JP2010242522A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

内燃機関の排気浄化装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、内燃機関の排気浄化装置に関し、大気中へのHCの排出を確実に抑制することを目的とする。
【解決手段】本発明の内燃機関の排気浄化装置は、HCを吸着する機能を有する吸着材42と、吸着材42をバイパスするバイパス通路44と、高温排気通路30と、低温排気通路32と、切換弁46と、後流触媒34とを備える。切換弁46は、吸着材42への入口52を封鎖することにより高温排気通路30および低温排気通路32からの排気ガスをバイパス通路44に流す吸着材封鎖状態と、バイパス通路44への入口54を封鎖することにより高温排気通路30および低温排気通路32からの排気ガスを吸着材42に流すバイパス通路封鎖状態とに切り換え可能である。切換弁46が吸着材封鎖状態にあるとき、低温排気通路32からの排気ガスは、高温排気通路30からの排気ガスと比べて、吸着材42への入口52に近い位置を流れる。
【選択図】図3

Description

本発明は、内燃機関の排気浄化装置に関する。
内燃機関が冷間始動された直後は、エンジン温度や吸入空気温度が低く、燃料が気化しにくいため、空燃比を理論空燃比より濃くする制御が行われる。このとき、未燃燃料成分であるHC(炭化水素)が多量に排出される。また、冷間始動直後は、排気浄化触媒の温度が低いため、排気浄化触媒は、HCを十分に浄化できる状態にない。このようなことから、冷間始動直後は、大気中へのHC排出量が極めて多くなり易いという問題がある。
上記の問題を解決する方法として、HCを一時的に吸着することのできる吸着材を排気通路に設け、冷間始動直後にエンジンから排出されるHCをその吸着材で捕捉することによって、大気中へのHCの排出を防止しようとする技術が提案されている。
吸着材は、その温度が所定の脱離開始温度以上になると、吸着したHCを脱離させる性質がある。このため、吸着材から脱離したHCを浄化するための触媒を吸着材の後流側に設ける必要がある。
特開2008−106696号公報には、V型エンジンの一方のバンクに接続された分岐排気通路と、他方のバンクに接続された分岐排気通路とが合流した主排気通路に、吸着材と、吸着材から脱離したHCを浄化するための後流触媒とを設けた排気浄化装置が開示されている。そして、この装置では、吸着材の温度が、脱離開始温度を超えた場合には、短い方の分岐排気通路に対応するバンクの気筒群については燃料カットを行い、長い方の分岐排気通路に対応するバンクの気筒群については燃料カットを行わずに燃料供給を行う。片方のバンクの気筒群について行われる燃料カットは、空気を排気通路に流すことにより、脱離HCを酸化するための余剰酸素を供給することを目的とするものである。
特開2008−106696号公報
燃料カットを行うことによって空気が排気通路に送られると、後流触媒の温度が低下する。上記従来の排気浄化装置は、分岐排気通路が短く、放熱量の少ない方のバンクの気筒群について燃料カットを行うことにより、後流触媒の温度低下を少しでも抑制することを狙ったものである。
触媒の活性温度は、一般に、300℃程度である。一方、吸着材からHCの脱離が開始する脱離開始温度は、例えば80〜100℃程度である。上記従来の排気浄化装置では、吸着材と後流触媒とが直列に接続されているため、吸着材に常に排気ガスが流れ続ける。このため、吸着材の温度は、始動後、すぐに脱離開始温度に到達してしまう。その時点で、後流触媒の温度は、まだ、活性温度より遥かに低い。よって、上記従来技術のような後流触媒の温度低下抑制策を図ったとしても、吸着材からHCが脱離し始めたときに、後流触媒はHCを浄化できる状態ではなく、大気中へのHCの排出を防止することはできない。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、大気中へのHCの排出を確実に抑制することのできる内燃機関の排気浄化装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の排気浄化装置であって、
HCを吸着する機能を有する吸着材と、
前記吸着材をバイパスするバイパス通路と、
高温排気通路と、
前記高温排気通路を通る排気ガスに比して温度が低い排気ガスが通る低温排気通路と、
前記吸着材への入口を封鎖することにより、前記高温排気通路および前記低温排気通路からの排気ガスが前記バイパス通路に流れるようにする吸着材封鎖状態と、前記バイパス通路への入口を封鎖することにより、前記高温排気通路および前記低温排気通路からの排気ガスが前記吸着材に流れるようにするバイパス通路封鎖状態とに切り換え可能な切換装置と、
前記吸着材および前記バイパス通路の下流側に配置され、前記吸着材から脱離したHCを浄化可能な後流触媒とを備え、
前記切換装置が前記吸着材封鎖状態にあるとき、前記低温排気通路からの排気ガスは、前記高温排気通路からの排気ガスと比べて、前記吸着材への入口に近い位置を流れることを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、
前記吸着材と前記バイパス通路とを隔てる隔壁を備え、
前記切換装置が前記吸着材封鎖状態にあるとき、前記低温排気通路からの排気ガスは、前記高温排気通路からの排気ガスと比べて、前記隔壁に近い位置を流れることを特徴とする。
また、第3の発明は、第1または第2の発明において、
前記切換装置は、前記高温排気通路からの排気ガスが前記バイパス通路に流れるようにし、且つ、前記低温排気通路からの排気ガスが前記吸着材に流れるようにする第3の状態に、更に切り換え可能であることを特徴とする。
また、第4の発明は、第1乃至第3の発明の何れかにおいて、
前記切換装置を前記バイパス通路封鎖状態として排気ガスを前記吸着材に流すことにより、前記吸着材にHCを吸着させる吸着処理を実行する吸着制御手段と、
前記吸着処理の終了後であって、前記後流触媒が活性化した後に、前記高温排気通路からの排気ガスを前記バイパス通路に流し、且つ、前記低温排気通路からの排気ガスを前記吸着材に流すことにより、前記吸着材からHCを強制的に脱離させる強制パージを実行する強制パージ手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第5の発明は、第1乃至第4の発明の何れかにおいて、
前記切換装置を前記バイパス通路封鎖状態として排気ガスを前記吸着材に流すことにより、前記吸着材にHCを吸着させる吸着処理を実行する吸着制御手段と、
前記吸着処理の終了後であって、前記後流触媒が活性化した後に、排気ガスの少なくとも一部を前記吸着材に流すことにより、前記吸着材からHCを強制的に脱離させる強制パージを実行する強制パージ手段と、
前記後流触媒に吸蔵されている酸素の量を算出する酸素吸蔵量算出手段と、
前記酸素吸蔵量算出手段により算出された前記後流触媒の酸素吸蔵量が所定値未満である場合には、前記強制パージの実行を禁止する禁止手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第6の発明は、第1乃至第5の発明の何れかにおいて、
前記切換装置を前記バイパス通路封鎖状態として排気ガスを前記吸着材に流すことにより、前記吸着材にHCを吸着させる吸着処理を実行する吸着制御手段と、
前記吸着処理の終了後であって、前記後流触媒が活性化した後に、排気ガスの少なくとも一部を前記吸着材に流すことにより、前記吸着材からHCを強制的に脱離させる強制パージを実行する強制パージ手段と、
前記吸着材および前記バイパス通路より上流側の排気系に二次空気を供給する二次空気供給装置と、
