JP2009286577A - 印刷装置および印刷システム - Google Patents
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Abstract
【課題】印刷用紙の種類にはこだわらず、用紙切れによる印刷中断を避けたいというユーザの要望に応える。
【解決手段】複数の給紙機構を備えた印刷装置であって、給紙機構にセットされた印刷用紙のサイズおよび用紙種類の設定を給紙機構毎に記憶する用紙設定記憶部と、複数枚の印刷を行なう印刷処理の途中で、使用している給紙機構で用紙切れが発生した場合に、セットされている用紙種類にかかわらず、同じサイズの印刷用紙がセットされている給紙機構に使用する給紙機構を変更して引き続き給紙を行なうことで前記印刷処理を継続させる給紙制御部とを備えた印刷装置。
【選択図】 図2
【解決手段】複数の給紙機構を備えた印刷装置であって、給紙機構にセットされた印刷用紙のサイズおよび用紙種類の設定を給紙機構毎に記憶する用紙設定記憶部と、複数枚の印刷を行なう印刷処理の途中で、使用している給紙機構で用紙切れが発生した場合に、セットされている用紙種類にかかわらず、同じサイズの印刷用紙がセットされている給紙機構に使用する給紙機構を変更して引き続き給紙を行なうことで前記印刷処理を継続させる給紙制御部とを備えた印刷装置。
【選択図】 図2
Description
本発明は、複数の給紙機構を備えた印刷装置およびこのような印刷装置を含む印刷システムに関する。
複数の給紙機構を備えた印刷装置が広く用いられている。複数の給紙機構を備えた印刷装置では、それぞれの給紙機構にサイズの異なる印刷用紙をセットしたり、同じサイズの印刷用を異なる給紙機構にセットしたりすることができる。
特許文献1には、複数の給紙機構を備えた印刷装置において、それぞれの給紙機構にセットされた印刷用紙のサイズを設定しておき、給紙に用いている給紙機構で用紙切れが発生すると、同じサイズの印刷用紙がセットされている他の給紙機構から引き続き給紙を行なうことで印刷を継続することが記載されている。
特開平5−43069号公報
特許文献1には、給紙機構にセットされた印刷用紙の種類は考慮されていない。一般に、ある給紙機構で用紙切れが発生して、他の給紙機構から引き続き給紙を行なう場合には、ユーザは、同一の用紙種類での印刷継続を希望することが多いと考えられる。しかしながら、印刷目的によっては、印刷用紙の種類にはこだわらず、用紙切れが発生して印刷が中断するよりは、異なる用紙種類であっても印刷を継続させたい場合もある。例えば、急いで印刷を行ないたい場合等である。
本発明は、このような状況を鑑みてなされたものであり、印刷用紙の種類にはこだわらず、用紙切れによる印刷中断を避けたいというユーザの要望に応える印刷装置および印刷システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明による印刷装置は、複数の給紙機構を備えた印刷装置であって、給紙機構にセットされた印刷用紙のサイズおよび用紙種類の設定を給紙機構毎に記憶する用紙設定記憶部と、複数枚の印刷を行なう印刷処理の途中で、使用している給紙機構で用紙切れが発生した場合に、セットされている用紙種類にかかわらず、同じサイズの印刷用紙がセットされている給紙機構に使用する給紙機構を変更して引き続き給紙を行なうことで前記印刷処理を継続させる給紙制御部とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、用紙切れが発生した場合に、セットされている用紙種類にかかわらず、同じサイズの印刷用紙がセットされている他の給紙機構から引き続き給紙を行なようにしているため、印刷用紙の種類にはこだわらず、用紙切れによる印刷中断を避けたいというユーザの要望に応えることができる。
ここで、給紙機構は、外部に露出した給紙台や、架台式の給紙トレイを用いることができる。用紙種類は、例えば、普通紙、マット紙、インクジェット紙等である。用紙設定記憶部は、例えば、不揮発性のメモリを用いることができる。
このとき、前記用紙設定記憶部は、さらに、給紙機構にセットされた印刷用紙の厚みに関する設定を給紙機構毎に記憶するものであり、インクを吐出する印字ヘッドと、前記印字ヘッドの吐出面に対向して設けられ、印刷時において印刷用紙を搬送する印刷時搬送機構と、前記給紙制御部が印刷処理の途中で使用する給紙機構を変更した場合に、変更後の給紙機構にセットされている印刷用紙の厚みに関する設定に応じて、前記印字ヘッドと前記印刷時搬送機構との間隔を調整するヘッドギャップ調整部とをさらに備えることができる。
給紙機構が変更した場合、セットされている印刷用紙の厚さが変わる場合がある。このようなときに、印刷用紙と印字ヘッドとの衝突を避けるためにヘッドギャップを調整するようにしている。印刷時搬送機構は、例えば、搬送ベルトとすることができる。
また、インクを吐出する印字ヘッドと、前記印字ヘッドの吐出面に対向して設けられ、印刷時において印刷用紙を搬送する印刷時搬送機構と、前記印刷時搬送機構における印刷用紙の搬送速度を制御する搬送制御部とをさらに備え、前記搬送制御部は、前記給紙制御部が印刷処理の途中で使用する給紙機構を変更した場合であっても、前記搬送速度は変更しないようにしてもよい。
また、インクを吐出する印字ヘッドと、印刷に用いる印刷用紙の種類に応じて前記印字ヘッドから吐出するインクの最大吐出量を含む吐出条件を調整する吐出処理部とをさらに備え、前記吐出処理部は、前記給紙制御部が印刷処理の途中で使用する給紙機構を変更した場合であっても、前記吐出条件は変更しないようにしてもよい。
