以下、本発明の実施形態を説明するが、本発明の実施形態は、以下の実施形態に限定されるものではない。なお、以下に説明する実施形態では、画像処理装置を含む画像形成装置の一例として、エンジン制御部を含む複合機を用いて説明する。
図1は、本実施形態の複合機の概略構成を示す図である。図1に示す複合機1では、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンダ(M)およびイエロー(Y)の各色毎に、感光体ドラム3と、感光体ドラム3に電荷を帯電させる帯電ローラ4と、現像剤を保持する現像装置7とが、中間転写ベルト2に沿って並んで配置されている。さらに、複合機1では、上記各色毎に、レーザ・ダイオードなどの光照射装置6と、モータにより高速定速度で回転駆動され、光照射装置6から出射された光ビームを感光体ドラム3上に走査するポリゴンミラー5とが設けられている。図1は、いわゆるタンデム方式の多色画像形成機能を備えた複合機の実施形態を例示する。
画像形成処理に際しては、まず感光体ドラム3a,3b,3c,3d上に、それぞれ帯電ローラ4a,4b,4c,4dにより負の電荷を付与し、一様に帯電する。書込画像信号に応じて光照射装置6a,6b,6c,6dからそれぞれ光ビームが出力され、レンズ、ミラーおよびポリゴンミラー5a,5b,5c,5dを含む光学系を通して、帯電した感光体ドラム3a,3b,3c,3dの表面に照射される。これにより、光ビームの照射の有無および露光量に応じた電位分布が書き込まれる。感光体ドラム3への光ビームの照射は、上述したように複数の光学要素を使用して行われるため、感光体ドラム3に対する主走査方向および副走査方向に関して、タイミング同期が行われている。以下、光ビームの走査方向を主走査方向とし、主走査方向に対して直交する方向、すなわち、感光体ドラム3の回転する方向を、副走査方向として参照する。
各静電潜像は、スキャナやパーソナルコンピュータから送信されたデータを処理した後に生成されるK、C、M、Y各色の書込信号に応じて、光ビームをオンオフ制御することによって形成される。形成された各静電潜像は、感光体ドラム3a,3b,3c,3dが回動するにつれて現像装置7a,7b,7c,7d方向へと搬送され、現像剤により現像される。そして、書きこみ信号に応じた現像剤像が感光体ドラム3上に形成され、担持される。
一方、感光体ドラム3a,3b,3c,3dの下方には、搬送ローラ10,11に張架された中間転写ベルト2が中間転写体として配置されている。中間転写ベルト2は、図示の矢印方向に回転され、その裏側に一次転写ローラ9a,9b,9c,9dが接触し、それぞれ接続された図示しない電源によって1次バイアスが印加されている。現像剤像は、感光体ドラム3が回動するにつれて、中間転写ベルト2側に搬送され、一次転写ローラ9により感光体ドラム3と中間転写ベルト2とが接する位置で中間転写ベルト2上に転写される。各色の現像剤像は、位置を合わせて重畳され、中間転写ベルト2上に多色現像剤像が形成される。感光体ドラム3の現像剤像の転写が完了した部分は、外周面に残留した現像剤が感光体クリーナにより払拭された後、除電装置により除電され、次の像形成プロセスへと供給される。
中間転写ベルト2上に転写された多色現像剤像は、二次転写部の転写ローラ14方面に搬送される。一方、給紙カセット内にセットされた紙などのシート状の部材である転写材が、搬送ローラ16のところから、画像書込みに合わせて適切なタイミングにて、転写ローラ14方面に送出される。
転写ローラ14には、電源から電荷が供給され、ローラ12とともに、給紙された転写材に中間転写ベルト2上の現像剤像を一括して転写する。転写材は、中間転写ベルト2に接する位置まで搬送され、多色現像剤像の転写を受ける。多色現像剤像が形成された転写材は、ローラ14,15に張架された二次転写ベルト13により、加熱された定着装置17の加熱定着ローラおよび加圧ローラ18との間のニップ部に供給される。そして、転写材と多色現像剤像とが加熱加圧され、保持された現像剤像が転写材上に定着する。
定着後の転写材は、所定の搬送経路に沿って、排紙ローラにより排紙トレイ19上へ排紙される。多色現像剤像を転写した後の中間転写ベルト2は、クリーニングブレードなどにより残留した現像剤が除去された後、次の像形成プロセスへと供給される。
本実施形態では、さらに、搬送ローラ10の近傍に、中間転写ベルト2上に検知センサ25が設けられており、検知センサ25により、多色の現像剤像を形成する際の画像形成条件を補正するためのパターン画像が検出される。補正するためのテストパターン画像は、位置ずれ補正用テストパターン画像と、濃度補正用テストパターン画像とを含むことができる。
上記検知センサ25は、それぞれ反射型フォトセンサなどのこれまで知られた如何なる検出センサを用いることができる。画像調整時には、検知センサ25でテストパターン画像を検出し、検出結果に基づいて、基準色に対する各色のスキュー量(走査ラインの傾きや曲がり)量、主走査レジストずれ量、副走査レジストずれ量および主走査倍率誤差を含む各種のずれ量が算出される。さらに、その算出結果に基づいて画質調整に係る各種のずれ量を補正する各種の補正量が計算される。そして、計算された補正量に基づいて、補正された画像形成条件(位置ずれ補正条件および濃度補正条件)が設定される。
図2は、その上に位置ずれ補正用テストパターン画像26が形成された状態の中間転写ベルト2および感光体ドラム3a〜3dを示す上面図である。図1に示したタンデム型の複合機1においては、その構成上、各色の画像を高度に位置合わせする必要がある。説明する実施形態の複合機1は、転写材に対して実際のカラー画像形成動作を行うに先立ち、各色の位置ずれ補正を行う。
位置ずれ補正では、まず、中間転写ベルト2上に各色の位置ずれ補正用テストパターン画像26を形成し、これを検知センサ25で検出する。図2に示す実施形態では、2つの検知センサ25a,25bを中間転写ベルト2における主走査方向の両端に配置し、中間転写ベルト2上には、検知センサ25a,25b各々の配置位置に対応させてテストパターン画像26a,26bを形成する。テストパターン画像26a,26bは、中間転写ベルト2の回転に伴い移動し、検知センサ25a,25bの検知位置を通過することによって検出される。テストパターン画像26a,26bが検出されると、その検出結果から、上述した各種のずれ量や補正量が演算され、各位置ずれ成分の補正が行われる。
図3は、本実施形態における書き込み制御および位置ずれ補正を実行する、複合機1のエンジン制御部100を中心として示すブロック図である。図3に示すエンジン制御部100は、上述した検知センサ25に接続されるパターン検知部102と、CPU(Central Processing Unit)104と、RAM(Random Access Memory)106と、画像処理部108と、書き込み全体制御部110とを含み構成される。
パターン検知部102は、接続された検知センサ25からの検知信号の入力を受けて、CPU104に信号出力する。CPU104は、図示しなROMに格納されたプログラムを読み出し、RAM106を作業領域として展開してプログラムを実行し、書き込み全体制御部110およびエンジン制御部100の全体制御を実行する。
画像処理部108は、プリンタコントローラ112およびスキャナ・コントローラ114と相互に通信する。プリンタコントローラ112は、図示しない外部ホスト・コンピュータからのプリント画像を受信し、処理して、画像処理部108へ転送する。スキャナ・コントローラ114は、複合機1が備えるスキャナ・ユニットからのスキャン画像を受信し、処理して、画像処理部108へ転送する。画像処理部108は、各画像データに応じた種々の画像処理を行い、各色毎の画像データに変換し、書き込み全体制御部110に転送する。
