JP2001354611A - 共役不飽和カルボニル化合物の製造法 - Google Patents

共役不飽和カルボニル化合物の製造法

Info

Publication number
JP2001354611A
JP2001354611A JP2000176494A JP2000176494A JP2001354611A JP 2001354611 A JP2001354611 A JP 2001354611A JP 2000176494 A JP2000176494 A JP 2000176494A JP 2000176494 A JP2000176494 A JP 2000176494A JP 2001354611 A JP2001354611 A JP 2001354611A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
compound
carbon
cobalt
double bond
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000176494A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Kitayama
健司 北山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daicel Chemical Industries Ltd filed Critical Daicel Chemical Industries Ltd
Priority to JP2000176494A priority Critical patent/JP2001354611A/ja
Publication of JP2001354611A publication Critical patent/JP2001354611A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Pyrrole Compounds (AREA)
  • Indole Compounds (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 共役不飽和カルボニル化合物を温和な条件で
生産効率よく製造する。 【解決手段】 本発明の共役不飽和カルボニル化合物の
製造法では、下記式(1) 【化1】 (式中、R1及びR2は、水素原子、ハロゲン原子、アル
キル基、アリール基などを示し、R1及びR2は互いに結
合して二重結合、又は芳香族性若しくは非芳香族性の環
を形成してもよい。Xは酸素原子又はヒドロキシル基を
示す)で表されるイミド化合物とpKa8.0以下の酸
のコバルト(II)塩とで構成された触媒の存在下、炭素
−炭素二重結合の隣接位にメチレン基を有する不飽和化
合物を酸素と反応させて、該メチレン基の炭素原子にオ
キソ基が導入された対応する共役不飽和カルボニル化合
物を生成させる。前記炭素−炭素二重結合の隣接位にメ
チレン基を有する不飽和化合物として、例えば、環に炭
素−炭素二重結合を有する単環又は多環式化合物などが
使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は共役不飽和カルボニ
ル化合物の製造法、より詳細には、炭素−炭素二重結合
の隣接位にメチレン基を有する不飽和化合物を酸素によ
り酸化して対応する共役不飽和カルボニル化合物を製造
する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】共役不飽和カルボニル化合物は香料、医
薬、農薬その他の精密化学品又はそれらの原料などとし
て有用である。例えば、セスキテルペンケトンの1種で
あるヌートカトンは、グレープフルーツの特徴的な香味
を有する天然香料物質として知られている。しかしなが
ら、この化合物は天然にはグレープフルーツ油成分中に
1%以下しか含有されておらず入手が極めて困難であ
る。
【0003】上記ヌートカトンの製造法として、柑橘精
製油より単離した(+)−バレンセンを四塩化炭素、酢
酸及び無水酢酸の混合溶媒中、クロム酸ソーダやクロム
酸t−ブチルで酸化する方法が知られている。しかし、
この方法は、毒性の高いクロム化合物を酸化剤として多
量に用いる必要があるだけでなく、反応時間が長く生産
効率が低いという問題がある。
【0004】特公平2−16739号公報には、バレン
センを、不活性有機溶媒中、周期律表第VIII族金属の有
機酸塩又は錯体の存在下に、酸素又は酸素含有ガスで酸
化することを特徴とするヌートカトンの製造法が開示さ
れている。この方法は、酸素を酸化剤として用いるため
工業的に有利であるが、反応に長時間を要するため、生
産性が低い。
【0005】特開昭61−238733号公報には、バ
レンセンなどの少なくとも1個のアリル性水素原子を有
するイソプレノイドを、不活性ケトン又はエステル中
で、N−ヒドロキシフタルイミドなどのイミド化合物触
媒の存在下、酸素により酸化してヒドロペルオキシドを
生成させ、次いでこのヒドロペルオキシドを脱水させる
ことによりヌートカトンなどの共役不飽和カルボニル化
合物を製造する方法が提案されている。しかし、この方
法は、2段階の反応を行わなければならず、しかも上記
と同様、反応に長時間を要するという問題を有する。
【0006】特開平9−327626号公報には、N−
ヒドロキシフタルイミドなどのイミド化合物を触媒と
し、遷移金属化合物等を助触媒として用いて、種々の基
質を酸素で酸化する方法が開示されている。この文献の
実施例では、シクロヘキセンを、N−ヒドロキシフタル
イミドとコバルト(II)アセチルアセトナトの存在下、
酸素雰囲気中100℃で6時間反応させることにより、
2−シクロヘキセン−1−オンを収率65%、2−シク
