JP2009293471A - 排気浄化装置 - Google Patents

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和弘 若尾
Takaaki Ito
隆晟 伊藤
Keisuke Sano
啓介 佐野
Koichi Yoda
公一 依田
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Abstract

【課題】吸着効率を下げることなく、吸着及び脱離を適切に行う吸着材を含む排気浄化装置を提供する。
【解決手段】内燃機関の排気浄化装置は、機関本体から排出された排気ガスを流す排気通路に設けられた二次通路を備える。二次通路上に設けられ、排気ガスにおけるHCとNOを吸着し、吸着されたHCとNOが所定条件下で脱離する吸着材を備える。二次通路上に設けられ、高温側流路には排気ガスが流れ、低温側流路には機関本体を流れる冷却水が流れ、高温側流路を流れる排気ガスと低温側流路を流れる冷却水との間で、互いが混じり合わない状態で、熱交換が行われる熱交換器を備える。排気通路の二次通路が合流する部分よりも下流に設けられ、排気ガスにおけるHCとNOを浄化する排気ガス浄化触媒を備える。吸着材は、熱交換器の排気ガスが接触する部分にコーティングされるか、熱交換器と排気ガス浄化触媒との間に配置される。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関における排気浄化装置に関し、特に吸着材に吸着されたHCとNOの少なくとも一方を浄化する排気浄化装置に関する。
内燃機関の冷間始動後など排気ガス浄化触媒が活性化するまでの間、排気ガスに含まれるNOなどを二次通路に設けた吸着材に吸着させ、排気ガス浄化触媒(三元触媒)の活性化後に脱離させて排気ガス浄化触媒で浄化する排気浄化装置が提案されている。この吸着材は、低温時にNOなどを吸着し、高温時に脱離する特性を有する。
特許文献1は、二次通路に外部からの空気を導入し、該空気によってHC吸着材を冷却して吸着効率を高める排気浄化装置を開示する。
特開平05−44447号公報
しかし、特許文献1では、外部から取り込まれた空気が排気ガスと混ざり合うことにより、HC吸着材を通過するガス量が増える。HC吸着材を通過するガス量が増えると、HC吸着材で吸着出来ないHCが増え、吸着効率を下げるおそれがある。また、空気を取り込むための追加デバイスを用意する必要もある。
したがって本発明の目的は、吸着効率を下げることなく、吸着及び脱離を適切に行う吸着材を含む排気浄化装置を提供することである。
本発明に係る内燃機関の排気浄化装置は、機関本体から排出された排気ガスを流す排気通路に設けられた二次通路と、二次通路上に設けられ、排気ガスにおけるHCとNOの少なくとも一方を吸着し、吸着されたHCとNOの少なくとも一方が所定条件下で脱離する吸着材と、二次通路上に設けられ、高温側流路には排気ガスが流れ、低温側流路には機関本体を流れる冷却水が流れ、高温側流路を流れる排気ガスと低温側流路を流れる冷却水との間で、互いが混じり合わない状態で、熱交換が行われる熱交換器と、排気通路の二次通路が合流する部分よりも下流に設けられ、前記吸着材から脱離したHCとNOの少なくとも一方を浄化する排気ガス浄化触媒とを備え、吸着材は、熱交換器の排気ガスが接触する部分にコーティングされるか、熱交換器と排気ガス浄化触媒との間に配置される。
排気ガスが吸着材を通過する際、吸着材の温度は上昇する。但し、吸着材が熱交換器にコーティングされた場合には、熱交換器によって吸着材は冷却されるため、かかる冷却を行わない形態に比べて、吸着材の温度上昇を抑えて吸着可能な状態を長く維持することが可能になる。また、吸着材が、熱交換器と排気ガス浄化触媒との間に配置された場合には、熱交換器を通過する排気ガスが熱交換器によって冷却されるため、冷却された排気ガスが下流に配置された吸着材に到達する。従って、この場合にも、かかる冷却を行わない形態に比べて、吸着材の温度上昇を抑えて吸着可能な状態を長く維持することが可能になる。なお、熱交換器では、低温側流路に流れる冷媒(冷却水)と、高温側流路に流れる排気ガスとは混ざり合わないため、吸着材を通過するガス量が冷媒によって増加して吸着効率を下げることもない。また、熱交換により冷却水は温められるので、早期に冷却水を内燃機関の運転に適した温度にまで温めることが可能になる。また、冷却水を温める熱交換器は、排気ガス浄化触媒の下流などに通常備えられているものである。このため、通常備えられていた熱交換器に代えて本件発明の熱交換器を二次通路上に設ける場合は、コスト上昇要因が少ない。また、熱交換器に吸着材がコーティングされた場合には、熱交換器が吸着材を担持する担体としても機能し、熱交換器を配置するスペースに吸着材も配置出来るため、スペースを効率的に活用することが可能になる。
好ましくは、吸着材は、熱交換器の排気ガス浄化触媒がある側に多くコーティングされる。
冷却される前の排気ガスが通過する熱交換器の上流側よりも、冷却された排気ガスが通過する熱交換器の下流側に吸着材を多めにコーティングした方が、吸着材の温度上昇抑制効果が高く、吸着材の吸着効率を高くすることが可能になる。
また、好ましくは、排気通路から二次通路への排気ガスの流れを制御する切替弁を更に備え、切替弁の開閉状態を制御することにより、吸着材へのHCとNOの少なくとも一方の吸着、及び吸着材に吸着されたHCとNOの少なくとも一方の脱離が行われ、切替弁の開閉は、機関本体を通る冷却水による冷却が行われる電動モータにより行われる。
切替弁の開閉駆動が、電動モータによって行われると、負圧式アクチュエータによって開閉駆動を行う形態に比べて、HCとNOの少なくとも一方の脱離を行う際の切替弁の弁開度を細かく調整することが可能になる。
また、好ましくは、排気通路上であって、二次通路よりも上流に設けられた前段排気ガス浄化触媒と、二次通路上であって、吸着材よりも前段排気ガス浄化触媒がある側に設けられたHC吸着材と、二次通路上であって、HC吸着材と吸着材との間と機関本体の吸気通路とを連通するパージ通路と、排気通路から二次通路への排気ガスの流れを制御する第1切替弁と、二次通路からパージ通路への排気ガスの流れを制御する第2切替弁とを更に備え、吸着材は、NO吸着材であり、第1、第2切替弁の開閉状態を制御することにより、NO吸着材へのNOの吸着、HC吸着材へのHCの吸着、NO吸着材に吸着されたNOの脱離、及びHC吸着材に吸着されたHCの脱離が行われる。
