JP4839962B2 - 静電アクチュエータの電極構造 - Google Patents

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Description

本発明は静電力によって駆動される静電アクチュエータの技術分野に属する。特に、移動方向の安定性に優れる静電アクチュエータの電極構造に関する。
たとえば、静電アクチュエータの一種として、固定子と移動子がその表面において対向し、固定子と移動子の各々の表面に設けられた平面状の電極の間に作用する静電力によって移動子が固定子に対して移動し、その移動方向が表面に沿う方向である静電アクチュエータが存在する(特許文献1、特許文献2)。このような静電アクチュエータにおいては、移動子は静電力の作用する方向に移動を行うのであるが、静電力の作用する方向に対して直角方向の移動、すなわち横滑りを規定する手段を有していないときには、その方向にずれを起こして移動方向が定まらず安定しないという問題がある。
横滑りを規定するために、固定子と移動子の表面に平行な特定方向、すなわちに静電力の作用する方向にだけ移動可能とするために、固定子を支持する支持体(フレーム)と移動子を支持する支持体を直線案内機構で結合する静電アクチュエータの提案がある。勿論、この方法によって確実に目的を達成でき、横滑りを起こすことなく所望の方向だけに静電アクチュエータの出力を取り出すことができる。しかし、直線案内機構は、たとえば、移動方向に延びる軸と、その軸に移動可能に組付けた軸受けによって構成され、その重量や構造のために使い勝手が悪くなるという問題や、摩擦力のために静電アクチュエータの出力を損失するという問題がある。
そのような直線案内機構を使用せずに、電極の形状により移動方向を安定化させる提案がある。たとえば、方形の絶縁体と、絶縁体中に設けられた複数の電極とからなり、電極はその形状を周期三角波形とする。このとき、移動体中心と電極中心とのズレが所定値以下であれば、移動体の移動方向と直角な方向への拘束力を発生させるため、移動体に斜行などが発生せず移動を安定させることができる(特許文献3)。しかし、固定子の電極によって移動子である高抵抗体(電極を有しない)の表面に誘導された電荷と、印加電圧を切替えた固定子の電極間に作用する静電力を利用して動かす静電アクチュエータに関するものであって、移動方向の安定性が不十分であるという問題がある。すなわち、固定子の側だけから横滑りを規定しようとするため、移動子に横方向の成分を含む力が作用すると表面に誘導される電荷の位置が所定位置からずれて、移動方向を徐々に変えてしまういう問題がある。
特開平3−169278 特開2002−44966 特開平6−339285
本発明は上記の問題を解決するために成されたものである。その目的は、使い勝手が悪くなる重量や構造を有することなく、また摩擦力のために出力を損失することなく、移動子の移動方向を安定化させる静電アクチュエータの電極構造を提供することにある。
本発明の請求項1に係る静電アクチュエータの電極構造は、固定子と移動子がその表面において対向し、前記固定子と前記移動子の各々の表面に設けられた平面状の電極の間に作用する静電力によって前記移動子が前記固定子に対して移動し、その移動方向が前記表面に沿う方向である静電アクチュエータの電極構造であって、前記電極は前記移動方向に対し直角方向に長く延びた延長形状を有し、前記長く延びる方向の2つの縁に所定周期で凹凸形状が存在し、前記固定子と前記移動子の各々の電極の一方は前記2つの縁における凹凸形状の位相が一致しており、他方は前記2つの縁における凹凸形状の位相が180度ずれているようにしたものである。
また本発明の請求項2に係る静電アクチュエータの電極構造は、請求項1に係る静電アクチュエータの電極構造において、前記凹凸形状は三角波形状であるようにしたものである。
また本発明の請求項3に係る静電アクチュエータの電極構造は、請求項1に係る静電アクチュエータの電極構造において、前記凹凸形状は正弦波形状であるようにしたものである。
