JP5029507B2 - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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Description

この発明は、内燃機関の排気浄化装置に関する。
従来、例えば特許文献1には、メイン通路から分岐するバイパス通路に、排気の温度を抑制する蓄熱材、排気の炭化水素をトラップする吸着材、およびヒータ付き触媒を備える内燃機関の排気浄化装置が開示されている。この従来の排気浄化装置では、メイン通路に配置されたメイン触媒が未だ活性化していない始動直後には、切替バルブを操作してバイパス通路に排気を導くようにすることで、吸着材に炭化水素を吸着させるようにしている。そして、メイン触媒が活性化した後において、ヒータ付き触媒がヒータによる加熱によって活性温度になった際に、切替バルブを操作してバイパス通路に高温の排気を導くようにすることで、吸着材から炭化水素を脱離させるようにしている。
特開平10−184346号公報 特開平5−79319号公報 特開平5−59937号公報 特開平11−125113号公報
ところで、吸着材に吸着されていた炭化水素などの吸着対象成分や水分などの吸着阻害成分が吸着材から脱離する際には、脱離反応に伴う脱離熱の影響によって、吸着材を通過した排気ガスの温度が低下してしまう。その結果、吸着材の下流側に配置された触媒に流入する排気ガスの温度が低下することになるので、当該触媒の温度が低下してしまい、吸着材から脱離した上記吸着対象成分を当該触媒によって十分に浄化することが困難となる可能性がある。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、吸着材から吸着対象成分等の特定の成分を脱離させる脱離動作時に、脱離熱に起因する排気ガスの温度低下によって、吸着材の下流側に配置された触媒の浄化能力が低下するのを良好に回避し得る内燃機関の排気浄化装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、内燃機関の排気浄化装置であって、
排気通路に配置され、排気ガス中に含まれる特定の成分を吸着する吸着材と、
前記吸着材よりも下流側の前記排気通路に配置され、排気ガスを浄化可能な触媒と、
前記触媒に備えられ、前記触媒の浄化率が高くなる特定の浄化温度範囲で相転移を起こす潜熱型蓄熱材とを備え、
前記潜熱型蓄熱材の潜熱容量が、前記相転移に要する総熱量が前記吸着材から前記特定の成分が脱離する際の総脱離熱量以上となるように設定されており、
前記排気通路は、内燃機関から排出された排気ガスが流れる主排気通路と、前記主排気通路との上流側接続部において前記主排気通路から分岐し、前記上流側接続部より下流の下流側接続部において再び前記主排気通路に合流するバイパス通路とを含み、
前記吸着材は、前記バイパス通路に配置され、
前記潜熱型蓄熱材を備える前記触媒は、前記下流側接続部よりも下流側の前記主排気通路に配置されており、
排気ガスの流入先を前記主排気通路と前記バイパス通路との間で切り替え可能な流路切替手段と、
前記潜熱型蓄熱材の温度を取得する温度取得手段と、
前記相転移が起こる温度よりも前記潜熱型蓄熱材の温度が高い場合に、前記吸着材に排気ガスが流入するように前記流路切替手段を制御する流路制御手段と、
前記潜熱型蓄熱材の温度が、前記相転移が完了した後に前記潜熱型蓄熱材の温度が上昇し始める変曲点に達したか否かを判定する温度判定手段と、
を更に備え、
前記流路制御手段は、前記潜熱型蓄熱材の温度が前記変曲点に達したと判定された場合に、前記吸着材に排気ガスが流入するように前記流路切替手段を制御することを特徴とする。
また、第の発明は、第の発明において、
前記吸着材からの前記特定の成分の脱離完了後から当該吸着材の吸着性能が回復するまでに要する時間が、前記潜熱型蓄熱材の前記相転移の開始から終了までに要する時間よりも短くなるように、前記吸着材の冷却性能が設定されていることを特徴とする。
また、第の発明は、第の発明において、
前記吸着材からの前記未浄化成分の脱離完了後から当該吸着材の吸着性能が回復するまでに要する時間が、前記潜熱型蓄熱材の前記相転移の開始から終了までに要する時間よりも短くなるように、前記潜熱型蓄熱材の保温性能が設定されていることを特徴とする。
また、第の発明は、内燃機関の排気浄化装置であって、
排気通路に配置され、排気ガス中に含まれる特定の成分を吸着する吸着材と、
前記吸着材よりも下流側の前記排気通路に配置され、排気ガスを浄化可能な触媒と、
前記触媒に備えられ、前記触媒の浄化率が高くなる特定の浄化温度範囲で相転移を起こす潜熱型蓄熱材と、
前記吸着材への前記特定の成分の吸着量を取得する吸着量取得手段と、
取得された吸着量に基づいて前記潜熱型蓄熱材の必要蓄熱量を設定する蓄熱量設定手段と、
を備え
前記蓄熱量設定手段は、取得された吸着量分の前記特定の成分が前記吸着材から脱離する際の総脱離熱量を充足する熱量となるように、前記必要蓄熱量を設定するものであって、
前記蓄熱量設定手段は、
前記潜熱型蓄熱材への投入熱量を調整する投入熱量調整手段と、
前記潜熱型蓄熱材の蓄熱量を取得する蓄熱量取得手段とを含み、
前記投入熱量調整手段は、
取得された吸着量および蓄熱量に基づいて、前記潜熱型蓄熱材へ投入する熱量を調整するものであって、
前記投入熱量調整手段は、
前記必要蓄熱量が前記潜熱型蓄熱材に蓄えられたか否かを判別する蓄熱量判別手段と、
前記潜熱型蓄熱材に前記必要蓄熱量が蓄えられたと判別された場合に、前記吸着材に吸着されていた前記特定の成分を前記吸着材から脱離させる脱離動作を実行する脱離動作実行手段と、
を更に備えることを特徴とする。
また、第の発明は、内燃機関の排気浄化装置であって、
排気通路に配置され、排気ガス中に含まれる特定の成分を吸着する吸着材と、
前記吸着材よりも下流側の前記排気通路に配置され、排気ガスを浄化可能な触媒と、
前記触媒に備えられ、前記触媒の浄化率が高くなる特定の浄化温度範囲で相転移を起こす潜熱型蓄熱材と、
前記吸着材への前記特定の成分の吸着量を取得する吸着量取得手段と、
取得された吸着量に基づいて前記潜熱型蓄熱材の必要蓄熱量を設定する蓄熱量設定手段と、
を備え
前記蓄熱量設定手段は、
前記潜熱型蓄熱材への投入熱量を調整する投入熱量調整手段と、
前記潜熱型蓄熱材の蓄熱量を取得する蓄熱量取得手段とを含み、
前記投入熱量調整手段は、
取得された吸着量および蓄熱量に基づいて、前記潜熱型蓄熱材へ投入する熱量を調整するものであって、