書き込み制御110は、KMCYの各色毎の入力画像制御部116K,116M,116C,116Yと、各色毎のラインメモリ118K,118M,118C,118Yと、各色毎の書き込み全体制御部120K,120M,120C,120Yとを含む。各色書き込み全体制御部120には、それぞれ、画像処理部108から、入力画像制御部116を経由して、画像を書き込むために必要なデータが入力される。
各色書き込み全体制御部120は、各色毎に印字タイミングを生成し、副走査タイミングに合わせて画像データを受け取り、各種書き込み画像処理を施した後、レーザ・ダイオード(以下、LDと参照する。)制御データに変換し、LD制御部130に出力する。
図3には、さらに、K色書き込み全体制御部120Kが代表して、各色書き込み全体制御部120の詳細な機能ブロックが示されている。図3に示す各色書き込み全体制御部120は、スキュー補正処理部122と、書き込み画像処理部124と、LDデータ出力部126と、補正パターン生成部128とを含み構成される。
各色書き込み全体制御部120の前段に設けられた入力画像制御部116は、画像処理部108からの各色毎の画像データの入力を受けて、ラインメモリ118をトグル動作させながら、画像データを1ライン毎にスキュー補正処理部122に送出する。画像データは、スキュー補正処理部122にて、詳細を後述するスキュー補正が施された後、書き込み画像処理部124に転送される。書き込み画像処理部124で処理された画像データは、LDデータ出力部126に転送される。LDデータ出力部126は、画像データを、レーザ・ダイオードの変調信号(LD制御データ)に変換し、LD制御部130に出力する。LD制御部130は、変調信号に基づき光照射装置6に駆動信号を出力し、レーザ・ダイオードなどの発光制御を行う。光照射装置6のレーザ・ダイオードは、駆動信号に基づいて発光し、これにより、感光体ドラム3上に画像を書き込む。
テストパターン画像を印字する場合は、各色毎の補正パターン生成部128が、各テストパターン画像データを生成し、LDデータ出力部126に転送する。テストパターン画像データは、LDデータ出力部126でLD制御データに変換された後、後段のLD制御部130に出力され、光照射装置6のレーザ・ダイオードによって感光体ドラム3上に書き込まれる。
なお、画像データは、画像処理部108で階調処理された後、高解像度化されてもよい。この場合、書込解像度の解像度変換は、入力画像制御部116または画像処理部108で行うことができる。この解像度変換により、例えば、入力解像度600dpiの画像データを、主走査ラインアドレスおよび副走査ラインアドレスで2分割し、解像度1200dpiの画像データに変換することができる。この場合、解像度変換後の画像データが1ライン毎にスキュー補正処理部122に入力され、変換後の解像度単位でスキュー補正が行なわれることになる。
なお、図3においては、画像データは、1ライン単位でスキュー補正処理部122に入力されるものとして説明したが、画像データの入力方法は、これに限定されるものではなく、複数ライン単位で入力する態様としてもよい。さらに、補正パターン生成部128がLDデータ出力部126にテストパターン画像データを転送するものとして説明したが、テストパターン画像データの転送方法は、特に限定されるものではない。入力画像制御部116、スキュー補正処理部122または書き込み画像処理部124にテストパターン画像データを転送する態様であってもよい。
さらに、図3の説明では、すべての色の書き込み全体制御部120K,120M,120C,120Yにスキュー補正処理部122K,122M,122C,122Yを設けるものとして説明した。しかしながら、他の実施形態では、いずれかの一色を基準色として、その基準色の書き込み全体制御部120にスキュー補正処理部122を設けない構成としてもよい。またさらに、上述した説明では、KMCYのトナー4原色の多色画像形成装置を一例として説明したが、2種類以上の任意の数の現像剤を用いる画像形成装置としてよい。
以下、図4〜図7を参照しながら、スキュー補正処理部122で行われる、位置ずれ補正用テストパターン画像を用いたスキュー補正について説明する。本実施形態の複合機1では、スキュー補正処理部122において、上記テストパターン画像の検出結果に基づいて、画像データを主走査方向に領域分割し、画像データを分割された領域間で副走査方向にシフトさせる。これによって、主走査ラインの傾きや曲がりを補正する。
図4は、位置ずれ補正用テストパターンを複数の検知センサ25によって検知し、スキュー量を求める方法を説明する図である。図4(A)および(B)は、主走査方向の両側に配置された2つの検知センサ25L,25Rを用いる場合を例示し、図4(C)および(D)は、主走査方向の両側および中央に配置された3つの検知センサ25L,25C,25Rを用いる場合を例示する。
テストパターン画像26L,26Rは、両端の検知センサ25R,25Lで検知され、得られた信号は、パターン検知部102によってアナログ・データからデジタル・データへと変換される。サンプリングされたデータは、RAM106に格納され、補正量演算のために参照される。テストパターン画像26の検知処理が一通り終了した後、CPU104は、格納されていたデータを用いて、種々のずれ量(主走査倍率、主走査レジスト、副走査レジスト、スキュー)を算出するための演算処理を行い、そのずれ量から各ずれ成分の補正量を算出する。
主走査ラインの傾き補正を行う場合、基準色をK色とすると、まずK色に対する各色のスキュー量が求められる。例えば、図4(B)に示すように、C色の右側が下にずれている場合、C色のスキュー量は、下記式(1)で計算される。下記式中、KC_Skewは、K色を基準としたC色のスキュー量を表し、KC_Rは、図面右側のK色とC色のパターン要素間の間隔を表し、KC_Lは、図面左側のK色とC色のパターン要素間の間隔を表す。
(数1)
KC_Skew=KC_R−KC_L …(1)
主走査ラインの曲がり補正を行う場合、3つ以上のパターンを主走査方向に配置し、3つ以上の検知センサ25によってパターンを検知し、主走査方向で区分した各区間毎にスキュー量を求め、スキュー補正量を算出する。
例えば、図4(C)に示すように、3つのテストパターンを3つの検知センサ25L,25C,25Rによって検知する場合、検知センサ25L,25C間でのスキュー量と、検知センサ25C,25R間のスキュー量とをそれぞれ求める。図4(D)に示すように、M色の主走査ラインが、画像中央で下にずれている場合、M色の曲がり量(各スキュー量)は、下記式(2)および(3)で計算される。下記式中、KM_Skew1は、検知センサ25L,25C間でのK色に対するスキュー量を表し、KM_Skew2は、検知センサ25C,25R間でのスキュー量を表す。また、KM_Rは、図面右側のK色とM色のパターン要素間の間隔を表し、KM_Cは、図面中央のK色とM色のパターン要素間の間隔を表し、KM_Lは、図面左側のK色とM色のパターン要素間の間隔を表す。
(数2)
KM_Skew1=KM_C−KM_L …(2)
KM_Skew2=KM_C−KM_R …(3)
図5および図6は、上記で測定されたスキュー量に基づき、スキュー補正量を計算し、スキュー補正する処理を説明する図である。図5は、図4(A)および(B)で説明したような主走査ラインの傾きを補正する場合を例示する。
