JP2009295927A - 薄膜電子部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】ウェハ上に形成された複数の部品がウェハの切断によって個片化されて得られるものであっても、外部接続用の内部電極や配線が剥離等することなく切断面に確実に露出する薄膜電子部品を提供する。
【解決手段】薄膜インダクタ1は、ウェハ上に複数形成された単位構造がダイシングによって個片化されたものであり、面内中央部に突起部11が突設されたウェハWの環状の溝部12上に、絶縁層20内に埋め込まれるように、かつ、突起部11の周囲を巻回するように設けられたコイル22が形成されたものである。コイル22の内側端部24には、導体リード配線30が一方端が接続されており、その他方端側には、櫛形状をなす櫛部32が延出しており、櫛歯状に分割されたサブ電極35が側面Sに露出している。
【選択図】図4

Description

本発明は、薄膜電子部品に関する。
コンピュータや携帯端末等の電子機器等の内部回路には、表面実装型の多種の電子部品が搭載されている。このような薄膜型の電子部品としては、例えば、半導体IC等の能動部品や、インダクタ、キャパシタ、LC複合部品、集中定数デバイス、分布定数デバイス、抵抗器、バリスタ等の受動部品、さらには、これらが積層複合された複合電子部品等が挙げられる。近時、電子機器の更なる高性能化及び小型化の要求に応えるべく、これら各種電子部品の更なる薄型(薄膜)化が急務となっている。
このような薄膜電子部品の製造においては、ひとつのウェハ上の複数の領域に、同一形態を有する複数の部品構造(個片、個品)を形成した後、そのウェハを切削によって各薄膜電子部品の個片毎の領域に分割し(ダイシングプロセス)、分割された個片毎に所定の配線処理やパッケージ処理を施すことにより、個々の薄膜電子部品製品を完成させるいわゆるウェハプロセスが広く用いられている。例えば、特許文献1には、集合基板と呼ばれる共通基板上に画成された複数の領域のそれぞれに、チップ型抵抗器を形成した後、ダイシングブレードによって各個片領域に切断する方法が記載されている。
特開平2002−313612号公報
ところで、薄膜電子部品のなかには、信号線、電源供給線、接地線等との外部接続用の外部端子がその側壁に設けられるものが多くあり、そのような薄膜電子部品では、上述した個片化のためのダイシングプロセスによってウェハが切断されると、ウェハ面内に形成された外部接続用の配線や内部電極が、部品の側面に露出し、その配線の露出部分に電気的に接合する外部端子を形成する。
しかしながら、本発明者の知見によれば、ウェハプロセスにおいて、例えば、薄膜インダクタを製造する場合、ウェハ面方向に巻回された導体コイル上に、樹脂等からなる絶縁層を介して積層されており、かつ、薄膜インダクタの側面方向へ延在する外部接続用の導体リード配線(内部電極)が設けられた、薄膜プロセスによって形成された薄膜インダクタをウェハ上に複数形成し、それらをダイシングプロセスによって個片化する場合、切断面において、導体リード配線が伸びてしまったり、導体リード配線と絶縁層とが剥離し易くなったり、部位によっては、導体リード配線の一部が引きちぎられるように切り取られて脱落してしまったりといった現象が生じ得ることが判明した。
これは、ダイシングブレードによってウェハが厚み方向に機械的に切断される際に、ブレードの先端部側壁が、ウェハ上に形成された各層と接触した状態で回転移動するため、導体リード配線及び絶縁層の切削部に、ブレードの回転移動方向に引っ張られるような力が作用し、これにより、材料物性が互いに異なる導体リード配線と絶縁層との接合界面が機械的に引き剥がされ易いことによるものと推測される。特に、導体リード配線の絶縁層が樹脂の場合、金属等からなる導体リード配線が比較的硬く、絶縁層が比較的軟らかいので、かかる現象は特に顕著となり得る。このように、導体リード配線の剥離が発生すると、個片化された薄膜電子部品の導体リード配線と、そこに接合される外部端子との接続状態に不具合が生じてしまい、製品特性や製造歩留まりが低下することが懸念される。
