JP2009290677A - ノイズフィルタ - Google Patents

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Abstract

【課題】めっき処理において絶縁層が溶出することを抑制できるノイズフィルタを提供する。
【解決手段】積層体14は、コンデンサCを内蔵している。積層体16は、積層体14上に設けられ、コイルL1,L2を内蔵している。外部電極は、コンデンサC又はコイルL1,L2に接続され、積層体14の表面及び積層体16の表面に形成されている。積層体14は、絶縁層32a〜32jと、絶縁層32a〜32jと共に積層され、コンデンサL1,L2を構成しているコンデンサ電極50a〜50fと、z軸方向において絶縁層32a〜32jよりも上側及び下側に積層され、絶縁層32a〜32jよりも高い耐めっき性を有している第2の絶縁層33a,33bと、を備えている。
【選択図】図2

Description

本発明は、ノイズフィルタに関し、積層体内にコイルとコンデンサとを内蔵しているノイズフィルタに関する。
従来のノイズフィルタとしては、例えば、特許文献1に記載の複合電子部品が知られている。該複合電子部品は、コンデンサブロックと該コンデンサブロック上に固定されたコイルブロックと外部端子電極とを備えている。コンデンサブロックは、誘電体セラミックスと内部電極とが交互に積層されてコンデンサが形成されてなる。また、コイルブロックは、ガラスと内部電極とが交互に積層され内部電極によりコイルが形成されてなる。外部端子電極は、コンデンサブロックの内部電極とコイルブロックの内部電極との接続を行うと共に、内部電極と外部との接続を行う。該複合電子部品は、以上の構成により、高周波特性の向上と低コスト化を図っている。
ところで、前記複合電子部品では、誘電率や歩留まり等の種々の観点から、コンデンサブロックの誘電体セラミックスとして、例えば、Baを含有したガラスが用いられることがある。Baを含有したガラスは、化学的に不安定な性質を有しており、例えば、めっき処理によりめっき液に溶出し易いという性質を有している。そのため、外部端子電極の形成の際のめっき処理において、コンデンサブロックの誘電体セラミックスが溶融してしまい、内部電極同士や内部電極と外部端子電極とがショートしてしまうおそれがあった。
特開2000−182892号公報
そこで、本発明の目的は、めっき液に溶出し易い絶縁層が用いられたとしても、めっき処理において絶縁層が溶出することを抑制できるノイズフィルタを提供することである。
本発明の一形態に係るノイズフィルタは、コンデンサを内蔵している第1の積層体と、前記第1の積層体上に設けられ、コイルを内蔵している第2の積層体と、前記コンデンサ又は前記コイルに電気的に接続され、前記第1の積層体の表面及び/又は前記第2の積層体の表面に形成されている外部電極と、を備えたノイズフィルタにおいて、前記第1の積層体は、積層されている複数の第1の絶縁層と、前記複数の第1の絶縁層と共に積層され、前記コンデンサを構成している内部電極と、積層方向において前記複数の第1の絶縁層よりも上側及び/又は下側に積層され、該第1の絶縁層よりも高い耐めっき性を有している第2の絶縁層と、を備えること、を特徴とする。
本発明によれば、コンデンサを構成している内部電極と共に積層されている第1の絶縁層を積層方向の上下から挟むように、第2の絶縁層が設けられている。第2の絶縁層は、第1の絶縁層よりも高い耐めっき性を有しているので、外部電極の形成の際のめっき処理において、第1の絶縁層よりもめっき液に溶出しにくい。その結果、第1の絶縁層が溶出することが抑制される。
以下に、本発明の一実施形態に係るノイズフィルタについて図面を参照しながら説明する。
(ノイズフィルタの構成について)
図1は、一実施形態に係るノイズフィルタ10の外観斜視図である。図2は、一実施形態に係る積層体12の分解斜視図である。図3は、ノイズフィルタ10の等価回路図である。以下、ノイズフィルタ10の積層方向をz軸方向と定義し、ノイズフィルタ10の長辺に沿った方向をx軸方向と定義し、ノイズフィルタ10の短辺に沿った方向をy軸方向と定義する。
