JP4877150B2 - 印刷物 - Google Patents

印刷物 Download PDF

Info

Publication number
JP4877150B2
JP4877150B2 JP2007215497A JP2007215497A JP4877150B2 JP 4877150 B2 JP4877150 B2 JP 4877150B2 JP 2007215497 A JP2007215497 A JP 2007215497A JP 2007215497 A JP2007215497 A JP 2007215497A JP 4877150 B2 JP4877150 B2 JP 4877150B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet
electrode
printed matter
moving
fixed sheet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007215497A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009048038A (ja
Inventor
徳男 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2007215497A priority Critical patent/JP4877150B2/ja
Publication of JP2009048038A publication Critical patent/JP2009048038A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4877150B2 publication Critical patent/JP4877150B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Printing Methods (AREA)
  • Illuminated Signs And Luminous Advertising (AREA)

Description

本発明は特殊な印刷物の技術分野に属する。特に、立体的な動きを行なうことが可能でたとえばポスター等の広告掲示物に適用したときの表現性、注目性、意外性、訴求性、等に優れた印刷物に関する。
複数の表示シートが無限軌道体を移動することにより繰返表示を可能とする連続表示装置の発明が知られている(特許文献1)。この発明によれば、無限軌道体はシート電極と駆動電源とを備える。シート電極は、無限軌道体の長さ方向に対して略直角方向に延びた複数の電極Pu,Pv,Pwを形成し、所定間隔ごとに各電極Pu,Pv,Pwを繰返し接続し、無限軌道体の無限軌道に対して一体に形成した電極である。また、駆動電源はシート電極の各電極Pu,Pv,Pw に対して順次電圧を印加する電源である。表示シートはシート電極に対向配置され、表示シートにはシート電極の各電極Pu,Pv,Pw に対向する表面に電荷が誘起される。その誘起された電荷とシート電極の各電極Pu,Pv,Pw に駆動電源が順次印加する電圧によって、両者間に静電力を発生させる。そして、その発生した静電力によって表示シートは無限軌道を移動する。
また、透光量調整装置や広告装置として利用可能であり、装置全体を薄型に構成することが出来る静電アクチュエータ装置の発明が知られている(特許文献2)。この発明によれば、静電アクチュエータ装置は移動体と一対の透光ガラス板と透明板状体とインシュレータとを備える。移動体は3相の帯状電極が所定ピッチで平行に複数配設されたフィルムであって、所定間隔に対向配置された一対の透光ガラス板間に配置される。透明板状体は、帯状電極と直交する方向に折返された扁平なS字状断面をなす移動体の基端部を固定する。インシュレータは移動体の折返し重合部における基端部側と中間部との間に介設される。その構成において、3相の帯状電極に供給される電荷の極性変化に応じて移動体の折返し重合部における先端部側に伸縮駆動力を付与する。折返した移動体の伸縮により透光量調整や表示のためのフィルム移動が行なわれる。
特開平11−249598 特開平10−32987
しかしながら、この従来の方法においては、表示シート(移動体)は無限軌道(透光ガラス板)に密接したままで移動を行なう。すなわち、表示シート(移動体)の移動の態様は完全に想定されたものである。そのため、ポスター等の広告掲示物に適用したときには、従来から存在する他の駆動方式に基づく動きのある広告掲示物と大差ない印象を見る者に与えるだけであるという問題がある。
本発明は上記の問題を解決するために成されたものである。その目的は、移動シートは固定シートに密接したままではなく、固定シートから離れて立体的な動きを行なうことが可能でき、たとえばポスター等の広告掲示物に適用したときの表現性、注目性、意外性、訴求性、等に優れた印刷物を提供することにある。