用紙切れが発生して、異なる用紙種類の印刷用紙に切り替える場合には、印刷品質を保持する観点からは、切り替えた用紙種類に対応した吐出条件、用紙搬送速度に切り替えることが望ましい。しかしながら、用紙種類の変更に伴い、印刷途中で吐出条件等を変更すると、その処理のための時間が必要になる。用紙種類を変更可能な設定を行なう場合は、用紙種類にこだわらず、急いで印刷を行なう状況が想定される。そこで、印刷に用いる印刷用紙の用紙種類を印刷途中で切り替えた場合にも、同一ドットに吐出可能なインクドロップ数の最大値の設定を含む吐出条件を変更しないようにすることができる。
ただし、インクを吐出する印字ヘッドと、前記印字ヘッドの吐出面に対向して設けられ、印刷時において印刷用紙を搬送する印刷時搬送機構と、前記印刷時搬送機構における印刷用紙の搬送速度を制御する搬送制御部と、前記印字ヘッドから吐出するインクの最大吐出量を含む吐出条件を調整する吐出処理部とをさらに備え、前記給紙制御部が印刷処理の途中で使用する給紙機構を変更した場合に、変更された給紙機構にセットされている印刷用紙の用紙種類に応じて、前記搬送制御部が前記搬送速度を変更し、前記吐出処理部が前記吐出条件を変更するようにしてもよい。
また、前記給紙制御部は、複数枚の印刷を行なう印刷処理の途中で、使用している給紙機構で用紙切れが発生した場合に、同じサイズで同じ用紙種類の印刷用紙がセットされている給紙機構がないときは、給紙の引き継ぎを行なわず前記印刷処理を中断させる設定を受け付け可能とすることで、用紙種類にこだわりたいというユーザの要望にさらに応えることができる。
さらには、ユーザの利便性を高めるために、前記給紙制御部が印刷処理の途中で使用する給紙機構を変更した場合であって、印刷用紙の用紙種類が変化した場合に、用紙種類が変更になった旨を表示する表示部をさらに備えるようにしてもよい。
上記課題を解決するため、本発明による印刷システムは、複数の給紙機構を備えた印刷装置と、前記印刷装置に対する印刷条件の設定を行なうプリンタドライバ部を備えたコンピュータとを有する印刷システムであって、前記コンピュータのプリンタドライバ部は、印刷用紙の用紙種類を特定しない印刷条件を設定可能であり、前記印刷装置は、給紙機構にセットされた印刷用紙のサイズおよび用紙種類の設定を給紙機構毎に記憶する用紙設定記憶部と、前記印刷用紙の用紙種類を特定しない印刷条件が設定されると、複数枚の印刷を行なう印刷処理の途中で、使用している給紙機構で用紙切れが発生した場合に、セットされている用紙種類にかかわらず、同じサイズの印刷用紙がセットされている給紙機構に使用する給紙機構を変更して引き続き給紙を行なうことで前記印刷処理を継続させる給紙制御部とを備えることを特徴とする。
本発明の印刷システムによれば、用紙切れが発生した場合に、セットされている用紙種類にかかわらず、同じサイズの印刷用紙がセットされている他の給紙機構から引き続き給紙を行なようにしているため、印刷用紙の種類にはこだわらず、用紙切れによる印刷中断を避けたいというユーザの要望に応えることができる。
本発明によれば、印刷用紙の種類にはこだわらず、用紙切れによる印刷中断を避けたいというユーザの要望に応える印刷装置および印刷システムが提供される。
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明に係る印刷装置10を含む印刷システムの構成の一例を示すブロック図である。本図に示すように印刷システムは印刷装置10とパーソナルコンピュータ(PC)20とが接続されて構成される。印刷装置10とPC20との接続形態は、代表的には、複数台のPCが印刷装置10を共用するLAN(Local Area Network)接続とすることができるが、印刷装置10とパーソナルコンピュータ(PC)20とが1対1で接続されたローカル接続であってもよい。
印刷装置10は、複数の給紙機構を備えており、また、PC20から送られた印刷データに基づく印刷を行なうプリンタ機能に加えて、原稿台に置かれた原稿の画像を読み取って複写を行なうコピー機能、電話回線を介して画像伝送を行なうファクシミリ機能を備えている。ファクシミリ機能を用いる場合には、公衆回線網等の電話回線に接続する。ただし、コピー機能、ファクシミリ機能を備えない構成としてもよい。
PC20は、印刷装置10に対応して開発されたプリンタドライバプログラムがインストールされており、このプログラムをPC20のCPUが実行することにより、プリンタドライバ部210が形成される。プリンタドライバ部210は、ユーザからの指示に基づいて、印刷対象となるドキュメント等の印刷データを生成して、印刷装置10に出力する処理を行なう。この際に、プリンタドライバ部210は、印刷品質、印刷枚数、用紙サイズ、用紙種類等の印刷条件の設定を行なうことができ、本実施例では、特に、印刷用紙の用紙種類を特定しない印刷条件を設定することが可能となっている。
図2は、本実施形態における印刷装置10の機能構成を示すブロック図である。本図に示すように、印刷装置10は、制御部110、通信処理部120、画像読取部130、画像受信部140、操作パネル部150、印刷実行部310、給紙部320、排紙部330、搬送駆動部350、ヘッドギャップ調整機構354を備えている。
通信処理部120は、PC20との通信を行なうために、接続形態に応じたプロトコル処理を行なう。例えば、LAN接続の場合には、TCP/IPによる通信処理を行なう。画像読取部130は、原稿台、受光素子、光源、レンズ、走査機構等を備え、原稿台に置かれた原稿の画像データを読み取って電気信号に変換し、制御部110に出力する処理を行なう。画像受信部140は、電話回線を介して所定の信号形式で送られてきた画像信号を画像データに変換して制御部110に出力する。操作パネル部150は、表示機能と入力機能とを有し、ユーザから設定を受け付けたり、印刷装置10に関する情報を表示したりする。