また本発明の請求項4に係る静電アクチュエータの電極構造は、請求項1〜3のいずれかに係る静電アクチュエータの電極構造において、前記固定子と前記移動子の各々の電極は前記移動方向に所定の間隔で複数配列し、前記固定子と前記移動子のすくなくとも一方は前記配列の3つ置きに結線され3つの電極郡を構成するようにしたものである。
また本発明の請求項5に係る静電アクチュエータの電極構造は、請求項1〜4のいずれかに係る静電アクチュエータの電極構造において、前記電極は、前記固定子と前記移動子の凹形状と凸形状が近接するときに同極性として斥力を作用させ、凸形状と凸形状が近接するときに異極性として引力を作用させる電圧が印加される電極であるようにしたものである。
本発明の請求項1に係る静電アクチュエータの電極構造によれば、固定子と移動子の各々の表面に設けられた平面状の電極は移動方向に対し直角方向に長く延びた延長形状を有し、長く延びる方向の2つの縁に所定周期で凹凸形状が存在し、固定子と移動子の各々の電極の一方は2つの縁における凹凸形状の位相が一致しており、他方は2つの縁における凹凸形状の位相が180度ずれている。この形状の電極においては、電極の長く延びた方向における位置ずれ、すなわち横滑りを修正する静電力を作用させることができる。たとえば、固定子と移動子の各々の凸形状の部位において引力が作用し、または固定子と移動子の各々の凸形状の部位と凹形状の部位において斥力が作用することで横滑りが修正される。したがって、使い勝手が悪くする重量や構造を有することなく、また摩擦力のために出力を損失することなく、移動子の移動方向を安定化させる静電アクチュエータの電極構造が提供される。
また本発明の請求項2に係る静電アクチュエータの電極構造によれば、凹凸形状は三角波形状である。したがって、三角波の頂点に静電力を生じる電荷が集中するため、横滑りを修正する能力が高い。
また本発明の請求項3に係る静電アクチュエータの電極構造によれば、凹凸形状は正弦波形状である。すなわち、凹凸形状の頂部は(三角波に比較して)大きな曲率半径を有し静電力を生じる電荷の集中が緩和される。したがって、電極に高い電圧を印加することができ静電アクチュエータの出力を大きくすることができる。
また本発明の請求項4に係る静電アクチュエータの電極構造によれば、固定子と移動子の各々の電極は移動方向に所定の間隔で複数配列し、前記固定子と前記移動子のすくなくとも一方は配列の3つ置きに結線され3つの電極郡を構成するようにしたものである。移動子の移動距離を大きくすることができ、また三相の印加電圧により駆動することができる。
また本発明の請求項5に係る静電アクチュエータの電極構造によれば、電極は、固定子と移動子の凹形状と凸形状が近接するときに同極性として斥力を作用させ、凸形状と凸形状が近接するときに異極性として引力を作用させる電圧が印加される電極である。すなわち、斥力を引力の両方を電極に作用させることで大きな静電力を発生することができ、しかも移動方向を安定化させることができる。
次に、本発明の実施の形態について図を参照しながら説明する。本発明の電極構造は静電アクチュエータに適用されるものである。本発明の電極構造が適用される静電アクチュエータは、固定子と移動子がその表面において対向し、固定子と移動子の各々の表面に設けられた平面状の電極の間に作用する静電力によって移動子が固定子に対して移動し、その移動方向が表面に沿う方向である静電アクチュエータである。
たとえば、固定子と移動子はPET(Polyethylene Terephthalate)等のプラスチックフィルムを基材とするフレキシブルプリント配線シートを材料とし、そのシートを所定の間隔を置いて積層するとともに一端においてそれらのシートを固定一体化した形状を有する。そして固定子と移動子の各シートは互い違いに小さな間隙を置いて積層配置される。各シートの面には電極郡が設けられ表面は絶縁層によって被覆されている。電極郡における個々の電極は平面状の電極であって、移動方向に対し直角方向に長く延びた延長形状を有している。そして、長く延びる方向の2つの縁(へり)に所定周期で凹凸形状が存在する。その凹凸形状が、電極の2つの縁に存在することが本発明の電極構造における構成上の特徴となっている。
本発明の静電アクチュエータの電極構造における構成の一例を図1に示す。図1において、11は固定子電極、12は移動子電極である。