本発明の請求項1に係る印刷物は、移動シートと、固定シートと、電源部と、制御部から成る印刷物であって、 前記移動シートはその面が前記固定シートの面に対向して移動可能に配置され、その対向面に前記固定シートの電極電位に応じた電荷が誘起され、その誘起された電荷と前記固定シートの電極電位との間に静電力が発生し、その発生した静電力によって前記固定シートに対して移動を行い、また前記対向面に対して反対面である表面に印刷が行なわれており、 前記固定シートはその面が前記移動シートの面に対向して配置され、その対向面に沿う方向に電極線の複数本が互いに平行となるように配列され、その複数本の電極線が前記配列の順序にしたがって3系統に統合接続されて3系統の各端子が設けられた電極郡を成し、その電極郡の複数個が存在し、 前記電源部は前記制御部の制御下において前記電極郡の各々に対して所定の電位を前記3系統の各端子から供給し、 前記制御部は前記電極郡の中で前記移動シートの対向する2つの辺における一方の辺部分に存在する電極郡に対して前記一方の辺部分を停止する制御を前記電源部に対して行い、前記電極郡の中で前記移動シートの対向する2つの辺における他方の辺部分に存在する電極郡に対して前記他方の辺部分を前記一方の辺部分の方向に移動する制御を前記電源部に対して行うようにしたものである。
また、本発明の請求項2に係る印刷物は、請求項1に係る印刷物において、前記固定シートは前記移動シートとの対向面に印刷が行なわれているようにしたものである。
また、本発明の請求項3に係る印刷物は、請求項1または2に係る印刷物において、前記一方の辺部分と前記他方の辺部分との間に存在する中央部分が前記固定シートの対向面から突出することを容易化する容易化手段を備えるようにしたものである。
また、本発明の請求項4に係る印刷物は、請求項3に係る印刷物において、前記容易化手段は前記制御部が前記電極郡の中で前記移動シートにおける前記中央部分に存在する電極郡に対して前記中央部分を持ち上げる制御を前記電源部に対して行う容易化手段であるようにしたものである。
本発明の請求項1に係る印刷物によれば、その印刷物は移動シートと、固定シートと、電源部と、制御部から成る。 移動シートはその面が固定シートの面に対向して移動可能に配置され、その対向面に固定シートの電極電位に応じた電荷が誘起され、その誘起された電荷と固定シートの電極電位との間に静電力が発生し、その発生した静電力によって固定シートに対して移動を行う。また、移動シートは対向面に対して反対面である表面に印刷が行なわれている。 固定シートはその面が移動シートの面に対向して配置され、その対向面に沿う方向に電極線の複数本が互いに平行となるように配列され、その複数本の電極線が配列の順序にしたがって3系統に統合接続されて3系統の各端子が設けられた電極郡を成し、その電極郡の複数個が存在する。 電源部は制御部の制御下において電極郡の各々に対して所定の電位を3系統の各端子から供給する。 制御部は電極郡の中で移動シートの対向する2つの辺における一方の辺部分に存在する電極郡に対して一方の辺部分を停止する制御を電源部に対して行い、電極郡の中で移動シートの対向する2つの辺における他方の辺部分に存在する電極郡に対して他方の辺部分を一方の辺部分の方向に移動する制御を電源部に対して行う。すなわち、移動シートは一方の辺部分が固定シートに停止しており、その一方の辺部分に対して移動可能な他方の辺部分が接近する移動を行なう。そのときにその対向する2つの辺に挟まれた中央部分は固定シートの面から離れて突出する変形を行なうことになる。したがって、移動シートは固定シートに密接したままではなく、固定シートから離れて立体的な動きを行なうことができ、たとえばポスター等の広告掲示物に適用したときの表現性、注目性、意外性、訴求性、等に優れた印刷物が提供される。
また、本発明の請求項2に係る印刷物によれば、請求項1に係る印刷物において、固定シートは移動シートとの対向面に印刷が行なわれている。したがって、固定シートにおける移動シートに隠されていない部分の印刷内容が移動シートの移動により変化をともなって表れ、移動シートの印刷内容と合わさって顕著な相乗効果を生じさせることができる。
また、本発明の請求項3に係る印刷物によれば、請求項1または2に係る印刷物において、一方の辺部分と他方の辺部分との間に存在する中央部分が固定シートの対向面から突出することを容易化する容易化手段を備える。したがって、対向する2つの辺の間に存在する中央部分は容易かつ確実に固定シートの面から離れて突出する変形を行なうことができる。
また、本発明の請求項4に係る印刷物によれば、請求項3に係る印刷物において、容易化手段は制御部が電極郡の中で移動シートにおける中央部分に存在する電極郡に対して中央部分を持ち上げる制御を電源部に対して行う容易化手段である。したがって、制御部と電源部における動作の態様として容易化手段を実現することができる。
次に、本発明の実施の形態について図を参照しながら説明する。本発明の印刷物における移動シートと固定シートの部分の構成と動作の一例を図1に示す。図1において、1は移動シート、2は固定シートである。