前記投入熱量調整手段は、
前記必要蓄熱量が前記潜熱型蓄熱材に蓄えられたか否かを判別する蓄熱量判別手段と、
前記潜熱型蓄熱材に前記必要蓄熱量が蓄えられたと判別された場合に、前記吸着材に吸着されていた前記特定の成分を前記吸着材から脱離させる脱離動作を実行する脱離動作実行手段と、
を更に備え、
前記排気浄化装置は、前記潜熱型蓄熱材における排気ガスの流れ方向の複数部位の温度をそれぞれ取得する温度取得手段を更に備え、
前記蓄熱量判別手段は、前記複数部位中の前記必要蓄熱量を充足する部位において、前記相転移が起こる温度よりも前記潜熱型蓄熱材の温度が高くなった時点で、前記潜熱型蓄熱材に前記必要蓄熱量が蓄えられたと判別することを特徴とする。
また、第の発明は、第4または第5の発明において、
前記排気通路は、内燃機関から排出された排気ガスが流れる主排気通路と、前記主排気通路との上流側接続部において前記主排気通路から分岐し、前記上流側接続部より下流の下流側接続部において再び前記主排気通路に合流するバイパス通路とを含み、
前記吸着材は、前記バイパス通路に配置され、
前記潜熱型蓄熱材を備える前記触媒は、前記下流側接続部よりも下流側の前記主排気通路に配置されており、
前記排気浄化装置は、排気ガスの流入先を前記主排気通路と前記バイパス通路との間で切り替え可能な流路切替手段を更に備え、
前記脱離動作実行手段は、前記潜熱型蓄熱材に前記必要蓄熱量が蓄えられたと判別された場合に、前記吸着材に排気ガスが流入するように前記流路切替手段を制御する流路制御手段を含むことを特徴とする。
また、第の発明は、第4の発明において、
前記排気浄化装置は、前記潜熱型蓄熱材における排気ガスの流れ方向の複数部位の温度をそれぞれ取得する温度取得手段を更に備え、
前記蓄熱量判別手段は、前記複数部位中の前記必要蓄熱量を充足する部位において、前記相転移が起こる温度よりも前記潜熱型蓄熱材の温度が高くなった時点で、前記潜熱型蓄熱材に前記必要蓄熱量が蓄えられたと判別することを特徴とする。
また、第の発明は、第乃至第の発明の何れかにおいて、
前記潜熱型蓄熱材は、排気ガスの流れ方向に複数部位に分割され、かつ、当該複数部位間で断熱された状態で前記触媒に備えられていることを特徴とする。
第1の発明によれば、吸着材の脱離動作時に、触媒に流入する排気ガスの温度が吸着材での脱離熱に起因して低下した場合であっても、当該触媒の浄化率が高くなる特定の浄化温度範囲で相転移を起こす潜熱型蓄熱材に、吸着材から上記特定の成分が脱離する際の総脱離熱量以上の潜熱容量の熱が蓄えられているので、触媒の温度が潜熱型蓄熱材の相転移温度よりも低下するのを回避することができる。このため、本発明によれば、吸着材の脱離動作を行う際に、脱離熱に起因する排気ガスの温度低下によって、吸着材の下流側に配置された触媒の浄化能力が低下するのを良好に回避することができる。また、本発明によれば、主排気通路を迂回するバイパス通路に吸着材が設けられており、かつ、当該バイパス通路と主排気通路との下流側接続部よりも下流側の主排気通路に、潜熱型蓄熱材を備える触媒が設けられている構成において、吸着材の脱離動作を行う際に、脱離熱に起因する排気ガスの温度低下によって、当該触媒の浄化能力が低下するのを良好に回避することができる。また、本発明によれば、吸着材から上記特定の成分が脱離する際に脱離熱による排気ガスの温度低下が生じても、十分な浄化能力が確保される温度に維持された上記触媒によって、吸着材から脱離した上記特定の成分を確実に浄化できるようになる。更に、本発明によれば、吸着材からの上記特定の成分の脱離に伴う排気ガスの温度低下による触媒の温度低下を回避できるだけの排気熱が潜熱型蓄熱材にチャージされたか否かを、過不足なく正確に把握できるようになる。これにより、脱離動作の開始タイミングを最適化(最短化)することができる。
または第の発明によれば、車両ソーク時において、吸着材が吸着能力を回復するまでの間は、潜熱型蓄熱材を備える触媒の温度がその浄化率が高くなる浄化温度範囲内の温度に維持されるようになる。このため、車両ソーク時間が短いことで吸着材が冷え切れていないために吸着材の吸着能力が十分に回復されていないような状況下では、活性温度(または着火温度)が確保されている触媒によって、吸着材に吸着されなかった上記特定の成分を浄化することができる。一方、車両ソーク時間が長いことで触媒が冷えてしまったために触媒が所定の浄化能力を発揮できないような状況下では、十分な吸着能力を発揮できる状態にある吸着材によって、上記特定の成分を吸着して浄化することができる。このように、本発明によれば、潜熱型蓄熱材を備える触媒と吸着材との間で、排気エミッションの低減効果を効果的に補完し合うようにすることが可能となる。
の発明によれば、吸着材から特定の成分が脱離する時の脱離量に合わせて、潜熱型蓄熱材の必要蓄熱量を適切に設定することができる。また、本発明によれば、始動時の吸着量の多少に関わらず、吸着材の脱離動作を行う際の脱離熱に起因する排気ガスの温度低下によって、触媒の浄化能力が低下するのを良好に回避することができる。また、本発明によれば、吸着材から特定の成分が脱離する時の脱離量に合わせて、潜熱型蓄熱材の必要蓄熱量を適切に設定することができる。更に、本発明によれば、始動時の吸着材への吸着量の多少に関わらず、脱離動作の開始タイミングを最適化(最短化)することができる。
の発明によれば、吸着材から特定の成分が脱離する時の脱離量に合わせて、潜熱型蓄熱材の必要蓄熱量を適切に設定することができる。また、本発明によれば、吸着材から特定の成分が脱離する時の脱離量に合わせて、潜熱型蓄熱材の必要蓄熱量を適切に設定することができる。また、本発明によれば、始動時の吸着材への吸着量の多少に関わらず、脱離動作の開始タイミングを最適化(最短化)することができる。更に、本発明によれば、潜熱型蓄熱材の各部位の温度情報に基づき、始動時の吸着量に応じた必要蓄熱量が潜熱型蓄熱材に蓄えられた時点を精度良く把握することができる。
の発明によれば、潜熱型蓄熱材に必要蓄熱量が蓄えられたと判別された場合に、吸着材に排気ガスが供給されることで、脱離動作が開始されるようになる。このため、始動時の吸着材への吸着量の多少に関わらず、脱離動作の開始タイミングを最適化(最短化)することができる。
の発明によれば、潜熱型蓄熱材の各部位の温度情報に基づき、始動時の吸着量に応じた必要蓄熱量が潜熱型蓄熱材に蓄えられた時点を精度良く把握することができる。
の発明によれば、潜熱型蓄熱材の複数部位間での熱伝導が遮断されるので、各部位の蓄熱量をより正確に把握することができるようになる。
実施の形態1.
