JP2004025814A - インクジェット記録装置、及び端末装置 - Google Patents

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井野 直亮
Takamaro Yamashita
山下 隆麿
Shinji Tabata
田端 伸司
Takeshi Nishimura
西村 猛
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Abstract

【課題】実際の記録媒体のインク吸収性に応じた適切な乾燥時間で印字後のインクを乾燥する。
【解決手段】インクジェット記録装置10では、予めユーザのコントロールパネル90の操作により記録用シート材に応じた乾燥レベルを設定してEEPROM116に記憶しておき、端末装置82から印字が指示された場合にはこの乾燥レベルに従った乾燥時間で印字を行う。また、端末装置82側でインクジェット記録装置10に対して印字指示を行う際に、プリンタドライバにより、乾燥レベルとして「本体優先」、「高」、「中」、「低」を指定可能とし、「本体優先」が指定された場合は、インクジェット記録装置10側に設定されている乾燥レベルに従った乾燥時間で印字が行われるが、「高」、「中」、「低」の何れかが指定された場合には、インクジェット記録装置10側の設定をキャンセルして、端末装置82側で指定された乾燥レベルに従った乾燥時間で印字を行う。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録装置、及び端末装置に係わり、特に、画像データに基づいて記録媒体にインクを吐出し、前記記録媒体上に画像を記録して排出するインクジェット記録装置、及びこのインクジェット記録装置と接続され、前記インクジェット記録装置に対して画像データに基づく画像の記録を指示する端末装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像データに基づいて、インク滴を記録用紙やOHPシートなどの記録媒体に吐出し、記録媒体上に画像を記録するインクジェット記録装置では、印字直後のインクの速乾性、すなわち吐出されたインクが記録媒体内へ速やかに吸収されることが要求される。近年、高速に記録媒体に吸収されるインクが開発され、また記録媒体の改良により、瞬時にインクを吸収できるようになってきている。
【0003】
速乾性が向上したといっても、記録媒体によっては、印字後、数秒から数十秒経過しないとインクが十分乾燥しないものもあり、連続して複数枚の記録媒体に印字する場合、前の記録媒体上のインクが十分に乾燥する前に、次の記録媒体が印字されて前の記録媒体上に重なるように排出され、前の記録媒体の未乾燥のインクが次の記録媒体に付着して汚れてしまうといった不具合が生じることがある。
【0004】
このため、従来より、十分な乾燥時間が得られるまで印字速度や次のページの印字開始を送らせる技術が提案されている。例えば、特許第2693227号には、記録密度の高低により必要とされる乾燥時間が異なることに着目して、前のページにおける記録密度の高い領域の位置に応じた時間だけ、次の用紙への記録動作を保留する技術が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、インクの吸収速度は、記録媒体の性質や環境温度などに依存する。すなわち、印字後のインクの乾燥に要する時間は、例えば同じ普通紙と分類される記録用紙であってもメーカ毎に異なり、同一の記録媒体を用いても装置の使用環境によっても異なる。
【0006】
従来技術のように記録紙の種別に寄らずに一律に乾燥時間を設定すると、ユーザによって使用する記録媒体や装置の使用環境が異なるため、乾燥が不足したり、逆に必要以上に乾燥時間がとられ、ユーザの待ち時間が長くなってしまうという問題があった。
【0007】
本発明は上記問題点を解消するためになされたもので、実際の記録媒体のインク吸収性に応じた適切な乾燥時間で印字後のインクを乾燥することができるインクジェット記録装置、及び端末装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、画像データに基づいて記録媒体にインクを吐出し、前記記録媒体上に画像を記録して排出するインクジェット記録装置であって、前記記録媒体に吐出したインクの乾燥時間を表す乾燥レベルを設定するための設定手段と、前記設定手段から設定された前記乾燥レベルを記憶する記憶手段と、前記記録媒体に対する記録処理における経過時間を計測する計測手段と、前記計測手段による計測結果が前記記憶手段に記憶されている前記乾燥レベルに応じた時間になるまで、記録媒体に対する記録処理を待機するように制御する制御手段と、を有することを特徴としている。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、乾燥レベルを設定するための設定手段を設けたことにより、ユーザが任意に乾燥レベルを設定することができ、この設定結果は記憶手段に保持される。インクジェット記録装置では、制御手段により、印字する記録媒体を取り出してインクを吐出して画像を記録して排出する、という一連の記録処理における経過時間が、記憶手段に記憶されている乾燥レベルに応じた時間になるまで、記録処理を待機させることで、乾燥レベルに応じて記録媒体の排出時間間隔、すなわち乾燥時間を調整する。
【0010】
これにより、ユーザは、例えばインクジェット記録装置で実際に記録媒体に画像を記録した記録結果などから、実際の記録媒体のインク吸収性を確認して、該インク吸収性に応じて、設定手段から乾燥レベルを設定したり変更したりすることで、記録媒体の排出時間間隔を調整することができ、実際の記録媒体のインク吸収性に応じた適切な乾燥時間で印字後のインクを乾燥することができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、端末装置と伝送線を介して接続され、前記端末装置からの指示により画像データに基づいて記録媒体にインクを吐出し、前記記録媒体上に画像を記録して排出するインクジェット記録装置であって、前記記録媒体に吐出されたインクの乾燥時間を表す乾燥レベルを設定するための設定手段と、前記設定手段から設定された前記乾燥レベルを記憶する記憶手段と、前記端末装置から送出された、前記記録手段に記録されている乾燥レベル、及び該端末装置で指定された乾燥レベルの何れか一方を指定する指定情報を受信する受信手段と、前記記録媒体に対する記録処理における経過時間を計測する計測手段と、前記指定情報に基づいて、指定された乾燥レベルを選択し、前記計測手段による計測結果が、該選択した前記乾燥レベルに応じた時間になるまで、記録媒体に対する記録処理を待機するように制御する制御手段と、を有することを特徴としている。
