JP6740668B2 - 薄膜インダクタ - Google Patents

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Description

本発明は、薄膜インダクタに関する。
通信端末等の電子製品の小型化に伴い、電子製品に用いられる電子部品についても低背化を含む小型化が求められている。インダクタについても同様であり、薄膜インダクタに係る検討が行われている(例えば、特許文献1参照)。
特開2015−37189号公報
しかしながら、薄膜インダクタの厚さをより薄くしようとすると、取り扱い時の変形や破損が起こりやすくなるという課題がある。
本発明は上記を鑑みてなされたものであり、特性を維持しつつより剛性が高められた薄膜インダクタを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る薄膜インダクタは、少なくとも一層のコイル導体層で構成され、両端部に端子電極が設けられたコイル部と、前記コイル部を被覆する第1絶縁層と、前記第1絶縁層を被覆し、前記第1絶縁層よりもヤング率が高い第2絶縁層と、を備える。
上記の薄膜インダクタでは、ヤング率の低い第1絶縁層がコイル部の周囲を被覆することで、外部から何らかの力を受けた場合に第1絶縁層が応力を吸収することで、コイル部が変形することを防ぐことができ、インダクタとしての特性の低下を防ぐことができる。また、ヤング率の高い第2絶縁層が第1絶縁層を被覆する構成を備えることにより、薄膜インダクタ全体としての剛性が高められ、取り扱い性が向上する。
ここで、前記第2絶縁層は、セラミック又は樹脂と、金属材料と、の複合材料を主成分とする態様とすることができる。
上記のように、セラミック又は樹脂と、金属材料と、の複合材料を第2絶縁層の主成分として用いることで、剛性を高めつつ薄膜インダクタとしての性能を向上させることができる。
また、前記金属材料はニッケル、鉄、アルミニウム又は銅である態様とすることができる。金属材料としてニッケル、鉄、アルミニウム又は銅を用いることで、コストを抑制しながら特性を維持しつつより剛性が高められた薄膜インダクタを製造することが可能となる。
本発明によれば、特性を維持しつつより剛性が高められた薄膜インダクタが提供される。
本発明の一実施形態に係る薄膜インダクタの平面図である。 薄膜インダクタの分解斜視図である。 薄膜インダクタの内部構造を模式的に示した断面図である。 薄膜インダクタの製造方法を説明する断面図である。 薄膜インダクタの製造方法を説明する断面図である。 薄膜インダクタの製造方法を説明する断面図である。 薄膜インダクタの製造方法を説明する断面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
本発明の一実施形態に係る薄膜インダクタの概略構成を図1〜図3を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る薄膜インダクタの平面図であり、図2は、分解斜視図であり、図3は、内部構造を模式的に示した断面図である。
図1〜図3に示すように、薄膜インダクタ1は、後述するコイル部10が内部に設けられた薄膜である。また、詳細は後述するが、コイル部10は第1絶縁層21及び第2絶縁層22により二重に覆われている。薄膜インダクタ1は、平面視では短辺が0.2mm〜0.7mm程度であり、長辺が0.8mm〜1.2mm程度の略長方形状であって、厚さが30μm〜500μm程度である。なお、平面視の形状は特に限定されない。
コイル部10は、例えば銅(Cu)等の導電性を有する金属材料で構成されており、その軸心が主面1aに直交する方向に沿って延びている。コイル部10は、二層のコイル導体層を有していて、コイル導体層としての第1コイル層11及び第2コイル層12と、第1コイル層11及び第2コイル層12を連結する連結部13と、引出導体14A,14Bとを有する。
第1コイル層11と第2コイル層12とは、主面1aに直交する方向(コイル部の軸心方向)に並んでおり、第2コイル層12が第1コイル層11よりも主面1a側に位置している。第1コイル層11と第2コイル層12とは、巻回方向が同じである。連結部13は、第1コイル層11と第2コイル層12との間に介在して、第1コイル層11の内側の端部と第2コイル層12の内側の端部とを連結している。なお、第1コイル層11及び第2コイル層12が、それぞれ複数ターンのコイルである場合について説明するが、コイル層のターン数は限定されない。
