JP2009280585A - ビニル基又はエポキシ基含有多環式化合物の製造法 - Google Patents
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Abstract
Description
また、アダマンタンの橋頭位にアセチル基を導入する方法として、1−カルボキシアダマンタンを塩化チオニルと反応させて対応する酸塩化物とし、これに、塩基の存在下、マロン酸エチルを反応させて、1−[2−ビス(エトキシカルボニル)アセチル]アダマンタンとし、次いで、これを酸で分解することにより1−アセチルアダマンタンを得る方法が知られている。しかし、この方法は工程数が多く、工業的に不利である。
このように、従来、活性化されていない炭素原子に直接且つ容易にアシル基を導入できる方法はなかった。
本発明のさらに他の目的は、新規なアダマンタン誘導体を提供することにある。
で表される多環式化合物と、(A1)下記式(2b)
で表される1,2−ジカルボニル化合物又はそのヒドロキシ還元体、(B)酸素、および(C)(C1)金属化合物及び(C2)下記式(1)
で表されるイミド化合物から選択された少なくとも1種の化合物で構成されているアシル化剤とを反応させて、下記式(16)
で表される化合物を生成させ、得られた式(16)で表される化合物を還元して、下記式(17)
で表される化合物とし、これを脱水反応に供して、下記式(18)
で表される化合物を得るビニル基含有多環式化合物の製造法を提供する。
で表されるアダマンタン誘導体、下記式(11)
で表されるトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン誘導体、または下記式(13)
で表されるデカリン誘導体であってもよい。
で表されるビニル基含有多環式化合物と酸化剤とを反応させて、下記式(19)
で表される化合物を得るエポキシ基含有多環式化合物の製造法を提供する。
で表されるアダマンタン誘導体を提供する。
で表されるイミド化合物から選択された少なくとも1種の化合物とで構成されている。
さらに、本発明のアシル基含有化合物の製造法では、有機基質と上記のアシル化剤とを反応させて、アシル基含有化合物を得る。
で表されるアダマンタン誘導体と上記のアシル化剤とを反応させて、下記式(4)
で表される化合物を得る。
で表される。
で表されるトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン誘導体に上記のアシル化剤を反応させて、橋頭位をアシル化し、下記式(12)
で表される化合物を得る。
で表される。
で表されるデカリン誘導体に上記のアシル化剤を反応させて、橋頭位をアシル化し、下記式(14)
で表される化合物を得る。
で表される。
また、本発明によれば、新規なアダマンタン誘導体が提供される。
前記1,2−ジカルボニル化合物又はそのヒドロキシ還元体(A)には、下記式(2)で表される化合物が含まれる。
Ra、Rbにおける炭化水素基には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、アリル基などの炭素数1〜20(好ましくは1〜10、特に1〜6)程度の直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基(アルキル基、アルケニル基及びアルキニル基);シクロペンチル、シクロヘキシル基などの炭素数3〜8程度の脂環式炭化水素基(シクロアルキル基及びシクロアルケニル基);フェニル、ナフチル基などの炭素数6〜14程度の芳香族炭化水素基(アリール基)が含まれる。
前記炭化水素基及び複素環基は、種々の置換基、例えば、ハロゲン原子、オキソ基、ヒドロキシル基、置換オキシ基(例えば、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基など)、カルボキシル基、置換オキシカルボニル基、置換又は無置換カルバモイル基、シアノ基、ニトロ基、置換又は無置換アミノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基(例えば、フェニル、ナフチル基など)、複素環基などを有していてもよい。RaとRbは同一の基である場合が多い。
Z1及びZ2は、酸素原子又はヒドロキシル基を示し、炭素原子とZ1、Z2との結合は単結合又は二重結合である。
特に好ましいRa1及びRb1は、メチル基又はエチル基、特にメチル基である。Ra1及びRb1は同一の基である場合が多い。
酸素(B)は、分子状酸素、活性酸素の何れであってもよい。分子状酸素は、特に制限されず、純粋な酸素を用いてもよく、窒素、ヘリウム、アルゴン、二酸化炭素などの不活性ガスで希釈した酸素や空気を使用してもよい。酸素(B)として分子状酸素を用いる場合が多い。
金属化合物(C1)を構成する金属元素としては、特に限定されず、周期表1〜15族の金属元素の何れであってもよい。なお、本明細書では、ホウ素Bも金属元素に含まれるものとする。例えば、前記金属元素として、周期表1族元素(Li、Na、Kなど)、2族元素(Mg、Ca、Sr、Baなど)、3族元素(Sc、ランタノイド元素、アクチノイド元素など)、4族元素(Ti、Zr、Hfなど)、5族元素(Vなど)、6族元素(Cr、Mo、Wなど)、7族元素(Mnなど)、8族元素(Fe、Ruなど)、9族元素(Co、Rhなど)、10族元素(Ni、Pd、Ptなど)、11族元素(Cuなど)、12族元素(Znなど)、13族元素(B、Al、Inなど)、14族元素(Sn、Pbなど)、15族元素(Sb、Biなど)などが挙げられる。好ましい金属元素には、遷移金属元素(周期表3〜12族元素)が含まれる。なかでも、周期表5〜11族元素、特に、5族及び9族元素が好ましく、とりわけ、Co、Vなどが好ましい。金属元素の原子価は特に制限されず、1〜6価程度であってもよいが、2価又は3価程度である場合が多い。
