JP2009294381A - 画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】多色画像を形成する際にはラインの乗り換えに伴う複数色間の色ずれや色むらの発生が低減し、単色画像を形成する際にはラインの乗り換えに伴う段差や補間に伴う画質の低下を緩和する。
【解決手段】補正手段は、走査手段により1ラインを走査する際に、蓄積手段から読み出されるラインを予め定められた順序にしたがって乗り換えることで、像担持体の主走査方向に沿って描かれる走査線の副走査方向への湾曲を補正する。補間手段は、蓄積手段から読み出されるラインが乗り換えられる際の乗り換え点の前後に位置する1つ以上の画素のデータを補間する。判定手段は、多色画像を形成するか単色画像を形成するかを判定する。制御手段は、多色画像を形成する場合には補正手段及び補間手段を機能させる。一方、制御手段は、単色画像を形成する場合には補正手段及び補間手段を機能させないように制御する。
【選択図】図16
【解決手段】補正手段は、走査手段により1ラインを走査する際に、蓄積手段から読み出されるラインを予め定められた順序にしたがって乗り換えることで、像担持体の主走査方向に沿って描かれる走査線の副走査方向への湾曲を補正する。補間手段は、蓄積手段から読み出されるラインが乗り換えられる際の乗り換え点の前後に位置する1つ以上の画素のデータを補間する。判定手段は、多色画像を形成するか単色画像を形成するかを判定する。制御手段は、多色画像を形成する場合には補正手段及び補間手段を機能させる。一方、制御手段は、単色画像を形成する場合には補正手段及び補間手段を機能させないように制御する。
【選択図】図16
Description
本発明は、2色以上のカラー画像を得るための画像形成装置に関する。
ディジタル複合複写機の省スペース性は、特に、ローエンド製品においてより重視される傾向にある。省スペース性を実現するための光学系の方式として、従来、斜入射方式が知られている。
図9は、斜入射方式の一例を示す側面図である。図9によれば、潜像を形成するためのビームを出力する発光素子901、潜像を保持する感光ドラム903及びビームを走査するためのポリゴンミラー902が、高さ方向において、それぞれ異なる位置に配置されている。発光素子901から出力されたビームは、ポリゴンミラー902の側面に設けられた鏡面(走査平面)に対して斜入射する。なお、902’は、ポリゴンミラー902の上面を示している。
斜入射方式によれば、鏡面の中央と端とでは、ポリゴンミラー902の中心位置(回転軸)からの距離が異なっている(距離a、b)。この距離の違いが、感光ドラム903に照射されるビームの位置を高さ方向で変動させる。
図10は、斜入射方式における感光ドラム903上に形成される実際の走査線と、理想的な走査線との違いを説明するための図である。実線1001により示された曲線が実際の走査線である。破線1002により示された直線が、理想的な走査線である。斜入射方式においては、このように走査線が湾曲してしまう。
この湾曲化を緩和するためには、ビーム経路上に補正レンズを配置すればよい。補正レンズは、走査位置に応じて、高さ方向への屈折率が異なるように成形されている。この補正レンズにより、湾曲化がある程度緩和され、高画質化が達成される。
しかし、湾曲化を効果的に緩和するためには、補正レンズの加工精度を確保したり、光学系を所望の状態に調整したりする必要がある。これは、製造時間の長時間化と、製造コストの上昇を招くため、ローエンド製品には向いていないだろう。
ところで、ポリゴンミラー902の回転軸に対してビームを垂直に入射させる垂直入射方式においても、斜入射方式と同様の変動が発生し得る。理想的な垂直方式では、ポリゴンミラー902の回転平面内にビームの軌跡が存在する。
図11は、回転軸に有意なずれのない理想的な光学系と、回転軸に有意なずれのある実際の光学系との一例を示す図である。図11(A)には、理想的な光学系が示されている。回転軸がずれていないため、ポリゴンミラー902の回転によって回転軸から鏡面の反射位置までの距離が変化したとしても、感光ドラム903上におけるビームの照射位置の高さは一定に保持される。一方で、図11(B)には、取り付け誤差によって、回転軸がずれて配置されている様子が示されている。そのため、ポリゴンミラー902の回転によって回転軸から鏡面の反射位置までの距離が変化し、それに連動して照射位置の高さもずれてしまう。このようなずれは、画質を低下させるため好ましくない。特に、ハイエンドの機種においては、こうした回転軸の取り付け誤差も無視できない問題となる。
図12は、ラインの乗り換えによって湾曲を補正する方法の一例を示す図である。ここでは、図12を用いて、従来提案されている補正方法(特許文献1〜4)について説明する。図12において、破線は、理想的な走査軌跡L0を示している。それぞれ実線は、理想的な走査軌跡に対して±0.5ライン以内を通過する実際の走査軌跡L1、L2、L3をしている。
走査軌跡の両端に着目してみると、3つの走査軌跡L1、L2、L3のうち、L1が最も理想的な走査軌跡L0に近い。走査軌跡の中央部に位置する走査領域では、L3が最も理想的な走査軌跡L0に近い。なお、端部と中央部との間に位置する領域では、L2が最も理想的な走査軌跡L0に近い。よって、理想的な直線を実現するためには、走査領域に応じて、L1=>L2=>L3=>L2=>L1と順に、副走査方向において異なるラインに乗り換えれば、ほぼ理想的な直線を実現できる。このように、1つの走査周期を複数の領域に分割し、領域ごとに実際の走査線を選択して所望の画像を形成することをラインの乗り換えと呼ぶことにする。また、領域と領域との区切りを乗り換え点と呼ぶことにする。
しかし、上述した補正方法は、電子写真の特性上、難易度の高い技術である。特に、ローエンド製品においては、微小ドットの階調再現性の乏しさから、細線の太さの均一性が損なわれやすい。そこで、次のような関連技術を適用することが望ましい。
図13は、ラインの乗り換えに伴う問題の一例を示す図である。図中の各四角は、ビームをPWM(パルス幅変調)することで形成される1ドットを示している。よく知られているように、PWMによってビームの幅(スポットの大きさ)を変更することで、形成される画像の濃度が変更される。