ロヘキセン−1−オールを収率13%で得ている(実施
例C1)。この方法は、有毒な化合物を用いる必要がな
く、酸素により比較的短時間で対応する酸化生成物を得
ることができるため工業的に優れた方法である。しか
し、操作性及びコストダウンの観点から、より温和な条
件で生産効率よく共役不飽和カルボニル化合物を製造で
きる方法が求められている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、共役不飽和カルボニル化合物を温和な条件で生産効
率よく製造できる方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するため鋭意検討した結果、特定構造のイミド化
合物と特定の金属化合物とを組み合わせた触媒の存在
下、炭素−炭素二重結合の隣接位にメチレン基を有する
不飽和化合物を酸素と反応させると、該メチレン基の炭
素原子にオキソ基が導入された対応する共役不飽和カル
ボニル化合物が温和な条件で速やかに生成することを見
出し、本発明を完成した。
【0009】すなわち、本発明は、下記式(1)
【化2】 (式中、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子、
ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シクロアルキ
ル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル
基、アルコキシカルボニル基、アシル基を示し、R1
びR2は互いに結合して二重結合、又は芳香族性若しく
は非芳香族性の環を形成してもよい。Xは酸素原子又は
ヒドロキシル基を示す。前記R1、R2、又はR1及びR2
が互いに結合して形成された二重結合又は芳香族性若し
くは非芳香族性の環には、上記式(1)中に示されるN
−置換環状イミド基がさらに1又は2個形成されていて
もよい)で表されるイミド化合物とpKa8.0以下の
酸のコバルト(II)塩とで構成された触媒の存在下、炭
素−炭素二重結合の隣接位にメチレン基を有する不飽和
化合物を酸素と反応させて、該メチレン基の炭素原子に
オキソ基が導入された対応する共役不飽和カルボニル化
合物を生成させる共役不飽和カルボニル化合物の製造法
を提供する。
【0010】前記炭素−炭素二重結合の隣接位にメチレ
ン基を有する不飽和化合物として、例えば、環に炭素−
炭素二重結合を有する単環又は多環式化合物などが使用
できる。上記方法において、バレンセンを酸素と反応さ
せてヌートカトンを生成させてもよい。また、式(1)
で表されるイミド化合物とpKa8.0以下の酸のコバ
ルト(II)塩と、さらにその他の遷移金属化合物とで構
成された触媒の存在下で反応を行ってもよい。なお、本
明細書において、「炭素−炭素二重結合の隣接位にメチ
レン基を有する不飽和化合物」を単に「基質」と称する
場合がある。
【0011】
【発明の実施の形態】[基質]本発明では、基質として
炭素−炭素二重結合の隣接位にメチレン基を有する不飽
和化合物を用いる。このような化合物には、環に炭素−
炭素二重結合を有する単環又は多環式不飽和化合物及び
鎖状不飽和化合物が含まれる。なお、前記メチレン基
は、炭素原子に少なくとも2つの水素原子が結合した基
を意味し、メチル基も含まれるものとする。
【0012】環に炭素−炭素二重結合を有する単環又は
多環式不飽和化合物には、例えば、シクロプロペン、シ
クロブテン、シクロペンテン、シクロオクテン、シクロ
ヘキセン、イソホロン、シクロヘプテン、シクロドデカ
エン、シクロペンタジエン、1,3−シクロヘキサジエ
ン、1,5−シクロオクタジエン等のシクロアルケン類
のほか、リモネン、α−テルピネン、β−テルピネン、
γ−テルピネン、テルピノレン、1−p−メンテン、3
−p−メンテン、cis−カルベオール、trans−
カルベオール、ジヒドロミルセン等のテルペン類などの
単環式化合物;α−ピネン、α−セドレン、バレンセ
ン、イソロンギホレン等のテルペン類、コレステロー
ル、コレステロールエステル等のステロイド類などの多
環式化合物が含まれる。
【0013】前記鎖状不飽和化合物としては、例えば、
プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、1−ペンテン、
イソプレン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、1,5−ヘ
キサジエン、1−オクテン、2−オクテン、3−オクテ
ン、1−ノネン、2−ノネン、デカエン、ドデカエン、
ウンデカトリエン等のアルケン類のほか、ゲラニオー
ル、ゲラニオールエステル、シトロネロール、シトロネ
ロールエステル、ネロール、ネロールエステル、リナロ
オール、リナロオールエステル、シトラール、シトラー
ルエステル、シトロネラール、シトロネラールエステル
等のテルペン類などが例示できる。
【0014】これらの化合物は、種々の置換基、例え
ば、ハロゲン原子、オキソ基、ヒドロキシル基、メルカ
プト基、置換オキシ基(例えば、アルコキシ基、アリー
ルオキシ基、アシルオキシ基など)、置換チオ基、カル
ボキシル基、置換オキシカルボニル基、置換又は無置換
カルバモイル基、シアノ基、ニトロ基、置換又は無置換
アミノ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、
シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基
(例えば、フェニル、ナフチル基など)、アラルキル
基、複素環基などを有していてもよい。また、上記化合
物において光学異性体等の異性体が存在する場合、原料
として何れか1つの異性体を用いてもよく、複数の異性