また、引出導体14A,14Bは、それぞれコイル部10の端部を構成する。引出導体14Aは、第1コイル層11の外側端部E1から主面1aに直行する方向に沿って延びる。また、引出導体14Bは、第2コイル層12の外側端部E2から主面1aに直交する方向に沿って延びる。
引出導体14A,14Bの端部、すなわち、コイル部10の両端部は、それぞれ薄膜インダクタ1の主面1aに設けられた端子電極15A,15Bと接続される。端子電極15A,15Bは、それぞれ内部のコイル部10の端部と接続される。端子電極15A、15Bは、いずれも膜状であり、平面視で略正方形形状を呈している。また、端子電極15A、15Bは、例えばCu等の導電性材料によって構成されている。
上記のコイル部10は、第1コイル層11及び第2コイル層12の厚さがそれぞれ30μm〜80μm程度であり、全体としての厚さが70μm〜180μm程度である。
コイル部10は、第1絶縁層21及び第2絶縁層22を含む絶縁層20により被覆されている。
第1絶縁層21及び第2絶縁層22を含む絶縁層20は、コイル部10の第1コイル層11、第2コイル層12、連結部13及び引出導体14A,14Bを一体的に覆っていて、コイル部10の各部同士が接触することを防ぐと共に、位置ずれを抑制している。絶縁層20は、図3に示すように、第1絶縁層21及び第2絶縁層22の二重構造となっている。すなわち、コイル部10が第1絶縁層21により被覆されると共に、第1絶縁層21が第2絶縁層22によって被覆されている。なお、コイル部10の全面が第1絶縁層21によって被覆される必要はなく、第1絶縁層21の全面が第2絶縁層22によって被覆される必要はない。ただし、コイル部10は、端子電極15A,15Bと接続する端部を除き、第1絶縁層21及び第2絶縁層22のいずれかによって全面が被覆される。その結果、薄膜インダクタ1の表面には、端子電極15A,15B近傍を除き、第1絶縁層21又は第2絶縁層22が外部に露出している。
本実施形態に係る薄膜インダクタ1では、図3に示すように、コイル部10の第1コイル層11、第2コイル層12、及び連結部13のうち、第1コイル層11の下面(第2コイル層12側とは逆側の面)以外は、第1絶縁層21によって被覆される。そして、第1コイル層11の下面、引出導体14A,14Bの周囲、及び、第1絶縁層21の外側が第2絶縁層22によって被覆される。
第1絶縁層21及び第2絶縁層22は、絶縁性を有する材料を主成分として構成される。なお、「主成分」であるとは、当該成分の占める割合が50質量%以上であることをいう。第1絶縁層21及び第2絶縁層22の主成分として、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリイミド、PET(ポリエチレンテレフタレート)、エポキシ等の樹脂、SiO、SiN、Al等の材料から適宜選択して用いることができる。
また、第2絶縁層22には、磁性を有する材料をさらに含有させてもよい。磁性を有する材料としては、例えば、ソフトフェライト、パーマロイ、センダスト、ケイ素鋼、純鉄が挙げられる。また、含有量は30体積%〜90体積%、好ましくは50体積%〜90体積%とすることができる。なお、磁性を有する材料は、第1絶縁層21にも含有させることができる。その場合、磁性を有する材料は第2絶縁層22における磁性を有する材料と同様の材料を選択することができる。また、第1絶縁層21における磁性を有する材料の含有量を、第2絶縁層22における含有量よりも少なくすることによって、磁気的特性を調整しつつ本発明の機械的強度に関する効果を発揮することができる。
また、第2絶縁層22は、セラミック又は樹脂と、金属材料との複合材料を主成分として用いることができる。金属材料は特に限定されないが、コストや導電性等の観点からニッケル、鉄、アルミニウム又は銅を用いることができる。上記の複合材料を主成分として用いる場合、複合材料における金属材料の含有率は30%〜90%とすることができる。金属材料との複合材料を形成する態様としては、セラミック又は樹脂の中に金属材料の紛体を混入させる態様や、セラミック又は樹脂の表面に金属材料の薄膜を形成する態様など、種々の態様を選択することができる。第2絶縁層22は、上記のような複合材料を主成分として用いることで、絶縁層20としての剛性を高めつつ薄膜インダクタ1としての性能を向上させることができる。
