JP2001288122A - 反応生成物と触媒との分離方法 - Google Patents

反応生成物と触媒との分離方法

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JP2001288122A
JP2001288122A JP2000102796A JP2000102796A JP2001288122A JP 2001288122 A JP2001288122 A JP 2001288122A JP 2000102796 A JP2000102796 A JP 2000102796A JP 2000102796 A JP2000102796 A JP 2000102796A JP 2001288122 A JP2001288122 A JP 2001288122A
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aromatic
aqueous solvent
imide compound
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JP2000102796A
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Masami Shimamura
真美 嶋村
Narihisa Hirai
成尚 平井
Hitoshi Watanabe
仁志 渡邊
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Daicel Corp
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Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 N−ヒドロキシフタルイミドなどのイミド化
合物を触媒とし炭化水素類などを基質として用いた反応
混合物から、反応生成物と触媒及び/又は該触媒の変質
体とを簡単な操作で分離できる方法を提供する。 【解決手段】 一般式(1)で表されるイミド化合物触
媒の存在下で反応して得られる反応混合物から、反応生
成物と前記イミド化合物触媒又はその変質体とを分離す
る方法であって、少なくとも水を含む水性溶媒と、この
水性溶媒に対して分液可能な非水溶性溶媒とを用い、反
応生成物を非水溶性溶媒層に、イミド化合物触媒又はそ
の変質体を水性溶媒層にそれぞれ分配する分離方法。 【化1】 (式中、R1及びR2は、水素原子、アルキル基などを示
し、R1及びR2は互いに結合して二重結合、又は芳香族
性若しくは非芳香族性の環を形成してもよい。Xは酸素
原子又はヒドロキシル基を示す)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、N−ヒドロキシフ
タルイミドなどのイミド化合物を触媒として用いた反応
混合物より、反応生成物と前記イミド化合物触媒及び/
又はその変質体とを分離する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】N−ヒドロキシフタルイミド等のイミド
化合物触媒は、分子状酸素による酸化、カルボキシル
化、ニトロ化、スルホン化、アシル化、ラジカルカップ
リング反応などの諸反応を温和な条件下で円滑に進行さ
せる触媒として注目されている。
【0003】例えば、特開平8−38909号公報及び
特開平9−327626号公報には、イミド化合物触媒
の存在下、炭化水素やアルコールなどの基質を分子状酸
素で酸化して、対応するアルコール、アルデヒド、ケト
ン、カルボン酸などを製造する方法が開示されている。
特開平9−278675号公報には、前記イミド化合物
触媒を用いた共役化合物の酸化方法が開示されている。
特開平10−316610号公報には、前記イミド化合
物触媒の存在下、エーテル類を酸化すると、エステル、
酸無水物、ラクトン等が生成することが記載されてい
る。WO99/50204には、前記イミド化合物触媒
及び共酸化剤の存在下、非芳香族性のエチレン結合を有
する化合物を分子状酸素により酸化して対応するエポキ
シドを製造する方法、及び前記イミド化合物触媒及び共
酸化剤の存在下、ケトンを分子状酸素で酸化して対応す
るエステル又はラクトンを製造する方法が記載されてい
る。
【0004】また、特開平11−239730号公報に
は、イミド化合物触媒の存在下、基質を窒素酸化物と反
応させて対応するニトロ化合物を得る方法、及び前記触
媒の存在下、基質を一酸化炭素及び酸素と反応させて対
応するカルボン酸を製造する方法が開示されている。W
O99/41219には、イミド化合物触媒の存在下、
基質を酸素及びビアセチルなどの1,2−ジカルボニル
化合物等と反応させると、温和な条件下でアシル化反応
が進行することが記載されている。日本化学会1999
年春季年会予稿集には、N−ヒドロキシフタルイミドを
触媒とし、α,β−不飽和エステルとアルコールと酸素
とを反応させると、ラジカルカップリング反応が進行し
て、α−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンが良好な収率
で生成することが報告されている。また、同予稿集に
は、N−ヒドロキシフタルイミドを触媒とし、アダマン
タンなどの炭化水素類を酸素及び二酸化硫黄と反応させ
ると、対応するスルホン酸が生成することが報告されて
いる。
【0005】このように、イミド化合物触媒は酸化反応
を初めとする広範な有機合成反応の触媒として極めて有
用であるが、反応終了後における反応生成物と前記イミ
ド化合物触媒との分離方法については、従来、報告され
た例は少ない。例えば、特開平10−114702号公
報には、イミド化合物触媒を用いて得られた酸化反応混
合物から反応生成物と触媒とを分離するに際し、少なく
とも水を含む水性溶媒と、この水性溶媒に対して分液可
能な非水溶性溶媒とを用い、酸化反応生成物を水性溶媒
層に、酸化触媒を非水溶性溶媒層にそれぞれ分配する分
離方法が開示されている。しかし、この方法は、水溶性
の酸化反応生成物と非水溶性の触媒との分離については
有効な手段となりうるが、非水溶性の反応生成物と非水
溶性の触媒との分離、及び非水溶性の反応生成物と水溶
性の触媒との分離は極めて困難である。
【0006】また、前記イミド化合物触媒は、反応に用
いると、その反応条件等により一部変質する場合があ
る。この触媒の変質体(分解生成物等)は、反応生成物
の製品中に混入すると該製品の品質を低下させる恐れが
あるが、従来、このような変質体の分離方法は知られて
いない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、N−ヒドロキシフタルイミドなどのイミド化合物を
触媒とし炭化水素類などを基質として用いた反応混合物
から、反応生成物と触媒及び/又は該触媒の変質体とを
簡単な操作で分離できる方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意検討の結果、N−ヒドロキシフタ
ルイミドなどのイミド化合物を触媒として用いた反応混
合物から、反応生成物と触媒及び/又は該触媒の変質体
とを分離するに際し、少なくとも水を含む水性溶媒と非
水溶性溶媒とを抽出溶媒として用い、反応生成物を非水
溶性溶媒層へ、イミド化合物触媒及び/又はその変質体
(以下、「変質触媒」と称することがある)を水性溶媒
層へ移行させることにより、両者を効率よく分離できる
ことを見いだし、本発明を完成した。
【0009】すなわち、本発明は、一般式(1)で表さ
れるイミド化合物触媒の存在下で反応して得られる反応
混合物から、反応生成物と前記イミド化合物触媒又はそ
の変質体とを分離する方法であって、少なくとも水を含
む水性溶媒と、この水性溶媒に対して分液可能な非水溶
性溶媒とを用い、反応生成物を非水溶性溶媒層に、イミ
ド化合物触媒又はその変質体を水性溶媒層にそれぞれ分
配する分離方法を提供する。
【化3】 (式中、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子、
ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シクロアルキ
ル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル
基、アルコキシカルボニル基、アシル基を示し、R1
びR2は互いに結合して二重結合、又は芳香族性若しく
は非芳香族性の環を形成してもよい。Xは酸素原子又は
ヒドロキシル基を示す。前記R1、R2、又はR1及びR2
が互いに結合して形成された二重結合又は芳香族性若し
くは非芳香族性の環には、上記式中に示されるN−置換
環状イミド基がさらに1又は2個形成されていてもよ
い)