本発明の印刷物は、たとえば、ポスター等の広告掲示物に適用される印刷物であるが、一般的に知られている広告掲示を行なう媒体としての印刷物の部分が、本発明における移動シート1と固定シート2の部分に相当する。しかしながら、後述するように、本発明はそれら移動シート1と固定シート2の部分の構成においても、それらに動きを付与させるための電源部と制御部とを備えていることにおいても、一般的な印刷物とは相違する。広告掲示物には一枚の印刷物としてのポスターだけでなく、電池、モーター等を使用して動きを付与した広告掲示物がある。本発明の印刷物はそれらとは相違するものであって、枚葉(シート)の印刷物であるポスターが立体的な動きを行なう態様の印刷物である。
そこで、最初に、本発明の印刷物における移動シート1と固定シート2の部分の構成と動作の一例について、図1を参照して説明する。
移動シート1は、断面図として図1(A)に示すように、その面が固定シート2の面に対向して移動可能に配置されている。移動シート1には固定シート2の対向面に対して反対面である表面に印刷が行なわれている。固定シート2にも、移動シート1と同様に、移動シート1の対向面である表面に印刷を行なうことができる。すなわち、本発明の印刷物は移動シート1と固定シート2を重ね合わせた構成部分を備えており、その構成部分がポスターまたは広告掲示物として表示される領域となっている。
移動シート1は、固定シート2との間で静電力が働くことによって固定シート2に対して停止(静電固定)または移動を行なうことができる(その原理については後述する)。また、本発明の印刷物においては、その停止する位置や移動の方向は移動シート1の部分によって制御することができる。断面図として図1(B)に示すように、移動シート1の対向する2つの辺における一方の辺部分は静電固定されているから、その一方の辺部分は停止しており移動しない。また、移動シート1における中央部分には静電力が働かない。また、移動シート1における他方の辺部分は、一方の辺部分の方向に移動する静電力が働く。
すなわち、図1に示す一例においては、移動シート1における一方の辺部分に対して他方の辺部分が近づくように移動が行なわれる。この移動シート1の一方の辺部分に対して他方の辺部分が接近する移動によって、移動シート1は変形を行なうことになる。移動シート1は可撓性を有するが面方向に沿った方向(図1における左右方向)の伸縮率は大きくはない。そのため、移動シート1は面方向に対して直角方向に曲げられ曲面を生じる変形を行う。このとき固定シート2との対向面の側は固定シート2が障壁となっていてその方向へは変位できない。したがって、その対向する2つの辺部分に挟まれた中央部分は固定シート2の面から離れて突出する変形を行なうことになる。
このように、本発明の印刷物においては、その移動シート1における一方の辺部分に対して他方の辺部分が近づき立体的になることができる。また、その逆であって、すなわち図1(B)から図1(A)に向かって、移動シート1における一方の辺部分に対して他方の辺部分が遠退き平面的になることもできる。すなわち、本発明の印刷物は、平面から立体化し、立体から平面化し、それを繰返すことができる。
したがって、本発明の印刷物は、たとえばポスター等の広告掲示物に適用したときの表現性、注目性、意外性、訴求性、等に優れたものとなる。
また、固定シート2において移動シート1との対向面に印刷が行なわれているときには、固定シート2における移動シートに隠されていない部分の印刷内容が移動シート1の移動により変化をともなって表れ、移動シートの印刷内容と合わさって顕著な相乗効果を生じさせることができる。
次に、移動シート1における対向する2つの辺部分に挟まれた中央部分が固定シート2の面から離れて突出する変形を行い易くするための手段、すなわち容易化手段について説明する。
本発明の印刷物における容易化手段の一例を図2と図3に示す。図2(1)には静電力によって、移動シート1の中央部分を固定シート2から突出させる(持上げる)ことを容易にする容易化手段が示されている。移動シート1の中央部分に存在する固定シート2の電極郡(後述する)対してマイナス(プラス)の電位を印加すると、電極郡に対向する移動シート1の表面はプラス(マイナス)に帯電する。このとき、移動シート1の中央部分と固定シート2との間には静電力が引力として作用する。その引力が作用しているときには、移動シート1の中央部分と固定シート2の対向面には接触し摩擦力が作用する。そのため、移動シート1の中央部分は固定シート2に固定され停止した状態となる。
次に、電極郡に対してプラス(マイナス)の電位を印加すると、電極郡は極めて高い導電性を有するため瞬時にプラス(マイナス)の電位となる。一方。移動シート1は極めて低い導電性の材料(絶縁材料)からなるため、短時間においてはその表面はプラス(マイナス)に帯電したままの状態となっている。このとき、移動シート1と固定シート2との間には静電力が斥力として作用する。その斥力が作用しているときに、移動シート1における対向する2つの辺部分が近づくように移動が行なわれると、移動シート1における対向する2つの辺部分に挟まれた中央部分が固定シート2の面から離れて突出する変形が行い易くなる。