前記内燃機関の空燃比を理論空燃比よりリッチとする燃料増量を伴うことなしに前記二次空気供給装置を作動させる作動確認制御と、前記強制パージとを同時期に実行させる同期手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第7の発明は、第1乃至第6の発明の何れかにおいて、
前記切換装置を前記バイパス通路封鎖状態として排気ガスを前記吸着材に流すことにより、前記吸着材にHCを吸着させる吸着処理を実行する吸着制御手段と、
前記吸着処理の終了後であって、前記後流触媒が活性化した後に、排気ガスの少なくとも一部を前記吸着材に流すことにより、前記吸着材からHCを強制的に脱離させる強制パージを実行する強制パージ手段と、
前記高温排気通路の上流に二次空気を供給する第1の二次空気供給装置と、
前記低温排気通路の上流に二次空気を供給する第2の二次空気供給装置と、
前記内燃機関の空燃比を理論空燃比よりリッチとする燃料増量制御を伴うことなしに前記第1の二次空気供給装置を作動させる第1の作動確認制御と、前記内燃機関の空燃比を理論空燃比よりリッチとする燃料増量制御を伴うことなしに前記第2の二次空気供給装置を作動させる第2の作動確認制御とを、時間をずらして別々に行う作動確認手段と、
前記第2の作動確認制御と、前記強制パージとを同時期に実行させる同期手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第8の発明は、第7の発明において、
前記作動確認手段は、前記第2の作動確認制御に先立って前記第1の作動確認制御を行うことを特徴とする。
第1の発明によれば、排気ガス中のHCを吸着材に吸着させるHC吸着処理が終了した後は、切換装置によって吸着材封鎖状態に切り換えることにより、排気ガスをバイパス通路に通すことができる。これにより、排気ガスが吸着材を通過しない状態となるので、吸着材の温度上昇を抑制することができる。ただし、切換装置が吸着材封鎖状態になっても、封鎖されている吸着材への入口の隙間から吸着材側へ漏れ出る排気ガスの影響により、吸着材の温度は徐々に上昇する。第1の発明によれば、このときの吸着材の温度上昇を緩やかにすることができる。すなわち、第1の発明によれば、切換装置が吸着材封鎖状態にあるとき、低温排気通路からの排気ガスは、高温排気通路からの排気ガスと比べて、吸着材への入口に近い位置を流れる。このため、封鎖されている吸着材への入口の隙間から吸着材側へ漏れる排気ガスは、比較的低温な排気ガスである。このため、吸着材側へ漏れる排気ガスの影響による吸着材の温度上昇を確実に抑制することができる。また、第1の発明によれば、低温排気通路からの排気ガスだけでなく、高温排気通路からの比較的高温の排気ガスを後流触媒に流入させることができる。このため、後流触媒の温度を十分早期に活性温度以上まで上昇させることができる。これらのことから、第1の発明によれば、後流触媒の温度が活性温度に到達するまでの間、吸着材の温度を、HCの脱離が開始する脱離開始温度より低い温度に、確実に抑えることができる。すなわち、後流触媒が活性化するまでの間、HCを確実に吸着材に保持することができる。よって、吸着材から脱離したHCを後流触媒で確実に浄化することができ、脱離HCが大気中へ排出されてしまうことを確実に防止することができる。更に、吸着材に溜まったHCの自然パージを行う場合においては、吸着材の温度上昇速度が緩やかであるので、HCを徐々に脱離させることができる。このため、後流触媒に脱離HCを少しずつ流入させることができるので、脱離HCをより確実に浄化することができる。
第2の発明によれば、切換装置が吸着材封鎖状態にあるとき、低温排気通路からの排気ガスは、高温排気通路からの排気ガスと比べて、吸着材とバイパス通路とを隔てる隔壁に近い位置を流れる。すなわち、隔壁に接触する排気ガスは、高温排気通路からの排気ガスではなく、低温排気通路からの、比較的低温の排気ガスである。このため、HC吸着処理の終了後、バイパス通路を流れる排気ガスから隔壁を介して吸着材へ伝熱する熱量を少なくすることができるので、吸着材の温度上昇をより確実に抑制することができる。よって、後流触媒が活性化するまでの間、HCをより確実に吸着材に保持することができる。
第3の発明によれば、吸着材に溜まったHCを強制的にパージする場合に、高温排気通路からの排気ガスをバイパス通路に流し、且つ、低温排気通路からの排気ガスを吸着材に流すことができる。このような強制パージによれば、低温排気通路からの比較的低温の排気ガスによって吸着材のHCをパージすることができるので、HCの脱離速度を抑制することができる。このため、脱離HCを少しずつ後流触媒に流入させることができ、脱離HCをより確実に浄化することができる。また、強制パージのとき、高温排気通路からの高温の排気ガスは吸着材を通らないので、この高温排気ガスが吸着材によって熱を奪われることなく、そのまま後流触媒へ流入する。このため、後流触媒の温度低下を抑制することができ、後流触媒の活性状態をより確実に維持することができる。よって、脱離HCを後流触媒でより確実に浄化することができる。
第4の発明によれば、HC吸着処理の終了後、後流触媒が活性化した後に、高温排気通路からの排気ガスをバイパス通路に流し、且つ、低温排気通路からの排気ガスを吸着材に流すことにより、HCの強制パージを実行することができる。このような強制パージによれば、低温排気通路からの比較的低温の排気ガスによって吸着材のHCをパージすることができるので、HCの脱離速度を抑制することができる。このため、脱離HCを少しずつ後流触媒に流入させることができ、脱離HCをより確実に浄化することができる。また、強制パージのとき、高温排気通路からの高温の排気ガスは吸着材を通らないので、この高温排気ガスが吸着材によって熱を奪われることなく、そのまま後流触媒へ流入する。このため、後流触媒の温度低下を抑制することができ、後流触媒の活性状態をより確実に維持することができる。よって、脱離HCを後流触媒でより確実に浄化することができる。
第5の発明によれば、後流触媒の酸素吸蔵量が十分であることを条件として、強制パージの実行を許可することができる。このため、強制パージによって脱離したHCが後流触媒に流入したときに、後流触媒内が酸素不足となることをより確実に防止することができる。このため、脱離HCを後流触媒でより確実に浄化することができる。
第6の発明によれば、燃料増量を伴うことなしに二次空気供給装置が駆動された場合に、強制パージを同期して実行することができる。これにより、二次空気の注入によって生じた余剰酸素を有効に活用して、吸着材からの脱離HCを浄化することができる。
第7の発明によれば、高温排気通路側の第1の二次空気供給装置の作動確認と、低温排気通路側の第2の二次空気供給装置の作動確認とが時間的に別々に実行される場合において、低温排気通路側の第2の二次空気供給装置の作動確認に同期して、強制パージを実行することができる。これにより、より低温な排気ガスによって吸着材のHCをパージすることができるので、HCの脱離速度を更に抑制することができる。このため、脱離HCを少しずつ後流触媒に流入させることができ、脱離HCをより確実に浄化することができる。
第8の発明によれば、高温排気通路側の第1の二次空気供給装置の作動確認が、低温排気通路側の第2の二次空気供給装置の作動確認に先立って行われる。この際に注入された二次空気によって高温排気通路側に余剰酸素が生じるので、余剰酸素が後流触媒に流入する。その結果、後流触媒の酸素吸蔵量が増加する。このようにして、強制パージの前に、後流触媒の酸素吸蔵量を予め上昇させることができる。よって、吸着材から脱離したHCを後流触媒でより確実に浄化することができる。