体の混合物を用いてもよい。
【0015】上記の化合物の中でも環に炭素−炭素二重
結合を有する単環又は多環式化合物が好ましい。また、
反応生成物の有用性等の点からはバレンセンなどのテル
ペン類やステロイド類等のイソプレノイドに属する化合
物が好ましい。
【0016】[イミド化合物]本発明の重要な特徴は、
触媒として、前記式(1)で表されるイミド化合物とp
Ka8.0以下の酸のコバルト(II)塩(2価のコバル
ト塩)とを組み合わせて用いる点にある。
【0017】前記式(1)において、置換基R1及びR2
のうちハロゲン原子には、ヨウ素、臭素、塩素およびフ
ッ素原子が含まれる。アルキル基には、例えば、メチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブ
チル、s−ブチル、t−ブチル、ヘキシル、デシル基な
どの炭素数1〜10程度の直鎖状又は分岐鎖状アルキル
基が含まれる。好ましいアルキル基としては、例えば、
炭素数1〜6程度、特に炭素数1〜4程度の低級アルキ
ル基が挙げられる。
【0018】アリール基には、フェニル、ナフチル基な
どが含まれ、シクロアルキル基には、シクロペンチル、
シクロヘキシル基などが含まれる。アルコキシ基には、
例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、ブトキ
シ、t−ブトキシ、ヘキシルオキシ基などの炭素数1〜
10程度、好ましくは炭素数1〜6程度、特に炭素数1
〜4程度の低級アルコキシ基が含まれる。
【0019】アルコキシカルボニル基には、例えば、メ
トキシカルボニル、エトキシカルボニル、イソプロポキ
シカルボニル、ブトキシカルボニル、t−ブトキシカル
ボニル、ヘキシルオキシカルボニル基などのアルコキシ
部分の炭素数が1〜10程度のアルコキシカルボニル基
が含まれる。好ましいカルボニル基にはアルコキシ部分
の炭素数が1〜6程度、特に1〜4程度の低級アルコキ
シカルボニル基が含まれる。アシル基としては、例え
ば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イ
ソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイル基な
どの炭素数1〜6程度のアシル基が例示できる。
【0020】前記置換基R1及びR2は、同一又は異なっ
ていてもよい。また、前記式(1)において、R1及び
2は互いに結合して、二重結合、または芳香族性又は
非芳香属性の環を形成してもよい。好ましい芳香族性又
は非芳香族性環は5〜12員環、特に6〜10員環程度
であり、複素環又は縮合複素環であってもよいが、炭化
水素環である場合が多い。このような環には、例えば、
非芳香族性脂環式環(シクロヘキサン環などの置換基を
有していてもよいシクロアルカン環、シクロヘキセン環
などの置換基を有していてもよいシクロアルケン環な
ど)、非芳香族性橋かけ環(5−ノルボルネン環などの
置換基を有していてもよい橋かけ式炭化水素環など)、
ベンゼン環、ナフタレン環などの置換基を有していても
よい芳香族環(縮合環を含む)が含まれる。前記環は、
芳香族環で構成される場合が多い。前記環は、アルキル
基、ハロアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、
カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、
ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ハロゲン原子などの置
換基を有していてもよい。前記式(1)において、Xは
酸素原子又はヒドロキシル基を示し、窒素原子NとXと
の結合は単結合又は二重結合である。
【0021】前記R1、R2、又はR1及びR2が互いに結
合して形成された二重結合又は芳香族性若しくは非芳香
族性の環には、上記式(1)中に示されるN−置換環状
イミド基がさらに1又は2個形成されていてもよい。例
えば、R1又はR2が炭素数2以上のアルキル基である場
合、このアルキル基を構成する隣接する2つの炭素原子
を含んで前記N−置換環状イミド基が形成されていても
よい。また、R1及びR2が互いに結合して二重結合を形
成する場合、該二重結合を含んで前記N−置換環状イミ
ド基が形成されていてもよい。さらに、R1及びR2が互
いに結合して芳香族性若しくは非芳香族性の環を形成す
る場合、該環を構成する隣接する2つの炭素原子を含ん
で前記N−置換環状イミド基が形成されていてもよい。
【0022】好ましいイミド化合物には、下記式で表さ
れる化合物が含まれる。
【化3】 (式中、R3〜R6は、同一又は異なって、水素原子、ア
ルキル基、ハロアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキ
シ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アシ
ル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ハロゲン原子を
示す。R3〜R6は、隣接する基同士が互いに結合して芳
香族性又は非芳香族性の環を形成していてもよい。式
(1f)中、Aはメチレン基又は酸素原子を示す。R1
2、Xは前記に同じ。式(1c)のベンゼン環には、式
(1c)中に示されるN−置換環状イミド基がさらに1又
は2個形成されていてもよい)
【0023】置換基R3〜R6において、アルキル基に
は、前記例示のアルキル基と同様のアルキル基、特に炭
素数1〜6程度のアルキル基が含まれ、ハロアルキル基
には、トリフルオロメチル基などの炭素数1〜4程度の
ハロアルキル基、アルコキシ基には、前記と同様のアル