金属化合物(C1)と1,2−ジカルボニル化合物又はそのヒドロキシ還元体(A)との比率は、例えば、前者(C1)/後者(A)(モル比)=0〜0.1、好ましくは0.001〜0.05、さらに好ましくは0.002〜0.02程度である。
前記式(1)で表されるイミド化合物(C2)において、置換基R1及びR2のうちハロゲン原子には、ヨウ素、臭素、塩素およびフッ素が含まれる。アルキル基には、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ヘキシル、デシル基などの炭素数1〜10程度の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基が含まれる。好ましいアルキル基としては、例えば、炭素数1〜6程度、特に炭素数1〜4程度の低級アルキル基が挙げられる。
前記R1、R2、又はR1及びR2が互いに結合して形成された二重結合又は芳香族性若しくは非芳香族性の環には、上記式(1)中に示されるN−置換環状イミド基がさらに1又は2個結合していてもよい。例えば、R1又はR2が炭素数2以上のアルキル基である場合、このアルキル基を構成する隣接する2つの炭素原子を含んで前記N−置換環状イミド基が形成されていてもよい。また、R1及びR2が互いに結合して二重結合を形成する場合、該二重結合を含んで前記N−置換環状イミド基が形成されていてもよい。さらに、R1及びR2が互いに結合して芳香族性若しくは非芳香族性の環を形成する場合、該環を構成する隣接する2つの炭素原子を含んで前記N−置換環状イミド基が形成されていてもよい。
置換基R3〜R6において、アルキル基には、前記例示のアルキル基と同様のアルキル基、特に炭素数1〜6程度のアルキル基が含まれ、ハロアルキル基には、トリフルオロメチル基などの炭素数1〜4程度のハロアルキル基、アルコキシ基には、前記と同様のアルコキシ基、特に炭素数1〜4程度の低級アルコキシ基、アルコキシカルボニル基には、前記と同様のアルコキシカルボニル基、特にアルコキシ部分の炭素数が1〜4程度の低級アルコキシカルボニル基が含まれる。また、アシル基としては、前記と同様のアシル基、特に炭素数1〜6程度のアシル基が例示され、ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素原子が例示できる。置換基R3〜R6は、通常、水素原子、炭素数1〜4程度の低級アルキル基、カルボキシル基、ニトロ基、ハロゲン原子である場合が多い。R3〜R6が互いに結合して形成する環としては、前記R1及びR2が互いに結合して形成する環と同様であり、特に芳香族性又は非芳香族性の5〜12員環が好ましい。
式(1)で表されるイミド化合物(C2)は、単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
イミド化合物(C2)と、1,2−ジカルボニル化合物又はそのヒドロキシ還元体(A)との比率は、例えば、前者(C2)/後者(A)(モル比)=0〜1、好ましくは0.001〜0.5、さらに好ましくは0.002〜0.2程度である。
本発明の方法では、有機基質と前記アシル化剤とを反応させて、アシル基含有化合物を生成させる。有機基質としては、炭素−水素結合を有する広範囲の化合物が含まれる。好ましい有機基質にはメチン炭素原子(又は第3級炭素原子)を有する化合物が含まれる。メチン炭素原子を有する化合物には、(a)環の構成単位としてメチン基(すなわち、メチン炭素−水素結合)を含む環状化合物、(b)メチン炭素原子を有する鎖状化合物が含まれる。
酸素(B)の使用量は、通常、有機基質1モルに対して、0.5モル以上(例えば、1モル以上)、好ましくは1〜100モル、さらに好ましくは2〜50モル程度である。基質に対して過剰モルの分子状酸素を使用する場合が多い。
金属化合物(C1)の使用量は、有機基質1モルに対して、例えば、0.00001〜1モル、好ましくは0.0001〜0.1モル、さらに好ましくは0.001〜0.05モル程度である。イミド化合物(C2)の使用量は、有機基質1モルに対して、例えば、0.00001〜1モル、好ましくは0.001〜0.7モル、さらに好ましくは0.01〜0.5モル程度である。
反応は、酸素の存在下又は酸素の流通下、回分式、半回分式、連続式などの慣用の方法により行うことができる。反応終了後、反応生成物は、慣用の方法、例えば、濾過、濃縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶、カラムクロマトグラフィーなどの分離手段や、これらを組み合わせた分離手段により容易に分離精製できる。
前記アシル化法又はアシル基含有化合物の製造法を利用することにより種々のアダマンタン誘導体を製造することができる。
例えば、前記式(3)で表されるアダマンタン誘導体と前記アシル化剤とを反応させることにより、前記式(4)で表されるアダマンタン誘導体を得ることができる。
橋頭位にヒドロキシルメチル基を有するアダマンタン誘導体は、上記の橋頭位にカルボキシル基を有するアダマンタン誘導体を、還元剤(例えば、水素−白金族金属触媒、水素化ホウ素ナトリウム−ルイス酸、水素化アルミニウムリチウム、ジボランなど)を用いた慣用の還元法により得ることができる。