図1に示すノイズフィルタ10は、積層体12、外部電極18a,18b,20及び接続電極22を備えている。また、積層体12は、直方体形状を有し、積層体14と積層体16とが積層されて構成されている。
積層体14は、表面の凹凸が15μm以下であるLTCC(Low Temperature Co−fired Ceramics)基板である。該積層体14は、内部にコンデンサCを内蔵している。以下に、積層体14について、図2を参照しながら詳細に説明する。
積層体14は、コンデンサCを内蔵しており、絶縁層32a〜32j,33a,33b、及び、絶縁層32a〜32jと共に積層されるコンデンサ電極50a〜50fにより構成されている。
絶縁層32a〜32jは、Baを含有しSiO2を主成分としている誘電体材料(本実施形態では、Al23−Ba2Ti412−CeO2−ガラス)からなる矩形状の層である。なお、絶縁層32a〜32jは、10枚記載されているが、10枚以上であってもよい。そのため、図2では、絶縁層32eと絶縁層32fとの間を点線で繋いで、絶縁層32eと絶縁層32fとの間に更なる絶縁層32が設けられていてもよいことを示している。
コンデンサ電極50a〜50fはそれぞれ、絶縁層32c〜32hの主面上に、例えば、Ag又はPdを主成分とした導電性材料により形成される。コンデンサ電極50a〜50fはそれぞれ、矩形状を有しており、引き出し部52a〜52fを有している。引き出し部52a〜52fは、y軸方向の手前側の辺とy軸方向の奥側の辺とに交互に引き出されている。コンデンサ電極50a〜50fは、絶縁層32a〜32jがz軸方向の上からこの順に積層されることにより、z軸方向の上からこの順に積層され、z軸方向に対向するもの同士でコンデンサCを構成している。
絶縁層33a,33bは、絶縁層32a〜32jよりも高い耐めっき性を有するようにBaを含有させていないSiO2主成分とする誘電体材料(本実施形態では、Al23−CeO2−ガラス)により構成されている矩形状の層である。誘電体層33aは、z軸方向において絶縁層32a〜32jよりも上側に積層されている。誘電体層33bは、z軸方向において絶縁層32a〜32jよりも下側に積層されている。これにより、絶縁層32a,32jがめっき処理において、めっき液により溶出することを抑制している。なお、絶縁層33a,33bは、絶縁層32a,32jが溶出することを防止できる十分な厚みを有していることが好ましく、具体的には、25μm以上の厚みを有していることが好ましい。
積層体16は、積層体14上に設けられ、2つのコイルL1,L2を内蔵している。積層体16は、z軸方向から平面視したときに、積層体14よりも小さくなるように形成されている。以下に、積層体16について、図2を参照しながら詳細に説明する。
積層体14は、絶縁層30a〜30g、及び、絶縁層30a〜30gと共に積層されるコイル電極40a〜40d,44a〜44dにより構成されている。絶縁層30a〜30gは、例えば、ポリイミド樹脂等の絶縁性材料からなる矩形状の層である。該絶縁層30a〜30gは、z軸方向から平面視した場合に、積層体14よりも小さく形成されている。これにより、積層体14は、絶縁層30a〜30gの四辺からはみ出した状態となっている。
コイル電極40a〜40dはそれぞれ、絶縁層30d〜30gの主面上に、例えば、Ag又はPdを主成分とした導電性材料により形成される。同様に、コイル電極44a〜44dはそれぞれ、絶縁層30d〜30gの主面上に、コイル電極40a〜40dとx軸方向に並ぶように、例えば、Ag又はPdを主成分とした導電性材料により形成される。コイル電極40a〜40d,44a〜44dは、それぞれ線状電極が折り曲げられることによって、渦巻き形状をなしている。
コイル40a,44aはそれぞれ、その一端において引き出し部42a,46aを有している。引き出し部42aは、x軸方向の左側の辺に引き出されており、引き出し部46aは、x軸方向の右側の辺に引き出されている。コイル電極40dとコイル44dとの間には、引き出し部48が設けられている。引き出し部48の一端は、y軸方向の手前側の辺に引き出されている。
