JP2009293094A - 金属部品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】特に高シリコン−アルミニウム合金等のアルミニウム合金からなる基材の表面を、表面平滑性に優れるため例えばロータの軸端等の相手部材に対する攻撃性を有しない上、耐摩耗性にも優れた陽極酸化皮膜で被覆して、前記各特性に優れた金属部品を製造するための製造方法を提供する。
【解決手段】前記基材を陽極として、陰極と共に電解液に浸漬した状態で、前記両極間に与える電流の電流密度を0A/dmから毎分0.35A/dm以下の割合で所定値まで増加させ、次いで前記所定の電流密度を維持しながら陽極酸化処理をして、前記基材の表面を陽極酸化皮膜で被覆する。
【選択図】なし

Description

本発明は、アルミニウム合金からなる基材の少なくとも一部の表面が陽極酸化皮膜によって被覆された金属部品を製造するための製造方法に関するものである。
例えば自動車において、オイルをエンジン内や油圧駆動系内等で循環させる動力を発生させるためにオイルポンプが用いられる。前記オイルポンプは、作動室と、前記作動室に連通する吸込通路および吐出通路とを有する形状に複数の分割体によって構成された筐体と、前記作動室内に軸を中心として回転可能に配設され、回転に伴ってオイルを、前記吸込通路を通して吸い込んで吐出通路を通して吐出させるロータとを有している。
前記筐体を構成する複数の分割体のうち作動室に臨み、ロータの軸端に対向するリヤハウジングを、オイルポンプの軽量化のためにアルミニウム合金によって形成すると共に、前記リヤハウジングのうち少なくともロータの軸端に対向する表面の耐摩耗性を向上させるために、前記表面を陽極酸化皮膜で被覆することが提案されている(特許文献1参照)。
特開2007−132237号公報
近時、オイルポンプの高圧化(例えば8MPa→15MPa)に対応してリヤハウジングの歪みを防止するべくその強度を高めるために、前記リヤハウジングを形成するアルミニウム(Al)合金として、例えばシリコン(Si)を1〜25質量%程度の割合で含む高シリコン−アルミニウム合金を使用することが検討されている。しかしその場合、従来の陽極酸化処理では、リヤハウジングの表面に形成される陽極酸化皮膜の表面平滑性が低下して、前記陽極酸化皮膜が、対向するロータの軸端等を摩耗するいわゆる攻撃性を発現しやすいという問題がある。
本発明の目的は、特に高シリコン−アルミニウム合金等のアルミニウム合金からなる基材の表面を、表面平滑性に優れるため例えばロータの軸端等の相手部材に対する攻撃性を有しない上、耐摩耗性にも優れた陽極酸化皮膜で被覆して、前記各特性に優れた金属部品を製造するための製造方法を提供することにある。
発明者は、特に高シリコン−アルミニウム合金からなる基材の表面に従来の陽極酸化処理によって陽極酸化皮膜を形成した際に、その表面平滑性が低下する原因について検討した結果、以下の事実を見出した。すなわち高シリコン−アルミニウム合金はシリコンの濃度が高いため、冷却時にシリコンの固相分離が進んで、アルミニウム相ないしはアルミニウムとシリコンの共晶相からなる連続相中にシリコン相が析出した結晶構造となり、基材の表面は、前記連続相中にシリコン相が島状に露出した状態を呈する。
ところがアルミニウムを含む連続相とシリコン相とでは導電率が異なり、シリコン相を形成するシリコンは、連続相中のアルミニウムを陽極酸化するのに適した条件では殆ど酸化されないか、あるいは酸化されるとしてもその速度が著しく小さいため、陽極酸化皮膜は、特にその形成の初期段階において、前記基材の表面の連続相が露出した領域(「連続相領域」と略記することがある。)において選択的に成長する。
成長がある程度進むとシリコン相が露出した領域(「シリコン相領域」と略記することがある)においても陽極酸化皮膜が僅かながら形成される他、連続相領域で成長した陽極酸化皮膜が前記シリコン相領域に回り込んで成長する。そのため陽極酸化皮膜は、最終的にはシリコン相領域に対応した大きな欠陥等のない(周知のようにアルミニウムの陽極酸化皮膜は、基材の表面と接する活性層と、その上の多孔層とからなり、前記多孔層はオングストロームオーダーのごく微細な通孔を有する多孔質構造を有してはいるが)連続した皮膜となる。