そこで、本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、ウェハ上に形成された複数の部品がウェハの切断によって個片化されて得られるものであっても、外部接続用の内部電極や配線が剥離等することなく切断面に確実に露出しており、これにより、当該内部電極や配線と外部端子との良好な接続状態を実現でき、製品特性や製造歩留まりの低下を防止することができる薄膜電子部品を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明による薄膜電子部品は、外部接続用に設けられた内部電極と、その内部電極の一側に設けられた第1の層及び/又は内部電極の他側に設けられた第2の層とを備えるものであって、内部電極は、当該薄膜電子部品の側面において外部へ露出しており、かつ、その露出部において複数のサブ電極に分割されたものである。換言すれば、本発明による薄膜電子部品に備わる内部電極は、当該薄膜電子部品の側面から外部へ露出した複数のサブ電極を有するものである。
このような構成の薄膜電子部品は、複数の薄膜電子部品構造をウェハ上に形成した後、ダイシングプロセスによって個々の薄膜電子部品に個片化するウェハプロセスによって得ることができる。このダイシングによって、個片化された各薄膜電子部品の側面(切断面)には、内部電極の一部を構成する複数に分割されたサブ電極が露出しており、その側面に外部端子が設けられることにより、その外部端子が各サブ電極と接続され、内部電極に接続されている薄膜電子部品の内部構造と外部との電気的な接続が確保される。
このように、ダイシングに使用されるダイシングブレードと接触する内部電極の部位が、一体に設けられているのではなく、複数のサブ電極に分かれているので、サブ電極がその両側に設けられた第1の層及び/又は第2の層のみばかりではなく、サブ電極間に存在する部位(例えば、サブ電極間に充填された絶縁層)とも接合し得る。その結果、いわゆるアンカー効果によって、露出部における内部電極(複数のサブ電極)の接着強度が高められるので、ダイシングプロセスにおけるウェハ切断時に、内部電極が引き伸ばされたり、内部電極と第1の層及び/又は第2の層が剥離したり、内部電極が部分的に脱落してしまったりといった不具合が有効に抑止される。
このような内部電極の剥離防止作用は、第1の層及び/又は第2の層が、樹脂又は樹脂組成物からなる絶縁層であるときに特に有用である。
先述の如く、内部電極が金属(層)からなり、それに接合される第1の層や第2の層が樹脂又は樹脂組成物(層)からなる場合、金属層は相対的に硬く、樹脂層は相対的に軟らかい特性を有するので、複数に分割されたサブ電極のアンカー効果が、内部電極の剥離防止等に一層有効に作用する。
また、複数のサブ電極は、その露出部において薄膜電子部品の面方向(平面方向)に並設されており、薄膜電子部品がそれら複数のサブ電極の間に充填された絶縁層を備える、言い換えると、複数のサブ電極が一方向に沿って延在するように絶縁層中に埋め込まれており、露出部において、サブ電極と絶縁層とが交互に存在するように設けられていると好適である。なお、第1の層及び/第2の層が、この絶縁層を兼ねてもよい。
このようにすれば、複数のサブ電極を、薄膜電子部品における積層方向の同一レベル(同一層)に形成することができるので、例えば、複数のサブ電極を薄膜電子部品における積層方向(厚み方向)に配設する(つまり多層に設ける)場合に比して、薄膜化を実現しつつ、より多数のサブ電極への分割が可能となるとともに、製造工程が簡略化される。これにより、複数のサブ電極とその周囲の絶縁層との密着性がより高められ、その結果、サブ電極のアンカー効果が更に増強され、内部電極の剥離等をより一層抑制することが可能となる。
さらに、絶縁層(第1の層、第2の層、及びサブ電極の周囲にある絶縁層のうち少なくともいずれか)が、無機フィラーを含むものであると好適である。
絶縁層が、例えば樹脂や樹脂組成物からなる場合、前述の如く、樹脂は金属導体である内部電極よりも軟らかいので、その樹脂に無機フィラーが含まれることにより、ダイシング時にダイシングブレードが絶縁層と接触するときの接触抵抗が緩和される。これにより、ダイシングブレードによって絶縁層に印加される機械的な応力(絶縁層自体や絶縁層と接合している内部電極を引っ張って、互いを引き剥がすような力)が軽減されるので、内部電極の複数のサブ電極の引き伸ばされや脱落、及び、サブ電極と絶縁層の剥離が一層有効に防止される。