コキシ基、特に炭素数1〜4程度の低級アルコキシ基、
アルコキシカルボニル基には、前記と同様のアルコキシ
カルボニル基、特にアルコキシ部分の炭素数が1〜4程
度の低級アルコキシカルボニル基が含まれる。また、ア
シル基としては、前記と同様のアシル基、特に炭素数1
〜6程度のアシル基が例示され、ハロゲン原子として
は、フッ素、塩素、臭素原子が例示できる。置換基R3
〜R6は、通常、水素原子、炭素数1〜4程度の低級ア
ルキル基、カルボキシル基、ニトロ基、ハロゲン原子で
ある場合が多い。R3〜R6が互いに結合して形成する環
としては、前記R1及びR2が互いに結合して形成する環
と同様であり、特に芳香族性又は非芳香族性の5〜12
員環が好ましい。
【0024】好ましいイミド化合物の代表的な例とし
て、例えば、N−ヒドロキシコハク酸イミド、N−ヒド
ロキシマレイン酸イミド、N−ヒドロキシヘキサヒドロ
フタル酸イミド、N,N′−ジヒドロキシシクロヘキサ
ンテトラカルボン酸イミド、N−ヒドロキシフタル酸イ
ミド、N−ヒドロキシテトラブロモフタル酸イミド、N
−ヒドロキシテトラクロロフタル酸イミド、N−ヒドロ
キシヘット酸イミド、N−ヒドロキシハイミック酸イミ
ド、N−ヒドロキシトリメリット酸イミド、N,N′−
ジヒドロキシピロメリット酸イミド、N,N′−ジヒド
ロキシナフタレンテトラカルボン酸イミドなどが挙げら
れる。
【0025】前記イミド化合物は、慣用のイミド化反
応、例えば、対応する酸無水物とヒドロキシルアミンN
2OHとを反応させ、酸無水物基の開環及び閉環を経
てイミド化する方法により調製できる。
【0026】前記酸無水物には、例えば、無水コハク
酸、無水マレイン酸などの飽和又は不飽和脂肪族ジカル
ボン酸無水物、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒド
ロ無水フタル酸(1,2−シクロヘキサンジカルボン酸
無水物)、1,2,3,4−シクロヘキサンテトラカル
ボン酸1,2−無水物などの飽和又は不飽和非芳香族性
環状多価カルボン酸無水物(脂環式多価カルボン酸無水
物)、無水ヘット酸、無水ハイミック酸などの橋かけ環
式多価カルボン酸無水物(脂環式多価カルボン酸無水
物)、無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸、テト
ラクロロ無水フタル酸、無水ニトロフタル酸、無水トリ
メリット酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸無水
物、無水ピロメリット酸、無水メリト酸、1,8;4,
5−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物などの芳香族
多価カルボン酸無水物が含まれる。
【0027】特に好ましいイミド化合物は、脂環式多価
カルボン酸無水物又は芳香族多価カルボン酸無水物、な
かでも芳香族多価カルボン酸無水物から誘導されるN−
ヒドロキシイミド化合物、例えばN−ヒドロキシフタル
酸イミドなどが含まれる。
【0028】式(1)で表されるイミド化合物は、単独
で又は2種以上組み合わせて使用できる。式(1)で表
されるイミド化合物は、担体に担持した形態で用いても
よい。担体としては、活性炭、ゼオライト、シリカ、シ
リカ−アルミナ、ベントナイトなどの多孔質担体を用い
る場合が多い。
【0029】前記イミド化合物の使用量は、広い範囲で
選択でき、例えば、基質1モルに対して0.0001〜
1モル、好ましくは0.001〜0.5モル、さらに好
ましくは0.01〜0.4モル程度であり、0.05〜
0.35モル程度である場合が多い。
【0030】[コバルト(II)塩]前記pKa8.0以
下の酸のコバルト(II)塩におけるpKa8.0以下の
酸には、例えば、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、クロ
ロ酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ヘキサン酸、2
−エチルヘキサン酸、ステアリン酸、ナフテン酸、乳
酸、シュウ酸、安息香酸などのカルボン酸や、メタンス
ルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、エタンスル
ホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン
酸、ナフタレンスルホン酸等のスルホン酸等の有機酸;
塩酸、硫酸、硝酸、炭酸、リン酸、ホウ酸や、リンモリ
ブデン酸、リンタングステン酸、ケイタングステン酸等
のヘテロポリ酸などの無機酸が含まれる。
【0031】代表的な前記コバルト(II)塩として、例
えば、酢酸コバルト(II)、プロピオン酸コバルト(I
I)、ステアリン酸コバルト(II)、ナフテン酸コバル
ト(II)、メタンスルホン酸コバルト(II)、p−トル
エンスルホン酸コバルト(II)などの2価のコバルトの
有機酸塩;塩化コバルト(II)、硫酸コバルト(II)、
硝酸コバルト(II)、リン酸コバルト(II)、リンモリ
ブデン酸コバルト(II)などの2価のコバルトの無機酸
塩などが挙げられる。
【0032】これらのコバルト(II)塩の中でも、2価
のコバルトの有機酸塩が好ましく、特に酢酸コバルト
(II)などの2価のコバルトのカルボン酸塩が好まし
い。前記コバルト(II)塩のpKaは、好ましくは6.
0以下(例えば、−12〜6.0)、さらに好ましくは
0〜6.0程度である。前記pKa8.0以下の酸のコ
バルト(II)塩は単独で又は2種以上組み合わせて使用
できる。
【0033】pKa8.0以下の酸のコバルト(II)塩
は、必ずしもそのものを系内に添加する必要はなく、系
内で生成させて使用してもよい。例えば、pKaが8.
