JP2009286160A - バックドア構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】リヤスポイラ10の取り付けを前提としたバックドア4の構成において、スポイラの取り付け構造の最適化を図る。
【解決手段】バックドア4のアウタパネル42の上端部に、外観面から凹陥する凹溝43を形成する。スポイラ10は、凹溝43内に取付固定されかつ、ルーフ面12に連続して車両後方へ拡がる上面を有する下側整流板7と、下側整流板7の上面との間で車両後方への空気流路を形成するように下側整流板に対し離されて配置された本体部51を有する上側整流板5と、を含む。上側整流板5は、その脚部52が下側整流板7の取り付け位置44〜47以外の位置48において凹溝43に対し固定されることにより、バックドア4に対し取り付けられ、上側整流板5及び下側整流板7は、凹溝43を覆ってバックドア上端部の外観面を構成する。
【選択図】図6

Description

本発明は、スポイラが取り付けられたバックドア構造に関する。
従来より、車両の空力特性の向上を目的として、車両後部にリヤスポイラを取り付けることが知られており、例えばハッチバックタイプの車両においては、車室の後部開口を開閉するバックドアの上端部に対して、車幅方向に延びるスポイラが取り付けられることになる。
こうしたスポイラは、同一車種であっても、そのグレードに応じて取り付けられたり、取り付けられなかったり、また、グレードに応じて形状の異なるスポイラ(種類の異なるスポイラ)が取り付けられたりする。このため通常は、スポイラ無しのバックドアを標準とし、その外観面に対して取り付け穴等の穴開け加工を施した上で、スポイラを取り付けるようにしている。従って、スポイラが取り付けられることによって隠れてしまう箇所も、外観面(化粧面)となるように予め加工されることになる。
尚、例えば特許文献1には、バックドアにリヤワイパのためのモータ等を内蔵させることを目的として、そのバックドアの上端部に、外観面から凹陥した凹部を予め形成しておき、その凹部内にモータを取り付けた後にスポイラ付きのパネルを取り付けることによって、当該凹部を覆い隠すようにした構造が開示されている。
特開2002−370626号公報
ところで、前述したようなスポイラ無しのバックドアを標準とし、その外観面に対し取り付け穴等の穴開け加工を施してスポイラを取り付ける構成は、全てのグレードに対してスポイラを取り付ける場合においては適切ではない。
また、グレードに応じて種類の異なるスポイラが取り付けられる場合においては、その各種類のスポイラを、美観を損なうことなく安定して固定される構造が求められる。例えば、車両の空力特性を向上させるために、ルーフ面に連続するような上面を有する下側整流板と、その下側整流板の上面との間で車両後方への空気流路を形成するように、当該下側整流板に対し離されて配置された本体部を有する上側整流板と、を含んだスポイラをバックドアに対して固定する場合、2つの整流板は間隔を空けて重なって配置されるため、それらを共に安定して固定するには工夫が必要である。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、リヤスポイラの取り付けを前提としたバックドアの構成において、スポイラの取り付け構造の最適化を図ることにある。
本発明の一側面によると、バックドア構造は、車両の前後方向に延びて車室上方を区画すると共に、前記車両の上面を構成するルーフ面を有するルーフと、前記ルーフの後側で車体に対し枢支されることにより前記車室の後端開口を開閉可能に区画するバックドアと、前記バックドアの上端部に対して、車幅方向に延びるように取り付けられたスポイラと、を備え、前記バックドアは、車室側に配置されるインナパネルと、車外側に配置されかつ前記バックドアの外観面を構成するアウタパネルと、を接合してなり、前記アウタパネルの上端部には、前記バックドアの外観面から凹陥すると共に、車幅方向に延びる凹溝が形成されており、前記スポイラは、前記凹溝内に取付固定されかつ、前記ルーフ面に連続して車両後方へ拡がる上面を有する下側整流板と、前記下側整流板の上面との間で車両後方への空気流路を形成するように当該下側整流板に対し離されて配置された本体部を有する上側整流板と、を含み、前記上側整流板は、前記本体部から前記凹溝に向かって延びる少なくとも1つの脚部をさらに有しており、当該上側整流板は、前記脚部が前記凹溝内における前記下側整流板の取り付け位置以外の位置において当該凹溝に対し固定されることにより、前記バックドアに対し取り付けられ、前記上側整流板及び下側整流板は、前記凹溝を覆って前記バックドア上端部の外観面を構成している。
この構成によると、バックドアにおける外観面を構成するアウタパネルには、その上端部に外観面から凹陥すると共に、車幅方向に延びる凹溝が予め形成されている。この凹溝はスポイラ取付用の凹溝であり、このような凹溝を予め形成しておくことによって、バックドアに対してスポイラを常に取り付ける車種として、適当な構成となる。
そうして、その凹溝に対して取り付けられるスポイラは、ルーフ面に連続する上面を有する下側整流板と、下側整流板に対し離されて配置される上側整流板と、を含んでおり、下側整流板は、凹溝内に取付固定される一方で、上側整流板は、その脚部が凹溝内における下側整流板の取り付け位置以外の位置において凹溝に対し固定されることにより、バックドアに対し取り付けられる。このことで、上側及び下側整流板をそれぞれ、凹溝内で棲み分けしつつ、上側及び下側整流板のそれぞれを凹溝に直接固定することで、両整流板をバックドアに対し安定して固定することが実現する。