【0012】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のインクジェット記録装置と接続され、前記インクジェット記録装置に対して画像データに基づく画像の記録を指示する端末装置であって、前記記録手段に記録されている乾燥レベルの指定、又は乾燥レベルの指定を行うための指定手段と、前記指定手段による指定結果を表す指定情報を前記インクジェット記録装置へ向けて送信する送信手段と、を有することを特徴としている。
【0013】
次に、請求項2に記載のインクジェット記録装置を請求項3に記載の端末装置と共に説明する。
【0014】
インクジェット記録装置は、乾燥レベルを設定するための設定手段を備えており、この設定手段からユーザが任意に乾燥レベルを設定することができる。ユーザは、例えばインクジェット記録装置で実際に記録媒体に画像を記録した記録結果などから、実際の記録媒体のインク吸収性を確認して、該インク吸収性に応じて、設定手段から乾燥レベルを予め設定しておくことができ、この設定結果は記憶手段に保持される。
このインクジェット記録装置とネットワークや所定のケーブルなどの伝送線を介して接続された端末装置は、インクジェット記録装置の記録手段に記録されている乾燥レベルの指定、及び乾燥レベルの指定の何れか一方を行うための指定手段を備えており、この指定手段によりユーザが任意に指定を行うことができる。なお、指定手段は、請求項4に記載されているように、初期値として、記録手段に記録されている乾燥レベルが指定されるようにするとよい。
【0015】
端末装置では、指定手段により指定が行われると、送信手段により、該指定結果を示す指定情報がインクジェット記録装置へ送信される。
【0016】
インクジェット記録装置では、この端末装置から送信された指定情報を受信手段により受信し、記録媒体にインクを吐出して画像を記録する際に、制御手段により、受信した指定情報に基づいて、指定された乾燥レベルを選択し、一連の記録処理における経過時間が、選択した乾燥レベルに応じた時間になるまで、記録処理を待機させることで、乾燥レベルに応じて記録媒体の排出時間間隔、すなわち乾燥時間が調整される。すなわち、端末装置側の指定手段の指定により、インクジェット記録装置側で設定されている乾燥レベルと、該端末装置で指定した乾燥レベルとの何れを優先して、乾燥時間を調整するのかを設定することができる。
【0017】
これにより、インクジェット記録装置側で設定されている乾燥レベルを優先すれば、前述したように、予め装置側では実際の記録媒体のインク吸収性に応じて乾燥レベルが設定されているので、記録媒体に適した乾燥時間で画像を記録することができる。また、通常よりも速く印字したい場合や逆に遅く印字したい(乾燥時間を長くしたい)場合は、指定手段で所望の乾燥レベルを指定すれば、該所望の乾燥レベルに応じて記録媒体の乾燥時間を調整されるので、端末装置のユーザ毎、或いは記録する画像毎(ジョブ毎)に、乾燥時間を微調整することもできる。
【0018】
なお、上記請求項1、2に記載のインクジェット記録装置においては、制御手段では、連続して排出される記録媒体の排出時間間隔を調整できればよく、例えば、次の記録媒体に対する一連の記録処理における所定のタイミングで、前の記録媒体に対する一連の記録処理における所定タイミングから乾燥レベルに応じた時間が経過するまで待機させてもよい。同一の記録媒体に対する一連の記録処理における所定タイミングで処理を待機させてもよい。このときの経過時間の計測を開始するタイミングと、記録処理を待機するタイミングは、一連の記録処理における何れのタイミングでよく、例えば、記録媒体をトレイなどから取り出す給紙タイミング、記録媒体に対してインクを吐出して画像の記録を開始するタイミング、画像の記録を終了したタイミング、記録密度の高い領域の記録を終了したタイミング、記録後の記録媒体の排出を開始するタイミングなどが挙げられる。
【0019】
【発明の実施の形態】
<第1の実施の形態>
次に、図面を参照して本発明に係る実施形態の1例を詳細に説明する。本実施の形態に係るインクジェット記録装置10は、ネットワークに接続して用いて、プリントシステムを構築することができるようになっている。
【0020】
詳しくは、図1(A)に示すように、このプリントシステム80は、インクジェット記録装置10及び複数の端末装置82をインターネットやLANなどで構成されたネットワーク84に接続して構成され、インクジェット記録装置10により、ネットワーク84を介して端末装置82からの印字指示を受付け、受け付けた印字指示により指示された画像データに基づく画像を記録媒体に記録するようになっている。また、図1(B)に示すように、このインクジェット記録装置10は、所定のケーブル(パラレルケーブルなど)86により端末装置82と接続し、該端末装置82からの印字指示に基づいて画像を記録媒体に記録する端末装置82の周辺機器として用いることも可能である。
【0021】
次に、図2、3を参照して、インクジェット記録装置10の構成を詳細に説明する。
【0022】
図2に示すように、このインクジェット記録装置10は、記録装置本体12と、この記録装置本体12の下方に配設されたトレイユニット14と、を有している。記録装置本体12とトレイユニット14とは、それぞれ、上下に配置されたハウジング16、18内に配置されている。ハウジング16、18は一体成形されていてもよいが、別体で形成されたものを後工程で一体化してもよい。
【0023】
記録装置本体12には、図2の矢印M方向に沿ってシャフト20が配置されており、キャリッジ22の挿通孔24にシャフト20が挿通されている。キャリッジ22は、図示しない駆動装置によって、シャフト20の長手方向に沿って移動(主走査)される。
【0024】