0を超える酸のコバルト(II)塩(若しくは錯体)[例
えば、コバルト(II)アセチルアセトナトなど]や、そ
の他の2価のコバルト化合物[例えば、酸化コバルト
(II)など]と、pKa8.0以下の酸(例えば、酢酸
など)とを系内で共存させることによりpKa8.0以
下の酸のコバルト(II)塩を生成させることができる。
【0034】前記pKa8.0以下の酸のコバルト(I
I)塩の使用量は、例えば、基質1モルに対して0.0
001〜0.7モル、好ましくは0.001〜0.5モ
ル、さらに好ましくは0.002〜0.1モル程度であ
り、0.005〜0.05モル程度である場合が多い。
【0035】なお、pKa8.0以下の酸のコバルト
(II)塩の代わりに、pKaが8.0を超える酸のコバ
ルト(II)塩を用いた場合には、反応速度が著しく低下
し、温和な条件で目的の共役不飽和カルボニル化合物を
生産効率よく得ることはできない。
【0036】[その他の遷移金属化合物]本発明では、
前記式(1)で表されるイミド化合物とpKa8.0以
下の酸のコバルト(II)塩に加え、第3の触媒成分とし
て、その他の遷移金属化合物を併用してもよい。なお、
「その他の遷移金属化合物」とは、「pKa8.0以下
の酸のコバルト(II)塩」以外の遷移金属化合物を意味
する。前記その他の遷移金属化合物を併用すると、反応
開始時の誘導期が短縮され、室温付近の極めて温和な温
度条件下でも、短時間のうちに反応を終了させることが
できる。
【0037】前記その他の遷移金属化合物における遷移
金属元素には、周期表3族元素(Sc、ランタノイド元
素、アクチノイド元素など)、4族元素(Ti、Zr、
Hfなど)、5族元素(Vなど)、6族元素(Cr、M
o、Wなど)、7族元素(Mnなど)、8族元素(F
e、Ruなど)、9族元素(Co、Rhなど)、10族
元素(Ni、Pd、Ptなど)、11族元素(Cuな
ど)、12族元素(Znなど)などが含まれる。これら
の中でもV、Mo、Mn、Co、Fe、Ru、Cuなど
の周期表5族〜9族元素が好ましく、特にCoが好まし
い。
【0038】前記その他の遷移金属化合物としては、例
えば、前記遷移金属元素の水酸化物、酸化物(複合酸化
物を含む)、ハロゲン化物(フッ化物、塩化物、臭化
物、ヨウ化物)、オキソ酸塩(例えば、硝酸塩、硫酸
塩、リン酸塩、ホウ酸塩、炭酸塩など)、イソポリ酸の
塩、ヘテロポリ酸の塩などの無機化合物;有機酸塩(例
えば、酢酸塩、プロピオン酸塩、青酸塩、ナフテン酸
塩、ステアリン酸塩など)、錯体などの有機化合物が挙
げられる。前記錯体を構成する配位子としては、OH
(ヒドロキソ)、アルコキシ(メトキシ、エトキシ、プ
ロポキシ、ブトキシなど)、アシル(アセチル、プロピ
オニルなど)、アルコキシカルボニル(メトキシカルボ
ニル、エトキシカルボニルなど)、アセチルアセトナ
ト、シクロペンタジエニル基、ハロゲン原子(塩素、臭
素など)、CO、CN、酸素原子、H2O(アコ)、ホ
スフィン(トリフェニルホスフィンなどのトリアリール
ホスフィンなど)のリン化合物、NH3(アンミン)、
NO、NO2(ニトロ)、NO3(ニトラト)、エチレン
ジアミン、ジエチレントリアミン、ピリジン、フェナン
トロリンなどの窒素含有化合物などが挙げられる。
【0039】前記その他の遷移金属化合物の具体例とし
ては、例えば、コバルト化合物を例にとると、水酸化コ
バルト(III)、酸化コバルト(III)、塩化コバルト
(III)、臭化コバルト(III)、硝酸コバルト(II
I)、硫酸コバルト(III)、リン酸コバルト(III)な
どの無機化合物;酢酸コバルト(III)、ナフテン酸コ
バルト(III)、ステアリン酸コバルト(III)などの有
機酸塩;コバルト(III)アセチルアセトナトなどの錯
体などが挙げられる。他の遷移金属元素の化合物として
は、前記コバルト化合物に対応する化合物などが例示さ
れる。特に好ましい「その他の遷移金属化合物」は3価
のコバルト又はバナジウムの有機酸塩若しくは錯体など
である。前記その他の遷移金属化合物は単独で又は2種
以上組み合わせて使用できる。
【0040】前記その他の遷移金属化合物を用いる場
合、その使用量は、例えば、基質1モルに対して0.0
001〜0.7モル、好ましくは0.001〜0.5モ
ル、さらに好ましくは0.002〜0.1モル程度であ
る。また、前記その他の遷移金属化合物と前記pKa
8.0以下の酸のコバルト(II)塩の割合は、例えば、
前者/後者=1/99〜99/1、好ましくは10/9
0〜90/10、さらに好ましくは20/80〜80/
20程度である。
【0041】本発明の方法では、必要に応じて、上記以
外の金属化合物や有機塩などを系内に添加してもよい。
また、系内にラジカル発生剤やラジカル反応促進剤を存
在させてもよい。このような成分として、例えば、ハロ
ゲン(塩素、臭素など)、過酸(過酢酸、m−クロロ過
安息香酸など)、過酸化物(過酸化水素、t−ブチルヒ
ドロペルオキシド(TBHP)等のヒドロペルオキシド
など)などが挙げられる。これらの成分を系内に存在さ
せると、誘導期が短縮されたり、反応が促進される場合
がある。
【0042】[酸素]酸化に利用される酸素としては、
発生期の酸素であってもよいが、分子状酸素を用いるの
が好ましい。分子状酸素は純粋な酸素を用いてもよく、
窒素、ヘリウム、アルゴン、二酸化炭素などの不活性ガ
スで希釈した酸素や空気を用いることもできる。酸素の
使用量は、基質1モルに対して0.5モル以上(例え
ば、1モル以上)、好ましくは1〜100モル、さらに
好ましくは2〜50モル程度である。基質に対して過剰
モルの酸素を使用する場合が多い。
【0043】[反応]反応は溶媒の存在下又は非存在下
で行われる。溶媒としては、基質の種類等に応じて適宜
選択でき、例えば、酢酸、プロピオン酸などの有機酸;
アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルな
どのニトリル類;ホルムアミド、アセトアミド、ジメチ
ルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミドなど
のアミド類;t−ブタノール、t−アミルアルコールな
どのアルコール類;ヘキサン、オクタンなどの脂肪族炭
化水素;ベンゼンなどの芳香族炭化水素;クロロホル
ム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素、ク
ロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリフルオロメチル
ベンゼンなどのハロゲン化炭化水素;ニトロベンゼン、
ニトロメタン、ニトロエタンなどのニトロ化合物;酢酸
エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;ジエチルエーテ
ル、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類;アセト
ン、メチルエチルケトンなどのケトン類;水;及びこれ
らの混合溶媒などを使用できる。
【0044】溶媒として、酢酸などの有機酸、アセトニ
トリルやベンゾニトリルなどのニトリル類、クロロベン
ゼンやトリフルオロメチルベンゼンなどのハロゲン化炭
化水素等を用いる場合が多い。
【0045】反応温度は、基質の種類等に応じて、例え
ば0〜150℃、好ましくは10〜100℃、さらに好
ましくは10〜80℃程度の範囲から適宜選択できる。
本発明の方法では、10〜60℃程度の室温に近い温度
であっても、反応が円滑に進行し、短時間で目的化合物
を得ることができる。反応圧力は、常圧、加圧下の何れ
であってもよい。
【0046】反応は、酸素の存在下又は酸素の流通下、
回分式、半回分式、連続式などの慣用の方法により行う
ことができる。なお、触媒、特に前記式(1)で表され
るイミド化合物を、反応開始時に一括して添加するので
はなく、逐次的に(連続的又は間欠的に)系内に添加す
ると、原料不飽和化合物のメチレン基の炭素原子にヒド
ロキシル基が導入されたアルコール(反応中間体)の副
生が抑制され、より高い収率で目的の共役不飽和カルボ
ニル化合物を得ることができる。
【0047】反応終了後、反応生成物は、慣用の分離精
製手段、例えば、濾過、濃縮、蒸留、抽出、晶析、再結
晶、吸着、カラムクロマトグラフィーなどの分離手段や
これらを組み合わせることにより容易に分離精製でき
る。
【0048】本発明の方法によれば、温和な条件下で酸
素による酸化反応が円滑に進行し、対応する共役不飽和
カルボニル化合物(α,β−不飽和カルボニル化合物)
が高い選択率及び収率で生成する。より具体的には、例
えば、下記式に示されるように、基質として式(2)で
表されるバレンセンを用いる場合には、反応により、式
(3)で表されるヌートカトンが高い収率で得られる。
なお、副生物として、式(4)で表されるヌートカトー
ル及び式(5)で表されるバレンセンオキシドが副生し
うるが、前述のように、触媒を逐次添加することによ
り、式(4)で表されるヌートカトールの副生量を低減
でき、目的のヌートカトンをより高い収率で得ることが
可能である。
【化4】
【0049】
【発明の効果】本発明の方法によれば、酸化触媒とし
て、特定構造のイミド化合物と特定の金属化合物とを組
み合わせて用いるため、有毒な化合物を用いることな
く、炭素−炭素二重結合の隣接位にメチレン基を有する
不飽和化合物を酸素により温和な条件下で酸化でき、対
応する共役不飽和カルボニル化合物を高い収率及び選択
率で効率よく製造することができる。
【0050】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定
されるものではない。なお、反応生成物の分析はガスク
ロマトグラフィーにより行った。
【0051】実施例1 フラスコに、バレンセン10ミリモル、N−ヒドロキシ
フタルイミド1ミリモル、酢酸コバルト(II)4水塩
0.2ミリモル、コバルト(III)アセチルアセトナト
0.6ミリモル、及びアセトニトリル20mlを入れ、
酸素雰囲気下(1atm=0.101MPa)、40℃
で2時間攪拌した。その結果、ヌートカトンが収率58
%、ヌートカトールが収率11%、バレンセンエポキシ
ドが収率2%で生成していた。バレンセンの転化率は9
8%であった。
【0052】実施例2 フラスコに、バレンセン10ミリモル、N−ヒドロキシ
フタルイミド1ミリモル、酢酸コバルト(II)4水塩
0.2ミリモル、コバルト(III)アセチルアセトナー
ト0.6ミリモル、及びアセトニトリル20mlを入
れ、酸素雰囲気下(1atm=0.101MPa)、4
0℃で2時間攪拌した後、N−ヒドロキシフタルイミド
をさらに1ミリモル添加し、40℃で2時間攪拌した。
その結果、ヌートカトンが収率62%、ヌートカトール
が収率1%、バレンセンエポキシドが収率3%で生成し
ていた。バレンセンの転化率は99%であった。
【0053】実施例3 フラスコに、バレンセン10ミリモル、N−ヒドロキシ
フタルイミド1ミリモル、酢酸コバルト(II)4水塩
0.2ミリモル、コバルト(III)アセチルアセトナト
0.6ミリモル、及びアセトニトリル20mlを入れ、
空気雰囲気下(10atm=1.01MPa)、40℃
で2時間攪拌した。その結果、ヌートカトンが収率51
%、ヌートカトールが収率18%、バレンセンエポキシ
ドが収率2%で生成していた。バレンセンの転化率は9
4%であった。
【0054】実施例4 フラスコに、バレンセン10ミリモル、N−ヒドロキシ
フタルイミド1ミリモル、酢酸コバルト(II)4水塩
0.2ミリモル、コバルト(III)アセチルアセトナト
0.2ミリモル、及びアセトニトリル20mlを入れ、
酸素雰囲気下(1atm=0.101MPa)、25℃
で10時間攪拌した。その結果、ヌートカトンが収率5
6%、ヌートカトールが収率16%、バレンセンエポキ
シドが収率4%で生成していた。バレンセンの転化率は
95%であった。
