JP2009280882A - スパッタ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ターゲット間でのプラズマの閉じ込めを向上し、基板の近くでの放電を防止して、低ダメージで低温成膜が可能な対向ターゲット式のデュアルマグネトロンスパッタ装置を提供すること。
【解決手段】2つのカソードに交流電圧を印加し、真空槽内に配置された基板にターゲット成分を含む膜を付着するデュアルマグネトロンスパッタリング装置において、各ターゲットの周囲にはアースシールドが設けられ、かつ、チャンバー内のカソードの周辺をアースと電気的に絶縁した。
【選択図】図1

Description

本発明はスパッタ装置に関し、特に安定に動作するデュアルマグネトロンスパッタ装置に関するものである。
現在のスパッタ装置は、低温でスパッタ膜を形成できる半導体をはじめ、有機ELを用いた表示装置や光学部品の基板材料、或いは、樹脂フィルム等への薄膜形成にも広く利用されている。対向ターゲット式のデュアルマグネトロンスパッタ装置は、特に低温で成膜できることから樹脂フィルムなどへの応用が検討されているのが実状である。
以下、図4を参照しながら、従来の対向ターゲット式のデュアルマグネトロンスパッタ装置の一例について説明する。
真空槽1内に、一対のターゲット2,3が空間を隔てて平行に対面するように配置されると共に、基板4はターゲット2,3の側方に設けた基板ホルダー5によりターゲット2,3の空間の側方に該空間に対面するように配置する。そして、ターゲットホルダー6,7は空洞構造とし、冷却水の供給管8a,9a及び排出管8b,9bを設けることで冷却可能とし、絶縁部材10,11を介して真空槽1に設置している。
一方、磁界発生手段は、永久磁石12,13にすると同時に、ターゲット2,3の後方(裏面)のターゲットホルダー6,7内にその磁極により形成される磁界が全てターゲット2,3のスパッタ面の垂直方向で同じ向きであり、かつ、ターゲット2,3の周辺部に配置してある。従って、磁界はターゲット2,3間の空間のみに形成される。なお、符号14,15はアースシールドであり、16は真空槽1の内壁面にスパッタ膜が付着するのを防止する防着板である。
従って、図示省略した排気系により排気口17を通して真空槽1内を排気した後、図示省略したガス導入系から導入口18を通してアルゴン等のスパッタガスを導入し、図4に示すように、交流電源からなるスパッタ電源19によりアースシールド14,15と真空槽1と防着板16を陽極(接地)に、ターゲット2,3を陰極にしてスパッタ電力を供給し、磁石12,13により前述の磁界を発生させることにより真空槽1内でスパッタが行われ、基板4上にターゲット2,3に対応した組成の膜が形成される。
この際、前述の構成によりスパッタ面に垂直に磁界が発生しているので、対向するターゲット2,3間の空間内に高エネルギー電子が閉じ込められ、ここでのスパッタガスのイオン化が促進されてスパッタ速度が高くなり高速の膜形成ができる。その上、基板4は従来のスパッタ装置のようにターゲット2,3に対向せず、ターゲット2,3の側方に配置されているので、基板4上への高いエネルギーを有するイオンや電子の衝突がほとんど無くなり、かつターゲット2,3からの熱輻射も小さく基板温度の上昇が小さくなり、その結果、低温の膜形成ができる。
更に、ターゲット2,3を金属とし、酸素や窒素などをガス導入系から導入口18を通して導入して反応性スパッタを行う場合、デュアルマグネトロンスパッタでは、交流電源19により、金属のターゲット2,3に交互にプラス電位とマイナス電位を反転させながらスパッタ電力を供給し、磁石12,13により真空槽1内に磁界を発生させることによりスパッタが行われ、プラズマの中でターゲット2,3から飛散した金属粒子と酸素等が反応し、基板4上に金属酸化膜が形成される。
このとき、ターゲット2,3はプラス電位とマイナス電位が常に反転しているため、ターゲット2,3の表面でのチャージアップが取り除かれ、酸化膜、窒化膜でも高速で異常放電を生じること無く成膜できるものとされている。
特開平11−29860号公報 特許第3735462号公報 特開平3−138354号公報
上記対向ターゲット式のデュアルマグネトロンスパッタ装置は、低温でスパッタできるなどの優れた特徴がある。しかしながら、デュアルマグネトロンスパッタ装置に限らないが、放電はターゲットとアースの間で発生するため、アースシールドをはじめチャンバー内の至るところで放電が発生し、基板近くにも放電が発生することになる。