【0010】前記イミド化合物としては、例えば、N−
ヒドロキシフタルイミド等のN−ヒドロキシイミド化合
物などが挙げられる。反応生成物として、アルコール
類、アルデヒド類、ケトン類、カルボン酸類、エポキシ
化合物、エステル類、酸無水物、ラクトン類、アセター
ル類、エーテル類、スルフィド類、アミド類、ラクタム
類、シッフ塩基類、オキシム類、ニトロ化合物、有機硫
黄酸類、炭化水素類などが挙げられる。また、前記少な
くとも水を含む水性溶媒(以下、「親水性溶媒」又は単
に「水性溶媒」と称する場合がある)として、水などが
使用でき、非水溶性溶媒(以下、「疎水性溶媒」又は
「疎水性有機溶媒」と称する場合がある)として、炭化
水素類、アルコール類、ケトン類、エステル類、ニトロ
化合物、ニトリル類、エーテル類等が使用できる。前記
水性溶媒として塩基を含有する水性溶媒を使用してもよ
い。
【0011】また、前記分離方法において、一般式
(1)で表されるイミド化合物触媒の存在下で反応して
得られる反応混合物に、塩基を含有する水性溶媒を添加
して加水分解処理した後、反応生成物を非水溶性溶媒層
に、イミド化合物触媒又はその変質体を水性溶媒層にそ
れぞれ分配してもよい。なお、本発明において、「イミ
ド化合物触媒又はその変質体」とは、イミド化合物触媒
及びその変質体のうち少なくとも一方であることを意味
し、両方の場合も含まれる。
【0012】
【発明の実施の形態】[イミド化合物]前記一般式
(1)で表されるイミド化合物において、置換基R1
びR2のうちハロゲン原子には、ヨウ素、臭素、塩素お
よびフッ素が含まれる。アルキル基には、例えば、メチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブ
チル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、
ヘプチル、オクチル、デシル基などの炭素数1〜10程
度の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基が含まれる。好まし
いアルキル基としては、例えば、炭素数1〜6程度、特
に炭素数1〜4程度の低級アルキル基が挙げられる。
【0013】アリール基には、フェニル、ナフチル基な
どが含まれ、シクロアルキル基には、シクロペンチル、
シクロヘキシル、シクロオクチル基などが含まれる。ア
ルコキシ基には、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポ
キシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、t−
ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ基などの炭
素数1〜10程度、好ましくは炭素数1〜6程度、特に
炭素数1〜4程度の低級アルコキシ基が含まれる。
【0014】アルコキシカルボニル基には、例えば、メ
トキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカ
ルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボ
ニル、イソブトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニ
ル、ペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボ
ニル基などのアルコキシ部分の炭素数が1〜10程度の
アルコキシカルボニル基が含まれる。好ましいアルコキ
シカルボニル基にはアルコキシ部分の炭素数が1〜6程
度、特に1〜4程度の低級アルコキシカルボニル基が含
まれる。
【0015】アシル基としては、例えば、ホルミル、ア
セチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレ
リル、イソバレリル、ピバロイル基などの炭素数1〜6
程度のアシル基が例示できる。
【0016】前記置換基R1及びR2は、同一又は異なっ
ていてもよい。また、前記一般式(1)において、R1
およびR2は互いに結合して、二重結合、または芳香族
性又は非芳香族性の環を形成してもよい。好ましい芳香
族性又は非芳香族性環は5〜12員環、特に6〜10員
環程度であり、複素環又は縮合複素環であってもよい
が、炭化水素環である場合が多い。このような環には、
例えば、非芳香族性脂環式環(シクロヘキサン環などの
置換基を有していてもよいシクロアルカン環、シクロヘ
キセン環などの置換基を有していてもよいシクロアルケ
ン環など)、非芳香族性橋かけ環(5−ノルボルネン環
などの置換基を有していてもよい橋かけ式炭化水素環な
ど)、ベンゼン環、ナフタレン環などの置換基を有して
いてもよい芳香族性環(縮合環を含む)が含まれる。前
記環は、芳香族性環で構成される場合が多い。前記環
は、アルキル基、ハロアルキル基、ヒドロキシル基、ア
ルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル
基、アシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ハロゲ
ン原子などの置換基を有していてもよい。前記一般式
(1)において、Xは酸素原子又はヒドロキシル基を示
し、窒素原子NとXとの結合は単結合又は二重結合であ
る。
【0017】前記R1、R2、又はR1及びR2が互いに結
合して形成された二重結合又は芳香族性若しくは非芳香
族性の環には、上記式(1)中に示されるN−置換環状
イミド基がさらに1又は2個形成されていてもよい。例
えば、R1又はR2が炭素数2以上のアルキル基である場
合、このアルキル基を構成する隣接する2つの炭素原子
を含んで前記N−置換環状イミド基が形成されていても
よい。また、R1及びR2が互いに結合して二重結合を形
成する場合、該二重結合を含んで前記N−置換環状イミ
ド基が形成されていてもよい。さらに、R1及びR2が互
いに結合して芳香族性若しくは非芳香族性の環を形成す
る場合、該環を構成する隣接する2つの炭素原子を含ん
で前記N−置換環状イミド基が形成されていてもよい。
一般式(1)で表されるイミド化合物は反応において一
種又は二種以上使用できる。
【0018】好ましいイミド化合物には、下記式で表さ
れる化合物が含まれる。
【化4】 (式中、R3〜R6は、同一又は異なって、水素原子、ア
ルキル基、ハロアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキ
シ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アシ
ル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ハロゲン原子を
示す。R3〜R6は、隣接する基同士が互いに結合して芳
香族性又は非芳香族性の環を形成していてもよい。式
(1f)中、Aはメチレン基又は酸素原子を示す。R1
2、Xは前記に同じ。式(1c)のベンゼン環には、式
(1c)中に示されるN−置換環状イミド基がさらに1又
は2個形成されていてもよい)
【0019】置換基R3〜R6において、アルキル基に
は、前記例示のアルキル基と同様のアルキル基、特に炭
素数1〜6程度のアルキル基が含まれ、ハロアルキル基
には、トリフルオロメチル基などの炭素数1〜4程度の
ハロアルキル基、アルコキシ基には、前記と同様のアル
コキシ基、特に炭素数1〜4程度の低級アルコキシ基、
アルコキシカルボニル基には、前記と同様のアルコキシ
カルボニル基、特にアルコキシ部分の炭素数が1〜4程
度の低級アルコキシカルボニル基が含まれる。また、ア
シル基としては、前記と同様のアシル基、特に炭素数1
〜6程度のアシル基が例示され、ハロゲン原子として
は、フッ素、塩素、臭素原子が例示できる。置換基R3
〜R6は、通常、水素原子、炭素数1〜4程度の低級ア
ルキル基、カルボキシル基、ニトロ基、ハロゲン原子で
ある場合が多い。R3〜R6が互いに結合して形成する環
としては、前記R1及びR2が互いに結合して形成する環
と同様であり、特に芳香族性又は非芳香族性の5〜12
員環が好ましい。
【0020】式(1)で表されるイミド化合物は、慣用
のイミド化反応、例えば、対応する酸無水物とヒドロキ
シルアミンNH2OHとを反応させ、酸無水物基の開環
及び閉環を経てイミド化する方法により調製できる。
【0021】前記酸無水物には、例えば、無水コハク
酸、無水マレイン酸などの飽和又は不飽和脂肪族ジカル
ボン酸無水物、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒド
ロ無水フタル酸(1,2−シクロヘキサンジカルボン酸
無水物)、1,2,3,4−シクロヘキサンテトラカル