またさらに、内部電極が、平面櫛形状をなす部位を有するものであると更に好適である。この場合、複数のサブ電極が「櫛歯」に相当し、各櫛歯間に絶縁層が存在するように、複数のサブ電極が一方向に沿って延在する構造が形成される。
このようにすれば、サブ電極と絶縁層との接合力を強力かつ平均化し易くなるとともに、例えば、櫛歯を有しない平面ベタ状(矩形状)の内部電極をめっきで形成する場合に比して、めっき電流の局部集中を抑制することが可能となり、これにより、内部電極の膜厚の均一性をも高め易くなる。
具体的には、本発明による薄膜電子部品は、薄膜電子部品の面方向に巻回されており、かつ、内部電極に接続された導体コイルを備える、すなわち、薄膜インダクタである。より具体的には、導体コイルの上方に形成された磁性薄膜を更に備える薄膜インダクタである。また、内部電極が導体コイルの一部として形成されたものであると、導体コイルと内部電極を同時に形成し得るので、製造工程の簡略化及び効率化の観点から有用である。
本発明によれば、薄膜電子部品の側面に露出する内部電極が、その露出部において複数のサブ電極に分割されていることにより、それらのサブ電極がアンカー効果を奏するので、ウェハ上に形成された複数の薄膜電子部品の単位構造をダイシングプロセスによって個片化するときに、ダイシングブレードとの接触によって内部電極が引き伸ばされたり、或いは、部分的に脱落したり、内部電極と第1の層及び/又は第2の層が剥離したりといった不具合の発生を有効に防止でき、これにより、内部電極と外部端子との良好な接続状態が確保され、製品特性や製造歩留まりの低下を防止することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は、図示の比率に限定されるものではない。また、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施の形態のみに限定する趣旨ではない。さらに、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。
図1は、本発明による薄膜電子部品を複数形成するためのウェハWの一例を示す平面図である。ウェハWは、例えば、薄膜電子部品の一形態として後述する薄膜インダクタの磁性コアの一部を構成するフェライト基板であり、図示一点鎖線で示す仮想切断線Cで囲まれた複数の領域Rのそれぞれに薄膜インダクタの構造が形成された後、ダイシングブレードを用いたダイシングプロセスによって、仮想切断線Cに沿って機械的に切断され、薄膜インダクタの個片が得られる。なお、図示においては、領域Rの大きさを誇張して示している。
図2は、本発明による薄膜電子部品の好適な一実施形態の構成を示す概略断面図(鉛直断面図)である。また、図3は、図2における薄膜電子部品の一部を示す拡大断面図であり、図2における図示向かって左側面の周囲を拡大して示す図である。さらに、図4は、図2におけるIV−IV線断面図(水平断面図)である。なお、図3及び図4においては、便宜上、後記の外部端子Gの図示を省略した。
薄膜インダクタ1(薄膜電子部品)は、上述のとおり、図1に示すウェハW上に複数形成された単位構造がダイシングによって個片化されたものであり、図1は、薄膜インダクタ1の側面Sと上下両面の周縁部を覆うように外部端子Gが形成された状態を示している。この薄膜インダクタ1は、面内中央部に磁心として機能する突起部11が突設されたウェハWの環状の溝部12上に、絶縁層20(第1の層又は第2の層)内に埋め込まれるように、かつ、突起部11の周囲を巻回するように設けられた1本のスパイラル状をなすコイル22(導体コイル)が形成されたものである。
絶縁層20は、コイル22の周回間を絶縁する層として機能する。また、コイル22における図示向かって左側の部位の絶縁層20上には、導体リード配線30(内部電極)が形成されている。導体リード配線30は、一方端がコイル22の内側端部24に接続されており、他方端が薄膜インダクタ1の側面Sに露出して外部端子Gに接続されるように面方向に延在している。この導体リード配線30は、平面視において櫛状をなしており(図4参照)、コイル22の内側端部24に接続された矩形状の基部31から、側面Sに沿って幅広に延在する櫛部32が延出している。櫛部32は、櫛歯状に分割された複数のサブ電極35を有しており、それらのサブ電極35が、平面方向に所定間隔で並置されるように側面Sにおいて外部へ露出している。