また、凹溝は、上側整流板と下側整流板とによって覆われることにより、外観上現れなくなり、美観を損なうことなく、上側及び下側整流板の2つの整流板からなるスポイラが、バックドアの上端部に取り付けられる。
また、上側整流板を省略して、凹溝内に取付固定される整流板(前記の下側整流板に対応する整流板)のみを備えることも可能である。この場合、当該整流板によって凹溝の全域を覆うようにすればよい。このように、前記の凹溝を備えた構成は、種類の異なるスポイラそれぞれを、バックドアに安定して取り付けることが可能である。つまり、この構成は、グレードに応じて種類の異なるスポイラを、バックドアに取り付ける場合に対応し得る。
ここで、下側整流板は、ルーフ面に連続して車両後方へ拡がる上面を有しているため、ルーフ面に沿って流れる空気流れを、その上面に沿って車両後方へと流すことになる。そのため、この空気流れは、下側整流板の後端で剥がれることになる。これにより、ルーフ面に沿って流れる空気流は、バックドアの後端面から後方に離れた位置で流れることにより、ルーフ面に沿って流れる空気流と車両の側面に沿って流れる空気流とは、車両の後端面から後方に離れた位置で混ざり合うようになる。これにより、車両の後端面近傍での渦の発生が防止され、車両に対して作用する抗力が低減する。
一方、上側整流板は、下側整流板に対して離されて配置された、いわゆるフローティング型のスポイラであり、主に揚力特性の改善に寄与する。
従って、上側整流板と下側整流板とを備えたスポイラは、車両の抗力特性及び揚力特性を共に向上させる上で有効である。
前記上側整流板の脚部には、前記下側整流板に対して係合することによって当該上側整流板と下側整流板との間の相対的な位置決めをする位置決め部が形成されている、としてもよい。
こうすることで、上側整流板と下側整流板との位置決め精度が向上し、上側整流板及び下側整流板をバックドアに対して取付固定する際の作業性が向上する。それと共に、その取り付けが確実に行われて、取付力の向上が図られる。
前記上側整流板の脚部は、車幅方向に延びる前記本体部の両端それぞれに設けられ、前記下側整流板は、前記凹溝内における車幅方向の中央部に配設され、前記両脚部は、前記下側整流板における車幅方向の両端部をそれぞれ覆うように配置されかつ、前記バックドアの車幅方向の両側部それぞれに固定されている、としてもよい。
こうすることで、下側整流板の車幅方向の両端部それぞれを、上側整流板の脚部を利用して隠すことができ、美観処理の上で有効である。
また、下側整流板と、その下側整流板の上方位置に配置される上側整流板とは、その車幅方向の両側部において互いに結合されるようになるから、2つの整流板を含むスポイラの外観上の一体化が図られる。
さらに、上側整流板における幅広の両脚部を、車両の後端上部における車幅方向の両側部に配置することによって、ルーフ面に沿って流れる空気流れと車両の側面に沿って流れる空気流れとは、当該脚部を避けて、その脚部を挟んだ両側それぞれを流れるようになる。従って、ルーフ面に沿って流れる空気流れと車両の側面に沿って流れる空気流れとが、車両の後端面近傍において混ざり合うことが回避される。その結果、車両の後端面近傍での強い渦の発生が防止され、車両に対して作用する抗力が低減する。
以上説明したように、本発明によると、バックドアを構成するアウタパネルに対して凹溝を予め形成しておくことによって、バックドアに対してスポイラを常に取り付ける車種として適当な構成とすることができる。それと共に、その凹溝に対して、上側整流板と下側整流板とを含むスポイラを取り付ける構成として、凹溝内における下側整流板を外した位置に上側整流板の脚部を固定することにより、上側及び下側整流板をそれぞれ、凹溝内で棲み分けしつつ、それらを凹溝に対して直接固定することで、バックドアに対し安定して固定することができる。
また、上側整流板及び下側整流板によって凹溝を覆い隠すことによって、美観処理も同時に達成することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1〜5は、本発明に係るルーフスポイラ装置を備えた車両1の後部を示す。この車両1は、いわゆるハッチバックタイプの車両1であり、車両前後方向に延びて配設されかつ、車室上方を区画するルーフ11と、ルーフ11の後側に配設されかつ、ルーフ11と車幅方向両側のリヤフェンダ14,14とによって形成される車室の後端開口を開閉可能に区画するバックドア4と、を備えている。
前記ルーフ11は、例えば図13等にも示すように、バックドア4の一部と共に、車両1の上面を構成するルーフ面12を有しており、このルーフ面12は、図4に示すように、車両前後方向の中間部から後端に向かって所定の傾斜角度αで下向きに傾斜している。傾斜角度αは、例えば10°程度に設定すればよい。
バックドア4は、その上端部が、車幅方向に所定の間隔を空けて配置された一対のヒンジ15(図3,図15参照)を介して車体に対し枢支されており、これによってこのバックドア4は、車幅方向に延びる枢軸周りに回動することによって車室の後部開口を開閉する、いわゆる跳ね上げ式に構成されている。
図2等に示すように、バックドア4における相対的に上側の部分には、バックウインドウガラス40が取り付けられており、バックドア4とバックウインドウガラス40とによって、車両1の後端面(バックドア面13)が構成されている。
バックウインドウガラス40は、この実施形態では、車両を背面視(後面視)で見て、車幅方向に略水平に延びる上端縁と、上端縁の両端から下方に向かって延びる両側端縁と、各両側端縁の下端から車幅方向内方の下方に向かって傾斜して延びて車幅方向の中央位置において互いに連結する下端縁と、を含む略5角形状を有している。