本発明の実施の形態1における内燃機関の排気浄化装置の構成を説明するための模式的な図である。 吸着装置の内部構造を示す断面図である。 吸着装置の内部構造を示す断面図である。 本発明の実施の形態1の内燃機関を制御する装置のブロック図である。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンのフローチャートである。 HC吸着処理の実行中および終了後における吸着材の温度変化を示す図である。 HC吸着処理の終了後、自然パージがなされるまでの間における吸着材の温度上昇と、単位時間当たりに吸着材42脱離するHCの量の変化とを表したグラフである。 吸着装置の内部構造を示す断面図である。 後流触媒の酸素吸蔵量を推定する方法を説明するための図である。 本発明の実施の形態3において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態4における内燃機関の排気浄化装置の構成を説明するための模式的な図である。 本発明の実施の形態4において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態4において実行されるルーチンのフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において共通する要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1における内燃機関の排気浄化装置の構成を説明するための模式的な図である。図1に示すように、本実施形態の内燃機関10は、V型8気筒である。ただし、本発明における内燃機関の気筒数および気筒配置は、特に限定されるものではない。内燃機関10は、車両(自動車)等の動力源として用いられる。
内燃機関10の各気筒には、ピストン、燃焼室、吸気弁、排気弁、点火プラグ、燃料インジェクタ等が設けられている。
内燃機関10の二つの気筒群(バンク)を備えている。各気筒群は、それぞれ、4個の気筒を含んでいる。一方の気筒群(以下「第1気筒群」と称する)を構成する4個の気筒から排出される排気ガスは、排気マニホールド12によって集合される。排気マニホールド12を出た排気ガスは、スタートコンバータ14に流入する。スタートコンバータ14を通過した排気ガスは、アンダーフロアコンバータ16に流入する。アンダーフロアコンバータ16を通過した排気ガスは、排気通路18を通って、吸着装置20に流入する。
他方の気筒群(以下「第2気筒群」と称する)を構成する4個の気筒から排出される排気ガスは、排気マニホールド22によって集合される。排気マニホールド22を出た排気ガスは、スタートコンバータ24に流入する。スタートコンバータ24を通過した排気ガスは、アンダーフロアコンバータ26に流入する。アンダーフロアコンバータ26を通過した排気ガスは、排気通路28を通って、吸着装置20に流入する。
スタートコンバータ14,24およびアンダーフロアコンバータ16,26は、それぞれ、酸素吸蔵機能を有し、HC、COおよびNOxの三成分を同時に浄化可能な三元触媒作用を有する触媒コンバータである。本実施形態では、これらのスタートコンバータ14,24およびアンダーフロアコンバータ16,26のような通常の排気浄化触媒の下流側に、吸着装置20および後流触媒34を設けたことにより、従来の排気浄化装置と比べて、エミッションを更に低減することが可能となる。以下、吸着装置20および後流触媒34について、詳細に説明する。
図1に示すように、排気通路28は、排気通路18よりも長い。このため、排気ガスが排気通路28を通過する間の温度低下幅は、排気ガスが排気通路18を通過する間の温度低下幅よりも大きい。従って、排気通路28から吸着装置20に流入する排気ガスの温度は、排気通路18から吸着装置20に流入する排気ガスの温度より低い。そこで、以下の説明では、吸着装置20の入口付近の部分の排気通路18を「高温排気通路30」と称し、吸着装置20の入口付近の部分の排気通路28を「低温排気通路32」と称する。
吸着装置20を通過した排気ガスは、後流触媒34に流入する。後流触媒34は、吸着装置20が備える吸着材42から脱離したHCを浄化(酸化)可能な触媒コンバータである。この後流触媒34は、酸素吸蔵機能を有していることが望ましい。後流触媒34が酸素吸蔵機能を有している場合には、吸着材42から脱離したHCが後流触媒34に流入した際に、排気ガス中の酸素が不足していた場合であっても、後流触媒34が吸蔵酸素を放出することにより、HCを酸化することができる。このため、吸着材42から脱離したHCをより確実に浄化することができる。
排気マニホールド12とスタートコンバータ14との間には、スタートコンバータ14に流入する排気ガスの空燃比を検出する空燃比センサ36が設置されている。また、排気マニホールド22とスタートコンバータ24との間には、スタートコンバータ24に流入する排気ガスの空燃比を検出する空燃比センサ38が設置されている。そして、後流触媒34には、その触媒床温を検出する触媒温度センサ40が設置されている。
図2および図3は、吸着装置20の内部構造を示す断面図である。図2に示すように、吸着装置20には、高温排気通路30および低温排気通路32が接続されている。高温排気通路30と低温排気通路32とは、吸着装置20に対する接続部の付近まで、相互に独立して設けられている。吸着装置20のケーシングの内部には、吸着材42と、吸着材42をバイパスするバイパス通路44とが設けられている。また、吸着装置20のケーシングの内部には、切換弁46と隔壁48とが更に設けられている。
吸着材42は、例えばゼオライトなどを含んでおり、排気ガス中のHCを一時的に吸着することができる。吸着材42の温度が所定の脱離開始温度(例えば80〜100℃)以上になると、吸着されたHCは、吸着材42から脱離し始める。
バイパス通路44は、吸着材42に並行して設けられた通路である。このバイパス通路44に排気ガスを通すことにより、吸着材42を通さずに排気ガスを吸着装置20の下流側に流すことができる。バイパス通路44は、隔壁48によって、吸着材42と隔てられている。
高温排気通路30は、吸着材42への入口52よりも、バイパス通路44への入口54に近い位置に接続されている。これに対し、低温排気通路32は、バイパス通路44への入口54よりも、吸着材42への入口52に近い位置に接続されている。
切換弁46は、回動可能に設置された板状の羽で構成されている。切換弁46は、アクチュエータ50の駆動により、図2に示す位置と図3に示す位置とに変位する。図2に示す状態(以下「バイパス通路封鎖状態」と称する)では、バイパス通路44への入口54が切換弁46によって封鎖される。このため、高温排気通路30から流入する排気ガスと、低温排気通路32から流入する排気ガスとは、共に、吸着材42への入口52側へ流れて、吸着材42を通過する。
一方、図3に示す状態(以下「吸着材封鎖状態」と称する)では、吸着材42への入口52が切換弁46によって封鎖される。このため、高温排気通路30から流入する排気ガスと、低温排気通路32から流入する排気ガスとは、共に、バイパス通路44への入口54側へ流れて、バイパス通路44を通過する。すなわち、この状態では、高温排気通路30および低温排気通路32からの排気ガスは、吸着材42を通らずに吸着装置20を出る。
図4は、本実施形態の内燃機関10を制御する装置のブロック図である。内燃機関10には、各気筒に設けられた燃料インジェクタを含む燃料噴射装置56と、各気筒に設けられた点火プラグを含む点火装置58と、吸入空気量を制御するために吸気通路に設けられたスロットル弁60と、内燃機関10のクランク軸(出力軸)の回転角度を検出するクランク角センサ62と、吸入空気量を検出するエアフローメータ64と、内燃機関10の冷却水の温度を検出する水温センサ66とが設けられている。これら各種のセンサおよびアクチュエータは、ECU(Electronic Control Unit)70に電気的に接続されている。更に、ECU70には、前述した空燃比センサ36,38と、触媒温度センサ40と、切換弁46のアクチュエータ50とが電気的に接続されている。
