JP2009277316A - ディスククランパ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】モータの回転軸に固着されたターンテーブルと、該ターンテーブルに対して接離方向へ移動可能なクランプアームと、該クランプアームに回転自在に支持されたクランパと、該クランパをその軸線方向へ弾性付勢するばね部材とからなるディスククランプ機構に用いられるクランパにおいて、前記クランパの軸線8を通る一端部側に、半球状の膨出部7cとし、該膨出部7cの頂部に形成され前記ばね部材が弾接する小突起7dとを一体に有すると共に、クランパ成型時のウェルドラインが形成される部位を前記小突起7dから偏倚させることにより、前記小突起7dにはウェルドラインが存在しないので、クランパの回転中心部の表面状態が良好にしたクランパ及びその製造方法を提供することができる。
【選択図】図1
Description
図6に示すように、ドライブシャーシ1にはスピンドルモータ2が取り付けられており、このスピンドルモータ2の回転軸2aに合成樹脂製のターンテーブル3が固着されている。ターンテーブル3の中央には筒状部3aが形成されており、この筒状部3aをスピンドルモータ2の回転軸2aに圧入することにより、ターンテーブル3は回転軸2aに固定されている。また、ターンテーブル3の上面に上端をアール形状とした突堤部3bが形成されており、この突堤部3bは筒状部3aを中心とする環状に形成されている。
しかしながら、クランパ7の膨出部7cがばね部材5に直接接触しているため、度重なる使用によって膨出部7cが比較的短期間で摩耗し始めてしまい、この摩耗が促進されるとクランパ7の摩擦抵抗が非常に大きくなり、スピンドルモータ2のスムーズな回転を妨げるという問題や、特定の振動周波数でドライブシャーシ1に搭載されたメカニズム全体が振動すると回転中のディスクDが共振し、耐振性能を悪化させて音飛び等の不具合が発生するという問題が生じていた。
図8は、このような従来の金型をその上部から見た平面図、図9は、該金型を使用して成型されたクランパの斜視図である。
しかしながら、図8に示す3点のモールドゲート9を有する金型を使用すると、モールドゲート9が軸線8に対し均等な距離に形成されているため、該モールドゲート9から樹脂が軸線8に対し均一に注入され、この樹脂注入により発生するウェルドライン10は、軸線8に対応する部位、つまり小突起7dの回転支点部8’に集中することとなる。図5(1)に、このような金型を使用して製造されたクランパ7の平面図を示す。この図5(1)から、ウェルドライン10がクランパ7の軸線8が通る回転支点部8’に集中していることが解る。図中符号9aは金型のモールドゲート9に対応してクランパ7に形成されるゲート部位である。
そして、このようなウェルドライン10は、内部に気泡が存在したり、あるいは表面に荒れが生じたりしていることから、摩擦係数が大きくなり、また機械的特性も低下しているため、このようなウェルドライン10が回転支点部8’に存在すると、小突起7dとばね部材5との間の摩擦抵抗が大きくなるため、該小突起7dが早期に摩耗する原因となる。
このように小突起が摩耗すると、前述したようにクランパ7回転時のばね部材5との間の摩擦抵抗が大きくなり、スピンドルモータ2のスムーズな回転が妨げられるとともに、ばね部材5が受ける付勢力の付勢方向が軸線に対して傾くおそれがあり、この場合、耐震性能が悪化して音飛び等の不都合が発生しやすくなる。
図1は本発明の第1実施の形態において使用される金型の要部平面図、図2は本発明の第2の実施の形態において使用される金型の要部平面図、図3は本発明の第2の実施の形態において使用される金型の要部側面図、図4は本発明の第3の実施の形態において使用される金型の要部平面図、図5はウェルドラインの変位を説明するため、クランパを上面から見た模式図である。
本発明におけるクランパを使用するクランプ機構は、基本的には、図6に記載されている従来のクランプ機構と同様な構成を有している。したがって、クランプ機構については、説明を省略する。