[実施の形態1のシステム構成]
図1は、本発明の実施の形態1における排気浄化装置を備える内燃機関システムの構成を説明するための図である。図1に示す内燃機関10は、筒内に空気を取り込むための吸気通路12と、筒内から排出された排気ガスが流れる排気通路とを備えている。
本実施形態の排気通路は、筒内から排気ガスを排出するための主排気通路14と、後述するバイパス通路20とを備えている。主排気通路14には、上流側から順に、排気ガス中に含まれる未浄化成分(HC、NOx、CO等)を浄化可能な前段触媒(S/C:Start Catalyst)16、および、融解潜熱型の蓄熱材18aを備える後段触媒(UF/C:Underfloor Catalyst)18が直列に配置されている。
より具体的には、蓄熱材18aは、後段触媒18の基材に、触媒内部の排気ガス通路とは隔離された状態で格子状もしくは帯状に埋め込まれている。また、図1に示すように、当該後段触媒18は、断熱材18bによって周囲と隔離されるように覆われている。このような蓄熱材18aを備える後段触媒18の構成は、本実施形態の特徴部分であるため、後に詳述するものとする。尚、以下、この蓄熱材18aを備える後段触媒18を、「蓄熱触媒18」と略することがある。
本実施形態のシステムは、主排気通路14を迂回する通路として、バイパス通路20を備えている。バイパス通路20は、前段触媒16の下流に位置する上流側接続部20aにおいて主排気通路14から分岐し、当該上流側接続部20aの下流に位置する下流側接続部20bにおいて再び主排気通路14に合流するように構成されている。また、上流側接続部20aには、排気ガスの流入先を主排気通路14とバイパス通路20との間で切り替えるための切替バルブ(V1)22が配置されている。
また、バイパス通路20の途中には、排気ガス中に含まれる特定の吸着対象成分(HC、NOx)および水分(吸着材24への上記吸着対象成分の吸着を阻害する成分)を吸着する機能を有する吸着材24が配置されている。吸着材24の吸着容量は、標準状態での始動時に吸着材24に導入される上記吸着対象成分や上記吸着阻害成分を吸着できるように余裕をもって設定されている。
水分やHCの吸着に適した吸着材としては、例えば、ゼオライト系の素材を用いることができ、NOxの吸着に適した吸着材としては、例えば、ゼオライトに鉄Feを担持した素材を用いることができる。更に、低級HCの吸着に適した吸着材としては、例えば、フェリエライトに銀Agを担持した素材を用いることができる。
また、吸着材24を収納するケーシングの外周には、吸着材24の冷却性能を所望の値に調整するためのフィン(放熱部材)24aが設けられている。この吸着材24の冷却性能の設定は、本実施形態の特徴部分であるため、後に詳述するものとする。
また、蓄熱触媒18の入口側の主排気通路14には、蓄熱触媒18に流入する排気ガスの温度を検出するための温度センサ26が取り付けられている。更に、蓄熱触媒18には、当該蓄熱触媒18の温度(蓄熱材18aの温度)を検出するための温度センサ28が組み込まれている。
本実施形態のシステムは、ECU(Electronic Control Unit)30を備えている。ECU30には、上記温度センサ26、28とともに内燃機関10を制御するための各種センサが接続されている。また、ECU30には、上述した切替バルブ22とともに各種アクチュエータが接続されている。
以上のように構成された本実施形態のシステムによれば、内燃機関10の通常運転時には、バイパス通路20が閉塞されるように(図1に示す「b」の状態に)切替バルブ22を制御することによって、排気ガスがバイパス通路20を介さずにそのまま主排気通路14を通って流れるようにすることができる。
また、本実施形態のシステムによれば、冷間始動時に排気ガス中の吸着対象成分を吸着材24に吸着させる際には、主排気通路14が閉塞されるように(図1に示す「a」の状態に)切替バルブ22を制御することによって、内燃機関10から排出された排気ガスの全部をバイパス通路20の吸着材24に導入することができる。これにより、上記吸着対象成分や水分を吸着材24に吸着させて取り除くことができ、前段触媒16等が未だ活性化していない冷間始動時に、排気ガス中に含まれる未浄化成分(上記吸着対象成分)が大気中に放出されるのを抑制することができる。
また、本実施形態のシステムによれば、吸着材24の吸着動作が完了してから吸着材24からの吸着対象成分等の脱離動作を行う前の段階においては、切替バルブ22を図1に示す「b」状態に制御することで、始動後に暖まってきた排気ガスの熱を蓄熱触媒18が備える蓄熱材18aに蓄えておくことができる(脱離動作(パージ動作)が実行可能となるタイミングを待つパージ待機期間)。
また、本実施形態のシステムによれば、内燃機関10の始動後に蓄熱触媒18の暖機が完了した後には、主排気通路14が閉塞されるように(図1に示す「a」の状態に)切替バルブ22を制御することによって、高温の排気ガスを吸着材24に導入して吸着材24から吸着対象成分や水分を脱離させたうえで、活性状態にある蓄熱触媒18を用いて脱離した未浄化成分を浄化することができる。
更に、本実施形態のシステムによれば、当該脱離動作が完了した後に、切替バルブ22を図1に示す「b」状態に再び制御することで、脱離動作時に高温の排気ガスの供給を受けて高温状態にある吸着材24を冷却することができるとともに、蓄熱触媒18に排気熱をチャージすることができる。
ところで、本実施形態のシステムと同様に、吸着材と当該吸着材の下流側に触媒を備えるシステムにおいて、吸着材に吸着されていた炭化水素などの吸着対象成分(未浄化成分)や水分などの吸着阻害成分が吸着材から脱離する際には、脱離反応に伴う脱離熱の影響によって、吸着材を通過した排気ガスの温度が低下してしまう。その結果、吸着材の下流側に配置された触媒に流入する排気ガスの温度が低下することになるので、当該触媒の温度が低下してしまい、吸着材から脱離した上記吸着対象成分を当該触媒によって十分に浄化することが困難となる可能性がある。
[蓄熱材の特徴的な構成]
本実施形態は、吸着材24から吸着対象成分等を脱離させる脱離動作時に、脱離熱に起因する排気ガスの温度低下によって、吸着材24の下流側に配置された後段触媒18の浄化能力が低下するのを回避すべく、後段触媒18が備える蓄熱材18aを次のように構成した点に特徴を有している。
図2は、図1に示す蓄熱材18aを備える蓄熱触媒18の構成を説明するための図である。より具体的には、図2は、蓄熱触媒18がその内部に蓄えた熱を相転移を伴って放出している際の蓄熱触媒18の床温とその熱放出量との関係を表した図である。
図2に示すように、本実施形態では、蓄熱材18aは、蓄熱触媒18が所定の十分な浄化率を確保できる温度よりも高い温度で(蓄熱触媒18の浄化率が高くなる特定の浄化温度範囲で)、固相と液相間での相転移が起きるように、蓄熱材18aの材料等が選定されて構成されている。
また、本実施形態の蓄熱材18aの潜熱蓄熱容量(以下、「潜熱容量」)Clatは、相転移に要する総熱量が吸着材24から特定の成分(上記吸着対象成分(HC、NOx)や吸着阻害成分(水分))が脱離する際の総脱離熱量(≒気化潜熱量)Cdesorp以上となるように設定されている。尚、この総脱離熱量Cdesorpは、上記標準状態を基準に設定されている。
このような設定によれば、吸着材24から吸着対象成分等を脱離させる脱離動作時に、蓄熱触媒18に流入する排気ガスの温度が吸着材24での脱離熱に起因して低下した場合であっても、当該蓄熱触媒18が所定の浄化率を確保できる温度よりも高い温度で相転移が起きるように構成された蓄熱材18aに、上記総脱離熱量Cdesorp以上の潜熱容量Clatの熱が蓄えられているので、蓄熱触媒18の温度が蓄熱材18aの相転移温度よりも低下するのを回避することができる。このため、本実施形態の蓄熱材18aの構成によれば、吸着材24の脱離動作を行う際に、吸着材24から脱離した吸着対象成分の浄化を担う後段触媒18の床温を活性温度よりも低下させることなく、安定して高い浄化率を確保できるようになる。