しかし前記初期段階における成長速度の差に基づいて、陽極酸化皮膜の厚みには両領域間で大きな差を生じるため、結果として表面の平滑性が低下する。
そこで発明者は、基材の表面のうちシリコン相領域への、連続相領域からの陽極酸化皮膜の回り込みを利用して、特に初期段階に前記両領域間で形成される陽極酸化皮膜の厚みの差をできるだけ小さくすることを検討した。その結果、陽極酸化処理を開始してから数分以内の初期段階において前記両極間に与える電流の電流密度を0A/dmから、所定の電流密度に達するまで毎分0.35A/dm以下の割合で徐々に増加させればよいことを見出した。
すなわち電流密度を前記割合で徐々に増加させると、初期段階において、連続相領域での陽極酸化皮膜の急速な成長を抑制しながら、前記陽極酸化皮膜をシリコン相領域にも回り込ませて、前記両領域間で形成される陽極酸化皮膜の厚みの差をこれまでよりも小さくできる。そのためシリコン相の表面が陽極酸化皮膜で覆われた後は通常の定電流制御により一定の電流密度で陽極酸化処理を続けることで、基材の表面の全体を、厚みがほぼ均一で表面平滑性に優れた陽極酸化皮膜によって被覆することが可能となる。
したがって本発明は、アルミニウム合金からなる基材の少なくとも一部の表面を陽極酸化処理して、前記表面が陽極酸化皮膜で被覆された金属部品を製造するための製造方法であって、前記基材を陽極として、陰極と共に電解液に浸漬した状態で、
(1) 前記両極間に与える電流の電流密度を0A/dmから毎分0.35A/dm以下の割合で増加させる第一工程と、
(2) 電流密度が所定値に達した時点以降、前記所定の電流密度を維持しながら陽極酸化処理を続ける第二工程と、
を経て、前記表面を陽極酸化皮膜で被覆することを特徴とするものである(請求項1)。
前記本発明によれば、第一工程において電流密度を増加させる割合を小さくするほど、前記第一および第二工程を経て形成される陽極酸化皮膜の厚みを均一化し、その表面を平滑化できる。ただし第一工程において電流密度を増加させる割合を小さくするほど、所定の厚みを有する陽極酸化皮膜を形成するために長時間の処理が必要となり、前記陽極酸化皮膜を有する金属部品の生産性が低下する傾向がある。
そのため金属部品の生産性を維持しながら、先に説明した表面平滑性等に優れた陽極酸化皮膜を有する金属部品を製造することを考慮すると、第一工程において電流密度を増加させる割合は、前記範囲内でも毎分0.15A/dm以上であるのが好ましい(請求項2)。
また第二工程においては電流密度を0.8A/dm以上、1.2A/dm以下の所定値に維持するのが好ましい(請求項3)。電流密度が前記範囲未満では、所定の厚みを有する陽極酸化皮膜を形成するために長時間の処理が必要となり、前記陽極酸化皮膜を有する金属部品の生産性が低下するおそれがある。また前記範囲を超える場合には陽極酸化皮膜の表面粗さが大きくなって、耐摩耗性が低下したり、オイルポンプの性能が低下したりするおそれがある。
本発明の製造方法において製造する金属部品としては、例えば先に説明したオイルポンプ(2)のリヤハウジング(1)が挙げられ、前記リヤハウジングのうち作動室(6)に臨み、ロータ(3)の軸端に対向する表面(25)が、前記第一および第二工程を経て陽極酸化皮膜によって被覆される(請求項4)。なおカッコ内の英数字は、後述の実施の形態における対応構成要素等を表す。
図1は、本発明の製造方法によって製造される金属部品の一例としてのリヤハウジング1を含むオイルポンプ2の、ロータ3の軸4の軸線5の方向に沿う断面を示す断面図、図2は、前記オイルポンプ2からリヤハウジング1を外した状態を示す側面図である。