さらに、絶縁層20及び導体リード配線30上には、絶縁層40(第1の層又は第2の層)、上部磁性層50、及び保護層60がこの順に積層形成されている。絶縁層40は、突起部11と後述する上部磁性層50とのギャップ距離(間隔)を制御(調節)し、かつ、導体リード配線30と上部磁性層50とを絶縁するためのものである。また、櫛歯状のサブ電極35間の間隙には、絶縁層40が充填されている。さらに、上部磁性層50は、金属磁性薄膜で形成されており、保護層60は、上部磁性層50を保護するための絶縁性部材で形成されている。また、上部磁性層50はフェライトのような絶縁材料でも良く、その場合は、保護層60は必要ない。
このように構成された薄膜インダクタ1を製造する手順としては、例えば、以下に示す方法が挙げられる。まず、図1に示すウェハW(フェライト基板)に対し、例えば、ダイヤモンドホイール砥石等の砥石を用いた高精度スライサーにより、突起部11を残して溝部12の肉厚を薄くするような研削加工を施し、各領域Rの中央部に突起部11を形成し、その周囲に溝部12を形成する。
ここで、フェライト基板であるウェハWは、下部磁性層10として用いることができるものであれば成分は特に制限されず、例えば、少なくとも酸化鉄を含有し、酸化ニッケル、酸化マンガン又は酸化亜鉛を更に含む主成分と、酸化ビスマス、酸化バナジウム、酸化リン及び酸化ホウ素の1種又は2種以上からなる添加物と、酸化シリコンからなる副成分と、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化バリウム及び酸化ストロンチウムの1種又は2種以上からなる副成分とを含有するものが挙げられる(例えば、本出願人による特開2004−349468号等参照)。
次に、下部磁性層10の溝部12上に、フォトリソグラフィとめっきにより、コイル22を形成する。より具体的には、例えば、溝部12面上に、シード層としての下地導体層を無電解めっきにて形成し、その上に、フォトレジストを成膜し、それをフォトリソグラフィによって、コイル22のパターンに対応した選択めっき用のマスクレジストにパターニングする。それから、そのマスクレジストをめっきマスクとして下地導体層が露呈している部分に、選択的に電気(電解)めっきを施し、コイル22用の電気めっき導体層を電着形成する。次いで、マスクレジストを除去した後、電気めっき導体層が形成されていない部分の下地導体層をエッチングにより除去する。その後、マスクレジストを用いることなく、電気めっきを更に施すことにより、電気めっき導体層を電着成長させて所望の十分な厚さを有するコイル22を得る。
それから、コイル22上に未硬化の樹脂組成物を供給し、コイル22を埋め込むように層形成した後、その樹脂組成物を硬化させて絶縁層20を形成する。ここで用いる樹脂組成物は、フェライト粉体と絶縁樹脂とが混合された磁性樹脂組成物であり、フェライト粉体としては、例えば、Ni/Zn系、Mn/Zn系、プラナー系またはNi/Cu/Zn系のフェライト等が挙げられる(例えば、本出願人による特開2003−226525号、特開2001−210942号公報等参照)。
また、絶縁樹脂としては、熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂のいずれを用いてもよく、より具体的には、ビニルベンジル樹脂、ポリビニルベンジルエーテル化合物樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂(BTレジン)、ポリフェニレエーテル(ポリフェニレンエーテルオキサイド)樹脂(PPE,PPO)、シアネートエステル樹脂、エポキシ+活性エステル硬化樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂(ポリフェニレンオキサオド樹脂)、硬化性ポリオレフィン樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、ポリイミド樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、芳香族液晶ポリエステル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂又はベンゾオキサジン樹脂等を単独で或いは2種以上混合して用いる例が挙げられる。