【0055】実施例5 フラスコに、バレンセン10ミリモル、N−ヒドロキシ
フタルイミド1ミリモル、酢酸コバルト(II)4水塩
0.4ミリモル、及びアセトニトリル20mlを入れ、
酸素雰囲気下(1atm=0.101MPa)、25℃
で13時間攪拌した。なお、反応開始前に4時間の誘導
期が見られた。その結果、ヌートカトンが収率50%、
ヌートカトールが収率12%、バレンセンエポキシドが
収率3%で生成していた。バレンセンの転化率は97%
であった。
【0056】実施例6 フラスコに、バレンセン10ミリモル、N−ヒドロキシ
フタルイミド1ミリモル、酢酸コバルト(II)4水塩
0.1ミリモル、銅(II)アセチルアセトナト0.6ミ
リモル、及びアセトニトリル20mlを入れ、酸素雰囲
気下(1atm=0.101MPa)、40℃で2時間
攪拌した。その結果、ヌートカトンが収率48%、ヌー
トカトールが収率17%、バレンセンエポキシドが収率
2%で生成していた。バレンセンの転化率は87%であ
った。
【0057】実施例7 フラスコに、バレンセン10ミリモル、N−ヒドロキシ
フタルイミド1ミリモル、酢酸コバルト(II)4水塩
0.1ミリモル、鉄(III)アセチルアセトナト0.6
ミリモル、及びアセトニトリル20mlを入れ、酸素雰
囲気下(1atm=0.101MPa)、40℃で2時
間攪拌した。その結果、ヌートカトンが収率38%、ヌ
ートカトールが収率10%、バレンセンエポキシドが収
率10%で生成していた。バレンセンの転化率は86%
であった。
【0058】実施例8 フラスコに、セドレン10ミリモル、N−ヒドロキシフ
タルイミド1ミリモル、酢酸コバルト(II)4水塩0.
1ミリモル、コバルト(III)アセチルアセトナト0.
6ミリモル、及びアセトニトリル20mlを入れ、酸素
雰囲気下(1atm=0.101MPa)、40℃で2
時間攪拌した。その結果、セドレノンが収率51%、セ
ドレンエポキシドが収率5%で生成していた。セドレン
の転化率は95%であった。
【0059】比較例1 フラスコに、バレンセン10ミリモル、N−ヒドロキシ
フタルイミド1ミリモル、コバルト(III)アセチルア
セトナト0.1ミリモル、及びアセトニトリル20ml
を入れ、酸素雰囲気下(1atm=0.101MP
a)、100℃で1時間攪拌した。その結果、ヌートカ
トンが収率21%、ヌートカトールが収率2%、バレン
センエポキシドが収率6%で生成していた。バレンセン
の転化率は85%であった。
【0060】比較例2 フラスコに、バレンセン10ミリモル、N−ヒドロキシ
フタルイミド1ミリモル、コバルト(III)アセチルア
セトナト0.4ミリモル、及びアセトニトリル20ml
を入れ、酸素雰囲気下(1atm=0.101MP
a)、40℃で8時間攪拌した。その結果、反応は全く
進行しなかった。
【0061】比較例3 フラスコに、バレンセン10ミリモル、酢酸コバルト
(II)4水塩0.2ミリモル、コバルト(III)アセチ
ルアセトナト0.4ミリモル、及びアセトニトリル20
mlを入れ、酸素雰囲気下(1atm=0.101MP
a)、40℃で8時間攪拌した。その結果、反応は全く
進行しなかった。
【0062】比較例4 フラスコに、バレンセン10ミリモル、N−ヒドロキシ
フタルイミド1ミリモル、コバルト(II)アセチルアセ
トナト0.4ミリモル、及びアセトニトリル20mlを
入れ、酸素雰囲気下(1atm=0.101MPa)、
40℃で9時間攪拌した。その結果、反応は全く進行し
なかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07D 209/48 C07D 209/48 Z Fターム(参考) 4C069 AC30 BC12 CC02 4C204 BB04 CB04 DB30 EB01 FB33 GB01 4G069 AA08 BA21A BA21B BA27A BA27B BC29A BC66B BC67B BE14A BE14B CB07 CB72 4H006 AA02 AC44 AD11 AD15 AD16 AD17 BA05 BA19 BA20 BA45 BA51 BB21 BC10 BC11 BC14 BC19 BC32 BC34 BE30 4H039 CA62 CC50

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1) 【化1】 (式中、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子、
    ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シクロアルキ
    ル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル
    基、アルコキシカルボニル基、アシル基を示し、R1
    びR2は互いに結合して二重結合、又は芳香族性若しく
    は非芳香族性の環を形成してもよい。Xは酸素原子又は
    ヒドロキシル基を示す。前記R1、R2、又はR1及びR2
    が互いに結合して形成された二重結合又は芳香族性若し
    くは非芳香族性の環には、上記式(1)中に示されるN
    −置換環状イミド基がさらに1又は2個形成されていて
    もよい)で表されるイミド化合物とpKa8.0以下の
    酸のコバルト(II)塩とで構成された触媒の存在下、炭
    素−炭素二重結合の隣接位にメチレン基を有する不飽和
    化合物を酸素と反応させて、該メチレン基の炭素原子に
    オキソ基が導入された対応する共役不飽和カルボニル化
    合物を生成させる共役不飽和カルボニル化合物の製造
    法。
  2. 【請求項2】 炭素−炭素二重結合の隣接位にメチレン
    基を有する不飽和化合物が、環に炭素−炭素二重結合を
    有する単環又は多環式化合物である請求項1記載の共役
    不飽和カルボニル化合物の製造法。