ボン酸1,2−無水物などの飽和又は不飽和非芳香族性
環状多価カルボン酸無水物(脂環式多価カルボン酸無水
物)、無水ヘット酸、無水ハイミック酸などの橋かけ環
式多価カルボン酸無水物(脂環式多価カルボン酸無水
物)、無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸、テト
ラクロロ無水フタル酸、無水ニトロフタル酸、無水トリ
メリット酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸無水
物、無水ピロメリット酸、無水メリト酸、1,8;4,
5−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物などの芳香族
多価カルボン酸無水物が含まれる。
【0022】好ましいイミド化合物としては、例えば、
脂肪族多価カルボン酸無水物から誘導されるイミド化合
物(例えば、N−ヒドロキシコハク酸イミド、N−ヒド
ロキシマレイン酸イミドなど)、脂環式多価カルボン酸
無水物又は芳香族多価カルボン酸無水物から誘導される
イミド化合物(例えば、N−ヒドロキシヘキサヒドロフ
タル酸イミド、N,N′−ジヒドロキシシクロヘキサン
テトラカルボン酸イミド、N−ヒドロキシフタル酸イミ
ド、N−ヒドロキシテトラブロモフタル酸イミド、N−
ヒドロキシテトラクロロフタル酸イミド、N−ヒドロキ
シヘット酸イミド、N−ヒドロキシハイミック酸イミ
ド、N−ヒドロキシトリメリット酸イミド、N,N′−
ジヒドロキシピロメリット酸イミド、N,N′−ジヒド
ロキシナフタレンテトラカルボン酸イミドなど)などが
挙げられる。
【0023】なお、反応生成物と触媒との分離という点
では、前記イミド化合物のうち、水性溶媒に対して親和
性又は溶出性の高いイミド化合物(N−ヒドロキシイミ
ド化合物等)、例えば、脂肪族多価カルボン酸無水物か
ら誘導されるイミド化合物が好ましいが、脂環式多価カ
ルボン酸無水物又は芳香族多価カルボン酸無水物から誘
導されるイミド化合物(N−ヒドロキシイミド化合物
等)であっても、抽出溶媒を選択することにより効率よ
く分離可能であり、しかも後述するように、加水分解に
より水溶性で且つ容易にイミド化合物に再生可能な化合
物に変換できるため、触媒として好適に使用できる。
【0024】[助触媒]前記イミド化合物は助触媒とと
もに使用することもできる。助触媒としては、例えば、
遷移金属や周期表13族元素を含む化合物(例えば、酸
化物、水素化物、窒化物、酸素酸又はその塩、酸素酸エ
ステル、ヘテロポリ酸又はその塩、有機酸塩、無機酸
塩、ハロゲン化物、錯体など)などが使用できる。助触
媒は一種又は二種以上組合わせて使用できる。
【0025】前記遷移金属の元素としては、例えば、周
期表3族元素(例えば、スカンジウムSc、イットリウ
ムYの外、セリウムCe、サマリウムSmなどのランタ
ノイド元素、アクチノイドAcなどのアクチノイド元
素)、4族元素(チタンTi、ジルコニウムZrな
ど)、5族元素(バナジウムV、ニオブNbなど)、6
族元素(クロムCr、モリブデンMo、タングステンW
など)、7族元素(マンガンMn、テクネチウムTc、
レニウムReなど)、8族元素(鉄Fe、ルテニウムR
uなど)、9族元素(コバルトCo、ロジウムRhな
ど)、10族元素(ニッケルNi、パラジウムPd、白
金Ptなど)、11族元素(銅Cuなど)などが挙げら
れる。好ましい元素には、Ce,V,Nb,Cr,M
o,W,Mn,Fe,Ru,Co,Rh,Ni,Cuな
どが含まれる。周期表13族元素には、ホウ素B、アル
ミニウムAlなどが含まれる。
【0026】[基質及び反応生成物]本発明において、
反応に供する原料(基質)として用いられる化合物に
は、前記イミド化合物触媒の存在下で、分子状酸素によ
る酸化、カルボキシル化、ニトロ化、スルホン化、アシ
ル化、ラジカルカップリング等の反応が可能な部位を有
する種々の化合物が含まれる(前記従来の技術の項に示
した文献参照)。これらの化合物は単独で又は2種以上
組み合わせて使用される。
【0027】基質の代表的な例として、例えば、炭化水
素類、アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、アミン
類、複素環化合物、チオール類、スルフィド類、アミド
類などが挙げられる。なかでも好ましい基質には、炭化
水素類、アルコール類、アルデビド類、ケトン類などが
含まれる。
【0028】炭化水素類としては、例えば、置換基を有
していてもよい飽和又は不飽和脂肪族炭化水素類、置換
基を有していてもよい飽和又は不飽和脂環式炭化水素
類、完全又は部分水素添加縮合多環式炭化水素などの非
芳香族性環を含む縮合環式炭化水素類、第三級炭素原子
(メチン炭素)を含む橋かけ環式炭化水素類、芳香族性
環にメチル基又はメチレン基が結合した芳香族炭化水素
類などが挙げられる。
【0029】飽和又は不飽和脂肪族炭化水素類として
は、例えば、ブタン、イソブタン、ペンタン、ヘキサ
ン、オクタン、デカンなどのC4-20飽和炭化水素;2−
ブテン、イソブテンなどのC4-20オレフィン炭化水素;
ブタジエン(1,3−ブタジエン)、イソプレン(2−
メチル−1,3−ブタジエン)などの共役ジエン類など
の直鎖及び分枝状の脂肪族炭化水素(好ましくは、イソ
ブタンなどの分枝状飽和炭化水素、イソブテンなどの分
枝状不飽和炭化水素、ブタジエン、イソプレンなどの共
役ジエン類など)などが例示される。
【0030】飽和又は不飽和脂環式炭化水素類には、例
えば、シクロアルカン類(例えば、シクロブタン、シク
ロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロ
オクタン、シクロノナン、シクロデカン、シクロウンデ
カン、シクロドデカン、シクロトリデカン、シクロテト
ラデカン、シクロオクタデカン、シクロエイコサン、シ
クロドコサン、シクロテトラコサン、シクロトリアコン
タンなど)、環状オレフィン類(例えば、シクロプロペ
ン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、
シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロノネン、シク
ロデセンなど)、シクロアルカジエン類(例えば、シク
ロペンタジエン、1,3−シクロヘキサジエン、1,4
−シクロヘキサジエン、1,3−シクロヘプタジエンな
どのシクロヘプタジエン、1,5−シクロオクタジエン
などのシクロオクタジエンなど)、シクロアルカトリエ
ン類(例えば、シクロオクタトリエンなど)、シクロア
ルカテトラエン類(例えば、シクロオクタテトラエンな
ど)などが挙げられる。好ましい脂環式炭化水素類に
は、3〜30員環、好ましくは3〜25員環、特に3〜
20員環(例えば5〜20員環、とりわけ5〜16員
環)程度の脂環式炭化水素類が含まれる。
【0031】縮合多環式炭化水素類又は橋かけ環式炭化
水素類などの多環式炭化水素類には、少なくとも一つの
メチリジン基(すなわち、メチン炭素−水素結合−CH
<)を橋頭位及び/又は接合位(環と環との接合位)に
有する化合物が含まれる。完全又は部分水素添加縮合多
環式炭化水素などの非芳香族性環を含む縮合多環式炭化
水素類には、例えば、アセナフテン、フルオレン、テト
ラリン、インデン、インダン、パーヒドロアントラセ
ン、パーヒドロフェナントレン、パーヒドロフェナレ
ン、パーヒドロアセナフチレン、デカリン、ヘキサヒド
ロインダンなどが挙げられ、5〜8員環(特に5又は6
員環)が縮合している場合が多い。
【0032】橋かけ環式炭化水素類には、例えば、二環
式炭化水素(例えば、ピナン、ピネン、ボルナン、ノル
ボルナン、ノルボルネン、ビシクロ[3.2.1]オク
タン、ビシクロ[4.3.2]ウンデカンなど)、三環
式炭化水素(例えば、アダマンタン、エキソトリシクロ
[5.2.1.02,6]デカン、エンドトリシクロ
[5.2.1.02,6]デカンなど)、四環式炭化水素
(例えば、テトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]ドデカンなど)などの他、ジシクロヘキサジエ
ン、ジシクロペンタジエンなどのジエンの二量体、これ
らの二量体の水素添加物(例えば、ジシクロヘキサン、
ジシクロペンタンなど)およびこれらの誘導体やテルペ
ン類(例えば、単環式モノテルペン、二環式モノテルペ
ン、単環式セスキテルペン、二環式セスキテルペン、三
環式セスキテルペン、ジテルペン、トリテルペン、テト
ラテルペン、ポリテルペン及びこれらの誘導体など)な
どが挙げられる。橋かけ環式炭化水素類としては、環を
構成する炭素数が7〜16程度(特に炭素数6〜14程
度)の二環式ないし四環式炭化水素(例えば、ピナン、
ボルナン、ノルボルナン、ノルボルネン、アダマンタン
など)を用いる場合が多い。
