JP2007245733A - 多次成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】金型のゲート位置やゲート形状を改修することなく溶融樹脂の流動状体を調節して精度の高い多次成形体を提供する。
【解決手段】低次の成形体の外側に熱可塑性樹脂を一体化形成した多次成形体であって前記低次の成形体は、前記熱可塑性樹脂の層にて全体が覆われる突出部をその表面に備えており、前記突出部は、前記熱可塑性樹脂の層のゲート痕が残る位置から該熱可塑性樹脂の層のウェルドラインが形成される部位に至る複数の樹脂層形成経路であって、互いに厚みの異なる樹脂層を形成する経路の内、厚みの厚い樹脂層を形成する経路側に設けられる。
【選択図】図1

Description

本発明は、低次の成形体の外側に熱可塑性樹脂を一体化形成した多次成形体に関する。
低次の成形体の外部に熱可塑性樹脂を一体化成形した多次成形体、例えば、図16に示すように低次の成形体(以下「一次成形体」という)1の上面1aと前部下面1bとに跨って熱可塑性樹脂としての二次成形体2により覆って多次成形体3を形成する場合、図17に示すように一次成形体1の両側部に夫々上端が上面1aに、下端が下面1bに開口する溝1cを設け、図18(a)に示すように金型3の各溝1cと対向して設けたゲート3gから溶融した熱可塑性樹脂を加圧注入して、一次成形体1の上面1aと前部下面1bとを上板2aと下板2bで覆うと共に各溝部1cにおける側部2cにより連設する。このようにして一次成形体1に二次成形体2をインサート成形する。
上述したインサート成形により形成される多次成形体において二次成形体2の一次成形体1の上面1aを覆う上板2aと前部下面1bを覆う下板2bとの板厚が大きく異なる場合、例えば、上板2aに比して下板2bの板厚が薄い場合、図18(a)に示すように金型3と一次成形体1の上面1aとにより画成される空間(隙間)G1と、金型3と前部下面1bとにより画成される空間(隙間)G2とが大きく異なる。
このため、図18(a),(b)に示すようにゲート3gから斜線で示す二次成形用の熱可塑性樹脂を充填すると、流動抵抗の違いにより空間G1側に積極的に充填が行われ、空間G2側には充填され難いという現象が発生し、下板2bが成形され難くなる。これは、充填する樹脂の流れ易さは、成形すべき板厚(樹脂の流れ込む隙間)の4乗に比例するためである。また上板2aと下板2bの板厚によっては、樹脂の流動抵抗のバランスが崩れて金型3全体に樹脂が廻ることなく冷却固化し、一次成形体の変形、この変形に伴う流路狭化により成形品の一部が欠ける所謂ショートモールドが発生する。更に複雑な作用によるショートモールドの例としては、同図(c)に示すように、先ず肉厚の大きい上板2a部分が薄肉の下板2bより先に充填が進み完了し、更に射出充填が進むにつれて上板2aは過充填となり、樹脂内圧が崩れる。その結果、一次成形体1は薄肉部の下板2b方向に変形し、下板2bの肉厚は更に薄くなってショートモールド2dが発生する。
更に図18に示す空間G1及びG2のように偏肉がある場合には、薄肉の空間G2側の金型壁面にゲート(図示せず)を形成し、先ず薄肉部への樹脂充填がなされた後で厚肉部G1へ樹脂が到着して充填されるように構成することも可能である。しかしこのときは空間G2側の成形面にゲート痕が残るので、この面に平面性・平滑性が要求されるような用途(例えば、後述するセンサの検出部)には適用することができない。
また下板2bを充填するために充填圧力を増加させると、一次成形体1が柔らかく強度の弱い樹脂による成形体である場合には、同図(d)に示すように上板2aや側部2cが充填過剰となり、一次成形体1が変形したり破壊されることがある。またゲート3gの位置を板厚の薄い下板2b側(空間G2側)に近づけても、上板2aと下板2bとのバランスを取る効果はあまり期待することができない。更にゲートの位置やゲート径の変更は、金型の改修が困難であり、且つ発生する費用も多大となる。また金型の構造的に変更できない場合も多い等多くの問題がある。