ビア導体b1〜b3はそれぞれ、絶縁層30d〜30fをz軸方向に貫通するように形成されている。同様に、ビア導体b4〜b6もそれぞれ、絶縁層30d〜30fをz軸方向に貫通するように形成されている。
コイル電極40a〜40dは、絶縁層30a〜30gがz軸方向の上からこの順に積層されることにより、z軸方向の上からこの順に積層され、隣り合うもの同士でビア導体b1〜b3により接続されることにより、コイルL1を構成している。同様に、コイル電極44a〜44dは、絶縁層30a〜30gがz軸方向の上からこの順に積層されることにより、z軸方向の上からこの順に積層され、隣り合うもの同士でビア導体b4〜b6により接続されることにより、コイルL2を構成している。そして、コイルL1とコイルL2とは、引き出し部48を介して直列接続されている。
外部電極18a,18bはそれぞれ、図1に示すように、積層体12のx軸方向の左右の側面(積層体12の表面)に形成され、図2に示す引き出し部42a,44aと電気的に接続されている。外部電極20は、図1に示すように、積層体12のy軸方向の奥側の側面(積層体12の表面)に形成され、図2に示す引き出し部52a,52c,52eと電気的に接続されている。接続電極22は、図1に示すように、積層体12のy軸方向の手前側の側面(積層体12の表面)に形成され、図2に示す引き出し部48,52b,52d,52fと電気的に接続されている。これにより、コンデンサCは、接続電極22により、コイルL1とコイルL2との間に接続されるようになる。その結果、ノイズフィルタ10は、図3に示すようなT型LCノイズフィルタを構成するようになる。
ところで、ノイズフィルタ10がT型LCノイズフィルタとして動作する場合には、外部電極18a,18bが信号電極として機能し、外部電極20がグランド電極として機能する。すなわち、外部電極18a,18bには、相対的に高い電位が印加され、外部電極20には、相対的に低い電位(接地電位)が印加される。そして、コイルL1,L2を構成するコイル電極40a〜40d,44a〜44dと外部電極20とは、絶縁層30d〜30gにより絶縁されているので、電気的に接続されていない状態となっている。そのため、コイル電極40a〜40d,44a〜44dの電位は、外部電極20の電位よりも高くなっている。
前記のようにコイル電極40a〜40d,44a〜44dの電位が外部電極20の電位よりも高くなっていると、エレクトロマイグレーションにより、コイル電極40a〜40d,44a〜44dと外部電極20とが短絡するという問題がある。より詳細には、水分や電流等により、コイル電極40a〜40d,44a〜44dを構成する金属が陽イオンに変化する。このような陽イオンは、ノイズフィルタ10の外部電極18a,18b,20に電圧が印加されると、コイル電極40a〜40d,44a〜44dと外部電極20との間に発生する電界によって、絶縁層30c〜30gの境界面を伝って、電位の低い外部電極20側へと移動する。このような状態が長期間持続すると、コイル電極40a〜40d,44a〜44dと外部電極20との間に電流経路が形成され、コイル電極40a〜40d,44a〜44dと外部電極20とが短絡してしまうおそれがある。
そこで、ノイズフィルタ10では、エレクトロマイグレーションによる短絡が発生しないように、積層体16内に絶縁体が設けられている。以下に、図4を参照しながら、該絶縁体について説明する。図4(a)は、ノイズフィルタ10をz軸方向から平面視した透視図であり、図4(b)は、ノイズフィルタ10をx軸方向から平面視した透視図である。図4(a)では、コイル電極40a,44aのみを記載した。また、図4(b)では、積層体14については一部のみを記載した。