図5(A)に示す入力画像を考えると、この入力画像がそのままLD制御データに変換され出力された場合、走査ビームのスキューにより、例えば図5(B)に示すように、主走査ラインが傾いて形成されることになる。図5(B)では、図5(A)の入力画像と比較して、転写部材上で右上がりに3ライン相当量ずれていることが示されている。
図5(B)のように、右上がりに3ライン相当量のスキューが生じている場合は、まず主走査ラインを4等分(スキュー量(ライン換算)+1で分割)に領域分割する。そして、図5(C)に示すように、画像データ上で、左側から右側へ順に各領域を1ラインずつ下にシフトさせたスキュー補正画像を生成する。図5(C)に示すように、画像データを副走査方向で右下がりにシフトさせることにより、画像形成時には、走査ビームの右上がりのスキューが相殺されて、図5(D)に示すように、実際の転写部材上では、各ラインの左右の画像位置が平行になるように画像形成されることになる。
図6は、図4(C)および(D)で説明したような主走査ラインの曲がり(各区間のスキュー)を補正する場合を示す。図6(A)に示す入力画像を考えると、この入力画像がそのままLD制御データに変換され出力された場合、走査ビームの曲がりにより、図6(B)に示すように、曲がった主走査ラインが形成される。図6(B)では、図6(A)の入力画像と比較して、中央で下に1ライン相当量ずれていることが示されている。
図6(B)に示すように中央で下に1ライン相当量ずれている場合、まず主走査ラインを、左端から中央までの区間において2等分(当該区間のスキュー量(ライン換算)+1)に領域分割し、中央から右端までの区間において2等分(当該区間のスキュー量(ライン換算)+1)に領域分割する。そして、このような領域分割をした上で、図6(C)に示すように、画像データ上で、左端−中央区間は、左側の領域から右側の領域へ1ライン上にシフトさせ、中央−右端区間は、左側から右側へ1ライン下にシフトさせ、スキュー補正画像を生成する。図6(C)に示すように、画像データを副走査方向で右上がりにシフトさせて、続いて右下がりにシフトさせることにより、実際の転写部材上では、図6(D)に示すように、各ラインの左右中央の画像位置が平行になるように画像形成されることになる。
すなわち、2つの検知センサ25により規定される各区間について、測定されたスキュー量(ライン)の符号を反転した値がスキュー補正量となる。そして、各区間において、スキュー補正量に1加算した数で主走査ラインを領域分割し、スキューする方向とは逆方向へ画像を1ラインずつシフトさせることによって、好適にスキューが相殺するように補正することができる。検知センサ25が両端に設けられている場合は、図5に示したように主走査ラインの傾きを補正することができる。さらに両端間に1以上の検知センサ25が設けられる場合は、図6に示したように主走査ラインの曲がりを補正することができるようになる。
図7(A)は、測定された各色のスキュー量を示すテーブルである。図7(B)は、図7(A)で示すスキュー量から計算されたスキュー補正量を示すテーブルである。ここでは、K色を基準色としてスキュー量およびスキュー補正量が計算されている。図7(A)および(B)は、副走査方向の解像度が1200dpiである場合を例示しており、この場合、1ライン当たりの移動量は、21.15[um]となる。図7(B)に示すスキュー補正量は、それぞれのスキュー量[um]を1ラインあたりの移動量(21.15[um/ライン])で割って、整数単位の値にし、符号を反転させることによって得られた値である。
実際のスキュー補正処理では、ラインメモリ118に入力画像データを順次蓄積しておき、MCY各色のスキュー補正処理部122M,122C,122Yで、分割した各領域で、どのラインメモリのデータを読み出すかを切り替える。これによって、図5(C)または図6(C)に示すような、分割領域間で副走査方向に画像シフトされたスキュー補正画像を生成する。そのため、各区間のスキュー補正量に基づき、主走査方向でのシフト位置のアドレスと、各シフト位置で上下(副走査方向で+方向または−方向)いずれかのシフト方向とを求めればよい。図7(C)および(D)は、各シフト位置のアドレスおよび各シフト位置でのシフト方向を含む補正データを例示する。
図5を参照して補足すると、図5の例では、主走査方向の画素数を4800画素とすると、右上がりに3ライン相当量ずれているため、1200画素目、2400画素目、3600画素目で、それぞれ1ラインずつ下にシフトさせることになる。図5(C)に示すように、1ライン目は、0から1199画素まで1本目のラインメモリの画像データを出力し、1200画素から4800画素までは、白画素を出力する。2ライン目は、0から1199画素までは2本目のラインメモリ画像データを出力し、1200から2399画素までは、1本目のラインメモリ画像データを出力し、2400から4800画素までは、白画素を出力する。以降は同様の動作を繰り返す。
なお、上述した、テストパターンを用いた各色のスキュー量の測定および各色のスキュー量の演算は、複合機1が起動した時、省電力モードからの復帰した時、前回の補正から一定時間経過した時、一定以上の環境温度変化を検知した時、一定時間以上アイドル状態が経過した時等に、他のずれ成分の補正処理とともに行われる。演算されたスキュー補正量は、他の補正量と共に不揮発性メモリなどに一旦保存される。保存されたスキュー補正量を含む各種補正値は、次回の補正処理が行われるまで、画像形成動作時の補正量として使用される。画像形成動作時には、印刷要求が発生したことに応答して、各種補正量が読み出されて、画像形成条件が設定され、印刷処理が開始される。なお、例えば主走査倍率補正、主走査レジスト補正、副走査レジスト補正などスキュー補正以外の補正については、種々の公知技術を適用すればよい。
上述したスキュー補正では、主走査方向を複数の領域に分割し、各領域毎に画像データを、傾きが発生する方向とは逆の副走査方向にシフトさせる。これにより、傾き等が相殺されるように予め画像シフトさせた画像データに基づいて光源の点灯制御が行われるので、転写材上で実際に画像形成される傾きや曲がりを軽減することができる。しかしながら、種々の条件で画像形成した印刷物の品質を検討してみると、ディザマトリクスの形状如何によっては、上述したシフト位置前後での色むらが発生する場合がある。そして、この色むらは、特にスクリーン角を有するディザマトリクスを用いた場合に、より具体的には、スクリーン角を有する万線形状のディザマトリクスを用いた場合に顕著となる。
図8および図9は、万線形状のディザマトリクスを用いた場合のシフト位置近傍の色むらの発生原理を説明する図である。図8(A)および図9(A)は、シアン画像データを示し、図8(B)および図9(B)は、マゼンダ画像データを示す。図8(C)および図9(C)は、副走査方向のシフトが行われる分割境界(シフト位置)前後のシアンおよびマゼンダの重ね合わせ画像を模式的に示す。なお、図8および図9の両方の場合において、上述したスキュー処理は、シアン(C)に対してのみ行われているものとする。
図8および図9において、シアンの万線部分は、右上がりストライプのハッチングで示され、マゼンダの万線部分は、右下がりストライプのハッチングで表されている。図8(C)および図9(C)の重ね合わせ画像において、シアンおよびマゼンダが重なり合う部分は、スクエア・ドットのハッチングで表されている。
図8は、シアン(C)およびマゼンダ(M)それぞれのスクリーン角が比較的低い場合を例示する。より具体的には、図8(A)に示すシアンのスクリーン・パターンのスクリーン角は、34°であり、図8(B)に示すマゼンダのスクリーン角は、−34°である。これに対して、図9は、シアン(C)およびマゼンダ(M)それぞれのスクリーン角が比較的高い場合を例示する。より具体的には、図9(A)に示すシアンのスクリーン角が56°であり、図8(B)に示すマゼンダが−56°である。ここで、スクリーン角は、水平軸(主走査方向)に対し、スクリーン形状がなす角度として定義される。万線スクリーンの場合は、万線(ライン)が走る方向のなす角度である。