(a)は、理想的な1ドット幅の細線を示している。(b)は、ラインの乗り換えを行うものの、乗り換え点において補間処理を適用しない例を示している。この場合、ラインの乗り換えによる弊害として、ジャギーが目立つ細線が形成されてしまう。(c)は、ラインの乗り換えを行い、かつ、乗り換え点付近において、ジャギーを緩和するための補間を適用した例である。この場合、ジャギーは緩和されるが、補間部分における細線の太さを均一に再現することが困難となる。このため、(d)に示すように、補間が適用される画素の範囲を最小限にすることで、ジャギーを緩和しつつ、細線の均一性も維持できるようになる。
ところで、カラー画像を形成する際には、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック等の複数色の像を重ね合わせることが一般的である。各色ごとに光学系が違ったり、感光ドラムが違ったりするため、各色の実際の走査軌跡は、必ずしも一致しない。すなわち、各色ごとに、好ましい乗り換え点が異なるのである。このように、複数色間で画像データの乗り換え点が異なると、乗り換え点の近傍に色ずれや色むらが発生しうる。これは、画質の低下へとつながるため、好ましくない。
図14は、乗り換え点の近傍に色ずれや色むらが発生する原理を説明するための図である。縦の破線は、上述した乗り換え点を示している。(a)は、第1のトナー色(Color A)に関する補正の対象となる補正対象曲線と、補正対象曲線をライン単位で補正するための補正関数とを示している。(b)は、補正関数と補正対象曲線との差分(誤差成分)を示している。
(c)は、乗り換え点の近傍に適用される画素補間のための補間関数を示している。この画素補間によって、細線の太さの不均一さが緩和される。なお、(d)に示すように、補正処理及び補間処理を適用しても、乗り換え点から離れた位置に誤差(図中の山や谷)が発生することがある。このような、誤差は、単色で画像を形成する場合は問題とならないが、カラー画像を形成する際には問題となりうる。
例えば、電子写真方式における色空間の基本色であるシアン、マゼンタ、イエロー及びブラックのうちいずれか1つのみで画像が形成されるときは問題が顕在化しにくい。しかし、R(Red)、G(Green)、B(Blue)など、複数のトナー色を重ね合わせが必要となる場合は、色ずれが発生しうる。
仮に、(e)が示すように、第2のトナー色(Color B)の補正対象曲線がColor Aの補正対象曲線と異なるとする。この場合、ライン単位で補正し、かつ、画素補間を適用したときの誤差は、(f)が示すような値となりうる。(d)が示すColor Aの誤差と、(f)が示すColor Bの誤差は、大きさや向きが異なる。そのため、(g)が示すように、2色間の色ずれ量は、各色の誤差の最大2倍になることがわかる。
図14では、Color Aの乗り換え点と、Color Bの乗り換え点を同一と仮定して説明しているが、実際には、各色ごとに好適な乗り換え点は異なる。この乗り換え点の違いが、さらに問題を複雑にする。
特開平02−050176号公報
特開2003−182146号公報
特開2003−276235号公報
特開2005−304011号公報
多色画像を形成する際に、ラインの乗り換えに伴う、複数色間の色ずれや色むらの発生を低減する技術があれば、極めて有効である。一方で、多色画像を形成する画像形成装置は、単色画像を形成することもできる。ラインの乗り換えに伴う、複数色間の色ずれや色むらの発生を低減する技術は、多色画像に対しては有効であるが、単色画像にも適用してしまうと、ラインの乗り換えに伴う段差がかえって目立ってしまうことがある。また、複数色間の色ずれや色むらの発生を低減するための補間処理を単色画像にも適用してしまうと、やはり、画質が低下する可能性がある。
そこで、本発明は、このような課題および他の課題のうち、少なくとも1つを解決することを目的とする。例えば、本発明は、多色画像を形成する際にはラインの乗り換えに伴う複数色間の色ずれや色むらの発生が低減し、単色画像を形成する際にはラインの乗り換えに伴う段差や補間に伴う画質の低下を緩和することを目的とする。なお、他の課題については明細書の全体を通して理解できよう。
本発明は、例えば、複数の色を重ね合わせて多色画像を形成したり、単一の色で単色画像を形成したりする画像形成装置に適用される。画像形成装置は、例えば、各色ごとに、複数のラインづつ、ラインに含まれる画素のデータを蓄積する蓄積手段と、各色ごとの像担持体とを含む。さらに、画像形成装置は、各色ごとに、蓄積手段から読み出された画素のデータにより変調されたビームを用いて対応する像担持体を走査する各色ごとの走査手段を含む。また、画像形成装置は、補正手段と、補間手段と、判定手段と、制御手段とを含む。補正手段は、走査手段により1ラインを走査する際に、蓄積手段から読み出されるラインを予め定められた順序にしたがって乗り換えることで、像担持体の主走査方向に沿って描かれる走査線の副走査方向への湾曲を補正する。補間手段は、蓄積手段から読み出されるラインが乗り換えられる際の乗り換え点の前後に位置する1つ以上の画素のデータを補間する。とりわけ、判定手段は、多色画像を形成するか単色画像を形成するかを判定する。制御手段は、多色画像を形成する場合には補正手段及び補間手段を機能させる。一方、制御手段は、単色画像を形成する場合には補正手段及び補間手段を機能させないように制御する。
本発明によれば、多色画像にラインの乗り換えや補間を適用し、単色画像にラインの乗り換えや補間を適用しないように制御する。これにより、多色画像については、ラインの乗り換えに伴う複数色間の色ずれや色むらの発生が低減される。一方で、単色画像については、単色画像を形成する際にはラインの乗り換えに伴う段差や補間に伴う画質の低下が緩和される。
以下に本発明の一実施形態を示す。もちろん以下で説明される個別の実施形態は、本発明の上位概念、中位概念および下位概念など種々の概念を理解するために役立つであろう。また、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲によって確定されるのであって、以下の個別の実施形態によって限定されるわけではない。