ノイズフィルタ10において、エレクトロマイグレーションによる短絡が最も発生し易い箇所は、図4(a)に示す領域Aである。領域Aは、z軸方向から平面視したときに、外部電極20とコイル電極40a〜40d,44a〜44dとが最も近づく位置である。該領域Aでは、外部電極20とコイル電極40a〜40d,44a〜44dとの距離が最も短くなるので、ノイズフィルタ10内において電界が最も強くなる。そのため、領域Aでは、金属の陽イオンが、電界によりコイル電極40a〜40d,44a〜44dから外部電極20へと移動しやすい。すなわち、エレクトロマイグレーションによる短絡が発生し易い。
そこで、ノイズフィルタ10では、図4に示すように、金属の陽イオンの移動を妨げるように、領域Aにおいて、互いに隣接する絶縁層30c〜30gの境界をz軸方向に横切るように延在する絶縁体60が設けられている。本実施形態に係るノイズフィルタ10では、絶縁体60は、図4(b)に示すように、z軸方向の最も上側に位置するコイル電極40aよりもz軸方向の上側から、z軸方向の最も下側に位置するコイル電極40dよりもz軸方向の下側まで、連続して延在している。また、絶縁体60は、図4(a)に示すように、x軸方向の上側の側面近傍からx軸方向の下側の側面近傍まで、x軸方向に連続して延在している。これにより、絶縁体60は、コイル電極40a〜40d,44a〜44dと外部電極20との間において、壁のように立っている。
(効果)
ノイズフィルタ10では、コンデンサ電極50と共に積層されている絶縁層32をz軸方向の上下から挟むように、絶縁層33が設けられている。絶縁層33は、絶縁層32よりも高い耐めっき性を有しているので、外部電極18,20及び接続部22の形成の際のめっき処理において、絶縁層32よりもめっき液に溶出しにくい。その結果、積層体14を構成している絶縁層32が溶出することにより、コンデンサ電極50が露出してしまうことが抑制される。
更に、ノイズフィルタ10では、以下に説明するように、素子の小型化を図ることができる。より詳細には、絶縁層32が溶出してコンデンサ電極50が露出してしまうことを防止する方法としては、例えば、コンデンサ電極50aの上側又はコンデンサ電極50fの下側に設けられている絶縁層32の厚みを大きくすることが挙げられる。しかしながら、この方法では、ノイズフィルタの積層方向の厚みが大きくなってしまう。
これに対して、ノイズフィルタ10では、絶縁層32よりも耐めっき性が高い絶縁層33が設けられているので、絶縁層32によりコンデンサ電極50を保護する場合に比べて、絶縁層33の厚みは薄くてもよい。その結果、ノイズフィルタ10の小型化を図ることが可能である。
更に、絶縁層33の厚みを25μm以上とすることにより、絶縁層32が溶出することをより効果的に抑制できることを明らかにするために、本願発明者は、以下に示す実験を行った。具体的には、種々の厚みを有する絶縁層33を備えたノイズフィルタ10を準備し、めっき処理時に各ノイズフィルタ10において絶縁層32が溶出したか否かを調べた。表1は、本願発明者が行った実験結果を示した表である。
Figure 2009290677
表1によれば、絶縁層33の厚みが10μm、20μmの場合には、絶縁層32が溶出したのに対して、絶縁層33の厚みが25μm、30μmの場合には、絶縁層32が溶出しなかった。故に、絶縁層33の厚みは、25μm以上であることが好ましいことが理解できる。
なお、ノイズフィルタ10では、積層体14の上面及び下面のみが絶縁層33により覆われ、積層体14の側面は、絶縁層33には覆われていない。故に、めっき処理時に積層体14の側面から絶縁層32が溶出することが考えられる。
しかしながら、コンデンサ電極50から積層体14の側面までの距離D(図2参照)は、125μm以上となっており、積層体14の上面又は下面からコンデンサ電極50までの距離に比べて十分に大きい。故に、めっき処理において、コンデンサ電極50が露出する程に、積層体14の側面から絶縁層32が溶出することは殆ど発生し得ない。そのため、積層体14の側面には、必ずしも、絶縁層33のような保護層を施さなくてもよい。
ノイズフィルタ10では、絶縁体60が設けられることにより、コイル電極40a〜40d,44a〜44dを構成する金属原子が陽イオンに変化し、該陽イオンが電界により外部電極20側へと移動したとしても、絶縁体60によりその移動が遮られてしまう。その結果、コイル電極40a〜40d,44a〜44dと外部電極20との間に電流経路が形成されることがなくなり、エレクトロマイグレーションによるコイル電極40a〜40d,44a〜44dと外部電極20との短絡の発生が防止される。