図8(C)および図9(C)を比較すると、シアンとマゼンダの重なり部分(スクエア・ドットで示す部分)のシフト位置前後での変動量が、スクリーン角に応じて異なっていることが理解される。すなわち、スクリーン角が比較的低い図8(C)の場合の方が、スクリーン角が比較的高い図9(C)の場合よりも上記重なる部分の変動量が大きくなっている。ここで、重なり部分の変動量が大きいということは、シフト位置近傍で比較的大きな濃度段差が生じ、人間に色むらとして認識され易くなることを意味する。
上述したように、複数色を重ねて表現する階調画像においては、スキュー補正での1ラインのシフトにより、シフト位置前後で画素の重なり方が変化し、シフト位置近傍で濃度段差つまり色むらとなって表れる。このシフト位置近傍の色むらは、特に、スクリーン角が低い階調処理画像同士の場合により顕著となり、さらに解像度が低い場合により顕著となる。またスクリーン角の組合せによっても色むらの発生しやすさが変わってくる。
そこで、本実施形態によるスキュー補正処理では、特にスクリーン角が低い階調処理が行われた部分に対し、上述した濃度段差が軽減されるように画素の濃度補正を施す構成を採用する。なお、以下の説明では、万線形状のディザマトリクスを一例として用いて説明するが、本実施形態によるスキュー処理が適用できるスクリーン・パターンは、万線形状に限定されるものではない。例えば、ドット集中型や、網点型のディザマトリックスなどの場合も同様に、スクリーン角を定義することができ、好適にシフト位置近傍の色むら発生を軽減することが期待される。
以下、図10〜図21を参照しながら、本実施形態における、シフト位置近傍での濃度補正を伴うスキュー補正について、より詳細に説明する。図10は、本実施形態によるスキュー補正処理部122の詳細な機能ブロックを示す。図10に示すスキュー補正処理部122は、データセレクタ140と、スキュー出力制御部142と、濃度補正処理部144とを含み構成される。
スキュー補正処理部122には、複数のラインメモリ118からライン毎の画像データ(RAMDATA00〜xx)が入力されている。スキュー出力制御部142は、上述した演算に基づき設定されたスキュー補正データ(シフト位置およびシフト方向)に基づいて、データセレクタ140に対し選択信号を出力する。データセレクタ140は、スキュー出力制御部142からの選択信号に基づいて、複数のラインメモリ118のうちから選択されたラインメモリの画像データを読み出し、上述した画像シフトによるスキュー補正を施し、補正されたライン毎の画像データ(SKLINE0〜6)を濃度補正処理部144に出力する。
図10に示す実施形態では、データセレクタ140は、その処理対象となるラインと、その上下3ラインずつの合計7ラインの画像データ(SKLINE0〜6)を後段の濃度補正処理部144に出力する。説明する実施形態では、濃度補正処理部144において、この合計7ライン分の画像データを用いて濃度補正処理が行われるものとして説明するが、これに限定されるものではない。他の実施形態では、濃度補正処理部144で行われる濃度補正処理で必要となる数が満たされる限り、2以上の任意のライン数としてよい。
上記スキュー出力制御部142は、濃度補正を行う対象の範囲を指定するため、さらに濃度補正処理部144に対し、補正エリア幅信号を出力する。ここで、補正エリア幅信号は、主走査方向において濃度補正の単位となる画素数である補正エリア幅を示す信号であり、シフト位置近傍においてどの程度の範囲に対して濃度補正を施すかを規定するものである。スキュー出力制御部142は、事前設定された補正幅設定データを参照して、一意に、前段で行われた中間調処理のスクリーン・パターンの種類、または例えば原稿が写真であるかドキュメントであるかといった動作モードに応じて、補正エリア幅を決定することができる。濃度補正が行われる対象となる主走査方向の範囲(以下、補正対象範囲という。)は、シフト位置と、補正エリア幅とに基づいて規定される。
濃度補正処理部144は、スキュー補正によって生じ得る色むらを低減するための濃度補正処理を行う手段である。濃度補正処理部144は、入力されるシフト位置および補正エリア幅信号に基づいて補正対象範囲を特定し、入力された複数ラインの画像データ(SKLINE0〜6)を用いて、濃度補正処理を施し、ライン単位で画像データを書き込み画像処理部124に出力する。
図11は、濃度補正処理部144の詳細な機能的構成を示すブロック図である。図11に示す濃度補正処理部144は、寄せ方向判定処理部150と、加重平均処理部152と、スクリーン判定処理部154と、主走査方向画素寄せ補正処理部156とを含み構成される。
寄せ方向判定処理部150、加重平均処理部152およびスクリーン判定処理部154には、それぞれ、濃度補正処理部144に入力される画像データ(SKLINE0〜6)と、シフト位置およびシフト方向を規定する信号とが入力される。
また、寄せ方向判定処理部150、加重平均処理部152、スクリーン判定処理部154および主走査方向画素寄せ補正処理部156には、上記スキュー出力制御部142から補正エリア幅信号が入力され、それぞれの機能部において、入力される画像データのうちの補正対象範囲が特定される。補正対象範囲は、領域分割にかかる境界(シフト位置)に隣接して設定される。しして、特に限定されるものではないが、説明する実施形態では、スキュー出力制御部142により、シフト位置より補正エリア幅信号で指定される画素数分手前の画素から、シフト位置の画素までの範囲が補正対象範囲として設定される。スキュー補正において3以上の領域に分割される場合は、各シフト位置に対して各補正対象範囲が設定される。
加重平均処理部152は、上記補正対象範囲において、隣接する分割領域間のシフトに基づき、副走査方向に並ぶ複数の画素を参照し、平均濃度値を計算し、濃度演算結果を主走査方向画素寄せ補正処理部156に出力する。加重平均処理部152は、本実施形態における平均濃度計算手段を構成する。
ここで、加重平均処理部152の役割は、補正対象範囲が設定されたシフト位置を境界として上記スキュー補正により所定の画像シフト操作が行われている場合において、補正対象範囲の元画像と、元画像に上記所定の画像シフト操作が反映されたとした場合の画像との中間を表す平均画像を生成することである。平均処理で参照する画素は、上記補正対象範囲が隣接する領域境界での画像シフト(シフト方向)に応じて切り替えられる。
スクリーン判定処理部154は、上記補正対象範囲に含まれる画素を、順次、注目画素として、注目画素が、補正対象として事前設定されたスクリーン画像を構成するものであるか否かを判定し、判定結果を主走査方向画素寄せ補正処理部156に出力する。スクリーン判定処理部154は、本実施形態におけるスクリーン判定手段を構成する。
特定の実施形態では、スクリーン判定処理部154は、注目画素毎に、注目画素と注目画素の周辺画素との濃度配置を被照合パターンとして、事前設定された補正対象スクリーンの照合パターンとのパターンマッチングにより上述した判定を行うことができる。補正対象スクリーンの照合パターンは、例えば複合機ベンダにより、1以上のものが事前設定されており、例えば、水平軸に対するスクリーン形状のなす角度が既定値以下であるスクリーン・パターンが登録されている。このような低スクリーン角のスクリーンは、上述したシフト位置近傍での色むらを発生させやすいからである。