図1は、実施例に係る複数の色を重ね合わせて多色画像を形成したり、単一の色で単色画像を形成したりする画像形成装置の概略断面図である。この画像形成装置は、4つの感光体をタンデムに配した4ドラム系のカラー複写機を示している。なお、画像形成装置は、例えば、印刷装置、プリンター、複合機、ファクシミリとして実現されてもよい。また、色の数は2以上であればよい。よって、感光体も2以上であればよい。以下では、このカラー複写機100を構成するカラー画像読み取り装置(以下「カラースキャナー」という。)1及びカラー画像記録装置(以下「カラープリンター」という。)2の概略について説明する。
カラースキャナー1は、照明ランプ14、ミラー群15A、B、C、及びレンズ16を介してカラーセンサー17に原稿13の画像を結像させる。さらに、カラースキャナー1は、原稿のカラー画像情報を、例えばブルー(以下Bという)、グリーン(以下Gという)、レッド(以下Rという)の色分解光ごとに読み取り、電気的な画像信号に変換する。
カラースキャナー1は、B、G、Rの各画像信号の強度レベルをもとにして、色変換処理を行う。これにより、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)のカラー画像データが得られる。
次に、カラープリンター2について説明する。各色のトナーに対し1つずつ、書き込み光学ユニット28M(マゼンタ用)、28Y(イエロー用)、28C(シアン用)、28K(ブラック用)が設けられている。なお、参照番号に付されたサフィックス、MYCKは、トナーの色を示している。これらの書き込み光学ユニットは、各色ごとに、蓄積手段から読み出された画素のデータにより変調されたビームを用いて対応する像担持体を走査する各色ごとの走査手段の一例である。書き込み光学ユニットは、露光装置やスキャナ装置と呼ばれることもある。
書き込み光学ユニットは、カラースキャナー1からのカラー画像データを光信号に変換して、光書き込みを行う。これにより、各色ごとに設けられた感光体21M、21Y、21C、21Kに静電潜像が形成される。これらの感光体は、像担持体の一例である。
これら感光体21M、21Y、21C、21Kは、矢印が示すように反時計回転する。感光体の周辺には、感光体を一様に帯電させるための帯電器27M、27Y、27C、27Kが設けられている。また、現像剤(例:トナー)を用いて静電潜像を現像するための、M現像器213M、C現像器213C、Y現像器213Y、Bk現像器213Kも配置されている。また、中間転写体としての中間転写ベルト22は、駆動ローラ220と、従動ローラ219、237に張架されている。なお、各感光体に対向するように、第1の転写手段である第1転写バイアスブレード217M、217Y、217C、217Kも設けられている。
第2転写バイアスローラ221は、従動ローラ219に対向する位置に配置されている。第2転写バイアスローラ221は、不図示の離接機構により、中間転写ベルト22に対して離間したり、接したりする。
カラープリンター2において、まずマゼンタから画像形成が開始される。その後、中間転写ベルト22の回転速度に対し、感光体21Mと感光体21Cとの離間距離に対応して遅れたタイミングでシアンの画像形成が開始される。次に中間転写ベルト22の回転速度に対し、感光体21Cと感光体21CYとの離間距離に対応して遅れたタイミングでイエローの画像形成が開始される。最後に、中間転写ベルト22の回転速度に対し、感光体21Yと感光体21Kの位置との離間距離に対応して遅れたタイミングでブラックの画像形成が開始される。このように、中間転写ベルト22上には、各色の現像剤像が重ね合わされ多色画像が形成される。この多色画像は、従動ローラ219と第2転写バイアスローラ221とによって形成される2次転写位置において、搬送ローラ228、227、226、225によって搬送されてきた記録材に転写される。その後、定着装置25において、記録材は、その表面にカラー画像が定着処理される。なお、記録材は、例えば、記録媒体、用紙、シート、転写材、転写紙と呼ばれることもある。
図2Aは、実施例に係る書き込み光学ユニットの概略断面図である。図2Bは、実施例に係る書き込み光学ユニットの概略平面図である。発光素子アレー281は、4つの発光素子を備え、同時に4つのビーム(レーザ光)を照射できる。各ビームは、レンズ282を介して、回転するポリゴンミラー283の鏡面に照射される。ポリゴンミラー283は、ポリゴンモータによって回転駆動される。ポリゴンミラー283が1回転すると、感光体上を6回走査できる。これは、ポリゴンミラー283が6つの鏡面を備えているからである。ポリゴンミラー283により偏向されたビームは、まず、ビーム検知(以下BDと表記)素子286により検知される。BD検知素子286から出力されるBD信号が、各主走査ごとの露光開始のトリガーとなる。すなわち、対応する4つのラインに含まれる画素のデータが順次読み出され、4つの発光素子にそれぞれ印加される。fθレンズ284により、感光体上におけるビームの走査速度が一定となるように走査速度が補正される。その後、ビームは、平面ミラー285により偏向され、感光体を露光及び走査する。
図3は、実施例に係る制御系及び画像処理系についての例示的なブロック図である。読取系画像処理部301は、カラースキャナー1から出力される画像信号に対して、例えば、シェーディング補正などの画像処理を適用して、中央画像処理部305に渡す。中央画像処理部305は、画像メモリ304に画像信号を格納し、感光体間の距離を反映した適切なタイミングで出力系画像処理部306ないし309に画像信号を渡す。出力系画像処理部306は、イエロー(Y)用の画像処理部である。出力系画像処理部307は、マゼンタ(M)用の画像処理部である。出力系画像処理部308は、シアン(C)用の画像処理部である。出力系画像処理部309は、ブラック(K)用の画像処理部である。出力系画像処理部306〜309は、それぞれ、Y、M、C、Kの各色に応じた補正処理や補間処理を実行する。
中央画像処理部305は、電話回線、ネットワークなどに接続された外部インターフェース303を介して、データを送受信する。受信したデータがPDL(ページ記述言語)により記述されたデータであれば、PDL処理部302が画像情報に展開する。CPU310は、各部を統括的に処理する制御装置である。
