JP2020136467A - コイル部品及びその製造方法 - Google Patents

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Masanori Suzuki
将典 鈴木
郁也 小久保
Ikuya Kokubo
郁也 小久保
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Naoaki Fujii
直明 藤井
孝一 近藤
Koichi Kondo
孝一 近藤
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Abstract

【課題】永久レジストを用いたコイル部品において、隙間の存在に起因する信頼性の低下を防止する。【解決手段】コイル部品1は、絶縁層D1上に形成されたコイルパターンCP1と、絶縁層D1上に形成され、コイルパターンCP1に沿って配置された層内絶縁パターンR1と、コイルパターンCP1及び層内絶縁パターンR1を覆う絶縁層D2とを備える。コイルパターンCP1は、シードパターンS1とメッキパターンP1を含み、シードパターンS1の下辺L1は上辺L0よりも長い。これによれば、絶縁層D1と層内絶縁パターンR1からなる角部CNにメッキパターンP1が到達しやすくなる。これにより、メッキパターンP1がマッシュルーム状に成長する場合であっても、隙間の発生を抑制することが可能となる。【選択図】図2

Description

本発明はコイル部品及びその製造方法に関し、特に、いわゆる永久レジストを用いたコイル部品及びその製造方法に関する。
スパイラル状のコイルパターンを有するコイル部品は、通常、スパイラル状に開口されたレジストを基板上に形成し、レジストによって区画された領域内に電解メッキによってコイルパターンを形成した後、レジストを剥離する方法によって作製することが一般的である。しかしながら、この方法でコイル部品を作製すると、電解メッキを行う際の給電膜となるシード層をエッチングにより除去する際、コイルパターンも僅かにエッチングされることから、コイルパターンの断面積が減少するという問題があった。また、レジストを剥離する際にも、前処理としてコイルパターンのエッチングが必要であり、この工程においてもコイルパターンの断面積が減少してしまう。
これに対し、特許文献1に記載されているように、いわゆる永久レジストを用いてスパイラル状のコイルパターンを形成すれば、シード層の除去や、レジストの剥離に伴う前処理が不要であることから、コイルパターンの断面積の減少を防止することが可能となる。
永久レジストを用いてコイルパターンを形成する場合、スパイラル状のシードパターンと、コイルパターンを形成すべき領域を区画する永久レジストをあらかじめ形成しておき、この状態で電解メッキによってシードパターンを成長させることにより、コイルパターンを形成する。
特開2017−199798号公報
しかしながら、電解メッキによるコイルパターンの成長は、完全に等方的ではなく、マッシュルーム状に成長する傾向があることから、下地の絶縁層と永久レジストからなる角部に隙間が生じる可能性があった。このような隙間は、コイル部品の信頼性に影響を与える可能性があるため、できる限り排除することが望ましい。
したがって、本発明は、永久レジストを用いたコイル部品において、隙間の存在に起因する信頼性の低下を防止することを目的とする。また、本発明は、このようなコイル部品の製造方法を提供することを目的とする。
本発明によるコイル部品は、第1の絶縁層と、第1の絶縁層上に形成され、スパイラル状に巻回されたコイルパターンと、第1の絶縁層上に形成され、コイルパターンに沿って配置された層内絶縁パターンと、コイルパターン及び層内絶縁パターンを覆う第2の絶縁層とを備え、コイルパターンは、層内絶縁パターン及び第2の絶縁層と接することなく第1の絶縁層と接するシードパターンと、シードパターンを覆い、層内絶縁パターン、第1の絶縁層及び第2の絶縁層と接するメッキパターンとを含み、シードパターンの巻回方向に対して垂直な断面は、第1の絶縁層と接する下辺と、下辺と平行な上辺を有し、下辺は、上辺よりも長いことを特徴とする。