(製造方法について)
以下に、ノイズフィルタ10の製造方法について図面を参照しながら説明する。図5及び図6は、ノイズフィルタ10の製造時における工程断面図である。図7は、ノイズフィルタ10のマザー積層体をz軸方向から平面視した図である。図5及び図6では、1個分のノイズフィルタ10の製造工程が示されているが、実際には、複数のノイズフィルタ10がマトリクス状に配置された状態で一括して製造されている。
まず、図2に示すような積層体14を作製する。より詳細には、AlとCeOとBaTi12とCa−Al−B−Si系ガラス粉末とを原材料としてボールミルに投入し、湿式調合を行う。得られた混合物を乾燥してから粉砕し、得られた粉末を仮焼する。得られた仮焼粉末をボールミルにて湿式粉砕した後、乾燥してから解砕して、セラミック粉末を得る。
このセラミック粉末に対して結合剤と可塑剤、湿潤材、分散剤を加えてボールミルで混合を行い、その後、減圧により脱泡を行う。得られたセラミックスラリーをドクターブレード法により、シート状に形成して乾燥させ、絶縁層32a〜32jとなるべきセラミックグリーンシートを得る。
次に、AlとCeOとCa−Al−B−Si系ガラス粉末とを原材料としてボールミルに投入し、湿式調合を行う。得られた混合物を乾燥してから粉砕し、得られた粉末を仮焼する。得られた仮焼粉末をボールミルにて湿式粉砕した後、乾燥してから解砕して、セラミック粉末を得る。
このセラミック粉末に対して結合剤と可塑剤、湿潤材、分散剤を加えてボールミルで混合を行い、その後、減圧により脱泡を行う。得られたセラミックスラリーをドクターブレード法により、シート状に形成して乾燥させ、絶縁層33a,33bとなるべきセラミックグリーンシートを得る。
次に、絶縁層32c〜32hとなるべきセラミックグリーンシート上には、Ag,Pd,Cu,Auやこれらの合金などを主成分とする導電性ペーストがスクリーン印刷法やフォトリソグラフィ法などの方法で塗布されることにより、コンデンサ電極50a〜50fが形成される。
次に、各セラミックグリーンシートを積層する。具体的には、上から順に絶縁層33a,32a〜32j,33bを重ねて静水圧プレスなどにより圧着を行う。この後、焼成を施して、積層体14のマザー積層体が得られる。
次に、図5(a)に示すように、ポリイミド樹脂からなる絶縁層30gを、積層体14上にフォトリソグラフィにより形成する。この際、絶縁層30gにおいて、絶縁体60が形成されるべき位置に、孔Hを形成する。次に、図5(b)に示すように、絶縁層30g上に、Ag又はPdを主成分とした導電性材料からなる導電層40dA,44dAをスパッタリングや蒸着等のドライめっき法により形成する。
次に、導電層40dA,44dA上に感光性レジストを塗布、乾燥した後、この感光性レジストにマスクフィルムを当てて所望の部分を露光する。次に、感光性レジストを現像し、図5(c)に示すように、導電層40dA,44dAの不要な部分が露出した形状を有するレジストパターン70aを形成する。
次に、露出した部分の導電層40dA,44dAをエッチングにて除去した後、レジストパターン70aを除去することにより、図6(a)に示すように、コイル電極40d,44dを形成する。
次に、図6(b)に示すように、ポリイミド樹脂からなる絶縁層30fを、絶縁層30g及びコイル電極40d,44d上にフォトリソグラフィにより形成する。この際、絶縁層30fのビア導体b3,b6が形成されるべき位置に、ビアホールhを形成する。また、絶縁層30fにおいて、絶縁体60が形成されるべき位置に、孔Hを形成する。