[吸着材の冷却性能と蓄熱材の保温性能の設定]
吸着材24の吸着能力は、吸着材24の温度が高くなるほど低下する。このため、脱離動作時の高温の排気ガスが供給されたことで高温状態となった吸着材24においては、次回の吸着動作は、吸着材24の温度が所定の温度以下に冷却された後に可能となる。従って、脱離動作が行われたことで吸着材24が高温状態にある状況下で内燃機関10が停止された場合には、内燃機関10が停止してからその後に内燃機関10が再始動されるまでの時間(車両ソーク時間)が短くなるほど、再始動時の吸着材24の温度が冷え切れていない状態となり、十分な吸着能力を確保することが困難となる。
本実施形態は、車両ソーク時間の長短に関わらず、再始動時に安定した排気エミッション低減効果を得られるようにすべく、次のように、吸着材24の冷却性能と蓄熱材18aの保温性能を設定した点に特徴を有している。
図3は、本発明の実施の形態1における吸着材24の冷却性能および蓄熱材18aの保温性能の設定を説明するための図である。より具体的には、図3は、脱離動作が行われたことで吸着材24が高温状態になり、かつ、蓄熱触媒18が蓄熱材18aの相転移温度よりも高温状態になっている状態からの車両ソーク時間を表している。
図3に示すように、車両ソーク時の吸着材24は、車両ソーク時間の経過とともに放熱が進んで温度が低下していくので、それに伴い、吸着材24の吸着能力が回復していく。図3における時間t1は、吸着材24の吸着能力が始動時の排気エミッションを所定の十分な吸着率で浄化できるレベルにまで回復した時点を示している。
一方、既述したように、蓄熱材18aの相転移温度は、蓄熱触媒18の浄化率を十分に確保できる温度に設定されている。このため、図3に示すように、車両ソーク時の蓄熱触媒18は、車両ソーク時間の経過とともに相転移が開始してから完了するまでの間は、顕熱としては変化せずに蓄熱触媒18の十分な浄化率が確保された状態で放熱が進んでいき、その後、相転移が完了してから蓄熱触媒18の温度が低下していく。図3における時間t2は、蓄熱触媒18の浄化能力が始動時の排気エミッションを所定の十分な浄化率で浄化できるレベルを下回る時点(当該蓄熱触媒18が活性温度または着火温度を下回る時点)を示している。
本実施形態では、図3に示すように、車両ソーク時において、吸着材24の吸着能力が所定のレベルにまで回復するまでに要する時間t1よりも、蓄熱触媒18の浄化能力が相転移を伴って所定のレベルを維持できる時間(当該蓄熱触媒18が活性温度または着火温度を維持できる時間)t2が長くなるように、吸着材24の冷却性能および蓄熱材18aの保温性能を設定している。言い換えれば、吸着材24からの未浄化成分の脱離完了後から当該吸着材24の吸着性能が回復するまでに要する時間が、潜熱型蓄熱材18aの相転移の開始から終了までに要する時間よりも短くなるように、吸着材24の冷却性能および蓄熱材18aの保温性能を設定している。
尚、上記関係(t1<t2)を満たすための吸着材24側の冷却性能の設定は、フィン(放熱部材)24aの形状や材質等の選定によって可能である。また、上記関係(t1<t2)を満たすための蓄熱触媒18側の保温性能の設定は、断熱材18bの材質や使用量等の選定による断熱効果の調整や、蓄熱材18aの潜熱容量Clatの調整によって可能である。
上記図3に示す設定によれば、車両ソーク時において、吸着材24が吸着能力を回復するまでの間は、蓄熱触媒18の温度が所定の浄化率を確保できる範囲内の温度に維持されるようになる。このため、車両ソーク時間が短いことで吸着材24が冷え切れていないために吸着材24の吸着能力が十分に回復されていないような状況下では、活性温度(または着火温度)が確保されている蓄熱触媒18によって、吸着材24に吸着されなかった吸着対象成分を浄化することができる。
一方、車両ソーク時間が長いことで蓄熱触媒18が冷えてしまったために蓄熱触媒18が所定の浄化能力を発揮できないような状況下では、十分な吸着能力を発揮できる状態にある吸着材24によって、吸着対象成分を吸着して浄化することができる。このように、本実施形態の設定によれば、吸着材24と蓄熱触媒18との間で、排気エミッションの低減効果を効果的に補完し合うようにすることが可能となる。
[脱離動作の開始タイミングの判定手法]
図4は、本発明の実施の形態1における脱離動作の開始タイミングの特徴的な判定手法を説明するための図である。より具体的には、図4は、吸着動作が完了した後に蓄熱触媒18に排気熱をチャージしている際の蓄熱触媒18の床温変化を排気熱チャージ量との関係で表した図である。
図4に示すように、蓄熱材18aが固体状態にある状況下で蓄熱触媒18に対して排気熱がチャージされていくと、蓄熱触媒18の床温は、固体から液体への蓄熱材18aの相転移が開始される時点までは次第に上昇していく。蓄熱材18aの相転移が開始されてから完了するまでは、蓄熱触媒18の顕熱の変化は生じず、蓄熱触媒18の床温は一定値を示す。そして、蓄熱材18aの相転移が完了(液化が完了)した後は、蓄熱触媒18の床温が再び上昇していく。
そこで、本実施形態では、温度センサ28によって検出される蓄熱触媒18(蓄熱材18a)の温度に基づき、蓄熱材18aの相転移が起こる温度よりも蓄熱触媒18の温度が高い場合に、吸着材24に高温の排気ガスを供給して脱離動作を行うようにした。より具体的には、本実施形態では、蓄熱触媒18の温度が、固相から液相への蓄熱材18aの相転移が完了した後に蓄熱触媒18の温度が上昇し始める変曲点(図4参照)に達したか否かを判定するようにした。そして、蓄熱触媒18の温度が当該変曲点に達したと判定されたタイミングで、吸着材24に高温の排気ガスを供給するようにした(すなわち、脱離動作を開始するようにした)。
既述したように、蓄熱材18aは、蓄熱触媒18が所定の浄化率を確保できる温度よりも高い温度で相転移が起きるように構成されているとともに、固相から液相への相転移完了後の蓄熱材18aには、上記脱離熱量Cdesorp以上の潜熱容量Clatの熱が蓄えられている。このため、当該相転移が起こる温度よりも蓄熱触媒18(蓄熱材18a)の温度が高い場合に、脱離動作を開始するようにしたことで、吸着材24から吸着対象成分等が脱離する際に吸熱側(冷却側)の脱離熱による排気ガスの温度低下が生じても、十分な浄化率が確保される温度に維持された蓄熱触媒18によって、吸着材24から脱離した吸着対象成分を確実に浄化できるようになる。
また、特に本実施形態では、蓄熱触媒18(蓄熱材18a)の温度が、固相から液相への蓄熱材18aの相転移が完了した後に蓄熱触媒18の温度が上昇し始める変曲点(図4参照)に達したと判定されたタイミングで、脱離動作を開始するようにしている。内燃機関10の停止タイミングは、車両の運転者による任意のタイミングで行われるため、次回の始動時の吸着動作を確実に行えるようにするためには、吸着動作が完了した吸着材24から早期に吸着対象成分等を脱離させておくことが好ましい。上記脱離動作の開始タイミングによれば、吸着材24からの吸着対象成分等の脱離に伴う排気ガスの温度低下による蓄熱触媒18の温度低下を回避できるだけの排気熱が蓄熱材18aにチャージされたか否かを、過不足なく正確に把握できるようになる。これにより、脱離動作の開始タイミングを最適化(最短化)することができる。
尚、上述した実施の形態1においては、後段触媒(蓄熱触媒18)が前記第1の発明における「触媒」に相当している。
また、切替バルブ22が上記第の発明における「流路切替手段」に、温度センサ28が前記第の発明における「温度取得手段」に、それぞれ相当しているとともに、ECU30が温度センサ28の出力に基づいて切替バルブ22を制御することで前記第の発明における「流路制御手段」が実現されている。
また、ECU30が温度センサ28の出力に基づいて蓄熱触媒18の温度の変曲点を判定することにより前記第の発明における「温度判定手段」が実現されている。
実施の形態2.