図1を参照して、この例のオイルポンプ2は、作動室6と、前記作動室6に連通するオイルの吸込通路7および吐出通路8とを有する筐体9と、前記作動室6内に軸線5を中心として回転可能に配設され、軸4の回転に伴ってオイルを、吸込通路7を通して吸い込んで吐出通路8を通して吐出させるロータ3とを含んでいる。
筐体9は、前記各部を有する形状に複数の分割体によって構成されている。すなわち筐体9は、分割面10で分割可能なフロントハウジング(分割体)11およびリヤハウジング(分割体)1を有している。フロントハウジング11は、例えばアルミニウム合金からなり、分割面10から凹入させて作動室6を備えている。フロントハウジング11とリヤハウジング1は、分割面10に設けたシール12によってシールされている。フロントハウジング11とリヤハウジング1とは、フロントハウジング11に設けたネジ孔13に、リヤハウジング1に設けた通孔14を通してボルト15をねじ込むことで互いに固定されている。
作動室6内には、シール16を介して第一サイドプレート(分割体)17が嵌め合わされている。リヤハウジング1は、前記第一サイドプレート17と共にロータ3を両側から挟む部材としても機能するため第二サイドプレートとも呼ばれている。フロントハウジング11の、作動室6の底の面方向の略中央には、前記底から分割面10と直交する軸線5の方向に軸4を挿通させる貫通孔18が形成されている。
第一サイドプレート17には、作動室6に嵌め合わされた状態で、前記作動室6内に収容されるロータ3に対向する側の面と前記作動室6の底に対抗する側の面との間を貫通させて、前記貫通孔18と連通して軸4を挿通させる貫通孔19が形成されている。また貫通孔19の周囲の2箇所の、軸線5を挟んで対称位置には前記貫通孔19と並行させて、前記両面間を貫通する吐出ポート20が形成されている。
作動室6の底の貫通孔18の周囲には吐出ポート20と繋がれる環状の吐出凹部21が設けられており、前記吐出ポート20および吐出凹部21と、フロントハウジング11内に形成した通路22とを繋いで吐出通路8が構成されている。貫通孔18内には、軸4を回転可能に支持する筒状のメタル軸受23が配設されている。また貫通孔18の作動室6と反対側の開口には、軸4とフロントハウジング11との間をシールするシール24が配設されている。
リヤハウジング1の、ロータ3と対向する対向面25には、軸4の先端が挿入される凹部26が設けられている。凹部26内には、軸4を回転可能に支持する筒状のメタル軸受27が配設されている。リヤハウジング1内には、吸込通路7を構成する通路28(図中に破線で示す)が設けられている。対向面25の、凹部26の周囲の2箇所の、軸線5を挟んで対称位置には前記通路28と作動室6とを繋ぐ吸込ポート29(同じく図中に破線で示す)が設けられている。
フロントハウジング11には、前記通路28および吸込ポート29と共に吸込通路7を構成し、かつ吐出通路8を流れるオイルが過剰であるとき前記オイルの一部を、バイパス通路30を通して吸込通路7に還流する流量制御弁を構成する通路部材31、32が設けられており、前記通路部材32にオイルの入口である吸込筒33が接続されている。
図1、図2を参照して、作動室6内には、第一サイドプレート17とリヤハウジング1とで挟持させて、ロータ3を囲む筒状のカムリング34が嵌め合わされている。カムリング34の筒の内周面は、軸線5の方向と直交する方向の形状が楕円形であるカム面35とされている。
ロータ3は、軸4に一体的に取り付けられたロータ本体36と、前記ロータ本体36の外周面から軸線5へ向けて放射状に設けられた複数の溝37に嵌め合わされて、前記外周面から外方へ放射状に配設された複数のベーン38とを備えている。各ベーン38は溝37から出し入れ可能に設けられ、ベーンにかかる油圧によって径方向外方へ付勢される。
軸4を回転させると、ベーン38は油圧によって径方向外方へ付勢されて、先端をカムリング34のカム面35に接触させた状態を維持しながらロータ本体36と共に回転する。吸込ポート29は、リヤハウジング1の対向面25のうち図2の状態において隣り合うベーン38によって仕切られた室39、40に対応する2箇所に設けられている。また吐出ポート20は、第一サイドプレート17のうち図2の状態において隣り合うベーン38によって仕切られた室41、42に対応する2箇所に設けられている。