内燃機関10の冷間始動直後は、内燃機関10からHC(未燃燃料成分)が多く排出される。その一方で、スタートコンバータ14,24やアンダーフロアコンバータ16,26が未活性の状態であるため、HCを十分に浄化することができない。そこで、本実施形態では、内燃機関10の冷間始動直後は、排気ガスを吸着材42に流入させ、吸着材42によってHCを捕捉するHC吸着処理を実行することとした。これにより、大気中へのHCの排出を抑制することができる。
図5は、HC吸着処理を行うために本実施形態においてECU70が実行するルーチンのフローチャートである。本ルーチンは、所定時間毎に繰り返し実行される。本ルーチンによれば、まず、車両のイグニッションスイッチがオンになっているかどうかが判別される(ステップ100)。イグニッションスイッチがオンになっていない場合、すなわち、内燃機関10が始動されていない場合には、切換弁46は、図3に示す吸着材封鎖状態の位置とされる(ステップ106)。つまり、排気ガスが吸着材42に流入しない状態とされる。
一方、上記ステップ100で、イグニッションスイッチがオンになっている場合には、次に、水温センサ66で検出される内燃機関10の冷却水温ethwが所定値β未満であるか否かが判別される(ステップ102)。冷却水温ethwがβ以上である場合には、内燃機関10は暖機された状態にあると判断できる。この場合には、スタートコンバータ14,24あるいはアンダーフロアコンバータ16,26が活性化していると判断できる。すなわち、スタートコンバータ14,24やアンダーフロアコンバータ16,26によってHCを十分に浄化することができるので、HCを吸着材42で吸着するHC吸着処理は必要はないと判断できる。そこで、この場合には、切換弁46が吸着材封鎖状態の位置とされる(ステップ106)。これにより、吸着装置20に流入した排気ガスは、吸着材42を通らずに、バイパス通路44を通過する。
これに対し、上記ステップ102で冷却水温ethwがβ未満であった場合には、内燃機関10が冷間始動されたものと判断することができる。よって、この場合には、HC吸着処理を実行する必要があると判断できる。吸着材42によってHCを吸着する場合には、切換弁46が図2に示すバイパス通路封鎖状態の位置とされる(ステップ108)。従って、吸着装置20に流入した排気ガスは、バイパス通路44を通らずに、吸着材42を通過する。これにより、排気ガス中のHCを吸着材42によって捕捉することができ、大気中へのHCの排出を回避することができる。
本実施形態では、HC吸着処理を終了すべきタイミングを、積算空気量を用いて判定することとしている(ステップ104)。積算吸入空気量とは、エアフローメータ64で検出される吸入空気量を、内燃機関10の始動時から積算した値である。スタートコンバータ14,24の温度が活性温度(例えば300℃)以上まで上昇すれば、内燃機関10から排出されるHCをスタートコンバータ14,24によって十分に浄化することができるので、HC吸着処理を終了してもよい。冷間始動後のスタートコンバータ14,24の温度は、積算吸入空気量に基づいて推定することができる。そこで、ステップ104では、積算吸入空気量が所定の判定値A未満であるか否かが判別される。ステップ104で、積算吸入空気量が判定値A未満であった場合には、スタートコンバータ14,24の温度は、まだ活性温度に達していないと推測できる。そこで、この場合には、切換弁46をバイパス通路封鎖状態の位置とすることにより、HC吸着処理が続行される(ステップ108)。
これに対し、ステップ104で、積算吸入空気量が判定値A以上であった場合には、スタートコンバータ14,24の温度は、既に活性温度に達していると推測できる。そこで、この場合には、切換弁46を吸着材封鎖状態の位置とすることにより、HC吸着処理が終了される(ステップ106)。
HC吸着処理の終了後は、後流触媒34の温度が所定の活性温度(例えば300℃)に達するまでの間、吸着材42の温度が脱離開始温度(例えば80〜100℃)より低い温度に維持されるようにしなければならない。後流触媒34の温度が活性温度に達する前に吸着材42の温度が脱離開始温度に到達してしまうと、吸着材42からHCが脱離し始め、その脱離HCが、後流触媒34で浄化できずに、大気中へ排出されてしまうからである。
図6は、HC吸着処理の実行中および終了後における吸着材42の温度変化を示す図である。図6に示すように、HC吸着処理の実行中、すなわち排気ガスが吸着材42を通過している最中には、排気ガスの熱によって、吸着材42の温度が急激に上昇する。それだけではなく、HC吸着処理が終了した後、すなわち排気ガスが吸着材42ではなくバイパス通路44を通過するようになった後も、吸着材42の温度は、上昇が止まらず、徐々に上がり続ける。これは、切換弁46が吸着材封鎖状態の位置になっても、実際には排気ガスが吸着材42側へ漏れることを完全に防止することはできないため、少量の漏れた排気ガスが吸着材42に流れるためである。また、バイパス通路44を通る排気ガスの熱が吸着材42に伝熱することによっても吸着材42の温度が上昇する。
一般的に言って、内燃機関10からの排気経路距離が遠い位置に吸着装置20を配置すれば、吸着装置20に流入する排気ガスの温度が低くなるので、吸着材42の温度上昇を抑制することができる。このため、吸着材42にHCを保持する上では有利となる。しかしながら、吸着装置20に流入する排気ガスの温度を低くすると、吸着装置20の下流側に位置する後流触媒34の温度が上昇しにくくなり、後流触媒34が活性化しにくくなるので、吸着材42から脱離したHCを浄化することが困難になる。本実施形態によれば、このような背反を次のようにして解決することができる。
本実施形態では、次のようにして、HC吸着処理終了後の吸着材42の温度上昇速度を抑制することができる。HC吸着処理終了後の状態、すなわち切換弁46が吸着材封鎖状態にあるときには、図3に示すように、低温排気通路32からの排気ガスの流れ72は、高温排気通路30からの排気ガスの流れ74と比べて、切換弁46に近い位置(吸着材42への入口52に近い位置)を流れる。このため、切換弁46と入口52との隙間から漏れて吸着材42へ流れる排気ガスは、高温排気通路30からの排気ガスではなく、低温排気通路32からの排気ガスになる。すなわち、吸着材封鎖状態のときに吸着材42側に漏れ出す排気ガスは、比較的低温の排気ガスである。これにより、本実施形態では、HC吸着処理終了後における吸着材42の温度上昇を確実に抑制することができる。
また、本実施形態では、切換弁46が吸着材封鎖状態の位置にあるときに、低温排気通路32からの排気ガスの流れ72は、高温排気通路30からの排気ガスの流れ74と比べて、隔壁48に近い位置を流れる。すなわち、隔壁48に接触する排気ガスは、高温排気通路30からの排気ガスではなく、低温排気通路32からの、比較的低温の排気ガスである。これにより、バイパス通路44を流れる排気ガスから隔壁48を介して吸着材42へ伝熱する熱量を少なくすることができる。このため、本実施形態では、HC吸着処理終了後における吸着材42の温度上昇をより確実に抑制することができる。
その一方で、後流触媒34の温度上昇に対しては高温排気通路30からの排気ガスも十分に寄与するので、後流触媒34を確実に活性化させることができる。
図6では、上述したような本発明の実施例における吸着材42の温度上昇を、実線のグラフで示している。一方、図6中の一点鎖線で示すグラフは、吸着装置に流入する排気ガスが高温と低温とに分かれておらず、高温の排気ガスのみが吸着装置に流入するように構成した比較例における吸着材の温度上昇を示している。この図に示すように、本発明の実施例によれば、上述したような理由により、比較例の場合と比べて、HC吸着処理終了後の吸着材42の温度上昇速度を遅くすることができる。このため、比較例と比べて、吸着材42の温度が脱離開始温度に到達するまでの時間を長くすることができる。よって、後流触媒34の温度が活性温度に達するまでの間、吸着材42の温度を脱離開始温度より低い温度に確実に抑えることができる。すなわち、吸着材42から脱離したHCが後流触媒34で浄化できずに大気中へ排出されてしまうことを確実に防止することができる。