これを解決するために、樹脂の流路を構成する金型壁面に突起を設け、溶融樹脂に対し流体抵抗を与えて偏肉空間への充填バランスを調節する方法を考案したが、成型品を金型から取り出す際に突起が邪魔になって取り出し作業に手間取ること及び成形体の外観に凹部が形成されてしまうことから、製品への適用に制約が生じることが分かった。
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、金型のゲート位置やゲート形状を改修することなく溶融樹脂の流動状体を調節して低次の成形体の外側に設けられる熱可塑性樹脂をショートモールド等の問題を招来することなく精度良く形成した多次成形体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1に記載の多次成形体は、低次の成形体の外側に熱可塑性樹脂を一体化形成したものであって、前記熱可塑性樹脂はその表面に少なくとも2つのゲート痕を有すると共に、1つのゲート痕から他のゲート痕に至る間にウェルドを有し、
特に前記低次の成形体は、前記熱可塑性樹脂の層にて全体が覆われる突出部をその表面に備え、この突出部は上記熱可塑性樹脂の1つのゲート痕から前記ウェルドに至る間に位置することを特徴としている。
また請求項2に記載の多次形成体は、低次の成形体の外側に熱可塑性樹脂を一体化形成したものであって、前記熱可塑性樹脂はその表面に少なくとも2つのゲート痕を有すると共に、1つのゲート痕から他のゲート痕に至る間にウェルドを有し、
特に前記熱可塑性樹脂が互いに肉厚の異なる部分を有し、また前記ウェルドは前記熱可塑性樹脂の肉厚の厚い部分および肉厚の薄い部分のいずれにも位置しており、そして前記低次の成形体は前記熱可塑性樹脂の層にて全体が覆われる突出部をその表面に備え、この突出部は前記各ゲート痕から前記肉厚の厚い部分のウェルドに至る間に位置することを特徴としている。
また請求項3に記載の多次成形体は、表面に露出した電子部品を有する低次の成形体の外側に熱可塑性樹脂を一体化形成したものであって、前記熱可塑性樹脂はその表面に少なくとも2つのゲート痕を有すると共に、1つのゲート痕から他のゲート痕に至る間にウェルドを有し、
特に前記低次の成形体は前記熱可塑性樹脂の層にて全体が覆われる突出部をその表面に備え、この突出部は上記熱可塑性樹脂の1つのゲート痕からウェルドに至る間に位置し、また前記ウェルドは前記電子部品を避けた位置にあることを特徴としている。
上記構成の多次成形体によれば、低次の成形体の外部を覆う熱可塑性樹脂層は、前記低次の成形体の表面に設けられた突出部により流動抵抗を受けて充填率が変化して厚みが調節される。これにより、例えば低次の成形体の外部を覆う熱可塑性樹脂層の部分的に異なる厚み部分がそれぞれ精度よく成形される。
特に熱可塑性樹脂の充填バランスが確保され、前記低次の成形体の表面を覆う樹脂層の厚みを調節することができ、部分的に厚みの異なる樹脂層を精度よく成形することができる。
以下図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明に係る多次成形体の第1の実施形態を示している。多次成形体4は、略直方体形状をなし、低次成形体(以下「一次成形体」という)5の上面5aと前部下面5bとが二次成形体2の上板2aと下板2bとにより覆われ、上板2aと下板2bの両側部が側板2cにより連設されている。上板2aの板厚Tは下板2bの板厚tよりも厚く(T>t)成形されている。
