JP2009279800A - 並製本とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】しおりを有する並製本を低コストで効率よく製造することができ、また、しおりや折丁に損傷を与えることがないようにする。
【解決手段】本発明は、丁合いした複数の折丁2A〜2Nの背部21に天側22を未接着とした引出し領域10を残して接着剤層16が塗布され、上記引出し領域10の近傍の接着剤層16にしおり3の基端部30が固着され、上記しおり3が引出し領域10の折丁間又は折丁の切込み23から枚葉紙間に挟み込みされて天側22から離間されるとともに上記背部21に上記引出し領域10を未接着としたままで表紙4が貼着され、上記背部21を除く三方が表紙4から裁断されてなることを特徴としている。
【選択図】図1

Description

本発明は、表紙と丁合された複数の折丁とを、それらの背部以外の三方を化粧断ちしてなる並製本とその製造方法に関する。
非特許文献によると、この種の並製本としては、中身を綴じて表紙と接着したうえで、表紙の背部以外の三方を同時に仕上げのために化粧裁断してなるもので、ソフトカバーやペーパーバック等と呼ばれている。並製本としては、中身の折丁の背を削り落して接着剤層を設ける無線とじや、折丁の背を削らずに切り目などを設けて接着剤層を設けるアジロとじや、糸で綴じるかがり綴じ等によって製造されている。並製本には、紐状のしおり(スピン、リボンとも呼ばれる)を付けることが要望されることが多い。
非特許文献によると、並製本に紐状のしおりを付ける場合には、本の対角線より5cmくらい長く断ち、その内2cmを天側に出し、残りを下側に出す。しおりは、しおり挿入機によって本の背部の上端に糊付けされ、しおりは本の中に挟み込みされて裾(先端)が本からはみ出さないようにされる。上製本は中本の化粧断ちが終わり、表紙くるみされる前の段階でしおりが挿入される。ところが、文庫本等の並製本では、しおりの挿入が済んでから表紙くるみ・化粧断ちをするので、しおりの付いた天部側を裁断できない。天部側をアンカットして二方が化粧断ちされるものも提供されている。三方を化粧断ちするためには、紐状のしおりを付けることができず、代用品とした短冊状の紙片をしおりとして挟み込みしていた。
上記問題点に対応するために、紐状のしおりを有する並製本としては特許文献1,2に開示されるものが提供されている。
特許文献1に記載されている並製本は、表紙の天側の内側に小片を部分的に貼着したものを丁合された複数の折丁の背部に貼着するとともに背部以外の三方を裁断し、背部の天側にしおりの一端を差し込み貼着する隙間を作り、その隙間にしおりの一端を貼着したものである。
また、特許文献2に記載されている並製本は、丁合した複数の折丁の背部に糸かがりを行って上記背部にしおりの端部を貼着し、また、しおりの他端部側を、折丁の天と糸かがり部の天側最上部との間に折丁の天側より通すことによって、しおりを丁合された折丁の間に通して折丁と折丁の内側に挟み込み、上記背部に塗布された接着剤を介して表紙を貼着した後、該背部以外の三方を裁断してなるものである。
製本用語事典・1998年3月15日・東京都製本工業組合発行 特許第3608336号公報 特許第3608337号公報
しかしながら、特許文献1に記載されている並製本は、背部に接着剤を塗布する作業とは別に小片を貼着する作業を必要とし、また、並製本の形態の違いに対応した複数種類の小片を用意しなければならず、作業が煩雑にならざるを得ない。
さらに、小片と表紙との間に生じる僅かな隙間にしおりを差し込まなければならず、機械化が難しい上に、手作業で行う場合にはコストの上昇原因ともなり、また、効率よく製造することができないものである。
一方、特許文献2に記載されている並製本は、しおりを糸かがりした背部に貼着した後、天部側より折丁の間を通して内側に納めるようにしているので、しおりを隣接する折丁と折丁の間を通さなければならないが、折丁と折丁の間を通そうとしたしおりが、必ずしも折丁と折丁の間を通らずに折丁自体に当接し、この場合には、折丁だけでなくしおり自体も損傷してしまうという問題がある。
そこで本発明は、紐状のしおりを有する並製本を低コストで効率よく三方化粧断ちして製造することができ、また、しおりや折丁に損傷を与えることがない並製本とその製造方法の提供を目的としている。
上記目的を達成するための本発明の構成は、次のとおりである。
本発明の並製本は、丁合した折丁の背部に天側を未接着とした引出し領域を残して接着剤層が塗布され、上記天側から離れた上記折丁の背部に紐状のしおりの基端部が固着され、上記しおりが引出し領域の折丁間又は折丁の切込みから枚葉紙間に挟み込みされて天側から離間されるとともに上記背部に上記引出し領域を未接着としたままで表紙が貼着され、上記背部を除く三方が表紙から裁断されてなることを特徴とする。
