JP2009284573A - 静電アクチュエータ - Google Patents

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Abstract

【課題】スルーホールを無くした3相電極パターンを有する3相駆動の静電アクチュエータを提供する。
【解決手段】固定子基材とその表面に形成した帯線状の電極とを有する固定子と、前記電極の電位に応じた電荷が誘起される移動子基材を有する移動子とを備える静電アクチュエータであって、固定子における帯線状の電極はU相電極、狭幅W相電極、V相電極、W相電極の順番に互いに平行となるように複数が配置され、複数のU相電極は一方の端部においてU相リード線に接続して一方接続の櫛形状パターンをなし、複数のV相電極は他方の端部においてV相リード線に接続して他方接続の櫛形状パターンをなし、複数の狭幅W相電極とW相電極は一方の端部と他方の端部を交互にU相リード線に接続して2つの櫛形状パターンの隙間を通る矩形波形状の線パターンをなすようにした静電アクチュエータ。
【選択図】 図1

Description

本発明は静電アクチュエータの技術分野に属する。特に、3相の電圧を印加することにより駆動を行う静電アクチュエータに関する。
静電アクチュエータの形態として、フィルムを利用して薄型とした静電アクチュエータの発明が公知である。たとえば、図5に示す構成を有する静電アクチュエータの発明が公知である(特許文献1)。この静電アクチュエータは、図5に示すように、固定子(1)はガラスエポキシ基板(3)の表面にエッチングにより形成した帯状電極(4)(たとえば1.27mm間隔で100本)と、その上に塗布したエポキシ樹脂(5)と、そのエポキシ樹脂上に積層されたフィルム(6),(7)(たとえば0.1mm厚さのPETフィルム)とからなる。また、移動子(10)はフィルム状の絶縁体層(11)(たとえば0.1mm厚さのPETフィルム)および高抵抗体層(12)(たとえば0.1mm厚さのPETフィルムに帯電防止剤を塗布し表面抵抗が1012〜1016Ω/□)からなる。
特開平2−285978 この従来の静電アクチュエータにおいては、図6に示すように、固定子(1)を構成する絶縁体(2)に埋め込まれた第1の電極郡、第2の電極郡、第3の電極郡から成る3つの電極郡を備えている。図6(a)に示すように、(第1の電極郡,第2の電極郡,第3の電極郡)に対して(+V,−V,0)を印加すると、始めは電荷が存在していなかった高抵抗体層(12)内に電流が流れ、高抵抗体層(12)と絶縁体層(11)の境界に電荷が誘導され、図6(b)に示すように、平衡状態になる。この状態で移動子(10)は固定子(1)に吸引されている。
次に、図6(c)に示すように、(−V,+V,−V)を印加すると、各電極内の電荷は瞬時に移動するが、高抵抗体層(12)に誘導された電荷は抵抗値が高いためすぐには移動できない。電極の電荷と高抵抗体層(12)の電荷(鏡像電荷)は同符号となるので、反発力が発生し、移動子(10)は浮上する。また、電極4c1の−電荷と電極4b1の上の高抵抗体層(12)の+電荷(鏡像電荷)は吸引し、電極4c1の−電荷と電極4a1の上の高抵抗体層(12)の−電荷(鏡像電荷)は反発するので、移動子は左右方向の駆動力を受けて、右に移動する。1ピッチ移動すると、図6(d)に示すように、電極の電荷とその上の高抵抗体層(12)の電荷(鏡像電荷)とが異極性となるので、吸引力が働き、移動子(10)はそこで停止する。
すなわち、(第1の電極郡,第2の電極郡,第3の電極郡)に対して、(+V,−V,0)→(−V,+V,−V)→(0,+V,−V)→(−V,−V,+V)→(−V,0,+V)→(+V,−V,−V)→(+V,−V,0)を1周期として繰返し印加すると移動子は右に移動し続けることが可能である。
このように、従来の静電アクチュエータはその固定子(1)に3つの電極郡を備えており、それら3つの電極郡の各々に対して3相の電圧の各々を印加することによって移動子(10)を固定子(1)に対して移動する構成を有している。