バックドア4は、図13〜図17に示すように、車室側に位置するインナパネル41と車外側に位置するアウタパネル42との端縁同士を互いに接合することによって構成されており、その内部は中空とされている。アウタパネル42は、バックドア面13を構成するパネルであり、その外表面によって車両1の外観面が構成されることになる。
バックドア4には、図6に示すように、前記バックウインドウガラス40の略5角形状に対応する、略5角形状の開口401が形成されており、この開口401の部分に、バックウインドウガラス40が車両の後方側から嵌め込まれて固定されることで、当該バックウインドウガラス40がバックドア4に対して取り付けられることになる。具体的にバックウインドウガラス40は、その端縁部が、図13等に示すように、開口401を区画するアウタパネル42の周縁部に対して接着剤402により固定されている。尚、符号403は、アウタパネル42の開口周縁部の全周に亘って、接着剤402よりも開口401の内方側に配置され、それによって、接着剤402がバックウインドウガラス40の内方側に流れ出ることを防止するダム部403である。
この実施形態のバックドア4では、バックウインドウガラス40の両側端縁の外側それぞれに、その両側端縁に沿って上下方向に延びる外観面が、アウタパネル42により設けられている。しかしながらバックドア4の構成は、こうした構成に限定されるものではなく、例えばバックウインドウガラス40を車幅方向にさらに拡げるようにして、バックウインドウガラス40の両側端縁がバックドア4の車幅方向の両側縁に位置するような構成としてもよい。また、バックウインドウガラス40の形状についても特に制限がないことは言うまでもない。
この車両1におけるバックドア面13は、バックウインドウガラス40とバックドア4とによって構成されるため、車両1を側面視で見たときには、ルーフ面12の後端から、バックウインドウガラス40によってそのルーフ面12の傾斜角度αよりも急角度で下向きに傾斜した後に、アウタパネル42によって鉛直下向きに延びてリヤバンパ18に至ることになる(例えば図4参照)。
そして、図1〜5に示すように、このバックドア4におけるバックウインドウガラス40よりも上側の部分に、リヤスポイラ10が取り付けられている。このリヤスポイラ10は、それぞれ車幅方向に延びる、上側整流板5と下側整流板7とを含んで構成されている。この内、下側整流板7は、車幅方向の中央位置においてバックドア4に固定されているのに対し、上側整流板5は、下側整流板7に対して、後方の斜め上方位置に、この下側整流板7とは離されて配設されている。
図6に示すように、バックドア4のアウタパネル42には、バックウインドウガラス40の上端縁よりも上側の部分に、アウタパネル42の外観面から凹陥した凹溝43が形成されている。凹溝43は、バックドア4の車幅方向の中央から両側に向かってそれぞれ延びており、そのバックドア4上部の両側角部のそれぞれにおいて、上下方向に拡がっている。
この凹溝43内には、リヤスポイラ10(上側整流板5及び下側整流板7)を取り付けるための、複数の取付部が設けられている。具体的に取付部は、車幅方向の中央位置である第1取付位置に配置された第1取付部44と、第1取付部44よりも車幅方向の外方位置である第2取付位置に配置された第2取付部45,45と、第2取付部45よりもさらに車幅方向の外方位置である第3取付位置に配置された第3取付部46,46と、凹溝43の車幅方向の両側部における相対的に上側の位置である第4取付位置に配置された第4取付部47,47と、凹溝43の車幅方向の両側部における相対的に下側の位置である第5取付位置に配置された第5取付部48,48と、の合計9個の取付部を含んでいる。
図13に示すように、第1取付位置では、雄側ファスナ81及び雌側ファスナ811からなる結合手段によって、下側整流板7がバックドア4に対し取付固定される。つまり、第1取付部44は、アウタパネル42に対し板厚方向に貫通して形成された貫通孔内に、雌側ファスナ811が、後方の斜め上方を向くように固定されることにより構成されている。また第1取付位置においては、インナパネル41に対して板厚方向に貫通する貫通孔411が形成されている。この貫通孔411は、雌側ファスナ811を破壊して取り外すときに利用される孔である。
図14に示すように、第2取付位置では、スタッドボルト82及びナット821からなる締結手段によって、下側整流板7がバックドア4に対し取付固定される。第2取付部45は、アウタパネル42を板厚方向に貫通しかつ、前記スタッドボルト82が、後方から前方に向かって斜め下向きに挿通するボルト孔45によって構成されている。また、第2取付位置においては、インナパネル41に対して板厚方向に貫通する、比較的大径の作業孔412が形成されている。この作業孔412は、スタッドボルト82に対しナット821を締結するときの作業孔である。
図15に示すように、第3取付位置では、雄側ファスナ83及び雌側ファスナ831からなる結合手段によって、下側整流板7がバックドア4に対し取付固定される。第3取付部46は、第1取付部44と同様に、アウタパネル42に対し板厚方向に貫通して形成された貫通孔内に、雌側ファスナ831が、後方の斜め上方を向くように固定されることにより構成されている。また、第3取付位置においても、インナパネル41に対し板厚方向に貫通する貫通孔413が形成されている。尚、図15において、符号49は、インナパネル41とアウタパネル42との間に配設されかつ、ヒンジ15をバックドア4に固定するための補強用レインフォースメントパネルである。