そのため、イオンや電子が基板に衝突し、ダメージを与え、温度を上昇させることとなる。これは、対向ターゲット式のデュアルマグネトロンスパッタ装置においても同様に、本来はターゲット間だけに放電が発生するはずであるが、基板近くにも放電が発生する。また、スパッタ装置は成膜したい基板ばかりでなく真空槽内の防着板や至るところにターゲット成分が膜となり付着する。
例えばターゲット並びにターゲットホルダー、磁石を含むカソードの周辺に配置するアースシールドに酸化物などの電気的絶縁体が堆積した場合は、プラズマに掛かる電界が変化する。従って、金属のアースシールド表面が絶縁体で覆われるまで、電界が比較的に一定とならないため、長時間のプリスパッタが必要となる。しかし、完全には電界が一定にはならず、量産の場合には製造毎にスパッタの様子が異なり、製造される膜が異なることになる。
そのために、定期的に真空槽内の清掃も多く必要とした。更に、真空槽内の防着板などに電気的絶縁体の堆積が進行すると放電を維持するためにプラズマが残存するアースに向かって進行するため、基板側にアースが残存する場合は、基板に衝突することとなる。対向ターゲット式のデュアルマグネトロンスパッタ装置においては、対向するターゲット同志が陽極となり、アース消失現象は起きないが、チャンバー内の何れかにアースが存在すれば同様にプラズマが進行することとなる。
本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、ターゲット間でのプラズマの閉じ込めを向上させ、基板の近くでの放電を防止すると共に、低ダメージで低温成膜が可能なスパッタ装置を提供することにある。
上記問題を解決するために、本発明は、真空槽と、前記真空槽内に配置された複数のターゲットをそれぞれ保持する複数のターゲットホルダーと、前記複数のターゲットホルダーの各々に交流電圧を印加する電源と、前記真空槽内に配置されかつ基板を保持する基板ホルダーと、前記ターゲットの裏面に設けられた磁石と、を有するスパッタ装置において、前記複数のターゲットホルダーは相対向して配置され、かつ、基板ホルダーは前記複数のターゲットホルダーの間かつターゲットの表面に平行な方向に配置され、各ターゲットの周囲にはそれぞれアースシールドが設けられ、前記アースシールドは電気的に絶縁される絶縁部材と接続されることを特徴とするものである。
その結果、2つのターゲットだけが、交互に陽極となるので、ターゲット間での放電の閉じ込めが向上し、低ダメージ、低温で成膜が可能となる。
このとき、アースシールドを含めカソードの周辺にある全ての部品をアースから電気的に絶縁することが好適である。また、電気絶縁物をコーティングして、アースと電気的に絶縁しても良い。更に、カソードと基板を除き真空槽内の全体を電気的に絶縁することが好適である。
以上のように本発明のスパッタ装置によれば、2つのターゲットだけが、交互に陽極となるので、ターゲット間での放電の閉じ込めが向上し、イオンや電子の衝撃がなく低ダメージ、低温での成膜が可能となる。
また、アースシールドを含め、ターゲットならびにターゲットホルダー、磁石を含むカソードと基板を除き真空槽内の全体をアースと電気的に絶縁しているため、真空槽内の電位が大きく変化せず、放電が安定し、プリスパッタ時間を短縮でき、成膜速度、膜厚分布、膜質も安定することとなる。さらに、ターゲット間での放電の閉じ込めが向上したために、基板とターゲットの距離を近づけても、ダメージも温度上昇が少ないために、成膜速度を向上できることとなる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における対向ターゲット式のデュアルマグネトロンスパッタ装置の概略断面図である。
図1において、図4と同じ構成要素については同じ符号を用い説明を省略する。
図1において、符号101はアースシールド14をアースと電気的に絶縁する絶縁部材であり、符号102もアースシールド15をアースと電気的に絶縁する絶縁部材である。
以上のように構成された対向ターゲット式のデュアルマグネトロンスパッタ装置について、その動作を説明する。
まず、図示省略した排気系により排気口17を通して真空槽1内を排気した後、図示省略したガス導入系から導入口18を通してアルゴン等のスパッタガスと酸素等の反応性ガスを導入する。そして、図示のように交流電源からなるスパッタ電源19により、金属のターゲット2,3に交互にプラス電位とマイナス電位を反転させながら、スパッタ電力を供給し、磁石12,13により前述の磁界を発生させることによりスパッタが行われ、プラズマの中で、ターゲット2,3から飛散した金属粒子と酸素等が反応し、基板4上に金属酸化膜が形成される。
