JP2009284288A - デジタル放送受信装置及びデジタル放送受信方法 - Google Patents

Abstract

【課題】消費電力を削減することの可能な、或いは処理能力の低いデコーダーでもアプリケーションの操作レスポンスを改善することが可能なデジタル放送受信装置を提供する。
【解決手段】デジタル放送受信装置は、アプリケーションの動作状態を検知し、前記検知結果に基づいて、映像符号化ストリームのデコード処理を低減するか否かを判定し、負荷低減デコードか通常デコードを行う。また、複数番組のデコードのうち、表示している番組映像がどれかを判定し、表示番組映像は通常デコードを行い、非表示映像は負荷低減デコードを行う。
【選択図】図１

Description

本発明は、デジタル放送受信装置に関し、更に詳しくは、映像符号化ストリームのデコードを行うデジタル放送受信装置に関する。

近年、デジタル放送受信装置上で動作するアプリケーションの数は増加し、その処理量も増加しているため、処理能力の高いＣＰＵが必要となる。また、複数の放送番組を表示可能なデジタル放送受信装置では、同じく処理能力の高いＣＰＵや、もしくは処理能力の高い映像デコーダー、或いは複数の映像デコーダーが必要となる。複数の放送番組を表示可能なデジタル放送受信装置において、処理能力の低いデコーダーで実現することが可能なデジタル放送受信装置が公知である（例えば、特許文献１参照）。

上記特許文献１に記載のデジタル放送受信装置では、複数番組のうち、1つの番組をデコードする処理量が不足した場合に、デコードする解像度やフレーム数を落とすことで、処理能力の低いデコーダーでも、複数の番組を表示することができる。
特開２００４−２１５０２８号公報

しかしながら、上記特許文献１記載のデジタル放送受信装置では、単純に複数番組の表示のために処理量を削減することを想定しており、負荷を低減したデコード状態（以下、負荷低減デコードと称す）にするか否かについて、複数番組を表示する場合以外に制御することができない。処理能力の低いデコーダーでデジタル放送受信装置を構成するには、例えば、処理能力の低いデコーダーを使用すると共に、一部のデコード処理をソフトウェアでデコードする場合や、全てをソフトウェアでデコード処理する場合が考えられるが、アプリケーションの動作状態によってもデコード負荷を制御しなければ、アプリケーションの操作レスポンスの悪化に繋がる。また、複数番組を表示する場合、瞬時に表示するためには複数番組を同時にデコードしておく必要があるが、複数番組が表示されていない場合においても、複数番組に対して通常のデコード処理を行うことで、無駄な消費電力を消費してしまう。

本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、アプリケーションの動作状態、或いは複数番組のうち表示されている番組映像に基づいて、デコード負荷の制御を動的に行う方法を提供する。

本発明の第１の発明に係るデジタル放送受信装置は、アプリケーションの動作状態を検知するアプリケーション動作検知部と、アプリケーション動作検知部が検知した動作状態に基づいて映像符号化ストリームのデコード負荷を制御するデコード負荷制御部と、を具備することを特徴とする。

また、本発明の第２の発明に係るデジタル放送受信装置は、本発明の第１の発明に係るデジタル放送受信装置の構成において、デコード負荷制御部は、映像符号化ストリームのイントラピクチャのみをデコードするか全てのピクチャをデコードするかを制御することを特徴とする。

また、本発明の第３の発明に係るデジタル放送受信装置は、本発明の第１の発明に係るデジタル放送受信装置の構成において、デコード負荷制御部は、映像符号化ストリームがＨ．２６４／ＡＶＣ形式のストリームであって、デブロッキングフィルタ処理を実行するかどうかを制御することを特徴とする。

また、本発明の第４の発明に係るデジタル放送受信装置は、複数系統の映像符号化ストリームを同時にデコードでき、複数系統の映像符号化ストリームのうち表示する番組映像がいずれかを指示する表示番組映像制御部と、表示番組映像制御部が指示結果に基づき、映像符号化ストリームのデコード負荷を制御するデコード負荷制御部と、を具備することを特徴とする。

また、本発明の第５の発明に係るデジタル放送受信装置は、本発明の第４の発明に係るデジタル放送受信装置の構成において、デコード負荷制御部は、映像符号化ストリームのイントラピクチャのみをデコードするか全てのピクチャをデコードするかを制御することを特徴とする。

また、本発明の第６の発明に係るデジタル放送受信装置は、本発明の第４の発明に係るデジタル放送受信装置の構成において、デコード負荷制御部は、映像符号化ストリームがＨ．２６４／ＡＶＣ形式のストリームを含み、デブロッキングフィルタ処理を実行するかどうかを制御することを特徴とする。

また、本発明の第７の発明に係るデジタル放送受信装置は、アプリケーションの動作状態を検知するステップと、検知した動作状態に基づいて映像符号化ストリームのデコード負荷を制御するステップと、を具備することを特徴とする。