さらに、磁性樹脂組成物は、上記の樹脂に、シリカ、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ホウ酸アルミウイスカ、チタン酸カリウム繊維、アルミナ、ガラスフレーク、ガラス繊維、窒化タンタル、窒化アルミニウム等、さらに、マグネシウム、ケイ素、チタン、亜鉛、カルシウム、ストロンチウム、ジルコニウム、錫、ネオジウム、サマリウム、アルミニウム、ビスマス、鉛、ランタン、リチウム及びタンタルのうち少なくとも1種の金属を含む金属酸化物粉末、またさらには、ガラス繊維、アラミド繊維等の樹脂繊維等といった無機フィラーを添加したものであってもよい。
次に、絶縁層20上に、フォトリソグラフィとめっきにより、導体リード配線30を形成する。より具体的には、例えば、図4に示す導体リード配線30を形成する絶縁層20上に、フォトレジストを成膜し、それをフォトリソグラフィによって、導体リード配線30のパターンに対応した選択めっき用のマスクレジストにパターニングする。それから、そのマスクレジストをエッチマスクとして使用し、そのエッチマスクがない部分の絶縁層20をエッチングして除去する。次いで、マスクレジストを除去した後、その面上に、シード層としての下地導体層を無電解めっきにて形成した後、さらにその上に、電気(電解)めっきを施し、導体リード配線30用の電気めっき導体層を電着し、それを成長させて所望の厚さを有する導体リード配線30を得る。
それから、絶縁層20及び導体リード配線30上に未硬化の樹脂又は樹脂組成物を供給し、それを硬化させて絶縁層40を成膜する。このとき、櫛歯状のサブ電極35間も樹脂又は樹脂組成物によって埋め込まれる。絶縁層40を形成するための樹脂又は樹脂組成物としては、上述した絶縁層20と同様の樹脂組成物を用いることができ、或いは、フェライト粉体を含まなくてもよい。また、無機フィラーも含まなくてもよいが、含んでいた方が好ましい。
次に、絶縁層40上に、上部磁性層50を成膜する。上部磁性層50としては、例えば、Co系非晶質合金層と酸化膜とが交互に積層された多層膜、絶縁材料とその絶縁材料の混入によって軟磁性化する磁性材料を含む組成物等が挙げられる(材料及び成膜方法については、本出願人による特開2006−156855号、特開2005−109246号、特開2004−235355号公報等参照)。
その後、上部磁性層50上に、未硬化の樹脂又は樹脂組成物を供給し、それを硬化させて保護層60を成膜し、ダイシングプロセスを施して個片化した後、さらに、通常は、めっき等により外部端子Gを形成して薄膜インダクタ1を得る。保護層60を形成するための樹脂又は樹脂組成物としては、上述した絶縁層20と同様の樹脂又は樹脂組成物を用いることができる。
図5は、本発明による薄膜電子部品の好適な他の一実施形態の構成を示す概略断面図(鉛直断面図)である。また、図6は、図5における薄膜電子部品の一部を示す拡大断面図であり、図2における図示向かって左側面の周囲を拡大して示す図である。なお、図6においては、便宜上、外部端子Gの図示を省略した。
薄膜インダクタ2(薄膜電子部品)は、導体リード配線30と絶縁層40が設けられた部位が、図2乃至4に示す薄膜インダクタ1と異なること以外は薄膜コンダクタ1と同様に構成されたものである。すなわち、薄膜インダクタ2では、ウェハWに形成された溝部12上の図示向かって左側面上に、導体リード配線30が設けられ、その導体リード配線30、突起部11、及び溝部12上に絶縁層40が成膜され、溝部12上の絶縁層40上に、コイル22及び絶縁層40が形成され、さらに、それらの上に、上部磁性層50及び保護層60が順に形成されている。つまり、薄膜インダクタ1では、導体リード配線30がコイル22の図示上側から側面Sに引き出されているのに対し、薄膜インダクタ2では、導体リード配線30がコイル22の図示下側から側面Sに引き出されている点で、両者は相違する。なお、導体リード配線30の平面形状は、図4に示すものと同様、櫛形状をなしている(図4は、図5におけるIV−IV線断面図でもある。)。