次に、図6(c)に示すように、絶縁層30f上に、導電層40cA,44cAをドライめっき法により形成する。この際、ビアホールhに導電性材料が充填され、ビア導体b3,b6が形成される。この後、この導電層40cA,44cAには、図5(c)〜図6(c)を用いて説明した処理が施される。これにより、コイル電極40c,44c及び絶縁層30eが、絶縁層30f上に形成される。更に、図5(c)〜図6(c)を用いて説明した処理が繰り返されて、コイル電極40a,40b,44a,44b及び絶縁層30dが形成される。この後、コイル電極40a,44a及び絶縁層30d上にポリイミド樹脂からなる絶縁層30a〜30cが形成される。この際、孔Hにポリイミド樹脂が充填され、絶縁体60が形成される。
この後、積層体12のマザー積層体がダイサーによりカットされて、個々の積層体12に切り離される。この際、図7の点線部分に示すように、ダイサーが絶縁層30a〜30gが形成されていない部分を通過するように、マザー積層体をカットする。更に、カットした積層体12に対してバレルを施す。これにより、積層体12の角の面取りが行われる。
最後に、外部電極18a,18b,20及び接続電極22を形成する。具体的には、Ag及び樹脂からなる導電性ペーストを塗布し、硬化させて銀電極を形成する。次に、銀電極上にNiめっき及びSnめっきを施して、外部電極18a,18b,20及び接続電極22が形成される。以上の工程を経て、ノイズフィルタ10が完成する。
以上のように、ノイズフィルタ10のコイル電極40a〜40d,44a〜44dは、フォトリソグラフィにより作製される。フォトリソグラフィを用いることにより、線幅の狭いコイル電極40a〜40d,44a〜44dを形成できるようになる。その結果、コイル電極40a〜40d,44a〜44dの巻数を多くすることができ、ノイズフィルタ10の積層数を抑えることが可能となる。
また、積層体12に対してバレルを施して、積層体12の角の面取りを行っているので、外部電極18a,18b,20及び接続電極22が積層体12の角において剥離することが抑制される。
また、絶縁層30a〜30gは、z軸方向から見たときに、積層体14よりも小さく形成されている。これにより、外部電極18a,18b,20及び接続電極22が、積層体12から剥がれることを効果的に抑制できる。以下に、図7及び図8を用いて説明する。図8は、ノイズフィルタ10の積層体12の角近傍の拡大図である。
絶縁層30a〜30gを積層体12の全面に形成して、ダイサーによりカットした場合には、絶縁層30a〜30gのカット面においてポリイミドのひげが発生する。このようなポリイミドのひげが発生すると、精度よく外部電極18a,18b,20及び接続電極22を形成することが困難である。
これに対して、ノイズフィルタ10では、ダイサーが通過する部分には、図7及び図8に示すように、絶縁層30a〜30gが形成されていない。そのため、ノイズフィルタ10を切り分ける際に、前記のようなポリイミドのひげが発生しない。これにより、外部電極18a,18b,20及び接続電極22を精度よく形成することが可能となる。その結果、ノイズフィルタ10において、外部電極18a,18b,20及び接続電極22が剥離することが抑制される。
また、ノイズフィルタ10では、樹脂を含んだ導電性ペーストを用いて外部電極18a,18b,20及び接続電極22を形成している。外部電極18a,18b,20及び接続電極22は、樹脂(ポリイミド)からなる絶縁層30a〜30g上にも形成されるので、絶縁層30a〜30gとの密着性がよい。そのため、ノイズフィルタ10において、外部電極18a,18b,20及び接続電極22が剥離することが抑制される。
また、積層体14の表面の凹凸を15μm以下とすることにより、フォトリソグラフィにより絶縁膜30やコイル電極40,44を精度良く形成できる。
(変形例)
以下に、ノイズフィルタ10の変形例について図面を参照しながら説明する。図9(a)は、ノイズフィルタ10の変形例であるノイズフィルタ10aをz軸方向から平面視した透視図であり、図9(b)は、ノイズフィルタ10aをx軸方向から平面視した透視図である。なお、図4のノイズフィルタ10と同じ構成については、同じ参照符号を付してある。
図9に示すように、ノイズフィルタ10aでは、絶縁体60aは、積層体14の側面の一部を構成して、外部電極20と接触していてもよい。該ノイズフィルタ10aにおいても、コイル電極40a〜40d,44a〜44dと外部電極20とのエレクトロマイグレーションによる短絡を防止できる。