HC吸着材におけるHCの吸着特性や脱離特性と、NO吸着材におけるNOの吸着特性と脱離特性とは、異なる。例えば、吸着温度範囲の違いなどである。また、NO吸着材は、NO吸着材自身またはNO吸着材を通過する排気ガスが水分を多く含む場合には、低温時であってもNOを吸着せず、且つ高温時でなくてもNO吸着材に吸着されたNOを脱離する特性を有する。そのため、HC吸着材と、NO吸着材の特性を考慮し、吸着や脱離を行うタイミングに応じて、第1、第2切替弁の開閉状態を制御して、排気ガスが流れる経路を制御する。これにより、効率よく、HCやNOの吸着及び脱離を行うことが可能になる。
さらに好ましくは、HC吸着材は、熱交換器よりも前段排気ガス浄化触媒側に配置され、HC吸着材に吸着されたHCを脱離させる場合は、HC吸着材、熱交換器、NO吸着材の順に二次通路を排気ガスの少なくとも一部が流れるように、第1、第2切替弁の開閉状態が制御される。
HC吸着材は、熱交換器による排気ガスの冷却の影響を受けないため、熱交換器による排気ガスの冷却の影響を受ける場合に比べて、高温の排気ガスを使って、早期にHC吸着材をHCの脱離を開始する温度にまで上昇させることが可能になる。
また、好ましくは、HCをHC吸着材に吸着させ、NOをNO吸着材に吸着させる場合は、HC吸着材、NO吸着材の順に二次通路を排気ガスが流れるように、第1、第2切替弁の開閉状態が制御され、NO吸着材に吸着されたNOを脱離させる場合は、HC吸着材を通過せず、NO吸着材を通過した後、パージ通路を介して、吸気通路に排気ガスの少なくとも一部が流れるように、第1、第2切替弁の開閉状態が制御され、その後、HC吸着材に吸着されたHCを脱離させる場合は、HC吸着材、NO吸着材の順に二次通路を排気ガスの少なくとも一部が流れるように、第1、第2切替弁の開閉状態が制御される。
吸着時には、水分がHC吸着材で吸着された後の排気ガスがNO吸着材を通過するため、水分によってNOを脱離させることなく、NO吸着材に吸着させることが可能になる。NOの脱離時には、水分を含む排気ガスがNO吸着材を通過するため、排気ガスが高温になっていなくても、NOを脱離させることが可能になる。その後、高温になった排気ガスがHC吸着材に吸着したHCを脱離させることが可能になる。
以上のように本発明によれば、吸着効率を下げることなく、吸着及び脱離を適切に行う吸着材を含む排気浄化装置を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について、図1、2を用いて説明する。ECUなどの制御部5は、CPU、制御プログラムを格納したROM、及び各種データを格納するRAM等を有し、エアフローメータ13等の各種センサからの信号が入力され、また制御信号を出力して車両1の各部を制御する。制御部5は、特に、エアフローメータ13で測定される吸入空気量Gaに関する情報などから推定される内燃機関1の運転状態に基づいて、第1切替弁19の開閉制御を行って、機関本体11から排出される排気ガスに含まれるHCとNOの吸着及び脱離制御を行う。
内燃機関1の運転中、機関本体11の各シリンダーの燃焼室には、吸気通路12から吸気弁(不図示)を介して、空気が吸入される(図1の点線矢印参照)。エアフローメータ13は、吸気通路12に流れる空気流量、即ち吸入空気量Gaを測定するために使用される。吸入空気量Gaは、電子制御スロットル弁(不図示)を制御するために使用される他、第1実施形態では、吸入空気量Gaを一定期間の間だけ時間積分した値が、エアフローメータ13を通過した吸入空気量Gaの積算値、すなわち積算空気量gsとして、第1切替弁19の開閉制御に使用される。積算空気量gsの値は、制御部5のRAMなどに記録される。
インジェクタから噴射された燃料は、吸入された空気と混ざって混合気を形成する。制御部5からの点火信号に基づく点火プラグの点火によって、混合気は燃焼する。混合気の燃焼による爆発力に応じたピストンの往復運動により、クランクシャフト(不図示)が回転せしめられる。
機関本体11の燃焼室から排出された排気ガスは、排気弁(不図示)を介して排気通路15、及び前段触媒17の下流の排気通路15に設けられた二次通路20を通って排出される(図1の実線矢印参照)。排気ガスに含まれるHCとNOは、排気通路15に設けられた前段触媒17、及び排気通路15の二次通路20が合流する部分よりも下流に設けられた後段触媒30により浄化される。
第1切替弁19は、機関本体11の燃焼室から排出された排気ガスの一部又は全部の流路を、排気通路15から二次通路20に切り替える弁であり、電動モータ19aで駆動される。第1切替弁19の弁開度θ1は、内燃機関1の運転状態に基づいて制御される。なお、第1切替弁19の弁開度θ1は、排気通路15から二次通路20への流れを遮断し、排気通路15から後段触媒30への二次通路20を介さない流れを全く妨げない状態を全閉状態(θ1=0度)とし、排気通路15から二次通路20への流れを全く妨げず、排気通路15から後段触媒30への二次通路20を介さない流れを遮断する状態を全開状態(θ1=90度)とする。
二次通路20上には、第1熱交換器21が設けられる。第1熱交換器21の高温側流路には、機関本体11から排出された排気ガスが流れ、低温側流路には、機関本体11のウォータージャケット(不図示)を流れる冷却水が流れる。第1熱交換器21では、高温側流路を流れる排気ガスと低温側流路を流れる冷却水との間で、互いが混じり合わない状態で、熱交換が行われる。冷却水は、冷却水配管25を介して、第1熱交換器21、第1切替弁19を駆動する電動モータ19a、機関本体11、及びラジエータ(不図示)を循環する(図1の細矢印参照)。冷却水の循環により、機関本体11、及び第1切替弁19の電動モータ19aが適温に保たれる。第1熱交換器21の、二次通路20上であって、フィンなど排気ガスと接触する部分には、機関本体11から排出される排気ガスに含まれるHC及びNOの吸着材がコーティングされる。第1熱交換器21によって、二次通路20を流れる排気ガスは冷却され、冷却水は温められる。また、第1熱交換器21上にコーティングされた吸着材の温度は、排気ガスが通過することにより上昇するが、第1熱交換器21の低温側流路を流れる冷却水で排気ガスや吸着材が冷却されるため、かかる温度上昇が抑えられる。かかる温度上昇抑制により、吸着可能な状態を維持出来る時間、すなわち高温になって吸着されたHCとNOを脱離するまでの時間を長くすることが可能になる。