キャリッジ22には、サブインクタンク26と、このサブインクタンク26に貯留されたインクを画像データに応じて、記録媒体としての記録用シート材30(図3参照)に吐出するインクジェット記録ヘッド28とが搭載されている。サブインクタンク26及びインクジェット記録ヘッド28の数は特に限定されず、例えば1つずつであってもよいが、本実施形態では4つとし、それぞれにブラック(Bk)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を対応させることで、いわゆるフルカラーの画像を記録することができるようにしている。また、サブインクタンク26とインクジェット記録ヘッド28とは同数とされて、一対一に対応している。
【0025】
キャリッジ22の移動方向一端側には、インク補給装置32が配置され、さらにその下方には、メインインクタンク34が配置されている。メインインクタンク34には、インクジェット記録装置10で使用されるインクが、各色ごとに分けられてあらかじめ貯留されており、このインクは、サブインクタンク26内のインク量が一定量以下に減少すると、インク補給装置32によって、サブインクタンク26に補給されるようになっている。
【0026】
インク補給装置32には、サブインクタンク26のそれぞれに対応したインク補給ユニット36が設けられている。キャリッジ22がインク補給位置(図2に示す位置)となった状態で、補給されるインクに対応した特定のインク補給ユニット36がサブインクタンク26の側面26Sに向かって前進し、インク補給ユニット36とサブインクタンク26とが接続される。
【0027】
また、インク補給装置32にはポンプ38が設けられており、インク補給ユニット36とサブインクタンク26とが接続された状態でポンプ38が駆動されると、特定のメインインクタンク34のインクがインク補給ユニット36によって、対応するサブインクタンク26に補給される。
【0028】
インク補給位置に位置しているキャリッジ22の下方には、メンテナンス装置40が設けられている。メンテナンス装置40は、インクジェット記録ヘッド28の底面28B側から、キャッピングやダミージェット、余剰インクの吸引等のメンテナンス動作を行う。このメンテナンス動作により、インクジェット記録ヘッド28は、ノズル内でのインクの乾燥やノズルの目詰まり等が解消され、常にインク滴の吐出に最適な状態に維持される。メンテナンス装置40によってインクジェット記録ヘッド28のメンテナンス動作が行われるときのキャリッジ22の位置(メンテナンス位置)は、インク補給位置と同一位置とされている。
【0029】
メンテナンス装置40の下方には、排出インクタンク42が設けられれている。排出インクタンク42には、メンテナンス装置40によるメンテナンス動作で排出されたインク(排出インク)が貯留される。また、排出インクタンク42は、インクジェット記録装置10を平面視したとき(すなわち上方から見たとき)、メンテナンス装置40と略同サイズに形成されており、メンテナンス装置40よりも外側に張り出すことがない形状とされている。
【0030】
ハウジング16の下方に配置されたハウジング18内には、トレイユニット14が設けられている。トレイユニット14は、複数のトレイ50が上下方向に積層されることで構成されており、各トレイ50は、それぞれ略箱状に形成された、いわゆるボックストレイとされている。それぞれのトレイ50には、例えば特定のサイズの記録用シート材30を装填可能とされており、インクジェット記録装置10全体として、複数のサイズの記録用シート材30に対応しているが、もちろん、各トレイ50に同サイズの記録用シート材30を装填してもよい。また、それぞれのトレイ50には複数枚の記録用シート材30を積載することができるようになっている。
【0031】
なお、本実施形態のインクジェット記録装置10によって画像が記録される記録用シート材30としては、インクジェット記録ヘッド28から吐出されたインク滴が着弾可能なものであれば特に限定されない。例えば、従来から一般的に使用されている記録用紙の他に、いわゆるOHPシート等も記録用シート材30に含まれる。
【0032】
また、インクジェット記録装置10には、トレイ50に収納された記録用シート材30を1枚ずつ取出して搬送する搬送装置88(図4参照)が設けられている。
【0033】
詳しくは、図2示すように、各トレイ50には、該トレイ50に装填された記録用シート材30を1枚ずつ取り出して送出す送出しローラ52が設けられており、ハウジング16内には、送出された記録用シート材30をインクジェット記録ヘッド28による印字位置Pまで案内する案内プレート54と、この案内プレート54に沿って記録用シート材30を搬送する搬送ローラ56と、画像記録後の記録用シート材30を、ハウジング16に設けられた排出トレイ62へと搬送する排出ローラ58とが設けられている。搬送装置88は、これら送出しローラ52、案内プレート54、搬送ローラ56、及び排出ローラ58を含んで構成されている。
【0034】
従って、送出しローラ52によってトレイ50から取出された記録用シート材30は、これらの案内プレート54に案内されながら搬送ローラ56によって搬送される。そして、インクジェット記録ヘッド28からインク滴の吐出をしつつ、キャリッジ22が移動してインクジェット記録ヘッド28が主走査され、さらに記録用シート材30が搬送ローラ56によって送られて副走査されることで、記録用シート材30上に所望の画像が形成される。画像が記録された記録用シート材30は、排出ローラ58によってさらに搬送され、ハウジング16に設けられた排出トレイ62上に排出される。
【0035】
ハウジング18と排出トレイ62の間には、サブトレイ60がハウジング16に対して着脱可能に設けられている。このサブトレイ60にも、トレイ50と同様の送出しローラ(図示省略)が設けられており、積載された記録用シート材を送り出すことができる。
【0036】
また、ハウジング16の上面には、ユーザインタフェースとして、液晶表示板からなる表示パネル上にタッチパネルが重ねられた構成の小型のコントロールパネル90が設けられている。ユーザは、このコントロールパネル90を操作することにより、インクジェット記録装置10の各種設定を行うことができる。特に、本発明に係るものとして、各トレイ50やサブトレイ60毎に収容されている記録用シート材(用紙)の種類やサイズを設定する用紙設定や、乾燥レベルを設定することができるようになっている。すなわち、このコントロールパネル90が本発明の設定手段に対応する。
【0037】