本発明によれば、シードパターンの下辺が上辺よりも長いことから、第1の絶縁層と層内絶縁パターンからなる角部にメッキパターンが到達しやすくなる。これにより、メッキパターンがマッシュルーム状に成長する場合であっても、隙間の発生を抑制することが可能となる。
本発明において、シードパターンの下辺の端部と上辺の端部を繋ぐ側辺が傾斜面であっても構わない。これによれば、第1の絶縁層と層内絶縁パターンからなる角部にメッキパターンがよりいっそう到達しやすくなる。この場合、シードパターンの下辺と側辺の成す角度は、60°以上、85°以下であっても構わない。これによれば、メッキパターンの上面をある程度平坦に保ちつつ、隙間の発生を抑制することが可能となる。
本発明において、コイルパターンの幅に対するシードパターンの下辺の幅の割合は、0.5以上、0.9以下であっても構わない。これによれば、メッキパターンの上面をある程度平坦に保ちつつ、アライメントのずれに起因するシードパターンと層内絶縁パターンの干渉を防止することが可能となる。
本発明によるコイル部品の製造方法は、第1の絶縁層上に金属箔を形成する第1の工程と、金属箔をパターニングすることによって、スパイラル状のシードパターンを形成する第2の工程と、第1の絶縁層上にシードパターンに沿った層内絶縁パターンを形成する第3の工程と、電解メッキによってシードパターンを覆うメッキパターンを形成することにより、シードパターン及びメッキパターンからなるスパイラル状のコイルパターンを形成する第4の工程と、コイルパターン及び層内絶縁パターンを覆う第2の絶縁層を形成する第5の工程とを備え、シードパターンの巻回方向に対して垂直な断面は、第1の絶縁層と接する下辺と、下辺と平行な上辺を有し、第2の工程においては、下辺が上辺よりも長くなるよう、金属箔をパターニングすることを特徴とする。
本発明によれば、シードパターンの下辺が上辺よりも長くなるよう金属箔をパターニングしていることから、第1の絶縁層と層内絶縁パターンからなる角部にメッキパターンが到達しやすくなる。これにより、メッキパターンがマッシュルーム状に成長する場合であっても、隙間の発生を抑制することが可能となる。
本発明においては、第1の工程をラミネート法により行っても構わない。これによれば、比較的厚みの大きい金属箔を形成できることから、第2の工程において、下辺が上辺よりも長くなるよう金属箔をパターニングしやすくなる。
このように、本発明によれば、信頼性の高いコイル部品及びその製造方法を提供することが可能となる。
図1は、本発明の好ましい実施形態によるコイル部品1の構造を説明するための模式的な断面図である。 図2は、コイル構造体Cの一部を拡大した略断面図である。 図3は、断面が略台形状であるシードパターンS1を用いた場合のメッキ成長の様子を説明するための模式図である。 図4は、断面が略矩形状であるシードパターンS1を用いた場合のメッキ成長の様子を説明するための模式図である。 図5(a)〜(c)は、それぞれ変形例によるシードパターンS1A〜S1Cの断面形状を示す模式図である。 図6は、コイル部品1の製造方法を説明するための工程図である。 図7は、コイル部品1の製造方法を説明するための工程図である。 図8は、コイル部品1の製造方法を説明するための工程図である。 図9は、コイル部品1の製造方法を説明するための工程図である。 図10は、コイル部品1の製造方法を説明するための工程図である。 図11は、コイル部品1の製造方法を説明するための工程図である。 図12は、コイル部品1の製造方法を説明するための工程図である。 図13は、コイル部品1の製造方法を説明するための工程図である。 図14は、コイル部品1の製造方法を説明するための工程図である。 図15は、コイル部品1の製造方法を説明するための工程図である。 図16は、コイル部品1の製造方法を説明するための工程図である。 図17は、コイル部品1の製造方法を説明するための工程図である。 図18は、コイル部品1の製造方法を説明するための工程図である。 図19は、コイル部品1の製造方法を説明するための工程図である。 図20は、コイル部品1の製造方法を説明するための工程図である。 図21は、コイル部品1の製造方法を説明するための工程図である。 図22は、コイル部品1の製造方法を説明するための工程図である。 図23は、コイル部品1の製造方法を説明するための工程図である。 図24は、コイル部品1の製造方法を説明するための工程図である。 図25は、コイル部品1の製造方法を説明するための工程図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の好ましい実施形態によるコイル部品1の構造を説明するための模式的な断面図である。