ところで、吸着材42に溜まったHCをパージする(除去する)方法としては、自然パージと強制パージとがある。強制パージとは、後流触媒34の温度が活性温度に到達した後に、切換弁46を操作して吸着材42に排気ガスを積極的に流すことにより、吸着材42の温度を強制的に上昇させて、吸着材42からHCを脱離させる方法である。これに対し、自然パージとは、HC吸着処理が終了した後は吸着材42に積極的に排気ガスを流すことはせずに、吸着材42側へ漏れる排気ガスの影響や伝熱の影響によって吸着材42の温度を自然に上昇させることにより、吸着材42からHCを脱離させる方法である。本実施形態では、自然パージによって吸着材42からHCを脱離させる場合について説明する。
図7の下段のグラフは、HC吸着処理の終了後、自然パージがなされるまでの吸着材42の温度上昇を表している。一方、図7の上段のグラフは、単位時間当たりに吸着材42から脱離するHCの量(すなわちHCの脱離速度)の変化を表している。
図7に示すように、吸着材42の温度が脱離開始温度に到達するとHCの脱離が始まり、吸着材42の温度が更に上昇するに従い、HCの脱離が続いていく。そして、吸着材42の温度が所定の脱離終了温度に到達した時点で、ほぼすべてのHCが脱離し終わる。前述したように、比較例の場合には、吸着材の温度上昇速度が速い。よって、吸着材温度が脱離開始温度から脱離終了温度まで上昇するのに要する時間が短い。このため、短時間のうちにHCが脱離するので、多量の脱離HCが一気に後流触媒に流入することになる。その結果、たとえ後流触媒が活性化していたとしても、脱離HCの浄化処理が追いつかなくなり、一部の脱離HCがすり抜けて大気中へ排出されるおそれがある。
これに対し、本実施形態では、前述したように、吸着材42の温度上昇速度を抑制することができる。それゆえ、本発明の実施例によれば、図7に示すように、吸着材42の温度が脱離開始温度から脱離終了温度まで上昇するのに要する時間が長くなる。このため、比較的長い時間をかけてHCが脱離するので、脱離HCが少しずつ後流触媒34に流入する。よって、脱離HCを後流触媒34で確実に浄化することができ、大気中への脱離HCの排出を確実に防止することができる。
なお、本実施形態では、高温排気通路30の排気ガス温度と、低温排気通路32の排気ガス温度との違いが、高温排気通路30に至る排気通路18と、低温排気通路32に至る排気通路28との長さの違いに起因するものとして説明したが、本発明では、排気ガス温度の違いの原因は排気通路の長さの違いに限定されるものではない。すなわち、高温排気通路に至る排気通路と、低温排気通路に至る排気通路との長さが等しい場合であっても、低温排気通路に至る排気通路にのみ冷却装置(例えば、冷却フィンやウォータージャケットなど)を設けることによって、排気ガス温度差を生じさせるようにしてもよい。
また、本実施形態では、吸着材42とバイパス通路44とが共通のケーシング内に一体的に設けた例について説明したが、本発明では、バイパス通路が吸着材のケーシングと別体で設けられていてもよい。しかしながら、本実施形態のように吸着材42とバイパス通路44とを一体的に設けた場合の方が、省スペース化が図れる点で好ましい。更に、吸着材42とバイパス通路44とを一体的に設けることにより、HC吸着処理の終了後、吸着材42の温度を、脱離開始温度より少し低い適度な温度に保温することができる。このため、HCをパージする際に、速やかにパージ状態に移行することができるという利点もある。これに対し、バイパス通路が吸着材のケーシングと別体で設けられている場合には、HC吸着処理が終了して排気ガスがバイパス通路を通過するようになると、吸着材が冷えてしまうので、自然パージが困難となる。更に、強制パージを行う場合でも、吸着材を脱離開始温度以上に上昇させるのに時間がかかり、強制パージの終了が遅れるという点で不利となる。
上述した実施の形態1においては、切換弁46およびアクチュエータ50が前記第1の発明における「切換装置」に相当している。また、ECU70が図5に示すルーチンの処理を実行することにより前記第4乃至第7の発明における「吸着制御手段」が実現されている。
実施の形態2.
次に、図8を参照して、本発明の実施の形態2について説明するが、上述した実施の形態1との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を簡略化または省略する。
前述した実施の形態1では、吸着材42に溜まったHCを自然パージによって脱離させることとしている。これに対し、本実施形態では、強制パージを実施することによって、吸着材42に溜まったHCを脱離させる。
吸着材42に溜めることのできるHCの量には限界がある。このため、万一、吸着材42に溜まったHCがパージされないうちに内燃機関10が停止された場合には、次回の冷間始動時に吸着材42によって除去できるHCの量がその分だけ少なくなってしまう。そのような場合には、排気ガス中のHCを吸着材42で除去し切れないおそれがある。吸着材42に溜まったHCが自然パージされることを待っていると、その間に内燃機関10が停止される可能性が生じてくるので、上記のような事態が生ずるおそれがある。
これに対し、後流触媒34が活性化した後に強制パージを実施するようにすれば、吸着材42に溜まったHCを速やかにパージすることができる。このため、冷間始動された内燃機関10が短時間のうちに停止されるような場合であっても、その前に吸着材42のHCを確実にパージすることができる。よって、次回の冷間始動時にも吸着材42によってHCを十分に吸着することができる。
また、本実施形態では、強制パージを行う際に、すべての排気ガスを吸着材42に流すのではなく、低温排気通路32からの排気ガスのみを吸着材42に流すこととした。このような排気ガスの流れは、切換弁46を図8に示す位置に変位させることによって、実現することができる。
図8に示すように、切換弁46は、図2に示す位置と図3に示す位置との中間位置に変位可能になっている。図8に示す状態では、吸着材42への入口52と、バイパス通路44への入口54との間が、切換弁46によって遮断される。このため、高温排気通路30から流入する排気ガスは、バイパス通路44へと流れ、低温排気通路32から流入する排気ガスは、吸着材42へと流れる。すなわち、低温排気通路32からの排気ガスのみが吸着材42を通過し、高温排気通路30からの排気ガスは、吸着材42を通過せずにバイパス通路44を通って吸着装置20を出る。
本実施形態では、図8に示すような状態で強制パージを実施することにより、次のような利点がある。
(1)低温排気通路32から流入する比較的低温の排気ガスを吸着材42に流すので、吸着材42の温度上昇速度を緩やかにすることができる。このため、吸着材42に溜まったHCを徐々に脱離させることができるので、脱離HCを少しずつ後流触媒34に流入させることができる。よって、後流触媒34内が酸素不足になることを確実に防止することができるので、脱離HCを確実に浄化することができる。すなわち、脱離HCが後流触媒34をすり抜けて大気中に排出されることを確実に防止することができる。
(2)高温排気通路30から流入する高温の排気ガスが吸着材42を通らないので、この高温排気ガスが吸着材42によって熱を奪われることなく、そのまま後流触媒34へ流入する。このため、後流触媒34の温度低下を抑制することができ、後流触媒34の活性状態をより確実に維持することができる。よって、吸着材42から脱離したHCを後流触媒34でより確実に浄化することができる。
上述した実施の形態2においては、図8に示す状態が前記第3の発明における「第3の状態」に相当している。また、ECU70が、切換弁46を図8に示す状態として強制パージを実行することにより、前記第4の発明における「強制パージ手段」が実現されている。
実施の形態3.