図16に示すように、第4取付位置では、スタッドボルト552及びナット553からなる締結手段によって、下側整流板7と上側整流板5との双方がバックドア4に対して取付固定される。第4取付部47は、アウタパネル42を板厚方向に貫通しかつ、前記スタッドボルト552が、後方から前方に向かって斜め下向きに挿通するボルト孔47によって構成されている。また、第4取付位置においては、インナパネル41に対し、作業孔414が板厚方向に貫通して形成されている。尚、第4取付位置の付近(つまり、車幅方向の外側位置)は、インナパネル41の車室内方側にトリムが配設されないと共に、バックドア4を開けたときに外部に露出することから、前記作業孔414を閉塞するためのキャップ415が取り付けられている。また、図16において符号410は、インナパネル41とアウタパネル42との間に介設されかつ、バックドア4上部の両側角部を補強するためのレインフォースメントパネルである。
図17に示すように、第5取付位置では、ファスナ56からなる結合手段によって、上側整流板5がバックドア4に対して取付固定される。第5取付部48は、アウタパネル42を板厚方向に貫通しかつ、前記ファスナ56が、後方から前方に向かって斜め下向きに挿通する係合孔48によって構成されている。
下側整流板7は、図7に示すように、車幅方向に延びる細長い板状の本体部71と、本体部71における車幅方向の両端それぞれに設けられた取付部72,72と、を含んで構成されている。この内、本体部71は外部に露出する部分である一方、取付部72は、後述するように、上側整流板5の脚部52によって隠れることで、外部には露出しない部分である。
下側整流板7は、樹脂材を周知のブロー成形法によって成形してなり、図13〜15に示すように、その本体部71は、相対的に上側に配置される上壁部73と、上壁部73に対して相対して配置される下壁部74とを有する中空構造とされている。尚、下側整流板7における車幅方向の中央位置にハイマウントストップランプを内蔵するようにしてもよい。本実施形態では、ハイマウントストップランプは内蔵していない。
上壁部73は、図13〜15に示すように、この本体部71をバックドア4に取り付けた状態においては、その上面が下向きに傾斜したルーフ面12に対し連続して、バックドア4の上端縁から後方に向かって拡がるように構成されている。そうして、その上壁部73の後端は、バックウインドウガラス40の上端近傍において、そのガラス面(バックドア面13)に対し後方の上方に離れて位置している。
下壁部74は、前記上壁部73の後端から車両前後方向の前方に向かって斜め下向きに延びるように配設されており、これによって、下側整流板7の下面は、いわゆるネガ面となるように構成されている。
この下壁部74にはまた、バックドア4の凹溝43内において、前記第1〜第3取付部44〜46に取付固定される合計5個の固定部81〜83が形成されている。5個の固定部81〜83は、図11に示すように、下壁部74の裏面側に、車幅方向に並んで配設されている。
この内、第1固定部81は、車幅方向の中央位置である第1取付部44に固定される部分であり、図13に示すように、雄側ファスナ81によって構成されている。この雄側ファスナ81は、下壁部74の裏面に対し直交する方向である、前方の斜め下方に向かってその裏面から突出するように設けられている。この雄側ファスナ81は、下側整流板7の成形時に予め形成しておいた貫通孔内に、嵌合により固定されている。
第2固定部82は、第2取付部45に固定される部分であり、図14に示すように、スタッドボルト82によって構成されている。スタッドボルト82は、下側整流板7のブロー成形時に埋め込みによって下壁部74に固定されている。このスタッドボルト82はまた、後述する上側整流板5に埋め込まれたスタッドボルト552と比較して、長さが長いボルトとされており、前記の雄側ファスナ81と同様に、下壁部74の裏面から前方の斜め下方に向かって突出して設けられている。
第3固定部83は、第3取付部46に固定される部分であり、図15に示すように、第1固定部81と同じ種類の雄側ファスナ83によって構成されている。この雄側ファスナ83もまた、下側整流板7の成形時に予め形成しておいた貫通孔内に、嵌合により固定されることによって、下壁部74の裏面から前方の斜め下方に向かって突出して設けられている。
下側整流板7における、一対の取付部72,72は左右対称に形成されている。ここでは、車幅方向の左側に位置する取付部72を例に、その構成を具体的に説明する。
取付部72は、図8にも拡大して示すように、車幅方向の外方に向かって突出するように設けられた第1固定片75と、第1固定片75よりも車両前後方向の後方位置に設けられた第2固定片76と、本体部71における車幅方向の側壁部に対し、車幅方向の外方に向かって凸状となるように設けられた係合部77と、を含んでいる。
第1固定片75は、詳しくは後述するが、前記第4取付位置において、上側整流板5と共にバックドア4に固定される部分であり、板厚方向に貫通する取付孔751を有している。
第2固定片76は、上側整流板5に対して固定される部分であり、第1固定片75と同様に、板厚方向に貫通する固定孔761を有している。
係合部77は、詳しくは後述するが、上側整流板5の被係合部57に係合して、上側整流板5と下側整流板7との相対的な位置決めをする部分である。この係合部77は、車両前後方向の後方を向くように配設された略矩形状の当接面771と、この当接面771の上端縁に対し略直交して接合されることで上向きに配設された略三角形状の上面772と、当接面771の外側端縁に対して略直交して接合されることで車幅方向の外方向きに配設された略三角形状の横面773と、を含んでいる。