図4は、実施例に係る出力系画像処理部の例示的なブロック図である。ラインバッファ401は、各色ごとに、複数のラインづつ、ラインに含まれる画素のデータを蓄積する蓄積手段の一例である。ラインバッファ401により記憶可能なラインの数は、例えば、ラインの最大ずれ幅に相当するライン数と、後段の補間処理演算に使用されるライン数との和である。例えば、最大ズレ幅が20ラインで、補間演算に使用されるライン数が1ラインであれば、ラインバッファ401のサイズは、21ラインとなる。ラインバッファ401は、1ラインを構成するすべての画素のデータがラインセレクタ402によって読み出されると、画像メモリ304に記憶されている次のラインのデータを蓄積する。
ラインセレクタ402は、ラインバッファ401に蓄積されている全てのデータを入力し、補正演算部404により指定されたデータを補間演算部403へ出力する。補正演算部404は、曲がり特性メモリ406からラインの乗り換え点の情報を読み出す。主走査カウンタ405によりカウントされた現在の主走査位置xがラインの乗り換え点に対応する値となると、補正演算部404は、読み出し対象ラインの乗り換えをラインセレクタ402に指示する。このように、補正演算部404は、走査手段により1ラインを走査する際に蓄積手段から読み出されるラインを予め定められた順序にしたがって乗り換えることで像担持体の主走査方向に沿って描かれる走査線の副走査方向への湾曲を補正する補正手段の一例である。
曲がり特性メモリ406には、感光体の主走査方向に沿って描かれる走査線の湾曲を補正するための乗り換え点の情報が工場出荷時等に取得されて格納されている。すなわち、曲がり特性メモリ406は、1ラインを構成する1番目の画素から最終番目の画素までのうち、乗り換え点となる画素の番号を、各色ごとに保持する保持手段の一例である。
補間演算部403は、ラインセレクタ402から出力されたデータに対して、補間演算を適用して出力する。なお、補間演算部403は、蓄積手段から読み出されるラインが乗り換えられる際の乗り換え点の前後に位置する1つ以上の画素のデータを補間する補間手段の一例である。補間演算部403は、例えば、補正演算部404から、補間演算に使用される補間区間の情報、各補間区間に適用される重み係数の情報などを取得して、補間演算を実行する。なお、重み係数も、曲がり特性メモリ406に記憶されていてもよい。
補正演算部404は、補間区間決定手段の一例であり、複数ある色のうちn番目の色について補間演算部403により補間される補間区間を決定する。例えば、補正演算部404は、n番目の色の乗り換え点から、この乗り換え点に対して最も近いm番目の色の乗り換え点までを補間区間として決定する。なお、m番目の色の乗り換え点の情報は、CPU310から取得される。CPU310は、各出力系画像処理部306ないし309の曲がり特性メモリ406から乗り換え点の情報を取得する。
[補間区間の決定方法]
図5は、実施例に係る補間区間の決定方法を説明するための図である。図中の左端が主走査の開始位置に相当し、右端が主走査の終了位置に相当する。すなわち、ビームは、感光体上を左から右へと走査することになる。
図5は、実施例に係る補間区間の決定方法を説明するための図である。図中の左端が主走査の開始位置に相当し、右端が主走査の終了位置に相当する。すなわち、ビームは、感光体上を左から右へと走査することになる。
ここでは、n番目の色に適用される補間区間を、n番目の色の乗り換え点とm番目の色の乗り換え点とから決定するものとする。図5では、n番目の色のラインと、m番目の色のラインとは、便宜上、副走査方向(主走査方向に対して直交する方向)においてずれているように示されている。しかし、実際には、副走査方向においてずれてはいない(ただし、色ずれや色むらなどの原因となる局所的なずれは存在しうる)。すなわち、双方のラインは、中間転写ベルト22上では、1つのラインとして重畳される。
図5によれば、n番目の色についての乗り換え点は、n1ないしn5となっている。一方、m番目の色についての乗り換え点は、m1ないしm4となっている。ここで、乗り換え点n1の補間区間は、前方区間v1aと、後方区間v1bとなっている。乗り換え点n2の補間区間は、前方区間v2aと、後方区間v2bとなっている。乗り換え点n3ないしn4も同様に示されている。
ここで、乗り換え点n1の補間区間のうち、後方区間v1bは、乗り換え点n1から、m番目の色の乗り換え点m1までの区間となっている。同様に、乗り換え点n2の補間区間のうち、前方区間v2aは、m色の乗り換え点m1から、n色の乗り換え点n2までの区間となっている。なお、後方区間v2bは、n色の乗り換え点n2から、m色の乗り換え点m2までの区間となっている。
このように、n番目の色について補間区間は、n番目の色の乗り換え点から、その乗り換え点に対して最も近いm番目の色の乗り換え点までとなっている。補間区間は、例えば、前方区間(例:v2b)と後方区間(例:v2b)とに分離できる。前方区間(例:v2a)は、n番目の色の乗り換え点(例:n2)から、この乗り換え点よりも走査の開始位置に近いm番目の色の乗り換え点(例m1)までとなる。一方、後方区間(例:v2b)は、n番目の色の乗り換え点(例:n2)から、この乗り換え点よりも走査の終了位置に近いm番目の色の乗り換え点(例:m2)までとなる。
m番目の補間区間については、次のようになる。前方区間(例:w1a)は、m番目の色の乗り換え点(例:m1)から、この乗り換え点よりも走査の開始位置に近いn番目の色の乗り換え点(例:n1)までの区間となる。一方、後方区間(例:w2b)は、m番目の色の乗り換え点(例:m1)から、この乗り換え点よりも走査の終了位置に近いn番目の色の乗り換え点(例:n2)までの区間となる。
なお、n番目の色に関する最初の前方区間v1aは、ラインの開始位置から、最初の乗り換え点n1までの区間となる。これは、n1番目の乗り換え点よりも開始位置に近いm番目の色の乗り換え点が存在しないからである。同様に、最終の後方区間v5bは、乗り換え点n5からラインの終了位置までの区間となる。乗り換え点n5よりも、ラインの終了位置に近いm番目の色の乗り換え点が存在しないからである。