第1熱交換器21上にコーティングされた吸着材は、排気ガスに含まれるHCやNOを低温時に吸着し、高温時に脱離する特性を有する。そのため、冷間始動時など第1熱交換器21にコーティングされた吸着材が低温である場合に、二次通路20を流れる排気ガス中に含まれるHCとNOは、吸着材に吸着される。吸着材が排気ガスにより十分に温められた状態である場合には、吸着材に吸着されたHCとNOが脱離し、二次通路20を流れる排気ガスと共に、後段触媒30に到達する。
第1熱交換器21にコーティングされる吸着材におけるHCとNOの吸着容量は、冷間始動時であって、前段触媒17が活性状態になるまでの間に、機関本体11から排出される排気ガスに含まれるHCやNOを吸着出来るだけのものが確保される。
第1実施形態では、第1切替弁19の開閉駆動が、電動モータ19aによって行われるため、負圧式アクチュエータによって開閉駆動を行う形態に比べて、パージを行う際の弁開度θ1を細かく調整することが可能になる。なお、第1切替弁19は、高温の排気ガスにさらされるため、電動モータ19aの温度が上昇するおそれがあるが、第1実施形態では、電動モータ19aは、第1熱交換器21や機関本体11を通る冷却水で冷却されるため、かかる問題は生じない。
なお、吸着材は、第1熱交換器21の排気ガスの下流側(後段触媒30に近い側)に多くコーティングされるのが望ましい。冷却される前の排気ガスが通過する第1熱交換器21の上流側(前段触媒17がある側)よりも、冷却された排気ガスが通過する第1熱交換器21の下流側(後段触媒30がある側)にコーティングした方が、吸着材の温度上昇抑制効果が高く、吸着材の吸着効率を高くすることが可能になるためである。また、第1熱交換器21によって温められる前の冷却水で、下流側に多くコーティングされた吸着材を効率良く冷却するため、冷却水が第1熱交換器21の排気ガスの下流側から上流側に向かって流れるように、第1熱交換器21の低温側流路の流れが構成されるのが望ましい。
内燃機関1の冷間始動時は、前段触媒17、及び後段触媒30が活性状態になる温度以上に温められておらず、排気ガスを十分に浄化することが出来ない。このため、機関本体11から排出される排気ガスに含まれるHCとNOの量が、吸着材におけるHCとNOの吸着容量以上になるまで、第1熱交換器21にコーティングされた吸着材にHCとNOを吸着させるため、第1切替弁19は全開状態(θ1=90度)にされる(図2のステップS12参照)。この間、機関本体11から排出される排気ガスの総てが、二次通路20を流れる。第1熱交換器21によって二次通路20を流れる排気ガスは冷却されるため、第1熱交換器21にコーティングされた吸着材の温度は、排気ガスによってあまり上昇しない。このため、排気ガスに含まれるHCとNOは、温度が低い状態に保たれた吸着材に吸着され、この時点では後段触媒30に到達しない。
前段触媒17が活性状態になった後は、後段触媒30が活性状態になるまで、第1切替弁19は全閉状態(θ1=0度)にされる(図2のステップS14参照)。この間、機関本体11から排出される排気ガスの総てが、二次通路20を介さずに、排気通路15を流れる。従って、機関本体11から排出された排気ガスは、第1熱交換器21にコーティングされた吸着材に到達しない。このため、吸着材に吸着されたHCとNOは脱離しない状態で保持される。また、この間に機関本体11から排出された排気ガスに含まれるHCとNOは、前段触媒17によって浄化される。
その後、後段触媒30が活性状態になった後は、吸着材に吸着されたHCとNOを脱離させ、後段触媒30で浄化させるパージが開始される。パージでは、機関本体11から排出された排気ガスの一部または全部が、二次通路20を流れるように第1切替弁19の弁開度θ1が調整される((0度<θ1≦90度、図2のステップS16参照)。第1切替弁19の弁開度θ1は、運転状態に応じた開度に設定される。機関本体11から排出された排気ガスのうち、二次通路20に流れる排気ガスによって、第1熱交換器21にコーティングされた吸着材に吸着されたHCとNOが脱離し、二次通路20を介さずに排気通路15を流れて後段触媒30に到達する排気ガスによって、後段触媒30が高い温度状態に保たれる。
後段触媒30が活性状態になった後は、二次通路20に流れる排気ガスの温度が高くなっており、第1熱交換器21を介して多少冷却されたとしても、高い温度の排気ガスが第1熱交換器21を通過する。このため、第1熱交換器21にコーティングされた吸着材の温度が上昇し、吸着材に吸着されたHCとNOが脱離する。第1切替弁19の弁開度θ1が大きくなると、吸着材に流れる排気ガスの増加に伴い、吸着材の温度が高くなり脱離するHCとNOの量が増加する。脱離したHCとNOは、後段触媒30で浄化される。機関本体11から排出された排気ガスに含まれるHCとNOは、前段触媒17、及び後段触媒30で浄化される。
吸着材に吸着されたHCとNOの脱離が完了した後は、機関本体11から排出された排気ガスの全部が、二次通路20を介さずに排気通路15を流れて後段触媒30に到達するように、第1切替弁19が全閉状態にされる(θ1=0度、図2のステップS18参照)。機関本体11から排出された排気ガスに含まれるHCとNOは、前段触媒17、及び後段触媒30で浄化される。
なお、前段触媒17、及び後段触媒30が活性状態になったか否かの判断、及びHCとNOの脱離が完了したか否かの判断は、冷間始動直後に積算が開始される積算空気量gsが、それぞれ第1〜第3閾値Th1〜Th3以上になったか否かに基づいて行われる。
なお、これらの判断は、上述の積算空気量gsと第1〜第3閾値Th1〜Th3との関係に基づいて行っても良いが、別の判断要素に基づいて行っても良い。例えば、第1熱交換器21と後段触媒30との間に設けられたNOセンサにより検出されたNO濃度の変化に基づいてNOの脱離が完了したか否かを判断する形態などが挙げられる。