【0033】芳香族性環にメチル基又はメチレン基が結
合した芳香族炭化水素類は、少なくとも一つのメチル基
又はメチレン基が芳香族性環に置換した化合物であれば
よく、芳香族性環は、芳香族性炭化水素環、芳香族性複
素環の何れであってもよい。このような化合物として、
例えば、トルエン、(o−,m−,p−)キシレン、
1,2,3−トリメチルベンゼン、メシチレン、1,
2,3,4−テトラメチルベンゼン、デュレン、4−t
−ブチル−1−メチルベンゼン、エチルベンゼン、プロ
ピルベンゼン、クメン、o−,m−又はp−エチルトル
エン、1−メチルナフタレン、2−メチルナフタレン、
1,5−ジメチルナフタレン、2,5−ジメチルナフタ
レン、1−メチルアントラセン、2−メチルアントラセ
ン、9−メチルアントラセン、4,4′−ジメチルビフ
ェニル、ジベンジル、ジフェニルメタン、トリフェニル
メタンなどが挙げられる。これらのなかでも、メチル基
の置換数が、分子中1〜4個程度のC6-10芳香族炭化水
素などが特に好ましい。
【0034】前記炭化水素類は、その炭化水素の種類に
応じて、種々の置換基、例えば、ハロゲン原子、アルキ
ル基、アルケニル基、アリール基、複素環式基、オキソ
基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、ヒドロキシアルキ
ル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アシ
ル基、アミノ基、置換アミノ基、シアノ基、ニトロ基な
どが置換していてもよい。
【0035】好ましい炭化水素類には、(1)共役ジエ
ン類(例えば、ブタジエン、イソプレンなど)(2)不
飽和結合に隣接する部位に炭素−水素結合を有する化合
物(例えば、2−ブテンなどのC4-20オレフィン炭化水
素など)、(3)脂環式炭化水素(例えば、シクロヘキ
サン、メチルシクロヘキサンなどの5〜16員環のシク
ロアルカン、シクロヘキセンなどの5〜16員環のシク
ロアルケンなど)、(4)非芳香族性環(例えば、シク
ロアルカン環又は複素環)を含む縮合環式化合物(例え
ば、デカリン、テトラリン、フルオレンなど)、(5)
第三級炭素原子(メチン炭素)を含む橋かけ環式炭化水
素(例えば、アダマンタン、ノルボルネンなど)、
(6)芳香族性環にメチル基又はメチレン基が結合した
芳香族炭化水素(例えば、トルエン、(o−,m−,p
−)キシレン、p−t−ブチルトルエンなどの1〜4個
のメチル基を有するC6-10芳香族炭化水素;ジフェニル
メタンなどのメチレン基が芳香環に結合した芳香族炭化
水素等)などが含まれる。
【0036】前記炭化水素類を、前記イミド化合物触媒
の存在下、酸素で酸化することにより、対応するアルコ
ール類、アルデヒド類、ケトン類、カルボン酸類、エポ
キシ化合物、ラクトン、酸無水物、アセタール類、エス
テル類などの酸化物が生成する。例えば、共役ジエン類
の酸化により、対応するアルケンジオール類が生成す
る。例えば、ブタジエンの酸化により生成する酸化物は
ブテンジオール類(2−ブテン−1,4−ジオール又は
1−ブテン−3,4−ジオールのシス体又はトランス
体)であり、特にヒドロキシル基の位置は制限されな
い。不飽和結合に隣接する部位に炭素−水素結合を有す
る化合物を酸化すると、該不飽和結合に隣接する部位が
酸化される。脂環式炭化水素を酸化すると、環にヒドロ
キシル基又はオキソ基が導入され、条件によっては環が
酸化的に開裂してジカルボン酸などが生成する。非芳香
族性環を含む縮合環式化合物を酸化すると、該非芳香族
性環にヒドロキシル基又はオキソ基が導入され、条件に
よっては環が開裂してジカルボン酸などが生成する。第
三級炭素原子(メチン炭素)を含む橋かけ環式炭化水素
を酸化すると該第三級炭素原子(橋頭位など)にヒドロ
キシル基が導入されたり、反応条件により、その隣接位
にオキソ基が導入される。芳香族性環にメチル基又はメ
チレン基が結合した芳香族炭化水素を酸化すると、該メ
チル基又はメチレン基が酸化され、条件により、対応す
るアルコール、アルデヒド、ケトン又はカルボン酸が生
成する。
【0037】また、前記炭化水素類を前記イミド化合物
触媒の存在下、酸素及び一酸化炭素、窒素酸化物(N
O、NO2、N23など)、硫黄酸化物(SO2など)、
1,2−ジカルボニル化合物、又はラジカル的な炭素−
炭素結合形成反応の可能な化合物と反応させることによ
り、それぞれ、対応するカルボン酸、ニトロ化合物、有
機硫黄酸(スルホン酸など)、アシル化反応生成物(ア
ルデヒド、ケトン)又は炭素−炭素結合形成反応生成物
若しくはその誘導体(例えば、酸化体、ラクトン等の環
化体など)が生成する。例えば、第三級炭素原子(メチ
ン炭素)を含む橋かけ環式炭化水素を、前記イミド化合
物触媒の存在下、酸素及び一酸化炭素、窒素酸化物(N
O、NO2、N23など)、硫黄酸化物(SO2など)、
1,2−ジカルボニル化合物、又はラジカル的な炭素−
炭素結合形成反応の可能な化合物と反応させると、前記
第三級炭素原子に、カルボキシル基、ニトロ基、スルホ
ン酸基、アシル基、炭化水素基等が導入された化合物又
はその誘導体が生成する。
【0038】基質としてのアルコール類には、前記炭化
水素類のアルコール誘導体が含まれ、例えば、脂肪族一
価アルコール類、脂肪族多価アルコール類、脂環式一価
アルコール類、脂環式多価アルコール類又は芳香族アル
コール類などが含まれる。
【0039】脂肪族一価アルコール類には、例えば、メ
タノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパ
ノール、1−ブタノール、イソブタノール、1−ペンタ
ノール、2−ペンタノール、ネオペンチルアルコール、
1−ヘキサノール、1−オクタノール、1−デカノー
ル、1−ドデカノール、ミリスチルアルコール、1−ヘ
キサデカノールなどのC1-20飽和脂肪族アルコール;ア
リルアルコール、クロチルアルコール、プロパルギルア
ルコール、シトロネロール、ゲラニオールなどの不飽和
脂肪族アルコールなどが挙げられる。脂肪族多価アルコ
ール類には、例えば、エチレングリコール、プロピレン
グリコール、トリメチレングリコール、1,2−ブタン
ジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジ
オール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサン
ジオール、ネオペンチルグリコール、ピナコール、グリ
セリンなどが挙げられる。脂環式一価アルコール類に
は、例えば、シクロペンタノール、シクロヘキサノー
ル、シクロヘプタノール、シクロオクタノール、シクロ
デカノール、シクロウンデカノール、シクロドデカノー
ル、シクロテトラデカノール、シクロエイコサノール、
メチルシクロヘキサノール、シクロヘキセン−1−オー
ル、シクロオクテン−1−オール、シクロゲラニオー
ル、ボルネオール、メントールなどの5〜30員環の脂
肪式一価アルコールなどが挙げられる。好ましい脂環式
一価アルコール類には、5〜30員環、好ましくは5〜
25員環、特に5〜20員環(例えば、5〜16員環)
の化合物が含まれる。脂環式多価アルコール類には、例
えば、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シク
ロヘキサンジオールなどが挙げられ、芳香族アルコール
類には、例えば、ベンジルアルコール、サリチルアルコ
ール、ベンズヒドロール、フェネチルアルコールなどが
挙げられる。
【0040】これらのアルコールのうち第一級又は第二
級アルコールが好ましく、脂肪族アルコール、脂環式ア
ルコール及び芳香族アルコールの何れであってもよい。
【0041】好ましいアルコール類には、(1)不飽和
結合に隣接する部位にヒドロキシル基を有する化合物
(例えば、アリルアルコール、ベンジルアルコール、ベ
ンズヒドロールなどの不飽和脂肪族アルコールや芳香族
アルコールなど)、(2)脂環式アルコール(例えば、
シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノールなどの
5-16シクロアルカノールなど)、(3)第三級炭素原
子(メチン炭素)を有する脂環式アルコール(例えば、
ボルオネールなど)などが含まれる。
【0042】これらのアルコール類を、前記イミド化合
物触媒の存在下、酸素で酸化することにより、対応する
アルデヒド類、ケトン類又はカルボン酸類が生成する。
例えば、脂環式アルコール類は、酸化の程度に応じて、
対応する脂環式ケトン類又は多価カルボン酸が生成す
る。例えば、2−メチルシクロヘキサノールの酸化によ
り、2−メチルシクロヘキサノン、さらには、2−メチ
ルアジピン酸が生成する。
【0043】基質としてのアルデヒド類には、前記炭化