また、プリンタ階調処理では、色毎、ビット数毎に、スクリーン・パターンが設計されている場合も多い。例えば、ブラックを45度、シアンを15°、マゼンダを75度、イエローを30度というようにモアレを目立たせないよう設定される場合である。そこで、他の実施形態では、濃度補正処理部144が対応する色、画素のビット数に応じて、上述した照合すべき補正対象パターンを絞り込むようにすることができる。あるいは、色およびビット数に対応して一意にスクリーンが定まる場合は、色およびビット数に基づき、一意にスクリーンを特定し、補正対象スクリーンであるか否かを判定してもよい。
寄せ方向判定処理部150は、上記補正対象範囲に含まれる画素を、順次、注目画素として、注目画素毎に、主走査方向に画素を寄せる方向(以下、寄せ方向という。)を判定し、その判定結果を主走査方向画素寄せ補正処理部156に出力する。寄せ方向判定処理部150は、本実施形態における寄せ方向判定手段を構成する。寄せ方向は、注目画素と注目画素の周辺画素との濃度配置を被照合パターンとし、寄せ方向を判定するため事前準備された寄せ方向判定パターンとのパターンマッチングを行うことで判定することができる。
寄せ方向判定処理部150の役割は、上記画像シフトを考慮して生成された平均画像において、画素の濃度値を寄せる方向を判定することである。ここで寄せる方向は、該注目画素が構成するスクリーンのスクリーン形状(万線ディザであれば万線形状)の中央に向かう主走査方向が判定される。
主走査方向画素寄せ補正処理部156は、主走査方向に並ぶ複数の画素を参照し、加重平均処理部152で計算された平均濃度値と、寄せ方向判定処理部150で判定された寄せ方向に基づき、補正された濃度値を計算する。補正された濃度値から構成される濃度データは、後段の書き込み画像処理部124に出力される。主走査方向画素寄せ補正処理部156は、本実施形態における補正濃度計算手段を構成する。
主走査方向画素寄せ補正処理部156の役割は、上記加重平均処理部152により計算した中間的な画像の各画素を、寄せ方向判定処理部150で判定された主走査方向の寄せ方向に濃度値を寄せ集めて、画素ないし画素群を形成することである。この形成される画素ないし画素群は、所定の階調数の範囲で、より大きな濃度値を有するものとなる。
また、好適な実施形態では、主走査方向画素寄せ補正処理部156は、上記スクリーン判定処理部154により補正対象スクリーンを構成する画素であると判定された場合にのみ、この補正された濃度値の計算を行うことができる。
以下、図12を参照して、上述した濃度補正処理の全体の流れを説明する。図12は、濃度補正処理部144による各画素に対する処理を示すフローチャートである。図12に示す処理は、ステップS100から開始し、ステップS101では、濃度補正処理部144は、注目画素が、補正対象範囲の画素であるか否かを判定する。ステップS101で、補正対象範囲の画素であると判定された場合(YES)は、ステップS102以降へと処理が進められる。
ステップS102では、濃度補正処理部144は、スクリーン判定処理部154によるスクリーン判定処理を行う。スクリーン判定処理では、注目画素が上記補正対象スクリーンを構成するか否かの判定がなされる。ステップS103では、濃度補正処理部144は、スクリーン判定処理部154による判定結果に基づき処理を分岐させる。ステップS103で、注目画素が補正対象スクリーンを構成するとの判定結果であった場合(YES)は、ステップS104へ処理が進められる。
ステップS104では、濃度補正処理部144は、寄せ方向判定処理部150による寄せ方向判定処理を行う。寄せ方向判定処理では、上述したように、注目画素および注目画素の周辺画素が参照されて、注目画素に対し寄せ方向が判定される。ステップS105では、濃度補正処理部144は、加重平均処理部152による平均化処理を行う。平均化処理では、上述したように、注目画素および注目画素の周辺画素が参照されて、注目画素に対し平均濃度値が計算される。
ステップS106では、濃度補正処理部144は、主走査方向画素寄せ補正処理部156により、画素寄せ補正処理を行い、補正された濃度値を出力する。画素寄せ補正処理では、注目画素および注目画素の周辺画素が参照されて、これらの画素の平均濃度値および寄せ方向に基づき、注目画素に対し補正された濃度値が計算される。ステップS106で、画素寄せ補正処理が完了すると、ステップS107で、当該画素に対する処理を終了させる。
一方、ステップS101で補正対象範囲の画素ではないと判定された場合(NO)、およびステップS103で注目画素が補正対象スクリーンを構成しないと判定された場合(NO)は、ステップS108へ処理が進められる。ステップS108では、入力された画素の濃度値をそのまま出力し、ステップS107で、当該画素に対する処理を終了させる。
上述したように、補正対象スクリーンを構成する画素である場合にのみ本濃度補正演算を行うことにより、本濃度補正処理が不要であるか、またはその有効性が低いスクリーンを処理対象外とすることができる。本補正処理が有効であると考えられる補正対象スクリーンに限定して濃度補正を行うことで、シフト位置近傍の色むらを好適に防止するとともに、濃度補正処理による副作用の発生を低減し、消費リソースの無駄を省くことができる。
なお、上述した説明では、ステップS100〜ステップS108で示す順序で処理が行われるものとして説明したが、濃度補正処理部144が実行する処理の順序は、図12に示したものに限定されない。これらの処理は、異なる順序で行われてもよいし、少なくとも一部の処理が並列して行われてもよい。
以下、図13〜図21を参照して、上述した寄せ方向判定処理部150、加重平均処理部152、スクリーン判定処理部154および主走査方向画素寄せ処理部156が実行する処理について、より詳細に説明する。
まず、図13および図14を参照しながら、スクリーン判定処理部154によるスクリーン判定処理について、より詳細に説明する。なお、以下に説明するスクリーン判定処理は、上述したパターンマッチングに基づくものである。
スクリーン判定処理部154には、データセレクタ140から出力された7ライン分の画像データ(SKLINE0〜6)が入力される。スクリーン判定処理部154は、スキュー補正による画像シフト位置の周辺に位置する補正対象範囲において、順次、注目画素および周辺画素を参照し、スクリーン判定処理を行う。なお、以下の説明では、特に限定されるものではないが、副走査方向に7ライン、主走査方向に7画素の領域を参照して判別する場合を例示している。ここで、7ライン×7画素を用いた処理が行われるため、濃度補正処理部144に合計7ライン分の画像データが入力されている。なお、スクリーン判定処理で用いるライン数および画素数は、特に限定されるものではなく、許容される回路規模および求められる判定精度を勘案して決定すればよい。
入力された7ラインの画素は、7ライン×7画素のレジスタに蓄積される。スクリーン判定処理部154は、7ライン×7画素の参照領域を、図13(A)に示すように注目画素(二重枠で表されている。)とその周辺画素とで構成する。図13(B)は、上記シフト位置近傍で画像データに設定される参照領域を模式的に示す図である。なお、図13(B)は、600dpiの低スクリーン階調処理された画像データが1200dpiに高解像度化された場合を例示している。
スクリーン判定処理部154は、図13(B)に示すように、補正対象範囲の各注目画素に対し、順次、注目画素と、その周辺画素とを含み構成される参照領域を設定する。ここで、注目画素が、右端に位置しているのは、説明する実施形態では、補正対象範囲がシフト位置の手前側に設定されているためである。すなわち、上記参照領域は、分割境界を超えて隣接領域にまたがって設定されないように配慮されている。これにより、分割境界をまたいでしまうことに起因した予め準備しなければならない照合パターンの増加が抑制される。