図2(2)には移動シート1に折癖、等を形成して、移動シート1の中心部分を固定シート2から突出させる(持上げる)ことを容易にする容易化手段が示されている。折癖はその一例であって折られたことがある部分は折られ易くなる性質を利用する容易化手段である。同様の容易化手段としては、曲がるべき位置に、折罫と呼ばれる凹部を形成する、ミシン目を形成する、切欠を形成する、等の容易化手段を挙げることができる。
図3(3)には移動シート1に対して成型または凸部を設けて、移動シート1の中心部分を固定シート2から突出させる(持上げる)ことを容易にする容易化手段が示されている。この容易化手段は、移動シート1の中央部分が最初から少しだけ盛り上がっているようにしたものである。その盛り上がりを形成する方法としては成型してその形状が維持されたものと、固定シート2に向かった凸部をその中央部分に設けたものが示されている。
図3(4)には移動シート1の曲がるべき位置に柔軟な素材を適用して、移動シート1の中心部分を固定シート2から突出させる(持上げる)ことを容易にする容易化手段が示されている。図2(2)の折癖と同様であって、移動シート1は柔軟な素材の部位において容易かつ正確に曲がる。
次に、本発明の印刷物において、移動シート1と固定シート2の間に静電力が発生し、その静電力により移動を行なう構成について説明する。
移動シート1と固定シート2の間に静電力が発生し、その静電力により移動を行なう原理についての説明図を図4に示す。
図4に示す一例において、移動シート1には電極線は設けられていない。移動シート1は一般的には絶縁材料(誘電体)であり、たとえば、ポリエステルフィルム、ポロプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリ塩化ビニール、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、等のプラスチックフィルムを使用することができる。また、そのような絶縁材料を固定シート2との対向面にラミネートした(貼り合せた)紙、等の複合材料を使用することができる。移動シート1の表面は、表面抵抗率が約1011〜1013程度が好適である。この場合微弱な電気が流れるため、固定シート2の電極線によって移動シート1に誘起された電荷は、電極線における電圧の瞬間的な変化に対して遅れて追従することになる。このような表面物性は材料表面の処理に大きく影響されることがあるため、使用することができる材料は上記に限定されず、コーティング処理で表面低効率を最適化してもよい。
一方、図4に示す一例において、固定シート2には電極線が設けられている。固定シート2としては、プリント配線板、フレキシブルプリント配線板を使用することができる。電極線は固定シート2の移動シート1との対向面に沿う方向に複数本が互いに平行となるように配列している。その複数本の電極線が配列の順序にしたがって3系統に統合接続されて3系統の端子が設けられた電極郡を成す。後述するように、その電極郡も複数個が存在する。図4に示す一例においては、固定シート2には移動シート1との対向面に沿う方向に複数本の電極線21a,21b,21c,21d,21e,21f,21g,21h,・・・が互いに平行となるように配列している。その複数本の電極線21a・・・が配列の順序にしたがって3系統に統合接続されて3系統の端子U,V,Wが設けられている。端子U,V,Wには独立に任意の波形の電圧を制御部(図示せず)の制御下における電源部(図示せず)から印加することができる。電源部は端子U,V,Wに所定電圧の電力を供給し、制御部は印加する電圧の時系列パターンが所定パターンとなるように電源部を制御する。
図4を参照して、その動作の一例について説明する。まず、図4(1)に示すステップおいて、一例として、(U,V,W)=(+,−,0)の電圧を印加する。印加した瞬間に端子Uに接続する電極線は+に、端子Vに接続する電極線は−に、端子Wに接続する電極線は0になる。
次に、図4(2)に示すステップおいて、電圧が印加された電極線による電界によって移動シート1には電荷が誘起され帯電する。端子Uに接続する電極線は+であるから、移動シート1のその部位には−の電荷が誘起され、端子Vに接続する電極線は−であるから、移動シート1のその部位には+の電荷が誘起され、端子Wに接続する電極線は0であるから、移動シート1のその部位には電荷が誘起されない。このとき、移動シート1と固定シート2との間には対向面に対して直角方向の引力が作用する。
次に、図4(3)に示すステップおいて、印加する電圧を切替えて(U,V,W)=(−,+,−)の電圧を印加する。移動シート1に誘起された電荷は電圧の瞬間的な変化に対して直ぐには追従することができない。端子Uに接続する電極線は−に切替えられたが、移動シート1のその部位には−の電荷が残留し、端子Vに接続する電極線は+に切替えられたが、移動シート1のその部位には+の電荷が残留し、端子Wに接続する電極線は−に切替えられたが、移動シート1のその部位には電荷がまだ誘起されていない。すなわち、移動シート1と固定シート2との間には、対向面に対して直角方向には斥力が作用し、平行方向には図4(3)において移動シート1を右方向に引く引力が作用する。したがって、移動シート1が固定シート2に対して浮上し移動し易くなるとともに、移動シート1には右方向の力が作用している。