上側整流板5は、車幅方向に延びる本体部51と、その本体部51の車幅方向両端部に設けられる一対の脚部52,52とからなり、図2等に示すように、車両1を後面視で見たときに、車幅方向の中央部が両端部に比べて上向きに凸となったアーチ形状を有している。そして、上側整流板5の本体部51が、前述したように、下側整流板7に対して後方の斜め上方位置に、この下側整流板7とは離れて配設され、脚部52が、バックドア4の上部における両側角部のそれぞれに固定されている。この脚部52は、例えば図5に示すように、バックウインドウガラス40の両側端縁の外側それぞれに設けられた、アウタパネル42による外観面の上方に位置すると共に、そのバックドア4の車幅方向の両側部それぞれにおいて上下方向に比較的大きく拡がっている。
上側整流板5も、下側整流板7と同様に、樹脂材を周知のブロー成形法によって成形してなり、図13〜17に示すように、その本体部51は、相対的に上側に配置される上壁部53と、上壁部53に対して相対して配置される下壁部54とを有する中空構造とされている。そうして、この上側整流板5の本体部51は、横断面形状が翼型に形成されている。
図9は、上側整流板5の裏面側を上向きにして示す図であり、図の右側は、車幅方向の左側に対応し、図の左側は、車幅方向の右側に対応する。
一対の脚部52,52は左右対称に形成されている。ここでは、車幅方向の左側の脚部を例に、その構成を具体的に説明する。脚部52は、図10にも拡大して示すように、その裏面側に、下側整流板7の第1固定片75と係合すると共に、バックドア4の第4取付部47に対し固定される第4固定部55と、バックドア4の第5取付部48に対して単独で固定される第5固定部56と、下側整流板7の係合部77に対して係合する被係合部57と、下側整流板7の第2固定片76と係合して互いに固定される係合固定部58と、を含んでいる。
被係合部57は、前述したように、上側整流板5と下側整流板7とを略上下方向に重ね合わせたときに、下側整流板7の係合部77が係合することでその上側整流板5と下側整流板7との相対的な位置決めをする部分である。この被係合部57は、前記係合部77の当接面771に対して当接する被当接面571と、上面772及び横面773の部分が位置するように凹陥した凹部572と、を含んで構成されている。
係合固定部58は、上側整流板5と下側整流板7とを略上下方向に重ね合わせたときに、前記第2固定片76の上面が当接する当接面581と、その内部に埋め込まれたナット(図示省略)とから構成されている。ナットは、上側整流板5のブロー成形時に埋め込みにより内蔵され、そのねじ孔582は、前記当接面581上に開口している。
第4固定部55は、第4取付位置に相当する位置に設けられており、上側整流板5と下側整流板7とを略上下方向に重ね合わせたときに、第1固定片75の上面が当接する当接面551と、この当接面551から突出するスタッドボルト552(図16参照)とから構成されている。スタッドボルト552は、第1固定片75の取付孔751に内挿されるボルトであって、当接面551に対して直交するように、その当接面551から前方の斜め下方に向かって突出して設けられている。このスタッドボルト552は、上側整流板5のブロー成形時に埋め込みにより脚部52に固定されている。
第5固定部56は、第5取付位置に対応する位置に設けられており、図17に示すように、ファスナ56によって構成されている。このファスナ56は、前述の下側整流板7に取り付けられた雄側ファスナ81,83とは種類が異なり、第5取付位置に設けられた係合孔48に対し係合する爪を有している。つまり、ファスナ56の先端部が係合孔48を通過した後に爪が拡がって、その爪と係合孔48の周縁部とが係合することで、ファスナ56が係合孔48に対し固定されることなる。このような構成であるが故に、このファスナ56は、前記の雄側ファスナ81,83よりも、結合力が弱いファスナとなっている。尚、図9〜図12においては、爪の図示を省略してファスナ56を模式的に示している。
次に、上側整流板5及び下側整流板7の取り付け構造について、図13〜17を参照しながらさらに詳細に説明する。
先ず、図13に示すように、第1取付位置においては、下側整流板7に固定された雄側ファスナ81が、バックドア4のアウタパネル42に対して固定された雌側ファスナ811に対し内嵌されることにより、雄側ファスナ81と雌側ファスナとが互いに結合されて、下側整流板7がバックドア4に対し固定されている。
第2取付位置においては、図14に示すように、下側整流板7に固定されたスタッドボルト82が、バックドア4のアウタパネル42に形成されたボルト孔45内に挿通されると共に、アウタパネル42の内面から斜め下向きに突出するスタッドボルト82に対して、インナパネル41の作業孔412を通じてナット821を螺合させることによって、そのスタッドボルト82及びナット821の締結により、下側整流板7がバックドア4に対して固定されている。
第3取付位置においては、図15に示すように、第1取付位置と同様に、下側整流板7に固定された雄側ファスナ83が、バックドア4のアウタパネル42に対して固定された雌側ファスナ831に対し内嵌されることにより、雄側ファスナ83と雌側ファスナ831とが互いに結合されて、この下側整流板7がバックドア4に対して固定されている。
第4取付位置においては、図16に示すように、上側整流板5とバックドア4のアウタパネル42との間に下側整流板7の第1固定片75を挟んだ状態で、上側整流板5に固定されたスタッドボルト552が、取付孔751及びボルト孔47内を通って、アウタパネル42の内面から斜め下向きに突出しており、作業孔414を通じてナット553をスタッドボルト552に螺合させて共締めすることにより、上側整流板5及び下側整流板7がバックドア4に対して固定されている。