図7は、本発明による薄膜電子部品の好適な更に他の一実施形態の一部を示す概略断面図(水平断面図)であり、図4に相当する図である。薄膜インダクタ3(薄膜電子部品)は、コイル22に代えてコイル72(導体コイル)を備え、導体リード配線30がコイル22の下部に形成されており、上部磁性層50としてフェライトが採用されていること以外は、図5及び図6に示す薄膜インダクタ2と同様に構成されたものである。
内部電極80は、コイル72の一部として形成されたものであり、コイル72の一方端部に平面櫛形状をなすように設けられている。櫛状部分の櫛歯に相当する部位は、複数のサブ電極85として機能する。この内部電極80は、コイル22と同様にしてコイル72を形成する際に、サブ電極85を含む内部電極80のパターンにも対応した選択めっき用のマスクレジストにパターニングすることにより、コイル22と同時に形成することができる。
ここで、図8は、薄膜インダクタ3の構成を有する一実施例の図7におけるVIII−VIII線断面(すなわち切断面)に相当する断面の一部を示す拡大写真であり、図9は、その断面の一部を更に拡大して示す写真である。図8及び図9に示すように、サブ電極85は、露出部において、所定の間隔で層方向(面方向:コイル72と同一層)に多数並設されており、サブ電極85と絶縁層20とが交互に存在している。これらの写真は、実際にウェハWをダイシングブレードでダイシングした後の状態を撮影したものであり、サブ電極85は過剰に引き伸ばされておらず、また、脱落もしておらず、さらに、サブ電極85と絶縁層20,40との剥離も生じていないことが確認された。
このように構成された薄膜インダクタ1〜3によれば、ダイシングブレードによって切断される導体リード配線30のサブ電極35及びコイル72と一体に形成されたサブ電極85が、その切断面において複数の部位に分割されているので、サブ電極35,85のアンカー効果により、それらが引き伸ばされたり、脱落したり、絶縁層40や絶縁層20から剥離してしまったりといった不具合の発生を有効に防止できる。その結果、サブ電極35,85と外部端子Gとの良好な接続状態を確保でき、これにより、薄膜インダクタ1〜3の製品特性や製造歩留まりの低下を防止することが可能となる。
また、サブ電極35,85は、同一層内に多数分割されて並設されているので、これらを上下多層に複数設ける場合に比して、薄型化(低背化)が可能であり、また、同一のプロセスによって、複数のサブ電極35,85を形成できるので、製造効率を高めることもできる。とくに、サブ電極85の場合、コイル72と同時に内部電極を形成することができるので、製造工程を更に簡略化・効率化することを達成できる。
さらに、絶縁層20,40が無機フィラーを含む場合には、ダイシングブレードが絶縁層20,40と接触するときの接触抵抗が緩和されるので、ダイシングブレードによって絶縁層20,40に印加される機械的な応力を軽減でき、これにより、サブ電極35,85の引き伸ばされ、脱落、サブ電極35,85と絶縁層20,40の剥離といった不具合の発生を一層有効に防止できる。
またさらに、サブ電極35,85が櫛歯状に形成されているので、これらの絶縁層20,40中へのアンカー効果を十分に高めることができるとともに、サブ電極35,85の膜厚の均一化を図ることができる。後者は、すなわち、サブ電極35,85のように分割されていない場合(櫛形状になっておらずベタ膜の場合)、例えば、導体リード配線30の基部31と櫛部32との境界部においてめっき電流が局所的に集中してしまい、その結果、その部位の膜厚が他の部位よりも厚くなってしまうのに対し、サブ電極35,85のように分割されていると、かかるめっき電流の集中を抑えることができるので、サブ電極35,85全体にわたって一定の膜厚を実現し易くなる。
なお、上述したとおり、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない限度において様々な変形が可能である。例えば、サブ電極35,85は、複数の部位に分割されていれば、櫛歯状をなしていなくともよく、同一層に設けられずに例えば積層方向(薄膜インダクタ1〜3の鉛直方向)に多段に(多層)に設けられていてもよく、その場合、例えば、縦方向に位置ずれして言わば階段状に形成されていてもよい。ちなみに、例えば、サブ電極35,85が実質的に分割されておらず、切断面において折れ線状に(ジグザグに)形成されている場合でも、分割されている場合と同様のアンカー効果が奏されることは容易に理解される。