印刷実行部310は、画像形成媒体を用いて印刷用紙に画像形成を行なう機構であり、本実施形態では、印刷用紙を覆う幅を有する印字ヘッド312からインクをライン単位で吐出して印刷を実行するインクジェット方式の機構を採用している。ただし、画像形成媒体として、トナー等を用いる印字方式を採用してもよい。
印刷用紙を供給する給紙部320は、複数の給紙機構を備えている。本実施形態では、外部に露出した給紙台320aと、架台式の第1給紙トレイ320b、架台式の第2給紙トレイ320c、架台式の第3給紙トレイ320d、架台式の第4給紙トレイ320eとの5つの給紙機構が備えられている。それぞれの給紙機構には、複数枚の印刷用紙を重ねた状態でセットすることができる。印刷用紙には、A4、B5等のサイズと、普通紙、インクジェット(IJ)用紙等の用紙種類とが定められており、1つの給紙機構には、同じサイズで同じ用紙種類の印刷用紙をセットするようにする。各給紙機構には、給紙センサが備えられており、用紙切れを検出できるようになっている。
排出された印刷済の印刷用紙を積載する排紙部330は、複数の排紙台を備えている。本実施形態では、フェイスダウンで排紙され、最大積載量の少ない標準排紙トレイ330a、フェイスアップで排紙され、最大積載量が中程度の中量排紙トレイ330b、フェイスアップで排紙され、最大積載量が多い多量排紙トレイ330cが備えられている。それぞれの排紙台には、排紙量センサ(図3参照)が設けられており、排紙量センサは、積載された印刷用紙が最大積載量付近の所定量に達したことを検出する。排紙量センサは、例えば、積載された印刷用紙の重量を検出したり、積み重なった高さを検出することで積載された印刷用紙が所定量に達したかどうかを判断することができる。あるいは、排紙した枚数をカウントすることで積載された印刷用紙が所定量に達したかどうかを判断することができる。
搬送駆動部350は、印刷用紙を搬送する駆動機構であり、モータ等を備えて構成される。また、印字ヘッド312に対向する位置には、印刷時に印刷用紙を所定の印刷搬送速度で搬送する印刷時搬送機構として機能する搬送ベルト352が設けられている。さらに、排紙に用いる排紙台に印刷用紙を導くために搬送路を切り替える切替機構(図3参照)が複数個設けられている。
ヘッドギャップ調整機構354は、印字ヘッド312に印刷用紙が衝突することを防ぐために、印字ヘッド312と搬送ベルト352との距離を変化させる機構である。ヘッドギャップ調整機構354は、例えば、電気信号により制御される駆動機構を用いて、搬送ベルト352を印字ヘッド312に対して上下移動させることで、印字ヘッド312と搬送ベルト352との距離を変化させる。ただし、印字ヘッド312を搬送ベルト352に対して移動させるようにしてもよい。
制御部110は、CPU、メモリ、画像処理装置等を備えて構成され、これらの装置が処理を行なうことで、操作パネル制御部111、用紙設定記憶部112、給紙制御部113、排紙制御部114、搬送制御部115、画像処理部116、吐出処理部117、ヘッドギャップ調整部118が形成される。
操作パネル制御部111は、操作パネル部150に表示させる画面や操作パネル部150を介して入力されるユーザの操作を解釈する処理を行なう。特に、本実施形態では、初期設定として、給紙機構毎にセットされた印刷用紙のサイズ、用紙種類、印刷用紙の厚みに関する設定を受け付けるメニュー画面を表示して、ユーザから設定を受け付ける処理を行なう。
用紙設定記憶部112は、例えば、不揮発性のメモリを用いて構成され、操作パネル制御部111がユーザから受け付けた、給紙機構毎にセットされた印刷用紙のサイズ、用紙種類、印刷用紙の厚みに関す設定を不揮発的に記憶する。
給紙制御部113は、印刷条件に応じて、印刷に用いる印刷用紙を給紙する給紙機構を設定し、所定のタイミングで印刷用紙を給紙機構から搬送駆動部350に取り込む制御を行なう。また、本実施形態では、複数枚の印刷を行なう印刷処理の途中で、使用している給紙機構で用紙切れが発生した場合に、セットされている用紙種類にかかわらず、同じサイズの印刷用紙がセットされている給紙機構に使用する給紙機構を変更して引き続き給紙を行なうことで印刷処理を継続させる処理を行なう。ただし、同じサイズで同じ用紙種類の印刷用紙がセットされている給紙機構がないときに、給紙の引き継ぎを行なわず印刷処理を中断させるように設定することも可能である。
排紙制御部114は、印刷条件に応じて印刷済の印刷用紙を排紙する排紙台を設定する。また、設定された排紙台から印刷用紙が排紙されるように、設定された排紙台を搬送制御部115に通知する。
搬送制御部115は、搬送ベルト352、その他の駆動機構を含んだ搬送駆動部350における用紙搬送を制御する。具体的には、搬送速度と搬送経路とを設定し、その設定にしたがった用紙搬送を行なうように搬送駆動部350に制御信号を出力する。搬送速度は印字品質、用紙種類等の印刷条件により定められ、搬送経路は、設定された給紙機構、設定された排紙台、両面印刷設定等により定められる。また、本実施形態では、印刷処理の途中で使用する給紙機構を変更した場合に、搬送速度を変更しないようにすることも、変更するようにすることも可能である。
画像処理部116は、RGB形式の印刷データをCMYK形式に変換し、さらに、印刷実行部310が解釈可能な画像データに変換する処理等を行なう。画像データは、例えば、ドット単位のインクドロップ数を示すデータである。
吐出処理部117は、画像データに基づいて印字ヘッド312におけるインク吐出処理を制御する。また、用紙種類毎に定められる最大インクドロップ数に基づいて、画像データで示されたインクドロップ数を調整する処理を行なう。例えば、ある用紙種類のインク吐出条件として、最大インクドロップ数が5と定められている場合に、画像データで示されるインクドロップ数を、最大値が5となるように調整する。