ここで、上記並製本としては、無線とじ、アジロとじ、かがり綴じなどが対象とされ、これらの背部に天側を未接着とした引出し領域とそれ以外を接着した接着剤層とが構成される。紐状のしおりは、未接着の引出し領域を利用して背部から折丁間に挟み込みされるか、又は未接着の引出し領域を利用して背部から枚葉紙間に挟み込みされ、断裁のために天側から離間される。
本発明の並製本は、請求項7又は請求項8記載の並製本の製造方法により製造される。
本発明の並製本は、一方の折丁の外側の枚葉紙の背部側の縁面に紐状のしおりの基端部が天側から離れて固着され、上記折丁に丁合いされる他方の折丁との間に上記しおりが挟み込みされて天側から離間され、丁合いした折丁の背部に天側を未接着とした引出し領域が形成されるとともに上記背部に上記引出し領域を未接着としたままで表紙が貼着され、上記背部を除く三方が表紙から裁断されてなることを特徴とする。
ここで、上記記載の並製本としては、折丁の背部ではなくて背部に近い枚葉紙の縁面であって、天側から離れた部位を選択して紐状のしおりの基端部を固着する。本発明の並製本は、請求項9記載の並製本の製造方法により製造される。
本発明の並製本は、折丁の外側の枚葉紙の背部側の縁面に沿って天側を未接着とした接着領域が形成され、上記接着領域を介して隣接する折丁が丁合されるとともに、折丁の背部に紐状のしおりの基端部が天側から離れて固着され、丁合された折丁の背部に上記天側を未接着とした引出し領域を残して接着剤層が塗布されるとともに上記しおりが引き出し領域の折丁間又は折丁の切り込みから枚葉紙間に挟み込みされて天側から離間され、上記背部に上記引出し領域を未接着としたままで表紙が貼着され、上記背部を除く三方が表紙から裁断されてなることを特徴とする。
ここで、上記記載の並製本としては、折丁の背部に近い枚葉紙の縁面であって天側を未接着とした接着領域によって丁合する。本発明の並製本は、請求項10記載の並製本の製造方法により製造される。
本発明の並製本は、折丁の内面の枚葉紙に紐状のしおりの基端部が天側から離れて固着され、上記折丁の天側には上記しおりを引出し可能な切込みが設けられ、上記しおりが上記折丁の内面の枚葉紙に挟み込みされて天側から離間され、丁合した折丁の背部に天側を未接着とした引出し領域を残して接着剤層が塗布されるとともに上記背部に上記引出し領域を未接着としたままで表紙が貼着され、上記背部を除く三方が表紙から裁断されてなることを特徴とする。
ここで、上記記載の並製本としては、折丁の内面を利用して紐状のしおりの基端部を固着する。本発明の並製本は、請求項11記載の並製本の製造方法により製造される。
本発明の並製本は、引出し領域が複数の折丁の幅に形成されていることを特徴とする。
本発明の並製本は、引出し領域がしおりを中心とする幅狭に形成されていることを特徴とする。
本発明の並製本の製造方法は、複数の折丁が丁合される工程と、複数の折丁の背部に天側を未接着とした引出し領域を残して接着剤層が塗布される工程と、上記天側から離れた折丁の背部に紐状のしおりの基端部が固着されると同時に上記しおりが上記引出し領域の折丁間に挟み込みされて天側から離間される工程と、上記背部に上記引出し領域を未接着としたままで表紙が貼着される工程と、上記背部を除く三方が切断刃によって表紙から切断される工程とからなることを特徴とする。
本発明は、請求項1記載の並製本を製造する方法に係わるものである。
本発明の並製本の製造方法は、折丁の天側に切込みが設けられる工程と、折丁の背部に紐状のしおりの基端部が天側から離れて固着されるとともに上記しおりが上記切込みから枚葉紙間に挟み込みされて上記天側から離間される工程と、上記折丁を含めて複数の折丁が丁合される工程と、丁合した複数の折丁の背部に上記天側を未接着とした引出し領域を残して接着剤層が塗布される工程と、上記背部に上記引出し領域を未接着としたままで表紙が貼着される工程と、上記背部を除く三方が切断刃によって表紙から切断される工程とからなることを特徴とする。
本発明は、請求項1記載中のしおりが折丁の切込みから枚葉紙間に挟み込みされる構成要件の並製本を製造する方法に係わるものである。
本発明の並製本の製造方法は、折丁の外側に位置する枚葉紙の背部側の縁面に紐状のしおりの基端部が天側から離れて固着される工程と、上記折丁を含めて複数の折丁が丁合される工程と、丁合した複数の折丁の背部に天側を未接着とした引出し領域を残して接着剤層が塗布される工程と、上記背部に上記引出し領域を未接着としたままで表紙が貼着される工程と、上記背部を除く三方が表紙から裁断される工程とからなることを特徴とする。
本発明は、請求項2記載の並製本を製造する方法に係わるものである。