具体的に、設定可能な記録用シート材の種類としては、普通紙、官製ハガキ、専用紙(コート紙、OHP、光沢紙、光沢ハガキ)、バナ−紙、封筒、アイロンプリント紙などが挙げられ、用紙サイズには、A4、B5、A5、A6、レター、リーガル、ハガキサイズなどが挙げられ、また数値設定により任意にサイズを設定することもできる。本実施の形態では、一例として、記録用シート材の種類には、普通紙、コート紙、光沢紙の中から何れかを選択して設定するようになっている。
【0038】
また、乾燥レベルは、複数段階に切換え可能であればよく、本実施の形態では、記録用シート材の種類毎に、高/中/低の3段階の中から何れか1つを選択して設定することができるようになっている。
【0039】
また、インクジェット記録装置10は、ハウジング16内に、該インクジェット記録装置10全体の動作を司る制御部100を備えており、上記したキャリッジ22、インクジェット記録ヘッド28、インク補給装置32、メンテナンス装置40及び搬送装置88はこの制御部100により制御される。以下、図4を参照して、インクジェット記録装置10の電気系の構成(主に本発明に係る部分のみ)を説明する。
【0040】
図4に示すように、インクジェット記録装置10の制御部100は、上記したインクジェット記録ヘッド28と、搬送装置88を駆動するための紙送りモータ102と、キャリッジ22を主操作方向に移動させるためのキャリッジスキャンモータ104と、コントロールパネル90と、接続されている。
【0041】
また、制御部100は、コントロールパネル90の表示を制御すると共に、コントロールパネル90を介してユーザにより設定された各種設定情報を入力するためのコントロールパネルインタフェース106と、インクジェット記録ヘッド28を駆動するためのヘッドドライバ108と、紙送りモータ102及びキャリッジスキャンモータ104を駆動するためのモータドライバ110と、ネットワーク84(又は所定のケーブル86)を介して端末装置82と各種情報の送受信を制御する通信インタフェース112と、所定のタイミングからの経過時間を計測する計測手段としてのタイマー114と、ユーザにより設定された各種設定情報を記憶する記憶手段としてのEEPROM116と、予め各種プログラムや所定データ等の情報が記憶されたROM118と、主としてワークメモリとして用いられるRAM120と、該制御部の動作を制御するCPU122と、を備えて構成されている。
【0042】
CPU122は、コントロールパネルインタフェース106、ヘッドドライバ108、モータドライバ110、通信インタフェース112、及びタイマー114と接続され、且つ、RAM120、ROM118、及びEEPROM116ともバス124により相互に接続されている。CPU122は、コントロールパネルインタフェース106又は通信インタフェース112からの入力情報に応じて、ROM118から適宜プログラムを読み出して、該制御部100の各部の動作を制御する。
【0043】
詳しくは、CPU122は、コントロールパネルインタフェース106を介して、各種情報を設定するための設定画面をコントロールパネル90に表示させると共に、該設定画面からユーザにより設定された設定情報が入力され、この設定情報をEEPROM116に記録する。したがって、各トレイ50やサブトレイ60に収納されている記録用シート材30の種類やサイズの設定情報が、乾燥レベルの設定情報と共にEEPROM116に記録される。
【0044】
また、CPU122には、ネットワーク84(又は所定のケーブル86)を介して端末装置82から送信されてきた印字指示情報が通信インタフェース112を介して入力される。この印字指示情報は、印字する画像データと共に、高画質(画質優先)/標準/高速(速度優先)といった印字モードや、画像を印字する記録用シート材30(又は印字する記録用シートが収納されているトレイ50又はサブトレイ60)を指定する各種の指定情報を含んで構成されている。なお、記録用シート材30は、その種類及びサイズで指定される。
【0045】
CPU122は、この印字指示情報に基づいて、ヘッドドライバ108、モータドライバ110へ制御信号を出力して、インクジェット記録ヘッド28、搬送装置88、及びキャリッジ22の動作を制御するようになっている。
【0046】
具体的には、本実施の形態のCPU122は、印字指示情報を解析し、該指示情報で指定された記録用シート材30をトレイ50又はサブトレイ60から取りだして、画像データに基づく画像を印字し、印字後の記録用シート材30を排出トレイ62へ排出するといった一連の記録処理が行われるように、ヘッドドライバ108、モータドライバ110へ制御信号を出力する。
【0047】
また、CPU122は、該指示情報で指定された記録用シート材30(又は指定された記録用シート材30が収容されているトレイ)に対して設定された乾燥レベルをEEPROM116から読み出し、ROM118に予め記憶されている乾燥レベルと乾燥時間の対応関係を示す乾燥時間テーブル130を参照して、読み出した乾燥レベルに応じた時間(以下、待ち時間)だけ、所定のタイミングから処理を待機させる制御信号をヘッドドライバ108、モータドライバ110へ出力する。このときの待ち時間の計測には、タイマー114を用いる。すなわち、CPU122が、本発明の制御手段として機能する。
【0048】
ここで、乾燥時間テーブル130は、以下の表1に一例を示すように、記録用シート材30の特定のサイズにおける記録用シート材30の種類及び印字モード毎に乾燥レベル(高/中/低)に応じた待ち時間を示すものであり、ROM118には、各記録用シート材サイズ毎に複数の乾燥時間テーブル130が記憶されている。なお、表1は、A4サイズの乾燥時間テーブル130を示している。
【0049】
【表1】
Figure 2004025814
【0050】
すなわち、端末装置82からの印字指示情報により指定された記録用シート材30の種類やサイズ及び印字モードと対応して、予めインクジェット記録装置10に設定されている乾燥レベルに応じて、待ち時間が設定されるようになっている。
【0051】
この待ち時間は、より詳しくは、前の記録用シート材30に対するインクジェット記録ヘッド28による印字が終了してから次の記録用シート材30に対するインクジェット記録ヘッド28による印字開始までの時間であり、CPU122では、次の記録用シート材30上における印字領域先端(印字を行う領域の副走査方向先頭)がインクジェット記録ヘッド28による印字位置Pに到達するまで該次の記録用シート材30を搬送して、直ちに印字開始可能な状態(印字スタンバイ)にして処理を待機するように制御する。これにより、乾燥レベルに応じて、記録用シート材30の排出時間間隔、すなわち乾燥時間を調整することができる。