ヘッドギャップ調整部118は、印刷用紙の厚さに関する設定毎の印字ヘッド312と搬送ベルト352との設定距離を記憶しており、印刷用紙の厚みに関する設定に基づいて、ヘッドギャップ調整機構354に制御信号を送り、印字ヘッド312と印刷用紙との間隔が所定距離になるようにする。また、本実施形態では、印刷処理の途中で使用する給紙機構を変更した場合に、変更された給紙機構にセットされている印刷用紙の厚みに関する設定に応じて、印字ヘッド312と搬送ベルト352との間隔を調整する。
図3は、印刷装置10の給紙部320、排紙部330および印刷用紙搬送経路を示す図である。本図に示すように印刷装置10は、給紙機構として備えられた給紙台320a、第1給紙トレイ320b、第2給紙トレイ320c、第3給紙トレイ320d、第4給紙トレイ320eのいずれかから給紙された印刷用紙に対して印字ヘッド312で印刷を行なって、標準排紙トレイ330a、中量排紙トレイ330b、多量排紙トレイ330cのいずれかの排紙台に排紙する。上述のように、標準排紙トレイ330aは、フェイスダウンで排紙され、最大積載量の少ない排紙台であり、中量排紙トレイ330bは、フェイスアップで排紙され、最大積載量が中程度の排紙台であり、多量排紙トレイ330cは、フェイスアップで排紙され、最大積載量が多い排紙台である。
印刷装置10は、印字機構として、用紙搬送方向に直交する方向に伸び、多数のノズルが形成された印字ヘッド312を備えている。印字ヘッド312はインク色毎に独立しており、それぞれの印字ヘッドから黒またはカラーインクを吐出してライン単位でカラー印刷を行なう。
いずれかの給紙機構から1枚ずつ給紙された印刷用紙は、搬送駆動部350を構成するローラ等の駆動機構によって筐体内の給紙系搬送路(図中の黒太線で示される経路)に沿って搬送され、レジスト部Rgに導かれる。ここでレジスト部Rgは、印刷用紙の先端の位置あわせと斜行修正を行なうために設けられており、1対のレジストローラを備えて構成される。給紙された印刷用紙はレジスト部Rgで一時停止し、所定のタイミングで印字機構方向に搬送される。
印刷用紙は、印字ヘッド312の対向面に設けられた環状の搬送ベルト352によって印刷条件により定められる速度で搬送されながら、印字ヘッド312から吐出されたインクによりライン単位で画像形成される。
上面に印刷を施された印刷用紙は、多量排紙トレイ330cに排紙される場合は、切替機構382により多量排紙トレイ330c方向に搬送され、そのまま印刷面を上にして排紙されて多量排紙トレイ330cに積載されていく。中量排紙トレイ330bに排紙される場合には、切替機構382によってさらに筐体内を搬送され、切替機構384により中量排紙トレイ330b方向に搬送さる。そして、そのまま印刷面を上にして排紙されて中量排紙トレイ330bに積載されていく。標準排紙トレイ330aから排紙される場合は、切替機構384とローラ等の駆動機構によってさらに筐体内を搬送される。そして、切替機構386により標準排紙トレイ330a方向に導かれて排紙され、標準排紙トレイ330aに印刷面を下にして積載されていく。
それぞれの排紙台は、筐体から突出したトレイ形状をしており、ある程度の厚みを有している。また、それぞれの排紙台は傾斜しており、傾斜の下位置に形成された壁により、排紙された印刷用紙が、傾斜に沿って滑落する過程で自然に整えられて重なっていくようになっている。
標準排紙トレイ330a、中量排紙トレイ330b、多量排紙トレイ330cとも印刷用紙の最大積載量が定められており、印刷用紙の積載量が最大積載量付近の所定量に達したことを検出する排紙量センサ332a、排紙量センサ332b、排紙量センサ332c、がそれぞれ設けられている。
印刷用紙の両面に印刷を行なう両面印刷の場合は、表面(最初に印刷される面を「表面」、次に印刷される面を「裏面」とする)印刷終了時にはいずれの排紙台にも導かれずに、切替機構386により、さらに筐体内を搬送される。そして、スイッチバック経路SRに引き込まれ、スイッチバックを行ない、搬送路に対して表裏が反転する。表裏反転後に、ローラ等の駆動機構によって再度レジスト部Rgに導かれ、一時停止する。その後、所定のタイミングで印字機構方向に搬送され、表面と同様の手順によって裏面の印刷が行なわれる。裏面の印刷が行なわれ、両面に画像が形成された印刷用紙は、印刷条件に含まれる排紙口の指定にしたがって、いずれかの排紙台に排紙され積載されていく。
印刷装置10では、両面印刷時におけるスイッチバックを、標準排紙トレイ330a内に設けられた空間を利用して行なうようにしている。標準排紙トレイ330a内に設けられた空間は、スイッチバック時に印刷用紙が外部から取り出せないように覆われた構成となっている。これにより、利用者が誤ってスイッチバック動作中の印刷用紙を引き抜いてしまうことを防ぐことができる。また、標準排紙トレイ330aは、本来印刷装置10に備えられているものであり、標準排紙トレイ330a内の空間を利用してスイッチバックを行なうことにより、印刷装置10内に、別途スイッチバック用の空間を設ける必要がなくなる。したがって、筐体のサイズが増大してしまうことを防ぐことができる。さらには、標準排紙トレイ330aとスイッチバック経路とを共用しないため、スイッチバック処理と他の用紙の排紙とを並行して行なうことができる。
次に、印刷装置10の基本的な印刷処理について図4のフローチャートを参照して説明する。上述のように、印刷装置10は、PC20から送られた印刷データに基づく印刷を行なうプリンタ機能に加えて、画像を読み取って複写を行なうコピー機能、電話回線を介して画像伝送を行なうファクシミリ機能を備えている。したがってそれぞれの機能に応じた印刷手順が行なわれる。