第1絶縁層21及び第2絶縁層22の主成分に用いられる材料は、第1絶縁層21のヤング率よりも第2絶縁層22のヤング率が高くなるように選択される。したがって、上記に例示した絶縁性を有する材料を第1絶縁層21及び第2絶縁層22の主成分として選択する場合に、その組み合わせが限定される。
絶縁性を有し、本実施形態に係る薄膜インダクタ1の第1絶縁層21及び第2絶縁層22として利用することが可能であると考えられる絶縁性を有する材料のヤング率の一例を表1に示す。
Figure 0006740668
上記のように、第1絶縁層21及び第2絶縁層22の主成分として選択することができる絶縁性を有する材料のヤング率は材料毎に大きく異なる。したがって、第1絶縁層21及び第2絶縁層22の主成分を選択する際には、第1絶縁層21のヤング率よりも第2絶縁層22のヤング率が高くなるように、例えば以下の表2に示すような組み合わせで選択することができる。ただし、下記の組み合わせは一例であり、適宜変更することができる。
Figure 0006740668
第1絶縁層21のヤング率よりも第2絶縁層22のヤング率が高くなるように、第1絶縁層21及び第2絶縁層22の主成分を選択することで、特性を維持しつつより剛性が高められた薄膜インダクタ1が得られる。
従来の薄膜インダクタは、厚さが非常に薄いため、取り扱い性に問題があった。また、実装作業等に発生し得る変形に対する復元性の観点でも改良の余地があった。つまり、実装作業等で薄膜インダクタの内部のコイル部が変形し、その状態のまま実装された場合、コイル部の位置ずれ等に伴う性能の低下が起きる可能性があった。
これに対して、本実施形態に係る薄膜インダクタ1では、ヤング率の低い第1絶縁層21がコイル部10の周囲を被覆することで、外部から何らかの力を受けた場合に第1絶縁層21が応力を吸収することで、コイル部10が変形することを防ぐことができ、インダクタとしての特性の低下を防ぐことができる。
なお、コイル部10の表面積に対して、第1絶縁層21によって覆われる割合は60%〜100%であることが好ましい。ただし、この場合のコイル部10の表面積には、引出導体14Aと14Bとの接合部分の面積、及び、第1コイル層11と第2コイル層12との連結部13の接合部分の面積は含まない。第1絶縁層21によって覆われる割合が60%〜100%であることにより、薄膜インダクタ1のコイル部10が破損することを防止しながら、位置ずれ等を好適に防ぐことができる。また、第1絶縁層21及びコイル部10からなる複合体の表面積に対して、第2絶縁層22によって覆われる割合は85%〜100%であることが好ましい。第2絶縁層22によって覆われる割合が85%〜100%であることにより、薄膜インダクタ1全体としての剛性が好適に高められる。
また、第1絶縁層21及びコイル部10の複合体においてコイル部10が第1絶縁層21の外部に露出している場合、コイル部10の露出面積は、複合体の表面積に対して5%〜20%に抑えられることが好ましい。これにより、外部からの力がコイル部10に加わることが好適に抑制できる。
また、第1コイル層11と第2コイル層12との間には第1絶縁層21が存在していることが好ましい。この部分における第1絶縁層21の厚みは、第1コイル層11または第2コイル層12いずれか厚い方の厚みに対して0.5倍〜1倍であることが好ましい。これにより、一方のコイル層に伝わった外部からの力が、他方のコイル層に伝搬することを好適に抑制することができる。
また、第1コイル層11の線間及び第2コイル層12の線間には第1絶縁層21が存在していることが好ましい。この部分における第1絶縁層21の幅は第1コイル層11の線幅または第2コイル層12の線幅に対して0.5倍〜1倍であることが好ましい。これにより、第1コイル層11又は第2コイル層12に伝わった外部からの力がコイル層の内部で伝搬することによって、コイル層が変形することを好適に抑制することができる。
次に、上記の薄膜インダクタ1の製造方法について、図4〜図7を参照しながら説明する。なお、図4〜図6では、1つの薄膜インダクタの製造手順について説明するが、実際には、図7に示すように、複数の薄膜インダクタを1枚のウエハー上で形成した後に個片に分割するものである。図4〜図6では、1枚のウエハー上の特定の部分(薄膜インダクタ個片に相当する部分)を拡大して示しているものである。