【0052】
なお、本実施の形態では、次の記録用シート材30に対する印字を開始する際に、前の記録用シート材30に対する印字終了後から乾燥レベルに応じた待ち時間が経過するまで待機するようにしたが、本発明はこれに限定されるものではない。一連の記録処理の途中で乾燥レベルに応じた待機時間を設けて、連続して排出される記録媒体の排出時間間隔を調整することができればよい。
【0053】
すなわち、本実施の形態のように、次の記録媒体に対する一連の記録処理における所定のタイミングで、前の記録媒体に対する一連の記録処理における所定タイミングから乾燥レベルに応じた時間が経過するまで待機させてもよいし、同一の記録媒体に対する一連の記録処理における所定タイミングで処理を待機させてもよい。このときの経過時間の計測を開始するタイミングと、記録処理を待機するタイミングは、一連の記録処理における何れのタイミングでよく、例えば、記録媒体をトレイなどから取り出す給紙タイミング、記録媒体に対してインクを吐出して画像の記録を開始するタイミング、画像の記録を終了したタイミング、記録密度の高い領域の記録を終了したタイミング、記録後の記録媒体の排出を開始するタイミングなどが挙げられる。
【0054】
例えば、次の記録用シート材のトレイ50又はサブトレイ60からの取り出しを、前の記録用シート材をトレイ50又はサブトレイ60から取出してから乾燥レベルに応じた待ち時間だけ待機してもよいし、次の記録用シート材30に対する印字開始を、前の記録用シート材における記録密度の高い領域の印字終了してから乾燥レベルに応じた待ち時間だけ待機するようにして、記録密度の高い位置によっても乾燥時間が調整されるようにしてもよい。また、記録用シート材30に対して印字を終了した後、該印字終了した記録用シート材30の排出を開始する前に、乾燥レベルに応じた時間だけ待機するようにしてもよい。
【0055】
一方、端末装置82には、ディスプレイなどの表示装置と、キーボードやマウスといった操作入力装置を備えた一般的なパーソナルコンピュータを用いることができ、ハードウェア構成の説明は省略する。端末装置82は、図1に示すように、ネットワーク84又はケーブル86を介して各種情報を送受信するための通信インタフェース94を備え、且つインクジェット記録装置10へ印字指示を行うためのプリンタドライバ(プログラム)92がインストールされている。
【0056】
このプリンタドライバ92は、ユーザにより操作入力装置が操作されてプリント要求が入力された場合に実行され、印字モードや、印字する記録用シート材30(又は印字する記録用シート材が収容されているトレイ)などの各種の設定を行うための設定画面を該端末装置82の表示装置に表示し、且つユーザによる操作入力装置の操作によりこの設定画面から各種の設定がなされたら、該設定結果に基づいて指定情報を生成する。そして印字する画像データをインクジェット記録装置10で解析可能な言語(PDL)で記述されたデータに変換し、変換後の画像データを指定情報と共に印字指示情報として、通信インタフェース94からインクジェット記録装置10へ向けて送出するようになっている。
【0057】
次に、本実施の形態の作用を説明する。
【0058】
本実施の形態に係るインクジェット記録装置10では、コントロールパネル90を操作することにより、ユーザは、各トレイ50に装填されている記録用シート材30の種類やサイズを設定すると共に、その乾燥レベルを予め設定しておく。
【0059】
ここで、図5に、乾燥レベル設定のためにコントロールパネル90に表示される設定画面の一例を示す。この設定画面200は、図5(A)に示すように、乾燥レベルを入力するための入力欄202が設けられており、ユーザが入力欄202の隣に設けられたメニュー表示指示入力部(「▼」印部分)204を押圧すると、図5(B)に示すように、プルダウン形式で選択可能な項目として「高」、「中」、「低」の乾燥レベルを表示したメニュー206が表示されるようになっている。ユーザが、表示されたメニュー206の項目の中から所望の乾燥レベルを示す項目を押圧して選択すると、選択された乾燥レベルが入力欄202に自動的に記入され、乾燥レベルがユーザに選択されたものに設定される。なお、この設定画面200は、タブ208が押圧されることで、記録用シート材30の種類やサイズを設定するための設定画面(図示省略)にコントロールパネル90の表示が切り替わり、記録用シート材30の種類やサイズを設定するすることができるようになっている。
【0060】
前述したように、同じ種類に分類される記録用シート材であっても、インクの吸収性は該シート材のメーカなどによって異なるため、ユーザは、テスト印字を行うなどして、例えば、トレイ50に装填されている記録用シート材30のインクの吸収性がよければ、コントロールパネル90に表示された設定画面200から乾燥レベルを「低」に設定し、インクの吸収に時間がかかれば、乾燥レベルを「高」に設定する。
【0061】
このようにして、ユーザのコントロールパネル90の操作により設定された乾燥レベルを含む各種の設定内容を示す設定情報は、EEPROM116に記憶され、たとえインクジェット記録装置10の電源がOFFされても設定された設定情報は保持されるようになっている。
【0062】
ユーザは、所望の画像データに基づく画像を印字したい場合、端末装置82の操作入力装置を操作して、該印字したい画像データのプリント要求を入力する。このプリント要求を受けて、端末装置82ではプリンタドライバ92が起動され、印字モードや、印字する記録用シート材30(又は印字する記録用シート材が収容されているトレイ50)などの各種の設定を受け付ける。そして、ユーザにより操作入力装置が操作されて各種設定が行われたら、該設定結果に基づいて指定情報を生成し、印字したい画像データをインクジェット記録装置10で解析可能な言語に変換し、印字指示情報として変換後の画像データ及び指定情報をインクジェット記録装置10へ向けて送出する。
【0063】
なお、端末装置82は、インクジェット記録装置10から各トレイ50に装填されている記録用シート材30の種類やサイズの情報を取得し、何れのトレイ50にも装填されていない記録用シート材30の種類やサイズが設定された場合には、サブトレイ60に該設定した種類及びサイズの記録用シート材30を装填するように促すとよい。このときの各トレイ50に装填されている記録用シート材30の種類やサイズの情報は、前述の如くEEPROM116に記憶されている設定情報を用いればよい。