水素類のアルデヒド誘導体が含まれ、例えば、ホルムア
ルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、
ブチルアルデヒド、ヘキサナール、オクタナール、ノナ
ナールなどのC1-20飽和脂肪族アルデヒド;アクロレイ
ン、ゲラニアール、シトロネラールなどの不飽和脂肪族
アルデヒド;グリオキザール、マロンアルデヒド、スク
シンアルデヒド、グルタルアルデヒド、アジピンアルデ
ビド、ピメリンアルデヒド、スベリンアルデヒド、セバ
シンアルデヒドなどの脂肪族ポリアルデヒドなどの脂肪
族アルデヒド類などの他、例えば、ベンズアルデヒド、
オキシベンズアルデヒド、シンナムアルデヒド、サルチ
ルアルデヒド、アニスアルデヒド、1−ナフチルアルデ
ヒド、バニリン(バニルアルデヒド)、フタルアルデヒ
ド、イソフタルアルデヒド、テレフタルアルデヒドなど
の芳香族アルデヒド;ホルミルシクロヘキサンなどの脂
環式アルデヒド;ニコチンアルデヒド、フルフラールな
どの複素環アルデヒドなどが挙げられる。
【0044】アルデヒド類を、前記イミド化合物触媒の
存在下、酸素で酸化すると、対応するカルボン酸が生成
する。例えば、アジピンアルデヒドの酸化により、アジ
ピンが生成する。
【0045】基質として用いるケトン類には、前記炭化
水素類のケトン誘導体が含まれ、例えば、脂肪族ケトン
類、脂環式ケトン類、芳香族ケトン類、複素環ケトン類
などが含まれる。脂肪族ケトン類には、例えば、アセト
ン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピル
ケトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、
ピナコロンなどのC2-20脂肪族ケトンなどが含まれる。
脂環式ケトン類には、例えば、シクロブタノン、シクロ
ペンタノン、シクロヘキサノン、シクロオクタノン、シ
クロノナノン、シクロデカノン、シクロウンデカノン、
シクロドデカノン、シクロテトラデカノン、シクロオク
タデカノン、シクロエイコサノン、2−メチルシクロヘ
キサノン、2−エチルシクロヘキサノン、2,6−ジメ
チルシクロヘキサノン、4−クロロシクロヘキサノン、
4−メトキシシクロヘキサノン、シクロヘキサンジオ
ン、シクロペンテノン、シクロヘキセノン、シクロオク
テノン、シクロデセノン、メントン、カンファーなどの
4〜30員環の脂環族ケトン(環状ケトン)などが含ま
れる。好ましい脂環族ケトン類には、5〜20員環、特
に5〜16員環の化合物が含まれる。芳香族ケトン類と
しては、例えば、アセトフェノン、プロピオフェノン、
ベンゾフェノン、デオキシベンゾイン、1−ナフタレノ
ンなどが挙げられる。複素環ケトン類としては、例え
ば、インデン−1−オン、1,2,3−インダントリオ
ン、フルオレン−9−オン、4−ピラノンなどの複素環
ケトンなどが挙げられる。
【0046】ケトン類を前記イミド化合物触媒の存在下
で酸素酸化すると、対応するカルボン酸が生成する。例
えば、ジエチルケトンの酸化により、酢酸とプロピオン
酸が生成し、シクロオクタノンの酸化により、スベリン
酸が生成する。
【0047】基質として用いるアミン類としては、第一
級又は第二級アミンが好ましく、例えば、メチルアミ
ン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ジ
メチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、エチ
レンジアミン、1,4−ブタンジアミン、ヒドロキシル
アミン、エタノールアミンなどの脂肪族アミン類;シク
ロペンチルアミン、シクロヘキシルアミンなどの脂環式
アミン類;ベンジルアミン、トルイジンなどの芳香族ア
ミン類などが例示される。アミン類を前記イミド化合物
触媒の存在下で酸化すると、対応するシッフ塩基、オキ
シムなどが生成する。
【0048】基質として用いる複素環化合物としては、
(a)非芳香族性複素環化合物又は非芳香族性複素環を
含む縮合環式炭化水素(例えば、ピラン、ピラゾリン、
ピペリジン、ピペラジン、インドリン、イソインドリ
ン、クロメン、キサンテン、クロマン、イソクロマンな
ど)、及び非芳香族性複素環にアルキル基(例えば、メ
チル、エチル基などの炭素数1〜6程度のアルキル基な
ど)が置換している、前記非芳香族性複素環化合物又は
非芳香族性複素環を含む縮合環式炭化水素、(b)芳香
族性複素環を有し、且つ芳香族性複素環の隣接位にメチ
ル基またはメチレン基を有する複素環化合物(例えば、
2−メチルフラン、2,5−ジメチルフラン、2−メチ
ルチオフェン、2,5−ジメチルチオフェン、2−メチ
ルピリジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジ
ン、2,5−ジメチルピリジン、3−エチルピリジン、
2−メチルキノリンなどの、酸素原子、硫黄原子及び窒
素原子から選択された1〜3個のヘテロ原子を含む芳香
族性複素環に炭素数1〜6程度のアルキル基が置換して
いる複素環化合物など)などが例示される。
【0049】これらの複素環化合物の酸化により、対応
するアルコール類、ケトン類又はカルボン酸類が生成す
る。例えば、前記複素環化合物(a)を酸化すると、非
芳香族性複素環において、ヘテロ原子(例えば、酸素、
硫黄又は窒素原子など)の隣接位のメチレン基がカルボ
ニル基に変換され、対応するカルボニル基を有する化合
物が生成する。また、前記複素環化合物(b)を酸化す
ると、芳香族性複素環の隣接位にメチル基を有する化合
物からは、対応する複素環アルデヒド又は複素環カルボ
ン酸が生成し、芳香族性複素環の隣接位にメチレン基を
有する化合物からは、対応する複素環ケトンが生成す
る。
【0050】基質として用いるチオール類としては、例
えば、エタンチオール、フェニルメタンチオールなどが
挙げられ、スルフィド類としては、例えば、ジエチルス
ルフィド、メチルプロピルスルフィド、ジフェニルスル
フィドなどが挙げられる。また、アミド類には、例え
ば、ホルムアミド、アセトアミドなどが含まれる。
【0051】上記反応生成物のうち、好ましい化合物に
は、非水溶性溶媒に対して親和性又は溶出性を有する化
合物、例えば、それぞれ炭素数5〜30程度、好ましく
は6〜30程度の、アルコール類[例えば、脂肪族アル
コール類(特に、一価アルコール類)、脂環式モノオー
ル類、脂環式ジオール類など]、アルデヒド類、ケトン
類、カルボン酸類[例えば、脂肪族モノカルボン酸類、
脂環式モノカルボン酸類、芳香族モノカルボン酸類や芳
香族ジカルボン酸等の芳香族カルボン酸類、複素環カル
ボン酸類など]、エポキシ化合物、エステル類、酸無水
物、ラクトン類、アセタール類、エーテル類、スルフィ
ド類、アミド類、ラクタム類、シッフ塩基類、オキシム
類、ニトロ化合物、有機硫黄酸類、炭化水素類などが含
まれる。
【0052】なお、前記一般式(1)で表されるイミド
化合物を用いる反応では、比較的温和な条件であっても
円滑に反応が進行する。反応温度は、イミド化合物や反
応剤、基質の種類などに応じて適当に選択でき、例えば
0〜300℃、好ましくは30〜250℃、さらに好ま
しくは40〜200℃程度であり、通常、40〜150
℃(例えば、50〜100℃)程度で反応する場合が多
い。また、反応は、常圧又は加圧下で行うことができ
る。反応時間は、反応温度及び圧力に応じて、例えば、
30分〜48時間、好ましくは1〜36時間、さらに好
ましくは2〜24時間程度の範囲から適当に選択でき
る。
【0053】[変質触媒]前記イミド化合物触媒は、反
応に用いると、反応の種類や反応条件などにより、一部
又は全部が変質する場合がある。こうして生成する変質
触媒の代表的な例として、下記式(2)で表されるN−
置換又は無置換環状イミド化合物、及び式(3)で表さ
れる環状酸無水物、及びこれらの開環誘導体などが挙げ
られる。
【化5】 (式中、Rは水素原子又は置換オキシ基を示す。R1
2は前記に同じ)
【0054】上記式(2)中、Rにおける置換オキシ基
としては、例えば、基質として用いた炭化水素に対応す
る炭化水素基置換オキシ基などが挙げられる。例えば、
シクロヘキサンを基質として酸化した場合には、Rがシ
クロヘキシルオキシ基である式(2)の化合物が生成し
うる。
【0055】また、前記イミド化合物触媒として、例え
ばN−ヒドロキシフタルイミドを用いた場合には、反応
中に、フタルイミド(式(2)においてRが水素原子で
ある化合物)、基質に対応するN−置換オキシフタルイ
ミド(式(2)においてRが置換オキシ基である化合
物)、無水フタル酸(式(3)の化合物)、及びこれら
の開環誘導体が生成しうる。
【0056】[少なくとも水を含む水性溶媒]本発明で
は、反応生成物と前記イミド化合物触媒又は変質触媒と
を分離するに際し、少なくとも水を含む水性溶媒と、こ