第5取付位置においては、図17に示すように、上側整流板5に固定されたファスナ56の爪が、バックドア4のアウタパネル42に対して形成された係合孔48に対して係合することによって、上側整流板5がバックドア4に対して固定されている。
次に、前記の構成の上側整流板5及び下側整流板7からなるリヤスポイラ10を、車両1に対して取り付ける際の手順について簡単に説明する。先ず、図11,12に示すように、上側整流板5に固定されているスタッドボルト552が、下側整流板7における第1固定片75の取付孔751に内挿されると共に、下側整流板7の係合部77が、上側整流板5の被係合部57に対して係合されるように、上側整流板5及び下側整流板7を略上下方向に重ね合わせる。そうして、係合部77の当接面771と、被係合部57の被当接面571とを互いに当接させることによって、上側整流板5と下側整流板7との相対的な位置決めが行われ、それによって、下側整流板7における第2固定片76の固定孔761と、上側整流板5における係合固定部58のねじ孔582とが互いに同軸となるようになる。そこに、下側整流板7の裏面側からボルト563を挿通させて締め込むことによって、上側整流板5と下側整流板7との相対的な位置を合わせた状態で、両整流板5,7を互いに固定する。
2つの整流板5,7を互いに固定した状態で、上側整流板5における車幅方向の両端に位置するファスナ56を、バックドア4の凹溝43における第5取付部(係合孔48)に挿入する。ファスナ56を係合孔48に挿入することだけで、ファスナ56は係合孔48に係合される。こうしてスポイラ10をバックドア4に対して、いわゆる仮止めの状態にする。
その後、第1及び第3の各取付位置において雄側ファスナ81,83及び雌側ファスナ811,831を互いに係合させると共に、第2及び第4の各取付位置において、スタッドボルト82,552及びナット821,553を互いに螺合させる。このことによって、スポイラ10がバックドア4に対して強固に固定されるようになる。
このように、上側整流板5及び下側整流板7の固定を、ファスナからなる結合手段と、スタッドボルト及びナットからなる締結手段と、の組み合わせによって行うことで、スポイラ10の取付作業を容易にしつつ、スポイラ10を強固に固定することが可能になる。
本実施形態に係る車両1においては、そのバックドア4のアウタパネル42に対して凹溝43を予め形成しており、バックドア4の上端部に対してスポイラを常に取り付ける車種として適当な構成にされている。本実施形態では、上側整流板5と下側整流板7とを含むスポイラ10を凹溝43内に取り付けているが、例えばアーチ状の上側整流板を含まないスポイラ(下側整流板7に相当する整流板のみ)を、凹溝43内に取付固定することも可能である。従って、グレードに応じて、種類の異なるスポイラを、同じバックドア4に対して取り付けることができる。
尚、前記のスポイラ10は、その上側整流板5は第4及び第5取付位置において、凹溝43に固定され、下側整流板7は第1〜第4取付位置において、凹溝43に固定されているが、下側整流板7に相当する整流板のみを凹溝43内に取付固定するときには、第1〜第5の全ての取付位置において、当該整流板を凹溝43に固定させればよい。
前記のスポイラ10は、上側整流板5と下側整流板7との2つの整流板を含んでいるが、この内、下側整流板7は凹溝43内に取り付け固定される一方で、上側整流板5は、その両脚部52が、凹溝43における下側整流板7を外した位置としての車幅方向の両側部に固定されることによって、バックドア4に固定されている。このように凹溝43は、上側整流板5及び下側整流板7の双方の整流板を固定するために兼用される部分とされており、上側及び下側整流板5,7をそれぞれ凹溝43内で棲み分けしつつ、上側及び下側整流板5,7をそれぞれ凹溝43に対し直接的に固定することによって、これらの整流板5,7をバックドア4に対し安定して固定することができる。
また、凹溝43は、上側整流板5及び下側整流板7によって覆い隠されるため、上側整流板5及び下側整流板7の固定と同時に、バックドア4の上端部の美観処理も達成することができる。
さらに、下側整流板7の車幅方向の両端部としての取付部72はそれぞれ、上側整流板5の両脚部52に覆われて隠れる。このように、上側整流板5を固定する機能を有する脚部52を利用して、下側整流板7の取付部72を隠すことにより、美観処理の効率化が図られる。また、アーチ状の上側整流板5と板状の下側整流板7とは、その車幅方向の両側部において互いに結合されるようになるから、両整流板5,7を含むスポイラ10の外観上の一体化を図ることができる。
また、上側整流板5に被係合部57を設け、下側整流板7に係合部77を設けて、その被係合部57及び係合部77を互いに係合させることによって、上側整流板5と下側整流板7との位置決め精度が向上し、上側整流板5及び下側整流板7をバックドア4に対して取付固定する際の作業性が向上する。それと共に、その取り付けが確実に行われて、取付力の向上が図られる。
次に、前記構成のリヤスポイラ10によって得られる車両1の空力特性について、図を参照しながら説明する。
図18は、本実施形態に係るリヤスポイラ10を備えた車両1についての、空気の流れを模式的に示している。同図によると、ルーフ11上の空気の流れは、後方に向かって下方に傾斜したルーフ面12に沿って、後方の下方に向かって流れる。これによって、車両1の後方における空気流れの乱れ幅が狭くなり、車両1に作用する抗力は低下する。
そして、ルーフ面12の後端部において、空気流れは、上側整流板5の上側を通って後方に流れる一方で、空気流れの一部は、上側整流板5と下側整流板7との間を通って後方に流れる。