固定子電極11は、静電アクチュエータの固定子のシートの面に設けられた電極である。図1においては、そのシートの面に垂直な方向から見たときの固定子電極11の形状を示している。通常、電極の厚さ(たとえば、フレキシブルプリント配線シートにおける導電層の厚さ)は薄く、形状における特徴はシートの面に垂直な方向から見た形状にある。その形状は、図1に示すように、延長形状の電極における長く延びた方向(図1において延長方向の矢印で示す方向)に所定の周期で繰返す三角波の線を太らせ、電極としての幅を持たせた形状となっている。
図1に示す一例においては形状が三角波であるが、本発明においては三角波に限定されない。一般的に、固定子電極11は、移動方向に対し直角方向に長く延びた延長形状を有し、長く延びる方向の2つの縁に所定周期で凹凸形状が存在する。そして、図1に示す固定子電極11は、2つの縁における凹凸形状の位相が一致している。
移動子電極12は、静電アクチュエータの固定子のシートの面に設けられた電極である。図1においては、そのシートの面に垂直な方向から見たときの移動子電極12の形状を示している。通常、電極の厚さ(たとえば、フレキシブルプリント配線シートにおける導電層の厚さ)は薄く、形状における特徴はシートの面に垂直な方向から見た形状にある。その形状は、図1に示すように、延長形状の電極における長く延びた方向に所定の周期で繰返す三角波を線対称となるように向かい合わせた形状となっている。
図1に示す一例においては、形状が三角波であるが、一般的には、三角波に限定されない。一般的に、移動子電極12は、移動方向に対し直角方向に長く延びた延長形状を有し、長く延びる方向の2つの縁に所定周期で凹凸形状が存在する。そして、図1に示す移動子電極12は、2つの縁における凹凸形状の位相が180度ずれている。
図1に示した固定子電極11と移動子電極12の形状を入れ替えることができる。固定子電極11と移動子電極12の役割は相対的なものであるから、図1に示した固定子電極11の形状を移動子電極12の形状とし、図1に示した移動子電極12の形状を固定子電極11の形状としも基本的な動作原理において差異は存在しない。したがって、一般的には、本発明の電極構造において、固定子と移動子の各々の電極の一方は2つの縁における凹凸形状の位相が一致しており、他方は2つの縁における凹凸形状の位相が180度ずれている。
次に、この固定子電極11と移動子電極12から構成される本発明の電極構造における動作について説明する。図1(A)、図1(B)、図1(C)は固定子電極11と移動子電極12の相対的な位置関係が相違する3つの図を示している。それらの図の順番に位置を変化させ固定子電極11に対して相対的に移動子電極12が移動する。勿論、この移動子電極12の移動は固定子に対する移動子の移動に他ならない。
まず、図1(A)に示す位置関係においては、固定子電極11における凸形状の部分と移動子電極12における凸形状の部分が接近している。この位置関係のときに、固定子電極11にはマイナス電荷が帯電しており、移動子電極12にはプラス電荷が帯電するように、固定子電極11と移動子電極12を電圧駆動する。固定子電極11のマイナス電荷と移動子電極12のプラス電荷の間には静電力が作用し、その静電力は引力である。したがって、固定子電極11と移動子電極12には引力が作用し、移動子電極12は固定子電極11に対して相対的に移動する。その移動方向は固定子と移動子が対向する表面、すなわち固定子電極11と移動子電極12が設けられた各々の表面沿う方向である。
このとき、固定子電極11と移動子電極12に作用する力は、固定子電極11と移動子電極12の各々の部位によって異なったものとなる。その原因は、固定子電極11と移動子電極12における2つの縁が凹凸形状となっていることによる。その凹凸形状のために固定子電極11と移動子電極12の距離は部位によって異なったものとなり、距離が異なるから固定子電極11と移動子電極12に作用する力も各々の部位において異なったものとなる。また、凹凸形状のために固定子電極11と移動子電極におけるマイナス電荷とプラス電荷の帯電量は部位によって異なったものとなる。すなわち、電荷は凸形状の部位に集中する傾向があるから、固定子電極11と移動子電極12に作用する力も各々の部位において異なったものとなる。