まず、印刷処理に先立って、初期設定が行なわれる(S101)。初期設定では、従来と同様の設定項目とともに、本実施形態の特徴的な設定内容として、給紙機構毎の印刷用紙のサイズと用紙種類の設定が行なわれる。印刷用紙のサイズの設定は、例えば、図5に示すようなメニュー画面150aを操作パネル部150に表示することで行なうことができる。本図の例は、給紙台320aにセットされた印刷用紙の用紙サイズを設定するためのメニュー画面である。
すなわち、ユーザは、本画面150a上から給紙台320aにセットした印刷用紙の用紙サイズを設定する。制御部110の操作パネル制御部111は、各給紙機構について本図に示すような画面を表示してユーザから設定を受け付け、設定内容を用紙設定記憶部112に記録する。なお、給紙機構によって給紙できない用紙サイズがある場合には、そのサイズをメニューから削除しておくことが望ましい。
また、印刷用紙の用紙種類の設定は、例えば、図6に示すようなメニュー画面150bを操作パネル部150に表示することで行なうことができる。本図の例は、給紙台320aにセットされた印刷用紙の用紙種類を設定するためのメニュー画面である。ここでは、「普通紙」「IJ用紙」「IJマット用紙」「高品位紙」「IJハガキ」のいずれかを選択できるようになっている。
ユーザは、本画面150b上から給紙台320aにセットした印刷用紙の用紙種類を設定する。制御部110の操作パネル制御部111は、各給紙機構について本図に示すような画面を表示してユーザから設定を受け付け、設定内容を用紙設定記憶部112に記録する。なお、給紙機構によって給紙できない用紙種類がある場合には、そのサイズをメニューから削除しておくことが望ましい。
さらに、本画面150bでは、給紙設定も行なう。給紙設定は、印刷用紙の厚さに関する設定であり、ここでは、「標準」「薄め」「厚め」「封筒」「ハガキ」「U1」「U2」のいずれかを選択できるようになっている。ヘッドギャップ調整部118は、印刷用紙の給紙設定毎の印字ヘッド312と搬送ベルト352との設定距離を記憶しており、この設定距離に基づいて、ヘッドギャップが調整される。なお、「U1」「U2」はユーザが任意に用紙の厚さを設定できる項目である。
初期設定が完了した印刷装置10は、PC20から印刷データを受信した場合(S102:Yes)には、画像処理部116が受信した印刷データを画像データに変換する処理を行なって(S103)、印刷実行部310で印刷処理が行なわれる(S108)。
画像受信部140が電話回線を介してファクシミリデータを受信した場合(S104:Yes)は、ファクシミリ画像信号を画像データに変換する処理を行なって(S105)、印刷実行部310で印刷処理が行なわれる(S108)。
操作パネル部150を介してユーザから複写操作を受け付けた場合(S106:Yes)は、画像読取部130が画像読取処理を行なって(S107)、印刷実行部310で印刷処理が行なわれる(S108)。
次に、PC20から印刷データを受信した場合を例に、印刷装置システムにおける印刷処理について説明する。PC20から印刷を行なう場合には、プリンタドライバ部210が提供する印刷設定画面で、印刷条件の設定が行なわれる。図7は、印刷条件の設定を行なう画面を示す図である。本図に示すように印刷条件の設定画面では、メニュー操作によって、カラーモード、原稿サイズ、出力用紙サイズ、給紙トレイ選択、用紙種類選択等が行えるようになっている。なお、コピー機能、ファクシミリ機能を用いて印刷を行なう場合には、操作パネル部150を介して、同様の印刷条件の設定を行なうことができる。プリンタドライバ部210は、印刷条件の設定を行なう画面を表示するに際し、印刷装置10と通信を行ない、印刷装置10の状態やセットされている印刷用紙等の情報を取得することができる。
ユーザは、出力用紙サイズ設定メニュー512で、印刷に用いる用紙のサイズを設定することができる。あるいは、原稿サイズ設定メニュー511で原稿サイズを設定し、出力用紙サイズ設定メニュー512で「原稿サイズと同じ」を選択することで間接的に印刷に用いる用紙のサイズを設定することができる。
また、給紙トレイ選択メニュー513で、給紙に使用する給紙機構を設定することができる。給紙トレイ選択メニュー513は、図8(a)に示すように、印刷装置10が備える給紙機構である「給紙台」「第1トレイ」「第2トレイ」「第3トレイ」「第4トレイ」に加え、「オートトレイ選択」を選択できるようになっている。ユーザは、特定の給紙機構を指定したい場合には、「給紙台」「第1トレイ」「第2トレイ」「第3トレイ」「第4トレイ」のいずれかを選択し、給紙トレイの選択を印刷装置10に委ねる場合には、「オートトレイ選択」を選択すればよい。
特定の給紙機構が指定された場合には、指定された給紙機構で用紙切れが発生すると、用紙切れエラーとなり、印刷処理は中断される。「オートトレイ選択」が選択された場合には、条件を満たす他の給紙機構があれば、給紙がその給紙機構に引き継がれ、印刷処理は継続される。本実施形態では、「オートトレイ選択」が選択されるものとする。
また、用紙種類選択メニュー514で、印刷に用いる印刷用紙の用紙種類を設定することができる。用紙種類選択メニュー514は、図8(b)に示すように、特定の用紙種類である「普通紙」「IJ用紙」「IJマット紙」「高品位紙」「IJハガキ」に加え、「指定しない」を選択できるようになっている。ユーザは、特定の用紙種類で印刷を行ないたい場合は、「普通紙」「IJ用紙」「IJマット紙」「高品位紙」「IJハガキ」のいずれかを選択し、用紙種類にこだわらないで用紙種類の選択を印刷装置10に委ねる場合には、「指定しない」を選択すればよい。特に、急ぎの印刷等で、用紙切れによる印刷中断を避けたい場合には、「指定しない」を選択するようにする。