橋頭位にアミノ基を有するアダマンタン誘導体は、上記橋頭位にニトロ基を有するアダマンタン誘導体を、還元剤[例えば、水素−金属触媒(白金族金属、ニッケル、銅クロマイトなど)、水素化ホウ素ナトリウム、ジボランなど]を用いた慣用の還元法により得ることができる。
また、保護基の導入及び脱離は慣用の方法により行うことができる。なお、アシル基を含む化合物は、本発明の方法を利用することにより製造することができる。
また、前記アシル化法又はアシル基含有化合物の製造法を利用して、アシル基を有する種々のトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン誘導体を製造することができる。例えば、前記式(11)で表されるトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン誘導体と前記アシル化剤とを反応させることにより、前記式(12)で表されるトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン誘導体を得ることができる。なお、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン誘導体には、エンド体及びエキソ体が含まれる。
式(11)で表される化合物としては、例えば、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、1−メチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、1−エチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、1,7−ジメチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、2−メチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、1−ヒドロキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、2−ヒドロキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、1,7−ジヒドロキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、1−メトキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、2−メトキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、1−アセトキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、2−アセトキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、1−ヒドロキシメチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、2−ヒドロキシメチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、1−アミノトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、2−アミノトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、1−アセチルアミノトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、2−アセチルアミノトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、1−ベンゾイルアミノトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、2−ベンゾイルアミノトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、1−カルボキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、2−カルボキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、1−エトキシカルボニルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、2−エトキシカルボニルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、1−ニトロトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、2−ニトロトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、1−アセチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、2−アセチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカンなどが例示できる。これらの化合物には、エンド体及びエキソ体が含まれる。
さらに、前記アシル化法又はアシル基含有化合物の製造法を利用して、アシル基を有する種々のデカリン誘導体を製造することができる。例えば、前記式(13)で表されるデカリン誘導体と前記アシル化剤とを反応させることにより、前記式(14)で表されるデカリン誘導体を得ることができる。デカリン誘導体には、シス体及びトランス体が含まれる。