次に、図9および図10を参照して、本発明の実施の形態3について説明するが、上述した実施の形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を簡略化または省略する。
吸着材42に溜まったHCの強制パージを実行する場合には、後流触媒34に十分に酸素が吸蔵されていることが望ましい。後流触媒34の酸素吸蔵量が十分であれば、脱離HCが後流触媒34に流入したときに後流触媒34内が酸素不足となることをより確実に防止することができるので、脱離HCをより確実に浄化することができるからである。
そこで、本実施形態では、後流触媒34の酸素吸蔵量を推定し、その推定値が所定の基準値を超えていることを条件として、強制パージの実行を許可することとした。図9は、後流触媒34の酸素吸蔵量を推定する方法を説明するための図である。以下の説明では、スタートコンバータ14,24およびアンダーフロアコンバータ16,26を総称して「上流触媒」と言う。
図9の横軸は、上流触媒の上流側に供給された余剰酸素を積算した量を示している。前述したように、上流触媒は、酸素吸蔵機能を有している。このため、排気ガス中の余剰酸素は、まず、上流触媒に吸蔵される。よって、上流触媒の酸素吸蔵能力を超えて余剰酸素が溢れ出すまでは、後流触媒34に余剰酸素は流入しないので、後流触媒34の酸素吸蔵量はゼロに維持される。すなわち、上流触媒の酸素吸蔵能力を超えた分の余剰酸素が後流触媒34に流入し、吸蔵される。
以下の説明では、図9に示すように、上流触媒の最大酸素吸蔵量をecmaxとし、上流触媒から余剰酸素が溢れ出すときの酸素量閾値をecminとし、強制パージが許可される基準値となる後流触媒34の酸素吸蔵量をαとする。また、内燃機関10の第1気筒群に対して設けられたスタートコンバータ14およびアンダーフロアコンバータ16を「第1上流触媒」と称し、第2気筒群に対して設けられたスタートコンバータ24およびアンダーフロアコンバータ26を「第2上流触媒」と称する。
図10は、本実施形態における強制パージ制御を行うためにECU70が実行するルーチンのフローチャートである。本ルーチンは、所定時間毎に繰り返し実行される。本ルーチンによれば、まず、強制パージを行う前提となる条件が満足されているか否かが判別される(ステップ200)。この前提条件は、例えば、上流触媒の推定温度、車速、燃料カット履歴等についての条件である。このステップ200で、前提条件が満足されていないと判定された場合には、強制パージの実行フラグがOFFとされる(ステップ202)。
ECU70は、第1気筒群の吸入空気量、燃料噴射量、あるいは第1上流触媒の上流側に設けられた空燃比センサ36の出力などに基づいて、第1気筒群の上流側に供給された余剰酸素量edosam1を算出するとともに、その余剰酸素量edosam1を積算した余剰酸素積算量eosasum1を算出している。上記ステップ200で、前提条件が満足されていると判定された場合には、第1気筒群側の余剰酸素積算量eosasum1が第1上流触媒の最大酸素吸蔵量ecmax1以上であるか否かが判別される(ステップ204)。
図9から分かるように、余剰酸素積算量eosasum1が最大酸素吸蔵量ecmax1以上の場合には、余剰酸素は、第1上流触媒から溢れ出して、後流触媒34に吸蔵されると判断できる。従って、この場合には、余剰酸素量edosam1が後流触媒34の推定酸素吸蔵量eosasumADに加算される(ステップ208)。
一方、上記ステップ204で、余剰酸素積算量eosasum1が最大酸素吸蔵量ecmax1未満であった場合には、次に、余剰酸素積算量eosasum1が、第1上流触媒から余剰酸素が溢れ出すときの酸素量閾値ecmin1以上であるか否かが判別される(ステップ206)。図9から分かるように、余剰酸素積算量eosasum1が酸素量閾値ecmin1以上である場合には、余剰酸素は、第1上流触媒から溢れ出して、後流触媒34に吸蔵されると判断できる。従って、この場合には、余剰酸素量edosam1が後流触媒34の推定酸素吸蔵量eosasumADに加算される(ステップ208)。
これに対し、上記ステップ206で、余剰酸素積算量eosasum1が酸素量閾値ecmin1未満であった場合には、余剰酸素は、第1上流触媒に吸蔵され、後流触媒34には流入しないと判断できる。従って、この場合には、余剰酸素量edosam1を後流触媒34の推定酸素吸蔵量eosasumADに加算しない。
続いて、第2気筒群側についても上記と同様の計算が行われる。まず、第2気筒群側の余剰酸素積算量eosasum2が第2上流触媒の最大酸素吸蔵量ecmax2以上であるか否かが判別される(ステップ210)。その結果、余剰酸素積算量eosasum2が最大酸素吸蔵量ecmax2以上であった場合には、第2気筒群の上流側に供給された余剰酸素量edosam2が後流触媒34の推定酸素吸蔵量eosasumADに加算される(ステップ214)。
一方、上記ステップ210で、余剰酸素積算量eosasum2が最大酸素吸蔵量ecmax2未満であった場合には、次に、余剰酸素積算量eosasum2が、第2上流触媒から余剰酸素が溢れ出すときの酸素量閾値ecmin2以上であるか否かが判別される(ステップ212)。その結果、余剰酸素積算量eosasum2が酸素量閾値ecmin2以上であった場合には、余剰酸素量edosam2が後流触媒34の推定酸素吸蔵量eosasumADに加算される(ステップ214)。
これに対し、上記ステップ212で、余剰酸素積算量eosasum2が酸素量閾値ecmin2未満であった場合には、余剰酸素は、第2上流触媒に吸蔵され、後流触媒34には流入しないと判断できる。従って、この場合には、余剰酸素量edosam2を後流触媒34の推定酸素吸蔵量eosasumADに加算しない。
以上の計算により、後流触媒34の推定酸素吸蔵量eosasumADを求めることができる。本ルーチンによれば、次に、この推定酸素吸蔵量eosasumADと、所定の基準値αとが比較される(ステップ216)。推定酸素吸蔵量eosasumADが基準値αを超えている場合には、後流触媒34の酸素吸蔵量は十分であると判断できる。そこで、この場合には、強制パージの実行フラグがONとされる(ステップ218)。強制パージの実行フラグがONとされると、切換弁46を操作することによって吸着材42に排気ガスが流され、吸着材42に溜まったHCが強制的にパージされる。この場合、切換弁46を図2に示す状態とすることによって全部の排気ガスを吸着材42に流入させてもよいし、切換弁46を図8に示す状態とすることによって低温排気通路32からの排気ガスのみを吸着材42に流入させてもよい。
一方、上記ステップ216で、推定酸素吸蔵量eosasumADが基準値α以下である場合には、後流触媒34の酸素吸蔵量は十分でないと判断できる。この場合には、強制パージの実行フラグがOFFとされ、強制パージの実行が禁止される(ステップ202)。
以上説明したように、本実施形態によれば、後流触媒34に酸素が十分に吸蔵されていることを条件として強制パージを実行する。このため、強制パージによって脱離HCが急激に後流触媒34に流入した場合であっても、後流触媒34内が酸素不足となることを確実に防止することができる。よって、脱離HCを確実に浄化することができ、大気中へのHCの排出をより確実に抑制することができる。
なお、本実施形態では、第1気筒群側から後流触媒34に流入する余剰酸素量と、第2気筒群側から後流触媒34に流入する余剰酸素量とをそれぞれ計算して加算することにより、後流触媒34の酸素吸蔵量を算出しているが、第1気筒群と第2気筒群とが同様に制御される場合には、両気筒群から後流触媒34に流入する余剰酸素量は等しいと考えられるので、代表して何れか一方の気筒群からの余剰酸素量を計算することによって後流触媒34の酸素吸蔵量を算出するようにしてもよい。
上述した実施の形態3においては、ECU70が、上記ステップ218の処理を実行することにより前記第5の発明における「強制パージ手段」が、上記ステップ204〜214の処理を実行することにより前記第5の発明における「酸素吸蔵量算出手段」が、上記ステップ216および202の処理を実行することにより前記第5の発明における「禁止手段」が、それぞれ実現されている。
実施の形態4.