「オートトレイ選択」が選択されている状態で、特定の用紙種類が選択された場合、印刷装置10は、選択された特定の用紙種類がセットされている給紙機構を選び出して印刷を開始する。印刷の途中でその給紙機構で用紙切れが発生すると、印刷装置10は、同じサイズの特定の用紙種類がセットされている他の給紙機構を選び出して印刷を継続する。同じサイズの特定の用紙種類がセットされている他の給紙機構がない場合には、用紙切れエラーとなり、印刷処理は中断される。
「オートトレイ選択」が選択されている状態で、用紙種類選択メニュー514で「指定しない」が選択された場合、印刷装置10は、用紙サイズが合致する任意の用紙種類の印刷装置がセットされている給紙機構を選び出して印刷を開始する。印刷の途中でその給紙機構で用紙切れが発生すると、印刷装置10は、同じサイズの任意の用紙種類がセットされている他の給紙機構を選び出して印刷を継続する。同じサイズの任意の用紙種類がセットされている他の給紙機構がない場合には、用紙切れエラーとなり、印刷処理は中断される。
図9は、PC20から印刷データを受信した印刷装置10の印刷処理を説明するフローチャートである。本フローチャートは、給紙トレイ選択メニュー513で「オートトレイ選択」が選択されている場合の印刷処理を示している。
印刷装置10は、PC20から印刷データを受信すると(S201)、用紙種類選択メニュー514で「指定しない」が選択されているかどうかを判断する(S202)。
用紙種類選択メニュー514で「指定しない」が選択されている場合(S202:Yes)には、給紙に用いる給紙機構を設定する(S203)。ここでの給紙機構の設定では、出力用紙サイズ設定メニュー512で設定された用紙サイズの印刷用紙をセットしているいずれかの給紙機構を設定する。なお、設定された用紙サイズの印刷用紙をセットしている給紙機構が複数ある場合には、用紙種類に優先順位を付して、例えば、「普通紙」をセットしている給紙機構を優先的に設定することが望ましい。ただし、ユーザがあらかじめ用紙種類の優先順位を設定できるようにしてもよい。
そして、設定された給紙機構から印刷用紙を給紙して印刷を開始する(S204)。この際、設定された給紙機構にセットされている印刷用紙の厚みに対応してヘッドギャップを調整する。印刷は、印刷が終了するまで繰り返す(S205:Yes)。
印刷終了前(S205:No)に、設定された給紙機構で用紙切れが発生した場合(S206:Yes)には、他の給紙機構に同じサイズの印刷用紙がセットされているかどうかを判断する(S207)。同じサイズの印刷用紙がセットされている他の給紙機構がない場合(S207:No)には、用紙切れエラーが発生したことを操作パネル部150に表示して、印刷を中断する(S213)。
一方、同じサイズの印刷用紙がセットされている他の給紙機構がある場合(S207:Yes)には、その給紙機構にセットされている印刷用紙の用紙種類が同じであるかどうかを判断する(S208)。同じ用紙種類であった場合(S208:Yes)には、給紙に使用する給紙機構をその同じサイズ、同じ用紙種類の印刷用紙がセットされている給紙機構に変更する(S209)。そして、変更された給紙機構から給紙を行なって、印刷を継続する(S212)。
同じ用紙種類でなかった場合(S208:No)には、用紙種類にかかわらず、給紙に使用する給紙機構をその同じサイズの印刷用紙がセットされている給紙機構に変更する(S210)。そして、用紙設定記憶部を参照して、その給紙機構に対して設定されている給紙条件を取得し、必要に応じてヘッドギャップの調整を行なう(S211)。
すなわち、ヘッドギャップは、変更前の給紙機構にセットされていた印刷用紙の厚みに対応して設定されているが、印刷途中で印刷用紙の種類が変更された場合には、印刷用紙と印字ヘッド312との衝突を避けるために、ヘッドギャップを変更する必要があるからである。したがって、例えば、厚手の普通紙と薄手の普通紙とが異なる給紙機構にセットされている場合には、用紙種類が同一でも、印刷用紙の厚みが異なっている場合には、ヘッドギャップを調整する必要がある。このような場合は、印刷用紙の厚みに関する設定を含めて用紙種類が同一かどうかを判断するようにする。つまり、同じ用紙種類であっても、印刷用紙の厚みが異なっている場合には、ヘッドギャップの調整に関しては、異なる用紙種類であるとして取り扱うようにする。
例えば、図10(a)に示すように、変更前の給紙機構に印刷用紙P1がセットされていたとする。このとき、印刷用紙の厚みに関す設定である給紙設定で指定された項目に対応したヘッドギャップHg1が設定されており、印字ヘッド312と印刷用紙P1との距離Dsが確保されている。
この状態から用紙切れが発生し、異なる用紙種類の印刷用紙P2をセットした給紙機構に切り替わると、図10(b)に示すように、ヘッドギャップ調整機構354が搬送ベルト352を下方向に移動させ、印刷用紙P2に対応したヘッドギャップHg2に調整し、印字ヘッド312と印刷用紙P2との距離Dsを確保できるようにしている。
ヘッドギャップの調整を行なうと、変更された給紙機構から給紙を行なって、印刷を継続する(S212)。これにより、用紙切れにより中断させることなく印刷を完了させることができる。なお、印刷途中で用紙種類が変更になった場合は、変更時、あるいは、印刷終了時等に、操作パネル部150、プリンタドライバ部210に、用紙種類が切り替わった旨の表示を行なって、ユーザに通知することが望ましい。
用紙種類選択メニュー514で「指定しない」ではなく、特定の用紙種類が選択されている場合(S202:No)には、その特定の用紙種類で、出力用紙サイズ設定メニュー512で設定された用紙サイズの印刷用紙がセットされている給紙機構を、給紙に用いる給紙機構として設定する(S214)。