軸4を図2中に実線の矢印で示す方向に回転させるとベーン38で仕切られた各室39…それ自体が、吸込ポート29から吐出ポート20の方向へ回転することによって、オイルを、吸込通路7を通して吸い込んで吐出通路8を通して吐出させることができる。またこの際、前記回転に伴って各室39…に下記の吸込力および吐出力が発生することによってオイルの逆流が防止される。
吸込力:吸込ポート29から離れようとする室39、40の容積が、カム面35の形状に基づいて増加することで、吸込通路7および吸込ポート29を通して前記室39、40にオイルを吸込む吸込力が発生。
吐出力:吐出ポート20に近づこうとする室41、42の容積が、カム面35の形状に基づいて減少することで、吐出ポート20および吐出通路8を通して前記室41、42からオイルを吐出させる吐出力が発生。
第一サイドプレート17、カムリング34、ロータ本体36、およびベーン38は、例えば鉄−ニッケル−モリブデン−炭素系の焼結合金、中でも鉄−ニッケル−銅−モリブデン−炭素系の焼結体、特にその強度や耐摩耗性を高めるため高密度温間金型潤滑により形成した密度ρ=7.25g/cm以上、特に7.25〜7.5g/cmの高密度の焼結体、さらには前記高密度の焼結体に浸炭焼入れ処理、すなわち真空浸炭処理等とその後の焼入れ処理とを施した焼結体等によって形成される。
リヤハウジング1は、本発明の金属部品の製造方法によって製造される。すなわち、リヤハウジング1とフロントハウジング11は、オイルポンプ2を軽量化するため、共にアルミニウム合金、特にオイルポンプの高圧化(例えば8MPa→15MPa)に対応して歪みを防止するべく強度を高めるために、例えばシリコンを1〜25質量%、特に10〜20質量%程度の割合で含む高シリコン−アルミニウム合金によって形成される。またロータ3の軸端、すなわちロータ本体36の側面、およびベーン38の側縁に対向し、前記両部が摺接されるリヤハウジング1の対向面25は、その耐摩耗性を高めるべく図示しない陽極酸化皮膜によって被覆される。
しかし前記高シリコン−アルミニウム合金からなるリヤハウジング1を基材として、通常の条件で陽極酸化処理した場合には、先に説明したように陽極酸化皮膜の表面平滑性が低下して、ロータ本体36やベーン38に対する攻撃性を発現するという問題を生じる。
これに対し本発明では、基材としてのリヤハウジング1を陽極として、陰極と共に電解液に浸漬した状態で、
(1) 前記両極間に与える電流の電流密度を0A/dmから毎分0.35A/dm以下の割合で増加させる第一工程と、
(2) 電流密度が所定値に達した時点以降、前記所定の電流密度を維持しながら陽極酸化処理を続ける第二工程と、
を経て、前記対向面25を陽極酸化皮膜で被覆することで、前記陽極酸化皮膜の表面平滑性を高めることができる。
そのため本発明によれば、陽極酸化皮膜で被覆された対向面25がロータ本体36やベーン38に対する攻撃性を有しない上、耐摩耗性にも優れたリヤハウジング1を製造することが可能となる。
前記第一工程において電流密度を増加させる割合を小さくするほど、前記第一および第二工程を経て形成される陽極酸化皮膜の厚みを均一化し、その表面を平滑化できる。ただし第一工程において電流密度を増加させる割合を小さくするほど、所定の厚みを有する陽極酸化皮膜を形成するために長時間の処理が必要となり、前記陽極酸化皮膜を有する金属部品の生産性が低下する傾向がある。
そのため表面平滑性等に優れた陽極酸化皮膜を有するリヤハウジング1を、良好な生産性を維持しながら製造することを考慮すると、第一工程において電流密度を増加させる割合は、前記範囲内でも毎分0.15A/dm以上、特に毎分0.16〜0.34A/dmであるのが好ましい。また電流密度は0A/dmから所定値まで一方的に増加させてもよいし、段階的に増加させてもよい。