したがって、図1(A)に示す位置関係においては、固定子電極11における凸形状の部分と移動子電極12における凸形状の部分が接近しているため、各々の凸形状の部分に大きな静電力が作用する。この静電力は引力であるから、固定子電極11における凸形状の部分と移動子電極12における凸形状の部分が引き合うことになる。そのため、各々の接近している凸形状の部分が互いにますます接近するように移動を行う。すなわち、各々の接近している凸形状の部分は組となって引き合うため、電極が長く延びる方向(延長方向)の位置が多少ずれたとしても修正される。その結果、電極が長く延びる方向へ移動子が横滑りするようなことはなくなり、移動子の移動方向は、電極が長く延びる方向に対して直角方向(図1において移動方向の矢印で示す方向)に安定化する。
次に、図1(B)に示す位置関係においては、固定子電極11と移動子電極12は重なっている。この位置関係のときに、マイナス電荷が帯電していた固定子電極11において、次にプラス電荷が帯電するように移行が行われる。すなわち、固定子電極11に印加する電圧の極性を切替えるように電圧駆動する。移動子電極12においては、引き続きプラス電荷が帯電するように電圧駆動する。固定子電極11と移動子電極12は重なっているときに作用する静電力の方向は、固定子電極11と移動子電極12が設けられた固定子と移動子が対向する各々の表面に垂直な方向である。しかし、移動子は質量を有するから慣性により図1に矢印で示す移動方向に移動し続ける。
図1(B)に示す位置関係、すなわち固定子電極11と移動子電極12は重なっている状態において、固定子電極11に帯電する電荷をマイナス電荷からプラス電荷に切替えるタイミングが静電アクチュエータの特性または性能に及ぼす影響は大きい。切替えるタイミングが早過ぎるときには、固定子電極11に帯電したプラス電荷と移動子電極12に帯電したプラス電荷に作用する静電力が斥力となるため、移動子電極12を減速するだけでなく移動方向を不安定にする。また、切替えるタイミングが遅過ぎるときには、固定子電極11に帯電したマイナス電荷と移動子電極12に帯電したプラス電荷に作用する静電力が作用し続ける。すなわち、その静電力は引力であり、その引力が作用し続ける。このとき、固定子電極11と移動子電極12が重なっている状態においては、その引力が固定子と移動子が対向する各々の表面に垂直な方向に作用する。そのため、固定子と移動子の間隔を保持する手段を有しないときには、垂直な方向に作用する引力に応じた摩擦力を生じることになる。この摩擦力は、移動子電極12を減速することになり、静電アクチュエータの効率を悪くする。
切替えるタイミングが早過ぎることも遅過ぎることもない良好なタイミングにおいては、固定子電極11に帯電したプラス電荷と移動子電極12に帯電したプラス電荷に作用する静電力である斥力は、固定子電極11と移動子電極12が重なっている状態において作用する。その状態においては、斥力が固定子と移動子が対向する各々の表面に垂直な方向に作用する。そのため、移動子電極12を減速したり移動方向を不安定にすることがない。また、垂直な方向に作用する斥力の大きさに応じて固定子と移動子の間の摩擦力が小さくなるか皆無となる。その結果、静電アクチュエータの効率が良くなる。
次に、図1(C)に示す位置関係においては、固定子電極11における凹形状の部分と移動子電極12における凸形状の部分が接近している。この位置関係のときに、固定子電極11にはプラス電荷が帯電しており、移動子電極12にはこれまでと同じプラス電荷が帯電するように、固定子電極11と移動子電極12を電圧駆動する。固定子電極11のプラス電荷と移動子電極12のプラス電荷の間には静電力が作用し、その静電力は斥力である。したがって、固定子電極11と移動子電極12には斥力が作用し、移動子電極12は固定子電極11に対して相対的に移動する。その移動方向は固定子と移動子が対向する表面、すなわち固定子電極11と移動子電極12が設けられた各々の表面沿う方向である。