図2に示すように一次成形体5は、前部下面5bが後部下面5b’よりも前記した板2bの板厚tだけ低く形成されており、両側部の略中央に夫々上端が上面5aに、下端が前部下面5bに開口する溝5c,5cが設けられている。これらの溝5cは、二次成形体2を形成する溶融する熱可塑性樹脂の流路とされ、断面形状が一定とされている。そして図2及び図3に示すように各溝5cの上面5a側に開口する上端には、突出部としての凸部5dが設けられている。この凸部5dは、樹脂の流路としての溝5cの堰とされ、当該溝5cを上面5a側に流れる溶融樹脂の流量を制御する。即ち、凸部5dは、二次成形体2を成形する際に熱可塑性樹脂が過充填になると思われる流路に設けられている。本実施の形態の場合、図1に示すように二次成形体2は、上板2aの板厚Tが下板2bの板厚tよりも厚いため、溝5cの上端(上面5a側)に設けられている。
溝5cの凸部5dは、一次成形体5を形成する金型(図示せず)の前記溝5cを成形する凸条部に凹部を設けることで形成される。そこで、前記金型の凸条部に始めは僅かな凹部(小さな凹部)を作ることにより、一次成形体5の溝5cの底面に僅かに凸部(小さな凸部)を作る。そして、二次成形体2の樹脂の流れの変化を確認しながら、徐々に前記凹部を削り込んで凸部を大きくしていき、最も良好な充填バランスを確立する。これにより溶融樹脂の流動状体の調節を容易に行うことができる。この方法によれば、金型に凹み加工を進めていくだけであるため、加工が極めて容易であり、加工費用の発生が少なくて済む。また金型の溶融樹脂を射出するゲート位置、ゲート径、ゲート点数等は、充填バランスやウェルドの発生位置等を考慮して設定される。
一次成形体5の外側に二次成形体2を成形する場合、図4に示すように金型3に一次成形体5を収納する。金型3と一次成形体5の上面5aとにより高さTの上部空間(隙間)G1が、金型3と前部下面5bとにより高さtの下部空間(隙間)G2が画成される。そして金型3のゲート3g,3gから溶融した熱可塑性樹脂を溝5c,5cにそれぞれ加圧注入する。各溝5cに注入された前記樹脂は、当該溝5c内を上・下に向かって流れ、空間G1,G2に充填される。溝5cを上方に向かって流れる前記溶融樹脂は、凸部5dにより流動抵抗を受けて流量が調節され、上下の空間G1,G2(偏肉厚部分)への前記溶融樹脂の充填バランスが確保される。これにより二次成形体2の上板2aおよび下板2bが所定の板厚T,tに正確に成形される。更に充填バランスが保もたれることで、ショートモールドが回避される。
またこの製造方法により、従来は成形ができないと考えられているような充填バランスの悪い形状や、一次成形体として柔らかく強度の弱い樹脂成形体を使用することも可能となる。更に金型のゲート位置や形状では対処することができないような成形体、例えば溶融樹脂の流路の偏肉厚部の成形等も可能となる。
図5は本発明に係る多次成形体の第2の実施形態を示している。第1の実施形態において二次成形体2の樹脂の流路としての一次成形体5の溝5cの深さが一定であっても、断面形状や両端の溝幅が異なる場合における熱可塑性樹脂の充填バランスを確保するようにしたものである。一次成形体6の溝6cは、底面6eが開口端よりも狭く両側面がテーパ状に拡開して断面形状が台形をなし、更に一側開口端6caの溝幅がWa,wa、他側開口端6cbの溝幅がWb(<Wa),wb(<wa)とされている。そして溝6の、例えば底面6eの開口端6ca側寄りに適宜の大きさ及び形状の凸部6dが形成されている。これにより溝6cを流れる溶融樹脂の流量が調節されて、開口端6ca,6cbから充填部に流れ出る樹脂の充填バランスを確保する。尚、凸部6dは、溝6cの底面に限るものではなく側面に設けてもよい。勿論、金型のゲートGの位置、ゲート径、ゲート点数等は、前述したように充填バランスやウェルドの発生位置等を考慮して設定されている。