次に、図5を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。
[実施の形態2のシステム構成]
図5は、本発明の実施の形態2における排気浄化装置を備える内燃機関システムの構成を説明するための図である。尚、図5において、上記図1に示す構成要素と同一の要素については、同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。
図5に示すように、本実施形態においても、前段触媒16よりも下流側において主排気通路40を迂回する通路として、実施の形態1のバイパス通路20と同様の第1バイパス通路42を備えている。そして、第1バイパス通路42には、吸着材24が備えられており、また、第1バイパス通路42の第1上流側接続部42aには、排気ガスの流入先を主排気通路40と第1バイパス通路42との間で切り替えるための第1切替バルブ(V1)44が配置されている。
また、本実施形態においても、第1バイパス通路42の第1下流側接続部42bよりも下流側の主排気通路40には、融解潜熱型の蓄熱材46aを備える後段触媒(蓄熱触媒)46が配置されている。
更に、本実施形態では、主排気通路40を迂回するもう1つの通路として、第2バイパス通路48が設けられている。第2バイパス通路48は、前段触媒16の下流であって第1上流側接続部42aの上流に位置する第2上流側接続部48aにおいて主排気通路40から分岐し、当該第2上流側接続部48aの下流であって第1上流側接続部42aの上流に位置する第2下流側接続部48bにおいて再び主排気通路40に合流するように構成されている。また、第2下流側接続部48bには、排気ガスの流入先を主排気通路40と第2バイパス通路48との間で切り替えるための第2切替バルブ(V2)50が配置されている。
更にまた、本実施形態では、図5に示すように、蓄熱触媒46と第2バイパス通路48との間で熱交換を行う機能を有する熱交換器52が備えられている。熱交換器52は、蓄熱触媒46と第2バイパス通路48とを外側から覆うように構成されている。本実施形態の断熱材54は、熱交換器52を覆うように取り付けられている。また、このような断熱材54により、実施の形態1の蓄熱触媒18と同様に、この蓄熱触媒46も、周囲と隔離されるように覆われている。
以上のように構成された本実施形態のシステムによれば、吸着動作や脱離動作を行う際、更には、吸着動作完了後であって脱離動作開始前の段階での蓄熱触媒18への排気熱チャージ動作を行う際に、排気ガスの経路を、蓄熱触媒18との間で熱交換機能を有する第2バイパス通路48を通る経路と、当該第2バイパス通路48を通らない経路の間で任意に切り替えできるようになる。これにより、以下に説明するような優れた効果を奏することができる。
すなわち、先ず、吸着動作を行う際について説明する。
吸着動作を行う際に、蓄熱触媒18および熱交換器52が比較的冷えている場合(内燃機関10の停止から次の始動までの間に十分な期間があったような場合)には、第2切替バルブ50を図5に示す「b」状態に制御することで、排気ガスを熱交換器52によって冷やしたうえで吸着材24に供給することができる。これにより、吸着材24の吸着効率を高めることができる。
一方、吸着動作を行う際に、蓄熱触媒18および熱交換器52が比較的熱くなっている場合(内燃機関10の停止から次の始動までの時間が短かったような場合)には、第2切替バルブ50を図5に示す「a」状態に制御することで、吸着材24に向かうガスが熱交換器52を通って温められるのを回避することができる。このように、本実施形態の構成によれば、吸着動作時に吸着材24に投入する排気ガスの温度を最適化することができる。
次に、脱離動作を行う際について説明する。
脱離動作を行う際に、排気ガスの温度が比較的高いと判断される場合には、第2切替バルブ50を図5に示す「b」状態に制御することで、排気ガスを熱交換器52によって冷やしたうえで吸着材24に供給することができる。
一方、脱離動作を行う際に、排気ガスの温度が比較的低いと判断される場合には、第2切替バルブ50を図5に示す「a」状態に制御することで、吸着材24に向かうガスが熱交換器52を通って冷やされるのを回避することができる。このように、本実施形態の構成によれば、脱離動作時に吸着材24に投入する排気ガスの温度の安定化を良好に図ることができる。
次に、吸着動作完了後であって脱離動作開始前の段階での蓄熱触媒18への排気熱チャージ動作を行う際について説明する。
図5に示す構成では、第2上流側接続部48aではなく第2下流側接続部48bに第2切替バルブ50が設けられている。当該排気熱チャージ動作を行う際には、第2切替バルブ50を図5に示す「b」状態に制御するようにする(尚、この場合、第1切替バルブ44は図5に示す「b」状態に制御する)。
このような排気熱チャージ動作によれば、切替バルブ50、44よりも上流側の部位を流れる排気ガス、つまり、切替バルブ50、44で熱損失が生ずる前のより高温の排気ガスの熱を、熱交換器52を介して蓄熱触媒46に供給できるようになる。このため、蓄熱触媒46への排気熱のチャージ速度を良好に高めることができるとともに、蓄熱触媒46の活性を良好に早めることができる。これにより、吸着動作完了から脱離動作開始までに要する時間を良好に短縮することが可能となる。
実施の形態3.