次に、図11乃至図13を参照して、本発明の実施の形態4について説明するが、上述した実施の形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を簡略化または省略する。
図11は、本発明の実施の形態4における内燃機関の排気浄化装置の構成を説明するための模式的な図である。図11に示すように、本実施形態では、内燃機関10の排気通路に二次空気を供給する第1エアインジェクション装置80および第2エアインジェクション装置82を備えている。
第1エアインジェクション装置80は、内燃機関10の第1気筒群側の排気通路に二次空気を供給するための装置である。この第1エアインジェクション装置80は、エアポンプ84と、エアポンプ84によって取り込まれた空気を第1気筒群の各気筒の排気ポートに注入するためのエア注入マニホールド86と、エアポンプ84とエア注入マニホールド86との間の空気の流通を制御するための制御弁88とを有している。
第2エアインジェクション装置82は、内燃機関10の第2気筒群側の排気通路に二次空気を供給するための装置である。この第2エアインジェクション装置82は、エアポンプ90と、エアポンプ90によって取り込まれた空気を第2気筒群の各気筒の排気ポートに注入するためのエア注入マニホールド92と、エアポンプ90とエア注入マニホールド92との間の空気の流通を制御するための制御弁94とを有している。
このような第1エアインジェクション装置80および第2エアインジェクション装置82の作動は、ECU70によって制御される。
内燃機関10が冷間始動される場合には、燃料の気化不足を補うための燃料増量制御が実施される。このため、筒内の空燃比が理論空燃比よりリッチになるので、内燃機関10からHCが多く排出される。本実施形態では、内燃機関10の冷間始動直後に第1エアインジェクション装置80および第2エアインジェクション装置82を駆動することにより、各気筒の排気ポートに二次空気を供給することができる。このため、冷間始動直後の排気ガスに多量に含まれるHCを排気ポート内で後燃えさせることができる。この後燃えにより、排気ガスの温度を高くすることができるので、上流触媒(スタートコンバータ14,24等)の温度をより早期に活性温度以上まで上昇させることができる。
第1エアインジェクション装置80および第2エアインジェクション装置82を駆動することが必要となるのは、冷間始動直後のみであるが、上流触媒の暖機が完了した後、故障診断(作動確認)のために第1エアインジェクション装置80および第2エアインジェクション装置82が駆動される場合がある。
故障診断のために第1エアインジェクション装置80および第2エアインジェクション装置82が駆動され、二次空気が供給されると、排気ガス中に余剰酸素が生ずる。そこで、本実施形態では、第1エアインジェクション装置80および第2エアインジェクション装置82の故障診断に同期して、吸着材42の強制パージを実行することとした。これにより、第1エアインジェクション装置80および第2エアインジェクション装置82の故障診断時に供給される余剰酸素を有効に活用して、吸着材42から脱離するHCを浄化することができる。
図12は、上記の機能を実現するために本実施形態においてECU70が実行するルーチンのフローチャートである。本ルーチンは、所定時間毎に繰り返し実行される。本ルーチンによれば、まず、強制パージの前提条件が満足されているか否かが判別される(ステップ300)。このステップ300の内容は、前述したステップ200と同様である。このステップ300で、前提条件が満足されていないと判定された場合には、第1エアインジェクション装置80および第2エアインジェクション装置82を強制駆動することを禁止するための禁止フラグがONとされる(ステップ302)。更に、強制パージの実行フラグがOFFとされる(ステップ304)。
一方、上記ステップ300で、前提条件が満足されていると判定された場合には、次に、触媒温度センサ40によって検出される後流触媒34の温度tempADが所定の活性温度(例えば300℃)を超えているか否かが判別される(ステップ306)。このステップ306で、後流触媒34の温度tempADが活性温度を超えていないと判定された場合には、第1エアインジェクション装置80および第2エアインジェクション装置82の強制駆動を禁止する禁止フラグがONとされ(ステップ302)、強制パージの実行フラグがOFFとされる(ステップ304)。このような処理により、本実施形態では、後流触媒34がまだ活性化していないときに強制パージが実行されることを確実に防止することができる。なお、本実施形態では、後流触媒34の温度を触媒温度センサ40によって測定するようにしているが、本発明では、内燃機関10の運転状態に基づいた推定を行うことによって後流触媒34の温度を求めるようにしてもよい。
上記ステップ306で、後流触媒34の温度tempADが活性温度を超えていると判定された場合には、強制パージを実行すべき条件が整っていると判断できる。そこで、この場合には、まず、第1エアインジェクション装置80および第2エアインジェクション装置82の強制駆動を禁止する禁止フラグがOFFとされる(ステップ308)。これにより、第1エアインジェクション装置80および第2エアインジェクション装置82の強制駆動の禁止が解除されるので、所定のタイミングで第1エアインジェクション装置80および第2エアインジェクション装置82が強制駆動され、故障診断が実施される。
本ルーチンによれば、次に、第1エアインジェクション装置80および第2エアインジェクション装置82が駆動されていることを示す駆動フラグがONになっているか否か、および、診断結果が正常判定であるか否かが確認される(ステップ310)。
上記ステップ310で、駆動フラグがONになっていること、および、診断結果が正常判定であることが確認された場合には、第1エアインジェクション装置80および第2エアインジェクション装置82が正常に作動しており、二次空気が供給されていると判断できる。そこで、この場合には、強制パージの実行フラグがONとされる(ステップ312)。強制パージの実行フラグがONとされると、切換弁46が図2あるいは図8に示す状態に切り換えられることによって、吸着材42に排気ガスが流され、吸着材42に溜まったHCが強制的にパージされる。このようにして、本実施形態によれば、二次空気(余剰酸素)と、吸着材42から脱離したHCとを同時に後流触媒34に流入させることができる。このため、吸着材42から脱離したHCを効率良く酸化させることができ、大気中へのHCの排出を確実に抑制することができる。
なお、図12に示すルーチンのステップ310では、第1エアインジェクション装置80および第2エアインジェクション装置82の診断結果が正常判定であることを確認しているが、これに代えて、空燃比センサ36,38で検出される空燃比が、所定のリーン判定値より大きいことを確認するようにしてもよい。空燃比センサ36,38によって空燃比がリーンであることが確認できれば、正常判定を待たなくても、第1エアインジェクション装置80および第2エアインジェクション装置82が正常に作動して二次空気が供給されたと判断することができる。このため、上記と同様の効果が得られる。
また、上述した実施の形態では、第1エアインジェクション装置80および第2エアインジェクション装置82の故障診断のための強制駆動を同時に実行するものとして説明したが、本発明では、第1エアインジェクション装置80の強制駆動と、第2エアインジェクション装置82の強制駆動とを、時間をずらして別々に行うようにしてもよい。その場合、高温排気通路30側の第1エアインジェクション装置80の強制駆動を先に行い、その後に行う低温排気通路32側の第2エアインジェクション装置82の強制駆動に同期して強制パージを実行することが望ましい。図13は、このような制御を行う場合にECU70が実行するルーチンを簡略化して示したフローチャートである。
図13に示すルーチンによれば、まず、高温排気通路30側の第1エアインジェクション装置80の強制駆動が実行される(ステップ400)。この強制駆動によって二次空気が注入されることにより、高温排気通路30側に余剰酸素が生じるので、余剰酸素が後流触媒34に流入する。その結果、後流触媒34の酸素吸蔵量が増加する。
第1エアインジェクション装置80の強制駆動が終了した後、低温排気通路32側の第2エアインジェクション装置82の強制駆動が開始される(ステップ402)。次いで、第2エアインジェクション装置82の作動、および、先に駆動された第1エアインジェクション装置80の作動が正常であるか否かが診断される(ステップ404)。その結果、それらの作動が正常であると判定された場合には、吸着材42に溜まったHCの強制パージが実行される(ステップ406)。この強制パージにおいては、切換弁46を図8に示す状態とすることにより、低温排気通路32からの排気ガスのみが吸着材42を通過するようにすることが望ましい。