ところで、固定子の各電極郡は干渉しないようにする(電気的に接続しないようにする)ことが必須である。固定子に2つの電極郡を形成するときには固定子の片面だけの使用でそれらの電極郡が干渉しないようにすることが可能である。しかし、固定子に3つの電極郡を形成するときには、固定子の片面だけの使用ではそれらの電極郡の干渉を避けることができないと考えられていた。たとえば、従来の静電アクチュエータにおいては、図7に示すように、等を形成して固定子の両面を使用する配線パターンを形成することによってそれらの電極郡の干渉を避けることが一般的であった。
しかし、スルーホールを形成することは、電極パターンのコストを高くするという問題がある。また、ITO等による透明電極パターンにおいては接続の信頼性が低いため、透明なスルーホールを形成することができないという問題がある。
本発明は上記の問題を解決するために成されたものである。その目的は、スルーホールを無くした3相電極パターンを有する3相駆動の静電アクチュエータを提供することにある。
本発明の請求項1に係る静電アクチュエータは、固定子基材とその表面に形成した帯線状の電極とを有する固定子と、前記電極の電位に応じた電荷が誘起される移動子基材を有する移動子と、を備える静電アクチュエータであって、 前記固定子における前記帯線状の電極はU相電極、狭幅W相電極、V相電極、W相電極の順番に互いに平行となるように複数が配置され、複数の前記U相電極は一方の端部においてU相リード線に接続して一方接続の櫛形状パターンをなし、複数の前記V相電極は他方の端部においてV相リード線に接続して他方接続の櫛形状パターンをなし、複数の前記狭幅W相電極と前記W相電極は一方の端部と他方の端部を交互にW相リード線に接続して前記2つの櫛形状パターンの隙間を通る矩形波形状の線パターンをなすようにしたものである。
また、本発明の請求項2に係る静電アクチュエータは、請求項1に記載の静電アクチュエータにおいて、前記U相電極、前記V相電極、前記W相電極は等幅の電極であって、かつ等間隔で配置されるようにしたものである。
また、本発明の請求項3に係る静電アクチュエータは、請求項1または2に記載の静電アクチュエータにおいて、前記狭幅W相電極の幅は前記W相電極の幅に対して1/4以下であるようにしたものである。
本発明の請求項1に係る静電アクチュエータによれば、固定子基材とその表面に形成した帯線状の電極とを有する固定子と、前記電極の電位に応じた電荷が誘起される移動子基材を有する移動子と、を備える静電アクチュエータであって、 前記固定子における前記帯線状の電極はU相電極、狭幅W相電極、V相電極、W相電極の順番に互いに平行となるように複数が配置され、複数の前記U相電極は一方の端部においてU相リード線に接続して一方接続の櫛形状パターンをなし、複数の前記V相電極は他方の端部においてV相リード線に接続して他方接続の櫛形状パターンをなし、複数の前記狭幅W相電極と前記W相電極は一方の端部と他方の端部を交互にW相リード線に接続して前記2つの櫛形状パターンの隙間を通る矩形波形状の線パターンをなす。すなわち、2つの櫛形状パターンの間をぬうように第3の矩形波形状の線パターンが形成され、三つの群の電極(複数の電極)のいずれもスルーホールを介したリード線で接続する必要性がない。また、移動子の駆動における固定子の電極の有効度は電極の幅に依存しているから、狭幅W相電極が移動子の駆動に与える有効度は低く、他のU相電極、V相電極、W相電極の有効度は大きい。したがって、スルーホールを無くした3相電極パターンを有する3相駆動の静電アクチュエータが提供される。
また、本発明の請求項2に係る静電アクチュエータによれば、請求項1に記載の静電アクチュエータにおいて、前記U相電極、前記V相電極、前記W相電極は等幅の電極であって、かつ等間隔で配置される。U相電極、V相電極、W相電極が等幅の電極で等間隔に配置されたときには高い駆動効率を得ることができる。
また、本発明の請求項3に係る静電アクチュエータによれば、請求項1または2に記載の静電アクチュエータにおいて、前記狭幅W相電極の幅は前記W相電極の幅に対して1/4以下であるようにしたものである。狭幅W相電極が移動子の駆動に与える悪影響を十分に小さくすることができる。
次に、本発明の実施の形態について図を参照しながら説明する。本発明の静電アクチュエータにおける特徴的な構成は固定子における帯線状の電極のパターンにある。本発明の静電アクチュエータの固定子における電極のパターンの一例を図1、図2に平面図として示す。図1は主として電極の配置を示す図であり、図2は主として電極の寸法を示す図である。図1、図2において、12,13,14はU相電極、22,23,24は狭幅W相電極、32,33はV相電極、41,42,43はW相電極、100はU相リード線、300はV相リード線、400,401,402,403,404,405,406はW相リード線、a,b,c,・・・は電極の中心線、A,B,C,Dは電極の幅である。