【0064】
この端末装置82から送信された印字指示情報は、インクジェット記録装置10の通信インタフェース112により受信される。そして、インクジェット記録装置10では、通信インタフェース112により印字指示情報を受信すると、CPU122により図6に示す印字制御ルーチンが開始される。
【0065】
すなわち、図6に示すように、端末装置82から印字指示情報を受信すると、まずステップ300において、受信した印字指示情報に含まれる指定情報を解析し、ステップ302で、EEPROM116に記憶されている各トレイの用紙設定情報を参照して、印字の際に記録用シート材30を取出すトレイ50に、該指定情報で指定された種類及びサイズの記録用シート材30が収容されているトレイ50を決定する。
【0066】
そして、次のステップ304で、このトレイ50に装填されている記録用シート材30(すなわち指定情報で指定された印字する記録用シート材)に対して設定されている乾燥レベル(高/中/低)をEEPROM116から読出し、ステップ306でROM118に記録されている乾燥時間テーブルを参照して、該記録用シート材30の種類及びサイズと、指定情報で指定された印字モード(高画質/標準/高速)とに対応し、且つEEPROM116から読み出した乾燥レベルに応じた待ち時間を決定する。
【0067】
例えば、指定情報において、印字する記録用シート材30としてA4サイズの普通紙が指定され、高速モードが指定されており、EEPROM116において乾燥レベルが「中」に設定されていた場合、表1で示した乾燥時間テーブル130により、待ち時間は17秒に決定される。
【0068】
次のステップ308では、モータドライバ110を介して紙送りモータ102の駆動し、搬送装置88による記録用シート材30の搬送を開始する。すなわち、搬送装置88により、前述のステップ302で決定したトレイ50から記録用シート材30が1枚取出され、取出された記録用シート材30は、搬送ローラ56によって搬送されつつ案内プレート54に案内され、該記録用シート材30上における印字領域先端がインクジェット記録ヘッド28による印字位置Pに至り、印字スタンバイ状態となる。
【0069】
そして、次のステップ310で、1ページ分の印字処理を開始する。詳しくは、ヘッドドライバ108を介してインクジェット記録ヘッド28を駆動し、且つ所定のタイミングによりモータドライバ110を介してキャリッジスキャンモータ104及び紙送りモータ102を駆動して、キャリッジ22の移動及び記録用シート材30の搬送を行う。これにより、インクジェット記録ヘッド28は、画像データに応じてインク滴を記録用シート材30に吐出しつつ、キャリッジ22の移動により主走査する。また、1回の主走査が終了する毎に、搬送ローラ56(又は搬送ローラ56と排出ローラ58)が記録用シート材を所定量だけ搬送し、副走査する。これらの動作が繰り返されることで、該記録用シート材30に所望の画像が記録される。
【0070】
該記録用シート材30への印字が終了したら、次のステップ312からステップ314に進み、タイマー114をリセットして、該記録用シート材30に対する印字終了からの経過時間の計測を開始すると共に、ステップ316でモータドライバ110を介して紙送りモータ102を駆動して、排出ローラ58により該印字終了した記録用シート材30を搬送して、排出トレイ62上に排出する。
【0071】
そして、端末装置82から受信した印字指示情報が複数枚の印字を指示するものであり、まだ次のページの印字が残っている場合は、該次のページの印字を行うために、次のステップ318からステップ320に進む。
【0072】
ステップ320では、モータドライバ110を介して紙送りモータ102の駆動し、搬送装置88により、トレイ50から次の記録用シート材30を1枚取出して、該記録用シート材30上における印字領域先端がインクジェット記録ヘッド28による印字位置Pに至るまで搬送して、印字スタンバイ状態とする。
【0073】
その後、タイマーにより計測している経過時間が、前述のステップ306で決定した待ち時間になるまで、印字スタンバイ状態のまま処理を待機し、該待ち時間が経過したら、次のステップ322からステップ310に戻り、上記と同様に、次の記録用シート材30に対して印字処理がなされ、印字処理が終了したらタイマーが再びリセットされると共に、印字終了した記録用シート材30は排出トレイ62へ排出され、前の記録用シート材30の上に次の記録用シート材30が積載される。
【0074】
このような処理を繰返し行い、端末装置82から受信した印字指示情報で指示された全てのページの印字が終了したら、ステップ318で肯定判定されてこの印字制御ルーチンを終了する。
【0075】
このように、第1の実施の形態に係るインクジェット記録装置10では、ユーザが記録用シート材30の実際のインクの吸収性に応じて乾燥レベルを選択して設定することができ、印字指示情報に基づいて印字を行う際には、この設定された乾燥レベルに応じて待ち時間を設け、印字後の記録用シート材30の排出時間間隔を調整するようになっている。これにより、実際の記録用シート材30のインク吸収性に応じた適切な乾燥時間で印字後のインクを乾燥することができる。
【0076】
<第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態として、端末装置82においてインクジェット記録装置10に設定されている乾燥レベルを一時的に変更可能とした場合を説明する。なお、第2の実施の形態では、第1の実施の形態と同一の部材については、同一の符号を付与してここでは説明を省略し、第1の実施の形態と異なる部分のみ説明する。
【0077】
第2の実施の形態は、端末装置82のプリンタドライバ92で、乾燥レベルを指定可能とした点が第1の実施の形態と異なり、プリンタドライバ92が本発明の指定手段として機能する。具体的には、端末装置82においてプリンタドライバ92を起動すると、図7に一例を示すような設定画面400が表示装置に表示される。
【0078】
この設定画面400は、乾燥レベルを入力するための入力欄402が設けられており、ユーザが入力欄402の隣に設けられたメニュー表示指示入力部(「▼」印部分)404を押圧すると、プルダウン形式で選択可能な項目として、「高」、「中」、「低」の乾燥レベルの他に、インクジェット記録装置10側の設定に従うことを表す「本体優先」も表示したメニュー406が表示されるようになっている。