ここで、乗り換え点n1やm1が、主走査方向における座標(その乗り換え点までに含まれる画素の数)によって表現されるものとすれば、図5に示されるn番目の色に関する補間区間は、次のとおりとなる。
v1a=|n1−0|
v1b=|m1−n1|
v2a=|n2−m1|
v2b=|m2−n2|
v3a=|n3−m2|
v3b=|m3−n3|
v4a=|n4−m3|
v4b=|m4−n4|
v5a=|n5−m4|
v5b=|pixel(max)−n5|
ここで、pixel(max)は、1ラインに含まれる画素の総数である。また、図5に示されるm番目の色に関する補間区間は、次のとおりとなる。
v1b=|m1−n1|
v2a=|n2−m1|
v2b=|m2−n2|
v3a=|n3−m2|
v3b=|m3−n3|
v4a=|n4−m3|
v4b=|m4−n4|
v5a=|n5−m4|
v5b=|pixel(max)−n5|
ここで、pixel(max)は、1ラインに含まれる画素の総数である。また、図5に示されるm番目の色に関する補間区間は、次のとおりとなる。
w1a=|m1−n1|
w1b=|n2−m1|
w2a=|m2−m2|
w2b=|n3−m2|
w3a=|m3−n3|
w3b=|n4−m3|
w4a=|m4−m4|
w4b=|n5−n4|
なお、上述したようにMCYKの4色が使用される場合は、1番目の色であるMと2番目の色であるCとの乗り換え点に基づいて、2番目の色の補間区間を決定すればよい。同様に、2番目の色であるCと3番目の色であるYとの乗り換え点に基づいて、3番目の色の補間区間を決定すればよい。3番目の色であるYと4番目の色であるKとの乗り換え点に基づいて、4番目の色の補間区間を決定すればよい。なお、1番目の色の補間区間は、4番目の色であるKと1番目の色であるMとの乗り換え点に基づいて決定すればよい。なお、これらは、一例に過ぎない。例えば、2番目の色の補間区間は、4番目の色と2番目の色との乗り換え点に基づいて決定してもよい。色ずれや色むらを緩和する観点から、補間区間を決定するための色の組み合わせを決定することが望ましいだろう。
w1b=|n2−m1|
w2a=|m2−m2|
w2b=|n3−m2|
w3a=|m3−n3|
w3b=|n4−m3|
w4a=|m4−m4|
w4b=|n5−n4|
なお、上述したようにMCYKの4色が使用される場合は、1番目の色であるMと2番目の色であるCとの乗り換え点に基づいて、2番目の色の補間区間を決定すればよい。同様に、2番目の色であるCと3番目の色であるYとの乗り換え点に基づいて、3番目の色の補間区間を決定すればよい。3番目の色であるYと4番目の色であるKとの乗り換え点に基づいて、4番目の色の補間区間を決定すればよい。なお、1番目の色の補間区間は、4番目の色であるKと1番目の色であるMとの乗り換え点に基づいて決定すればよい。なお、これらは、一例に過ぎない。例えば、2番目の色の補間区間は、4番目の色と2番目の色との乗り換え点に基づいて決定してもよい。色ずれや色むらを緩和する観点から、補間区間を決定するための色の組み合わせを決定することが望ましいだろう。
図6A、図6B及び図6Cは、実施例に係る画素の補間処理の一例を説明するための図である。とりわけ、図6Aによれば、ラインの乗り換えが実行される前の3つのラインと、それらに含まれる画素が示されている。ここでは、乗り換え点の前方には、それぞれラインの異なる3つの画素のデータB,C,Dが示されている。乗り換え点の後方には、それぞれラインの異なる3つの画素のデータb、c、dが示されている。図からわかるように、例えば、画素のデータBと画素のデータbは同一のi番目のラインに属しているものとする。同様に、画素のデータCと画素のデータcは同一のi+1番目のラインに属しているものとする。画素のデータDと画素のデータdは同一のi+2番目のラインに属しているものとする。
図6Bによれば、ラインの乗り換えが実行された後の各画素の位置関係が示されている。この例では、乗り換え点を境に、後方の画素のデータが上方のラインへと移動している。すなわち、図中の画素のデータAを含むi−1番目のラインを順番に読み出して行き、乗り換え点を過ぎると、画素のデータbを含むi番目のラインを順番に読み出して行くことになる。
図6Cによれば、画素補間の一例が示されている。画素のデータB’は、補間後の画素のデータを示している。例えば、画素のデータB’は、画素のデータAと第1重み係数αとの積と、画素のデータBと第2重み係数βとの積との和によって定義される。
B’=α・A+β・B
同様に、画素のデータd’は、i+3番目の画素のデータeと第1重み係数αとの積と、画素のデータdと第2重み係数βとの積との和によって定義される。
同様に、画素のデータd’は、i+3番目の画素のデータeと第1重み係数αとの積と、画素のデータdと第2重み係数βとの積との和によって定義される。
d’=α・e+β・d
ここで、第1重み係数α及び第2重み係数βは、乗り換え点からの距離に応じて変化することが望ましい。例えば、第1重み係数αは、オリジナルのラインに含まれる画素のデータに乗算される係数であるため、乗り換え点から遠ざかるにしたがって値が大きくなって行く。一方で、第2重み係数βは、下又は上のラインに含まれる画素のデータに乗算される係数であるため、乗り換え点から遠ざかるにしたがって値が小さくなる。これにより、乗り換え点付近で発生するジャギーが緩和される。
ここで、第1重み係数α及び第2重み係数βは、乗り換え点からの距離に応じて変化することが望ましい。例えば、第1重み係数αは、オリジナルのラインに含まれる画素のデータに乗算される係数であるため、乗り換え点から遠ざかるにしたがって値が大きくなって行く。一方で、第2重み係数βは、下又は上のラインに含まれる画素のデータに乗算される係数であるため、乗り換え点から遠ざかるにしたがって値が小さくなる。これにより、乗り換え点付近で発生するジャギーが緩和される。
図6D、図6Eは、実施例に係る画素の補間処理の一例を説明するための図である。図6Dによれば、ラインの乗り換えが実行された後の各画素の位置関係が示されている。図6Bでは、乗り換え点の後方に位置するラインが上方に移動していたが、図6Dでは、乗り換え点の後方に位置するラインが下方に移動している。どちらに移動させるかは、湾曲の特性によって決定される。