スクリーン判定処理部154は、これらの補正対象範囲の画像に対して、7ライン×7画素のパターンマッチングを行い、7ライン×7画素の参照領域の被照合パターンと、事前準備された幾つかの照合パターンとを比較する。一致したものがある場合には、参照領域の画像が補正対象スクリーンを構成する画像であると判断できる。
図14は、上記パターンマッチングの具体的な処理を説明する図である。図14には、入力画像に対する参照領域の被照合パターンの画像データイメージと、濃度分布イメージとが示されている。図14において、上段の参照領域の被照合パターンは、スクリーン角の低い低スクリーン角画像のものであり、下段の参照領域の被照合パターンは、スクリーン角の高い高スクリーン角画像のものである。また、低スクリーン角の万線パターンが補正対象スクリーンとして、照合パターンが準備されている。
図14の上段の被照合パターンのように、被照合パターンの濃度分布と照合パターンの濃度分布とのマッチングで計算される一致度が閾値以上となり、一致したと判定できる。この場合、その参照領域は、補正対象スクリーン画像に対応すると判定される。一方、図14の下段の被照合パターンは、高スクリーン角画像のものであるが、照合パターンとの一致度が閾値未満であり、マッチしていないと判定される。この場合は、その参照領域は、補正対象スクリーンに該当しないと判定されることになる。
また、色およびビット数に対応してスクリーン判定する場合に比較した、パターンマッチングによりスクリーン判定することの利点としては、画素が構成するスクリーンの階調値に応じて濃度補正を行える点である。例えば、階調値が低い場合は、濃度段差が目立つが、階調値が高い場合は色が濃くなるので色むらが目立たなくなることが考えられる。そこで、低階調値に対応するパターンのみを準備することにより、階調値が低い場合に限定して濃度補正を適用することができるようになる。
以下、図15を参照して、寄せ方向判定処理部150による寄せ方向判定処理について、より詳細に説明する。寄せ方向判定処理部150には、データセレクタ140から出力された、3ライン分の画像データ(SKLINE*)が入力される。寄せ方向判定処理部150は、上記補正対象範囲において、順次、注目画素および周辺画素を参照し、注目領域に対する寄せ方向を判定する。なお、以下の説明では、副走査方向に2ライン、主走査方向に1画素の参照領域を用いて判別する場合を例示する。
寄せ方向判定処理部150は、2ライン×1画素の参照領域を、図15(A)および(B)に示すような注目画素(同様に二重枠で表されている。)と、その周辺画素(図15では下の画素)とで構成する。入力された2ラインの画素は、2ライン×1画素のレジスタに蓄積される。ここで、参照領域は、寄せ方向判定処理部150として独立して確保されても良いし、スクリーン判定処理部154と共用されてもよい。補正対象範囲については、スクリーン判定処理と同様に、スキュー出力制御部142から入力される補正エリア幅信号に基づいて設定される。
寄せ方向判定処理部150は、図15(B)に示すように、補正対象範囲の各注目画素に対し、順次、注目画素と、その周辺画素とを含み構成される参照領域を設定する。このとき、寄せ方向判定処理部150は、注目画素が構成するスクリーンを判定し、判定されたスクリーンに基づいて、寄せ方向を判定する照合パターンを切り替えることができる。
上記スクリーン判定処理の結果に基づき、あるいは、色ごと、ビット数、モードの情報に基づき、スクリーン角が判別できるので、予めスクリーンが右上がりか、右下がりかを予め判別しておく。そして、寄せ方向判定処理部150は、スクリーンが右上がりか、右下がりかに応じて、寄せ方向を判定するための照合パターンを変更する。
注目画素が構成するスクリーン画像のスクリーン角が右上がりの場合は、図15(A)に示すように寄せ方向を判定することができる。すなわち、2ライン×1画素の参照領域の濃度分布を参照した結果、注目画素が「黒画素(ここで、黒画素は、ベタ画素を意味する。)」、その下の周辺画素が「白画素」の照合パターンに一致した場合、寄せ方向は「左」と判定される。一方、注目画素が「白画素」、その下の周辺画素が「黒画素」の照合パターンに一致した場合、寄せ方向は「右」と判定される。注目画素および周辺画素が共に「白画素」または「黒画素」である場合は、寄せ方向は「無し」と判定される。
反対に、スクリーン角が右下がりの場合は、図15(B)に示すように、注目画素が「黒画素」、その下の周辺画素が「白画素」の照合パターンに一致した場合、寄せ方向は「右」と判定される。一方で、注目画素が「白画素」、その下の周辺画素が「黒画素」の照合パターンに一致した場合、寄せ方向は「左」と判定される。注目画素および周辺画素が共に「白画素」または「黒画素」である場合は、同様に、寄せ方向は「無し」と判定される。
上述した寄せ方向の判定によれば、図15(A)および(B)に示すように、副走査方向に並ぶ複数の画素の濃度配置に基づき、注目画素が構成するスクリーンのスクリーン形状(万線ディザであれば万線形状)の中央に向かう主走査方向が、寄せ方向として判定される。例えば、右上がりの万線の場合に、副走査下向きに「黒画素」および「白画素」と続くときは、副走査方向に進めると万線から背景へ出る方向にあり、当該画素群は、右上がりの万線の右側に位置していると考えられるので、万線の中央は左にあると判定できる。右下がりの場合は、反対に、万線の左側に対応していると考えられるので、万線の中央は右にあると判定できる。
上述した寄せ方向の判定を各画素毎に行い、各画素毎に寄せ方向「右」、「左」または「無し」を決定し、主走査方向画素寄せ補正処理部156に出力する。寄せ方向は、例えば、2ビットのフラグ情報(00h=無し、01h=右、10h=左)として画素に設定され、出力される。
図15(C)は、スクリーン角が右上がりの場合の補正対象範囲の各画素について、寄せ方向判定された結果を例示する。図15(C)では、副走査方向に白画素、黒画素と下に連続して配置している場合は右矢印が、副走査方向に黒画素、白画素と下に連続して配置している場合は左矢印が、画素単位に示されている。同様に、図15(D)は、スクリーン角が右下がりの場合の補正対象範囲の各画素について、寄せ方向判定された結果を例示する。
なお、上述した注目画素とその下の周辺画素とを参照する寄せ方向の判定処理は、シフト位置で右上がりにシフトが行われる場合に対して適用することができる。上述したように、寄せ方向判定処理部150には、データセレクタ140から出力された3ライン分の画像データが入力される。右下がりにシフトが行われる場合には、注目画素と、その上に位置する周辺画素とを参照して、注目領域に対する寄せ方向を判定すればよい。
そして、注目画素と上側の周辺画素とで構成される2ライン×1画素の参照領域の濃度分布を参照した結果、上の周辺画素が「黒画素」、その下の注目画素が「白画素」の照合パターンに一致した場合は、下側の注目画素に対し寄せ方向「左」が判定される。一方、周辺画素が「白画素」、その下の注目画素が「黒画素」の照合パターンに一致した場合、下に位置する注目画素に対して寄せ方向「右」が判定される。注目画素および周辺画素が共に「白画素」または「黒画素」である場合は、寄せ方向「無し」が判定される。