第1閾値Th1は、冷間始動直後のHCとNOが吸着材に吸着されていない状態(図2のステップS12参照)から、前段触媒17が活性状態になる時点までにエアフローメータ13を通過すると推定される吸入空気量Gaの積算値が設定される。第2閾値Th2は、冷間始動直後のHCとNOが吸着材に吸着されていない状態(図2のステップS12参照)から、後段触媒30が活性状態になる時点までにエアフローメータ13を通過すると推定される吸入空気量Gaの積算値が設定される(Th2>Th1)。第3閾値Th3は、冷間始動直後のHCとNOが吸着材に吸着されていない状態(図2のステップS12参照)から、HCとNOの脱離が完了する時点までにエアフローメータ13を通過すると推定される吸入空気量Gaの積算値が設定される(Th3>Th2)。但し、パージ中は、運転状態に応じて第1切替弁19の弁開度θ1が変動する。従って、かかる弁開度θ1の変動量も考慮して、第3閾値Th3を設定してもよい。
次に、第1実施形態における第1切替弁19の開閉制御手順について図2のフローチャートを用いて説明する。内燃機関1の運転が開始されると、ステップS11で、機関本体11などを流れる冷却水の水温が低い状態にあるか否かが判断される。冷間始動時など冷却水の水温が低い場合には、前段触媒17などの温度も低く活性状態になっていないと判断され、ステップS12で、第1切替弁19が全開状態(θ1=90度)にされる。これにより、機関本体11から排出される排気ガスの総ては、二次通路20に流れ、排気ガスに含まれるHCとNOは、第1熱交換器21にコーティングされた吸着材に吸着される。また、ステップS12で、積算空気量gsを算出するため、エアフローメータ13を通過した吸入空気量Gaの積算が開始される。水温が低くない場合は、前段触媒17などの温度も高く活性状態になっており、機関本体11から排出される排気ガスに含まれるHCとNOを前段触媒17などで浄化出来るため、ステップS18に進められる。
ステップS13で、積算空気量gsが、第1閾値Th1以上になったか否かが判断される。積算空気量gsが第1閾値Th1以上になっていない場合は、ステップS13が繰り返される。積算空気量gsが第1閾値Th1以上になった場合は、前段触媒17が活性状態になったと判断されて、ステップS14に進められる。
ステップS14で、第1切替弁19が全閉状態(θ1=0度)にされる。これにより、機関本体11から排出される排気ガスの総ては、二次通路20を介さずに排気通路15を流れて後段触媒30に到達する。また、吸着材に吸着されたHCとNOは、脱離せずに吸着された状態が維持される。
ステップS15で、積算空気量gsが、第2閾値Th2以上になったか否かが判断される。積算空気量gsが第2閾値Th2以上になっていない場合は、ステップS15が繰り返される。積算空気量gsが第2閾値Th2以上になった場合は、後段触媒30が活性状態になったと判断されて、ステップS16に進められる。
ステップS16で、第1切替弁19が開いた状態(0度<θ1≦90度)にされる。弁開度θ1は、運転状態により調整される。これにより、機関本体11から排出される排気ガスの一部または全部は、二次通路20に流れて第1熱交換器21にコーティングされた吸着材に吸着されたHCとNOを脱離させ、残りは、二次通路20を介さずに排気通路15を流れて、後段触媒30に到達する。
ステップS17で、積算空気量gsが、第3閾値Th3以上になったか否かが判断される。積算空気量gsが、第3閾値Th3以上になっていない場合は、ステップS17が繰り返される。積算空気量gsが第3閾値Th3以上になった場合は、吸着材からHCとNOの脱離が完了したと判断されて、ステップS18に進められる。
ステップS18で、第1切替弁19が全閉状態(θ1=0度)にされる。これ以降、機関本体11から排出される排気ガスは、二次通路20を介さずに排気通路15を流れて、後段触媒30に到達する。
第1実施形態では、第1熱交換器21の低温側流路を流れる冷媒(冷却水)と、高温側流路を流れる排気ガスとの間では、熱交換が行われるだけで、混じり合うことはない。このため、排気ガスと排気ガスを冷却する冷媒とが混ざり合って二次通路20に流れるガス量が増加することはない。従って、吸着材の吸着効率を下げることなく、HCとNOの吸着及び脱離を適切に行うことが可能になる。
また、第1熱交換器21の低温側流路を流れる冷媒には、機関本体11を流れる冷却水が用いられる。このため、第1熱交換器21において、排気ガスの熱を受けることにより、冷却水は温められるので、早期に冷却水を内燃機関1の運転に適した温度にまで温めることが可能になる。また、第1熱交換器21は、機関本体11を流れる冷却水の配管経路に、熱交換器を加えることで実現出来るため、熱交換器の低温側流路を流れる冷媒を別途導入する装置は不要である。また、冷却水を温める熱交換器は、後段触媒30の下流などに通常備えられているものである。このため、通常備えられていた熱交換器に代えて第1熱交換器21を二次通路20上に設ける場合は、コスト上昇要因が少ない。
また、第1熱交換器21のフィンなどに吸着材がコーティングされるため、吸着材を担持する基材を別途設ける必要が無くなる。このため、二次通路20上のスペースを有効に活用して熱交換と吸着及び脱離を行うことが可能になる。
次に、第2実施形態について、図3〜7を用いて説明する。第1実施形態では、第1熱交換器21にコーティングされた吸着材を用いてHCとNOの吸着及び脱離を行う形態を説明したが、第2実施形態では、第2熱交換器23の排気ガスの上流側、すなわち前段触媒17側に設けられたHC吸着材22、及び第2熱交換器23の排気ガスの下流側、すなわち後段触媒30側に設けられたNO吸着材24を用いてHCとNOの吸着及び脱離を行う。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
第2実施形態における制御部5は、特に、エアフローメータ13で測定される吸入空気量Gaに関する情報などから推定される内燃機関1の運転状態に基づいて、第1切替弁19、及び第2切替弁28の開閉制御を行って、機関本体11から排出される排気ガスに含まれるHCとNOの吸着及び脱離制御を行う。