次に、図6乃至図9を参照して、本発明の実施の形態3について説明する。
[実施の形態3のシステム構成]
図6は、本発明の実施の形態3における排気浄化装置を備える内燃機関システムの構成を説明するための図である。尚、図6において、上記図1に示す構成要素と同一の要素については、同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。
本実施形態のシステムは、後段触媒(蓄熱触媒)60が備える融解潜熱型の蓄熱材60aの構成が異なる点を除き、上述した実施の形態1のシステムと同様に構成されている。より具体的には、図6に示すように、本実施形態の蓄熱材60aは、排気ガスの流れ方向に直交する方向で3つの部位に分割されている。
また、図6に示すように、3つの分割された蓄熱材60aの各部位間、および、蓄熱材60aを備える後段触媒60と周囲との間は、上記断熱材18bと同様の断熱材60bによってそれぞれ仕切られている。
また、3つに分割された蓄熱材60aの合計の潜熱容量は、上述した実施の形態1の蓄熱材18aと同等の潜熱容量となるように設定されている。すなわち、蓄熱材60aの相転移に要する総熱量が、吸着容量一杯の上記特定の成分が吸着材24に吸着されている場合に当該特定の成分が脱離する際の総脱離熱量(≒気化潜熱量)Cdesorp以上となるように、蓄熱材60aの3つの部位の潜熱容量の合計量が設定されている。
更に、3つに分割された蓄熱材60aの各部位には、それぞれの部位での蓄熱触媒60の温度(蓄熱材60aの温度)を検出するための温度センサ62、64、66がそれぞれ組み込まれている。これらの温度センサ62、64、66は、ともに本実施形態のECU68に接続されている。
[実施の形態3の制御]
ところで、内燃機関10の始動条件によって、始動時の吸着動作の際に吸着材24に吸着される上記特定の成分の吸着量が変化する。より具体的には、始動時の前段触媒16の温度が高いほど、当該前段触媒16が活性化するまでに要する時間が短くなるので、吸着材24に吸着される上記特定の成分の吸着量が少なくなる。
上記のように、吸着材24の吸着容量よりも少ない量の上記特定の成分しか吸着されていない状況下においては、上述した実施の形態1のように、吸着材24の吸着容量一杯の上記特定の成分が当該吸着材24から脱離する際の総脱離熱量Cdesorp以上の熱量が蓄熱材60aにチャージされるまで脱離動作の開始を遅らせる必要がないといえる。
そこで、本実施形態では、今回の始動時の吸着材24の吸着量に基づいて、脱離動作時の蓄熱触媒60の温度低下防止のために蓄熱材60aにチャージしておくべき必要蓄熱量を設定するようにした。
そして、そのために、今回の始動時の吸着材24の吸着量および蓄熱材60aにチャージされる蓄熱量に基づいて、蓄熱材60aへの投入熱量を調整するようにした。より具体的には、今回の始動時における吸着材24の吸着量分の上記特定の成分が吸着材24から脱離する際の脱離熱量以上の熱量が蓄熱材60aに蓄熱された時点で、脱離動作時の蓄熱触媒60の温度低下に打ち勝つための蓄熱材60aへの熱チャージを終了させる(パージ動作待機期間を終了させる)とともに、吸着材24の脱離動作を開始させるようにした。
図7は、上記の機能を実現するために、本実施の形態3においてECU68が実行するルーチンのフローチャートである。尚、本ルーチンは、始動時の吸着材24の吸着動作の完了時に起動されるものとする。
図7に示すルーチンでは、先ず、蓄熱触媒60への熱チャージが開始される(ステップ100)。具体的には、本ステップ100では、始動時の吸着動作の完了を受けて、切替バルブ22が図6に示す「b」状態に制御される。また、その後に必要蓄熱量が蓄熱材60aに蓄熱されるまでの間、パージ動作の実行が保留される(パージ待機期間)。
次に、蓄熱触媒60(蓄熱材60a)の熱チャージ量(蓄熱量)が推定される(ステップ102)。
図8は、パージ待機期間中の蓄熱触媒60の各部位での温度変化を表したタイムチャートである。
蓄熱触媒60への熱チャージが行われている場合には、3つに分割された蓄熱材60aの上流側の部位から順に、投入された排気熱がチャージされていく。このため、蓄熱材60aの最上流側の部位において、最も早く相転移が完了し、図8(A)に示すように、温度Tcat1に温度変曲点が現れる。
その後、3分割された蓄熱材60aの中央部位において、投入された排気熱がチャージされていき、当該中央部位での相転移が完了すると、図8(B)に示すように、温度Tcat2にも温度変曲点が現れることになる。同様に、その後、蓄熱材60aの最下流側の部位において、投入された排気熱がチャージされていき、当該最下流部位での相転移が完了すると、図8(C)に示すように、温度Tcat3にも温度変曲点が現れることになる。
従って、温度センサ62、64、66の出力変化に基づき、各部位の温度、Tcat1〜3の温度変曲点を任意に取得していくことにより、蓄熱材60aの熱チャージ量(蓄熱量)を推定することができる。
図9は、蓄熱材60aの蓄熱量と推定投入熱量との関係を表した図である。尚、蓄熱材60aへの推定投入熱量は、例えば、蓄熱触媒60の入口の排気ガス温度に基づいて推定可能である。
図9に示すように、蓄熱材60aへの投入熱量が増えるにつれ、蓄熱材60aの蓄熱量が増えていく。
そこで、上記図8を参照して説明した温度変曲点に基づく蓄熱量の推定に代え、図9に示す蓄熱量と推定投入熱量との関係を予めECU68にマップや関係式として記憶させておき、本ステップ102において、温度センサ26により検出される蓄熱触媒60の入口の排気ガス温度に基づいて推定投入熱量を算出したうえで、そのようなマップ等から蓄熱材60aの蓄熱量を取得するようにしてもよい。
上記図8を参照して説明した温度変曲点に基づく蓄熱量の推定手法によれば、温度変曲点情報に基づき、精度良く蓄熱量を推定可能である。しかしながら、推定される蓄熱量は、各温度変曲点に達したと判定された時であるので不連続となる。これに対し、上記図9に示す推定手法によれば、熱チャージ時の推定投入熱量の変化に基づいて、蓄熱量を連続的に推定することができる。
更には、図9に示すように、ECU68に予め記憶させておく蓄熱量と推定投入熱量との関係に、蓄熱材60aの各部位の温度変曲点情報を加味させておいてもよい。このような推定手法によれば、熱チャージ時の推定投入熱量と温度変曲点情報とを用いて、蓄熱量を精度良く連続的に推定することができる。
また、図7に示すルーチンでは、上記ステップ100および102の処理と並行して、ステップ104〜108の処理が実行されている。具体的には、先ず、ステップ104では、今回の内燃機関10の始動時における吸着材24の吸着量が推定される(ステップ104)。
既述したように、始動時のエンジン冷却水温度や前段触媒16の温度が高いほど、前段触媒16の活性化が早くなる。従って、吸着材24の吸着量は、始動時のエンジン冷却水温度や前段触媒16の温度に基づいて推定することができる。尚、エンジン冷却水温度は、図示省略する水温センサの出力に基づき取得でき、また、前段触媒16の温度は、温度センサによって直接的にセンシングしてもよく、或いは、エンジン冷却水温度等から推定してもよい。
次に、上記ステップ104において推定された吸着量でのパージ動作時の脱離熱量が推定される(ステップ106)。吸着量とパージ動作時の脱離熱量とは、吸着量が多いほど、脱離熱量も大きくなるという比例関係にある。このため、吸着量とパージ動作時の脱離熱量との関係を予めECU68に記憶しておくことにより、吸着量の推定値に基づき、今回の始動時の該吸着量に対応する脱離熱量を推定することができる。