図1に示すように、本実施形態によるコイル部品1は、第1の絶縁層D1を介して積層された磁性樹脂層M1,M2と、磁性樹脂層M1に埋め込まれたコイル構造体C及びバンプ導体B1,B2と、第4の絶縁層D4を介して磁性樹脂層M1の表面に設けられ、それぞれバンプ導体B1,B2に接続された端子電極E1,E2を有している。絶縁層D1,D4は、非磁性の樹脂材料からなる絶縁体である。これに対し、磁性樹脂層M1,M2は、樹脂にフェライトなどの磁性粉を混入した複合材料であり、コイル部品1に電流を流した場合に発生する磁束の磁路として機能する。
コイル構造体Cは、下層に位置する第1のコイルパターンCP1と、上層に位置する第2のコイルパターンCP2を含む。コイルパターンCP1,CP2は、いずれも例えば銅(Cu)などの良導体からなる。コイルパターンCP1,CP2は、いずれも平面視でスパイラル状に巻回されている。コイルパターンCP1の外周端は、接続パターンCP3及びバンプ導体B1を介して端子電極E1に接続され、コイルパターンCP2の外周端は、バンプ導体B2を介して端子電極E2に接続されている。そして、コイルパターンCP1の内周端とコイルパターンCP2の内周端は互いに接続されており、これにより一筆書き可能な単一のコイル素子を構成する。
コイルパターンCP1は、シードパターンS1とメッキパターンP1からなる。同様に、コイルパターンCP2は、シードパターンS2とメッキパターンP2からなる。コイルパターンCP1の巻回方向に対して垂直な断面において、コイルパターンCP1の各ターンの両側には、永久レジストからなる層内絶縁パターンR1が存在する。つまり、層内絶縁パターンR1は、コイルパターンCP1の両側面に沿って設けられている。そして、コイルパターンCP1と層内絶縁パターンR1を覆うように、第2の絶縁層D2が設けられており、これによってコイルパターンCP1とコイルパターンCP2が分離されている。同様に、コイルパターンCP2の巻回方向に対して垂直な断面において、コイルパターンCP2の各ターンの両側には、永久レジストからなる層内絶縁パターンR2が存在する。つまり、層内絶縁パターンR2は、コイルパターンCP2の両側面に沿って設けられている。そして、コイルパターンCP2と層内絶縁パターンR2を覆うように、第3の絶縁層D3が設けられており、これによってコイルパターンCP2と磁性樹脂層M1が分離されている。
層内絶縁パターンR1,R2は、例えば、エポキシ樹脂やフェノール樹脂など、フィラーを含まない樹脂材料からなる。これに対し、絶縁層D2,D3は、フィラーを含むエポキシなどの樹脂材料からなり、両者は物性が異なる。フィラーはシリカなど熱膨張係数の小さい材料からなり、絶縁層D2,D3にこのようなフィラーを混入させることにより、熱膨張係数を下げ、コイルパターンCP1,CP2の熱膨張係数に近づけている。絶縁層D1,D4については、フィラーを含んでいても構わないし、フィラーを含んでいなくても構わない。このように、層内絶縁パターンR1,R2はフィラーを含まない樹脂材料からなるため、銅(Cu)などからなるコイルパターンCP1,CP2との熱膨張係数の差が大きい。これに対し、絶縁層D2,D3は、フィラーを含む樹脂材料からなるため、銅(Cu)などからなるコイルパターンCP1,CP2との熱膨張係数の差が小さい。
図2は、コイル構造体Cの一部を拡大した略断面図であり、コイルパターンCP1,CP2の巻回方向に対して垂直な断面を示している。