内燃機関1の運転中、機関本体11の各シリンダーの燃焼室には、吸気通路12から吸気弁(不図示)を介して、空気が吸入される(図3〜6の点線矢印参照)。エアフローメータ13は、吸気通路12に流れる空気流量、即ち吸入空気量Gaを測定するために使用される。吸入空気量Gaは、電子制御スロットル弁(不図示)を制御するために使用される他、第2実施形態でも、吸入空気量Gaを時間積分した値が、エアフローメータ13を通過した吸入空気量Gaの積算値、すなわち積算空気量gsとして、第1切替弁19、及び第2切替弁28の開閉制御に使用される。積算空気量gsの値は、制御部5のRAMなどに記録される。
機関本体11の燃焼室から排出された排気ガスは、排気弁(不図示)を介して排気通路15、及び前段触媒17の下流の排気通路15に設けられた二次通路20を通って排出される(図3〜6の実線矢印参照)。排気ガスに含まれるHCとNOは、排気通路15に設けられた上流の前段触媒17、及び排気通路15の二次通路20が合流する部分よりも下流に設けられた後段触媒30により浄化される。なお、排気ガスの排出経路は、第1切替弁19、及び第2切替弁28の開閉状態によって異なる。
第1切替弁19は、機関本体11の燃焼室から排出された排気ガスの一部又は全部の流路を、排気通路15から二次通路20に切り替える弁であり、電動モータ19aで駆動される。第2切替弁28は、機関本体11の燃焼室から排出された排気ガスであって、二次通路20からHC吸着材22と第2熱交換器23との間と吸気通路12とを連通するパージ通路27を介して吸気通路12に流れる流路の開放及び遮断を切り替える弁である。第1切替弁19の弁開度θ1、及び第2切替弁28の弁開度θ2は、内燃機関1の運転状態に基づいて制御される。なお、第1切替弁19の弁開度θ1は、排気通路15から二次通路20への流れを遮断し、排気通路15から後段触媒30への二次通路20を介さない流れを全く妨げない状態を全閉状態(θ1=0度)とし、排気通路15から二次通路20への流れを全く妨げず、排気通路15から後段触媒30への二次通路20を介さない流れを遮断する状態を全開状態(θ1=90度)とする。第2切替弁28の弁開度θ2は、パージ通路27を介して、二次通路20から吸気通路12への流れを遮断する状態を全閉状態(θ2=0度)とし、かかる流れを全く妨げない状態を全開状態(θ2=90度)とする。
二次通路20上には、前段触媒17に近い側からHC吸着材22、第2熱交換器23、及びNO吸着材24が設けられる。第2熱交換器23の高温側流路には、機関本体11から排出された排気ガスが流れ、低温側流路には、機関本体11のウォータージャケット(不図示)を流れる冷却水が流れる。第2熱交換器22では、高温側流路を流れる排気ガスと低温側流路を流れる冷却水との間で、互いが混じり合わない状態で、熱交換が行われる。冷却水は、冷却水配管25を介して、第1熱交換器21、第1切替弁19を駆動する電動モータ19a、機関本体11、及びラジエータ(不図示)を循環する(図3〜6の細矢印参照)。冷却水の循環により、機関本体11、及び第1切替弁19の電動モータ19aが適温に保たれる。第2熱交換器23によって、二次通路20を流れる排気ガスは冷却され、冷却水は温められる。また、第2熱交換器23の下流、すなわち後段触媒30に近い側に配置されたNO吸着材24の温度は、排気ガスが通過することにより上昇するが、NOを吸着する際には、排気ガスの流れの上流に配置された第2熱交換器23の低温側流路を流れる冷却水で排気ガスが冷却されるため、NO吸着材24の温度上昇が抑えられる。かかる温度上昇抑制により、NOの吸着可能な状態を維持する時間、すなわち高温になって吸着されたNOを脱離するまでの時間を長くすることが可能になる。
NO吸着材24は、排気ガスに含まれるNOを低温時に吸着し、高温時に脱離する特性を有する。また、NO吸着材24は、NO吸着材24自身またはNO吸着材24を通過する排気ガスが水分を多く含む場合には、低温時であってもNOを吸着せず、且つ高温時でなくてもNO吸着材24に吸着されたNOを脱離させる特性を有する。そのため、冷間始動時などNO吸着材24が低温である場合に、二次通路20を流れる排気ガス中に含まれるNOは、NO吸着材24に吸着される。なお、NOを吸着する際、排気ガスに含まれる水分は、NO吸着材24の上流に配置されたHC吸着材23に吸着されるため、NO吸着材24に流れる排気ガスに含まれる水分は少ない。吸着されたNOは、水分を多く含む排気ガスがNO吸着材24を通過する際に脱離し、パージ通路27を介して、吸気側に帰還する。その後、機関本体11から排出され、前段触媒17で浄化される(図5参照)。
HC吸着材22は、排気ガスに含まれるHCを低温時に吸着し、高温時に脱離する特性を有する。また、HC吸着材22は、HCと共に、排気ガスに含まれる水分も吸着する。そのため、冷間始動時などHC吸着材22が低温である場合に、二次通路20を流れる排気ガス中に含まれるHC及び水分は、HC吸着材22に吸着される。HC吸着材22を通過する排気ガスが高温になると、HC吸着材22に吸着されたHC及び水分が脱離し、二次通路20を流れる排気ガスと共に、後段触媒30に到達する(図6参照)。後段触媒30で、HC吸着材22から脱離したHCは浄化される。
HC吸着材22におけるHCの吸着容量、及びNO吸着材24におけるNOの吸着容量は、冷間始動時であって、前段触媒17が活性状態になるまでの間に、機関本体11から排出される排気ガスに含まれるHCやNOを吸着出来るだけのものが確保される。
内燃機関1の冷間始動時は、前段触媒17、及び後段触媒30が活性状態になる温度以上に温められておらず、排気ガスを十分に浄化することが出来ない。このため、機関本体11から排出される排気ガスに含まれるHCとNOをHC吸着材22やNO吸着材24に吸着させるため、第1状態として、第1切替弁19は全開状態(θ1=90度)、第2切替弁28は全閉状態(θ2=0度)にされる(図3、及び図7のステップS32参照)。この間、機関本体11から排出される排気ガスの総てが、二次通路20を流れる。二次通路20を流れる排気ガスに含まれるHCや水分は、HC吸着材22に吸着される。第2熱交換器23によって二次通路20を流れる排気ガスは冷却されるため、第2熱交換器23の排気ガスの流れの下流にあるNO吸着材24の温度は、排気ガスによってあまり上昇しない。排気ガスに含まれるNOは、温度が低い状態のNO吸着材24に吸着される。なお、排気ガスに含まれる水分がNO吸着材24よりも上流に配置されたHC吸着材22で吸着されるため、NOx吸着材24を通過する排気ガスに含まれる水分は少ない。このため、第1状態において、排気ガスに含まれた水分がNO吸着材24に吸着されたNOを脱離させることはない。