次に、上記ステップ106において取得された脱離熱量の推定値がECU68内のメモリーに記憶される(ステップ108)。本ステップでメモリーされた推定脱離熱量は、次のステップ110において使用される。
図7に示すルーチンでは、上記102の処理が実行された後は、次いで、上記ステップ102において取得された蓄熱触媒60の熱チャージ量(蓄熱量)が上記ステップ106において取得された推定脱離熱量以上となったか否かが判別される(ステップ110)。
その結果、上記ステップ110の判定が不成立である場合、つまり、現在の蓄熱触媒60の熱チャージ量が推定脱離熱量との関係で未だ不十分であると判断できる場合には、蓄熱触媒60への熱チャージ(排気熱の投入)が継続して実行される。
一方、上記ステップ110の判定が成立した場合、つまり、今回の始動時の吸着量に対応する脱離熱量に耐え得る蓄熱量が蓄熱触媒60にチャージされたと判断できる場合には、蓄熱触媒60への熱チャージを終了すべきタイミングであると判定される(ステップ112)。言い換えれば、パージ動作の待機期間を終了すべきタイミングであると判定される。
このため、この場合には、吸着材24のパージ動作(脱離動作)が開始される(ステップ114)。より具体的には、切替バルブ22が図6に示す「b」状態に制御されることによって、吸着材24に高温の排気ガスが導入される。
その後、吸着材24からの上記特定の成分の脱離が完了したと判定された場合に、吸着材24のパージ動作が完了される(ステップ116)とともに、上記ステップ108のメモリー値がリセットされる。より具体的には、切替バルブ22が図6に示す「a」状態に再び制御されることによって、吸着材24への排気ガスの供給が停止される。
以上説明した図7に示すルーチンによれば、今回の始動時における吸着材24の吸着量および蓄熱材60aにチャージされる蓄熱量に基づいて、蓄熱材60aへの投入熱量が調整されることになる。より具体的には、今回の始動時における吸着量に対応する推定脱離熱量以上の熱量が蓄熱材60aに蓄熱された時点で、吸着材24のパージ動作が開始されるようになる。つまり、上記ルーチンによれば、内燃機関10の始動条件の影響で始動時の吸着量が上記標準状態よりも少ないような場合であっても、蓄熱材60aの蓄熱容量一杯まで蓄熱されるのを待たずに必要蓄熱量が蓄熱材60aに投入された時点で、パージ動作が開始されることになる。これにより、始動時の吸着材24への吸着量の多少に関わらず、吸着動作の完了後からパージ動作の開始までに要する時間(パージ待機期間)を最適化(最短化)することができ、つまり、パージ動作の開始タイミングを最適化(最短化)することができる。
また、言い換えれば、上記ルーチンによれば、今回の始動時における吸着量に対応する推定脱離熱量以上の熱量が蓄熱材60aに蓄熱された時点で、パージ動作に先立って蓄熱材60aに排気熱を投入しておく動作が終了されることになる。つまり、上記ルーチンによれば、始動時の吸着量に基づいて、脱離動作時の蓄熱触媒60の温度低下防止のために蓄熱材60aにチャージしておくべき必要蓄熱量を適切に設定しておくことが可能となる。これにより、吸着材24から上記特定の成分が脱離する時の脱離量に合わせて、蓄熱材60aの蓄熱量を適切に設定することができる。
ところで、上述した実施の形態1においては、今回の始動時における吸着量に対応する推定脱離熱量以上の熱量が蓄熱材60aに蓄熱された時点で、吸着材24のパージ動作を開始するようにしている。しかしながら、本発明において、取得された吸着量および蓄熱量に基づいて、潜熱型蓄熱材へ投入する熱量を調整する投入熱量調整手段は、このような手法によって実現されるものに限定されない。すなわち、例えば、今回の始動時における吸着量に対応する推定脱離熱量以上の熱量が蓄熱材60aに蓄熱された時点で、蓄熱材60aへの排気熱の投入を停止させて、他の手段(例えば、蓄熱触媒60をバイパスするような通路上に配置された触媒)に排気熱を投入するように切り替えるようなものであってもよい。
また、上述した実施の形態1においては、断熱材60bで仕切るようにして3分割された蓄熱材60aを備えるようにしている。これにより、各部位間での熱伝導が遮断されるので、各部位の蓄熱量をより正確に把握することができる。しかしながら、図8に示すような蓄熱材60aの各部位の温度変曲点を取得するうえでは、本発明の潜熱型蓄熱材は、必ずしも蓄熱材60aのように分割されていなくてもよい。具体的には、上述した実施の形態3と同様に、蓄熱材の各部位の温度を多点で取得するようにしておくとともに、それぞれの温度取得位置での相転移完了時の蓄熱量と当該温度取得位置情報との関係を予めECU68に記憶させておけばよい。
尚、上述した実施の形態3においては、ECU68が、上記ステップ104の処理を実行することにより前記第4または第5の発明における「吸着量取得手段」が、上記ステップ100〜114の処理を実行することにより前記第4または第5の発明における「蓄熱量設定手段」が、それぞれ実現されている。
また、ECU68が、上記ステップ110および112の処理を実行することにより前記第4または第5の発明における「投入熱量調整手段」が、上記ステップ102の処理を実行することにより前記第4または第5の発明における「蓄熱量取得手段」が、それぞれ実現されている。
また、ECU68が、上記ステップ110の処理を実行することにより前記第4または第5の発明における「蓄熱量判別手段」が、上記ステップ114の処理を実行することにより前記第4または第5の発明における「脱離動作実行手段」が、それぞれ実現されている。
また、ECU68が上記ステップ114の処理を実行することにより前記第の発明における「流路制御手段」が実現されている。
また、温度センサ62、64、66が前記第の発明における「温度取得手段」に相当している。
本発明の実施の形態1における排気浄化装置を備える内燃機関システムの構成を説明するための図である。 図1に示す蓄熱材を備える蓄熱触媒の構成を説明するための図である。 本発明の実施の形態1における吸着材の冷却性能および蓄熱材の保温性能の設定を説明するための図である。 本発明の実施の形態1における脱離動作の開始タイミングの特徴的な判定手法を説明するための図である。 本発明の実施の形態2における排気浄化装置を備える内燃機関システムの構成を説明するための図である。 本発明の実施の形態3における排気浄化装置を備える内燃機関システムの構成を説明するための図である。 本発明の実施の形態3において実行されるルーチンのフローチャートである。 パージ待機期間中の蓄熱触媒の各部位での温度変化を表したタイムチャートである。 蓄熱材の蓄熱量と推定投入熱量との関係を表した図である。
符号の説明
10 内燃機関
14、40 主排気通路
16 前段触媒
18、46、60 後段触媒(蓄熱触媒)
18a、46a、60a 融解潜熱型蓄熱材
18b、54、60b 断熱材
20 バイパス通路
20a 上流側接続部
20b 下流側接続部
22 切替バルブ
24 吸着材
26、28、62、64、66 温度センサ
30、68 ECU(Electronic Control Unit)
42 第1バイパス通路
42a 第1上流側接続部
42b 第1下流側接続部
44 第1切替バルブ
48 第2バイパス通路
48a 第2上流側接続部
48b 第2下流側接続部
50 第2切替バルブ
52 熱交換器