上側整流板5と下側整流板7との間を通る空気流れは、その下側整流板7の上面に沿って流れる。前述したように、この下側整流板7の上面(上壁部73)は、ルーフ面12に連続するように後方の下方に向かって傾斜しているため、空気流れは、後方の下向きに流れた後に、下側整流板7の後端で剥離する。
下側整流板7の後端は、バックドア面13に対し後方の上方に離れて位置しているため、下側整流板7の後端で剥離した空気流れは、バックドア面13から後方に離れた位置を流れる。このように、下側整流板7は、ルーフ面12に沿う空気流れを、バックドア4のバックドア面13に沿って流すのではなく、そこから離して流す機能を有する。これにより、車両1の側面に沿って後方に流れる空気流れと、ルーフ面12に沿う空気流れとは、車両のバックドア面13の近傍では混ざり合わず、そこから後方に離れた位置で混ざり合うようになる。そうして、その2つの空気流れによって発生する渦V1が、車両1の後方に離れて発生することで、その車両1に作用する抗力はさらに低減する。
また、上下方向に大きく拡がる上側整流板5の脚部52が、車両1の後端上部における車幅方向の両側部に配置されることで、ルーフ面12に沿って流れる空気流れと車両1の側面に沿って流れる空気流れとは、その脚部52を避けて、脚部52を挟んだ両側それぞれを流れるようになる。このように、上側整流板5の脚部52によって、ルーフ面12に沿って流れる空気流れと車両1の側面に沿って流れる空気流れとが分け隔てることにより、2つの空気流れが、車両1の後端面近傍において混ざり合うことが回避される。このことによっても、渦V1の発生を車両の後方にずらすことができ、車両1に対して作用する抗力を低減させることができる。
一方、上側整流板5の上側を流れる空気流れは、この上側整流板5の上面が後方に向かって下方に傾斜していることから、後方の下方に向かって流れるようになる。従って、車両1の後方の上部付近における空気流れの乱れは小さくなる。このことにより、この車両1においては、その後方の上部付近における空気流れの乱れに起因する圧力低下が抑制される。このため、特に高速走行時における上向きの揚力が小さくなり、車両1の揚力特性が向上する。また、揚力特性の改善を車両後方の上部付近における空気流れの乱れを小さくすることによって達成しているため、車両1の抗力特性を悪化させることはない。
これに対し図19は、揚力特性の向上を目的とする一般的なリヤスポイラ100を取り付けた車両101における空気流れを模式的に示している。このリヤスポイラ100は、車幅方向の全幅に亘って延びると共に、バックドア4の上端部に対して後方の上方に離されて配置された、いわゆるフローティングタイプのリヤスポイラ100である。
このリヤスポイラ100は、その上面が後方に向かって所定角度で上向きに傾斜した、横断面翼形を有している。
この車両101では、ルーフ11上の空気の流れは、後方に向かって下方に傾斜したルーフ面12に沿って流れ、その後端部において、空気流れの一部は、リヤスポイラ100とバックドア4との間を通って後方に流れる一方、残りの大部分は、上側整流板5の上側を通って後方に流れる。
リヤスポイラ100の上側を流れる空気流れは、そのリヤスポイラ100の上面に当たることで、上向きに向きを変えて流れるようになる。これによって、車両1の後部には下向きの力が作用するようになる。
一方で、このリヤスポイラ100の後端において剥がれた空気流れによって、リヤスポイラ100、ひいては車両101の後方には、大きな渦V2が発生する。
また、ルーフ面12を後方に向かって下方に傾斜させていることによって、車両1の後方の空気流れの乱れ幅は狭くなる一方で、その空気流れと車両の側面に沿って流れる空気流れとが混ざり合うことによって、バックドア面13の近傍で比較的強い渦V3が発生する。
こうして、この車両101では、車両後方における空気流れの乱れは相対的に大きく、抗力特性は、本実施形態に係るスポイラ10を備えた車両1と比較して大幅に悪化する。一方で、スポイラ100によって発生する下向きの力によって、圧力低下に起因して車両の後部に作用する上向き揚力がキャンセルされるため、所定の揚力特性が得られる。
図20は、主に車両の抗力特性の向上を目的とする一般的なリヤスポイラ200を取り付けた車両201における空気流れを模式的に示している。このリヤスポイラ200は、バックドア4の上端部に対して取り付けられて、車幅方向の全幅に亘って延びている。
このリヤスポイラ200はさらに、その上面が、ルーフ面12の後端に連続して後方に向かって延びており、それによって、リヤスポイラ200の後端は、バックドア面13に対して後方の上方に離れて配置されている。
この車両201では、ルーフ11上の空気の流れは、後方に向かって下方に傾斜したルーフ面12に沿って流れる。これによって、車両201の後方における空気流れの乱れ幅を狭くする効果が得られる。また、空気流れは、そのルーフ11の後端からリヤスポイラ200の上面に沿って流れて、リヤスポイラ10の後端で剥がれる。こうして、空気流れは、バックドア面13からは後方に若干離れて流れるようになることで、そのバックドア面13から離れた位置で渦V4が発生することになる。
こうして、この車両201では抗力特性を向上させることができる一方で、高速走行時においては圧力降下に起因する上向き揚力が発生するため、揚力特性は相対的に低くなる。
このように本実施形態に係る車両1は、上側整流板5と下側整流板7とを含むリヤスポイラ10を備えることによって、図19に示す車両101とは異なり、抗力特性を悪化させることなく、図20に示す車両201と比較して大きく改善した揚力特性を得ることができる。その結果、この車両1は、揚力特性の向上に伴い後輪の接地性が高まることで、直進安定性が向上すると共に、抗力特性の向上により燃費が向上し、それらを両立させることができる。