式(13)で表される化合物としては、例えば、デカリン、4a−メチルデカリン、4a−エチルデカリン、4a−ヒドロキシデカリン、4a−メトキシデカリン、4a−アセトキシデカリン、4a−ヒドロキシメチルデカリン、4a−アミノデカリン、4a−アセチルアミノデカリン、4a−ベンゾイルアミノデカリン、4a−カルボキシデカリン、4a−エトキシカルボニルデカリン、4a−ニトロデカリン、4a−アセチルデカリンなどが例示できる。これらの化合物には、シス体及びトランス体が含まれる。
また、本発明のアシル化法又はアシル基含有化合物の製造法を利用することにより、置換基を有していてもよいビニル基を有する多環式化合物を製造することができる。
すなわち、前記式(15)で表される多環式化合物と、(A1)前記式(2b)で表される1,2−ジカルボニル化合物又はそのヒドロキシ還元体、(B)酸素、および(C)(C1)金属化合物及び(C2)前記式(1)で表されるイミド化合物から選択された少なくとも1種の化合物で構成されているアシル化剤とを反応させて、前記式(16)で表される化合物を生成させ、得られた式(16)で表される化合物を還元して、前記式(17)で表される化合物とし、これを脱水反応に供することにより、前記式(18)で表される化合物が得られる。
式(2b)において、Rb、Rf、Rgにおける炭化水素基、複素環基としては、前記Raにおける炭化水素基、複素環基と同様の基が例示される。Rb及び基−CH(Rf)(Rg)は、好ましくは、炭素数1〜4のアルキル基(メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル又はs−ブチル基)、さらに好ましくはメチル基又はエチル基、特にメチル基である。
Rc2、Rd2、Re2、Rc3、Rd3、Re3、Rc4、Rd4、Re4におけるハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシル基等の保護基及びアシル基は、前記Rc1、Rd1、Re1におけるアルキル基等と同様の基が例示できる。また、Rc3、Rd3、Re3、Rc4、Rd4、Re4における「置換基を有していてもよいヒドロキシメチル基」は、前記アシル基が前記還元反応により還元されて形成される官能基を意味する。さらに、Rc4、Rd4、Re4における「置換基を有していてもよいビニル基」は、前記置換基を有していてもよいヒドロキシメチル基が前記脱水反応により脱水されて形成される官能基を意味する。
こうして得られる、式(8)又は(10)で表されるアダマンタン誘導体も、機能性高分子の単量体成分として有用である。
上記の方法で得られた式(18)で表されるビニル基含有多環式化合物(例えば、アダマンタン誘導体、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン誘導体、デカリン誘導体などの橋かけ環式化合物等)に酸化剤を作用させることにより、対応する前記式(19)で表されるエポキシ基含有多環式化合物を製造できる。
反応終了後、反応生成物は、慣用の方法、例えば、濾過、濃縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶、カラムクロマトグラフィーなどの分離手段や、これらを組み合わせた分離手段により容易に分離精製できる。
式(20)で表されるアダマンタン誘導体の代表的な例として、例えば、3−(1,2−エポキシエチル)−1−アダマンタノール及びこのヒドロキシル基保護体、1−(1,2−エポキシエチル)−3−カルボキシアダマンタン及びこのカルボキシル基保護体、1−アセチル−3−(1,2−エポキシエチル)アダマンタン、1−(1,2−エポキシエチル)−3−ビニルアダマンタン、1,3−ビス(1,2−エポキシエチル)アダマンタンなどが挙げられる。
上記方法により得られたエポキシ基含有多環式化合物は機能性高分子(ポリエーテルなど)の単量体成分として有用である。
アダマンタン3ミリモル、ビアセチル18ミリモル、酢酸コバルト(II)0.015ミリモル、及び酢酸3mlの混合物を、酸素雰囲気下(1atm)、60℃で4時間撹拌した。反応液中の生成物をガスクロマトグラフィー分析により調べたところ、アダマンタンの転化率86%で、1−アセチルアダマンタン(収率50%)、1,3−ジアセチルアダマンタン(収率23%)、1−アセチル−3−アダマンタノール(収率4%)、1−アダマンタノール(収率3%)、及び2−アダマンタノン(収率3%)が生成していた。
[1,3−ジアセチルアダマンタンのスペクトルデータ]
白色固体
IR(cm-1):2932,1706,1453,1344,1253,1192,598
13C−NMR(CDCl3)δ:24.4,27.8,35.5,37.4,38.5,46.6,212.9。
酢酸コバルト(II)の使用量を0.0015ミリモルとした以外は、参考例1と同様の操作を行ったところ、アダマンタンの転化率97%で、1−アセチルアダマンタン(収率29%)、1,3−ジアセチルアダマンタン(収率35%)、1−アセチル−3−アダマンタノール(収率10%)、1−アダマンタノール(収率2%)、及び2−アダマンタノン(収率4%)が生成していた。
酢酸コバルト(II)に代えて、コバルトアセチルアセトナト(III)を0.015ミリモル使用した以外は、参考例1と同様の操作を行ったところ、アダマンタンの転化率82%で、1−アセチルアダマンタン(収率51%)、1,3−ジアセチルアダマンタン(収率21%)、1−アセチル−3−アダマンタノール(収率2%)、1−アダマンタノール(収率2%)、及び2−アダマンタノン(収率3%)が生成していた。