U相電極12,13,14と、狭幅W相電極22,23,24と、V相電極32,33と、W相電極41,42,43とは、図1に示すように、平行となるように複数が配置されている。図1に示す一例においては、各電極について2〜3つの電極が図示されているが、固定子の面積に応じて決まるのであるが、多くの場合において数百程度の電極が配置される。
その配置の順番は、図1に示す一例においては、W相電極41,U相電極12,狭幅W相電極22,V相電極32,W相電極42,U相電極13,狭幅W相電極23,V相電極33,W相電極43、U相電極14、狭幅W相電極24の順番である。すなわち、U相電極、狭幅W相電極、V相電極、W相電極を1周期とする順番である。
なお、図1、図2に示す一例においては、電極は直線の平行電極であるが、直線ではなく正弦波型、三角波型、等であってもよい。ここで平行とは数学的に完全な平行を意味せず、並行し交差しないことを意味している。
U相リード線100はU相電極12,13,14に接続している。図1に示す一例において、U相リード線100は上下方向に延びる線であり、U相電極12,13,14は左右方向に延びる線として区別できる。その接続部分はU相電極12,13,14の一方の端部(図1に一例を示す図配置において左側の端部)である。したがって、U相電極12,13,14とU相リード線100からなるU相の電極は一方接続の(左側接続の)櫛形状パターンをなす。
同様に、V相リード線300はV相電極32,33に接続している。図1に示す一例において、V相リード線300は上下方向に延びる線であり、V相電極32,33は左右方向に延びる線として区別できる。その接続部分はV相電極32,33の他方の端部(図1に一例を示す図配置において右側の端部)である。したがって、V相電極32,33とV相リード線300からなるV相の電極パターンは他方接続の(右側接続の)櫛形状パターンをなす。
W相リード線400,401,402,403,404,405,406は、U相リード線100およびV相リード線300とは異なった形状を有している。U相リード線100およびV相リード線300は、図1に示すように、上下方向に延びる一本の線であるが、W相リード線400,401,402,403,404,405,406は、上下方向に延びる多数本の線の集合である。
W相リード線400は電極41の一方の端部(図1に一例を示す図配置において左側の端部)に接続する。W相リード線401は電極41の他方の端部(図1に一例を示す図配置において右側の端部)と狭幅W相電極22の他方の端部に接続する。W相リード線402は狭幅W相電極22の一方の端部と電極42の一方の端部とに接続する。W相リード線403は電極42の他方の端部と狭幅W相電極23の他方の端部に接続する。W相リード線404は狭幅W相電極23の一方の端部と電極43の一方の端部とに接続する。W相リード線405は電極43の他方の端部と狭幅W相電極24の他方の端部に接続する。W相リード線406は狭幅W相電極22の一方の端部に接続する。
このように、複数の狭幅W相電極とW相電極は一方の端部と他方の端部を交互にW相リード線に接続して2つの櫛形状パターンの隙間を通る矩形波形状の線パターンをなしている。
図2において、aはW相電極41の中心線、bはU相電極12の中心線、cはV相電極32の中心線、dはW相電極42の中心線、eはU相電極13の中心線、fはV相電極33の中心線、gはW相電極43の中心線、hはU相電極14の中心線、oは狭幅W相電極22の中心線、pは狭幅W相電極23の中心線、qは狭幅W相電極24の中心線である。
これら中心線の中で、W相電極41の中心線a、U相電極12の中心線b、V相電極32の中心線c、W相電極42の中心線d、U相電極13の中心線e、V相電極33の中心線f、W相電極43の中心線g、U相電極14の中心線hにおいて、隣接する中心線の間隔の各々は、図2に示す一例においては、すべて同一間隔である。すなわち、U相電極、V相電極、W相電極は等間隔で配置される。U相電極、V相電極、W相電極がに配置されたときには高い駆動効率を得ることができる。
