JP2009279730A - ワーク保持具およびワーク加工方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ベース4の中に台座5を嵌合させ、台座5のレンズ受け面5aにレンズ受け材2を介して被加工レンズ1のレンズ当接面1aを保持する構成のワーク保持具H1において、レンズ当接面1aに接するレンズ受け材2のレンズ受け面2aの曲率R2が、レンズ当接面1aの曲率R1よりも大きくなるようにレンズ受け面5aの曲率を設定し、無負荷状態で、レンズ受け面2aの中心部2bで被加工レンズ1のレンズ当接面1aが選択的に当接する中当たり状態となるようにした。加工圧力による被加工レンズ1の変形M1と反対方向に変形M2が生じるように力が働くため、工具皿10の加工圧力による変形は相殺され、被加工面1bに高い形状精度が得られる。
【選択図】 図1
Description
まず、研磨する被加工レンズ15をベース12内に嵌め込み、ベース12内のレンズ受け材14に接触させた状態で図示しない砥石に当接させる。
図7および図8は、近年、カメラレンズ等の量産加工で用いられている下軸揺動型の球心研磨の模式図である。光学素子保持具11に保持された被加工レンズ15を研磨する場合、光学素子保持具11を介して図示しない研磨機上軸から荷重Wを被加工レンズ15の被加工面15bに負荷し、砥石20を回転させつつ砥石軸の角度をθ1からθ2の間で変化させるように揺動する。
図7で示した保持具においては弾性体シート14aにより被加工レンズ15を保持しているため、被加工レンズ15は中心付近で変形し易くなり、特に中心厚さの小さい薄肉レンズでは変形が大きくなる。
勿論、被加工レンズ15の被加工面15bの曲率、砥石20の揺動速度および揺動角度等の加工条件によって圧力分布は異なってくるが、中心点近傍で大きな値となることは同様である。
上述のニュートン本数とは、評価対象のレンズとは逆の凹凸を有し、設計通りの表面形状を有する原器(レンズ)に当該評価対象のレンズを重ね合わせた時に観察されるニュートンリングの状態(本数)である。
日本オプトメカトロニクス協会、1987年発行「JOEM光学素子加工技術‘87、1−5研削・研磨」第146頁〜第148頁。
前記台座部における前記ワーク保持面の中央部が、前記ワークの前記被保持面に対して選択的に当接する形状を呈するワーク保持具を提供する。
前記ワーク保持具における前記ワーク保持面の中央部が、前記ワークの前記被保持面に対して選択的に当接する状態で前記ワークを前記ワーク保持具に保持する第1工程と、
前記ワーク保持具に保持された前記ワークに対して相対的に前記加工工具を押圧して摺動させることで加工を行う第2工程と、
を含むワーク加工方法を提供する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の一実施の形態であるワーク加工方法を実施するワーク保持具の構成の一例を示す断面図である。
図2は、本発明の他の実施の形態であるワーク加工方法を実施するワーク保持具の構成の一例を示す断面図である。
図3は、本発明のさらに他の実施の形態であるワーク加工方法を実施するワーク保持具の構成の一例を示す断面図である。
すなわち、ワーク保持具H3に備えられた突起部材7は、先端側に段差7aが設けられ、後端側にネジ部7bが設けられた構成となっている。そして、台座5のレンズ受け面5aの中央部に設けられたネジ穴に、突起部材7のネジ部7bを螺合することにより、突起部材7が台座5に固定される。他の構成は上述の実施の形態2と同様である。
図4は、上述の各実施の形態に例示したワーク保持具H1からワーク保持具H3の各々を使用する研磨装置の代表的な一例を示す斜視図である。
この図4の研磨装置Kにおいて、本実施の形態のワーク保持具H1(ワーク保持具H2)(ワーク保持具H3)は保持具121に相当する。また、台座5の背面は後述の上軸122に固定され、工具皿10の背面は、砥石スピンドル115に固定される。
一方、前記装置本体150からは、前記砥石用揺動体161を一対の軸受163によって支持する平行配置の一対の支持アーム164が突出形成されており、さらに、一対の支持アーム164の下側には、前記ハウジング171を揺動させるための円弧状揺動ギヤ部181を備えた固定突出体180を設けている。
前記工具皿10は、砥石モータ116により駆動される砥石スピンドル115を介して回転駆動される。また、前記揺動モータ112の回転により歯車114が円弧状揺動ギヤ部181と噛み合いつつ回転し、これにより、前記ハウジング171、砥石用揺動体161とともに工具皿10は球心104を中心にY軸の回りを揺動する。
たとえば、ワークとしては光学素子に限らず、一般の精密研磨の必要な製品にも適用できる。