酢酸コバルト(II)に代えて、バナジルアセチルアセトナト(II)を0.015ミリモル使用した以外は、参考例1と同様の操作を行ったところ、アダマンタンの転化率97%で、1−アセチルアダマンタン(収率24%)、1,3−ジアセチルアダマンタン(収率31%)、1−アセチル−3−アダマンタノール(収率12%)、1−アダマンタノール(収率3%)、及び2−アダマンタノン(収率3%)が生成していた。
1,3−ジメチルアダマンタン3ミリモル、ビアセチル18ミリモル、酢酸コバルト(II)0.015ミリモル、及び酢酸3mlの混合物を、酸素雰囲気下(1atm)、60℃で4時間撹拌した。反応液中の生成物をガスクロマトグラフィー分析により調べたところ、1,3−ジメチルアダマンタンの転化率93%で、1−アセチル−3,5−ジメチルアダマンタン(収率40%)、1,3−ジアセチル−5,7−ジメチルアダマンタン(収率15%)、1−アセチル−3,5−ジメチル−7−アダマンタノール(収率5%)、1,3−ジメチル−5−アダマンタノール(収率6%)、及び1,3−ジメチル−4−アダマンタノン(収率4%)が生成していた。
[1,3−ジアセチル−5,7−ジメチルアダマンタンのスペクトルデータ] IR(cm-1):2923,2847,1696,1454,1359,1191,1155
13C−NMR(CDCl3)δ:24.9,30.4,31.8,37.8,44.0,49.0,50.1,212.9
[1−アセチル−3,5−ジメチル−7−アダマンタノールのスペクトルデータ]
IR(cm-1):3422,2924,1699,1455,1166,1052,600
13C−NMR(CDCl3)δ:25.1,29.8,34.2,43.8,44.8,49.8,50.8,51.4,70.4,212.6。
酢酸コバルト(II)に代えて、塩化コバルト(II)を0.03ミリモル用いた以外は参考例5と同様の操作を行ったところ、1,3−ジメチルアダマンタンの転化率94%で、1−アセチル−3,5−ジメチルアダマンタン(収率34%)、1,3−ジアセチル−5,7−ジメチルアダマンタン(収率13%)、1−アセチル−3,5−ジメチル−7−アダマンタノール(収率5%)、1,3−ジメチル−5−アダマンタノール(収率6%)、及び1,3−ジメチル−4−アダマンタノン(収率6%)が生成していた。
酸素雰囲気下に代えて窒素雰囲気下で行った以外は参考例5と同様の操作をしたところ、反応は進行しなかった。
1,3−ジメチルアダマンタン3ミリモル、ビアセチル9ミリモル、酢酸コバルト(II)0.0006ミリモル、及び酢酸3mlの混合物を、酸素雰囲気下(1atm)、60℃で4時間撹拌した。反応液中の生成物をガスクロマトグラフィー分析により調べたところ、1,3−ジメチルアダマンタンの転化率40%で、1−アセチル−3,5−ジメチルアダマンタン(収率8%、選択率20%)、1−アセチル−3,5−ジメチル−7−アダマンタノール(trace)、1,3−ジメチル−5−アダマンタノール(収率17%、選択率43%)、及び1,3−ジメチル−4−アダマンタノン(収率5%、選択率13%)が生成していた。
1,3−ジメチルアダマンタン、ビアセチル、酢酸コバルト(II)、酢酸に加え、さらにN−ヒドロキシフタルイミドを0.3ミリモル含む混合物を反応させたこと以外は、参考例7と同様の操作を行ったところ、1,3−ジメチルアダマンタンの転化率36%で、1−アセチル−3,5−ジメチルアダマンタン(収率19%、選択率53%)、1,3−ジアセチル−5,7−ジメチルアダマンタン(trace)、1−アセチル−3,5−ジメチル−7−アダマンタノール(trace)、1,3−ジメチル−5−アダマンタノール(収率7%、選択率19%)、及び1,3−ジメチル−4−アダマンタノン(収率3%、選択率8%)が生成していた。
ビアセチルの使用量を18ミリモルとした以外は参考例8と同様の操作を行ったところ、1,3−ジメチルアダマンタンの転化率63%で、1−アセチル−3,5−ジメチルアダマンタン(収率18%、選択率29%)、1,3−ジアセチル−5,7−ジメチルアダマンタン(trace)、1−アセチル−3,5−ジメチル−7−アダマンタノール(収率2%、選択率3%)、1,3−ジメチル−5−アダマンタノール(収率24%、選択率38%)、及び1,3−ジメチル−4−アダマンタノン(収率5%、選択率8%)が生成していた。
N−ヒドロキシフタルイミドの使用量を0.6ミリモルとした以外は参考例9と同様の操作を行ったところ、1,3−ジメチルアダマンタンの転化率59%で、1−アセチル−3,5−ジメチルアダマンタン(収率32%、選択率54%)、1,3−ジアセチル−5,7−ジメチルアダマンタン(収率2%、選択率3%)、1−アセチル−3,5−ジメチル−7−アダマンタノール(収率1%、選択率2%)、1,3−ジメチル−5−アダマンタノール(収率7%、選択率12%)、及び1,3−ジメチル−4−アダマンタノン(収率5%、選択率8%)が生成していた。
1−アダマンタノール3ミリモル、ビアセチル18ミリモル、酢酸コバルト(II)0.015ミリモル、及び酢酸3mlの混合物を、酸素雰囲気下(1atm)、60℃で4時間撹拌した。反応液中の生成物をガスクロマトグラフィー分析により調べたところ、1−アダマンタノールの転化率82%で、1−アセチル−3−アダマンタノール(収率20%)、1,3−ジアセチル−5−アダマンタノール(収率5%)、1−アセチル−4−オキソ−3−アダマンタノール及び1−アセチル−2−オキソ−5−アダマンタノール(合計収率2%)、1,3−アダマンタンジオール(収率6%)、及び4−オキソ−1−アダマンタノール(収率1%)が生成していた。
[1−アセチル−3−アダマンタノールのスペクトルデータ]