また、U相電極12の中心線bと狭幅W相電極22の中心線oの間隔、狭幅W相電極22の中心線oとV相電極32の中心線cの間隔、U相電極13の中心線eと狭幅W相電極23の中心線pの間隔、狭幅W相電極23の中心線pとV相電極33の中心線fの間隔の各々は、図2に示す一例においては、すべて同一間隔である。言い換えると、U相電極12の中心線bとV相電極32の中心線cの間隔、およびU相電極13の中心線eと中心線fの間隔の半分の間隔である。すなわち、狭幅W相電極はU相電極とV相電極の中間に配置される。
図2において、AはU相電極の幅、Bは狭幅W相電極の幅、CはV相電極の幅、DはW相電極の幅である。U相電極の幅A、V相電極の幅C、W相電極の幅Dの各々は、図1に示すように、同一幅となっている。U相電極、V相電極、W相電極が等幅の電極であるときには高い駆動効率を得ることができる。
一方、狭幅W相電極の幅Bは、図1に示すように、U相電極の幅A、V相電極の幅C、W相電極の幅Dの各電極幅よりも小さな幅となっている。たとえば、狭幅W相電極の幅はW相電極の幅に対して1/4以下とすることができる。狭幅W相電極の幅をW相電極の幅に対して1/4以下とすると、狭幅W相電極が移動子の駆動に与える悪影響を十分に小さくすることができる。
静電アクチュエータにおける電極を形成した固定子の断面図を図3に示す。図3(A)は本発明の静電アクチュエータの断面図であり、図3(B)は従来の静電アクチュエータの断面図である。図3においては、固定子基材とその表面に形成された電極だけが示されている。図3(A)に示す本発明の静電アクチュエータにおいては、U相電極とV相電極との間に狭幅W相電極(W相電極の戻り)が存在する。また、U相電極、V相電極、W相電極の電極面積に対して狭幅W相電極の電極面積は小さい。一方、図3(B)に示す従来の静電アクチュエータにおいては狭幅W相電極そのものが存在しない。
固定子の表面に形成された電極に印加された電圧によって移動子の表面には電荷が生じ、その電荷と電極との相互作用(クーロン力)によって移動子が移動する。このときの相互作用の大きさは電極の面積に依存し、電極の面積が大きいと相互作用が大きく、電極の面積が小さいと相互作用が小さい。すなわち、電極面積の小さい狭幅W相電極による固定子と移動子との間の相互作用に対する影響は、電極面積の大きいU相電極、V相電極、W相電極による固定子と移動子との間の相互作用に対する影響と比較して小さい。したがって、図3(A)に示す電極パターンと図3(B)に示す電極パターンとの相違は僅かであって、両者はほとんど同等である。
本発明の静電アクチュエータの固定子は、上記の電極パターンを有する。このような電極パターンは、固定子基材の表面に形成される。すなわち固定子は、固定子基材と、その一方の表面に形成された電極とリード線を備える。また固定子は、それら電極とリード線の外面を電気的に絶縁するために固定子基材の表面、電極、リード線を被覆するように設けられた絶縁体(絶縁体層)を備えると好適である。また固定子は、移動子との接触面する面、たとえば絶縁体の表面または固定子基材の裏面には磨耗を防止するためのハードコート層を備えると好適である。また固定子と移動子との間で発生する摩擦力を軽減するために固定子と移動子との間に潤滑層を設けると、駆動の効率化、安定化、等において好適である。潤滑層としては流動体を使用することができる。
本発明の静電アクチュエータの固定子は、一例として上述の構成、すなわち固定子基材、電極とリード線、絶縁体、ハードコート層、潤滑層を順番に積層した構成とすることができる。次に、それらの構成の1つ1つについて説明する。
固定子基材はその表面に形成した電極の電極形状を保持するための基材となるフィルムである。固定子基材としては、電気的な絶縁性を有し、かつハンダ付における耐熱性を有するプラスチックフィルム、たとえばPI(PolyImide)フィルム、PET(PolyEthyleneTerephthalate)フィルム、PAI(PolyAmideImide)フィルム、等、あるいはプラスチックフィルムではない他の材料として、ガラス基板、ガラスエポキシ基板、紙フェノール基板、フッ素樹脂基板、コンポジット基板、等を使用することができる。