第二工程においては電流密度を、定電流制御によって0.8A/dm以上、1.2A/dm以下、特に0.9A/dm以上、1.1A/dm以下の所定値に維持するのが好ましい。電流密度が前記範囲未満では、所定の厚みを有する陽極酸化皮膜を形成するために長時間の処理が必要となり、前記陽極酸化皮膜を有する金属部品の生産性が低下するおそれがある。また前記範囲を超える場合には陽極酸化皮膜の表面粗さが大きくなって、耐摩耗性が低下したり、オイルポンプの性能が低下したりするおそれがある。
陽極酸化処理は、電流密度を前記(1)(2)の工程を経て制御すること以外は従来同様に実施できる。例えば基材としてのリヤハウジング1は、電解液に浸漬するに先立って脱脂等の前処理を施しておくのが好ましい。
陽極酸化皮膜は、リヤハウジング1の少なくとも対向面25を被覆していればよく、前記対向面25のみを陽極酸化皮膜で選択的に被覆するためには、リヤハウジング1の他の表面をマスキングすればよい。ただしマスキング等の手間を省くと共にリヤハウジング1の全表面の耐摩耗性を向上することを考慮すると、前記リヤハウジング1の、対向面25を含む全表面を陽極酸化皮膜で被覆するのが好ましい。
陰極としては鉛(Pb)、カーボン(C)等が用いられる。
電解液としては硫酸浴、しゅう酸浴、クロム酸浴、りん酸浴、アルカリ浴等が挙げられ、特に硫酸浴が好ましい。電解液の液温は、できるだけ硬度が高い緻密な陽極酸化皮膜を形成することや、特に形成の初期段階において陽極酸化皮膜が連続相領域で選択的かつ急速に成長するのを抑制しながら、ある程度の成長速度を確保してリヤハウジング1の生産性を維持すること等を考慮すると10〜40℃、特に10〜20℃であるのが好ましい。
前記陽極酸化処理によって形成される陽極酸化皮膜は、従来同様に基材の表面、すなわちリヤハウジング1の対向面25等と接する活性層と、その上の多孔層とからなり、前記多孔層はオングストロームオーダーのごく微細な通孔を有する多孔質構造を有している。
そのため、前記多孔層の通孔にオイルを保持させて、ロータ本体36やベーン38に対する良好な潤滑性を付与することが期待される。また、例えばオイルポンプ2を、特に自動車のエンジン周り等の高温環境下で使用する場合は、リヤハウジング1とロータ本体36やベーン38との焼き付きを防止するため、前記通孔に、例えば二硫化モリブデン(MoS)等の固体潤滑剤を含浸させてもよい。
形成した陽極酸化皮膜は、その表面平滑性や耐食性等を向上するため、従来同様に水中に浸漬して煮沸する等の封孔処理を施すのが好ましい。
先に説明したように陽極酸化皮膜の表面は、ロータ本体36やベーン38に対する攻撃性を抑えるためにできるだけ平滑であることが求められる。具体的には日本工業規格JIS B0601:2001「製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状:輪郭曲線方式−用語,定義及び表面性状パラメータ」の付属書1で規定された十点平均粗さRZJIS94が1μmに仕上げられた対向面25に前記(1)(2)の工程を経て被覆される陽極酸化皮膜の十点平均粗さRZJIS94が3μm以下であるのが好ましい。十点平均粗さの下限値は0μm、すなわち表面が完全に平滑であることが理想であるが、現実的には2μm程度であるのが好ましい。
陽極酸化皮膜の厚みは、リヤハウジング1の生産性を維持しながら、前記リヤハウジング1の対向面25等に良好な耐摩耗性を付与することを考慮すると6〜15μm、特に8〜10μmであるのが好ましい。
陽極酸化皮膜の硬さは、リヤハウジング1の対向面25に十分な耐摩耗性を付与することを考慮すると、その内部硬さ(表面から深さ1mmでの硬さ)が、日本工業規格JIS Z2244:2003「ビッカース硬さ試験−試験方法」において規定された測定方法によって測定される、試験力0.09807Nでのビッカース硬さHV0.01で表して150である高シリコン−アルミニウムからなる対向面25に前記(1)(2)の工程を経て被覆される陽極酸化皮膜の表面の、同じビッカース硬さHV0.01が200〜300程度であるのが好ましい。