このとき、固定子電極11と移動子電極12に作用する力は、固定子電極11と移動子電極12の距離によって異なったものとなる。固定子電極11と移動子電極12の距離が接近している部位があるとその部位における静電力は大きく、固定子電極11と移動子電極12の距離が離反している部位があるとその部位における静電力は小さくなる。図1(C)に示す位置関係においては、固定子電極11における凹形状の部分と移動子電極12における凸形状の部分が接近し、固定子電極11における凸形状の部分と移動子電極12における凹形状の部分が接近している。各々において接近している凸形状の部分と凹形状の部分に大きな静電力が作用する。この静電力は斥力であるから、固定子電極11と移動子電極12は斥け合う(しりぞけ合う)ことになる。
図1(C)に示す位置関係においては、各々において接近している凸形状の部分と凹形状の部分における距離は一定の距離として示されている。仮に、電極が長く延びる方向(移動方向に対して直角方向)へ移動子が横滑りしたとする。そのとき、各々において接近している凸形状の部分と凹形状の部分における距離は一定ではなく、横滑りした方向の距離が小さくなり、その反対方向の距離が大きくなる。そのため、固定子電極11と移動子電極12の距離が小さくなる部分においては斥力が大きくなり、距離が大きくなる部分においては斥力が小さくなる。すなわち、各々において接近している凸形状の部分と凹形状の部分は、それらの部分における距離が一定でなくなると一定に戻す力を作用させる。また、それらの部分における距離が一定のときには電極が長く延びる方向の斥力の成分は均衡し、移動方向の斥力の成分だけとなる。そのため、電極が長く延びる方向(延長方向)の位置が多少ずれたとしても修正される。その結果、電極が長く延びる方向へ移動子が横滑りするようなことはなくなり、移動子の移動方向は、電極が長く延びる方向に対して直角方向(図1において移動方向の矢印で示す方向)に安定化する。
以上、本発明の静電アクチュエータの電極構造における構造と動作について説明した。次に、変形例について説明する。
前述したように、電極構造における凹凸形状は、図1に示したような三角波形状に限定されない。電極構造における凹凸形状を正弦波形状としたときの、固定子電極11と移動子電極12を図2に示す。凹凸形状が三角波形状であときには、三角波の頂点に静電力を生じる電荷が集中するため、横滑りを修正する能力が高い。一方、図2に示すように、凹凸形状が正弦波形状であるときには、凹凸形状の頂部は(三角波に比較して)大きな曲率半径を有し静電力を生じる電荷の集中が緩和される。したがって、電極に高い電圧を印加することができ静電アクチュエータの出力を大きくすることができる。
なお、固定子電極21と移動子電極22の役割は相対的なものであるから、図2に示した固定子電極21の形状を移動子電極22の形状とし、図2に示した移動子電極22の形状を固定子電極21の形状としも基本的な動作原理において差異は存在しない。
また、図1においては、固定子電極11と移動子電極12を各々1つだけ示した。固定子電極11と移動子電極12が各々1つだけであっても、静電アクチュエータとして動作することは、前述の説明から明らかである。しかし、本発明は固定子電極11と移動子電極12の個数に限定されない。実用的な用途においては、このような固定子電極11と移動子電極12の組合せが多数組み存在するほうがよい。多数組みを存在させそれらを動作させると、同時に動作する組の数だけ移動子を移動する力を大きくすることができる。また、多数組を移動方向に配列すると、配列した距離に応じて移動子が移動する距離を大きくすることができる。
固定子における電極を移動方向に所定の間隔で複数配列した一例を図3に示す。また、それと組となる移動子における電極を移動方向に所定の間隔で複数配列した一例を図4に示す。固定子電極と移動子電極の役割は相対的なものであるが、ここでは、図3に示す電極の3a,3b,3c,・・・を固定子電極、図4に示す電極の4a,4b,4c,・・・を移動子電極とする。このとき、固定子電極3a,3b,3c,・・・については、配列の3つ置きに結線され3つの電極郡を構成するようにする。そして、固定子電極3a,3b,3c,・・・における3つの電極郡に対して3相の電圧を印加する。また、移動子電極4a,4b,4c,・・・には、配列のすべてを結線し1つの電極郡を構成するようにする。そして、移動子電極4a,4b,4c,・・・からなる電極郡には変化しない所定電圧を印加する。