電極(リード線についても同様)は固定子基材の表面に形成された帯線状の電極である。電極はプリント回路を形成する周知の方法によって形成することができる。プリント回路の材料として銅箔とフィルムまたは基板を貼り合わせた銅貼フィルムが使用される。電極と固定子基材はその銅貼フィルムにおける銅箔の部分とフィルムの部分である。銅貼フィルムの銅箔面にエッチングレジストのパターンを形成してエッチングすることにより銅箔をパターン化することができる。帯線状の電極は、このパターン化した銅箔の部分として固定子基材の表面に形成される。
また、バックライトを透過させる等のために、電極として透明電極を必要とするときには、透明電極を形成する周知の方法によって電極を形成することができる。たとえば、ITO(酸化インジウム・スズ)を使用しスパッタリング、蒸着、等により基材に成膜しエッチングによりパターン化する、またはITOペーストをインキとし基材にスクリーン印刷して焼成する、等により透明電極を得ることができる。
絶縁体は電極の露出している側の表面を被覆する絶縁体である。電極の固定子基材に貼り付いている側の表面は、当然ながら、固定子基材よって被覆されており電気的な絶縁性が確保されている。絶縁体はその表面に対して反対側となる固定子基材と電極の表面に密着して形成される。
絶縁体は電気的な絶縁性を得るためだけではなく、固定子の全体の剛性を高くして変形を小さくし、移動子基材に対面する固定子基材の表面の平坦性を確保する働きを有している。
ハードコート層は固定子基材と移動子基材との摩擦による磨耗から、保護するためのハードコート層である。ハードコート層は固定子基材と移動子基材とが対向する側の固定子基材の表面に形成する。このハードコート層は、固定子基材の厚さを極めて薄くしたときには(たとえば、20μm以下)、静電アクチュエータの耐久性において特に顕著な効果を示す構成要件となる。ハードコート層としては、周知のハードコート層を適用することができる。たとえば、フィルムに熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、等を塗布して硬化させ形成したハードコート層を適用することができる。
潤滑層は固定子と移動子との間で発生する摩擦力を軽減するために固定子と移動子とが対面する(接触する)面の間に設けた潤滑層である。潤滑層を設けることにより駆動の効率性、安定性、等を向上させることができる。潤滑層としては流動体を使用することができる。たとえば、シリコーンオイル、フッ素系液体(たとえば、フロリナート(商標))、等の不活性かつ電気絶縁性を有する液体を使用すると好適である。また、滑り抵抗ではなく、潤滑層と同様の作用効果を有する直径20μm程度のビーズを使用し転がり抵抗としてもよい。
本発明の静電アクチュエータは、上述の固定子とともに移動子を基本的な構成要素とする。また、当然ながら、静電アクチュエータは電圧印加により動作(移動)するアクチュエータであるから電源部を必用とし、その動作を制御するときには制御部を必要とする。 移動子はすくなくとも移動子基材を有するが、その移動の利用形態よって様々な態様の構成要素が付加される。たとえば、移動子の移動方向や移動範囲を規制する案内要素、移動子の移動を静電アクチュエータの駆動力として取り出すための伝達要素、移動子を保護するためのカバー、等を付加することができる。
移動子基材は、電極の電位に応じた電荷が誘起されるフィルムである。移動子基材は、その表面に誘起された電荷と電極の電位とによって決まる電気力(クーロン力)が作用して移動を行う。そのような作用を生じるために、移動子基材は、電位に応じた電荷が誘起される物性と、その電荷を一定の時間だけは保持する物性を有している。この物性は移動子基材の表面抵抗率が関係しており、表面抵抗率が約1012〜1015Ω/□程度が好適である。
移動子基材としては、PET(PolyEthyleneTerephthalate)フィルム、PP(PolyPropylene)フィルム、PS(PolyStyrene)フィルム、PVC(PolyVinylChloride)フィルム、PVDC(PolyVinyliDeneChloride)フィルム、PE(PolyEthylene)フィルム、PA(PolyAmide)フィルム、PI(PolyImide)フィルム、PLA(PolyLacticAcid:ポリチックフィルムを使用することができる。このようなプラスチックフィルムの表面物性は表面処理に大きく影響されることがある。したがって、上記のプラスチックフィルムであっても表面抵抗率を最適化する表面処理を必要性とすることがある。また、上記に限定されず、コーティング処理、等によって表面抵抗率を最適化することにより他の材料を使用することもできる。また、静電対策していないざら紙などに適当な表面処理をしてもよい。