なお、絶縁体60,60aは、図4及び図9に示すように、x軸方向の上側の辺近傍からx軸方向の下側の辺近傍まで連続して延在しているが、該絶縁体60,60aの形状はこれに限らない。該絶縁体60,60aは、少なくとも、領域Aにおいて形成されていれば、エレクトロマイグレーションによる短絡の発生を抑制することができる。ただし、より効果的にエレクトロマイグレーションによる短絡を防ぐためには、図4及び図9に示すように、絶縁体60,60aは、x軸方向の上側の辺近傍からx軸方向の下側の辺近傍まで連続して延在していることが好ましい。また、絶縁体60,60aは、y軸方向に複数本並んでいてもよい。
図1では、外部電極20は、積層体14,16の両方の表面に跨って形成されているが、例えば、積層体14の表面にのみ形成されていてもよい。
また、絶縁層33a,33bは、いずれか一方のみが設けられていてもよい。
また、ノイズフィルタ10,10a内には、コイルL及びコンデンサCからなる回路素子がアレイ状に形成されていてもよい。
一実施形態に係るノイズフィルタの外観斜視図である。 一実施形態に係る積層体の分解斜視図である。 一実施形態に係るノイズフィルタの等価回路図である。 図4(a)は、ノイズフィルタをz軸方向から平面視した透視図であり、図4(b)は、ノイズフィルタをx軸方向から平面視した透視図である。 ノイズフィルタの製造時における工程断面図である。 ノイズフィルタの製造時における工程断面図である。 ノイズフィルタのマザー積層体をz軸方向から平面視した図である。 ノイズフィルタの積層体の角近傍の拡大図である。 図9(a)は、変形例であるノイズフィルタをz軸方向から平面視した透視図であり、図9(b)は、変形例であるノイズフィルタをx軸方向から平面視した透視図である。
符号の説明
C コンデンサ
L1,L2 コイル
10,10a ノイズフィルタ
12,14,16 積層体
18a,18b,20 外部電極
22 接続電極
30a〜30g,32a〜32j,33a,33b 絶縁層
40a〜40d,44a〜44d コイル電極
50a〜50f コンデンサ電極
60,60a 絶縁体

Claims (4)

  1. コンデンサを内蔵している第1の積層体と、
    前記第1の積層体上に設けられ、コイルを内蔵している第2の積層体と、
    前記コンデンサ又は前記コイルに接続され、前記第1の積層体の表面及び/又は前記第2の積層体の表面に形成されている外部電極と、
    を備えたノイズフィルタにおいて、
    前記第1の積層体は、
    積層されている複数の第1の絶縁層と、
    前記複数の第1の絶縁層と共に積層され、前記コンデンサを構成している内部電極と、
    積層方向において前記複数の第1の絶縁層よりも上側及び/又は下側に積層され、該第1の絶縁層よりも高い耐めっき性を有している第2の絶縁層と、
    を備えること、
    を特徴とするノイズフィルタ。
  2. 前記第1の絶縁層は、Baを含有していないガラスにより構成され、
    前記第2の絶縁層は、Baを含有しているガラスにより構成されていること、
    を特徴とする請求項1に記載のノイズフィルタ。
  3. 前記第1の絶縁層の厚みは、25μm以上であること、
    を特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載のノイズフィルタ。
  4. 前記第2の積層体は、直列に接続された2つのコイルを内蔵しており、
    前記コンデンサと直列に接続された前記2つのコイルの間とを接続し、前記第1の積層体及び前記第2の積層体の表面に形成されている接続部を、
    更に備えていること、
    を特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のノイズフィルタ。
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