このとき、従来のデュアルマグネトロンスパッタ装置では、対向するターゲット2,3同士が陽極となるため、アース消失せずに放電を維持することができるが、放電はターゲット2,3とアースの間で発生するため、実際はターゲット2,3に最も近いアースシールド14,15と放電が発生するため、基板近くにも放電が発生することになる。
そのため、イオンや電子が基板4に衝突し、ダメージを与え、温度を上昇させることとなる。また、アースシールド14,15に酸化物や窒化物の絶縁体が堆積してくると、アース電位ではなくなり、アース電位を確保している防着板16にプラズマが進行するため基板4の近くもプラズマが発生することになる。このため、基板4へのダメージや、温度上昇がさらに大きくなる。更に、プラズマにかかる電界も変化するため、成膜速度、膜厚均一性、膜質などが変化することとなる。
しかし、本実施の形態によれば、アースシールド14,15がアースとテフロン(登録商標)や、セラミックなどの絶縁部材101,102により電気的に絶縁されているために、アースシールド14,15とは放電しないため、ターゲットは比較的に近い対向するターゲット2,3同士を陽極として放電し、プラズマがターゲット2,3間に閉じ込められやすくなる。従って、イオンや電子の基板4への衝突が減少するため、低ダメージで、低温での成膜が可能となる。
また、成膜初期から常に、アースシールド14,15はアースと絶縁されているために、プラズマの発生場所も電界も変化が少ないために、成膜速度、膜厚均一性、膜質が安定することとなる。従って、プリスパッタ時間も大幅に短縮できることとなる。
なお、本実施の形態において、アースシールド14,15のアースとの絶縁をテフロン(登録商標)やセラミックなどの絶縁部材101,102を挟むことにより行ったが、アースシールド14,15の表面にAl23、SiO2、SiCやSiNなどの絶縁材料を溶射などでコーティング、或いは、アースシールド14,15の材質がアルミのときはアルマイト処理等を行っても良い。
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施の形態2における対向ターゲット式のデュアルマグネトロンスパッタ装置の概略断面図である。
図2において、図4と同じ構成要素については同じ符号を用い説明を省略する。
図2において、符号103はアースシールド14をアースと電気的に絶縁する絶縁部材であり、符号104もアースシールド15をアースと電気的に絶縁する絶縁部材である。また、符号105は防着板16をアースと電気的に絶縁する絶縁部材であり、符号106は基板ホルダー5をアースと電気的に絶縁する絶縁部材である。
以上のように構成された対向ターゲット式のデュアルマグネトロンスパッタ装置について、その動作を説明する。
まず、図示省略した排気系により排気口17を通して真空槽1内を排気した後、図示省略したガス導入系から導入口18を通してアルゴン等のスパッタガスと酸素等の反応性ガスを導入する。そして、図示のように交流電源からなるスパッタ電源19により、金属のターゲット2,3に交互にプラス電位とマイナス電位を反転させながら、スパッタ電力を供給し、磁石12,13により前述の磁界を発生させることによりスパッタが行われ、プラズマの中で、ターゲット2,3から飛散した金属粒子と酸素等が反応し、基板4上に金属酸化膜が形成される。
このとき、従来のデュアルマグネトロンスパッタ装置では、対向するターゲット2,3同士が陽極となるため、アース消失せずに放電を維持することができるが、放電はターゲット2,3とアースの間で発生するため、実際はターゲット2,3に最も近いアースシールド14,15と放電が発生するため、基板近くにも放電が発生することになる。そのため、イオンや電子が基板4に衝突し、ダメージを与え、温度を上昇させることとなる。
また、アースシールド14,15に酸化物や窒化物の絶縁体が堆積してくると、アース電位ではなくなり、アース電位を確保している防着板16にプラズマが進行するため、基板4の近くもプラズマが発生することになる。このため、基板4へのダメージや、温度上昇がさらに大きくなる。更に、プラズマにかかる電界も変化するため、成膜速度、膜厚均一性、膜質などが変化することとなる。