そして、設定された給紙機構から印刷用紙を給紙して印刷を開始する(S215)。この際、設定された給紙機構にセットされている印刷用紙の厚みに対応してヘッドギャップを調整する。印刷は、印刷が終了するまで繰り返す(S216:Yes)。
印刷終了前(S216:No)に、設定された給紙機構で用紙切れが発生した場合(S217:Yes)には、他の給紙機構に同じサイズで同じ用紙種類の印刷用紙がセットされているかどうかを判断する(S218)。同じサイズで同じ用紙種類の印刷用紙がセットされている他の給紙機構がない場合(S218:No)には、用紙切れエラーが発生したことを操作パネル部150に表示して、印刷を中断する(S213)。すなわち、ユーザが特定の用紙種類を用いた印刷を希望する場合には、異なる用紙種類での印刷を行なわないようにすることができる。
一方、同じサイズで同じ用紙種類の印刷用紙がセットされている他の給紙機構がある場合(S218:Yes)には、給紙に使用する給紙機構をその同じサイズ、同じ用紙種類の印刷用紙がセットされている給紙機構に変更する(S219)。そして、変更された給紙機構から給紙を行なって、印刷を継続する(S220)。
なお、インクジェット方式の印字機構では、印刷用紙にインク滴をドロップすることにより印刷を行なう。そして、インク滴のドロップ数を調整することで、濃度階調の表現を行なっている。すなわち、濃度の濃いドットでは、インクドロップ数を多くし、濃度の薄いドットでは、インクドロップ数を少なくしている。
一般に、印刷用紙は、印刷用紙の種類に応じて表面のコーティング状態が異なるため、用紙種類毎に、吐出条件として、同一ドットに吐出可能なインクドロップ数の最大値が定められている。例えば、高品質の印刷用紙では、低品質の印刷用紙よりも多くのドロップ数を吐出することが可能である。このため、用紙切れが発生して、異なる用紙種類の印刷用紙に切り替える場合には、印刷品質を保持する観点からは、切り替えた用紙種類に対応した吐出条件に切り替えることが望ましい。
しかしながら、用紙種類の変更に伴い、印刷途中で吐出条件を変更すると、その処理のための時間が必要になる。上述のように用紙種類を変更可能な設定を行なう場合は、用紙種類にこだわらず、急いで印刷を行なう状況が想定される。そこで、本実施形態では、印刷に用いる印刷用紙の用紙種類を印刷途中で切り替えた場合にも、同一ドットに吐出可能なインクドロップ数の最大値の設定を含む吐出条件を変更しないようにする。
また、搬送ベルト352の搬送速度は、一般に、同一ドットに吐出可能なインクドロップ数の最大値に応じて変更される。印刷速度の観点からは、なるべく速い速度で搬送することが望ましいが、印刷時の搬送速度を早くしすぎると、同一ドットに多くのドロップ数を吐出した場合に位置ズレが発生してしまうため、最大ドロップ数に応じて印刷時の搬送速度を制限する必要があるからである。
このため、印刷に用いる印刷用紙の用紙種類を印刷途中で切り替えた場合、吐出条件に加え、印刷時の搬送速度も変化させないようにする。図11(a)は、この場合の印刷システムの処理を示すフローチャートである。
本図の例では、PC20のプリンタドライバ部210が印刷対象のドキュメントおよび印刷条件の設定にしたがって、各ドットのインクドロップ数を設定する(S301)。このため、印刷装置10には、印刷データとして、各ドットのインクドロップ数情報が送信され、印刷装置10は、受信したインクドロップ数情報に基づいてインク吐出が行なわれる(S302)。印刷途中で、用紙切れが発生し、印刷用紙の用紙種類が変更になった場合にも(S303)、ドロップ数、用紙搬送速度の変更は行なわれず、そのままの吐出条件、用紙搬送速度で印刷が継続される(S304)。なお、各ドットのインクドロップ数の設定は、印刷装置10の画像処理部116が行なうようにしてもよい。例えば、コピー機能、ファクシミリ機能を用いて印刷を行なう場合は、印刷装置10の画像処理部116が各ドットのインクドロップ数を設定する。
ただし、印刷に用いる印刷用紙の用紙種類を印刷途中で切り替えた場合に、インクの吐出条件および印刷時の搬送速度を変化させるようにしてもよい。以下に、印刷に用いる印刷用紙の用紙種類を印刷途中で切り替えた場合に、インクの吐出条件および印刷時の搬送速度を変化させる場合について説明する。
印刷システムにおいて、インクのドロップ数を設定する処理を行なうのは、PC20のプリンタドライバ部210あるいは印刷装置10の画像処理部116のいずれかとすることができる。また、設定されているインクドロップ数の調整は、印刷装置10の吐出処理部117が行なうものとする。まず、PC20のプリンタドライバ部210がインクのドロップ数を設定する場合の処理について図11(b)に示したフローチャートを参照して説明する。
本図の例では、PC20のプリンタドライバ部210が印刷対象のドキュメントおよび印刷条件の設定にしたがって、各ドットのインクドロップ数を設定する(S311)。このため、印刷装置10には、印刷データとして、各ドットのインクドロップ数情報が送信され、印刷装置10は、受信したインクドロップ数情報に基づいてインク吐出が行なわれる(S312)。印刷途中で、用紙切れが発生し、印刷用紙の用紙種類が変更になった場合には(S313)、印刷装置10の吐出処理部117が、あらかじめ定められた規則に従って、設定されている各ドットのインクドロップ数を変更後の用紙種類に対応したドロップ数に調整し、また、搬送制御部115が、調整された最大ドロップ数に対応した用紙搬送速度に変更した上で、印刷を継続する(S314)。
次に、印刷装置10の画像処理部116がインクのドロップ数を設定する場合の処理について図11(c)に示したフローチャートを参照して説明する。コピー機能、ファクシミリ機能を用いて印刷を行なう場合も本処理が行なわれる。