また、本発明の第８の発明に係るデジタル放送受信装置は、複数系統の映像符号化ストリームを同時にデコードでき、前記複数系統の映像符号化ストリームのうち表示する番組映像がいずれかを指示するステップと、表示する番組映像指示結果に基づき、映像符号化ストリームのデコード負荷を制御するステップと、を具備することを特徴とする。

映像符号化ストリームのデコード負荷を動的に制御することで、消費電力の削減やアプケーションの操作レスポンスを改善することができる。

（実施の形態１）
図１は、本発明の実施の形態１にかかるデジタル放送受信装置を示すブロック図である。デジタル放送受信装置１００は、受信選局部１０１と、ＴＳ処理部１０２と、制御部１０３と、ＡＶ処理部１０４と、デコード負荷制御部１０５と、アプリケーション動作検知部１０６と、ＯＳＤ表示制御部１０７及びＡＶ出力部１０８から構成される。

受信選局部１０１は、制御部１０３から通知される番組のＴＳを得るべく、受信したデジタル放送波に復調と選局処理を行い、ＴＳとしてＴＳ処理部１０２へ出力する。

ＴＳ処理部１０２は、受信選局部１０１から入力されたＴＳから制御部１０３から通知される番組のＡＶストリームをＡＶ処理部１０４へ出力する。

制御部１０３は、ユーザのリモコン（図示せず）操作などから入力される番組選択指示からデジタル放送受信装置１００が選局すべき番組を受信選局部１０１とＴＳ処理部１０２へ通知する。また、同じくユーザのリモコン（図示せず）操作などから入力されるアプリケーション動作要求、或いは自発的に起動するアプリケーションの動作制御を行い、そのアプリケーションの動作状態をアプリケーション動作検知部１０６へ通知する。また、アプリケーションに必要なＯＳＤ表示要求をＯＳＤ表示制御部１０７へ通知する。

ＡＶ処理部１０４は、ＴＳ処理部１０２から入力されたＡＶストリームをデコードし、デジタルの映像データ及び音声データとしてＡＶ出力部１０８へ出力する。また、デコード処理にあたっては、デコード負荷制御部１０５から通知される制御指示情報に基づいて、負荷低減デコードか通常デコードを行う。

デコード負荷制御部１０５は、アプリケーション動作検知部１０６から通知される動作状態に基づき、デコードの負荷を低減するか否かを判定し、前記結果から負荷低減デコードを行うか否かをＡＶ処理部１０４へ指示する。

アプリケーション動作検知部１０６は、制御部１０３から通知されるアプリケーションの動作状態を検知し、アプリケーションが動作しているか否かをデコード負荷制御部１０５へ通知する。

ＯＳＤ表示制御部１０７は、制御部１０３から通知されるＯＳＤ表示要求に基づいて必要となるＯＳＤ表示データを構築し、ＡＶ出力部１０８へ出力する。

ＡＶ出力部１０８は、ＡＶ処理部１０４から出力された映像データと、ＯＳＤ表示制御部１０７から出力されたＯＳＤ表示データとを合成し、アナログデータへ変換した後、映像信号として、モニタなどの表示装置へ出力する。また、ＡＶ処理部１０４から出力された音声データを、アナログデータへ変換した後、音声信号としてスピーカーなどの音声出力装置へ出力する。

次に、本発明の実施の形態１における動的なデコード負荷制御処理について、図２に示すフローチャートを用いて説明する。デコード負荷制御部１０５は、アプリケーション動作検知部１０６からアプリケーションが動作状態になったか否かの通知を受けた場合（Ｓ１０１）、デコード負荷を低減すべきか否かを判定する（Ｓ１０２）。判定結果が「デコード負荷を低減する」場合（Ｓ１０２で「ＹＥＳ」）、デコード負荷制御部１０５は、ＡＶ処理部１０４へ負荷低減デコード状態に移行するよう指示する（Ｓ１０３）。一方で、デコード負荷を低減すべきか否かの判定結果が「デコード負荷を低減しない」場合（Ｓ１０２で「ＮＯ」）、デコード負荷制御部１０５は、ＡＶ処理部１０４へ負荷を低減しない通常デコード状態に移行するよう指示する（Ｓ１０４）。

なお、負荷低減デコードとしては、ＭＰＥＧ形式のストリームにおいて、参照ピクチャを必要としないイントラピクチャのみをデコードする手法や、Ｈ．２６４／ＡＶＣ形式のストリームにおいて、デブロッキングフィルタ処理を省略する手法が存在する。ただし、負荷低減状態を上記手法に限定するものではない。