薄膜インダクタ1は、上述のように2層のコイル層及び引出導体を有する。したがって、導体層形成する工程を3回繰り返す。
まず、図4(A)に示すように、Si等のウエハー31上に接着剤層32を介してキャリア付銅箔が積層された基材を準備する。キャリア付銅箔とは、剥離層を介してキャリア箔33と銅箔34とが接着されているものであり、接着剤層32側にキャリア箔33が配置されるように積層する。その後、レジスト前処理を行う。
次に、基材の銅箔34の表面上にレジストを形成した後、フォトマスクを通して、活性光線(UV光等)を照射し、露光された部分を硬化させる。その後、硬化した部分以外のレジストを除去することで、図4(B)に示すように、レジストパターン35を形成する。
次に、図4(C)に示すように、レジストパターン35が形成された銅箔34上にめっき層(めっきパターン)36を形成する。めっき層36の形成方法は公知の方法を利用することができる。このめっき層36が第1コイル層11となる。
その後、レジストパターン35を除去した後、図4(D)に示すように、第1絶縁層21に用いられる絶縁材料でめっき層36及び銅箔34の表面に第1絶縁材料層37を積層する。その後、フォトマスクを用いた硬化又はパターニング等により、図4(E)に示すように、第1絶縁層21となる領域以外の絶縁材料を除去する。このとき、連結部13に対応する部分には開口37aを形成する。これで、第1コイル層11及びその周縁の第1絶縁層21に相当する部分が形成される。
次に、図4(F)に示すように、スパッタにより、第1絶縁材料層37の表面にシード層38を形成する。その後、第2コイル層12及びその周縁の第1絶縁層21に相当する部分を形成するため、これまでの一連の操作を繰り返す。
すなわち、銅箔34及びシード層38の表面にレジストを形成した後、フォトマスクを通して、活性光線(UV光等)を照射し、露光された部分を硬化させる。その後、硬化した部分以外のレジストを除去することで、図5(A)に示すように、レジストパターン39を形成する。
次に、図5(B)に示すように、レジストパターン39が形成されたシード層38上にめっき層(めっきパターン)40を形成する。めっき層40が第2コイル層12となる。
その後、レジストパターン39を除去し、さらに、残存するシード層38を除去することで、図5(C)に示すように、第2コイル層12となるめっき層40が露出する。その後、第1絶縁層21に用いられる絶縁材料を用いて、第1絶縁材料層37、めっき層40及び銅箔34の表面に第2絶縁材料層41を積層し、フォトマスクを用いた硬化又はパターニング等で一部を除去することで、図5(D)に示すように、第1絶縁層21となる領域以外の絶縁材料を除去する。このとき、引出導体14A,14Bに対応する部分には開口41aを形成する。これで、第2コイル層12及びその周縁の第1絶縁層21に相当する部分が形成される。また、連結部13に相当する部分も形成される。
次に、図5(E)に示すように、スパッタにより、第1絶縁材料層37及び第2絶縁材料層41の表面にシード層42を形成する。その後、引出導体に相当する部分及び第2絶縁層22に相当する部分を形成する。
すなわち、銅箔34及びシード層42の表面にレジストを形成した後、フォトマスクを通して、活性光線(UV光等)を照射し、露光された部分を硬化させる。その後、硬化した部分以外のレジストを除去することで、図6(A)に示すように、レジストパターン43を形成する。
次に、図6(B)に示すように、レジストパターン43が形成されたシード層38上にめっき層(めっきパターン)44を形成する。めっき層44が引出導体14A,14Bとなる。
その後、レジストパターン43を除去し、さらに、残存するシード層42を除去することで、図6(C)に示すように、引出導体14A,14Bとなるめっき層44が露出する。次に、図6(D)に示すように、第2絶縁層22に用いられる絶縁材料による第3絶縁材料層45を磁性モールドにより積層する。その後、表面を研磨することで、図6(E)に示すように、第1コイル層11及び第2コイル層12の周囲が第1絶縁層21及び第2絶縁層22により二重に覆われた積層体が得られる。なお、この段階では、ウエハー31上に薄膜インダクタの主要部が積層した状態であり、薄膜インダクタとして個片化されていない状態である。図7を参照しながら、個片の薄膜インダクタ1を製造する方法について説明する。