本図の例では、印刷装置10の画像処理部116がPC20から送られた印刷データ、読み取った画像データ、印刷条件の設定等にしたがって、各ドットのインクドロップ数を設定する(S321)。そして、設定したインクドロップ数に基づいてインク吐出が行なわれる(S322)。印刷途中で、用紙切れが発生し、印刷用紙の用紙種類が変更になった場合には(S323)、印刷装置10の吐出処理部117が、あらかじめ定められた規則に従って、変更後の用紙種類に対応したドロップ数に調整し、また、搬送制御部115が調整された最大ドロップ数に対応した用紙搬送速度に変更した上で、印刷を継続する(S324)。
以上説明したように、本実施形態によれば、用紙切れが発生した場合に、セットされている用紙種類にかかわらず、同じサイズの印刷用紙がセットされている他の給紙機構から引き続き給紙を行なようにしているため、印刷用紙の種類にはこだわらず、用紙切れによる印刷中断を避けたいというユーザの要望に応えることができる。
10…印刷装置、20…PC、110…制御部、111…操作パネル制御部、112…用紙設定記憶部、113…給紙制御部、114…排紙制御部、115…搬送制御部、116…画像処理部、117…吐出処理部、118…ヘッドギャップ調整部、120…通信処理部、130…画像読取部、140…画像受信部、150…操作パネル部、210…プリンタドライバ部、310…印刷実行部、312…印字ヘッド、320…給紙機構、320…給紙部、330…排紙部、350…搬送駆動部、352…搬送ベルト、354…ヘッドギャップ調整機構、382…切替機構、384…切替機構、386…切替機構
Claims (8)
- 複数の給紙機構を備えた印刷装置であって、
前記給紙機構にセットされた印刷用紙のサイズおよび用紙種類の設定を前記給紙機構毎に記憶する用紙設定記憶部と、
複数枚の印刷を行なう印刷処理の途中で、使用している給紙機構で用紙切れが発生した場合に、セットされている用紙種類にかかわらず、同じサイズの印刷用紙がセットされている給紙機構に使用する給紙機構を変更して引き続き給紙を行なうことで前記印刷処理を継続させる給紙制御部とを備えることを特徴とする印刷装置。 - 請求項1に記載の印刷装置であって、
前記用紙設定記憶部は、さらに、前記給紙機構にセットされた印刷用紙の厚みに関する設定を給紙機構毎に記憶するものであり、
インクを吐出する印字ヘッドと、
前記印字ヘッドの吐出面に対向して設けられ、印刷時において印刷用紙を搬送する印刷時搬送機構と、
前記給紙制御部が印刷処理の途中で使用する給紙機構を変更した場合に、変更後の給紙機構にセットされている印刷用紙の厚みに関する設定に応じて、前記印字ヘッドと前記印刷時搬送機構との間隔を調整するヘッドギャップ調整部とをさらに備えることを特徴とする印刷装置。 - 請求項1に記載の印刷装置であって、
インクを吐出する印字ヘッドと、
前記印字ヘッドの吐出面に対向して設けられ、印刷時において印刷用紙を搬送する印刷時搬送機構と、
前記印刷時搬送機構における印刷用紙の搬送速度を制御する搬送制御部とをさらに備え、
前記搬送制御部は、前記給紙制御部が印刷処理の途中で使用する給紙機構を変更した場合であっても、前記搬送速度は変更しないことを特徴とする印刷装置。 - 請求項1に記載の印刷装置であって、
インクを吐出する印字ヘッドと、
印刷に用いる印刷用紙の種類に応じて前記印字ヘッドから吐出するインクの最大吐出量を含む吐出条件を調整する吐出処理部とをさらに備え、
前記吐出処理部は、前記給紙制御部が印刷処理の途中で使用する給紙機構を変更した場合であっても、前記吐出条件は変更しないことを特徴とする印刷装置。 - 請求項1に記載の印刷装置であって、
インクを吐出する印字ヘッドと、
前記印字ヘッドの吐出面に対向して設けられ、印刷時において印刷用紙を搬送する印刷時搬送機構と、
前記印刷時搬送機構における印刷用紙の搬送速度を制御する搬送制御部と、
前記印字ヘッドから吐出するインクの最大吐出量を含む吐出条件を調整する吐出処理部とをさらに備え、
前記給紙制御部が印刷処理の途中で使用する給紙機構を変更した場合に、変更された給紙機構にセットされている印刷用紙の用紙種類に応じて、前記搬送制御部が前記搬送速度を変更し、前記吐出処理部が前記吐出条件を変更することを特徴とする印刷装置。 - 請求項1に記載の印刷装置であって、
前記給紙制御部は、複数枚の印刷を行なう印刷処理の途中で、使用している給紙機構で用紙切れが発生した場合に、同じサイズで同じ用紙種類の印刷用紙がセットされている給紙機構がないときは、給紙の引き継ぎを行なわず前記印刷処理を中断させる設定を受け付け可能であることを特徴とする印刷装置。 - 請求項1に記載の印刷装置であって、
前記給紙制御部が印刷処理の途中で使用する給紙機構を変更した場合であって、印刷用紙の用紙種類が変化した場合に、用紙種類が変更になった旨を表示する表示部をさらに備えることを特徴とする印刷装置。 - 複数の給紙機構を備えた印刷装置と、前記印刷装置に対する印刷条件の設定を行なうプリンタドライバ部を備えたコンピュータとを有する印刷システムであって、
前記コンピュータのプリンタドライバ部は、印刷用紙の用紙種類を特定しない印刷条件を設定可能であり、
前記印刷装置は、
前記給紙機構にセットされた印刷用紙のサイズおよび用紙種類の設定を前記給紙機構毎に記憶する用紙設定記憶部と、
前記印刷用紙の用紙種類を特定しない印刷条件が設定されると、複数枚の印刷を行なう印刷処理の途中で、使用している給紙機構で用紙切れが発生した場合に、セットされている用紙種類にかかわらず、同じサイズの印刷用紙がセットされている給紙機構に使用する給紙機構を変更して引き続き給紙を行なうことで前記印刷処理を継続させる給紙制御部とを備えることを特徴とする印刷システム。
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