IR(cm-1):3401,2897,2854,1683,1430,1019,605
13C−NMR(CDCl3)δ:24.3,29.9,34.8,36.8,43.9,45.4,49.6,67.9,212.4
[1,3−ジアセチル−5−アダマンタノールのスペクトルデータ]
IR(cm-1):3357,2944,1693,1187,1109
13C−NMR(CDCl3)δ:25.0,30.3,36.6,38.0,43.5,45.1,50.0,68.9,212.0
[1−アセチル−4−オキソ−3−アダマンタノールのスペクトルデータ]
MS m/e:208([M+]),190,175,147,119
[1−アセチル−2−オキソ−5−アダマンタノールのスペクトルデータ]
MS m/e:208([M+]),190,175,148,119。
参考例1と同様の方法により得られた1−アセチルアダマンタン154g、水素化アルミニウムリチウム22g、及びジエチルエーテルの混合物を、窒素雰囲気下、0℃〜室温で6時間攪拌した。反応混合物に水を400ml加えた後、セライト濾過し、濃縮して、1−(1−ヒドロキシエチル)アダマンタン87gを得た。これに、シクロヘキサン400ml、97%硫酸12g、及び少量のハイドロキノンを加え、70℃で4時間攪拌した。反応混合液を蒸留して、1−ビニルアダマンタン27.9gを得た(64℃/4mmHg)。
1H−NMR(CDCl3)δ:1.4−1.9(12H,m),1.9−2.1(3H,m),4.8−4.95(2H,m),5.65−5.8(1H,m)
13C−NMR(CDCl3)δ:28.5,35.5,37.0,41.9,108.8,149.7。
参考例1と同様の方法により得られた1−アセチルアダマンタン110g、塩化チオニル900ml、及びピリジン206mlの混合物を1時間還流させた。反応混合物から塩化チオニル及びピリジンを留去し、ヘキサンで抽出した後、蒸留して1−(1−クロロエテニル)アダマンタンを49g得た(123℃/11mmHg)。
IR(cm-1):876(=CH2),733(CCl),665
13C−NMR(CDCl3)δ:28.5,36.7,39.2,40.7,108.8,153.3。
参考例1と同様の方法により得られた1−アセチルアダマンタン17.1g、ヨウ化亜鉛0.5g、トリメチルシリルシアニド11.8g、及び塩化メチレンの混合物を40℃で4時間攪拌した。反応混合液を濃縮し、冷却して晶析させ、1−(1−シアノ−1−トリメチルシリルオキシエチル)アダマンタン28.7gを得た(白色結晶)。
得られた1−(1−シアノ−1−トリメチルシリルオキシエチル)アダマンタンと、テトラヒドロフラン45mlと、2N−塩酸17mlとの混合液を攪拌しながら3時間還流させた。反応混合液を冷却し、炭酸水素カリウム(11g)の水溶液(水:170ml)を加えた後、エーテル抽出し、有機層を濃縮して、1−(1−シアノ−1−ヒドロキシエチル)アダマンタンを24.1g得た(白色固体)。
得られた1−(1−シアノ−1−ヒドロキシエチル)アダマンタンに、3倍モル量のオキシ塩化リン及び乾燥ピリジン170mlを加え、2時間還流させた。反応混合物にエーテルを加えて600mlとし、これに冷却した4N−塩酸600gを攪拌しながら加えた。有機層を濃縮して、1−(1−シアノエテニル)アダマンタンを17.4g得た。
アダマンタン3ミリモル、ビアセチル18ミリモル、N−ヒドロキシフタルイミド0.3ミリモル、酢酸コバルト(II)0.015ミリモル、及び酢酸3mlの混合物を、酸素雰囲気下(1atm)、75℃で10時間撹拌した。反応液中の生成物をガスクロマトグラフィー分析により調べたところ、アダマンタンの転化率100%で、1−アセチルアダマンタン(収率52%)、及び1−アセチル−3−アダマンタノール(収率27%)が生成していた。
反応温度を85℃、反応時間を6時間とした以外は参考例15と同様の操作を行ったところ、アダマンタンの転化率100%で、1−アセチルアダマンタン(収率36%)、1−アセチル−3−アダマンタノール(収率37%)、及び1−アセチル−4−アダマンタノン及び1−アセチル−2−アダマンタノン(合計収率6%)が生成していた。
[1−アセチル−4−アダマンタノンのスペクトルデータ]
MS m/e:192([M+]),177,149,120
[1−アセチル−2−アダマンタノンのスペクトルデータ]
MS m/e:192([M+]),177,148,120。
反応温度を85℃、反応時間を10時間とした以外は参考例15と同様の操作を行ったところ、アダマンタンの転化率100%で、1−アセチルアダマンタン(収率25%)、1−アセチル−3−アダマンタノール(収率32%)、1−アセチル−4−アダマンタノン(収率4%)、1−アセチル−3,5−アダマンタンジオール(収率14%)、1−アセチル−4−オキソ−3−アダマンタノール及び1−アセチル−2−オキソ−5−アダマンタノール(合計収率8%)が生成していた。
[1−アセチル−3,5−アダマンタンジオールのスペクトルデータ]
IR(cm-1):1050,1204,1347,1456,1695,2932,3317
13C−NMR(CD3OD)δ:25.0,32.1,37.3,43.8,45.6,52.2,70.9,214。
反応温度を85℃、反応時間を6時間、N−ヒドロキシフタルイミドの使用量を0.6ミリモルとした以外は参考例15と同様の操作を行ったところ、アダマンタンの転化率100%で、1−アセチルアダマンタン(収率30%)、1−アセチル−3−アダマンタノール(収率22%)、1,3−ジアセチルアダマンタン(収率14%)、及び1,3−ジアセチル−5−アダマンタノール(収率12%)が生成していた。