次に、図4(4)に示すステップおいて、移動シート1は固定シート2に対して電極線の1間隔程度だけ右方向に移動して安定する。
上述の一例は、移動シート1が固定シート2に対して移動する原理を説明したもので、端子U,V,Wに対して特殊な電圧が印加された一例であるということではない。図4に示す構成において、端子U,V,Wに対して、一般的な、3相の電圧を印加したときにも同様に移動シート1が固定シート2に対して移動する。たとえば、端子U,V,Wに3相のパルス電圧を印加するものとする。3相の各相は120度づつ位相がずれており、パルス電圧は+(プラス)または−(マイナス)の2つの状態のいずれかである。最初に(U,V,W)=(−,+,−)であったとすると、そこから60度位相が進んだときにはパルス電圧は(−,+,+)となる。そのように、60度づつ位相を順次進めると、0度のときは(−,+,−)、60度のときは(−,+,+)、120度のときは(−,−,+)、180度のときは(+,−,+)、240度のとき(+,−,−)、300度のときは(+,+,−)であり、360度のときは(−,+,−)で0度のときのパルス電圧に戻る。このパルス電圧は、図4に示す端子U,V,Wの配列において、+(プラス)および−(マイナス)の位置が左から右へシフトして行く形態となっている。このとき、移動シート1は固定シート2における電極線による電界の移動に引かれるようにして固定シート2に対して移動する。
次に、固定シート2の電極構成について説明する。固定シート2における電極線のパターンの一例を図5に示す。固定シート2において移動シート1との対向面に沿う方向に複数本が互いに平行となるように配列している電極線は、図5に示すパターンの一例においては中央部分に存在する。その中央部分を挟む左側部分と右側部分は、電極線の複数本を端子U,V,Wに結合するためのリード線である。端子U,V,Wと、その各々に結合するリード線と、電極線とは3系統に一体化した導電線であり、端子、リード線、電極線という区別は無意味にも思えるが、ここではその役割において区別する。すなわち、電源部から電力を供給する導電線の部分が端子U,V,Wであり、端子U,V,Wと電極線とを結合し電力を伝送する導電線の部分がリード線であり、移動シート1と固定シート2における主要な静電力が作用する導電線の部分が電極線である。
図5においては、端子Uに結合するU相リード線が左側部分に配置し、端子Wに結合するW相リード線が右側部分に配置している。また、U相リード線とW相リード線とは固定シート2における表面に配置している。一方、端子Vに結合するV相リード線は固定シート2における裏面に配置している。V相リード線は、図5に示すパターンの一例においては、左側部分と右側部分に分かれて配置している。端子Vに結合するV相電極線を表面に配置するためには、裏面に配置しているV相リード線からスルーホールにより表面に配置しているV相リード線に電気的な接続を行ない、その表面に配置しているV相リード線とV相電極線とを結合するパターンとする。
固定シート2においては、上述のように、複数本の電極線は配列の順序にしたがって3系統に統合接続されて3系統の端子U,V,Wが設けられている。その端子U,V,Wに属するリード線と電極とによって1つの電極郡が構成される。固定シート2における電極郡のパターンの一例を図6に示す。固定シート2においては、図6に一例を示すように、端子Ua,Va,Waを有する電極郡A、端子Ub,Vb,Wbを有する電極郡B、端子Uc,Vc,Wcを有する電極郡C、のように複数の電極郡が並列配置されている。
それらの複数の電極郡の各端子に対しては、印加する電圧を独立に制御することができる。電源部は制御部の制御下において動作し、電源部は複数の電極郡の各端子に対して、制御部にプログラミングされた所定の時系列パターンで変化する電圧を印加する。
図6に示す一例においては、移動シート1の一方の辺部分が電極郡Aの上に載せられ、移動シート1の他方の辺部分が電極郡Cの上に載せられ、移動シート1の一方の辺部分と他方の辺部分に挟まれた中央部分が電極郡Bの上に載せられているものとする。このとき、電源部は制御部の制御下において、電極郡Aには移動シート1の一方の辺部分が固定シート2に対して停止を行なうように端子Ua,Va,Waに電圧を印加し、電極郡Cには移動シート1の他方の辺部分が一方の辺部分に近づく移動を行なうように端子Uc,Vc,Wcに電圧を印加し、電極郡Bには移動シート1の中央部分がその対向面に対して直角方向の斥力が作用するように端子Ub,Vb,Wbに電圧を印加する。これにより、移動シート1に対して、図1(A)→図1(B)に示す前述の動作を行なわせることができる。