上述した図13のルーチンの処理によれば、低温排気通路32側の第2エアインジェクション装置82の強制駆動に同期して強制パージを実行することができる。これにより、比較的低温の排気ガスによって強制パージを行うことができるので、吸着材42の温度上昇を緩やかにすることができる。それゆえ、吸着材42に溜まったHCが一気に脱離することを防止し、HCを徐々に脱離させることができる。このため、吸着材42から脱離したHCを後流触媒34で高効率に浄化することができ、脱離HCが大気中へ排出されることを確実に防止することができる。
更に、本実施形態では、第2エアインジェクション装置82の強制駆動の前に第1エアインジェクション装置80の強制駆動を行うことにより、強制パージに先立って、後流触媒34の酸素吸蔵量を予め上昇させておくことができる。このため、吸着材42から脱離したHCを後流触媒34でより確実に浄化することができ、脱離HCが大気中へ排出されることをより確実に防止することができる。
なお、本実施形態では、内燃機関10の第1気筒群に対する二次空気供給装置(第1エアインジェクション装置80)と、第2気筒群に対する二次空気供給装置(第2エアインジェクション装置82)とが別個に設けられている場合を例に説明したが、図12のルーチンの制御は、第1気筒群と第2気筒群とに共用の二次空気供給装置を備えた排気浄化装置の場合にも適用可能である。
上述した実施の形態4においては、第1エアインジェクション装置80および第2エアインジェクション装置82が前記第6の発明における「二次空気供給装置」に、第1エアインジェクション装置80が前記第7の発明における「第1の二次空気供給装置」に、第2エアインジェクション装置82が前記第7の発明における「第2の二次空気供給装置」に、それぞれ相当している。また、ECU70が、上記ステップ312の処理を実行することにより前記第6の発明における「強制パージ手段」が、図12に示すルーチンの処理を実行することにより前記第6の発明における「同期手段」が、上記ステップ406の処理を実行することにより前記第7の発明における「強制パージ手段」が、上記ステップ400および402の処理を実行することにより前記第7および第8の発明における「作動確認手段」が、図13に示すルーチンの処理を実行することにより前記第7の発明における「同期手段」が、それぞれ実現されている。
10 内燃機関
12,22 排気マニホールド
14,24 スタートコンバータ
16,26 アンダーフロアコンバータ
18,28 排気通路
20 吸着装置
30 高温排気通路
32 低温排気通路
34 後流触媒
36,38 空燃比センサ
40 触媒温度センサ
42 吸着材
44 バイパス通路
46 切換弁
48 隔壁
50 アクチュエータ
52 吸着材への入口
54 バイパス通路への入口
72 低温排気通路からの排気ガスの流れ
74 高温排気通路からの排気ガスの流れ
80 第1エアインジェクション装置
82 第2エアインジェクション装置
86,92 エア注入マニホールド
88,94 制御弁

Claims (8)

  1. HCを吸着する機能を有する吸着材と、
    前記吸着材をバイパスするバイパス通路と、
    高温排気通路と、
    前記高温排気通路を通る排気ガスに比して温度が低い排気ガスが通る低温排気通路と、
    前記吸着材への入口を封鎖することにより、前記高温排気通路および前記低温排気通路からの排気ガスが前記バイパス通路に流れるようにする吸着材封鎖状態と、前記バイパス通路への入口を封鎖することにより、前記高温排気通路および前記低温排気通路からの排気ガスが前記吸着材に流れるようにするバイパス通路封鎖状態とに切り換え可能な切換装置と、
    前記吸着材および前記バイパス通路の下流側に配置され、前記吸着材から脱離したHCを浄化可能な後流触媒とを備え、
    前記切換装置が前記吸着材封鎖状態にあるとき、前記低温排気通路からの排気ガスは、前記高温排気通路からの排気ガスと比べて、前記吸着材への入口に近い位置を流れることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  2. 前記吸着材と前記バイパス通路とを隔てる隔壁を備え、
    前記切換装置が前記吸着材封鎖状態にあるとき、前記低温排気通路からの排気ガスは、前記高温排気通路からの排気ガスと比べて、前記隔壁に近い位置を流れることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の排気浄化装置。
  3. 前記切換装置は、前記高温排気通路からの排気ガスが前記バイパス通路に流れるようにし、且つ、前記低温排気通路からの排気ガスが前記吸着材に流れるようにする第3の状態に、更に切り換え可能であることを特徴とする請求項1または2記載の内燃機関の排気浄化装置。
  4. 前記切換装置を前記バイパス通路封鎖状態として排気ガスを前記吸着材に流すことにより、前記吸着材にHCを吸着させる吸着処理を実行する吸着制御手段と、
    前記吸着処理の終了後であって、前記後流触媒が活性化した後に、前記高温排気通路からの排気ガスを前記バイパス通路に流し、且つ、前記低温排気通路からの排気ガスを前記吸着材に流すことにより、前記吸着材からHCを強制的に脱離させる強制パージを実行する強制パージ手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載の内燃機関の排気浄化装置。
  5. 前記切換装置を前記バイパス通路封鎖状態として排気ガスを前記吸着材に流すことにより、前記吸着材にHCを吸着させる吸着処理を実行する吸着制御手段と、
    前記吸着処理の終了後であって、前記後流触媒が活性化した後に、排気ガスの少なくとも一部を前記吸着材に流すことにより、前記吸着材からHCを強制的に脱離させる強制パージを実行する強制パージ手段と、
    前記後流触媒に吸蔵されている酸素の量を算出する酸素吸蔵量算出手段と、
    前記酸素吸蔵量算出手段により算出された前記後流触媒の酸素吸蔵量が所定値未満である場合には、前記強制パージの実行を禁止する禁止手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項記載の内燃機関の排気浄化装置。
  6. 前記切換装置を前記バイパス通路封鎖状態として排気ガスを前記吸着材に流すことにより、前記吸着材にHCを吸着させる吸着処理を実行する吸着制御手段と、
    前記吸着処理の終了後であって、前記後流触媒が活性化した後に、排気ガスの少なくとも一部を前記吸着材に流すことにより、前記吸着材からHCを強制的に脱離させる強制パージを実行する強制パージ手段と、
    前記吸着材および前記バイパス通路より上流側の排気系に二次空気を供給する二次空気供給装置と、
    前記内燃機関の空燃比を理論空燃比よりリッチとする燃料増量を伴うことなしに前記二次空気供給装置を作動させる作動確認制御と、前記強制パージとを同時期に実行させる同期手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項記載の内燃機関の排気浄化装置。
  7. 前記切換装置を前記バイパス通路封鎖状態として排気ガスを前記吸着材に流すことにより、前記吸着材にHCを吸着させる吸着処理を実行する吸着制御手段と、
    前記吸着処理の終了後であって、前記後流触媒が活性化した後に、排気ガスの少なくとも一部を前記吸着材に流すことにより、前記吸着材からHCを強制的に脱離させる強制パージを実行する強制パージ手段と、
    前記高温排気通路の上流に二次空気を供給する第1の二次空気供給装置と、
    前記低温排気通路の上流に二次空気を供給する第2の二次空気供給装置と、
    前記内燃機関の空燃比を理論空燃比よりリッチとする燃料増量制御を伴うことなしに前記第1の二次空気供給装置を作動させる第1の作動確認制御と、前記内燃機関の空燃比を理論空燃比よりリッチとする燃料増量制御を伴うことなしに前記第2の二次空気供給装置を作動させる第2の作動確認制御とを、時間をずらして別々に行う作動確認手段と、
    前記第2の作動確認制御と、前記強制パージとを同時期に実行させる同期手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項記載の内燃機関の排気浄化装置。
  8. 前記作動確認手段は、前記第2の作動確認制御に先立って前記第1の作動確認制御を行うことを特徴とする請求項7記載の内燃機関の排気浄化装置。
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