の水性溶媒に対して分液可能な非水溶性溶媒とを用いて
抽出操作を行い、反応生成物を非水溶性溶媒層に、イミ
ド化合物触媒又は変質触媒を水性溶媒層にそれぞれ分配
する。
【0057】少なくとも水を含む水性溶媒としては、水
を主成分とする水性溶媒が使用できる。この水性溶媒に
は、水と他の水溶性有機溶媒(例えば、メタノールなど
のC 1-3アルコール類、アセトンなどのケトン類、ジオ
キサン又はテトラヒドロフランなどのエーテル類、酢酸
などの低級脂肪族カルボン酸など)との混合溶媒などが
含まれる。混合溶媒中の有機溶媒の割合は、水に対し
て、例えば、0〜60重量%(通常0〜25重量%)程
度である。好ましい水性溶媒として、水が挙げられる。
【0058】なお、水性溶媒として塩基を含有する水性
溶媒を用いると、イミド化合物触媒及び変質触媒のうち
酸性の化合物、例えば、式(1)で表されるイミド化合
物のうちXがヒドロキシル基である化合物、式(2)で
表される化合物のうちRが水素原子である化合物などは
対応する塩を形成して、水性溶媒層に効率よく移行す
る。例えば、イミド化合物触媒としてN−ヒドロキシフ
タルイミドを反応に使用した場合には、反応後の抽出操
作の際、前記水性溶媒として塩基を含む水性溶媒を用い
ると、残存するN−ヒドロキシフタルイミド、及びN−
ヒドロキシフタルイミドの変質体であるフタルイミド
は、それぞれ対応する塩を形成し、水性溶媒層に移行す
る。
【0059】また、反応混合液に少なくとも塩基を含有
する水性溶媒を添加して、例えば加熱により加水分解処
理した後、分液させると、残存する式(1)で表される
イミド化合物、該イミド化合物の変質体である式(2)
及び式(3)で表される化合物並びにこれらの開環誘導
体は、下記式(4)で表されるジカルボン酸の塩に変換
されうる。
【化6】 (式中、R1、R2は前記に同じ)
【0060】そのため、反応に用いた触媒を前記ジカル
ボン酸の塩の形で、極めて効率よく水性溶媒層に移行さ
せることができる。例えば、イミド化合物触媒としてN
−ヒドロキシフタルイミドを反応に使用した場合には、
反応後の抽出操作に際し、塩基を含む水性溶媒を用い、
加水分解処理を施すと、N−ヒドロキシフタルイミドや
その変質体のほとんどがフタル酸の塩に変換され、水性
溶媒層に移行する。なお、本発明においては、このよう
な水性溶媒による加水分解処理も抽出操作の内に含める
ものとする。
【0061】上記塩基としては無機塩基又は有機塩基を
使用できる。無機塩基には、例えば、アンモニア;水酸
化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸
化物;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどのア
ルカリ金属炭酸水素塩;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム
などのアルカリ金属炭酸塩;水酸化カルシウムなどのア
ルカリ土類金属水酸化物;炭酸カルシウムなどのアルカ
リ土類金属炭酸塩などが含まれる。有機塩基には、例え
ば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミ
ン、トリエチルアミン、メチレンジアミン、エチレンジ
アミンなどの脂肪族アミン、N,N−ジメチルアニリン
などの芳香族アミン、モルホリン、ピペリジン、ピロリ
ジンなどの環状アミン等のアミン類;ピリジンなどの塩
基性含窒素複素環化合物;ナトリウムメトキシド、ナト
リウムエトキシドなどのアルカリ金属アルコキシドなど
が含まれる。
【0062】[非水溶性溶媒]抽出に用いる非水溶性溶
媒としては、前記水性溶媒に対して分液可能であればよ
く、例えば、炭化水素類(例えば、脂肪族炭化水素類、
脂環式炭化水素類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化
水素類など)、アルコール類、ケトン類、エステル類、
ニトロ化合物、ニトリル類、エーテル類、これらの混合
溶媒などが挙げられ、反応生成物又は触媒の種類などに
応じて適当に選択できる。これらの疎水性溶媒は、反応
終了後に反応混合物に添加してもよく、反応溶媒として
用いてもよい。疎水性溶媒を反応溶媒として用いた場
合、反応後は、水性溶媒に対する分液溶媒として用いる
ことができる。また、基質として疎水性基質(例えば、
炭化水素類、ケトン類など)を用いる場合、基質を反応
溶媒として利用すると、酸化反応後は、残存する基質を
水性溶媒に対する分液溶媒として使用できる。
【0063】前記脂肪族炭化水素類には、例えば、ペン
タン、ヘキサン、イソヘキサン、ヘプタン、イソヘプタ
ン、オクタン、イソオクタン、デカンなどの炭素数5〜
15の脂肪族炭化水素などが挙げられる。好ましい脂肪
族炭化水素類には、炭素数5〜12(特に炭素数6〜1
0)の炭化水素などが含まれる。脂環式炭化水素類に
は、例えば、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチル
シクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、エチルシク
ロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタンなどの炭
素数5〜15の脂環式炭化水素などが挙げられる。好ま
しい脂環式炭化水素類には、炭素数5〜12の脂環式炭
化水素などが含まれる。芳香族炭化水素類としては、例
えば、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、クメン、
(o−,m−,p−)キシレン、p−t−ブチルトルエ
ンなどの炭素数6〜12の芳香族炭化水素などが挙げら
れる。ハロゲン化炭化水素類としては、例えば、クロロ
メタン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、
ジクロロジフルオロメタン(フレオン)、ジクロロエタ
ン、トリクロロエチレン、ジクロロプロパン、ジクロロ
ペンタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリク
ロロベンゼンなどが挙げられる。
【0064】アルコール類には前記炭化水素類のアルコ
ール誘導体が含まれ、例えば、脂肪族アルコール類、脂
環式アルコール類又は芳香族アルコール類などが挙げら
れる。脂肪族アルコール類としては、例えば、ブタノー
ル、ヘプタノール、ヘキサノール、メチルヘキサノー
ル、エチルヘキサノール、ヘプタノール、オクタノー
ル、デカノールなどの炭素数4〜15の脂肪族一価アル
コールなどが挙げられる。脂環式アルコール類には、例
えば、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノー
ル、エチルシクロヘキサノール、シクロヘプタノール、
シクロオクタノールなどの炭素数5〜15の脂環式アル
コールなどが含まれる。芳香族アルコール類としては、
例えば、ベンジルアルコール、フェネチルアルコールな
どの炭素数6〜12の芳香族アルコールなどが例示され
る。
【0065】ケトン類として、前記炭化水素類のケトン
誘導体が含まれ、例えば、鎖状ケトン類、環状ケトン類
などが挙げられる。鎖状ケトン類には、例えば、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチル
ケトンなどの炭素数4〜15の脂肪族ケトンなどが含ま
れる。また、環状ケトン類には、例えば、シクロヘキサ
ノン、メチルシクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シ
クロオクタノンなどの炭素数5〜15程度のの環状ケト
ンなどが例示される。
【0066】エステル類として、炭素数3〜20のエス
テル化合物、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プ
ロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸ヘキシ
ル、酢酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸2−エチルヘキ
シル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロ
ピオン酸ブチル、プロピオン酸ヘキシル、プロピオン酸
アミル、吉草酸エチル、ヘキサン酸エチル、ヘプタン酸
エチル、オクタン酸エチル、デカン酸エチルなどのC
2-10脂肪族カルボン酸−C1-10アルキルエステル;酢酸
シクロヘキシル、酢酸シクロオクチルなどのC2-4脂肪
族カルボン酸−C5-1 0シクロアルキルエステル;酢酸フ
ェニル、プロピオン酸フェニルなどのアリールエステ