しかし、本実施の形態によれば、ターゲット2,3並びにターゲットホルダー6,7、磁石12,13を含むカソードと基板4以外を除いた真空槽1内の全体をアースと電気的に絶縁している。アースシールド14,15については、テフロン(登録商標)やセラミックなどの絶縁部材103,104、防着板16については、テフロン(登録商標)やセラミックなどの絶縁部材105、基板ホルダー5については、テフロン(登録商標)やセラミックなどの絶縁部材106により、アースと電気的に絶縁されている。
従って、真空槽1内には、アース電位の部品が存在しなくなり、2つのターゲット2,3同士だけが相互に陽極として存在することになり、放電がターゲット2,3間に閉じ込められることになる。従って、イオンや電子の基板4への衝突が減少するため、低ダメージで、低温での成膜が可能となる。また、成膜初期から常にターゲット2,3並びにターゲットホルダー6,7、磁石12,13を含むカソードと基板4以外を除いた真空槽1内の全体がアースと絶縁されているために、実施の形態1のアースシールド14,15だけをアースと絶縁するよりも、プラズマの発生場所も電界も変化が少なくなり、成膜速度、膜厚均一性、膜質がより安定することとなる。
従って、プリスパッタ時間も大幅に短縮できることとなる。
なお、本実施の形態において、アースシールド14,15のアースとの絶縁をテフロン(登録商標)やセラミックなどの絶縁部材103,104を挟むことにより行ったが、アースシールド14,15の表面にAl23、SiO2、SiCやSiNなどの絶縁材料を溶射などでコーティング、或いは、アースシールド14,15の材質がアルミのときは、アルマイト処理などを行っても良い。また、基板ホルダー5、防着板16のアースとの絶縁についても同様である。
また、本実施の形態において、ターゲット2,3並びにターゲットホルダー6,7、磁石12,13を含むカソードと基板4以外を除いた真空槽1内の全体をアースと電気的に絶縁するとしたが、装置構成上、防着板16が設置できない、絶縁できない箇所が発生したとしても、本発明の効果が減少するが可能である。
(実施の形態3)
図3は、本発明の実施の形態3におけるデュアルマグネトロンスパッタ装置の概略断面図である。
以下、図3を参照しながら、本実施の形態3におけるデュアルマグネトロンスパッタ装置について説明する。
真空槽1内に、ターゲット2とターゲット3が2つ並んで配置すると共に、基板4はターゲット2,3の正面に設けた基板ホルダー5により、ターゲット2,3の表面に成膜面が対向するように配置する。そして、ターゲットホルダー6,7は空洞構造とし冷却水の供給管8a,9a及び排出管8b,9bを設け冷却可能とし、絶縁部材10,11を介して真空槽1に設置している。一方、磁界発生手段は、N極とS極が対となっている永久磁石12,13にすると同時に、ターゲット2,3の後方のターゲットホルダー6,7内にその磁極により形成される磁界が全てターゲット2,3の表面に形成される。なお、符号14,15はアースシールドであり、符号16は真空槽1内壁面にスパッタ膜が付着するのを防止する防着板である。
次に、符号107はアースシールド14をアースと電気的に絶縁する絶縁部材であり、符号108もアースシールド15をアースと電気的に絶縁する絶縁部材である。符号109は防着板16をアースと電気的に絶縁する絶縁部材であり、符号110は基板ホルダー5をアースと電気的に絶縁する絶縁部材である。
以上のように構成されたデュアルマグネトロンスパッタ装置について、その動作を説明する。
まず、図示省略した排気系により排気口17を通して真空槽1内を排気した後、図示省略したガス導入系から導入口18を通して、アルゴン等のスパッタガスと酸素等の反応性ガスを導入する。そして、図示のように交流電源からなるスパッタ電源19により、金属のターゲット2,3に交互にプラス電位とマイナス電位を反転させながら、スパッタ電力を供給し、磁石12,13の磁界によりスパッタが行われ、プラズマの中でターゲット2,3から飛散した金属粒子と酸素等が反応し、基板4上に金属酸化膜が形成される。
このとき、従来のデュアルマグネトロンスパッタ装置では、並んで配置しているターゲット2,3同士が陽極となるため、アース消失せずに放電を維持することができるが、放電はターゲット2,3とアースの間で発生するため、実際はアースシールド14,15や真空槽1内の防着板16とも放電するため、基板4の近くにもプラズマが発生することになる。そのため、イオンや電子が基板4に衝突し、ダメージを与え、温度を上昇させることとなる。