前段触媒17が活性状態になった後は、内燃機関1の暖機が完了し、排気ガスの一部を吸気側に帰還しても運転に支障をきたさない状態になるまで、第2状態として、第1切替弁19、及び第2切替弁28は全閉状態(θ1=θ2=0度)にされる(図4、及び図7のステップS24参照)。この間、機関本体11から排出される排気ガスの総てが、二次通路20を介さずに、排気通路15を流れる。従って、機関本体11から排出された排気ガスは、HC吸着材22、及びNO吸着材24に到達しない。このため、HC吸着材22、及びNO吸着材24に吸着されたHCとNOは脱離しない状態で保持される。また、この間に機関本体11から排出された排気ガスに含まれるHCとNOは、前段触媒17によって浄化される。
その後、内燃機関1の暖機が完了し、排気ガスの一部を吸気側に帰還しても運転に支障をきたさない状態になった後は、NO吸着材24からNOの脱離が完了し、且つ後段触媒30が活性状態になるまで、第3状態として、第1切替弁19は全閉状態(θ1=0度)にされ、第2切替弁28は開状態(0度<θ2≦90度)にされる(図5、及び図7のステップS36参照)。この間、機関本体から排出される排気ガスの一部が、後段触媒30に近い側から二次通路20、及びパージ通路27に流れ、NO吸着材24、及び第2熱交換器23を通過する。残りは、二次通路20を介さずに、排気通路15を流れる。但し、排気ガスはHC吸着材22を通過しないため、HC吸着材22に吸着されたHCは脱離しない。このため、排気ガスに含まれる水分はHC吸着材22に吸着されずに、NO吸着材24に到達する。排気ガスに含まれる水分が、NO吸着材24の通過時に、NO吸着材24に吸着されたNOを脱離させ(第1パージ)、パージ通路27を介して吸気側に帰還させる。脱離したNOは、前段触媒17で浄化される。また、この間に機関本体11から排出された排気ガスに含まれるHCとNOは、前段触媒17によって浄化される。
その後、NO吸着材24からNOの脱離が完了し、且つ後段触媒30が活性状態になった後は、第4状態として、HC吸着材22に吸着されたHCを脱離させ、後段触媒30で浄化させる第2パージが開始される。第2パージでは、機関本体11から排出された排気ガスの一部または全部が、二次通路20を流れるように、第2切替弁28が全閉状態(θ2=0度)で、且つ第1切替弁19の弁開度θ1が調整される(0度<θ1≦90度、図6、及び図7のステップS38参照)。第1切替弁19の弁開度θ1は、運転状態に応じた開度に設定される。機関本体11から排出された排気ガスのうち、二次通路20に流れる排気ガスによって、HC吸着材22に吸着されたHCが脱離し、二次通路20を介さずに排気通路15を流れて後段触媒30に到達する排気ガスによって、後段触媒30が高い温度状態に保たれる。なお、NO吸着材24に吸着されたNOは、第2パージで脱離して、後段触媒30で浄化することも出来るので、第2パージを開始する判断としては、後段触媒30が活性状態になったか否かを判断するだけでもよい。
後段触媒30が活性状態になった後は、二次通路20に流れる排気ガスの温度が高くなっており、高い温度の排気ガスがHC吸着材22を通過する。このため、HC吸着材22に吸着された水分が脱離(蒸発)し、HC吸着材22に吸着されたHCが脱離する。第1切替弁19の弁開度θ1が大きくなると、HC吸着材22に流れる排気ガスの増加に伴い、HC吸着材22の温度が高くなり脱離するHCの量が増加する。脱離したHCは、後段触媒30で浄化される。機関本体11から排出された排気ガスに含まれるHCとNOは、前段触媒17、及び後段触媒30で浄化される。なお、HC吸着材22は、第2熱交換器23による排気ガスの冷却の影響を受けないため、第2熱交換器23による排気ガスの冷却の影響を受ける場合に比べて、高温の排気ガスを使って、早期にHC吸着材22をHCの脱離を開始する温度にまで上昇させることが可能になる。特に、HCの脱離開始温度が高い吸着材をHC吸着材22として使用した場合に有効である。
HC吸着材22に吸着されたHCの脱離が完了した後は、第5状態として、機関本体11から排出された排気ガスの全部が、二次通路20を介さずに排気通路15を流れて後段触媒30に到達するように、第1切替弁19、及び第2切替弁28が全閉状態にされる(θ1=θ2=0、図4、及び図7のステップS40参照)。機関本体11から排出された排気ガスに含まれるHCとNOは、前段触媒17、及び後段触媒30で浄化される。
なお、前段触媒17が活性状態になったか否かの判断、NO吸着材24からNOの脱離が完了し且つ後段触媒30が活性状態になったか否かの判断、及びHCの脱離が完了したか否かの判断は、冷間始動直後に積算が開始される積算空気量gsが、それぞれ第4〜第6閾値Th4〜Th6以上になったか否かに基づいて行われる。内燃機関1の暖機が完了したか否かの判断は、機関本体11を流れる冷却水の水温に基づいて行われる。
なお、これらの判断は、上述の積算空気量gsと第4〜第6閾値Th4〜Th6との関係に基づいて行っても良いが、別の判断要素に基づいて行っても良い。例えば、第2熱交換器23とNO吸着材24との間に設けられたNOセンサにより検出されたNO濃度の変化に基づいてNOの脱離が完了したか否かを判断する形態などが挙げられる。