ル;安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸ブチ
ル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジ
ブチルなどのC7-12芳香族カルボン酸−C 1-10アルキル
エステルなどのエステル化合物などが挙げられる。ニト
ロ化合物として、炭素数2〜10のニトロ化合物、例え
ば、ニトロエタン、ニトロプロパン、ニトロペンタンな
どの脂肪族ニトロ化合物;ニトロベンゼン、ジニトロベ
ンゼン、ニトロトルエン、ニトロキシレンなどの芳香族
ニトロ化合物などが挙げられる。
【0067】ニトリル類としては、炭素数7〜12のニ
トリル類、例えば、ベンゾニトリルなどのC7-12芳香族
ニトリル類などが挙げられる。エーテル類には、例え
ば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジプ
ロピルエーテル、ジブチルエーテル、t−ブチルメチル
エーテル、アニソールなどの鎖状エーテル類などが含ま
れる。
【0068】好ましい非水溶性溶媒には、例えば、炭化
水素類、ケトン類、エステル類、ニトリル類、エーテル
類などが含まれる。なかでも、炭素数5〜15の炭化水
素類(例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエンな
ど)、炭素数4〜15のケトン類(例えば、メチルエチ
ルケトン、シクロヘキサノンなど)、炭素数3〜20の
エステル化合物(例えば、酢酸エチル、酢酸フェニル、
安息香酸メチルなど)、炭素数7〜12のニトリル類
(例えば、ベンゾニトリルなど)、炭素数4〜12のエ
ーテル類などが好ましい。
【0069】[抽出操作]抽出は、反応後の反応混合液
又はその処理物(例えば、濃縮、濾過、抽出、蒸留、晶
析等の処理を経た混合物)に、前記水性溶媒と非水溶性
溶媒とを加え、必要に応じて加熱等による加水分解処理
を施した後、攪拌等により混合し、分液させることによ
り行うことができる。なお、加水分解処理を施す場合に
は、該加水分解処理後に非水溶性溶媒を添加してもよ
い。
【0070】反応生成物がカルボン酸等の酸性化合物を
含む場合、抽出に塩基を含有する水性溶媒を用いると、
反応生成物と触媒(例えば、式(1)においてR1及び
2が互いに結合して芳香族性又は非芳香族性の5〜1
2員環を形成しているイミド化合物など)及び/又は変
質触媒又はそれらの加水分解生成物との分離が悪くなり
やすい。このような場合、反応生成物であるカルボン酸
等の酸性化合物を適宜な方法(例えば、晶析、蒸留な
ど)で回収した後に、他の反応生成物と触媒及び/又は
変質触媒又はそれらの加水分解生成物とを分離してもよ
い。
【0071】親水性溶媒と疎水性溶媒との割合は、反応
生成物とイミド化合物触媒やその変質体の種類などに応
じて適当に選択でき、例えば、前者/後者(重量比)=
0.01/1〜10/1、好ましくは0.05/1〜5
/1、さらに好ましくは、0.1/1〜3/1程度であ
り、通常、0.2/1〜2/1程度である。
【0072】抽出はバッチ式、連続式等の何れの方法で
もよく、必要に応じて多段で行ってもよい。親水性溶媒
と疎水性溶媒と用いて反応混合物を抽出する回数は、酸
化反応生成物と酸化触媒の種類に応じて適当に選択で
き、例えば1〜5回程度、通常1〜3回程度である。
【0073】抽出系のpHは、反応生成物の種類、イミ
ド化合物触媒や変質触媒の種類により広い範囲で適宜選
択でき、例えば5〜10程度、好ましくは6〜8程度で
ある。触媒又は変質触媒を塩の形(加水分解生成物を含
む)で回収する場合には、pHは10を超えていてもよ
い。
【0074】水性溶媒として塩基を含有する溶媒を用い
る場合、該塩基の量は、反応に使用したイミド化合物触
媒1当量に対して、例えば1当量以上(例えば、1〜2
0当量)、好ましくは1〜10当量、さらに好ましくは
1〜5当量程度である。
【0075】本発明において、抽出に際しては加温して
もよく、抽出温度は、例えば0〜200℃、好ましくは
5〜150℃程度、さらに好ましくは10〜130℃程
度であり、通常15〜100℃程度の温度で抽出する場
合が多い。特に、塩基を含有する水性溶媒を用いて加水
分解処理を行う場合には、加水分解を円滑に進行させる
ため、加温下で抽出操作を行うのが好ましい。この場
合、分液は温度を低下させた後に行ってもよい。また、
必要に応じて、抽出効率を高めるため、剪断力を作用さ
せてもよく、常圧又は加圧下で抽出してもよい。
【0076】この抽出操作により、疎水性基を有する反
応生成物は疎水性有機溶媒層に、イミド化合物触媒及び
/又は変質触媒は水性溶媒層にそれぞれ移行し、反応生
成物と触媒及び/又は変質触媒とを分離できる。なお、
未反応原料(基質)や助触媒は、それぞれの特性に応じ
て疎水性有機溶媒層又は水性溶媒層に分配される。各層
に移行した触媒、反応生成物、未反応原料、助触媒など
は、慣用の分離方法、例えば、瀘過、濃縮、蒸留、抽
出、晶析、再結晶、カラムクロマトグラフィーなどや、
これらを組み合わせた方法により回収することができ
る。
【0077】イミド化合物触媒又はその塩は水性溶媒層
より回収し(塩の場合には遊離化して)、反応系に循環
又は再利用できる。また、水性溶媒層に移行した変質触
媒若しくはその塩は、必要に応じて酸やアルカリによる
加水分解、閉環反応、開環反応、遊離化等を行った後、
ヒドロキシルアミンや酸と反応させることにより式
(1)で表されるイミド化合物に変換できる。また、水
性溶媒層に移行した前記式(4)で表されるジカルボン
酸の塩は、必要に応じて遊離化した後、ヒドロキシルア
ミンと反応させることにより式(1)で表されるイミド
化合物に変換可能である。こうして再生されたイミド化
合物は反応系に循環、再利用できる。また、前記抽出操
作により、助触媒を分離、回収し、これを反応系に循
環、再利用してもよい。
【0078】なお、前記特開平10−114702号公
報には変質触媒について記載がないが、該公報に記載の
方法は変質触媒が存在する場合にも適用でき、例えば、
反応生成物がアジピン酸などの極性の極めて高い化合物
である場合には、抽出に用いる溶媒を適宜選択すること
により、反応生成物を水性溶媒層に、イミド化合物触媒
及び/又は変質触媒を非水溶性溶媒層に分配させること
が可能である。
【0079】
【発明の効果】本発明の方法によれば、一般式(1)で
表されるイミド化合物触媒の存在下で反応して得られる
反応混合物から反応生成物と前記触媒及び/又は変質触
媒とを分離するに際し、少なくとも水を含む水性溶媒
と、この水性溶媒に対して分液可能な非水溶性溶媒とを
用いて抽出するので、両者を効率よく分離できる。ま
た、高温加熱を特に必要とせず、温和な条件下、簡単な
操作で反応生成物と触媒とを分離できる。そのため、反
応生成物が高沸点の化合物であっても、分離工程におい
て触媒を分解させることなく分離でき、回収した触媒を
再利用することができる。
【0080】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明を詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定され
るものではない。
【0081】実施例1 p−t−ブチルトルエン33g(0.22mol)、p
−t−ブチル安息香酸4.3g(24.3mmol)、
p−t−ブチルベンズアルデヒド2.8g(17.5m
mol)、N−ヒドロキシマレインイミド0.2g
(1.77mmol)、マレインイミド0.15g
(1.54mmol)、無水マレイン酸0.1g(1.
02mmol)からなる酸化反応混合液に、水(30m
l)を加え、完全混合の後静置して、分液した。さらに
その有機層に水(30ml)を加え完全混合の後、分液
した。得られた水層と有機層をそれぞれガスクロマトグ
ラフィーと液体クロマトグラフィーで分析した結果、p
−t−ブチル安息香酸の有機層への回収率は93%、p
−t−ブチルベンズアルデヒドの有機層への回収率は8
7%、N−ヒドロキシマレインイミドの水層への抽出率
は82%、マレインイミドの水層への抽出率は68%、
無水マレイン酸の水層への抽出率は95%という結果が
得られた。
【0082】実施例2 p−t−ブチルトルエン3kg(20.2mol)、N
−ヒドロキシフタルイミド66.03g(0.405m
ol)、酢酸2.5kgの混合液を、酸素雰囲気下、温
度80℃、圧力20kgf/cm2(1.96MPa)
で2.5時間反応させて、p−t−ブチルベンジルアル
コール50.8g(0.309mol)、p−t−ブチ
ルベンズアルデヒド206.8g(1.275mo
l)、p−t−ブチル安息香酸1121.9g(6.2
95mol)、N−ヒドロキシフタルイミド12.2g
(0.075mol)、フタルイミド22.0g(0.