静電アクチュエータにおいて、固定子と移動子はその表面において対向している。電圧を印加することにより、固定子の表面に設けられた平面状の電極3a,3b,3c,・・・と、移動子の表面に設けられた平面状の電極4a,4b,4c,・・・との間には静電力が作用する。静電力によって移動子が固定子に対して移動する方向は印加する3相の電圧の位相によって決まる。
固定子電極3a,3b,3c,・・・と、移動子電極4a,4b,4c,・・・の配列間隔は、一致させてもよいが、必ずしも一致させる必要性はない。配列間隔は各々の電極において独立した間隔を設定することができるが、配列間隔の比率によっては、電極に作用する静電力の方向が揃わなくなり電力の変換効率を悪くすることになる。
図3と図4に示す一例においては、固定子電極3a,3b,3c,・・・の配列間隔に対して、移動子電極4a,4b,4c,・・・の配列間隔は3倍となっている。すなわち、3相の電圧を印加することを想定して、移動子電極4a,4b,4c,・・・のすべてに、同様な静電力が作用するようにしたものである。この場合、固定子電極3a,3b,3c,・・・における3相の電圧の位相の進む速度と移動子電極4a,4b,4c,・・・の移動速度が一致するときが同期した速度であり最大の移動速度となる。負荷が大きいときには位相の進む速度に対して移動子の滑りを生じ最大の移動速度にはならないが、遅い速度での移動が可能である。
本発明の静電アクチュエータの電極構造における構成の一例を示す図である。 電極構造における凹凸形状を正弦波形状としたときの、固定子電極と移動子電極を示す図である。 固定子における電極を移動方向に所定の間隔で複数配列した一例を示す図である。 移動子における電極を移動方向に所定の間隔で複数配列した一例を示す図である。
符号の説明
11 固定子電極
12 移動子電極
21 固定子電極
22 移動子電極
3a,3b,3c,・・・ 固定子電極
4a,4b,4c,・・・ 移動子電極









Claims (5)

  1. 固定子と移動子がその表面において対向し、前記固定子と前記移動子の各々の表面に設けられた平面状の電極の間に作用する静電力によって前記移動子が前記固定子に対して移動し、その移動方向が前記表面に沿う方向である静電アクチュエータの電極構造であって、
    前記電極は前記移動方向に対し直角方向に長く延びた延長形状を有し、前記長く延びる方向の2つの縁に所定周期で凹凸形状が存在し、前記固定子と前記移動子の各々の電極の一方は前記2つの縁における凹凸形状の位相が一致しており、他方は前記2つの縁における凹凸形状の位相が180度ずれていることを特徴とする静電アクチュエータの電極構造。
  2. 請求項1記載の静電アクチュエータの電極構造において、前記凹凸形状は三角波形状であることを特徴とする静電アクチュエータの電極構造。
  3. 請求項1記載の静電アクチュエータの電極構造において、前記凹凸形状は正弦波形状であることを特徴とする静電アクチュエータの電極構造。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の静電アクチュエータの電極構造において、前記固定子と前記移動子の各々の電極は前記移動方向に所定の間隔で複数配列し、前記固定子と前記移動子のすくなくとも一方は前記配列の3つ置きに結線され3つの電極郡を構成することを特徴とする静電アクチュエータの電極構造。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の静電アクチュエータの電極構造において、前記電極は、前記固定子と前記移動子の凹形状と凸形状が近接するときに同極性として斥力を作用させ、凸形状と凸形状が近接するときに異極性として引力を作用させる電圧が印加される電極であることを特徴とする静電アクチュエータの電極構造。

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