図2に示すように、シードパターンS1,S2の断面は略台形状である。つまり、シードパターンS1,S2の断面は、絶縁層D1と接する下辺L1と、下辺L1と平行な上辺L0と、下辺L1の端部と上辺L0の端部を繋ぐ側辺L2を有しており、上辺L0の幅W0よりも下辺L1の幅W1の方が長く、これにより側辺L2が傾斜面となっている。本実施形態においては、シードパターンS1,S2の断面がこのような形状を有していることから、電解メッキによってシードパターンS1を成長させると、図3に示すように、メッキパターンP1がマッシュルーム状に成長する現象が抑制される。その結果、絶縁層D1と層内絶縁パターンR1からなる角部CNに隙間が生じることなく、メッキパターンP1を角部CNに充填させることが可能となる。図示しないが、シードパターンS2の成長についても同様であり、メッキパターンP2がマッシュルーム状に成長する現象が抑制される。その結果、絶縁層D2と層内絶縁パターンR2からなる角部に隙間を生じさせることなく、メッキパターンP2を角部に充填させることが可能となる。
仮に、シードパターンS1の断面が矩形である場合、つまり、絶縁層D1の表面に対してシードパターンS1の側辺がほぼ垂直である場合、図4に示すように、メッキパターンP1がマッシュルーム状に成長することがあり、この場合、角部CNに隙間が生じる可能性がある。これに対し、本実施形態においてはシードパターンS1の断面が略台形状であることから、上述の通り、角部CNに隙間が生じにくくなる。ここで、角部CNに隙間を生じさせない、或いは、隙間を十分に小さくするためには、シードパターンS1,S2の下辺L1と側辺L2の成す角度θを85°以下とすることが好ましい。但し、角度θが小さすぎると、メッキパターンP1の表面の平坦性が低くなるおそれがあることから、角度θは60°以上であることが好ましい。
また、シードパターンS1,S2の下辺L1の幅をW1とし、コイルパターンCP1,CP2の幅、つまり、層内絶縁パターンR1,R2によって区画された領域の幅をW2とした場合、W1/W2の値は0.5以上であることが好ましい。W1/W2の値を0.5以上とすれば、メッキパターンP1,P2の上面をある程度平坦に保つことが可能となる。但し、W1/W2の値が大きすぎると、シードパターンS1,S2と干渉しないよう層内絶縁パターンR1,R2を形成することが困難となるため、W1/W2の値は0.9以下であることが好ましい。
図1〜図3に示す例では、シードパターンS1,S2の断面が略台形状であるが、上辺L0の幅W0よりも下辺L1の幅W1の方が長い限り、シードパターンS1,S2の断面形状がこれに限定されるものではない。例えば、図5(a)に示すシードパターンS1Aのように、下辺L1に近づくほど、下辺L1と側辺L2が成す角度θが小さくなる形状であっても構わないし、逆に、図5(b)に示すシードパターンS1Bのように、下辺L1に近づくほど、下辺L1と側辺L2が成す角度θが大きくなる形状であっても構わない。これらの場合、下辺L1の端部L1aと上辺L0の端部L0aを繋ぐ仮想線Vを想定し、仮想線Vと下辺L1が成す角度をθと定義すればよい。さらに、図5(c)に示すシードパターンS1Cのように、シードパターンS1,S2の側辺L2が階段状となっていても構わない。図5(c)に示す例では、下辺L1側に位置する側辺L2aと上辺L0側に位置する側辺L2bが不連続となっている。この場合、側辺のうち最も下辺L1に近い部分(図5(c)では側辺L2a)と下辺L1が成す角度をθと定義すればよい。
次に、本実施形態によるコイル部品1の製造方法について説明する。
図6〜図25は、本実施形態によるコイル部品1の製造方法を説明するための工程図である。