上述したように、万線スクリーンの場合、スクリーン角が右上がりであるか、右下がりであるかが予め判別できれば、副走査方向に2つ並んだ画素を参照して、照合パターンを切り替えることで、適切に寄せ方向を決定することができる。これは、小さな参照領域で済み、判定処理も簡素化されるので、好適である。しかしながら、寄せ方向の判定処理は、上述したものに限定されるものではなく、より大きな任意のライン幅および画素幅の参照領域を設定して寄せ方向を判定してもよい。
以下、図16を参照して、加重平均処理部152による加重平均処理について、より詳細に説明する。加重平均処理部152は、上述した平均画像を得るため、注目画素と、該注目画素に副走査方向に並ぶ隣接画素(上または下の画素)とを含む画素群の濃度値の平均処理を行い、平均濃度値を計算する。説明する実施形態では、平均処理としては、画素それぞれの濃度値に重み付け係数を乗算して加算平均をとる、加重平均処理が行われる。上記平均濃度値は、注目画素と、該注目画素に上述した画像シフト操作が反映されたとした場合に対応する周辺画素との濃度値の平均処理を行ってえられる平均値である。
なお、以下の説明では、副走査方向に3ライン、主走査方向に1画素の参照領域を用いて判別する場合を例示する。また、重み付けは、特に限定されるものではないが、注目領域に対して「0.5」が、周辺領域に対して「0.5」が設定される設定例を用いて説明する。
まず、加重平均処理部152には、データセレクタ140から出力された、少なくとも3ライン分の画像データ(SKLINE2〜4)が入力される。入力された3ラインの画素は、3ライン×1画素のレジスタに蓄積される。ここで、参照領域は、加重平均処理部152として独立して確保されても良いし、スクリーン判定処理部154や寄せ方向判定処理部150と共用されてもよい。補正対象範囲については、スクリーン判定処理と同様に、スキュー出力制御部142から入力される補正エリア幅信号に基づいて設定される。
加重平均処理部152は、より具体的には、補正対象範囲の注目画素と、本補正対象範囲が設定されたシフト位置で行われるスキュー補正による画像シフト操作(シフト方向)に応じた側の隣接画素とを含む複数画素間で、濃度値の加重平均を計算する。すなわち、加重平均処理部152は、シフト方向が右上がりの場合は、注目画素とその下の隣接画素を参照する。反対に、シフト方向が右下がりの場合、注目画素とその上の画素を用いて加重平均処理を行う。上記加重平均処理部152は、計算された平均濃度値を主走査方向画素寄せ補正処理部156に出力する。
図16(A)および(B)は、右上がりのシフト位置における加重平均処理前および加重平均処理後の画像データを模式的に示す。また、図16(C)は、右下がりのシフト位置における加重平均処理後の画像データを模式的に示す。図16に示されるように、加重平均処理により、補正対象範囲が設定されたシフト位置を境界としてシフトが行われている場合において、補正対象範囲の元の画像と、これに上記シフトが反映されたとした場合の画像との中間的な平均画像が生成される。
なお、上述した説明では、重み付けを1種類で1段階のみ行う構成としているが、これに限定されるものではない。例えば、上記補正対象範囲を複数の区間に分割して、その区間の前後で重み付けを切り替えて、多段階の加重平均処理を行ってもよい。
例えば、シフト位置に近い区間では、注目画素の重み付けを小さくし、隣接画素の重み付けを大きくする一方で、シフト位置から離れた区間では、注目画素の重み付けを大きく、隣接画素の重み付けを小さくするように構成する。すなわち、補正対象範囲における各区間に対し、シフト位置からの距離が離れるに伴い、シフトが反映された場合の画像(隣接画素側)の重みが小さくなるように重み付けを設定することができる。これにより、補正対象範囲において段階的な濃度補正が行われるので、シフト位置近傍で発生する色むらをより好適に軽減することができる。なお、その際には、補正対象範囲を区分する数、各区間の幅、各区間での重み付け値は、特に限定されるものではない。
以下、図17および図18を参照して、主走査方向画素寄せ補正処理部156による画素寄せ補正処理について、より詳細に説明する。主走査方向画素寄せ補正処理部156は、寄せ方向判定処理部150で決定された寄せ方向と、加重平均処理部152で計算された平均濃度値とに基づいて、主走査方向で濃度演算し、演算した濃度データを書き込み画像処理部124に出力する。
図17(A)は、寄せ方向判定処理部150で決定された寄せ方向と、加重平均処理部152で計算された平均濃度値とを重ねて合わせて示す模式図である。図17(B)は、主走査方向画素寄せ補正処理部156による画素寄せ補正処理により生成された、補正後の濃度値から構成される画像データを模式的に示す。なお、図17は、右上がりの万線スクリーンの場合を例示する。
また、図18には、右下がりの万線スクリーンである場合の画素寄せ補正処理の結果を示す。図18(A)は、寄せ方向判定された結果を示し、図18(B)は、右上がりのシフト位置における加重平均処理後の画像データを示す。図18(C)は、寄せ方向および平均濃度値の計算結果を重ねて合わせて示し、図18(D)は、画素寄せ補正処理により生成された、補正後の濃度値から構成される画像データを示す。
主走査方向画素寄せ補正処理部156は、同一の寄せ方向が判定された主走査方向に隣接する複数の画素間で、寄せ方向の始点側の画素の平均濃度値を、寄せ方向の終点側の画素に移転させる画素寄せ補正処理を行う。画素寄せ補正処理は、より具体的には、以下のような処理を行う。
主走査方向画素寄せ補正処理部156は、まず、注目画素が、寄せ方向判定処理部150で判定された寄せ方向「右」、「左」および「無し」情報のうち、寄せ方向「右」および「左」が設定されたものであるかを判定する。寄せ方向が「右」または「左」に設定されていた場合は、さらに、注目画素が寄せ方向の終点に位置するか否かを判定する。注目画素に判定された寄せ方向が「右」であった場合は、注目画素のさらに右側の画素に対し、「右」以外、つまり寄せ方向「左」または「無し」が設定されていれば、終点と判定できる。続いて、注目画素を終点として、同一の寄せ方向が判定された画素が連続する場合は、その同一の寄せ方向が判定された連続する画素群を特定し、その始点に対応する画素を特定する。
そして、同一の寄せ方向が判定された連続する画素群において、始点から順に画素の濃度値を終点である注目画素側に加算して行く。終点である注目画素の濃度値が、階調値の上限に達した場合は、加算先を始点側の隣接画素に変更して、引き続きこの隣接画素に対し濃度値を加算して行く。このように、寄せ方向の始点側の画素の平均濃度値を、寄せ方向の終点側の画素に順次移転させることにより、終点側から濃度値が積み上げられ、図17(B)および図18(D)に示すように、より大きな濃度値を有する画素または画素群が終点側に揃えて形成されるようになる。図17および図18の例では、50%の濃度値を有する2つの画素が寄せられて100%の濃度値(ベタ画素に対応する。)を有する画素が構成されている。
上記主走査方向画素寄せ補正処理部156による処理によって、上述した平均画像において平滑化により広げられたスクリーンの像が、その低濃度値の画素を上述したスクリーン形状の中央に向けて寄せることにより、明瞭化される。これにより、スクリーン画像を滑らかな画像に変換して出力することが可能となる。なお、この場合において、濃度補正処理部144に入力される画像データが、階調処理された画像がさらに高解像度化された画像であると、スクリーン画像をより滑らかな画像に変換できる観点から好適である。
また、画像形成装置においては、低濃度値に基づく小ドットが連続すると、ドットの再現性が悪化することが知られている。上述したように、加重平均処理により主走査方向に分散した小ドットが寄せ集められ、終点側に揃えて比較的に高い濃度値の大きなドットが形成される。このため、ドット再現性が安定し、異常画像が発生しにくくなる。