  3. 【請求項3】 バレンセンを酸素と反応させてヌートカ
    トンを生成させる請求項1記載の共役不飽和カルボニル
    化合物の製造法。
  4. 【請求項4】 式(1)で表されるイミド化合物とpK
    a8.0以下の酸のコバルト(II)塩と、さらにその他
    の遷移金属化合物とで構成された触媒の存在下で反応を
    行う請求項1〜3の何れかの項に記載の共役不飽和カル
    ボニル化合物の製造法。
JP2000176494A 2000-06-13 2000-06-13 共役不飽和カルボニル化合物の製造法 Pending JP2001354611A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000176494A JP2001354611A (ja) 2000-06-13 2000-06-13 共役不飽和カルボニル化合物の製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000176494A JP2001354611A (ja) 2000-06-13 2000-06-13 共役不飽和カルボニル化合物の製造法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001354611A true JP2001354611A (ja) 2001-12-25

Family

ID=18678215

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000176494A Pending JP2001354611A (ja) 2000-06-13 2000-06-13 共役不飽和カルボニル化合物の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001354611A (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0216739B2 (ja) * 1982-08-17 1990-04-18 Hasegawa T Co Ltd
JPH09327626A (ja) * 1996-02-07 1997-12-22 Daicel Chem Ind Ltd 酸化触媒系およびそれを用いた酸化方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0216739B2 (ja) * 1982-08-17 1990-04-18 Hasegawa T Co Ltd
JPH09327626A (ja) * 1996-02-07 1997-12-22 Daicel Chem Ind Ltd 酸化触媒系およびそれを用いた酸化方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1619176B1 (en) Process for producing cycloalkanol and/or cycloalkanone
EP1338336B1 (en) Use of catalysts comprising n-substituted cyclic imides for preparing organic compounds
WO1999041219A1 (fr) Agents d'acylation, procede d'acylation avec utilisation de ces agents et derives d'adamantane
JP4533469B2 (ja) 有機化合物の共酸化法、エポキシ化合物の製造法、及びエステル又はラクトンの製造法
Guha et al. Aerobic Oxidation of Cyclohexane using N‐Hydroxyphthalimide Bearing Fluoroalkyl Chains
US6229050B1 (en) Process for the preparation of hydroxyadamantanone derivatives
JP2006504781A (ja) カルボン酸の製造方法
US6939993B2 (en) Method for separation of reaction products from catalysts
JP4436905B2 (ja) ジカルボン酸の製造方法
JP2001354611A (ja) 共役不飽和カルボニル化合物の製造法
JP4640877B2 (ja) イミド化合物を触媒として用いた有機化合物の製造法
KR20040007525A (ko) 탄화수소의 산화방법
JP2001288122A (ja) 反応生成物と触媒との分離方法
JP4046402B2 (ja) 酸化触媒系及びそれを用いた酸化方法
JP4107696B2 (ja) エポキシ化合物の製造方法
JP2002301376A (ja) 金属触媒の分離方法
JP3818829B2 (ja) 酸化触媒およびそれを用いた酸化方法
JP2001239171A (ja) 触媒の分離回収方法
JP4865742B2 (ja) エポキシ化合物の製造方法
JPH043369B2 (ja)
JPH0525149A (ja) スチレンオキシドの製造方法
JP2003064067A (ja) エポキシ化合物の製造法
JP2006273803A (ja) 共役不飽和カルボニル化合物の製造法
JP4434751B2 (ja) カルボン酸の製造方法
JP2002226422A (ja) イミド化合物を触媒とするカルボニル化合物の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070329

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091201

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100608