まず、図7(A)に示すように、ウエハー31上の積層体の外周部分に溝46を形成し、ピーラブル銅箔の剥離層においてはく離することで、ウエハー31から積層体を剥離する。次に、図7(B)に示すように、離形フィルム47が積層された別のウエハー48に対して、上下逆転した状態、すなわち引出導体14A,14Bが下側(離形フィルム47側)となるように、積層体を貼り付けた後、最上面の銅箔34を除去する。
その後、図7(C)に示すように、第2絶縁層22に用いられる絶縁材料により、第4絶縁材料層49を磁性モールドにより積層する。これにより、第1コイル層11の下面(第2コイル層12側とは逆側の面)が第2絶縁層22に用いられる絶縁材料により被覆される。その後、図7(D)に示すように、離形フィルム47を利用してウエハー48を除去した後に、ダイシング等によって個片に分割することで、図7(E)に示すように複数の薄膜インダクタ1の個片を得ることができる。
以上のように、本実施形態に係る薄膜インダクタ1では、ヤング率の低い第1絶縁層21がコイル部10の周囲を被覆することで、外部から何らかの力を受けた場合に第1絶縁層21が応力を吸収することで、コイル部10が変形することを防ぐことができ、インダクタとしての特性の低下を防ぐことができる。また、第2絶縁層22が第1絶縁層21を被覆する構成を備えることにより、薄膜インダクタ1全体としての剛性を保つことができ、取り扱い性の観点からも優位な構成となる。
また、第2絶縁層22においては、セラミック又は樹脂と、金属材料と、の複合材料を主成分として用いることで、剛性を高めつつ薄膜インダクタ1としての性能を向上させることができる。
また、金属材料として、ニッケル、鉄、アルミニウム又は銅を用いることで、コストを抑制しながら特性を維持しつつより剛性が高められた薄膜インダクタ1を製造することが可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、上記実施形態で説明した薄膜インダクタ1では、端子電極15A,15Bが同一の主面1aに設けられる例について説明したが、端子電極15A,15Bの配置は適宜変更することができる。なお、端子電極15A,15Bの配置に応じてコイル部10の導体の形状は適宜変更される。すなわち、コイルの巻回方向、連結部の位置、引出導体の配置等も適宜変更される。
また、上記実施形態の薄膜インダクタ1では、コイル部10が2層のコイル導体層(第1コイル層11及び第2コイル層12)によって形成された場合について説明したが、少なくともコイル導体層が1層あればよい。コイル導体層が1層であっても、第1絶縁層21及び第2絶縁層22を上記の構成とすることで、薄膜インダクタとしての特性の低下を防ぐことができると共に剛性が高められる。
また、上記実施形態の薄膜インダクタ1では、第1コイル層11の一方側の主面のみが第1絶縁層21ではなく第2絶縁層22によって覆われている構成について説明したが、第1コイル層11の全面が第1絶縁層21に覆われていてもよい。また、第1絶縁層21の一部が外部に露出している構成であってもよい。
1…薄膜インダクタ、10…コイル部、11…第1コイル層、12…第2コイル層、13…連結部、14A,14B…引出導体、15A,15B…端子電極、20…絶縁層、21…第1絶縁層、22…第2絶縁層。

Claims (3)

  1. 複数層のコイル導体層で構成され、両端部に端子電極が設けられたコイル部と、
    前記コイル部を被覆すると共に、隣接する前記コイル導体層の間にも設けられる第1絶縁層と、
    前記第1絶縁層を被覆し、前記第1絶縁層よりもヤング率が高い第2絶縁層と、を備え、
    前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層の主成分は、絶縁性を有する互いに異なる材料であって、
    前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層の両方が、磁性を有する材料をさらに含有する薄膜インダクタ。
  2. 前記第2絶縁層は、セラミック又は樹脂と、金属材料と、の複合材料を主成分とする請求項1に記載の薄膜インダクタ。
  3. 前記金属材料はニッケル、鉄、アルミニウム又は銅である請求項2に記載の薄膜インダクタ。
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