第4閾値Th4は、冷間始動直後のHCとNOがHC吸着材22やNO吸着材24に吸着されていない状態(図7のステップS32参照)から、前段触媒17が活性状態になる時点までにエアフローメータ13を通過すると推定される吸入空気量Gaの積算値が設定される。第5閾値Th5は、冷間始動直後のHCとNOがHC吸着材22やNO吸着材24に吸着されていない状態(図7のステップS32参照)から、NO吸着材24からNOの脱離が完了し且つ後段触媒30が活性状態になる時点までにエアフローメータ13を通過すると推定される吸入空気量Gaの積算値が設定される(Th5>Th4)。第6閾値Th6は、冷間始動直後のHCとNOがHC吸着材22やNO吸着材24に吸着されていない状態(図7のステップS32参照)から、HCの脱離が完了する時点までにエアフローメータ13を通過すると推定される吸入空気量Gaの積算値が設定される(Th6>Th5)。
但し、第1パージ中は、運転状態に応じてパージ通路27を介して吸気側に帰還する排気ガスの量が変動する。また、第2パージ中は、運転状態に応じて第1切替弁19の弁開度θ1が変動する。従って、かかる変動量も考慮して、第5、第6閾値Th5、Th6を設定してもよい。
次に、第2実施形態における第1切替弁19、及び第2切替弁28の開閉制御手順について図7のフローチャートを用いて説明する。内燃機関1の運転が開始されると、ステップS31で、機関本体11などを流れる冷却水の水温が低い状態にあるか否かが判断される。冷間始動持など冷却水の水温が低い場合には、前段触媒17などの温度も低く活性状態になっていないと判断され、ステップS32で、第1切替弁19が全開状態(θ1=90度)にされ、第2切替弁28が全閉状態(θ2=0度)にされる(第1状態、図3参照)。これにより、機関本体11から排出される排気ガスの総ては、二次通路20に流れ、排気ガスに含まれるHCや水分は、HC吸着材22に吸着され、排気ガスに含まれるNOは、NO吸着材24に吸着される。また、ステップS32で、積算空気量gsを算出するため、エアフローメータ13を通過した吸入空気量Gaの積算が開始される。水温が低くない場合は、前段触媒17などの温度も高く活性状態になっており、機関本体11から排出される排気ガスに含まれるHCとNOを前段触媒17などで浄化出来るため、ステップS40に進められる。
ステップS33で、積算空気量gsが、第4閾値Th4以上になったか否かが判断される。積算空気量gsが第4閾値Th4以上になっていない場合は、ステップS33が繰り返される。積算空気量gsが第4閾値Th4以上になった場合は、前段触媒17が活性状態になったと判断されて、ステップS34に進められる。
ステップS34で、第1切替弁19が全閉状態(θ1=0度)にされ、第2切替弁28が全閉状態(θ2=0度)にされる(第2状態、図4参照)。この間、機関本体11から排出される排気ガスの総ては、二次通路20を介さずに排気通路15を流れて後段触媒30に到達する。また、HC吸着材22に吸着されたHC、及びNO吸着材24に吸着されたNOは、脱離せずに吸着された状態が維持される。
ステップS35で、内燃機関1の暖機が完了したか否かが判断される。暖機が完了していない場合は、ステップS35が繰り返される。暖機が完了した場合は、ステップS36に進められる。
ステップS36で、第1切替弁19が全閉状態(θ1=0度)にされ、第2切替弁28が開状態(0度<θ2≦90度)にされ、第1パージが開始される(第3状態、図5参照)。この間、機関本体11から排出される排気ガスの殆どは、二次通路20を介さずに後段触媒30に到達するが、排気ガスの一部は、二次通路20、及びパージ通路27を流れて、吸気側に帰還する。このとき、NO吸着材24に吸着されたNOは、水分を多く含む排気ガスがNO吸着材24を通過する際に脱離し、吸気側に帰還する。その後、機関本体11から排出され、前段触媒17で浄化される。
ステップS37で、積算空気量gsが、第5閾値Th5以上になったか否かが判断される。積算空気量gsが第5閾値Th5以上になっていない場合は、ステップS37が繰り返される。積算空気量gsが第5閾値Th5以上になった場合は、NOの脱離(第1パージ)が完了し、且つ後段触媒30が活性状態になったと判断されて、ステップS38に進められる。
ステップS38で、第2切替弁28が全閉状態(θ2=0度)にされ、且つ第1切替弁19が開いた状態(0度<θ1≦90度)にされ、第2パージが開始される(第4状態、図6参照)。第1切替弁19の弁開度θ1は、運転状態により調整される。この間、機関本体11から排出される排気ガスの一部または全部は、二次通路20に流れてHC吸着材22に吸着材に吸着されたHC及び水分を脱離させ、残りは、二次通路20を介さずに排気通路15を流れて、後段触媒30に到達する。
ステップS39で、積算空気量gsが、第6閾値Th6以上になったか否かが判断される。積算空気量gsが、第6閾値Th6以上になっていない場合は、ステップS39が繰り返される。積算空気量gsが第6閾値Th6以上になった場合は、HC吸着材22からHCの脱離(第2パージ)が完了したと判断されて、ステップS40に進められる。
ステップS40で、第1切替弁19が全閉状態(θ1=0度)にされ、第2切替弁28が全閉状態(θ2=0度)にされる(第5状態、図4参照)。これ以降、機関本体11から排出される排気ガスは、二次通路20を介さずに排気通路15を流れて、後段触媒30に到達する。
第2実施形態では、第2熱交換器23の低温側流路を流れる冷媒(冷却水)と、高温側流路を流れる排気ガスとは熱交換が行われるだけで、混じり合うことはない。このため、排気ガスと排気ガスを冷却する冷媒とが混ざり合って二次通路20に流れるガス量が増加することはない。従って、HC吸着材22、及びNO吸着材24の吸着効率を下げることなく、HCとNOの吸着及び脱離を適切に行うことが可能になる。
また、第2熱交換器23の低温側流路を流れる冷媒には、機関本体11を流れる冷却水が用いられる。このため、第2熱交換器23において、排気ガスの熱を受けることにより、冷却水は温められるので、早期に冷却水を内燃機関1の運転に適した温度にまで温めることが可能になる。また、第2熱交換器23は、機関本体11を流れる冷却水の配管経路に、熱交換器を加えることで実現出来るため、熱交換器の低温側流路を流れる冷媒を別途導入する装置は不要である。また、冷却水を温める熱交換器は、後段触媒30の下流などに通常備えられているものである。このため、通常備えられていた熱交換器に代えて第2熱交換器23を二次通路20上に設ける場合は、コスト上昇要因が少ない。