150mol)及び無水フタル酸8.5g(0.057
mol)を含む反応混合液を得た。この反応混合液に2
600mlの水を加え、1時間完全混合の後1時間静置
し、水層と有機層とに分液させた。水層と有機層とをガ
スクロマトグラフィー及び液体クロマトグラフィーによ
り分析した結果、p−t−ブチルベンジルアルコールの
有機層への回収率は75%、p−t−ブチルベンズアル
デヒドの有機層への回収率は97%、p−t−ブチル安
息香酸の有機層への回収率は96%であった。また、N
−ヒドロキシフタルイミドの水層への抽出率(反応混合
液中に含まれるN−ヒドロキシフタルイミドの量を基
準)は80%、フタルイミドの水層への抽出率(反応混
合液中に含まれるフタルイミドの量を基準)は90%、
無水フタル酸の水層への抽出率(反応混合液中に含まれ
る無水フタル酸の量を基準)は59%であった。
【0083】実施例3 フルオレン166g(1mol)、N−ヒドロキシフタ
ルイミド16g(0.1mol)、酢酸1000mlの
混合液を、酸素雰囲気下、100℃で10時間反応させ
たところ、フルオレノン144g(収率80%)を含む
混合液が得られた。この反応混合液から酢酸を留去した
後、ジブチルエーテルを1000ml、0.4N水酸化
ナトリウム水溶液を1000ml加えた。97℃で1時
間撹拌した後、水層と有機層に分液させた。得られた有
機層に、さらに水酸化ナトリウム水溶液を加え、97℃
で完全混合し、水層と有機層に分液させた。水層と有機
層とをガスクロマトグラフィー及び液体クロマトグラフ
ィーにより分析した結果、フルオレノンの有機層への抽
出率は98%、酸化触媒及び/又は変質酸化触媒(フタ
ル酸ナトリウム塩へ転化)の水層への抽出率(反応に使
用したN−ヒドロキシフタルイミド基準)は80%であ
った。
【0084】実施例4 ジフェニルメタン168g(1mol)、N−ヒドロキ
シフタルイミド16g(0.1mol)、酢酸1000
mlの混合溶液を、酸素雰囲気下、100℃で20時間
反応させたところ、ベンゾフェノン146g(収率80
%)を含む混合液が得られた。この反応混合液から酢酸
を留去した後、ジブチルエーテルを1000ml、0.
4N水酸化ナトリウム水溶液を1000ml加えた。9
7℃で1時間撹拌した後、水層と有機層に分液させた。
得られた有機層に、さらに水酸化ナトリウム水溶液を加
え、97℃で完全混合し、水層と有機層に分液させた。
水層と有機層とをガスクロマトグラフィー及び液体クロ
マトグラフィーにより分析した結果、ベンゾフェノンの
有機層への抽出率は89%、酸化触媒及び/又は変質酸
化触媒(フタル酸ナトリウム塩へ転化)の水層への抽出
率(反応に使用したN−ヒドロキシフタルイミド基準)
は83%であった。
【0085】実施例5 シクロヘキサン1500g(17.82mol)、N−
ヒドロキシフタルイミド3.16g(0.019mo
l)、酢酸コバルト0.045g(0.18mmol)
の混合液を、酸素雰囲気下、温度160℃、圧力40k
gf/cm2(3.92MPa)で2時間反応させたと
ころ、シクロヘキサン1334g(15.84mo
l)、シクロヘキサノール83.89g(0.84mo
l)、シクロヘキサノン59.47g(0.61mo
l)、フタルイミド1.77g(0.012mmo
l)、N−シクロヘキシルオキシフタルイミド1.30
g(0.005mol)を含む混合液が得られた。この
反応混合液よりシクロヘキサンを留去した後、2Nの水
酸化ナトリウム水溶液(30ml)を加え、97℃にお
いて1時間完全混合の後、1時間静置し、水層と有機層
とに分液させた。水層と有機層とをガスクロマトグラフ
ィー及び液体クロマトグラフィーにより分析した結果、
シクロヘキサノールの有機層への回収率は85%、シク
ロヘキサノンの有機層への回収率は90%、フタルイミ
ド(フタル酸ナトリウム塩へ転化)の水層への抽出率
(反応混合液中のフタルイミド基準)は89%、N−シ
クロヘキシルオキシフタルイミド(フタル酸ナトリウム
塩へ転化)の水層への抽出率(反応混合液中のN−シク
ロヘキシルオキシフタルイミド基準)は90%であった
【0086】実施例6 p−t−ブチルトルエン300g(2.02mol)、
N−ヒドロキシフタルイミド6.60g(0.04mo
l)、酢酸コバルト0.10g(0.0004mo
l)、酢酸293.3g(4.88mol)の混合液
を、酸素雰囲気下、温度80℃、圧力20kgf/cm
2(1.96MPa)で3時間反応させたところ、p−
t−ブチルトルエン162.5g(1.09mol)、
p−t−ブチル安息香酸106.2g(0.59mo
l)、p−t−ブチルベンズアルデヒド17.7g
(0.11mol)、N−ヒドロキシフタルイミド0.
26g(1.62mmol)、フタルイミド3.98g
(27.1mmol)を含む混合液が得られた。この混
合溶液から濃縮装置を用いて酢酸を留去し、析出したp
−t−ブチル安息香酸をろ過により回収した。ろ液に
0.1Nの水酸化ナトリウム溶液(150ml)を加
え、完全混合の後静置して、分液した。水層と有機層を
それぞれガスクロマトグラフィーと液体クロマトグラフ
ィーで分析した結果、p−t−ブチルベンズアルデヒド
の有機層への回収率は91%、N−ヒドロキシフタルイ
ミド(N−ヒドロキシフタルイミドナトリウム塩へ転
化)の水層への抽出率は97%(反応混合液中のN−ヒ
ドロキシフタルイミド基準)、フタルイミド(フタルイ
ミドナトリウム塩へ転化)の水層への抽出率は93%
(反応混合液中のフタルイミド基準)という結果が得ら
れた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 45/80 C07C 45/80 47/542 47/542 49/385 49/385 J 49/587 49/587 J 49/643 49/643 49/76 49/76 J 49/786 49/786 63/04 63/04 // C07C 35/08 35/08 63/00 63/00 B Fターム(参考) 4G069 AA10 BA21A BA21B BE14A BE14B BE19A BE19B 4H006 AA02 AD11 AD16 AD17 BB11 BB14 BB15 BB31 BE10 BJ50 BS30 FC22 FC52 FE11 FE12

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)で表されるイミド化合物触
    媒の存在下で反応して得られる反応混合物から、反応生
    成物と前記イミド化合物触媒又はその変質体とを分離す
    る方法であって、少なくとも水を含む水性溶媒と、この
    水性溶媒に対して分液可能な非水溶性溶媒とを用い、反
    応生成物を非水溶性溶媒層に、イミド化合物触媒又はそ
    の変質体を水性溶媒層にそれぞれ分配する分離方法。 【化1】 (式中、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子、
    ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シクロアルキ
    ル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル
    基、アルコキシカルボニル基、アシル基を示し、R1
    びR2は互いに結合して二重結合、又は芳香族性若しく
    は非芳香族性の環を形成してもよい。Xは酸素原子又は
    ヒドロキシル基を示す。前記R1、R2、又はR1及びR2
    が互いに結合して形成された二重結合又は芳香族性若し
    くは非芳香族性の環には、上記式中に示されるN−置換
    環状イミド基がさらに1又は2個形成されていてもよ
    い)
  2. 【請求項2】 一般式(1)で表されるイミド化合物に
    おいて、R1及びR2が互いに結合して芳香族性又は非芳
    香族性の5〜12員環を形成する請求項1記載の分離方
    法。
  3. 【請求項3】 一般式(1)で表されるイミド化合物
    が、下記式(1a)〜(1f)で表される化合物である請求
    項1記載の分離方法。 【化2】 (式中、R3〜R6は、同一又は異なって、水素原子、ア
    ルキル基、ハロアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキ
    シ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アシ
    ル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ハロゲン原子を
    示す。R3〜R6は、隣接する基同士が互いに結合して芳
    香族性又は非芳香族性の環を形成していてもよい。式
    (1f)中、Aはメチレン基又は酸素原子を示す。R1
    2、Xは前記に同じ。式(1c)のベンゼン環には、式
    (1c)中に示されるN−置換環状イミド基がさらに1又
    は2個形成されていてもよい)
  4. 【請求項4】 反応生成物が、アルコール類、アルデヒ
    ド類、ケトン類、カルボン酸類、エポキシ化合物、エス
    テル類、酸無水物、ラクトン類、アセタール類、エーテ
    ル類、スルフィド類、アミド類、ラクタム類、シッフ塩
    基類、オキシム類、ニトロ化合物、有機硫黄酸類及び炭
    化水素類から選択された少なくとも一種である請求項1
    記載の分離方法。
  5. 【請求項5】 非水溶性溶媒が、炭化水素類、アルコー
    ル類、ケトン類、エステル類、ニトロ化合物、ニトリル
    類及びエーテル類から選択された少なくとも一種である
    請求項1記載の分離方法。
  6. 【請求項6】 水性溶媒が水である請求項1記載の分離
    方法。
  7. 【請求項7】 水性溶媒として塩基を含有する水性溶媒
    を用いる請求項1記載の分離方法。
  8. 【請求項8】 一般式(1)で表されるイミド化合物触
    媒の存在下で反応して得られる反応混合物に、塩基を含
    有する水性溶媒を添加して加水分解処理した後、反応生
    成物を非水溶性溶媒層に、イミド化合物触媒又はその変
    質体を水性溶媒層にそれぞれ分配する請求項1記載の分
    離方法。
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