(付記1) レンズ等の光学素子を保持して研削研磨する保持具において、前記光学素子が挿脱可能な枠部と、この枠部に挿入した状態の前記光学素子の一面に当接して光学素子を保持する光学素子保持面の形状が、前記光学素子の当接面と中当たり状態となるように形成したことを特徴とする光学素子保持具。
(付記2) レンズ等の光学素子を保持して研削研磨する保持具であって、前記光学素子が挿脱可能な枠部と前記光学素子を保持するための中央部に段差を設けた台座とからなり、この台座の光学素子保持面側にシート状弾性体を装着してなることを特徴とする光学素子保持具。
(付記3) 光学素子を保持するための前記台座の中央部に設けた段差が着脱可能であることを特徴とする付記2記載の光学素子保持具。
1a レンズ当接面
1b 被加工面
2 レンズ受け材
2a レンズ受け面
2b 中心部
4 ベース
5 台座
5a レンズ受け面
6 突起段差
7 突起部材
7a 段差
7b ネジ部
10 工具皿
10a 加工作用面
11 光学素子保持具
12 ベース
13 台座
14 レンズ受け材
14a 弾性体シート
14b Oリング
15 被加工レンズ
15a レンズ受け面
15b 被加工面
15c 接触面
15d 外周エッジ部
16 座グリ
20 砥石
104 球心
106 制御装置
107 砥石揺動制御部
108 インバータ
112 揺動モータ
114 歯車
115 砥石スピンドル
116 砥石モータ
120 シリンダ
120a ロッド
121 保持具
122 上軸
150 装置本体
151 揺動板
161 砥石用揺動体
161b 下辺部
162 両側板
163 軸受
164 支持アーム
171 ハウジング
180 固定突出体
181 円弧状揺動ギヤ部
190 X軸揺動モータ
191 軸受箱体
H1 ワーク保持具
H2 ワーク保持具
H3 ワーク保持具
K 研磨装置
M1 変形
M2 変形
R1 被加工レンズ1のレンズ当接面1aの曲率
R2 レンズ受け材2のレンズ受け面2aの曲率
Claims (8)
- ワークの被加工面と反対側の被保持面に当接するワーク保持面を備えた台座部と、前記ワークの外周部を保持する枠部とを含むワーク保持具であって、
前記台座部における前記ワーク保持面の中央部が、前記ワークの前記被保持面に対して選択的に当接する形状を呈することを特徴とするワーク保持具。 - 請求項1記載のワーク保持具において、
前記ワークの前記被保持面の第1曲率半径よりも、前記台座部の前記ワーク保持面の第2曲率半径を大きくすることで、前記台座部における前記ワーク保持面の中央部が、前記ワークの前記被保持面に対して選択的に当接するようにしたことを特徴とするワーク保持具。 - 請求項1記載のワーク保持具において、
前記台座部の前記中央部に段差部を形成することにより、前記台座部における前記ワーク保持面の中央部が、前記ワークの前記被保持面に対して選択的に当接するようにしたことを特徴とするワーク保持具。 - 請求項3記載のワーク保持具において、
前記段差部が前記台座部に対して着脱可能に装着されていることを特徴とするワーク保持具。 - 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のワーク保持具において、
前記台座部の前記ワーク保持面にシート状弾性体が装着されていることを特徴とするワーク保持具。 - ワークの被加工面と反対側の被保持面をワーク保持具のワーク保持面にて保持し、前記被加工面に加工工具を相対的に摺動させて加工を行うワーク加工方法であって、
前記ワーク保持具における前記ワーク保持面の中央部が、前記ワークの前記被保持面に対して選択的に当接する状態で前記ワークを前記ワーク保持具に保持する第1工程と、
前記ワーク保持具に保持された前記ワークに対して相対的に前記加工工具を押圧して摺動させることで加工を行う第2工程と、
を含むことを特徴とするワーク加工方法。 - 請求項6記載のワーク加工方法において、
前記第1工程では、前記ワークの前記被保持面の第1曲率半径と前記ワーク保持具における前記ワーク保持面の第2曲率半径との相違により、前記ワーク保持具における前記ワーク保持面の中央部が、前記ワークの前記被保持面に対して選択的に当接する状態で前記ワークを前記ワーク保持具に保持することを特徴とするワーク加工方法。 - 請求項6記載のワーク加工方法において、
前記第1工程では、前記ワーク保持具における前記ワーク保持面の中央部に段差部を突設することで、前記ワーク保持具における前記ワーク保持面の中央部が、前記ワークの前記被保持面に対して選択的に当接する状態で前記ワークを前記ワーク保持具に保持することを特徴とするワーク加工方法。
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