【0079】
ユーザがこのメニュー406に表示された項目の中から所望の乾燥レベルを示す項目を押圧して選択すると、選択された乾燥レベルが入力欄402に自動的に記入されて、乾燥レベルがユーザに選択されたものに設定される。例えば、ユーザは、多少の汚れても早く印字結果が欲しい場合は、乾燥レベルを「低」に設定し、高密度の画像を印字する場合は、乾燥レベルを「高」に設定する。
【0080】
なお、本実施の形態では、「本体優先」が乾燥レベルの初期値として設定されており、自動的にインクジェット記録装置10側の乾燥レベルに従うようになっているので、ユーザは、通常時は、乾燥レベルの設定を意識せずにインクジェット記録装置10で印字することができる。
【0081】
なお、この設定画面400は、タブ408、410が押圧されることで、印字する記録用シート材30の種類やサイズを設定(用紙設定)するための設定画面(図示省略)や、印字モードを設定するための設定画面(図示省略)に該端末装置82の表示手段の表示が切り替わり、用紙設定や印字モード設定も行うことができるようになっている。
【0082】
したがって、第2の実施の形態では、端末装置82の通信インタフェース94からインクジェット記録装置10へ画像データと共に印字指示情報として送信される指定情報には、印字モードや印字する記録用シート材30などの指定情報の他に、本体優先/高/中/低の何れかを示す乾燥レベルの指定情報も含まれる。すなわち通信インタフェース94が本発明の送出手段として機能する。
【0083】
インクジェット記録装置10では、端末装置82から送信されたこのような印字指示を通信インタフェース112で受信する。すなわち、通信インタフェース112が本発明の受信手段として機能する。
【0084】
そして、インクジェット記録装置10では、通信インタフェース112により印字指示を受信すると、CPU122により図8に示す印字制御ルーチンが開始される。なお、図8では、図6と同一の処理については同一のステップ番号を付与しており、ここでは詳細な説明を省略する。
【0085】
すなわち、図8に示すように、受信した印字指示情報に含まれる指定情報を解析し(ステップ300)、印字の際に記録用シート材30を取出すトレイ50を決定した(ステップ302)後、ステップ350に進み、該指定情報で指定されている乾燥レベルが「本体優先」であるか否かを判断する。「本体優先」が指定されている場合は、ステップ350からステップ304に進み、トレイ50に装填されている記録用シート材30(すなわち指定情報で指定された印字する記録用シート材)に対して設定されている乾燥レベル(高/中/低)をEEPROM116から読出して、ステップ308で待ち時間を決定する。すなわち、インクジェット記録装置10側で設定されている乾燥レベルに従って、待ち時間が決定される。
【0086】
一方、「本体優先」以外の乾燥レベルが指定されている場合は、指定情報では「高」、「中」、「低」の何れかが指定されており、ステップ350からステップ352に進み、該指定情報で指定された乾燥レベルに応じた待ち時間を決定する。すなわち、インクジェット記録装置10側の乾燥レベルの設定をキャンセルして、端末装置82で指定された乾燥レベルに従って、待ち時間が決定される。
【0087】
このようにステップ306或いはステップ352で待ち時間を決定した後は、第1の実施の形態と同様の処理が行われ、記録用シート材30に順次各ページの画像が印字されていく。ただし、次のページの印字のために、次の記録用シート材30を取り出して印字位置Pまで搬送して印字スタンバイとした後、ステップ322では、前回の印字終了からステップ306或いはステップ352で決定した待ち時間が経過したら、ステップ310に戻り、該次の記録用シート材30に対する印字処理を行う。
【0088】
すなわち、第2の実施の形態では、図9に示す如く、インクジェット記録装置10側には、予めユーザのコントロールパネル90の操作により、各トレイ50に装填されている記録用シート材30に応じた乾燥レベルが設定されているが、端末装置82側でインクジェット記録装置10に対して印字指示を行う際に、プリンタドライバ92により、乾燥レベルを「本体優先」、「高」、「中」、「低」の何れかを指定することができるようになっている。そして、端末装置82側で「本体優先」が指定された場合は、インクジェット記録装置10側で設定されている乾燥レベルに従った乾燥時間で印字が行われるが、端末装置82側で「高」、「中」、「低」の何れかが指定された場合には、インクジェット記録装置10側の設定をキャンセルして、端末装置82側で指定された乾燥レベルに従った乾燥時間で印字が行うことができる。
【0089】
これにより、図1(A)に示した如くインクジェット記録装置10を複数の端末装置82とネットワーク84を介して接続し、複数の端末装置82各々を操作するユーザで、該インクジェット記録装置10を共通に使用する場合に、ユーザ毎に乾燥時間を微調整することができる。すなわち、ユーザによっては速く印字したい場合があり、このユーザは、端末装置82のプリンタドライバ92で乾燥レベルを「低」に指定して印字指示情報を送出すれば、指定した乾燥レベルが優先されて印字が行われるため、乾燥時間が短縮されて全体の印字時間が短くなる。このとき、他のユーザからの印字指示には影響を及ぼさないため、通常の乾燥レベルで印字したい他のユーザは通常の乾燥レベル、すなわちインクジェット記録装置10側の乾燥レベルで印字することができる。
【0090】
また、図1(B)に示した如くインクジェット記録装置10を端末装置82の周辺機器として使用する場合にも、印字指示毎に、乾燥時間を微調整可能であるという効果がある。
【0091】
また、端末装置82のプリンタドライバ92では、通常時は、乾燥レベルに「本体優先」が指定されるようになっており、インクジェット記録装置10側の乾燥レベルに従って印字が行われる。この場合、インクジェット記録装置10には、予めユーザのコントロールパネル90の操作により、各トレイ50に装填されている記録用シート材30に応じた乾燥レベルが設定してあるので、ユーザが乾燥レベルを意識せずとも、記録用シート材30に適した乾燥時間で印字を行なうことができる。言いかえると、端末装置82のユーザは、通常よりも速く印字したい場合や逆に遅く印字したい(乾燥時間を長くしたい)場合にのみ、プリンタドライバ92で乾燥レベルの設定作業を行えばよい。