また、アプリケーションが動作状態であるか否かを負荷低減デコード状態に移行する条件としたが、例えば、負荷低減デコードに移行すべきアプリケーションとそうでないアプリケーションを区別する情報を保持しておくことで、処理量の多いアプリケーションでは負荷低減デコードに移行し、そうでないアプリケーションでは通常デコードを維持するような動作制御も可能となる。さらに、アプリケーションが動作しているか否かだけでなく、アプリケーションの各動作に応じて、負荷低減デコードに移行するかどうか判定してもよい。例えば、番組表アプリケーションの動作時に、画面内容が大きく変更される場合には、負荷低減デコードに移行することが望ましい。

本実施の形態１によれば、負荷低減デコードへの切換をアプリケーションの動作状態に基づいて動的に制御できる。その結果、消費電力を削減することが可能となり、またデコード処理に使用するＣＰＵ処理量を削減することで、アプケーションの操作レスポンスを改善することができる。

（実施の形態２）
図３は、本発明の実施の形態２におけるデジタル放送受信装置を示すブロック図である。
２系統のＡＶ処理部を持ち、表示している番組映像がいずれかという情報に基づき、デコード負荷の制御を行う点で実施の形態１と異なる。ここで、図１と同等の機能を有する構成については、同符号を付して説明を省略する。

デジタル放送受信装置２００は、受信選局部１０１と、ＴＳ処理部２０１と、制御部２０２と、ＡＶ処理部１０４と、ＡＶ２処理部２０３と、デコード負荷制御部２０４と、表示番組映像制御部２０５と、ＯＳＤ表示制御部１０７及びＡＶ出力部２０６から構成される。

ＴＳ処理部２０１は、受信選局部１０１から入力されたＴＳから制御部２０２より通知される２系統の番組のＡＶストリームをそれぞれＡＶ処理部１０４とＡＶ２処理部２０３へ出力する。

制御部２０２は、選局すべき２系統の番組をＴＳ処理部に通知する。また、ＡＶ処理部１０４でデコードした番組とＡＶ２処理部２０３でデコードした番組のいずれを表示するかを表示番組映像制御部２０５へ指示する。

ＡＶ２処理部２０３は、ＴＳ処理部２０１から出力されたＡＶ処理部１０４とは異なる番組のＡＶストリームをデコードし、デジタルの映像データ及び音声データとしてＡＶ出力部２０６へ出力する。また、デコード処理にあたっては、デコード負荷制御部２０４から通知される制御指示情報に基づいて、負荷低減デコードか通常デコードを行う。

デコード負荷制御部２０４は、表示番組映像制御部２０５から通知される表示番組映像情報に基づき、表示中の番組映像に対しては通常デコードを指示することで負荷低減デコードは行わず、表示していない番組映像に対しては負荷低減デコードを指示する。つまり、例えば、ＡＶ処理部１０４が表示中の番組映像のＡＶストリームをデコードしていて、ＡＶ２処理部２０３が非表示中の番組映像のＡＶストリームをデコードしている場合、ＡＶ処理部１０４へ通常デコードを指示し、ＡＶ２処理部２０３へは負荷低減デコードを指示する。

表示番組映像制御部２０５は、制御部２０２から通知された表示すべき番組を表示番組映像情報としてデコード負荷制御部２０４とＡＶ出力部２０６に通知する。

ＡＶ出力部２０６は、表示番組映像制御部２０５から通知された表示番組映像情報に基づき、ＡＶ処理部１０４もしくはＡＶ２処理部２０３から出力された映像データのうち表示すべき映像データを選択し、ＯＳＤ表示制御部１０７から入力されたＯＳＤ表示データを合成し、アナログデータへ変換した後、映像信号としてモニタなどの表示装置へ出力する。また、表示番組映像制御部２０５から通知された表示番組映像情報に基づいて、ＡＶ処理部１０４もしくはＡＶ２処理部２０３から入力された音声データを、アナログデータへ変換した後、音声信号としてスピーカーなどの音声出力装置へ出力する。

次に、本発明の実施の形態２における動的なデコード負荷制御処理について、図４に示すフローチャートを用いて説明する。

表示番組映像制御部２０５は、表示する番組が切り替えられた場合（Ｓ２０１）、デコード負荷制御部２０４へ表示番組映像情報を通知する。デコード負荷制御部２０４は、通知された表示番組映像情報に基づいて、まずＡＶ処理部１０４がデコードする番組が表示番組映像か否かを判定し（Ｓ２０２）、表示番組映像であれば（Ｓ２０２で「ＹＥＳ」）、通常デコードするようＡＶ処理部１０４へ指示する。一方で、非表示番組であるならば（Ｓ２０２で「ＮＯ」）、ＡＶ処理部１０４に対して負荷低減デコードするよう指示する。同様に、ＡＶ２処理部２０３に対しても指示を行う。