次に、本発明の静電アクチュエータにおける電源部と制御部について説明する。本発明の静電アクチュエータにおける電源部の構成の一例を図4に示す。図4において、1は入力器、2は制御器、3は高電圧電源、4は復号器、5は切替器であり、これらによって電源部が構成される。
入力器1は、制御部から制御の態様を指令する信号を入力し、制御器2に対してその信号を出力する部分である。すなわち、インタフェース、バッファ等の役割を有する部分である。その信号にはUP、DOWN、START、STOP、SPEEDが存在する。UPは移動子を上昇移行させる指令信号であり、DOWNは移動子を下降移行させる指令信号である。また、STARTは高電圧電源の電力供給を開始する指令信号であり、STOPは高電圧電源の電力供給を停止する指令信号である。また、SPEEDは3相交流における周波数を決定する指令信号である。
制御器2は入力器1から入力した指令信号に基づいて高圧電源3と復号器4を操作する操作信号を出力する制御器である。
高電圧電源3はグランドに対してプラス高電圧とマイナスの高電圧を出力する電源である。高電圧電源3は制御器2が出力する操作信号に基づいてプラス高電圧とマイナスの高電圧における出力電圧を変化することができる。出力電圧の範囲は、たとえば、200〜2000ボルト(V)である。
復号器4は、制御器2が出力する操作信号を切替器5を動作させる切替信号に複合化する。
切替器5は、復号器4が複合化する切替信号によって、高圧電源3の出力を切替える。その切替によって得られる出力は、たとえば、(1)3相正向進行波、(2)3相逆向進行波、(3)3つの出力をすべてプラス高電圧、(4)3つの出力をすべてマイナス高電圧、(5)3つの出力をすべてグランド(0電圧)のいずれかである。
本発明の静電アクチュエータの固定子における電極のパターンの一例を示す平面図(その1)である。 本発明の静電アクチュエータの固定子における電極のパターンの一例を示す平面図(その2)である。 静電アクチュエータにおける電極を形成した固定子の断面図である。 本発明の静電アクチュエータにおける電源部の構成の一例を示す図である。 従来の静電アクチュエータにおける構成の一例を示す図である。 従来の静電アクチュエータにおける動作の説明図である。 従来の静電アクチュエータの固定子における電極のパターンの一例を示す平面図である。
符号の説明
1 入力器
2 制御器
3 高電圧電源
4 復号器
5 切替器
12,13,14 U相電極
22,23,24 狭幅W相電極
32,33 V相電極
41,42,43 W相電極
100 U相リード線
300 V相リード線
400,401,402,403,404,405,406 W相リード線
a,b,c,・・・ 電極の中心線
A,B,C,D 電極の幅

Claims (3)

  1. 固定子基材とその表面に形成した帯線状の電極とを有する固定子と、前記電極の電位に応じた電荷が誘起される移動子基材を有する移動子と、を備える静電アクチュエータであって、
    前記固定子における前記帯線状の電極はU相電極、狭幅W相電極、V相電極、W相電極の順番に互いに平行となるように複数が配置され、複数の前記U相電極は一方の端部においてU相リード線に接続して一方接続の櫛形状パターンをなし、複数の前記V相電極は他方の端部においてV相リード線に接続して他方接続の櫛形状パターンをなし、複数の前記狭幅W相電極と前記W相電極は一方の端部と他方の端部を交互にW相リード線に接続して前記2つの櫛形状パターンの隙間を通る矩形波形状の線パターンをなすことを特徴とする静電アクチュエータ。
  2. 請求項1に記載の静電アクチュエータにおいて、前記U相電極、前記V相電極、前記W相電極は等幅の電極であって、かつ等間隔で配置されることを特徴とする静電アクチュエータ。
  3. 請求項1または2に記載の静電アクチュエータにおいて、前記狭幅W相電極の幅は前記W相電極の幅に対して1/4以下であることを特徴とする静電アクチュエータ。
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