また、HC吸着材におけるHCの吸着特性や脱離特性と、NO吸着材におけるNOの吸着特性と脱離特性とは、異なる。例えば、吸着温度範囲の違いなどである。また、NO吸着材は、NO吸着材24自身またはNO吸着材24を通過する排気ガスが水分を多く含む場合には、低温時であってもNOを吸着せず、且つ高温時でなくてもNO吸着材24に吸着されたNOを脱離する特性を有する。第2実施形態では、HC吸着材22と、NO吸着材24の特性を考慮し、吸着や脱離を行うタイミングに応じて、第1切替弁19、及び第2切替弁28の開閉状態を制御して、排気ガスが流れる経路を制御する。これにより、効率よく、HCやNOの吸着及び脱離を行うことが可能になる。
また、第2熱交換器23が、HC吸着材22とNO吸着材24との間に配置される形態を説明したが、HC吸着材22が、第2熱交換器23とNO吸着材24との間に配置される形態であってもよい(図8参照)。この場合、パージ通路27は、HC吸着材22とNO吸着材24との間と、吸気通路12とを連通する。また、HCやNOを吸着する第1状態において、第2熱交換器23によって冷却された排気ガスがHC吸着材22を流れるため、NO吸着材24だけでなく、HC吸着材22の温度上昇を抑えることも可能になる。
第1実施形態における内燃機関の構成図である。 第1実施形態における第1切替弁の開閉制御手順を示すフローチャートである。 第2実施形態における内燃機関の構成図であって、第1状態における第1、第2切替弁の開閉状態を示す図である。 第2実施形態における内燃機関の構成図であって、第2、第5状態における第1、第2切替弁の開閉状態を示す図である。 第2実施形態における内燃機関の構成図であって、第3状態における第1、第2切替弁の開閉状態を示す図である。 第2実施形態における内燃機関の構成図であって、第4状態における第1、第2切替弁の開閉状態を示す図である。 第2実施形態における第1、第2切替弁の開閉制御手順を示すフローチャートである。 第2実施形態における内燃機関の構成図であって、第2熱交換器とHC吸着材の配置を入れ替えた形態のものである。
符号の説明
1 内燃機関
5 制御部
11 機関本体
12 吸気通路
13 エアフローメータ
15 排気通路
17 前段触媒
19 第1切替弁
20 二次通路
21 第1熱交換器
22 HC吸着材
23 第2熱交換器
24 NO吸着材
25 冷却水配管
27 パージ通路
28 第2切替弁
30 後段触媒

Claims (6)

  1. 機関本体から排出された排気ガスを流す排気通路に設けられた二次通路と、
    前記二次通路上に設けられ、排気ガスにおけるHCとNOの少なくとも一方を吸着し、吸着されたHCとNOの少なくとも一方が所定条件下で脱離する吸着材と、
    前記二次通路上に設けられ、高温側流路には排気ガスが流れ、低温側流路には前記機関本体を流れる冷却水が流れ、前記高温側流路を流れる排気ガスと前記低温側流路を流れる冷却水との間で、互いが混じり合わない状態で、熱交換が行われる熱交換器と、
    排気通路の二次通路が合流する部分よりも下流に設けられ、前記吸着材から脱離したHCとNOの少なくとも一方を浄化する排気ガス浄化触媒とを備え、
    前記吸着材は、前記熱交換器の前記排気ガスが接触する部分にコーティングされるか、前記熱交換器と前記排気ガス浄化触媒との間に配置されることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  2. 前記吸着材は、前記熱交換器の前記排気ガス浄化触媒がある側に多くコーティングされることを特徴とする請求項1に記載の排気浄化装置。
  3. 前記排気通路から前記二次通路への排気ガスの流れを制御する切替弁を更に備え、
    前記切替弁の開閉状態を制御することにより、前記吸着材へのHCとNOの少なくとも一方の吸着、及び前記吸着材に吸着されたHCとNOの少なくとも一方の脱離が行われ、
    前記切替弁の開閉は、前記機関本体を通る冷却水による冷却が行われる電動モータにより行われることを特徴とする請求項1に記載の排気浄化装置。
  4. 前記排気通路上であって、前記二次通路よりも上流に設けられた前段排気ガス浄化触媒と、
    前記二次通路上であって、前記吸着材よりも前記前段排気ガス浄化触媒がある側に設けられたHC吸着材と、
    前記二次通路上であって、前記HC吸着材と前記吸着材との間と前記機関本体の吸気通路とを連通するパージ通路と、
    前記排気通路から前記二次通路への排気ガスの流れを制御する第1切替弁と、
    前記二次通路から前記パージ通路への排気ガスの流れを制御する第2切替弁とを更に備え、
    前記吸着材は、NO吸着材であり、
    前記第1、第2切替弁の開閉状態を制御することにより、前記NO吸着材へのNOの吸着、前記HC吸着材へのHCの吸着、前記NO吸着材に吸着されたNOの脱離、及び前記HC吸着材に吸着されたHCの脱離が行われることを特徴とする請求項1に記載の排気浄化装置。
  5. 前記HC吸着材は、前記熱交換器よりも前記前段排気ガス浄化触媒側に配置され、
    前記HC吸着材に吸着されたHCを脱離させる場合は、前記HC吸着材、前記熱交換器、前記NO吸着材の順に前記二次通路を排気ガスの少なくとも一部が流れるように、前記第1、第2切替弁の開閉状態が制御されることを特徴とする請求項4に記載の排気浄化装置。
  6. HCを前記HC吸着材に吸着させ、NOを前記NO吸着材に吸着させる場合は、前記HC吸着材、前記NO吸着材の順に前記二次通路を排気ガスが流れるように、前記第1、第2切替弁の開閉状態が制御され、
    前記NO吸着材に吸着されたNOを脱離させる場合は、前記HC吸着材を通過せず、前記NO吸着材を通過した後、前記パージ通路を介して、前記吸気通路に排気ガスの少なくとも一部が流れるように、前記第1、第2切替弁の開閉状態が制御され、
    その後、前記HC吸着材に吸着されたHCを脱離させる場合は、前記HC吸着材、前記NO吸着材の順に前記二次通路を排気ガスの少なくとも一部が流れるように、前記第1、第2切替弁の開閉状態が制御されることを特徴とする請求項4に記載の排気浄化装置。
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