なお、負荷低減デコードとしては、ＭＰＥＧ形式のストリームにおいて、参照ピクチャを必要としないイントラピクチャのみをデコードする手法や、Ｈ．２６４／ＡＶＣ形式のストリームにおいて、デブロッキングフィルタ処理を省略する手法が存在する。ただし、負荷低減状態を上記手法に限定するものではない。

また、図３においては、受信選局部１０１とＴＳ処理部２０１を1系統ずつ有し、ＡＶ処理部が２系統あるデジタル放送受信装置２００において説明を行ったが、これは、例えば、地上デジタル放送における１２セグメント放送と１セグメント放送を同時にデコードする場合の構成例に適用できるが、それに限定するものではなく、受信選局部とＴＳ処理部を２系統、あるいは受信選局部、ＴＳ処理部、ＡＶ処理部を複数系統有したものにおいても該当するものである。

本実施の形態２によれば、負荷低減デコードへの切換を表示している番組に基づいて動的に制御できる。その結果、消費電力を削減することが可能となり、またデコード処理に使用するＣＰＵ処理量を削減することで、アプケーションの操作レスポンスを改善することができる。

本発明のデジタル放送受信装置は、アプリケーションの動作状態、あるいは表示番組に基づいて、デコード負荷を動的に制御することができ、ＡＶデコード処理を有する機器に関して有用である。

本発明の実施の形態１におけるデジタル放送受信装置の構成を示すブロック図 本発明の実施の形態１におけるアプリケーション動作に基づいたデコード負荷制御処理を示すフローチャート 本発明の実施の形態２におけるデジタル放送受信装置の構成を示すブロック図 本発明の実施の形態２における表示番組に基づいたデコード負荷制御処理を示すフローチャート

符号の説明

１００、２００ デジタル放送受信装置
１０１ 受信選局部
１０２、２０１ ＴＳ処理部
１０３、２０２ 制御部
１０４ ＡＶ処理部
２０３ ＡＶ２処理部
１０５、２０４ デコード負荷制御部
１０６ アプリケーション動作検知部
１０７ ＯＳＤ表示制御部
１０８、２０６ ＡＶ出力部
２０５ 表示番組映像制御部

Claims (7)

1. 入力された映像符号化ストリームをデコードするＡＶ処理部と、
   アプリケーションの動作状態を検知するアプリケーション動作検知部と、
   前記アプリケーション動作検知部が検知した動作状態に基づいて前記ＡＶ処理部でデコードする映像符号化ストリームのデコード負荷を制御するデコード負荷制御部を備えた
   ことを特徴とするデジタル放送受信装置。
2. 入力された複数系統の映像符号化ストリームを同時にデコード可能なＡＶ処理部と、
   前記複数系統の映像符号化ストリームのうち表示する番組映像がいずれかを指示する表示番組映像制御部と、
   前記表示番組映像制御部から通知される指示結果に基づき、前記ＡＶ処理部でデコードする映像符号化ストリームのデコード負荷を制御するデコード負荷制御部を備えた
   ことを特徴とするデジタル放送受信装置。
3. 前記ＡＶ処理部は、前記デコード負荷制御部の指示に基づいて、処理負荷を低減したデコード処理である負荷低減デコードか通常のデコード処理である通常デコードの何れか行うことを特徴とする請求項１または２に記載のデジタル放送受信装置。
4. 前記ＡＶ処理部は、前記負荷低減デコードをする場合前記映像符号化ストリームのイントラピクチャのみをデコードし、前記通常デコードをする場合全てのピクチャをデコードすることを特徴とする請求項３に記載のデジタル放送受信装置。
5. 前記ＡＶ処理部は、前記映像符号化ストリームがＨ．２６４／ＡＶＣ形式のストリームであれば、前記負荷低減デコードをする場合デブロッキングフィルタ処理を行わず、前記通常デコードをする場合デブロッキングフィルタ処理を行うことを特徴とする請求項３に記載のデジタル放送受信装置。
6. 入力された映像符号化ストリームをデコードするＡＶ処理ステップと、
   アプリケーションの動作状態を検知するアプリケーション動作検知ステップと、
   前記アプリケーション動作ステップで検知した動作状態に基づいて前記ＡＶ処理ステップでデコードする映像符号化ストリームのデコード負荷を制御するデコード負荷制御ステップを備えたことを特徴とするデジタル放送受信方法。
7. 入力された複数系統の映像符号化ストリームを同時にデコード可能なＡＶ処理ステップと、
   前記複数系統の映像符号化ストリームのうち表示する番組映像がいずれかを指示する表示番組映像制御ステップと、
   前記表示番組映像制御ステップから通知される指示結果に基づき、前記ＡＶ処理ステップでデコードする映像符号化ストリームのデコード負荷を制御するデコード負荷制御ステップを備えた
   ことを特徴とするデジタル放送受信方法。

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