図6Eによれば、画素補間の一例が示されている。画素のデータD’、b’は、補間後の画素のデータを示している。例えば、画素のデータD’は、画素のデータEと第1重み係数αとの積と、画素のデータEと第2重み係数βとの積との和によって定義される。
D’=α・E+β・D
同様に、画素のデータb’は、画素のデータaと第1重み係数αとの積と、画素のデータbと第2重み係数βとの積との和によって定義される。
同様に、画素のデータb’は、画素のデータaと第1重み係数αとの積と、画素のデータbと第2重み係数βとの積との和によって定義される。
b’=α・a+β・b
図7は、実施例に係る補間区間の決定方法を示すフローチャートである。ここでは、動的に、補間区間を算出するものとする。ただし、工場出荷時等に、予め試験結果から補間区間を決定しておき、曲がり特性メモリ406に補間区間の情報を記憶しておいてもよい。
図7は、実施例に係る補間区間の決定方法を示すフローチャートである。ここでは、動的に、補間区間を算出するものとする。ただし、工場出荷時等に、予め試験結果から補間区間を決定しておき、曲がり特性メモリ406に補間区間の情報を記憶しておいてもよい。
ステップS701で、n番目の色を担当する出力系画像処理部に備えられた補正演算部404は、曲がり特性メモリ406から乗り換え点の情報を読み出す。
ステップS702で、補正演算部404は、m番目の色についての乗り換え点の情報を、n番目の色を担当する出力系画像処理部に備えられた曲がり特性メモリ406から乗り換え点の情報を読み出す。例えば、補正演算部404は、m番目の色についての乗り換え点の情報を送信するようCPU310に要求する。CPU310は、m番目の色を担当する出力系画像処理部に備えられた補正演算部404に対し、m番目の色についての乗り換え点の情報を送信するよう要求する。補正演算部404は、曲がり特性メモリからm番目の色についての乗り換え点の情報を読み出して、CPU310に送信する。CPU310は、受信したm番目の色についての乗り換え点の情報を、n番目の色を担当する出力系画像処理部に備えられた補正演算部404に送信する。なお、乗り換え点の情報には、例えば、乗り換え点の位置を示した情報(主走査方向における座標(画素の番号)など)が含まれている。
ステップS703で、n番目の色を担当する出力系画像処理部に備えられた補正演算部404は、予め定められた補間区間の決定ルールにしたがって、乗り換え点ごとの補間区間を決定する。予め定められた補間区間の決定ルールは、例えば、図5を用いて説明したルールなどがある。例えば、i(iは1ないし画素の総数)番目の乗り換え点niの位置から、その前後に位置するm番目の色の乗り換え点を抽出する。通常、m番目の色の乗り換え点は、2つ抽出されるが、最初の乗り換え点n1と、最後の乗り換え点とについては、1つだけ抽出されることがある。補正演算部404は、注目しているni番目の乗り換え点と、抽出された乗り換え点との間を補間区間(前方区間、後方区間)として決定する。なお、決定された補間区間の情報は、補間演算部403に送出される。
図8は、実施例に係る画素の補間方法を示すフローチャートである。ステップS801で、CPU310は、BD検知素子286からBD信号が出力されたか否かを判定する。BD信号が出力されと、CPU310は、主走査カウンタをリスタートするよう指示を、補正演算部404に送信する。その後、ステップS802へ進む。
ステップS802で、補正演算部404は、主走査カウンタ405をリスタートさせる。ステップS803で、ラインセレクタ402は、補正演算部404により指定されたラインに属する画素のデータをラインバッファ401から読み出して補間演算部403に出力する。また、主走査カウンタ405は、カウント値を1つインクリメントする。
ステップS804で、補正演算部404は、主走査カウンタ405のカウント値が、乗り換え点に相当する値であるか否かを判定する。なお、乗り換え点の位置情報は、曲がり特性メモリ406から読み出すものとする。乗り換え点でなければ、ステップS807に進む。一方、乗り換え点であれば、ステップS805に進む。
ステップS805で、補正演算部404は、読み出しラインを切り換えるようラインセレクタ402に指示する。なお、どのラインに切り換えるかの情報も、乗り換え点の位置情報とともに曲がり特性メモリ406に記憶されているものとする。補正演算部404は、曲がり特性メモリ406からどのラインに切り換えるかの情報を読み出して、ラインセレクタ402に通知する。ラインセレクタ402は、補正演算部404により指示されたラインを読み出し対象として選択する。
ステップS806で、補正演算部404は、補間区間の情報と重み係数の情報とを取得する。補正演算部404は、補間区間の情報と重み係数の情報とを曲がり特性メモリ406から読み出してもよいし、乗り換え点の位置情報などから動的に算出してもよい。補正演算部404は、重み係数αやβについても、予め決定された重み決定関数から、補間区間に位置する各画素に適用される重み係数を動的に算出してもよい。重み決定関数は、例えば、線形関数であってもよいし、非線形関数であってもよいが、いずれの場合であっても、ジャギー、色ずれ及び/又は色むらを緩和する観点から決定されることが望ましい。
ステップS807で、補正演算部404は、主走査カウンタ405のカウント値が、補間区間に相当する値であるか否かを判定する。補間区間であれば、ステップS808に進み、補間演算部403は、補正演算部404から取得した補間区間の情報及び重み係数から補間区間に属する画素のデータに対して補間演算を実行する。補間演算の方法は、例えば、図6A〜図6Eを用いて説明したとおりである。
一方、補間区間でなければ、ステップS809に進み、補正演算部404は、主走査カウンタ405のカウント値が、最終画素の番号を意味しているか否かを判定する。最終画素でなければ、ステップS803に戻る。最終画素であれば、ステップS801に戻る。