尚、リヤスポイラ10の構成は、前記の構成には限定されない。例えば、前記のリヤスポイラ10では、車幅方向の両端部に脚部52を設けることによって、上側整流板5をアーチ状に形成しているが、これに限るものではない。上側整流板の脚部として、本体部51における車幅方向の中央位置や、それの近傍等に、1つ又は複数の脚部を追加してもよい。また、前記車幅方向両端部の脚部52を省略して、本体部51における車幅方向の中央位置や、それの近傍等に、1つ又は複数の脚部を設けてもよい。
その場合においては、下側整流板7において、前記上側整流板5の脚部に対応する位置それぞれに、当該脚部が貫通する穴を形成するか、または、その位置で下側整流板を複数に分割してもよい。そうすることによって、上側整流板5の脚部を、凹溝43内における下側整流板の取り付け位置以外の位置においてその凹溝43に対し固定しつつ、凹溝43を上側整流板5と下側整流板7とによって覆うことができる。
また、下側整流板7及び上側整流板5の断面形状に特に制限はなく、必ずしも横断面翼型にしなくてもよい。
さらに、横断面翼型の上側整流板における翼弦線(つまり、横断面における前端と後端とを結ぶ直線)が、車両前後方向の後方の下方に向かって傾斜するように、上側整流板を設けることによっても、上側整流板5の上面を後方の下方に向かって傾斜させた場合と同様の特性を得ることができる。
以上説明したように、本発明は、スポイラが取り付けられられるバックドア構造として有用である。
本発明の実施形態に係るリヤスポイラが取り付けられた車両の後部を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係るリヤスポイラが取り付けられた車両の後部を示す背面図である。 本発明の実施形態に係るリヤスポイラが取り付けられた車両の後部を示す平面図である。 本発明の実施形態に係るリヤスポイラが取り付けられた車両の後部を示す左側面図である。 本発明の実施形態に係るリヤスポイラが取り付けられた車両の後部を示す斜視図である。 バックドアの斜視図である。 下側整流板の斜視図である。 下側整流板の取付部を拡大して示す斜視図である。 上側整流板の裏面側を示す斜視図である。 上側整流板の脚部の裏面側を示す斜視図である。 上側整流板と下側整流板とを結合した状態を示す斜視図である。 上側整流板と下側整流板とを結合した状態における脚部付近を拡大して示す斜視図である。 図2のXIII−XIII端面図である。 図2のXIV−XIV端面図である。 図2のXV−XV端面図である。 図2のXVI−XVI端面図である。 図2のXVII−XVII端面図である。 本発明の実施形態に係るリヤスポイラが取り付けられた車両の後部における空気流れを模式的に示す図である。 揚力特性の向上を主目的としたリヤスポイラが取り付けられた車両の後部における空気流れを模式的に示す図である。 抗力特性の向上を主目的としたリヤスポイラが取り付けられた車両の後部における空気流れを模式的に示す図である。
符号の説明
1 車両
10 スポイラ
11 ルーフ
12 ルーフ面
4 バックドア
41 インナパネル
42 アウタパネル
43 凹溝
5 上側整流板
52 脚部
57 被係合部(位置決め部)
7 下側整流板
77 係合部

Claims (3)

  1. 車両の前後方向に延びて車室上方を区画すると共に、前記車両の上面を構成するルーフ面を有するルーフと、
    前記ルーフの後側で車体に対し枢支されることにより前記車室の後端開口を開閉可能に区画するバックドアと、
    前記バックドアの上端部に対して、車幅方向に延びるように取り付けられたスポイラと、を備え、
    前記バックドアは、車室側に配置されるインナパネルと、車外側に配置されかつ前記バックドアの外観面を構成するアウタパネルと、を接合してなり、
    前記アウタパネルの上端部には、前記バックドアの外観面から凹陥すると共に、車幅方向に延びる凹溝が形成されており、
    前記スポイラは、前記凹溝内に取付固定されかつ、前記ルーフ面に連続して車両後方へ拡がる上面を有する下側整流板と、前記下側整流板の上面との間で車両後方への空気流路を形成するように当該下側整流板に対し離されて配置された本体部を有する上側整流板と、を含み、
    前記上側整流板は、前記本体部から前記凹溝に向かって延びる少なくとも1つの脚部をさらに有しており、当該上側整流板は、前記脚部が前記凹溝内における前記下側整流板の取り付け位置以外の位置において当該凹溝に対し固定されることにより、前記バックドアに対し取り付けられ、
    前記上側整流板及び下側整流板は、前記凹溝を覆って前記バックドア上端部の外観面を構成しているバックドア構造。
  2. 請求項1に記載のバックドア構造において、
    前記上側整流板の脚部には、前記下側整流板に対して係合することによって当該上側整流板と下側整流板との間の相対的な位置決めをする位置決め部が形成されているバックドア構造。
  3. 請求項1又は2に記載のバックドア構造において、
    前記上側整流板の脚部は、車幅方向に延びる前記本体部の両端それぞれに設けられ、
    前記下側整流板は、前記凹溝内における車幅方向の中央部に配設され、
    前記両脚部は、前記下側整流板における車幅方向の両端部をそれぞれ覆うように配置されかつ、前記バックドアの車幅方向の両側部それぞれに固定されているバックドア構造。
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