1−カルボキシアダマンタン3ミリモル、ビアセチル18ミリモル、N−ヒドロキシフタルイミド0.3ミリモル、酢酸コバルト(II)0.015ミリモル、及び酢酸3mlの混合物を、酸素雰囲気下(1atm)、75℃で6時間撹拌した。反応液中の生成物をガスクロマトグラフィー分析により調べたところ、1−カルボキシアダマンタンの転化率92%で、1−アセチル−3−カルボキシアダマンタン(収率46%)、及び1−アセチル−3−カルボキシ−5−アダマンタノール(収率24%)が生成していた。
1,3−ジメチルアダマンタン3ミリモル、ビアセチル18ミリモル、N−ヒドロキシフタルイミド0.3ミリモル、酢酸コバルト(II)0.015ミリモル、及び酢酸3mlの混合物を、酸素雰囲気下(1atm)、75℃で8時間撹拌した。反応液中の生成物をガスクロマトグラフィー分析により調べたところ、1,3−ジメチルアダマンタンの転化率94%で、1−アセチル−3,5−ジメチルアダマンタン(収率58%)、及び1−アセチル−3,5−ジメチル−7−アダマンタノール(収率22%)が生成していた。
反応温度を85℃、N−ヒドロキシフタルイミドの使用量を0.6ミリモルとした以外は参考例20と同様の操作を行ったところ、1,3−ジメチルアダマンタンの転化率100%で、1−アセチル−3,5−ジメチルアダマンタン(収率41%)、1−アセチル−3,5−ジメチル−7−アダマンタノール(収率11%)、及び1,3−ジアセチル−5,7−ジメチルアダマンタン(収率27%)が生成していた。
エンドトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン3ミリモル、ビアセチル18ミリモル、N−ヒドロキシフタルイミド0.3ミリモル、酢酸コバルト(II)0.015ミリモル、及び酢酸3mlの混合物を、酸素雰囲気下(1atm)、75℃で6時間撹拌した。反応液中の生成物をガスクロマトグラフィー分析により調べたところ、エンドトリシクロ[5.2.1.02,6]デカンの転化率75%で、2−アセチルエンドトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン(収率27%)、2−ヒドロキシエンドトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン(収率11%)、2,6−ジヒドロキシエンドトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン(収率16%)、及びジシクロ[5.2.1]デカン−2,6−ジオン(収率12%)が生成していた。
[2−アセチルエンドトリシクロ[5.2.1.02,6]デカンのスペクトルデータ]
MS m/e:178([M+]),163,135。
cis−デカリン3ミリモル、ビアセチル18ミリモル、N−ヒドロキシフタルイミド0.3ミリモル、酢酸コバルト(II)0.015ミリモル、及び酢酸3mlの混合物を、酸素雰囲気下(1atm)、75℃で8時間撹拌した。反応液中の生成物をガスクロマトグラフィー分析により調べたところ、cis−デカリンの転化率67%で、4a−アセチル−cis−デカリン(収率24%)、4a−ヒドロキシ−cis−デカリン(収率4%)、4a,8a−ジヒドロキシ−cis−デカリン(収率22%)、及び1,6−シクロデカンジオン(収率10%)が生成していた。
[4a−アセチル−cis−デカリンのスペクトルデータ]
MS m/e:180([M+]),165,137
1−アセチルアダマンタン3ミリモル、ビアセチル18ミリモル、酢酸コバルト(II)0.015ミリモル、及び酢酸3mlの混合物を、酸素雰囲気下(1atm)、60℃で4時間攪拌した。反応液中の生成物をガスクロマトグラフィー分析により調べたところ、1−アセチルアダマンタンの転化率80%で、1,3−ジアセチルアダマンタン(収率34%)、1−アセチル−3−アダマンタノール(収率29%)、1,3−ジアセチル−5−アダマンタノール(収率2%)、1−アセチル−4−アダマンタノン(収率5%)が生成していた。
1−アセチルアダマンタン45.0g、メタノール100ml、0.1N水酸化ナトリウム水溶液20mlの混合物に水浴中で、粉末の水素化ホウ素ナトリウム4.8gを30分かけてゆっくり加えた。さらに30分攪拌した後、1N塩酸水溶液で中和し、水200mlを加えた。得られた結晶をろ過、水洗、真空乾燥することにより、1−(1−ヒドロキシエチル)アダマンタン45.0gを得た。これに、トルエン400ml、98%硫酸4.9g、ハイドロキノン0.1gを加え、共沸脱水しながら3時間攪拌した。反応液を冷却し、飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄後、濃縮した。得られた濃縮液を蒸留して1−ビニルアダマンタン29.0g(収率72.5%)を得た(65℃/4mmHg)。
[1−アセチルアダマンタンのスペクトルデータ]
1H−NMR(CDCl3)δ:1.65−1.85(m,12H),2.00−2.10(m,3H),2.10(s,3H)
[1−(1−ヒドロキシエチル)アダマンタンのスペクトルデータ]
1H−NMR(CDCl3)δ:1.10(d,3H),1.30−1.40(br,1H),1.42−1.80(m,12H),1.90−2.10(m,3H),3.29(q,1H)
[1−ビニルアダマンタンのスペクトルデータ]
1H−NMR(CDCl3)δ:1.50−1.80(m,12H),1.90−2.05(m,3H),4.80−4.90(m,2H),5.71(dd,1H)