本発明によれば、各色ごとにラインの乗り換えと、乗り換え点付近の補間とを実行する際に、自色の乗り換え点から他色の乗り換え点までを補間区間とすることで、ラインの乗り換えに伴う、複数色間の色ずれや色むらの発生が低減される。
なお、乗り換え点の前後に補間区間が生じる。よって、乗り換え点の前方に位置する補間区間を前方区間として、乗り換え点の後方に位置する補間区間を後方区間として取り扱ってもよい。このような区分は、前方区間と後方区間とで、区間の長さ(含有される画素の数)や重み係数が異なる場合に役立つであろう。
また、曲がり特性メモリ406が、1ラインを構成する1番目の画素から最終番目の画素のうち、乗り換え点となる画素の番号を、各色ごとに保持することが好ましい。一般に、画像形成措置では、主走査方向における画素の番号をカウンタによりカウントする機能を備えている。よって、画素の番号を単位として乗り換え点を表現すれば、既存の画像形成装置に対しても本発明を適用しやすくなろう。なお、温度、湿度又は耐久年数などに応じて、異なる乗り換え点の情報が曲がり特性メモリ406に記憶されていてもよい。この場合、CPU310は、温度、湿度又は耐久年数を取得して、補正演算部404に渡す。補正演算部404は、現在の温度、湿度又は耐久年数に対応する乗り換え点の情報を曲がり特性メモリ406から読み出す。これにより、温度、湿度又は耐久年数などの環境条件に応じて、色ずれや色むらを緩和することができるであろう。
図6C、図6Eに示したように、補間演算部403は、補間対象の画素のデータと、副走査方向において補間対象の画素の上又は下に位置する画素のデータとを用いて補間処理を実行することが望ましい。副走査方向において隣り合った画素のデータは、相関性を有することが多い。よって、これらの画素のデータを用いて補間すれば、乗り換え点が目立ちにくくなる利点がある。
補間演算部403は、補間対象の画素のデータと第1重み係数との積と、補間対象の画素の上又は下に位置する画素のデータと第2重み係数との積との和を補間後の画素のデータとして算出してもよい。これらの重み係数は、LUT(ルックアップテーブル)などの記憶装置などに保持しておけば、動的に算出する手間が省ける利点がある。なお、温度、湿度又は耐久年数などに応じて、異なる係数がLUTに記憶されていてもよい。この場合、CPU310は、温度、湿度又は耐久年数を取得して、補正演算部404に渡す。補正演算部404は、現在の温度、湿度又は耐久年数に対応する重み係数をLUT(曲がり特性メモリ406)から読み出す。これにより、温度、湿度又は耐久年数などの環境条件に応じて、色ずれや色むらを緩和することができるであろう。
なお、切り換え点からの主走査方向における距離が遠ざかるにしたがって、第1重み係数は相対的に大きくなり、第2重み係数は相対的に小さくなるように設定されていてもよい。これは、ラインの乗り換えに伴う色ずれや色むらを緩和する観点からは望ましい。
なお、補正演算部404は、n色についての各重み係数を、n色についての各重み係数や補間区間の情報から更新してもよい。例えば、CPU310は、色ずれ量や色むら量を測定することで、色ずれや色むらが小さくなるよう重み係数を更新しても良い。この場合、経時変化や環境変動などにより曲がり特性が変化した場合であって、色ずれや色むらを緩和できる。また、細線の太さの均一性も維持できよう。色ずれや色むらの量は、例えば、パッチパターンを形成し、形成されたパッチパターンをCCDなどの読み取り装置により読み取ることで測定可能である。
実施例において、一例として、光学系の走査手段としてポリゴンミラーを用いた。しかし、本発明はこれにのみ限定されるわけではない。例えば、ガルバノミラー、EO(電気光学素子)など、他の走査手段が採用されてもよい。
以下では、画像形成対象が多色画像でるか又は単色画像であるかを判定することで、制御を切り替える技術について詳細に説明する。
上述したように、本発明のライン乗り換えや補間処理は、多色画像に対しては極めて有効である。その一方で、単色画像を形成する際にもそのままライン乗り換えや補間処理を適用してしまうと、ライン乗り換え箇所で段差が目立ってしまったり、補間処理によって画質が低下してしまう可能性がある。そこで、本発明では、多色画像を形成する際にはラインの乗り換えに伴う複数色間の色ずれや色むらの発生が低減し、単色画像を形成する際にはラインの乗り換えに伴う段差や補間に伴う画質の低下を緩和する。
図15は、実施例に係る出力系画像処理部の例示的なブロック図である。図15では、説明の便宜上、図4に示した出力系画像処理部の一部のみが示されている。CPU310は、多色画像を形成するか単色画像を形成するかを判定する判定部1501を備えている。また、CPU310は、多色画像を形成する場合には補正手段及び補間手段を機能させ、単色画像を形成する場合には補正手段及び補間手段を機能させないように制御する切替制御部1502を備えている。なお、判定部1501及び切替制御部1502の双方又は一方が出力系画像処理部306〜309に設けられてもよい。
図16は、実施例に係る画像形成方法の一部を示したフローチャートである。ステップS1601で、判定部1501は、色指定コマンドを受信する。ステップS1602で、判定部1501は、受信した色指定コマンドに基づいて、多色画像を形成するか単色画像を形成するかを判定する。単色画像であれば、ステップS1603に進む。
ステップS1603で、切替制御部1502は、ラインの乗り換えを無効とするようラインセレクタ402に指示するとともに、補間処理を無効とするよう補正演算部404に指示する。これにより、ラインの乗り換えや補間処理などがスキップされる。ステップS1604で、ラインセレクタ402は、入力されたラインデータをそのまま出力する。その後、ステップS1610で、画像形成が実行される。
一方、ステップS1602で、多色画像の形成が指定されたと判定されると、ステップS1605に進む。ステップS1605で、切替制御部1502は、ラインの乗り換えを有効とするようラインセレクタ402に指示するとともに、補間処理を有効とするよう補正演算部404に指示する。ステップS1606で、ラインセレクタ402がラインの乗り換えを実行するとともに、補正演算部404が補間処理を実行する。その後、ステップS1610で、画像形成が実行される。