また、アースシールド14,15に酸化物や窒化物の絶縁体が堆積してくると、アース電位ではなくなり、アース電位を確保している防着板16にプラズマが進行するため、更に基板4の近くでプラズマが発生しやすくなる。このため、基板4へのダメージや、温度上昇がさらに大きくなる。さらに、プラズマにかかる電界も変化するため、成膜速度、膜厚均一性、膜質などが変化することとなる。
しかし、本実施の形態によれば、ターゲット2,3並びにターゲットホルダー6,7、磁石12,13を含むカソードと、基板4以外を除いた真空槽1内の全体をアースと電気的に絶縁している。アースシールド14,15については、テフロン(登録商標)や、セラミックなどの絶縁部材107,108、防着板16についてはテフロン(登録商標)や、セラミックなどの絶縁部材109、基板ホルダー5については、テフロン(登録商標)や、セラミックなどの絶縁部材110により、アースと電気的に絶縁されている。
従って、真空槽1内には、アース電位の部品が存在しなくなり、2つのターゲット2,3同士だけが相互に陽極として存在することになり、放電がターゲット2,3間に閉じ込められることになる。従って、イオンや電子の基板4への衝突が減少するため、低ダメージで、低温での成膜が可能となる。
また、成膜初期から常にターゲット2,3並びにターゲットホルダー6,7、磁石12,13を含むカソードと、基板4以外を除いた真空槽1内の全体がアースと絶縁されているために、プラズマの発生場所も電界も変化が少なくなり、成膜速度、膜厚均一性、膜質がより安定することとなる。
従って、プリスパッタ時間も大幅に短縮できることとなる。
なお、本実施の形態において、アースシールド14,15のアースとの絶縁をテフロン(登録商標)やセラミックなどの絶縁部材103,104を挟むことにより行ったが、アースシールド14,15の表面にAl23、SiO2、SiCやSiNなどの絶縁材料を溶射などでコーティング、或いは、アースシールド14,15の材質がアルミのときはアルマイト処理などを行っても良い。また、基板ホルダー5、防着板16のアースとの絶縁についても同様である。
また、本実施の形態において、ターゲット2,3並びにターゲットホルダー6,7、磁石12,13を含むカソードと基板4以外を除いた真空槽1内の全体をアースと電気的に絶縁するとしたが、装置構成上、防着板16が設置できない、絶縁できない箇所が発生したとしても、本発明の効果が減少するが可能である。
カソードの周辺を電気的に絶縁して成膜を安定する限り、本発明から逸脱するものではなく、デュアルマグネトロンスパッタ装置以外のスパッタ装置にも利用できる。
本発明の実施の形態1における対向ターゲット式のデュアルマグネトロンスパッタ装置の概略断面図 本発明の実施の形態2における対向ターゲット式のデュアルマグネトロンスパッタ装置の概略断面図 本発明の実施の形態3におけるデュアルマグネトロンスパッタ装置の概略断面図 従来の対向ターゲット式のデュアルマグネトロンスパッタ装置の概略断面図
符号の説明
1 真空槽
2,3 ターゲット
4 基板
5 基板ホルダー
6,7 ターゲットホルダー
8a,9a 供給管(冷却水)
8b,9b 排出管(冷却水)
10,11 絶縁部材
12,13 永久磁石(磁界発生手段)
14,15 アースシールド
16 防着板
17 排気口(排気系)
18 導入口(ガス導入系)
19 スパッタ電源
101〜110 絶縁部材

Claims (3)

  1. 真空槽と、前記真空槽内に配置された複数のターゲットをそれぞれ保持する複数のターゲットホルダーと、前記複数のターゲットホルダーの各々に交流電圧を印加する電源と、前記真空槽内に配置されかつ基板を保持する基板ホルダーと、前記ターゲットの裏面に設けられた磁石と、を有するスパッタ装置において、
    前記複数のターゲットホルダーは相対向して配置され、かつ、基板ホルダーは前記複数のターゲットホルダーの間かつターゲットの表面に平行な方向に配置され、各ターゲットの周囲にはそれぞれアースシールドが設けられ、前記アースシールドは電気的に絶縁される絶縁部材と接続されること
    を特徴とするスパッタ装置。
  2. 前記真空槽の内壁には防着板が配置され、前記防着板は電気的に絶縁する絶縁部材と接続される請求項1記載のスパッタ装置。
  3. 前記絶縁部材は、電気絶縁物がコーティングしてなされている請求項1または請求項2に記載のスパッタ装置。
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