なお、上述した画素寄せ補正処理では、終点側から順に、濃度値が積み上げられ、最大の濃度値を有する画素が形成されて行くものとして説明した。しかしながら、画素の寄せ方は、上述したものに限定されない。例えば、必ずしも小ドットすべてを寄せることを要さず、少なくとも小ドットが連続しないように画素が寄せ補正されればよい。
図19は、シアンおよびマゼンダが共にスクリーン角が低い場合のシアンおよびマゼンダ画像の重ね合わせを説明する図である。なお、図8および図9と同様に、図19に示す例示では、シアン画像データのみに画像シフトが施されている。図19(A)は、濃度補正処理前のシアンおよびマゼンダの重ね合わせ画像データを示す。図19(B)は、濃度補正処理後のシアン画像データを示し、図19(C)は、マゼンダ画像データを示す。そして、図19(D)は、濃度補正処理後のシアンおよびマゼンダの重ね合わせ画像データを示す。
図8および図9で説明したように、濃度補正が行われていない場合、シフト位置前後でシアンおよびマゼンダの画素の重なり方が急激に変化し、色むらが発生し易くなる。これに対して、上述した濃度補正が行われる場合、シフト位置前に補正対象範囲が加わることで、中間的な画素の重なり方をする領域が形成される。そして、シフト前の画像領域と、シフト位置後の画像領域との間に、中間的な領域が形成されるので、シアンおよびマゼンダの画素の重なり方の変化が緩和され、濃度段差が緩和され、ひいては観察者に色むらを感じさせ難くすることができる。
なお、上述した実施形態では、補正対象範囲が、シフト位置の前側に設定されるものとして説明した。しかしながら、補正対象範囲の設定方法は、これに限定されるものではなく、画像シフト位置の周辺に設定されればよい。他の実施形態では、シフト位置の後側に補正対象範囲を設定してもよいし、シフト位置の前後両側に補正対象範囲を設定してもよい。
図20は、シフト位置前後両側に補正対象範囲が設定された場合の濃度補正処理を説明する図である。このとき、シフト位置前の補正対象範囲については、上述した処理を行えばよい。一方、シフト位置後の補正対象範囲については、寄せ方向判定処理部150および加重平均処理部152が実行する処理が異なることになる。
シフト位置前の補正対象範囲からみて右上がりのシフトは、シフト位置後の補正対象範囲からみて左下がりのシフトとなる。したがって、加重平均処理部152は、シフト方向が左下がりである場合は、注目画素とその上の隣接画素を参照する。反対に、シフト方向が左下がりの場合、注目画素とその下の画素を用いて加重平均処理を行う。また、寄せ方向判定処理部150は、シフト位置後の補正対象範囲では、シフト位置前の場合とは反対に参考領域を設定する。すなわち、シフト方向が左下がりである場合は、2ライン×1画素の参照領域を、注目画素と、その上側の周辺画素とで構成する。
図20(A)は、寄せ方向判定された結果を示し、図20(B)は、右上がり(左下がり)のシフト位置における加重平均処理後の画像データを示す。図20(C)は、寄せ方向および平均濃度値の計算結果を重ねて合わせて示し、図20(D)は、画素寄せ補正処理により生成された、補正後の濃度値から構成される画像データを示す。
以下、図21を参照して、濃度補正を伴うスキュー補正における各処理のタイミングを説明する。図21は、上述したシフト位置近傍での濃度補正を伴うスキュー補正のタイミングチャートを示す。なお、図21には、ブラックおよびマゼンダのみの処理が示されている。
書き込み全体制御部110は、CPU104からのスタート信号を基準として、ライン数をカウントし、画像処理部108に対して副走査タイミング信号(*_FSYNC_N)を出力する。画像処理部108では、副走査タイミング信号をトリガに副走査ゲート信号(*_IPFGATE_N)を出力し、画像データ(*_IPDATA)を転送する。入力画像データ(*_IPDATA)がラインメモリに順次蓄積される。
スキュー補正処理部122は、データセレクタ140により、分割した各領域でどのラインメモリのデータをリードするかを切り替え、スキュー補正された出力画像を生成し、LD制御データ(*_LDDATA)としてLD制御部130へ出力する。このとき、スキュー補正された出力画像において、図21に示すように、さらに、各シフト位置に隣接して設定される補正対象範囲に対し濃度補正が行われる。これにより、スキュー補正がなされると共に、そのシフト位置近傍での濃度段差が軽減されるように濃度補正がなされた出力画像が得られるようになる。
なお、上述までの説明において、データセレクタ140が、上記副走査方向にシフトさせた画像データを生成し、濃度補正処理部144に対し、出力するものとして説明した。しかしながら、上述したスキュー補正および濃度補正の順序は、限定されるものではなく、濃度補正が、上記副走査方向にシフトさせる前の画像データに対して前もって行われてもよい。また、上述した実施形態では、スキュー補正は、分割領域毎に1ライン単位でシフトさせるものとして説明したが、他の実施形態では、これに限定されない。例えば、補間処理を行って1ライン未満の単位シフトさせる場合にも適用することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、主走査方向の領域を分割し、領域間で副走査方向にシフトさせて画像処理する場合において、分割された領域境界近傍での色むらの発生を軽減することが可能な画像処理装置、該画像処理装置を含む画像形成装置、画像補正方法およびプログラムを提供することができる。
上述した実施形態では、特に限定されるものではないが、比較的低いスクリーン角を有するディザマトリックスが用いられる階調画像同士を重ね合わせる場合に、好適にシフト位置近傍の色むらの発生を軽減しながら、画像の傾きや曲がりを補正することが可能となる。
また、上記機能部は、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)などのレガシープログラミング言語やオブジェクト指向プログラミング言語などで記述されたコンピュータ実行可能なプログラムにより実現でき、ROM、EEPROM、EPROM、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD−ROM、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、ブルーレイディスク、SDカード、MOなど装置可読な記録媒体に格納して、あるいは電気通信回線を通じて頒布することができる。また、上記機能部の一部または全部は、例えばフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)などのプログラマブル・デバイス(PD)上に実装することができ、あるいはASIC(特定用途向集積)として実装することができ、上記機能部をPD上に実現するためにPDにダウンロードする回路構成データ(ビットストリームデータ)、回路構成データを生成するためのHDL(Hardware Description Language)、VHDL(VHSIC(Very High Speed Integrated Circuits) Hardware Description Language))、Verilog−HDLなどにより記述されたデータとして記録媒体により配布することができる。
これまで本発明の実施形態について説明してきたが、本発明の実施形態は上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。