desorp 総脱離熱量
lat 潜熱容量

Claims (8)

  1. 排気通路に配置され、排気ガス中に含まれる特定の成分を吸着する吸着材と、
    前記吸着材よりも下流側の前記排気通路に配置され、排気ガスを浄化可能な触媒と、
    前記触媒に備えられ、前記触媒の浄化率が高くなる特定の浄化温度範囲で相転移を起こす潜熱型蓄熱材とを備え、
    前記潜熱型蓄熱材の潜熱容量が、前記相転移に要する総熱量が前記吸着材から前記特定の成分が脱離する際の総脱離熱量以上となるように設定されており、
    前記排気通路は、内燃機関から排出された排気ガスが流れる主排気通路と、前記主排気通路との上流側接続部において前記主排気通路から分岐し、前記上流側接続部より下流の下流側接続部において再び前記主排気通路に合流するバイパス通路とを含み、
    前記吸着材は、前記バイパス通路に配置され、
    前記潜熱型蓄熱材を備える前記触媒は、前記下流側接続部よりも下流側の前記主排気通路に配置されており、
    排気ガスの流入先を前記主排気通路と前記バイパス通路との間で切り替え可能な流路切替手段と、
    前記潜熱型蓄熱材の温度を取得する温度取得手段と、
    前記相転移が起こる温度よりも前記潜熱型蓄熱材の温度が高い場合に、前記吸着材に排気ガスが流入するように前記流路切替手段を制御する流路制御手段と、
    前記潜熱型蓄熱材の温度が、前記相転移が完了した後に前記潜熱型蓄熱材の温度が上昇し始める変曲点に達したか否かを判定する温度判定手段と、
    を更に備え、
    前記流路制御手段は、前記潜熱型蓄熱材の温度が前記変曲点に達したと判定された場合に、前記吸着材に排気ガスが流入するように前記流路切替手段を制御することを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  2. 前記吸着材からの前記特定の成分の脱離完了後から当該吸着材の吸着性能が回復するまでに要する時間が、前記潜熱型蓄熱材の前記相転移の開始から終了までに要する時間よりも短くなるように、前記吸着材の冷却性能が設定されていることを特徴とする請求項記載の内燃機関の排気浄化装置。
  3. 前記吸着材からの前記未浄化成分の脱離完了後から当該吸着材の吸着性能が回復するまでに要する時間が、前記潜熱型蓄熱材の前記相転移の開始から終了までに要する時間よりも短くなるように、前記潜熱型蓄熱材の保温性能が設定されていることを特徴とする請求項記載の内燃機関の排気浄化装置。
  4. 排気通路に配置され、排気ガス中に含まれる特定の成分を吸着する吸着材と、
    前記吸着材よりも下流側の前記排気通路に配置され、排気ガスを浄化可能な触媒と、
    前記触媒に備えられ、前記触媒の浄化率が高くなる特定の浄化温度範囲で相転移を起こす潜熱型蓄熱材と、
    前記吸着材への前記特定の成分の吸着量を取得する吸着量取得手段と、
    取得された吸着量に基づいて前記潜熱型蓄熱材の必要蓄熱量を設定する蓄熱量設定手段と、
    を備え
    前記蓄熱量設定手段は、取得された吸着量分の前記特定の成分が前記吸着材から脱離する際の総脱離熱量を充足する熱量となるように、前記必要蓄熱量を設定するものであって、
    前記蓄熱量設定手段は、
    前記潜熱型蓄熱材への投入熱量を調整する投入熱量調整手段と、
    前記潜熱型蓄熱材の蓄熱量を取得する蓄熱量取得手段とを含み、
    前記投入熱量調整手段は、
    取得された吸着量および蓄熱量に基づいて、前記潜熱型蓄熱材へ投入する熱量を調整するものであって、
    前記投入熱量調整手段は、
    前記必要蓄熱量が前記潜熱型蓄熱材に蓄えられたか否かを判別する蓄熱量判別手段と、
    前記潜熱型蓄熱材に前記必要蓄熱量が蓄えられたと判別された場合に、前記吸着材に吸着されていた前記特定の成分を前記吸着材から脱離させる脱離動作を実行する脱離動作実行手段と、
    を更に備えることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  5. 排気通路に配置され、排気ガス中に含まれる特定の成分を吸着する吸着材と、
    前記吸着材よりも下流側の前記排気通路に配置され、排気ガスを浄化可能な触媒と、
    前記触媒に備えられ、前記触媒の浄化率が高くなる特定の浄化温度範囲で相転移を起こす潜熱型蓄熱材と、
    前記吸着材への前記特定の成分の吸着量を取得する吸着量取得手段と、
    取得された吸着量に基づいて前記潜熱型蓄熱材の必要蓄熱量を設定する蓄熱量設定手段と、
    を備え
    前記蓄熱量設定手段は、
    前記潜熱型蓄熱材への投入熱量を調整する投入熱量調整手段と、
    前記潜熱型蓄熱材の蓄熱量を取得する蓄熱量取得手段とを含み、
    前記投入熱量調整手段は、
    取得された吸着量および蓄熱量に基づいて、前記潜熱型蓄熱材へ投入する熱量を調整するものであって、
    前記投入熱量調整手段は、
    前記必要蓄熱量が前記潜熱型蓄熱材に蓄えられたか否かを判別する蓄熱量判別手段と、
    前記潜熱型蓄熱材に前記必要蓄熱量が蓄えられたと判別された場合に、前記吸着材に吸着されていた前記特定の成分を前記吸着材から脱離させる脱離動作を実行する脱離動作実行手段と、
    を更に備え、
    前記排気浄化装置は、前記潜熱型蓄熱材における排気ガスの流れ方向の複数部位の温度をそれぞれ取得する温度取得手段を更に備え、
    前記蓄熱量判別手段は、前記複数部位中の前記必要蓄熱量を充足する部位において、前記相転移が起こる温度よりも前記潜熱型蓄熱材の温度が高くなった時点で、前記潜熱型蓄熱材に前記必要蓄熱量が蓄えられたと判別することを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  6. 前記排気通路は、内燃機関から排出された排気ガスが流れる主排気通路と、前記主排気通路との上流側接続部において前記主排気通路から分岐し、前記上流側接続部より下流の下流側接続部において再び前記主排気通路に合流するバイパス通路とを含み、
    前記吸着材は、前記バイパス通路に配置され、
    前記潜熱型蓄熱材を備える前記触媒は、前記下流側接続部よりも下流側の前記主排気通路に配置されており、
    前記排気浄化装置は、排気ガスの流入先を前記主排気通路と前記バイパス通路との間で切り替え可能な流路切替手段を更に備え、
    前記脱離動作実行手段は、前記潜熱型蓄熱材に前記必要蓄熱量が蓄えられたと判別された場合に、前記吸着材に排気ガスが流入するように前記流路切替手段を制御する流路制御手段を含むことを特徴とする請求項4または5記載の内燃機関の排気浄化装置。
  7. 前記排気浄化装置は、前記潜熱型蓄熱材における排気ガスの流れ方向の複数部位の温度をそれぞれ取得する温度取得手段を更に備え、
    前記蓄熱量判別手段は、前記複数部位中の前記必要蓄熱量を充足する部位において、前記相転移が起こる温度よりも前記潜熱型蓄熱材の温度が高くなった時点で、前記潜熱型蓄熱材に前記必要蓄熱量が蓄えられたと判別することを特徴とする請求項記載の内燃機関の排気浄化装置。
  8. 前記潜熱型蓄熱材は、排気ガスの流れ方向に複数部位に分割され、かつ、当該複数部位間で断熱された状態で前記触媒に備えられていることを特徴とする請求項乃至の何れか1項記載の内燃機関の排気浄化装置。
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