本発明の第1の実施の形態に使用される金型は、図1の平面図に示すように、クランパの回転支点に対応する軸線8を中心に等角度で3個のモールドゲート9、9、9’を有している。そして、そのモールドゲートのうちの少なくても1つのモールドゲート9’は、モールドゲートから軸線8までの距離yが、他のモールドゲート9、9での距離xより短く形成されている。
このことにより、ウェルドライン10は、図5(2)に模式的に示したように、小突起7dの回転支点部8’に集中して位置する従来の状態(1)から、小突起7dを外れ、モールドゲート9’とは反対方向に離れた位置に形成される状態となる。つまり、クランパの成型過程において形成されるウェルドライン10は、回転支点部8’から偏倚する部位に位置することとなる。
図5(2)においては、9a及び9a’は、それぞれ金型のモールドゲート9及び9’に対応してクランパ7に形成されるゲート部位であり、モールドゲート9’の対応するゲート部位9a’は、他のモールドゲート9に対応するゲート部位9aよりも軸線8に近い位置に形成されることとなる。
そして、この実施の形態によれば、前記クランパを形成する金型の複数のモールドゲートにそれぞれ対応するゲート部位の少なくとも1つが、他のゲート部位とは前記軸線8から短い距離の位置に形成されることとなる。
本発明の第2の実施の形態に使用される金型は、図2および3に示すように、クランパの回転支点に対応する軸線8を中心に等角度で3個のモールドゲート9、9、9’’を有している。そして、そのモールドゲートのうちの1つのモールドゲート9’’は、そのゲート径の大きさが、他のモールドゲート9、9よりも大きく形成されている。
このことにより、ウェルドライン10は、図5(3)に模式的に示したように、小突起7dの回転支点部8’に位置する従来の状態(1)から、小突起7dを外れた位置に形成される状態となる。つまり、クランパの成型過程において形成されるウェルドライン10は、小突起7dから偏倚する部位に位置することとなる。
図5(3)においては、9a及び9a’’は、それぞれ金型のモールドゲート9及び9’’に対応してクランパ7に形成されるゲート部位であり、モールドゲート9’’に対応するゲート部位9a’’の表面積は、他のモールドゲートに対応するゲート部位9aよりも大きく形成されることとなる。
このように、この実施の形態によれば、前記クランパを形成する金型の複数のモールドゲートにそれぞれ対応するゲート部位の少なくとも1つが、他のゲート部位よりも大きな表面積で設けられることとなる。
このように、複数のモールドゲートを有し、内少なくとも1つのモールドゲートのゲート径を大きくした金型を利用しても、同様の作用効果を得ることができる。
本発明の第3の実施の形態に使用される金型は、図4に示すように、クランパの回転支点に対応する軸線8を中心に等角度で3個のモールドゲート9、9、9’を有している。そして、そのモールドゲートのうちの少なくても1つのモールドゲート9’は、樹脂注入口からモールドゲートまでのランナー11の長さaが他のモールドゲート9、9におけるランナー11の長さbよりも短く形成されている。
本実施の形態において、図中符号12はスプールであり、スプール12の先端から3本のランナー11が分岐し、各ランナー11の先端にモールドゲート9,9’を有するノズルが設けられている。上記樹脂注入口とは、スプール12とランナー11との分岐点を意味している。
このことにより、ウェルドライン10は、図5に模式的に示したように、小突起7dの回転支点部8’に位置する従来の状態(1)から、小突起7dから偏倚した位置に形成される状態(2)となる。つまり、クランパの成型過程において形成されるウェルドライン10は、小突起7dを外れる部位に位置することとなる。
このように、複数のモールドゲートを有し、内少なくとも1つのランナー長さを短くした金型を利用しても、同様の作用効果を得ることができる。