本発明の並製本の製造方法は、折丁の外側の枚葉紙の背部側の縁面に沿って天側を未接着とした接着領域が形成される工程と、上記接着領域を介して隣接する折丁が丁合される工程と、複数の折丁の背部に紐状のしおりの基端部が天側から離れて固着されると同時に上記引出し領域の折丁間又は折丁の切込みから上記しおりが枚葉紙間に挟み込みされて上記天側から離間される工程と、複数の折丁の背部に上記天側を未接着とした引出し領域を残して接着剤層が塗布されるとともに上記背部に上記引出し領域を未接着としたままで表紙が貼着される工程と、上記背部を除く三方が表紙から裁断される工程とからなることを特徴とする。
本発明は、請求項3記載の並製本を製造する方法に係わるものである。
本発明の並製本の製造方法は、折丁の内面の枚葉紙に紐状のしおりの基端部が天側から離れて固着されて挟み込みされる工程と、上記折丁の上記天側に上記しおりを引出し可能な切込みが設けられる工程と、上記折丁を含めて複数の折丁が丁合される工程と、丁合した複数の折丁の背部に天側を未接着とした引出し領域を残して接着剤層が塗布される工程と、上記背部に上記引出し領域を未接着としたままで表紙が貼着される工程と、上記背部を除く三方が表紙から裁断される工程とからなることを特徴とする。
本発明は、請求項4記載の並製本を製造する方法に係わるものである。
本発明によれば、折丁の背部の天側を未接着とした引出し領域を設けることによって紐状のしおりを天側から離間して折丁間又は折丁の切込みから枚葉紙間に挟み込みしておくことができ、三方を化粧断ちした紐状のしおり付きの並製本を提供することができる。特に、紐状のしおりを断裁位置から内側に逃がすという簡単な構造で紐状のしおりの損傷を阻止することができ、低コストで効率よく製本することができる。
また、本発明によれば、引出し領域を未接着としたままで表紙を貼着したので、紐状のしおりを天側の引出し領域と表紙との空隙に沿って自由に移動させることができ、紐状のしおりの使い勝手を向上させることができる。その際に、三方断裁後に残る未接着の引出し領域に天側からしおりを挟み込みでき、特に、無線とじや天側からの切込みを有する綴りに対して天側からしおりが出ないように挟み込みできる。
さらに、引出し領域の外側で三方断裁されるので、天側の未接着領域を可能な限り少なくすることができる。
また、本発明によれば、折丁の背部に接着剤層を形成する前に、折丁の背部側の縁面に紐状のしおりを固着するので、折丁を丁合いするだけで、紐状のしおりを天側から離れて挟み込みすることができる。しおりの使用に際しては、引出し領域から表紙との天側の空隙に引き出した後に使用することができる。
また、本発明によれば、枚葉紙の背部側の縁面の接着領域を介して隣接する折丁を強固に接着したうえで、折丁の背部に紐状のしおりの基端部を天側から離れて固着しておくことができる。特に、背部内縁を固着する場合であっても、天側にある未接着領域を紐状のしおりの出し入れや引込みの逃がし通路にすることができる。
また、本発明によれば、折丁の内面の紐状のしおりをそのまま挟み込みすることができ、挟み込み状態で三方断ちすることができる。また、折丁の折り目の天側に切込みを設けることができ、切込みを利用して紐状のしおりを引出し領域に出し入れすることができる。
また、本発明によれば、引出し領域が複数の折丁の幅に形成されているので、紐状のしおりを折丁の幅方向で自在に移動させることができ、いずれの枚葉紙間であっても容易に挟み込むことができる。
また、本発明によれば、引出し領域がしおりを中心とする幅狭に形成されているので、当該引出し領域が形成されていることを外観上目立たなくすることができる。
本発明の製造方法の発明によれば、引出し領域の折丁から紐状のしおりを挟み込みして天側から離すことにより、既存の製造工程のままで紐状のしおり付きの並製本を三方断ちによって製造することができる。
また、本発明に製造方法の発明によれば、引出し領域の切り込みから紐状のしおりを挟み込みして天側から離すことにより、既存の製造工程のままで紐状のしおり付きの並製本を三方断ちによって製造することができる。
また、本発明の製造方法の発明によれば、折丁の背部側の縁面に天側から離れて紐状のしおりを固着しているので、丁合に伴ってしおりが枚葉紙間に天側から離れて挟み込みされることとなるので、紐状のしおり付きの並製本を三方断ちによって製造する際に丁合によってしおりの挟み込みを自動的に行うことができる。
また、本発明の製造方法の発明によれば、枚葉紙の背部側の接着領域によって折丁の背部側内面を接着する場合に、天側の未接着領域と引出し領域を介して紐状のしおりを天側から離して枚葉紙に挟み込みしてしおり付並製本を三方断ちすることができる。
また、本発明の製造方法の発明によれば、折丁の天側から離れて紐状のしおりを固着したので、丁合に伴ってしおりが枚葉紙間に天側から離れて挟み込みされることとなるので、紐状のしおり付きの並製本を三方断ちによって製造する際に丁合によってしおりの挟み込みを自動的に行うことができる。