【0092】
なお、図6及び図8では、1つの印字指示情報を受信した場合に行われる処理について説明したが、インクジェット記録装置10において、連続して複数の印字指示情報を受信し、これらの指示に基づく印字を連続して実行する場合には、各印字指示の最初のページの印字処理のスタンバイ状態となった時点で、前の印字指示の最後のページの印字終了から、該前の印字指示の処理の際に決定された待ち時間が経過するまで印字処理を待機するようにするとよい。
【0093】
例えば、図10に示すように、印字指示情報で指示された全てのページの印字が終了して、ステップ318で否定判定されたら、ステップ360に進み、タイマーにより計測している経過時間が、ステップ306で決定した待ち時間になるのを待ってから、印字制御ルーチンを終了するようにすればよい。なお、図10では、図6と同一の処理については同一のステップ番号を付与している。また、図10では、第1の実施の形態のように処理する場合、すなわち図6のステップ318で否定判定された後にステップ360に進むようにした場合を例に示したが、第2の実施の形態でも同様に、図8のステップ318で否定判定された後にステップ360に移行するようにすればよい。
【0094】
これにより、前の印字指示の最後のページの記録用シート材30のインクが乾燥されてから、次の印字指示の最初のページの記録用シート材30が排出されて、前の印字指示の最後のページの記録用シート材30の上に積載されるので、未乾燥のインクによる汚損を防止することができる。
【0095】
【発明の効果】
上記に示したように、本発明は、実際の記録媒体のインク吸収性に応じた適切な乾燥時間で印字後のインクを乾燥することができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)、(B)は、第1の実施の形態に係るインクジェット記録装置の接続構成例を示す図である。
【図2】第1の実施の形態に係るインクジェット記録装置を示す斜視図である。
【図3】第1の実施の形態に係るインクジェット記録装置の内部構成を示す概略正面図である。
【図4】第1の実施の形態に係るインクジェット記録装置の電気系の構成を示すブロック図である。
【図5】第1の実施の形態に係るインクジェット記録装置においてコントロールパネルに表示される乾燥レベルを設定するための設定画面の一例である。
【図6】第1の実施の形態に係るインクジェット記録装置のCPUにより実行される制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図7】第2の実施の形態に係るインクジェット記録装置と接続された端末装置で表示される乾燥レベルを設定するための設定画面の一例である。
【図8】第2の実施の形態に係るインクジェット記録装置のCPUにより実行される制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図9】第2の実施の形態に係るインクジェット記録装置で印字の際に設定される乾燥レベルを説明するための説明図である。
【図10】複数の印字指示情報を連続して処理する場合を想定した場合の図6の制御ルーチンの変形例である。
【符号の説明】
10 インクジェット記録装置
22 キャリッジ
28 インクジェット記録ヘッド
30 記録用シート材
50 トレイ
80 プリントシステム
82 端末装置
84 ネットワーク
86 ケーブル
88 搬送装置
90 コントロールパネル
92 プリンタドライバ
100      制御部
106      コントロールパネルインタフェース
108      ヘッドドライバ
110      モータドライバ
112      通信インタフェース
114      タイマー
130      乾燥時間テーブル
200      設定画面
400      設定画面
P   印字位置

Claims (4)

  1. 画像データに基づいて記録媒体にインクを吐出し、前記記録媒体上に画像を記録して排出するインクジェット記録装置であって、
    前記記録媒体に吐出したインクの乾燥時間を表す乾燥レベルを設定するための設定手段と、
    前記設定手段から設定された前記乾燥レベルを記憶する記憶手段と、
    前記記録媒体に対する記録処理における経過時間を計測する計測手段と、
    前記計測手段による計測結果が前記記憶手段に記憶されている前記乾燥レベルに応じた時間になるまで、記録媒体に対する記録処理を待機するように制御する制御手段と、
    を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 端末装置と伝送線を介して接続され、前記端末装置からの指示により画像データに基づいて記録媒体にインクを吐出し、前記記録媒体上に画像を記録して排出するインクジェット記録装置であって、
    前記記録媒体に吐出されたインクの乾燥時間を表す乾燥レベルを設定するための設定手段と、
    前記設定手段から設定された前記乾燥レベルを記憶する記憶手段と、
    前記端末装置から送出された、前記記録手段に記録されている乾燥レベル、及び該端末装置で指定された乾燥レベルの何れか一方を指定する指定情報を受信する受信手段と、
    前記記録媒体に対する記録処理における経過時間を計測する計測手段と、
    前記指定情報に基づいて、指定された乾燥レベルを選択し、前記計測手段による計測結果が、該選択した前記乾燥レベルに応じた時間になるまで、記録媒体に対する記録処理を待機するように制御する制御手段と、
    を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
  3. 請求項2に記載のインクジェット記録装置と接続され、前記インクジェット記録装置に対して画像データに基づく画像の記録を指示する端末装置であって、
    前記記録手段に記録されている乾燥レベルの指定、又は乾燥レベルの指定を行うための指定手段と、
    前記指定手段による指定結果を表す指定情報を前記インクジェット記録装置へ向けて送信する送信手段と、
    を有することを特徴とする端末装置。
  4. 前記指定手段は、初期値として、前記記録手段に記録されている乾燥レベルが指定されている、
    ことを特徴とする請求項3に記載の端末装置。
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