任意の温度で1分間反応を行い、生成するNADHに由来する340 nmの吸光度の上昇により測定した。酵素反応液の組成は、最終濃度で100 mM グリシン/NaOHバッファー(pH 10.0)、1 mM NAD+、1 mMアクロレインおよびアルデヒドデヒドロゲナーゼから構成される (酵素反応液の液量3 mL)。酵素反応はアルデヒドデヒドロゲナーゼを添加することで開始した。また、酵素活性は、上記条件下で1分間に1 (molのNADHを生成するのに必要な酵素量を1酵素単位(ユニット)と定義した。
アルデヒドデヒドロゲナーゼの活性測定は、アクロレインを基質とし、20-50℃の任意の温度で1分間反応を行い、生成するNADHに由来する340 nmの吸光度の上昇により測定した。酵素反応液の組成は、最終濃度で100 mM グリシン/NaOHバッファー(pH 10.0)、1 mM NAD+、1 mMアクロレインおよびアルデヒドデヒドロゲナーゼから構成される (酵素反応液の液量3 mL)。酵素反応はアルデヒドデヒドロゲナーゼを添加することで開始した。また、酵素活性は、上記条件下で1分間に1 (molのNADHを生成するのに必要な酵素量を1酵素単位(ユニット)と定義した。
分光学的手法の他にも、アルデヒドデヒドロゲナーゼの酵素反応により生じた反応生成物のアクリル酸を高速液体クロマトグラフ(HPLC)または、高速液体クロマトグラフ質量分析(LC-MS)で分析することで活性測定を行うことができる。HPLCによる分離条件は下記の通りである。
カラム: Finepack SIC-C18T-5 (日本分光株式会社)
移動相:A: 0.1%リン酸バッファー(pH3.8), B: 2% アセトニトリル
流速: 0.8 mL/min
カラム温度:40℃
検出:UV 210 nm
インジェクション容量: 5 (L)
カラム: Finepack SIC-C18T-5 (日本分光株式会社)
移動相:A: 0.1%リン酸バッファー(pH3.8), B: 2% アセトニトリル
流速: 0.8 mL/min
カラム温度:40℃
検出:UV 210 nm
インジェクション容量: 5 (L)
[実施例1]精製アルデヒドデヒドロゲナーゼの酵素活性測定
上記精製アルデヒドデヒドロゲナーゼを用いて、反応温度20℃、反応pH7.0、反応時間10分の反応条件下で反応を行い、酵素反応液のLC-MS解析を実施した。その結果、反応生成物であるアクリル酸のピークが酵素依存的に確認され、質量分析からも本ピークが、アクリル酸に由来するものであると同定された。
上記精製アルデヒドデヒドロゲナーゼを用いて、反応温度20℃、反応pH7.0、反応時間10分の反応条件下で反応を行い、酵素反応液のLC-MS解析を実施した。その結果、反応生成物であるアクリル酸のピークが酵素依存的に確認され、質量分析からも本ピークが、アクリル酸に由来するものであると同定された。
また、表1に示す反応系で20、30、40、50℃における本酵素の活性測定を実施した。酵素反応は、調製例に記載の反応液に、酵素を添加することで開始させた。アルデヒドデヒドロゲナーゼの酵素活性は、調製例に記載の方法に従い、酵素反応により生成したNADHの吸光度の増加から測定した。各条件での酵素活性の結果は、表2に記載した。反応温度20℃と比較して、50℃反応下では2.4倍活性が高く、20-50℃の反応条件において、温度依存的に活性が増加することが確認された。
Claims (6)
- 微生物由来のアルデヒドデヒドロゲナーゼによる不飽和脂肪族アルデヒドの分解方法。
- 前記微生物が細菌に属することを特徴とする請求項1に記載の分解方法。
- 前記細菌がFlavobacterium属に属することを特徴とする請求項2に記載の分解方法。
- 前記Flavobacterium属がFlavobacterium frigidimarisであることを特徴とする請求項3に記載の分解方法。
- Flavobacterium frigidimaris由来アルデヒドデヒドロゲナーゼが配列番号1に記載のアミノ酸からなることを特徴とする請求項4に記載の分解反応。
- 前記不飽和脂肪族アルデヒドがアクロレインであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の分解方法。
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JP2015226476A (ja) * | 2014-05-30 | 2015-12-17 | トヨタ自動車株式会社 | 組換え微生物及び当該組換え微生物を用いた物質製造方法 |
KR101646007B1 (ko) | 2015-10-05 | 2016-08-05 | 전북대학교산학협력단 | 리소좀 또는 리소좀 내 효소를 이용한 알데하이드계 악취 제거 조성물 및 악취 제거 방법 |
-
2009
- 2009-09-24 JP JP2009219147A patent/JP2011067105A/ja active Pending
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US10377993B2 (en) | 2014-05-30 | 2019-08-13 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Recombinant microorganism and method for producing a substance using the same |
KR101646007B1 (ko) | 2015-10-05 | 2016-08-05 | 전북대학교산학협력단 | 리소좀 또는 리소좀 내 효소를 이용한 알데하이드계 악취 제거 조성물 및 악취 제거 방법 |
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