また、本発明の製造方法の発明によれば、しおりを有する並製本の三方断ちを自動化し易く、既存工程を活用して低コストで効率のよい製造を行うことができる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施形態に係る並製本の一部を破断して示す正面図、図2は図1に包囲線Iで示す部分の拡大断面図、図3はその部分を一部切欠した斜視図、図4は本発明の第1の実施形態に係る並製本の製造工程図、図5は接着剤層形成で用いられるカム体の正面図である。
第1の実施形態に係る並製本1は、図2〜図3に示すように、丁合した複数の折丁2A〜2Nの背部21に接着剤層16を形成し、この接着剤層16の天側22を未接着として引出し領域10を形成し、上記天側22から離れた上記折丁2A〜2Nの背部21に紐状のしおり3の基端部30を固着する。そして、上記しおり3を引出し領域10の折丁2の間に挟み込んで天側22から離す。この状態において、上記背部21に上記引出し領域10を未接着にして表紙4を貼着し、次に上記背部21を除く三方22,24,25を表紙4と共に裁断してなる。
上記引出し領域10は、図2に示すように、天地における深さ13が裁断時にしおり3が切断されない深さであって、天側22での裁断代11としおり3の遊動代12とを合わせた深さとなっている。そして上記引出し領域10の背部40と折丁2間の厚さは、少なくともしおり3を収納し、左右に移動可能な厚さを必要とする。上記裁断代11は、製本時に裁断される部分であって、その深さは1回又は2回程度の裁断に応じて設定される。上記遊動代12は三方裁断後に天側22においてしおり3が各頁に自由に移動可能な束寸法があればよい。そして、この遊動代12は、しおり3の挟み込みを考慮して天側22から少なくともしおり幅の深さを必要とする。
その結果、しおり3は引出し領域10を遊動して折丁2・・の間に挟み込まれるか、あるいは切込み26から枚葉紙20・・の間に挟み込まれ、天側22から表出しない状態となる。このため、裁断時にしおり3を切断することなく裁断代11を裁断することができる。上記深さ13としては、裁断前には10mm程度に設定することができ、並製本寸法に応じて長短設定可能となる。この場合には、引出し領域10は、丁合した折丁2A〜2Nの幅14に形成されている。また、しおり3は、裁断後には引き出し領域10を自由に移動させることができる。
上記引出し領域10に基づいて、表紙4の背部40の天側との間で未接着となるしおり遊動空間41が形成されている。上記しおり遊動空間41は、接着剤層16の形成厚さに従って空間の厚みが変化するが、当該接着剤層16の厚みを増減調整することにより、しおり3を引き出しやすい厚みとすることができる。また、接着剤層16を一層又は複数層に形成することにより、例えば材質や厚みの異なる他の種類のしおり3を採用したときにも、しおり3の折丁2の背部21への引き出しや、製本後におけるしおり3の表紙寄りの枚葉紙20への挟み込みにも容易に対応することができる。
なお、しおり遊動空間41は、引出し領域10からしおり3を引き出す際に、引き出しを容易に行うために有効である。
上記接着剤層16は、図2に示すように二層16a,16bの構造にして各種綴りに対応する。層16aは折丁2A〜2Nの背部21の凹んだ隙間に塗布され、層16bは層16aの上に平滑面を形成するために塗布される。なお、単一の接着剤からなるものとしてもよい。
上記しおり3としては、紐状に延びる布製のものが用いられ、例えば並製本の対角線よりも50mmほど長くし、また、幅3mmほどにしたものが挙げられる。上記しおり3の基端部30は、図2及び図3に示すように、上記背部21への約20mm程度の接着代を有し、引出し領域10の近傍にある接着剤層16の上端に固着されている。図示しないが、引出し領域10の下部で接着剤層16に近接する部位にしおり3の基端部30を固着してもよい。なお、図2に示すように、しおり3の基端部30を、接着剤層16の接着力を利用して接着してもよく、この場合には別にしおり3を接着するための接着剤を必要としない。
そして、上記しおり3は、天側22の折丁2,2の間から挟み込みされ、裾部31も三方から内側に位置して挟み込みされている。換言すると、しおり3は、天側22を含めた三方24,25から離れた内方部位であって、三方化粧断ち部位よりも内方に挟み込みされ、誤って切断されないように挟み込みされる。
次に、図4及び図5に基づいて並製本1の製造工程と装置の概要を説明する。
接着剤の塗布は、搬送路Tに沿って配列された第一,第二の塗布用ローラ100,101、第一,第二の掻落し部材102,103、駆動部104,105、カム体106、及び駆動制御部107を有する接着剤層形成部Cと、接着剤供給部Dとを有して構成されている。
第一,第二の塗布用ローラ100,101は、搬送路Tを順次搬送されてくる丁合いした折丁2A〜2Nの背部21に接着剤層16を形成するためのものである。第一,第二の掻落し部材102,103は、上記した第一,第二の塗布用ローラ100,101の外周面に供給されている接着剤を掻き落すためのものであり、リンク機構108,109及びカム体106によって、接着剤掻落し位置(i)と、接着剤層形成位置(ii)との間で移動自在に支持されている。
上記カム体106は、上記したリンク機構108の他端部を外周面に当接したカム板110と、リンク機構109の他端部を外周面に当接したカム板111を同軸的にかつ互いに相対変位可能に支持したものである。
カム板110は、前述した引出し領域10に裁断代11を加えた長さに対応した角度範囲にわたる凹部110aが外周面110bの一部に形成されており、リンク機構108の他端部が、当該凹部110aに当接したときに、第一の掻落し部材102が、接着剤掻落し位置(i)に移動され、また、凹部111a以外の部分に当接しているときには接着剤層形成位置(ii)に移動されるようになっている。
また、カム板111は、引出し領域10に裁断代11を加えた長さに対応した角度範囲にわたる凹部111aが外周面111bの一部に形成されており、リンク機構109の他端部が当該凹部111aに当接したときに、第二の掻落し部材103が、接着剤掻落し位置(i)に移動され、また、凹部111a以外の部分に当接しているときには接着剤層形成位置(ii)に移動されるようになっている。
駆動制御部107は、しおり3を天側22に引き出すための引出し領域10に裁断代11を加えた長さを残し、上記接着剤層16を背部21に形成するように、カム体106、第一,第二の塗布用ローラ100,101を回転制御する機能を有している。
次に、上述した接着剤層形成装置Bを用いた並製本1の製造方法について、主に図4を参照して説明する。
(ア)に示すように、背部21を除く三方に裁断代11を有する折丁2A〜2Nを互いに所定の組み合わせにして丁合いし、上記折丁2A〜2Nを丁合いした半完成の並製本1を搬送路Tに沿い、背部21を下向きにして一定の間隔で搬送する。
(イ)に示すように、搬送路Tを搬送されてきた並製本1が、第一の塗布用ローラ100に差し掛かると、当該第一の塗布用ローラ100が所定のタイミングで、並製本1の搬送に同期して回転され、これにより、接着剤層16aが折丁2A〜2Nの背部21の天側22に、引出し領域10を残して塗布される。
(ウ)に示すように、接着剤が塗布された並製本1が、第二の塗布用ローラ101に差し掛かると、第二の塗布用ローラ101が所定のタイミングで、並製本1の搬送に同期して回転され、接着剤層16aの表面に引出し領域10を残して所要厚みにして塗布し、接着剤層16bが形成される。これにより、折丁2の背部21には、接着剤層16が二層形成される。
(エ)に示すように、図示しないしおり挿入機を用いて引出し領域10の近傍の接着剤層16にしおり3の基端部30を固着して、引出し領域10の折丁2,2の間から枚葉紙間にしおり3を挟み込む。すなわち、しおり3の基端部30の20mm程度の長さ部分を、折丁2のうち、中央部に丁合される折丁2の背部21の接着剤層16に接着する。このように、折丁2の背部21に対向する接着剤層16に固着することにより、平面視においてしおり3が折丁2の中央部分に位置することになって美観上好ましい。
(オ)に示すように、背部21に上記引出し領域10を未接着としたままで表紙4を貼着する。これにより、しおり3の基端部30は、接着剤層16と背部40との間に挟まれてしっかりと接着される。その際に、しおり3は天側22から離されており、裁断代11よりも内方に位置している。また、引出し領域10と表紙4の背部40との間は、未接着となっている。
(カ)に示すように、表紙4を貼着した並製本1を、折丁2の背部21を除く三方22,24,25に形成されている裁断代11を表紙4から裁断する。すなわち、実線(カットライン)に沿って裁断する。このときにしおり3は、基端部30の近傍から裾部31にかけて上記折丁内であって、裁断代11の内方にある引出し領域10に基端部側が挟み込まれているので、裁断するときに誤って切断されることがない。
また、引出し領域10と表紙4の背部40との間には、接着剤厚みによる空隙で接着剤層16を有していないしおり遊動空間41が形成される。
以上の各ステップを経て、しおり3を有する並製本1が完成する。
上記した並製本1に挟み込みされているしおり3を折丁2の背部の外方に引き出す動作は、次のようにして行う。
しおり3が挟み込まれている折丁2,2の頁を開き、しおり3の裾部31を摘んで背部21の外方に引き出す。図3に示すように、上記の引出し動作によって、しおり3の基端部30の近傍から裾部31が、引出し領域10から外方に抜け出す。換言すると、しおり3の基端部30の近傍がしおり遊動空間41に位置するようになる。
この状態においては、しおり3の基端部30の近傍から裾部31までを、いずれの折丁間又は切込みに無理なく挟み込むことができるようになる。また、引出し領域10を複数の折丁の幅14に形成しているので、しおり3を折丁2の幅方向で自在に移動させることができ、いずれの枚葉紙間であっても無理なく挟み込むことができる。
図6は、本発明の第2の実施形態に係る並製本の一部拡大斜視図、図7は第2の実施形態に係る並製本の製造工程要部図である。
図6に示すように、折丁2の天側22から背部21に引出し領域10の範囲に切込み23を設け、切り込み23の下端の背部21にしおり3の基端部30を固着する。しおり3は、切込み23から枚葉紙間20,20に挟み込んで天側22から離間する。
製造工程は、第1の実施形態を示す図4の(エ)の工程を先に配置することで実施される。すなわち、図7の(ア)に示すように、折丁2の天側22に図示しないカッター又はミシン目等で切込み23を形成する。
次に、(イ)に示すように、図示しないしおり挿入機を用いて引出し領域10の近傍にしおり3の基端部30を固着して、引出し領域10の切込み23の間から枚葉紙間20,20にしおり3を挟み込む。しおり3を挟み込みした折丁2を丁合し、図4の製造工程により製造される。しおり3を挟み込んでいる折丁2は中央部位に丁合されることが望ましい。なお、図4(エ)のしおり挿入工程は省略される。
第2の実施形態の製造工程によれば、しおり挿入機を製造工程に配置する必要がなく、しおりを挿入しない従来例の並製本の製造工程と同様に製造することができる。
図8は第3の実施形態に係る並製本の折丁を示す説明図、図9は同折丁を丁合する工程を示す説明図である。なお、第1の実施形態と同等のものは、同一の符号を付して説明を省略する。
第3の実施形態に係る並製本1は、一方の折丁2の外側の枚葉紙20の背部側の縁面20aに紐状のしおり3の基端部30が天側22から離れて固着され、上記折丁2に丁合いされる他方の折丁2との間に上記しおり3が挟み込みされて天側22から離間され、丁合いした複数の折丁2A〜2Nの背部21に天側22を未接着とした引出し領域10が形成されることを特徴としている。
上記しおり3は、枚葉紙20の背部側の縁面20aに天地にわたる細幅の接着領域17を設け、天側22を未接着としたうえで、接着領域17に基端部30を接着することでも実施される。この場合には、天側22に引出し領域10が配置された状態で、接着領域17により枚葉紙20,20が強固に接着されて丁合される。
図9に示すように、しおり3は縁面20aに基端部30を固着された状態で、天側22から離れている。その結果、しおり3を縁面20aに固着した折丁2と他の折丁2とを丁合する工程を経た後、他の工程を経て、しおり3を有する並製本1が完成する。
なお、図示しないが、上記しおり3は、天側22を未接着とした引出し領域10の下部近傍に基端部30を接着することで縁面20aに固着されて実施可能となる。この場合には、上記した接着剤領域17を設ける必要がなく、基端部30を略同位置に固着するのみで足りる。
図10は第4の実施形態に係る並製本の要部拡大斜視図、図11は製造工程の要部を示す説明図である。
なお、第1または第2の実施形態と同等のものは、同一の符号を付して説明を省略する。
第4の実施形態に係る並製本1は、折丁2の外側の枚葉紙20の背部側の縁面20aに天地に沿って細幅の接着領域17が形成され、その接着領域17,17を介して隣接する折丁2・・が接着されているとともに、一部の折丁2の背部21にしおり3の基端部30が天側22から離れて固着され、折丁間又は切込み間に上記しおり3が挟み込みされて天側22から離間され、丁合いされた複数の折丁2A〜2Nの背部21に天側22を未接着とした引出し領域10を残して接着剤層16が塗布されるとともに上記背部21に上記引出し領域10を未接着としたままで表紙4が貼着され、上記背部21を除く三方が表紙4から裁断されてなることを特徴としている。
上記接着領域17は、図8に示す接着領域17と同様に形成されるが、しおり3の基端部30が折丁2の背部21の引出し領域10の近傍の接着剤層16に設けられるものである。
第4の実施形態に係る並製本1の製造方法を図11に基づいて説明する。
(ア)に示すように、束中央に位置する複数の折丁2H〜2Iの外側の枚葉紙20,20の背部側の縁面20a,20aに、接着領域17,17を形成して、折丁2H,2Iを他の折丁よりも先に部分的に丁合いする。この場合、丁合した一部の折丁2H,2Iの厚みが確保されると、予めしおり3の固着を比較的容易に行えることとなる。換言すると、所望厚み(例えば4〜5(mm)以上)となる数の一部の折丁を丁合いするとよい。
(イ)に示すように、一部の折丁2H,2Iの背部21にしおり3の基端部30を天側22から離れて固着するとともに、折丁2H,2Iに上記しおり3が挟み込みされて天側22から離間される。その後に、他の残りの折丁2A〜2Nを、先に丁合いされている折丁2H,2Iに丁合いする。なお、他の工程を経て、しおり3を有する並製本1が完成する。
図12は第5の実施形態に係る並製本の折丁の要部拡大斜視図、図13は同並製本の製造工程を示す説明図である。
なお、製造工程は、第1の実施形態を示す図4の(エ)の工程を先に配置することで実施される。
第5の実施形態に係る並製本1は、折丁2の内面の枚葉紙20に紐状のしおり3の基端部30が天側22から離れて固着され、上記折丁2の天側22には上記しおり3を引出し可能な切込み23が設けられ、上記しおり3が上記折丁2の内面の枚葉紙20に挟み込みされて天側22から離間され、丁合いした複数の折丁2・・の背部21に天側22を未接着とした引出し領域10を残して接着剤層16が塗布されるとともに上記背部21に上記引出し領域10を未接着としたままで表紙4が貼着され、上記背部21を除く三方が表紙4から裁断されてなることを特徴とする。
図13に示すように、切込み23は折丁2の背となる折畳み部分をカッター又はミシン目により形成され、引出し領域10の深さ13と略同一深さに形成される。しおり3は、基端部30が切込み23の終端に位置する折畳み部分の内面に固着され、天側22から離れた内面にそのまま挟み込みされる。
第5の実施形態に係る並製本1の製造方法を図13に基づいて説明する。
(ア)に示すように、折丁2の内面を綴じると、しおり3が天側22から離れて挟み込みされることとなる。天側22においては、切込み23を有する引出し領域10が形成されている。
(イ)に示すように、他の折丁2・・としおり3を挟み込みしてなる折丁2とを丁合すると、しおり3を有する並製本1が三方断裁されて製本される。
使用に際しては、枚葉紙20の内面からしおり3を引き出し、切込み23を通過させてしおり遊動空間41にしおり3の基端部側を位置させ、必要部位に挟み込み可能となる。
図14は、第6の実施形態に係る並製本1を示す斜視図である。
図14に示す並製本1は、複数の折丁2A〜2Nの背部21に天側22を残してかがり糸5で綴じ合わせた糸かがり綴じ構造のもので、天側22にはしおり3を引き出すための引出し領域10が設けられている。かがり綴じ部分には接着剤層16を設け、この接着剤層16の引出し領域10の近傍にしおり3の基端部30が固着され、しおり3が引出し領域10を通って枚葉紙20の内面に挟み込みされている。
第6の実施形態においては、他の実施形態と同様に製造される。
図15は第7の実施形態に係る並製本の要部拡大斜視図である。
引出し領域15は、折丁2・・の背部21の外方にしおり3を引き出すことができる狭幅に形成してもよい。
引出し領域15は、しおり3の幅よりもやや広い値に形成されている。このような引出し領域15であれば、折丁2の背部21と表紙4の背部40との間に形成されるしおり遊動空間41の幅を小さくでき、折丁2の背部21と表紙4との接着強度を天側22においても高められる。
上述した各実施形態においては、いずれも1本のしおり3を引出し領域10の近傍に固着した例について説明しているが、2本以上のしおり、換言すると複数本のしおりを各実施形態において説明したようにして、それぞれ固着した構成にしてもよい。
上述した第1〜第7の実施形態は必要に応じて組み合わせて実施可能である。
本発明の第1の実施形態に係る並製本の折丁を示す正面図である。 図1に包囲線Iで示す部分の拡大断面図である。 同上の包囲線Iで示す部分の拡大斜視図である。 第1の実施形態に係る製本工程を示す説明図である。 接着剤層形成で用いられるカム体の正面図である。 本発明の第2の実施形態に係る並製本の一部拡大斜視図である。 第2の実施形態に係る並製本の製造工程要部図である。 本発明の第3の実施形態に係る並製本の折丁を示す説明図である。 同折丁を丁合する工程を示す説明図である。 第4の実施形態に係る並製本の要部拡大斜視図である。 同製造工程を示す要部説明図である。 第5の実施形態に係る並製本の要部拡大斜視図である。 同製造工程を示す要部説明図である。 第6の実施形態に係る並製本を示す斜視図である。 第7の実施形態に係る並製本の要部拡大斜視図である。
符号の説明
1 並製本
10,15 引出し領域
11 裁断代
12 遊動代
13 深さ
14 幅
16 接着剤層
17 接着領域
2 折丁
20 枚葉紙
20a 縁面
21 背部
22 天側
23 切込み
3 しおり
30 基端部
31 裾部
4 表紙
40 背部
41 しおり遊動空間
100,101 塗布ローラ
102,103 掻き落し部材
104,105 駆動部
106 カム体
107 駆動制御部
108,109 リンク機構
110 カム板
5 かがり糸

Claims (11)

  1. 丁合した折丁の背部に天側を未接着とした引出し領域を残して接着剤層が塗布され、上記天側から離れた上記折丁の背部に紐状のしおりの基端部が固着され、上記しおりが引出し領域の折丁間又は折丁の切込みから枚葉紙間に挟み込みされて天側から離間されるとともに上記背部に上記引出し領域を未接着としたままで表紙が貼着され、上記背部を除く三方が表紙から裁断されてなることを特徴とする並製本。
  2. 一方の折丁の外側の枚葉紙の背部側の縁面に紐状のしおりの基端部が天側から離れて固着され、上記折丁に丁合される他方の折丁との間に上記しおりが挟み込みされて上記天側から離間され、丁合した折丁の背部に天側を未接着とした上記引出し領域が形成されるとともに上記背部に上記引出し領域を未接着としたままで表紙が貼着され、上記背部を除く三方が表紙から裁断されてなることを特徴とする並製本。
  3. 折丁の外側の枚葉紙の背部側の縁面に沿って天側を未接着とした接着領域が形成され、上記接着領域を介して隣接する折丁が丁合されるとともに、折丁の背部に紐状のしおりの基端部が上記天側から離れて固着され、丁合いされた折丁の背部に上記天側を未接着とした引出し領域を残して接着剤層が塗布されるとともに上記しおりが上記引出し領域の折丁間又は折丁の切り込みから枚葉紙間に挟み込みされて上記天側から離間され、上記背部に上記引出し領域を未接着としたままで表紙が貼着され、上記背部を除く三方が表紙から裁断されてなることを特徴とする並製本。
  4. 折丁の内面の枚葉紙に紐状のしおりの基端部が天側から離れて固着され、上記折丁の上記天側には上記しおりを引出し可能な切込みが設けられ、上記しおりが上記折丁の内面の枚葉紙に挟み込みされて上記天側から離間され、丁合した折丁の背部に天側を未接着とした引出し領域を残して接着剤層が塗布されるとともに上記背部に上記引出し領域を未接着としたままで表紙が貼着され、上記背部を除く三方が表紙から裁断されてなることを特徴とする並製本。
  5. 引出し領域が複数の折丁の幅に形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の並製本。
  6. 引出し領域がしおりを中心とする幅狭に形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の並製本。
  7. 複数の折丁が丁合される工程と、複数の折丁の背部に天側を未接着とした引出し領域を残して接着剤層が塗布される工程と、上記天側から離れた折丁の上記背部に紐状のしおりの基端部が固着されると同時に上記しおりが引出し領域の折丁間に挟み込みされて上記天側から離間される工程と、上記背部に上記引出し領域を未接着としたままで表紙が貼着される工程と、上記背部を除く三方が切断刃によって表紙から切断される工程とからなることを特徴とする並製本の製造方法。
  8. 折丁の天側に切込みが設けられる工程と、折丁の背部に紐状のしおりの基端部が天側から離れて固着されるとともに上記しおりが上記切込みから枚葉紙間に挟み込みされて上記天側から離間される工程と、上記折丁を含めて複数の折丁が丁合される工程と、丁合した複数の折丁の背部に上記天側を未接着とした引出し領域を残して接着剤層が塗布される工程と、上記背部に上記引出し領域を未接着としたままで表紙が貼着される工程と、上記背部を除く三方が表紙から裁断される工程とからなることを特徴とする並製本の製造方法。
  9. 折丁の外側に位置する枚葉紙の背部側の縁面に紐状のしおりの基端部が天側から離れて固着される工程と、上記折丁を含めて複数の折丁が丁合される工程と、丁合した複数の折丁の背部に上記天側を未接着とした引出し領域を残して接着剤層が塗布される工程と、上記背部に上記引出し領域を未接着としたままで表紙が貼着される工程と、上記背部を除く三方が表紙から裁断される工程とからなることを特徴とする並製本の製造方法。
  10. 折丁の外側の枚葉紙の背部側の縁面に沿って天側を未接着とした接着領域が形成される工程と、上記接着領域を介して隣接する折丁が丁合される工程と、複数の折丁の背部に紐状のしおりの基端部が天側から離れて固着されると同時に上記引出し領域の折丁間又は折丁の切込みから上記しおりが枚葉紙間に挟み込みされて上記天側から離間される工程と、複数の折丁の上記背部に上記天側を未接着とした引出し領域を残して接着剤層が塗布されるとともに上記背部に上記引出し領域を未接着としたままで表紙が貼着される工程と、上記背部を除く三方が表紙から裁断される工程とからなることを特徴とする並製本の製造方法。
  11. 折丁の内面の枚葉紙に紐状のしおりの基端部が天側から離れて固着されて挟み込みされる工程と、上記折丁の上記天側に上記しおりを引出し可能な切込みが設けられる工程と、上記折丁を含めて複数の折丁が丁合される工程と、丁合した複数の折丁の背部に上記天側を未接着とした引出し領域を残して接着剤層が塗布される工程と、上記背部に上記引出し領域を未接着としたままで表紙が貼着される工程と、上記背部を除く三方が表紙から裁断される工程とからなることを特徴とする並製本の製造方法。
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