この動作を行なわせるときに印加する電圧のパターンは、たとえば、まず、(Ua,Va,Wa,Ub,Vb,Wb,Uc,Vc,Wc)=(+,+,+,−,−,−,−,+,−)とする。移動シート1には(−,−,−,+,+,+,+,−,+)の電荷が誘起され移動シート1と固定シート2との間に静電力による引力が作用し移動シート1は固定シート2に吸着(静電固定)される。次に、(Ua,Va,Wa,Ub,Vb,Wb,Uc,Vc,Wc)=(+,+,+,+,+,+,+,+,−)とする。移動シート1は(−,−,−,+,+,+,+,−,+)に帯電しているから移動シート1における電極郡Bの上の中央部分においては対向面に対して直角方向に静電力による斥力が作用しが電極郡Bの上の中央部分が浮き上がる(突出する)。
次に、(Ua,Va,Wa,Ub,Vb,Wb,Uc,Vc,Wc)=(+,+,+,0,0,0,+,−,−)とする。移動シート1における電極郡Bの上の中央部分において新たな電荷が誘起される前に固定シート2における電極郡Bの部分は(Wb,Ub,Vb)=(0,0,0)となるから、移動シート1における電極郡Bの上の中央部分は突出した状態が維持されれる。移動シート1における電極郡Cの上の他方の辺部分における印加する電圧のパターンは、移動シート1におけるその部分が静電固定された一方の辺部分に近づく方向の静電力が作用している。したがって、移動シート1における他の辺部分が静電固定された一方の辺部分に近づく方向に移動し、移動シート1における中央部分は突出し立体的な変位を行なう。
本発明の印刷物において固定シート2に対して移動シート1を全体的に同一方向に移動することができる。移動シート1を同一方向に移動するときには固定シート2においてすくなくとも移動シート1と対向する電極郡に対しては同一の時系列パターンで変化する電圧を印加する。たとえば、図6において、電極郡Aの端子Ua,Va,Waと、電極郡Bの端子Ub,Vb,Wbと、電極郡Cの端子Uc,Vc,Wcには同一の時系列パターンで変化する電圧を印加する。すべての電極郡の端子を一組の端子U,V,Wに接続し同一の時系列パターンで変化する電圧を印加するように構成した固定シート2の一例を図8に示す。図6、図8において同様であるが、固定シート2においてすくなくとも移動シート1と対向する電極郡に対しては同一の時系列パターンで変化する電圧を印加すると、その時系列パターンによって、移動シート1の全体は同一方向の移動または全体が同一動作を行なう。たとえば、端子U,V,Wに対して120度づつ位相がずれた3相の電圧を印加したときには、その位相が進む方向に移動シート1が固定シート2に対して移動する。また、端子U,V,Wに(U,V,W)=(0,0,0)でなく時系列で変化しない電圧を印加すると移動シート1が固定シート2に対して停止(静電固定)する。また、端子U,V,Wに(U,V,W)=(0,0,0)でない電圧を印加した後に、その電圧の極性を逆極性とすると、その瞬間には移動シート1が固定シート2に対して浮き上がる(突出する)状態となる。
次に、本発明の印刷物における電源部と制御部について説明する。本発明の印刷物における電源部の構成の一例を図8に示す。また、本発明の印刷物における制御部の構成の一例を図9に示す。図8において、101は入力器、102は制御器、103は高電圧電源、104は復号器、105は切替器であり、これらによって電源部が構成される。また図9において200は制御部である。
入力器101は、制御部200から制御の態様を指令する信号を入力し、制御器102に対してその信号を出力する部分である。すなわち、インタフェース、バッファ等の役割を有する部分である。その信号にはUP、DOWN、START、STOP、SPEEDが存在する。UPは移動シート1を上昇移行させる指令信号であり、DOWNは移動シート1を下降移行させる指令信号である。また、STARTは高電圧電源の電力供給を開始する指令信号であり、STOPは高電圧電源の電力供給を停止する指令信号である。また、SPEEDは3相交流における周波数を決定する指令信号である。
制御器102は入力器101から入力した指令信号に基づいて高圧電源103と復号器104を操作する操作信号を出力する制御器である。
高電圧電源103はグランドに対してプラス高電圧とマイナスの高電圧を出力する電源である。高電圧電源103は制御器102が出力する操作信号に基づいてプラス高電圧とマイナスの高電圧における出力電圧を変化することができる。出力電圧の範囲は、たとえば、200〜2000ボルト(V)である。
復号器104は、制御器102が出力する操作信号を切替器105を動作させる切替信号に複合化する。
切替器105は、復号器104が複合化する切替信号によって、高圧電源103の出力を切替える。その切替によって得られる出力は、たとえば、(1)3相正向進行波、(2)3相逆向進行波、(3)3つの出力をすべてプラス高電圧、(4)3つの出力をすべてマイナス高電圧、(5)3つの出力をすべてグランド(0電圧)のいずれかである。
上述の図8に示す電源部は、図9に一例を示すように、電源部A,B,C,・・・、のように複数個が存在する。その複数個の電源部A,B,C,・・・の各々は、複数個の電極郡A,B,C,・・・の各々に電力を供給する。すなわち、1つの電極郡には1つの電源部が対応している。