以上説明したように、本実施例によれば、CPU310は、多色画像にラインの乗り換えや補間を適用し、単色画像にラインの乗り換えや補間を適用しないように制御する。これにより、多色画像については、ラインの乗り換えに伴う複数色間の色ずれや色むらの発生が低減される。一方で、単色画像については、単色画像を形成する際にはラインの乗り換えに伴う段差や補間に伴う画質の低下が緩和される。
なお、上記の制御は、ジョブ単位で実行されてもよいが、ページ単位で実行されてもよい。すなわち、1つのジョブは複数のページから構成されるが、複数のページのうち一部が多色画像で、他のページが単色画像となる場合があるからである。この場合、判定部1501は、ジョブの内容を分析し、毎ページごとに、多色画像を形成するか単色画像を形成するかを判定する。また、切替制御部1502は、毎ページごとに、判定部1501の判定結果に応じて補正手段及び補間手段を機能させるか否かを制御する。これにより、多色画像と単色画像が混在するジョブにおいても好適な結果が得られるようになる。すなわち、多色画像については、ラインの乗り換えに伴う複数色間の色ずれや色むらの発生が低減され、単色画像については、単色画像を形成する際にはラインの乗り換えに伴う段差や補間に伴う画質の低下が緩和される。
Claims (10)
- 複数の色を重ね合わせて多色画像を形成したり、単一の色で単色画像を形成したりする画像形成装置であって、
各色ごとに、複数のラインづつ、該ラインに含まれる画素のデータを蓄積する蓄積手段と、
各色ごとに設けられた像担持体と、
各色ごとに前記蓄積手段から読み出された画素のデータにより変調されたビームを用いて、対応する前記像担持体を走査する各色ごとに設けられた走査手段と、
前記走査手段により1ラインを走査する際に、前記蓄積手段から読み出されるラインを予め定められた順序にしたがって乗り換えることで、前記像担持体の主走査方向に沿って描かれる走査線の副走査方向への湾曲を補正する補正手段と、
前記読み出されるラインを乗り換える際の乗り換え点の前後に位置する1つ以上の画素のデータを補間する補間手段と
を含み、さらに、
多色画像を形成するか単色画像を形成するかを判定する判定手段と、
前記多色画像を形成する場合には前記補正手段及び前記補間手段を機能させ、前記単色画像を形成する場合には前記補正手段及び前記補間手段を機能させないように制御する制御手段と
を含むことを特徴とする画像形成装置。 - 前記判定手段は、
毎ページごとに、多色画像を形成するか単色画像を形成するかを判定するように構成されており、
前記制御手段は、
毎ページごとに、前記判定手段の判定結果に応じて前記補正手段及び前記補間手段を機能させるか否かを制御するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記複数の色のうちn番目の色について前記補間手段により補間される補間区間を、前記n番目の色の乗り換え点から、該乗り換え点に対して最も近いm番目の色の乗り換え点までとする補間区間決定手段
をさらに含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。 - 前記補間区間決定手段は、前記n番目の色の乗り換え点から、該乗り換え点よりも走査の開始位置に近い前記m番目の色の乗り換え点までの前方区間と、前記n番目の色の乗り換え点から、該乗り換え点よりも走査の終了位置に近い前記m番目の色の乗り換え点までの後方区間とを、前記補間区間として選択することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
- 1ラインを構成する1番目の画素のデータから最終番目の画素のデータまでのうち、前記乗り換え点となる画素の番号を、各色ごとに保持する保持手段をさらに含み、
前記補正手段、前記補間手段、及び前記補間区間決定手段は、前記保持手段から前記乗り換え点となる画素の番号を読み出すことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記補間手段は、補間対象の画素のデータと、副走査方向において該補間対象の画素の上又は下に位置する画素のデータとを用いて補間処理を実行することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記補間手段は、前記補間対象の画素のデータと第1重み係数との積と、前記補間対象の画素の上又は下に位置する画素のデータと第2重み係数との積との和を補間後の画素のデータとして算出することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
- 前記第1重み係数と前記第2重み係数とを記憶した記憶手段をさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
- 前記乗り換え点からの主走査方向における距離が遠ざかるにしたがって、前記第1重み係数は相対的に大きくなり、前記第2重み係数は相対的に小さくなるように設定されていることを特徴とする請求項7又は8に記載の画像形成装置。
- 複数の色を重ね合わせて多色画像を形成する画像形成方法であって、
各色ごとに、複数のラインづつ、該ラインに含まれる画素のデータを蓄積する蓄積工程と、
各色ごとに読み出された前記画素のデータにより変調されたビームを用いて対応する像担持体を走査する各色ごとの走査工程と、
前記走査工程において1ラインを走査する際に、読み出し対象ラインを予め定められた順序にしたがって乗り換えることで、前記像担持体の主走査方向に沿って描かれる走査線の副走査方向への湾曲を補正する補正工程と、
前記読み出し対象ラインが乗り換えられる際の乗り換え点の前後に位置する1つ以上の画素のデータを補間する補間工程と
を含み、さらに、
多色画像を形成するか単色画像を形成するかを判定する判定工程と、
前記多色画像を形成する場合には前記補正工程及び前記補間工程を実行し、前記単色画像を形成する場合には前記補正工程及び前記補間工程をスキップするように制御する制御工程と
を含むことを特徴とする画像形成方法。
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