したがって、上記1〜3の実施の形態と同様、ランナー径が太い方のモールドゲート9’からは樹脂が素早く内部に注入されることで、ここから射出された樹脂は、クランパの回転支点部8’を含む成型に寄与することとなる。そして、他方のモールドゲート9、9からは該太い方のモールドゲート9’とは若干遅れて樹脂が注入されるため該回転支点部8’の成型には関与せず、ここから射出された樹脂は該回転支点部8’を含まない成型に寄与することとなる。
このことにより、ウェルドライン10は、図5に模式的に示したように、小突起7dの回転支点部8’に形成される従来の状態(1)から、小突起7dから偏倚した位置に形成される状態(2)となる。つまり、クランパの成型過程において形成されるウェルドライン10は、小突起7dを外れる部位に位置することとなる。
このように、複数のモールドゲートを有し、内少なくとも1つのランナー径を太くした金型を利用しても、同様の作用効果を得ることができる。
2 スピンドルモータ
3 ターンテーブル
4 クランプアーム
5 ばね部材
7 クランパ
7c 膨出部
7d 小突起
8 軸線
8’ 回転支点部
9、9’、9’’モールドゲート
9a、9a’、9a’’ゲート部位
10 ウェルドライン
11 ランナー
D ディスク
Claims (8)
- モータの回転軸に固着されたターンテーブルと、該ターンテーブルに対して接離方向へ移動可能なクランプアームと、該クランプアームに回転自在に支持されたクランパと、該クランパをその軸線方向へ弾性付勢するばね部材とからなるディスククランプ機構に用いられる合成樹脂製のクランパであって、前記クランパの軸線を通る一端部側に、半球状の膨出部と該膨出部の頂部に形成され前記ばね部材が弾接する小突起とを一体に有すると共に、該クランパの成型時のウェルドラインが前記小突起から偏倚して形成されていることを特徴とするクランパ。
- 請求項1に記載の発明において、前記クランパは、該クランパを成型する金型の複数のモールドゲートにそれぞれ対応するゲート部位を有し、該ゲート部位の少なくとも1つが、他のゲート部位とは前記軸線から短い距離の位置に設けられていることを特徴とするクランパ。
- 請求項1に記載の発明において、前記クランパは、該クランパを成型する金型の複数のモールドゲートに対応するゲート部位を有し、該ゲート部位の少なくとも1つが他のゲート部位よりも大きな表面積で設けられていることを特徴とするクランパ。
- モータの回転軸に固着されたターンテーブルと、該ターンテーブルに対して接離方向へ移動可能なクランプアームと、該クランプアームに回転自在に支持されたクランパと、該クランパをその軸線方向へ弾性付勢するばね部材とからなるディスククランプ機構に用いられる合成樹脂製のクランパの製造方法であって、前記クランパの軸線を通る一端部側に半球状の膨出部が形成されるとともに該膨出部の頂部に前記ばね部材に弾接するための小突起が形成され、該クランパ成型時のウェルドラインが前記小突起から偏倚して形成されるようにしたことを特徴とするクランパの製造方法。
- 請求項4に記載の発明において、前記クランパを成型するに際し、複数のモールドゲートを有し、該モールドゲートの少なくとも1つの配置位置を、前記軸線に対して他のモールドゲートの位置とは短い距離の位置に設けた金型を用いることを特徴とするクランパの製造方法。
- 請求項4に記載の発明において、前記クランパを成型するに際し、複数のモールドゲートを有し、該モールドゲートの少なくとも1つのゲート径の大きさを、他のモールドゲートより大きく形成した金型を用いることを特徴とするクランパの製造方法。
- 請求項4に記載の発明において、前記クランパを成型するに際し、複数のモールドゲートを有し、樹脂注入口から該モールドゲートまでのランナーの少なくとも1つの長さを、他の該ランナーより短く形成した金型を用いることを特徴とするクランパの製造方法。
- 請求項4に記載の発明において、前記クランパを成型するに際し、複数のモールドゲートを有し、樹脂注入口から該モールドゲートまでのランナーの少なくとも1つの太さを、他のランナーより太く形成した金型を用いることを特徴とするクランパの製造方法。
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