制御部200は、電源部の入力器101に対して前述した制御の態様を指令する信号を出力する。その指令信号の出力は、移動シート1が所定の動作を行なうようにするためのものである。そのために、制御部200は、移動シート1の所定の動作に対応した動作プログラムを備えている。その動作プログラムを実行することにより電源部A,B,C,・・・の各々に対応した指令信号を時系列で生成する。そして、その生成した指令信号を電源部A,B,C,・・・に対して出力する。その結果、移動シート1がプログラムされた所定の動作を行なう。制御部200としては、パーソナルコンピュータ等のデータ処理装置を使用することができる。
なお、移動シート1に対して案内機構等により移動範囲を制限せず複雑で長時間の動作を行なわせるときには、固定シート2に対する移動シート1の位置誤差が累積して位置が不定となり得る。そのことを回避するためには、本発明の印刷物において、移動シート1の位置を検出するセンサ(図示せず)を備える。また、制御部200がそのセンサが出力する信号入力し、その信号に基づいて位置ずれが所定の範囲を超えないように制御を行なう制御プログラムを備える。このときには、前述した動作プログラムと制御プログラムの2つが動作することになる。たとえば、動作プログラムと制御プログラムを所定(一連の完結する動作の単位)の間隔で交互に繰返し、その時々の動作プログラムにおける目標位置とセンサが検出した実測位置との誤差を制御プログラムが無くすように操作する構成とすることができる。また、動作プログラムそのものが制御動作を行なうプログラムであるようにすることもできる。その動作プログラムにおける移動シート1の移動は、たとえば、目標位置に追従するサーボ制御とすることができる。位置を検出するセンサとしては、光電センサ、ファイバーセンサ、イメージ処理システム、等の周知のセンサを使用することができる。
本発明の印刷物における移動シートと固定シートの部分の構成と動作の一例を示す図である。 本発明の印刷物において移動シートに装飾部材を設けた構成の一例を示す図である。 本発明の印刷物における容易化手段の一例を示す図である。 移動シートと固定シートの間に静電力が発生し、その静電力により移動を行なう原理についての説明図である。 固定シートにおける電極線のパターンの一例を示す図である。 固定シートにおける電極郡のパターンの一例を示す図である。 固定シートにおける電極郡のパターンの一例を示す図である。 本発明の印刷物における電源部の構成の一例を示す図である。 本発明の印刷物における制御部の構成の一例を示す図である。
符号の説明
1 移動シート
2 固定シート
3a,3b 扉
101 入力器
102 制御器
103 高電圧電源
104 復号器
105 切替器
200 制御部

Claims (4)

  1. 移動シートと、固定シートと、電源部と、制御部から成る印刷物であって、
    前記移動シートはその面が前記固定シートの面に対向して移動可能に配置され、その対向面に前記固定シートの電極電位に応じた電荷が誘起され、その誘起された電荷と前記固定シートの電極電位との間に静電力が発生し、その発生した静電力によって前記固定シートに対して移動または停止を行い、また前記対向面に対して反対面である表面に印刷が行なわれており、
    前記固定シートはその面が前記移動シートの面に対向して配置され、その対向面に沿う方向に電極線の複数本が互いに平行となるように配列され、その複数本の電極線が前記配列の順序にしたがって3系統に統合接続されて3系統の各端子が設けられた電極郡を成し、その電極郡の複数個が存在し、
    前記電源部は前記制御部の制御下において前記電極郡の各々に対して所定の電位を前記3系統の各端子から供給し、
    前記制御部は前記電極郡の中で前記移動シートの対向する2つの辺における一方の辺部分に存在する電極郡に対して前記一方の辺部分を停止する制御を前記電源部に対して行い、前記電極郡の中で前記移動シートの対向する2つの辺における他方の辺部分に存在する電極郡に対して前記他方の辺部分を前記一方の辺部分の方向に移動する制御を前記電源部に対して行う、
    ことを特徴とする印刷物。
  2. 請求項1記載の印刷物において、前記固定シートは前記移動シートとの対向面に印刷が行なわれていることを特徴とする印刷物。
  3. 請求項1または2記載の印刷物において、前記一方の辺部分と前記他方の辺部分との間に存在する中央部分が前記固定シートの対向面から突出することを容易化する容易化手段を備えることを特徴とする印刷物。
  4. 請求項3記載の印刷物において、前記容易化手段は前記制御部が前記電極郡の中で前記移動シートにおける前記中央部分に存在する電極郡に対して前記中央部分を持ち上げる制御を前記電源部に対して行う容易化手段であることを特徴とする印刷物。