本発明の金属部品の製造方法は、以上で説明した図の例におけるオイルポンプ2のリヤハウジング1の製造には限定されずアルミニウム合金、特に高シリコン−アルミニウム合金の少なくとも一部の表面が陽極酸化皮膜で被覆される種々の金属部品の製造方法に適用することができる。その際、陽極酸化皮膜の表面の十点平均粗さや厚み、硬さ等は、その金属部品において求められる好適な範囲に設定することができる。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を施すことができる。
(実施例1)
基材としてシリコンの含有割合が14質量%である高シリコン−アルミニウム合金製の、平板状の板材(縦25mm×横25mm×厚み5mm)を用意した。前記板材を形成する高シリコン−アルミニウム合金の、表面から深さ1mmでのビッカース硬さHV0.01は150であった。板材の表面の十点平均粗さRZJIS94は1μmに仕上げた。
前記板材をあらかじめ脱脂処理したのち電源装置の陽極に接続し、鉛陰極と共に硫酸浴に浸漬して、まず第一工程において前記両極間に与える電流の電流密度を0A/dmから毎分0.333A/dmの割合で3分間かけて1A/dmまで増加させた。
次いで、電流密度が前記所定値に達した時点以降、定電流制御によって前記電流密度を維持しながらさらに37分間、合計40分間の陽極酸化処理をした後、基材を硫酸浴から取り出し、水洗し、さらに水中で煮沸することで封孔処理をして、表面が陽極酸化皮膜で被覆された金属部品を製造した。
(実施例2)
第一工程において両極間に与える電流の電流密度を0A/dmから毎分0.167A/dmの割合で6分間かけて1A/dmまで増加させた後、定電流制御によって前記電流密度を維持しながらさらに34分間、合計40分間の陽極酸化処理をしたこと以外は実施例1と同様にして、表面が陽極酸化皮膜で被覆された金属部品を製造した。
(比較例1)
第一工程において両極間に与える電流の電流密度を0A/dmから毎分1A/dmの割合で1分間かけて1A/dmまで増加させた後、定電流制御によって前記電流密度を維持しながらさらに39分間、合計40分間の陽極酸化処理をしたこと以外は実施例1と同様にして、表面が陽極酸化皮膜で被覆された金属部品を製造した。
(表面粗さ測定)
実施例1、2、比較例1で製造した金属部品の、陽極酸化皮膜の表面の十点平均粗さRZJIS94を、表面粗さ計を用いて測定した。測定の条件は区間数6、カットオフ値λ=0.8mm、λ=0.0025mm、測定速度:0.5mm/secとし、測定結果にガウシアンフィルタを適用して十点平均粗さRZJIS94を求めた。
(厚み測定)
実施例1、2、比較例1で製造した金属部品を陽極酸化皮膜の厚み方向にカットし、樹脂埋めしてカット面を研磨したのち400倍の顕微鏡写真を撮影し、写真上の十点で測定した厚みの平均値を求めて陽極酸化皮膜の厚みとした。また前記十点の測定値の最大値と最小値の差を求めて厚みのばらつきを評価した。
(硬さ測定)
実施例1、2、比較例1で製造した金属部品の、陽極酸化皮膜の表面をラップ研磨したのちビッカース硬さHV0.01を測定した。
(ボール・オン・プレート摩擦試験)
直径4.76mmの軸受鋼(SUJ2)製のボールを、実施例1、比較例1で製造した金属部品(プレート)の、陽極酸化皮膜の表面に、球面上の1点で常に当接させた状態で、前記陽極酸化皮膜の厚み方向に10Nの荷重をかけながら直径20mmの円を描くように摺動させた。摺動速度は0.08m/s、摺動距離は432mとした。また摺動は、前記金属部品およびボールをPSオイル(株式会社ジェイテクト製、油温100℃)中に浸漬した状態で実施した。
摺動後のボールの表面を実体顕微鏡で観察して摩耗痕半径a(mm)を測定し、前記摩耗痕半径aと、ボールの半径r(=2.38mm)とから、式(A):
Figure 2009293094
によって摩耗痕深さh(mm)を求めた。
次に前記摩耗痕深さhと摩耗痕半径aとから、式(B):
Figure 2009293094
によって摩耗量(mm)を求め、前記摩耗量と荷重(=10N)と摺動距離(=432m)とから、式(C):
Figure 2009293094
によって、相手部材に対する陽極酸化皮膜の攻撃性の指標となるボールの比摩耗量(mm/N・m)を求めた。比摩耗量が小さいほど、陽極酸化皮膜は相手部材に対する攻撃性が小さいことを示している。
また、摺動前後のプレートの表面について、それぞれ表面粗さ計を用いて測定した粗さ曲線を比較して、前記プレートの表面に、ボールの摺動によって形成された摩耗痕の幅b(mm)と深さd(mm)とを求め、前記両数値から、式(D):
Figure 2009293094
によって摩耗痕の断面の仮想半径R(mm)を求め、前記仮想半径Rと摩耗痕の幅bとから、式(E):
Figure 2009293094
によって摩耗痕の仮想扇型の角度φ(°)を求めた。
次に、前記仮想半径R、角度φ、幅b、および深さdから、式(F):
Figure 2009293094
によって摩耗量(mm)を求め、前記摩耗量と荷重(=10N)と摺動距離(=432m)とから、先の式(C)によって、陽極酸化皮膜の耐摩耗性の指標となるプレートの比摩耗量(mm/N・m)を求めた。比摩耗量が小さいほど、陽極酸化皮膜は、それ自体の耐摩耗性に優れることを示している。
以上の結果を表1に示す。
Figure 2009293094
表より、陽極酸化処理の第一工程において電流密度を毎分0.35A/dm以下の割合で増加させた実施例1、2の金属部品は、電流密度を、前記範囲を超えて増加させた比較例1のものに比べて陽極酸化皮膜の厚みのバラツキが小さく、表面平滑性に優れると共に相手部材に対する攻撃性を有しない上、それ自体の耐摩耗性にも優れることが確認された。また実施例1、2を比較すると、実施例2は実施例1よりも陽極酸化皮膜の厚みが低下する傾向にあることから、前記第一工程において電流密度を0.15A/dm以上の割合で増加させるのが、できるだけ短時間で十分な厚みを有する陽極酸化皮膜を形成して金属部品の生産性を向上できる点で好ましいことが確認された。
本発明の製造方法によって製造される金属部品の一例としてのリヤハウジングを含むオイルポンプの、ロータの軸の軸線の方向に沿う断面を示す断面図である。 図1のオイルポンプからリヤハウジングを外した状態を示す側面図である。
符号の説明
1:リヤハウジング、2:オイルポンプ、3:ロータ、6:作動室、25:対向面。

Claims (4)

  1. アルミニウム合金からなる基材の少なくとも一部の表面を陽極酸化処理して、前記表面が陽極酸化皮膜で被覆された金属部品を製造するための製造方法であって、前記基材を陽極として、陰極と共に電解液に浸漬した状態で、
    (1) 前記両極間に与える電流の電流密度を0A/dmから毎分0.35A/dm以下の割合で増加させる第一工程と、
    (2) 電流密度が所定値に達した時点以降、前記所定の電流密度を維持しながら陽極酸化処理を続ける第二工程と、
    を経て、前記表面を陽極酸化皮膜で被覆することを特徴とする金属部品の製造方法。
  2. 第一工程において、電流密度を毎分0.15A/dm以上の割合で増加させる請求項1に記載の金属部品の製造方法。
  3. 第二工程において、電流密度を0.8A/dm以上、1.2A/dm以下の所定値に維持する請求項1または2に記載の金属部品の製造方法。
  4. 金属部品が、作動室と、前記作動室に連通する吸込通路および吐出通路とを有する形状に複数の分割体によって構成された筐体と、前記作動室内に軸を中心として回転可能に配設され、回転に伴ってオイルを、吸込通路を通して吸い込んで吐出通路を通して吐出させるロータとを有するオイルポンプの、前記筐体を構成する分割体のうち作動室に臨み、ロータの軸端に対向するリヤハウジングであり、前記リヤハウジングのうち少なくともロータの軸端に対向する表面を、陽極酸化皮膜によって被覆する請求項1ないし3のいずれかに記載の金属部品の製造方法。
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