図6は本発明に係る多次成形体の第3の実施形態を示している。この実施形態は金型3の底部3Bの温度を上部3Aの温度よりも低くする必要のある、例えば底部3Bに一次成形体7の熱に弱い部品が接触するような場合における充填バランスを確保するようにしたものである。この場合、二次成形体2の上板2aの板厚Tと下板2bの板厚tとが同じ板厚(T=t)であっても、金型温度の低い底部3B方向への樹脂の流れが悪くなる。そこで一次成形体7の溶融樹脂流路としての溝7cの一部例えば底面に金型温度の高い上部3A側に適宜の大きさ及び形状の凸部7dを設けて二次成形体の充填バランスを確保するようにしている。尚、凸部7dについては、溝7cの底面に限るものではなく側面に設けても良い。
図7は本発明の第4の実施形態を示し、第1乃至第3の実施形態の場合と反対に一次成形体を二次成形体で覆う際の熱可塑性樹脂の充填バランスを崩して、ウェルド(樹脂の最終結合点)位置を変更するようにしたものである。図7において例えば、一次成形体8に上面8aと接する、或いは上面8aと同一面をなすように電気部品9が含まれている場合、当該電気部品9の付近にウェルドが存在すると耐水性や強度が低下する虞があるために好ましくない。そこで、一次成形体8の溶融樹脂流路としての溝8c、8cの何れか一方の溝8cの一部例えば、底部に適宜の大きさ及び形状の凸部8dを設けて上面8a側と下面8b側に流れる樹脂の充填バランスを崩し、上面8aと下面8bとを覆う上板2aおよび下面2bに形成されるウェルド2aw、2bwの位置を変更して電気部品9から離すようにしたものである。金型3のゲート3gの位置、ゲート径、ゲート点数等は、前述したように充填バランスやウェルド2aw、2bwの発生位置等を考慮して設定されている。これにより、前記電気部品9に対する耐水性や強度を確保することができる。尚、凸部8dは、溝8cの底面に限るものではなく側面に設けても良い。
次に、本発明に係る多次成型体の第5の実施形態を、図8乃至図15を参照して説明する。図8は近接センサの斜視図、図9は図8に示す近接センサの一次成形体の斜視図、図10は、図2に示す近接センサの一次成形体を覆う二次成形体の斜視図である。尚、図10に示す二次成形体は、形状を判り易くするために図8に示す近接センサにおいて図9に示す一次成形体を取り除いた状態を示している。
図8乃至図10に示すように近接センサ(樹脂成形体)10は、近接センサ本体としての一次成形体(樹脂成形体)11、この一次成形体11を覆う外殻としての二次成形体(樹脂成形体)12及び電線13から成る。成形体12の上板12aは一次成形体11の上面11aを覆い、下板12bは前部下面11bを覆う。そして上板12aの板厚Tは、例えば1mm、下面12bの板厚tは上板12aよりも薄く、例えば0.5mmに設定されている。
一次成形体11は、図13および図14に示すように回路基板20に検出コイルを巻回したコア21、発光素子(LED)22、回路素子24等が実装されてインサートされている。電線13は、被覆材14の端末から延出する心線15〜17の端末が回路基板20に接続されている。そして回路基板20および電線13の端末が一次成形用の金型(図示せず)に収納されて一次成形樹脂25が充填され、回路基板20、コア21、発光素子22、および回路素子24等が一体的にモールドされる。
図9に示すように一次成形体11は略直方体形状をなし、回路基板20の後方にネジ取付孔(段差孔)11cが上下に貫通して設けられている。更に二次成形体との密着性の向上及び基板の変形等を防止するために上面11aから回路基板20までテーパ孔11dが複数設けられ(図13)、両側面の前後のそれぞれに溝11e、11fが設けられ、また前面中央に溝11g(図2、図4、図5)が設けられている。溝11gの下端は、前部下面11bに連設されている。上面11aと前部下面11bとを連通する溝11eの上端には凸部11hが設けられて堰が形成されている。この凸部11hは、上面11a側と前部下面11b側に充填される樹脂の流量を調節して、充填バランスを確保するためのものである。