JP2007215497A 2007-08-22 2007-08-22 印刷物 Expired - Fee Related JP4877150B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007215497A JP4877150B2 (ja) 2007-08-22 2007-08-22 印刷物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007215497A JP4877150B2 (ja) 2007-08-22 2007-08-22 印刷物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009048038A JP2009048038A (ja) 2009-03-05
JP4877150B2 true JP4877150B2 (ja) 2012-02-15

Family

ID=40500293

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007215497A Expired - Fee Related JP4877150B2 (ja) 2007-08-22 2007-08-22 印刷物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4877150B2 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0327837U (ja) * 1989-07-26 1991-03-20
JPH06335264A (ja) * 1993-05-17 1994-12-02 Mitsubishi Kasei Corp 静電アクチュエータ
JPH09308269A (ja) * 1996-05-20 1997-11-28 Kasei Optonix Co Ltd 静電アクチュエータ装置
JP2971431B2 (ja) * 1998-03-04 1999-11-08 俊郎 樋口 連続掲示装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009048038A (ja) 2009-03-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6184607B1 (en) Driving strategy for non-parallel arrays of electrostatic actuators sharing a common electrode
US9176587B2 (en) Tactile sense presentation device and tactile sense presentation method
EP3304607B1 (en) Actuator matrix array and driving method
WO2007135888A1 (ja) 静電アクチュエータ
JP4877149B2 (ja) 印刷物
JP4877150B2 (ja) 印刷物
JP2009048037A (ja) 印刷物
CN108749947A (zh) 小型八足仿生机器人
JP5176524B2 (ja) 印刷物
JP5176559B2 (ja) 印刷物
JP2018189822A (ja) シート立体形状形成装置、シート立体形状形成方法およびシート立体形状形成プログラム
Hosobata et al. 2-DOF synchronous electrostatic actuator with transparent electrodes arranged in checkerboard patterns
JPH04271284A (ja) 静電アクチュエータ
JP2011188631A (ja) 静電アクチュエータおよびその固定子
JP7476237B2 (ja) アクチュエータ
JP2009128573A (ja) 印刷物
JP2011188630A (ja) 静電アクチュエータおよびその固定子
JP5309752B2 (ja) 静電アクチュエータ
JP5332445B2 (ja) 静電アクチュエータ
JPH0947042A (ja) 静電アクチュエータ
JP4839962B2 (ja) 静電アクチュエータの電極構造
JP5187131B2 (ja) 静電アクチュエータ
Yamamoto et al. Deformable electrostatic linear motor
KR20230077443A (ko) 곡면용 유연 구동기 및 제어방법
JP5309753B2 (ja) コントローラ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100423

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111101

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111114

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141209

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees