JP6695621B2 - 並製本または上製本 - Google Patents
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Description
これは並製本では、袋綴じ用紙片を作っても、そのコストの割には利点がないものとして考えられていたためである。
本発明はこのような事情に鑑み案出されたものであって、本発明の目的は、コストを掛けることなく袋綴じ用紙片を作ることができる並製本または上製本を提供することにある。
前記表表紙と前記裏表紙で挟まれた複数枚の本文紙片と、2枚の前記本文紙片がそれぞれ折り曲げられていない状態である前記表表紙と前記裏表紙の裏面に貼着されて構成された見返し用紙片と、を備える並製本または上製本であって、前記複数枚の本文紙片のうち最も外側に配置される1枚または複数枚の本文紙片は、それらの背から小口までの寸法を、残りの前記本文紙片よりも短くした袋綴じ用紙片とされ、前記袋綴じ用紙片の隣に位置する前記本文紙片は、前記袋綴じ用紙片の小口よりも前記本文の背から離れた小口側が前記表表紙または前記裏表紙の裏面の小口側に貼着されて前記見返し用紙片を構成していることを特徴とする。
図1(A)に示すように、本実施の形態では本10は並製本であり、表紙12と本文14とを有している。
表紙12は、例えば、本文14を構成する本文紙片1402よりも厚い紙片で構成され、表表紙12A、背表紙12B、裏表紙12Cを有している。
なお、本発明において紙、紙片とは、洋紙や和紙に限定されず合成紙などを含み、各種の本に使用される従来公知の様々な素材が使用可能である。
本文14は複数枚の本文紙片1402を有し、本実施の形態では、図1(B)に示すように、複数の本文紙片1402のうち最も外側で裏表紙12C側に配置される複数枚の本文紙片1402は、それらの背から小口までの寸法を、残りの本文紙片1402よりも短くした袋綴じ用紙片1402Aとされている。なお、図1(B)、図2において符号16は袋綴じ用紙片1402Aの小口を示している。
袋綴じ用紙片1402Aの天と地との間の寸法は、本文紙片1402と同様に表紙12の天と地との間の寸法と同一であり、あるいは小さい寸法の場合もあり、本文紙片1402の小口は、表表紙12Aおよび裏表紙12Cの小口と揃えられている。
図1(B)、図2に示すように、袋綴じ用紙片1402Aの隣に位置する本文紙片1402は、袋綴じ用紙片1402Aの小口16よりも本文14の背から離れた小口側が裏表紙12Cの裏面の小口側に貼着された見返し用紙片1402Bとされている。なお、図1(B)、図2において、符号18Aは、見返し用紙片1402Bの小口側と裏表紙12Cの裏面の小口側とが貼着された貼着領域を示している。
したがって、袋綴じ用紙片1402Aは、裏表紙12Cと見返し用紙片1402Bとで袋綴じされ、見返し用紙片1402Bを破断した後に、初めて読むことができる。
まず、折り機により多数の折り丁を製作する(折り丁製作工程)。
次に、丁合機により所定の複数の折り丁を丁合する(丁合工程)。
次に、バインダーにより折り丁の背と、表紙12の背とを綴じ(綴じ工程)、同時に、図3に示すように、小口糊機により、裏表紙12Cの小口側に糊付けし、見返し用紙片1402Bの小口側を裏表紙12Cの小口側に貼着する(見返し貼着工程)。なお、図3において符号18Bは、糊付けされた糊塗布領域を示している。
次に、三方断裁機により、天と地と小口を断裁する(断裁工程)。
以上の工程により、裏表紙12Cと見返し用紙片1402Bとで袋綴じされ、袋綴じ用紙片1402Aが見返し用紙片1402Bで隠された本10が得られる。
そして、裏表紙12Cの小口側に、あるいは、見返し用紙片1402Bの小口側に糊を塗布することで、裏表紙12Cの小口側と見返し用紙片1402Bの小口側とが貼着され、袋綴じ用紙片1402Aが見返し用紙片1402Bで隠された本10が得られる。
本実施の形態によれば、従来の並製本に使用する機械をそのまま使用でき、従来の並製本の機械を用いた製本工程をそのまま利用して本10を得ることができる。
したがって、コストを掛けることなく袋綴じされた袋綴じ用紙片1402Aを有する本10が得られ、本10の販売数を増大する上で有利となる。
また、並製本が問題集の場合、解答が書かれた最後の複数枚の紙片のみを袋綴じ用紙片1402Aとすると、書店での立ち読みでは解答を見ることができず、本の購買意欲を増大させる上で有利となる。
また、袋綴じ用紙片1402Aに収納部を設け、トレーディングカードや、CD,DVDなどの記録媒体などを、袋綴じ用紙片1402Aに収納しておくと、書店において、それらカードや記録媒体を持ち去ることを防止する上で有利となり、本の購買意欲を増大させる上で有利となる。
また、図4に示すように、見返し用紙片1402Bに、天と地を結ぶ方向に延在するミシン目などのような破断可能な破断線20や、破断すべき箇所を明示した破断マークを形成しておくと、本10の購入者は、破断線20やマークにより見返し用紙片1402Bを簡単に綺麗に切断でき、本10を綺麗な状態で読み、また、綺麗な状態で保管する上で有利となる。
特に、貼着領域18Aと、袋綴じ用紙片1402Aの小口16との間の見返し用紙片1402Bに、天と地を結ぶ方向に延在する破断線20や破断マークを形成しておくと、はさみを見返し用紙片1402Bと裏表紙12Cとの間に入れ易く、簡単に綺麗に切断する上で有利となる。
また、装丁により、本文14を構成する折り丁とは別丁の紙片を袋綴じ用紙片1402Aとするようにしてもよいことは無論のことである。
また、本実施の形態では、本発明が適用される本10が並製本である場合について説明したが、本発明は、上製本や中綴本にも無論適用可能である。
12……表紙
12A……表表紙
12B……背表紙
12C……裏表紙
14……本文
1402……本文紙片
1402A……袋綴じ用紙片
1402B……見返し用紙片
16……袋綴じ用紙片の小口
18A……貼着領域
18B……糊塗布領域
20……破断線
Claims (4)
- 表表紙と裏表紙とを有する表紙と、
前記表表紙と前記裏表紙で挟まれた複数枚の本文紙片と、
2枚の前記本文紙片がそれぞれ折り曲げられていない状態である前記表表紙と前記裏表紙の裏面に貼着されて構成された見返し用紙片と、
を備える並製本または上製本であって、
前記複数枚の本文紙片のうち最も外側に配置される1枚または複数枚の本文紙片は、それらの背から小口までの寸法を、残りの前記本文紙片よりも短くした袋綴じ用紙片とされ、
前記袋綴じ用紙片の隣に位置する前記本文紙片は、前記袋綴じ用紙片の小口よりも前記本文の背から離れた小口側が前記表表紙または前記裏表紙の裏面の小口側に貼着されて前記見返し用紙片を構成している、
ことを特徴とする並製本または上製本。 - 前記見返し用紙片に、天と地を結ぶ方向に延在する破断可能な破断線、または破断マークが形成されている、
ことを特徴とする請求項1記載の並製本または上製本。 - 前記破断線または前記破断マークは、前記表表紙または前記裏表紙の裏面の小口側に貼着された前記見返し用紙片の小口側と、前記袋綴じ用紙片の小口との間に位置する前記見返し用紙片の箇所に形成されている、
ことを特徴とする請求項2記載の並製本または上製本。 - 前記見返し用紙片は、半透明な材料で形成されている、
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載の並製本または上製本。
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2015
- 2015-11-11 JP JP2015220904A patent/JP6695621B2/ja active Active
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