図13に示すように一次成形体11の前部下面11bは、回路基板20に固定されているコア21の端面(検出面)21aと同一面とされ、当該前部下面11bに連設する後部下面11b’は、前部下面11bから所定の高さtに設定されている。前部下面11bの前端近傍左右両側に円柱形状の突起11iが突設されており、その高さは、前部下面11bから前記所定の高さtに設定されている。
一次成形体11を形成する樹脂25は、内蔵される回路基板20及び当該回路基板20に実装されている前記種々の回路部品や電線13の被覆14の端末等を封止して液密に保護すると共に回路基板20との線膨張率の違いによる応力を緩和するために、柔らかい樹脂(例えば、熱可塑性エラストマ系樹脂)が使用されている。また内蔵された発光素子22の光を透過させて外部から視認可能とするために半透明の樹脂が使用されている。
次に一次成形体11を二次成形用の金型(図示せず)に収納し、図11及び図12に示すゲートGe,Gf,Ggから溝11e,11f,11gに二次成形用の溶融した樹脂26を加圧注入して二次成形体12を成形する。この二次成形樹脂26は、一次成形体11を保護する外殻としての強度を確保し、且つ寸法精度を得るために硬い樹脂(例えばPBTやABS樹脂等)が使用される。
ゲートGeから溝11eに注入された樹脂は、図15に示すように一次成形体11の上面11aの前部、孔11d、前部下面11bと各突起11iとの間の空間に充填されて、上板12aの前部、回路基板20の反り等の変形を防止する突起部12d、コア21の端面21aを保護する下板12b、これらの上板12aと下板12bとを連設すると共に前側部の一部を保護する補強部を兼ねた連設部12eをそれぞれ形成する。各突起11iは上面11aの前部に充填される樹脂による変形を防止して、前部下面11bと金型との間の前記空間を所定の間隔tに保持する。また先端部のゲートGgから溝11gに注入された樹脂は、前面の一部を保護する補強部12g及び下板12bの前端部を成形する。ゲートGfから溝11fに注入された樹脂は、上面11aの後部、ネジ取付孔11cの内周面に充填され、これによって上板12aの後部、ネジ取付孔11cの内周面及びネジ頭部と当接する段差面を覆うネジ取付補強部12c、回路基板20の反り等の変形を防止する突起部12d、後側部の一部を保護す補強部12f、電線13の端末を覆う保護部12j等がそれぞれ成形される。
下板12bは、一次成形体11の前部下面11bに密着成形され、且つ左右の突起11iにより板厚が所定の高さtに正確に成形されて下面が後部下面11b’と面一をなしている。これによりコア21の端面(検出面)21aから下板12bの下面までの距離が所定の高さtに精度よく設定され(図15)、近接センサ10の動作距離のバラツキが抑えられる。また下板12bは、前部下面11bに密着成形されることでシール性が確保され、コア21の端面21aが液密に封止される。またネジ取付孔11cの内周面及び段差面を二次成形体の樹脂で覆うことによりその強度が確保され、ネジ等で取り付ける際に近接センサ10の変形や破損等が防止されと共に、電線13の心線15〜17も保護される。
尚、上記では一次成形体に対して二次成形体を形成する実施の形態について説明したが、これに限られるものではなく、この二次成形体に対して更に三次成形体等の多次成形体を形成することも本発明の適用範囲である。
以上説明したように本発明によれば、低次の成形体の外部を覆う熱可塑性樹脂は、前記低次の成形体の表面に設けられた突出部により流動抵抗を受けて充填率が変化し、これにより、偏肉厚部分の充填バランスが保たれ、多次成形体における前記低次の成形体の外部を覆う樹脂層の厚みが部分的に異なる場合でも精度よく成形される。
そして金型のゲートから加圧注入された熱可塑性樹脂は、低次の成形体の表面に設けられた突出部により流動抵抗を受けて充填率が調節されことにより、充填バランスが確保され、多次成形体における前記低次の成形体の表面を覆う樹脂層の厚みが部分的に異なる場合でも精度よく成形することができる。また、前記金型は、低次の成形体表面に形成する突出部に応じて凹加工することで簡単に対処することができ、ゲートの位置や径の変更が不要であり金型のコストを大幅に低減することができる。更に、充填バランスの悪い形状や、低次の成形体に柔らかく強度の弱い材料を使用することも可能となり、種々の多次成形体に容易に対処することができる。