まず、基板11の表面に銅(Cu)などの金属箔12が設けられた支持体10を用意し(図6)、金属箔12の表面に絶縁層D1及びシード層13を形成する(図7)。絶縁層D1及びシード層13の形成は、ラミネート法によって行うことができる。シード層13の厚みは、スパッタリングなどの薄膜工法によって形成される膜厚よりも十分に厚いことが好ましく、具体的には2μm〜5μm程度であることが好ましい。次に、シード層13をパターニングすることによって、スパイラル状のシードパターンS1を形成する(図8)。シード層13のパターニングにおいては、シードパターンS1の断面が略台形状となるよう、パターニングの条件を設定することが好ましい。この時、コイルパターンCP1の内径領域となる部分、並びに、コイルパターンCP1の外側領域となる部分にも、シードパターンS1aを残存させる。次に、絶縁層D1の表面に、シードパターンS1に沿った層内絶縁パターンR1を形成する(図9)。層内絶縁パターンR1は感光性永久レジストからなるコイルパターンCP1のネガパターンであり、したがって、層内絶縁パターンR1によって区画された領域もスパイラル状である。
次に、電解メッキによってシードパターンS1を成長させることにより、メッキパターンP1を形成する(図10)。これにより、層内絶縁パターンR1によって区画された領域にスパイラル状のコイルパターンCP1が形成される。本実施形態においては、シードパターンS1の断面が略台形状であることから、メッキパターンP1がマッシュルーム状に成長することによる隙間の発生が抑制される。この時、コイルパターンCP1の内径領域、並びに、コイルパターンCP1の外側領域にも、犠牲パターンVP1が形成される。コイルパターンCP1を形成した後、プラズマ加工を所定時間行うことによって、層内絶縁パターンR1の上部をアッシングしても構わない。層内絶縁パターンR1の上部をアッシングすれば、コイルパターンCP1の側面のうち少なくとも上部領域が露出し、コイルパターンCP1と層内絶縁パターンR1の間に隙間が形成される。さらに、層内絶縁パターンR1の上部をアッシングした後、ギ酸などを用いたウェットエッチング又はプラズマ処理等によるドライエッチングによってコイルパターンCP1の露出面を粗面化しても構わない。
次に、絶縁層D2によってコイルパターンCP1、犠牲パターンVP1及び層内絶縁パターンR1を覆い、さらに、絶縁層D2の表面にシード層14を形成する(図11)。シード層14の厚みは、スパッタリングなどの薄膜工法によって形成される膜厚よりも十分に厚いことが好ましく、具体的には2μm〜5μm程度であることが好ましい。ここで、層内絶縁パターンR1の上部がアッシングされている場合、コイルパターンCP1の上面が絶縁層D2によって覆われるだけでなく、コイルパターンCP1と層内絶縁パターンR1の間の隙間にも絶縁層D2が入り込む。これによれば、コイルパターンCP1と絶縁層D2の接触面積が増大することから、熱膨張係数の差に起因する隙間の発生を抑制することができる。この時、絶縁層D2に含まれるフィラーがコイルパターンCP1と層内絶縁パターンR1の間の隙間に入り込むよう、隙間よりも平均粒径の小さいフィラーを用いることが好ましい。また、絶縁層D2と接するコイルパターンCP1の表面が粗面化されている場合、コイルパターンCP1と絶縁層D2は、高い密着性が得られる。
次に、シード層14をパターニングすることによって、絶縁層D2の一部を露出させる開口部14a〜14cを形成する(図12)。このうち、開口部14aはコイルパターンCP1の外周端と重なる位置に形成され、開口部14aはコイルパターンCP1の内周端と重なる位置に形成される。開口部14cは、犠牲パターンVP1と重なる位置に形成される。次に、パターニングされたシード層14をマスクとして絶縁層D2をエッチングすることにより、絶縁層D2に開口部D2a〜D2cを形成する(図13)。このうち、開口部D2aはコイルパターンCP1の外周端を露出させ、開口部D2bはコイルパターンCP1の内周端を露出させる。開口部D2cは、犠牲パターンVP1を露出させる。
次に、シード層14をさらにパターニングすることにより、スパイラル状のシードパターンS2を形成する(図14)。シード層14のパターニングにおいては、シードパターンS2の断面が略台形状となるよう、パターニングの条件を設定することが好ましい。次に、絶縁層D2の表面に、シードパターンS2に沿った層内絶縁パターンR2を形成する(図15)。層内絶縁パターンR2は感光性永久レジストからなるコイルパターンCP2のネガパターンであり、したがって、層内絶縁パターンR2によって区画された領域もスパイラル状である。