さらに、本発明による薄膜電子部品は、薄膜インダクタに制限されず、外部接続用の内部電極が側面に露出するようにウェハ等の基板が切断されるものであれば、例えば、半導体IC等の能動部品や、インダクタ、キャパシタ、LC複合部品、集中定数デバイス、分布定数デバイス、抵抗器、バリスタ等の受動部品、さらには、これらが積層複合された複合電子部品等でもよい。またさらに、絶縁層20,40は無機フィラーを含有していなくてもよい。
以上説明した通り、本発明の薄膜電子部品は、その側面に露出する内部電極が複数のサブ電極に分割されていることにより、ウェハ上に形成された複数の薄膜電子部品の単位構造をダイシングプロセスによって個片化するときに、ダイシングブレードとの接触によって内部電極が引き伸ばされたり、或いは、部分的に脱落したり、剥離したりといった不具合の発生を有効に防止でき、これにより、製品特性や製造歩留まりの低下を防止することができるので、種々の電子部品を搭載する機器、装置、モジュール、システム、デバイス等、特に小型化及び高性能化が要求されるものに広く且つ有効に利用することができる。
本発明による薄膜電子部品を複数形成するためのウェハWの一例を示す平面図である。 本発明による薄膜電子部品の好適な一実施形態の構成を示す概略断面図(鉛直断面図)である。 図2における薄膜電子部品の一部を示す拡大断面図である。 図2におけるIV−IV線断面図(水平断面図)である。 本発明による薄膜電子部品の好適な他の一実施形態の構成を示す概略断面図(鉛直断面図)である。 図5における薄膜電子部品の一部を示す拡大断面図である。 本発明による薄膜電子部品の好適な更に他の一実施形態の一部を示す概略断面図(水平断面図)である。 図7に示す薄膜インダクタの構成を有する一実施例の図7におけるVIII−VIII線断面(すなわち切断面)に相当する断面の一部を示す拡大写真である。 図8に示す断面の一部を更に拡大して示す写真である。
符号の説明
1,2,3…薄膜インダクタ(薄膜電子部品)、10…下部磁性層、11…突起部、12…溝部、20…絶縁層(第1の層、第2の層)、22…コイル(導体コイル)、24…内側端部、30…導体リード配線(内部電極)、31…基部、32…櫛部、35…サブ電極、40…絶縁層(第1の層、第2の層)、50…上部磁性層、60…保護層、72…コイル(導体コイル)、80…内部電極、85…サブ電極、C…仮想切断線、G…外部端子、R…領域、S…側面、W…ウェハ。

Claims (8)

  1. 外部接続用に設けられた内部電極と、該内部電極の一側に設けられた第1の層及び/又は該内部電極の他側に設けられた第2の層と、を備える薄膜電子部品であって、
    前記内部電極は、当該薄膜電子部品の側面において外部へ露出しており、かつ、該露出部において複数のサブ電極に分割されたものである、
    薄膜電子部品。
  2. 前記第1の層及び/又は前記第2の層は、樹脂又は樹脂組成物からなる絶縁層である、
    請求項1記載の薄膜電子部品。
  3. 前記複数のサブ電極は、前記露出部において当該薄膜電子部品の面方向に並設されており、
    前記複数のサブ電極の間に充填された絶縁層を備える、
    請求項1記載の薄膜電子部品。
  4. 前記絶縁層は、無機フィラーを含むものである、
    請求項2又は3のいずれか1項記載の薄膜電子部品。
  5. 前記内部電極は、平面櫛形状をなす部位を有するものである、
    請求項1記載の薄膜電子部品。
  6. 当該薄膜電子部品の面方向に巻回されており、かつ、前記内部電極に接続された導体コイルを備える、
    請求項1記載の薄膜電子部品。
  7. 前記導体コイルの上方に形成された磁性薄膜を備える、
    請求項6記載の薄膜電子部品。
  8. 前記内部電極は、前記導体コイルの一部として形成されたものである、
    請求項6記載の薄膜電子部品。
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