1−ビニルアダマンタン16.2g、ジクロロメタン120ml、炭酸ナトリウム5.3gの混合物に、水浴中、70%−メタクロロ過安息香酸36.9gを30分かけて添加した。さらに、2時間室温下で攪拌した後、5%亜硫酸ナトリウム水溶液、飽和重曹水で洗浄し、有機層を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO2 400g、展開液:ヘキサン/酢酸エチル=15/1)で精製したところ、1−(1,2−エポキシエチル)アダマンタン11.0gを得た。
[1−(1,2−エポキシエチル)アダマンタンのスペクトルデータ]
1H−NMR(CDCl3)δ:1.45−1.80(m、12H),1.90−2.05(m,3H),2.55−2.64(m,2H),2.65−2.70(m,1H)。
1,3−ジアセチルアダマンタン5.6g、メタノール20ml、0.1N水酸化ナトリウム水溶液3mlの混合物に、水浴中、水素化ホウ素ナトリウム1gをゆっくり添加した。さらに室温下で30分攪拌した後、1N塩酸水溶液で中和した。水50mlを加え、酢酸エチル100mlで3回抽出した。有機層を濃縮することにより、1,3−ビス(1−ヒドロキシエチル)アダマンタン5.5gを得た。
これにトルエン100ml、98%硫酸0.5g、ハイドロキノン0.02gを加え、共沸脱水しながら5時間攪拌した。反応液を冷却し、飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO2 100g、展開液:ヘキサン)で精製したところ、1,3−ジビニルアダマンタン3.0gを得た。
[1,3−ジビニルアダマンタンのスペクトルデータ]
1H−NMR(CDCl3)δ:1.30−1.80(m,12H),1.90−2.10(m,3H),4.70−5.05(m,2H),5.73(dd,1H)
1,3−ジビニルアダマンタン3.6g、ジクロロメタン50ml、炭酸ナトリウム1.8gの混合物に、水浴中、粉末の70%−メタクロロ過安息香酸12.6gを30分かけて添加した。さらに、2時間室温下で攪拌した後、5%亜硫酸ナトリウム水溶液、飽和重曹水で洗浄し、有機層を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO2 80g、展開液:ヘキサン/酢酸エチル=15/1)で精製したところ、1,3−ビス(1,2−エポキシエチル)アダマンタン2.6gを得た。
[1,3−ビス(1,2−エポキシエチル)アダマンタンのスペクトルデータ]
1H−NMR(CDCl3)δ:1.30−1.80(m,12H),1.90−2.10(m,3H),2.55−2.65(m,4H),2.65−2.75(m,2H)
3−アセチル−1−アダマンタノール4.0g、メタノール20ml、0.1N水酸化ナトリウム水溶液2mlの混合物に、水浴中、水素化ホウ素ナトリウム0.6gをゆっくり添加した。さらに室温下で30分攪拌した後、1N塩酸水溶液で中和した。水50mlを加え、酢酸エチル100mlで3回抽出した。有機層を濃縮することにより、3−(1−ヒドロキシエチル)−1−アダマンタノール3.6gを得た。
3−(1−ヒドロキシエチル)−1−アダマンタノール3gに、トルエン60ml、98%硫酸0.4g、ハイドロキノン0.01gを加え、共沸脱水しながら5時間攪拌した。反応液を冷却し、飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO2 80g、展開液:ヘキサン/酢酸エチル=10/1)で精製したところ、3−ビニル−1−アダマンタノール1.5gを得た。
3−ビニル−1−アダマンタノール1.5g、ジクロロメタン25ml、炭酸ナトリウム2.3gの混合物に、水浴中、粉末の70%−メタクロロ過安息香酸3.2gを30分かけて添加した。さらに、2時間室温下で攪拌した後、5%亜硫酸ナトリウム水溶液、飽和重曹水で洗浄し、有機層を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO2 40g、展開液:ヘキサン/酢酸エチル=5/1)で精製したところ、3−(1,2−エポキシエチル)−1−アダマンタノール0.45gを得た。
[3−(1,2−エポキシエチル)−1−アダマンタノールのスペクトルデータ]
1H−NMR(CDCl3)δ:1.40−1.80(m,13H),2.20−2.30(m,2H),2.55−2.65(m,2H),2.65−2.75(m,1H)。
Claims (4)
- 下記式(15)
で表される多環式化合物と、(A1)下記式(2b)
で表される1,2−ジカルボニル化合物又はそのヒドロキシ還元体、(B)酸素、および(C)(C1)金属化合物及び(C2)下記式(1)
で表されるイミド化合物から選択された少なくとも1種の化合物で構成されているアシル化剤とを反応させて、下記式(16)
で表される化合物を生成させ、得られた式(16)で表される化合物を還元して、下記式(17)
で表される化合物とし、これを脱水反応に供して、下記式(18)
で表される化合物を得るビニル基含有多環式化合物の製造法。 - 式(15)で表される多環式化合物が、下記式(3)
で表されるアダマンタン誘導体、下記式(11)
で表されるトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン誘導体、または下記式(13)
で表されるデカリン誘導体である請求項1記載のビニル基含有多環式化合物の製造法。 - 下記式(20)
で表されるアダマンタン誘導体。
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