次に、電解メッキによってシードパターンS2を成長させることにより、メッキパターンP2を形成する(図16)。これにより、層内絶縁パターンR2によって区画された領域にスパイラル状のコイルパターンCP2が形成される。本実施形態においては、シードパターンS2の断面が略台形状であることから、メッキパターンP2がマッシュルーム状に成長することによる隙間の発生が抑制される。この時、コイルパターンCP1の外周端は開口部D2aから露出しているため、コイルパターンCP1の外周端は、コイルパターンCP2と同じ層内に位置する接続パターンCP3に接続される。また、コイルパターンCP1の内周端は開口部D2bから露出しているため、コイルパターンCP1の内周端は、コイルパターンCP2の内周端に形成される。さらに、コイルパターンCP2の内径領域、並びに、コイルパターンCP2の外側領域にも、犠牲パターンVP2が形成される。犠牲パターンVP2は、開口部D2cを介して犠牲パターンVP1に接続される。
コイルパターンCP2を形成した後、プラズマ加工を所定時間行うことによって、層内絶縁パターンR2の上部をアッシングしても構わない。層内絶縁パターンR2の上部をアッシングすれば、コイルパターンCP2の側面のうち少なくとも上部領域が露出し、コイルパターンCP2と層内絶縁パターンR2の間に隙間が形成される。さらに、層内絶縁パターンR2の上部をアッシングした後、ギ酸などを用いたウェットエッチング又はプラズマ処理等によるドライエッチングによってコイルパターンCP2の露出面を粗面化しても構わない。
次に、絶縁層D3によってコイルパターンCP2、犠牲パターンVP2及び層内絶縁パターンR2を覆う(図17)。ここで、層内絶縁パターンR2の上部がアッシングされている場合、コイルパターンCP2の上面が絶縁層D3によって覆われるだけでなく、コイルパターンCP2と層内絶縁パターンR2の間の隙間にも絶縁層D3が入り込む。これによれば、コイルパターンCP2と絶縁層D3の接触面積が増大することから、熱膨張係数の差に起因する隙間の発生を抑制することができる。この時、絶縁層D3に含まれるフィラーがコイルパターンCP2と層内絶縁パターンR2の間の隙間に入り込むよう、隙間よりも平均粒径の小さいフィラーを用いることが好ましい。また、絶縁層D3と接するコイルパターンCP2の表面が粗面化されている場合、コイルパターンCP2と絶縁層D3は、高い密着性が得られる。
次に、絶縁層D3をエッチングすることにより、絶縁層D3に開口部D3cを形成する(図18)。開口部D3cは、犠牲パターンVP2を露出させる。この状態で、ウェットエッチングを行うことにより、犠牲パターンVP1,VP2を除去する(図19)。コイルパターンCP1,CP2及び接続パターンCP3については、層内絶縁パターンR1,R2及び絶縁層D1〜D3で覆われているため、エッチングされることはない。これにより、絶縁層D1上にはコイル構造体Cのみが残存した状態となる。
次に、絶縁層D3をさらにエッチングすることにより、絶縁層D3に開口部D3a,D3bを形成する(図20)。このうち、開口部D3aは接続パターンCP3を露出させ、開口部D3bはコイルパターンCP2の外周端を露出させる。次に、絶縁層D3の表面にバンプ導体B1,B2を形成する(図21)。このうち、バンプ導体B1は開口部D3aを介して接続パターンCP3に接続され、バンプ導体B2は開口部D3bを介してコイルパターンCP2の外周端に接続される。
次に、コイル構造体C及びバンプ導体B1,B2を埋め込むように磁性樹脂層M1を形成した後(図22)、磁性樹脂層M1の上面を研磨することによってバンプ導体B1,B2を露出させる(図23)。次に、支持体10を剥離した後、絶縁層D1の下面に磁性樹脂層M2を形成する(図24)。次に、磁性樹脂層M1の上面に絶縁層D4を形成した後、絶縁層D4をエッチングすることにより、絶縁層D4に開口部D4a,D4bを形成する(図25)。開口部D4aはバンプ導体B1を露出させ、開口部D4bはバンプ導体B2を露出させる。
そして、開口部D4a,D4bを介してそれぞれバンプ導体B1,B2に接続された端子電極E1,E2を形成すれば、図1に示したコイル部品1が完成する。
このように、本実施形態においては、シードパターンS1,S2の断面が略台形状となるようパターニングしていることから、メッキパターンP1,P2がマッシュルーム状に成長することによる隙間の発生を抑制することが可能となる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
例えば、図20に示す工程で犠牲パターンVP1,VP2を除去した後、コイルパターンCP1,CP2の内径領域に露出する絶縁層D1を削除しても構わない。これによれば、磁性樹脂層M1と磁性樹脂層M2が一体的となることから、コイル部品のインダクタを高めることが可能となる。
また、本発明によるコイル部品は、回路基板に表面実装されるタイプの部品である必要はなく、回路基板に内蔵されるタイプの部品であっても構わない。
1 コイル部品
10 支持体
11 基板
12 金属箔
13,14 シード層
14a〜14c 開口部
B1,B2 バンプ導体
C コイル構造体
CN 角部
CP1 第1のコイルパターン
CP2 第2のコイルパターン
CP3 接続パターン
D1〜D4 絶縁層
D2a〜D2c 開口部
D3a〜D3c 開口部
D4a,D4b 開口部
E1,E2 端子電極
L0 上辺
L0a 上辺の端部
L1 下辺
L1a 下辺の端部
L2,L2a,L2b 側辺
M1,M2 磁性樹脂層
P1,P2 メッキパターン
R1,R2 層内絶縁パターン
R2 層内絶縁パターン
S1,S1a、S1A〜S1C,S2 シードパターン
V 仮想線
VP1,VP2 犠牲パターン

Claims (6)

  1. 第1の絶縁層と、
    前記第1の絶縁層上に形成され、スパイラル状に巻回されたコイルパターンと、
    前記第1の絶縁層上に形成され、前記コイルパターンに沿って配置された層内絶縁パターンと、
    前記コイルパターン及び前記層内絶縁パターンを覆う第2の絶縁層と、を備え、
    前記コイルパターンは、前記層内絶縁パターン及び第2の絶縁層と接することなく前記第1の絶縁層と接するシードパターンと、前記シードパターンを覆い、前記層内絶縁パターン、前記第1の絶縁層及び前記第2の絶縁層と接するメッキパターンとを含み、
    前記シードパターンの巻回方向に対して垂直な断面は、前記第1の絶縁層と接する下辺と、前記下辺と平行な上辺を有し、
    前記下辺は、前記上辺よりも長いことを特徴とするコイル部品。
  2. 前記シードパターンの前記下辺の端部と前記上辺の端部を繋ぐ側辺が傾斜面であることを特徴とする請求項1の記載のコイル部品。
  3. 前記シードパターンの前記下辺と前記側辺の成す角度は、60°以上、85°以下であることを特徴とする請求項2に記載のコイル部品。
  4. 前記コイルパターンの幅に対する前記シードパターンの前記下辺の幅の割合は、0.5以上、0.9以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のコイル部品。
  5. 第1の絶縁層上に金属箔を形成する第1の工程と、
    前記金属箔をパターニングすることによって、スパイラル状のシードパターンを形成する第2の工程と、
    前記第1の絶縁層上に前記シードパターンに沿った層内絶縁パターンを形成する第3の工程と、
    電解メッキによって前記シードパターンを覆うメッキパターンを形成することにより、前記シードパターン及び前記メッキパターンからなるスパイラル状のコイルパターンを形成する第4の工程と、
    前記コイルパターン及び前記層内絶縁パターンを覆う第2の絶縁層を形成する第5の工程と、を備え、
    前記シードパターンの巻回方向に対して垂直な断面は、前記第1の絶縁層と接する下辺と、前記下辺と平行な上辺を有し、
    前記第2の工程においては、前記下辺が前記上辺よりも長くなるよう、前記金属箔をパターニングすることを特徴とするコイル部品の製造方法。
  6. 前記第1の工程をラミネート法により行うことを特徴とする請求項5に記載のコイル部品の製造方法。
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