本発明に係る多次成形体の第1の実施形態の斜視図である。 図1に示す多次成形体の低次の成形体の斜視図である。 図2に示す多次成形体の矢線III-IIIに沿う断面図である。 図1に示す多次成形体の製造方法の説明図である。 本発明に係る多次成形体の第2の実施形態を示し、低次の成形体に設けた樹脂流路としての溝の要部を示す斜視図である。 本発明に係る多次成形体の第3の実施形態を示し、低次の成形体に設けた樹脂流路としての溝及び金型の断面図である。 本発明に係る多次成形体の第4の実施形態を示し、低次の成形体に設けた樹脂流路としての溝及び金型の断面図である。 本発明に係る多次成形体の第5の実施形態を示し、多次成形体を適用した近接センサの斜視図である。 図8に示す一次成形体の斜視図である。 図8に示す二次成形体の斜視図である。 図9の矢線XI―XIに沿う内部を省略した断面図である。 図9に示す一次成形体に二次成形体を充填する金型のゲート位置の説明図である。 図9に示す一次成形体の矢線XIII―XIIIに沿う断面図である。 図13に示す一次成形体の矢線XIV-XIVに沿う断面図である。 図8に示す近接センサの矢線XV―XVに沿う断面図である。 従来の多次成形体の斜視図である。 図16に示す低次成形体の斜視図である。 図16に示す多次成形体の製造方法の説明図である。
符号の説明
1、4 多次成形体
2 二次成形体
3 金型
3g ゲート
5〜8 一次成形体(低次成形体)
5c 溝(溶融樹脂流路)
5d,6d,7d,8d 凸部(突出部)
10 近接センサ(多次成形体)
11 一次成形体(樹脂成形体)
11a 上面
11b 前部下面
11b’ 後部下面
11e,11f,11g 溝(溶融樹脂通路)
11h 凸部(突出部)
12 二次成形体(樹脂成形体)
12a 上板
12b 下板
12e 連設部
13 電線
20 回路基板
21 コア
25 一次成形体用樹脂
26 二次成形体用樹脂

Claims (3)

  1. 低次の成形体の外側に熱可塑性樹脂を一体化形成した多次成形体において、
    前記熱可塑性樹脂はその表面に少なくとも2つのゲート痕を有すると共に、1つのゲート痕から他のゲート痕に至る間にウェルドを有し、
    前記低次の成形体は、前記熱可塑性樹脂の層にて全体が覆われる突出部をその表面に備え、この突出部は上記熱可塑性樹脂の1つのゲート痕から前記ウェルドに至る間に位置することを特徴とする多次成形体。
  2. 低次の成形体の外側に熱可塑性樹脂を一体化形成した多次成形体において、
    前記熱可塑性樹脂はその表面に少なくとも2つのゲート痕を有すると共に、1つのゲート痕から他のゲート痕に至る間にウェルドを有し、
    前記熱可塑性樹脂は互いに肉厚の異なる部分を有し、
    前記ウェルドは前記熱可塑性樹脂の肉厚の厚い部分および肉厚の薄い部分のいずれにも位置しており、
    前記低次の成形体は、前記熱可塑性樹脂の層にて全体が覆われる突出部をその表面に備え、この突出部は前記各ゲート痕から前記肉厚の厚い部分のウェルドに至る間に位置することを特徴とする多次成形体。
  3. 表面に露出した電子部品を有する低次の成形体の外側に熱可塑性樹脂を一体化形成した多次成形体において、
    前記熱可塑性樹脂はその表面に少なくとも2つのゲート痕を有すると共に、1つのゲート痕から他のゲート痕に至る間にウェルドを有し、
    前記低次の成形体は、前記熱可塑性樹脂の層にて全体が覆われる突出部をその表面に備え、この突出部は上記熱可塑性樹脂の1つのゲート痕からウェルドに至る間に位置し、
    前記ウェルドは前記電子部品を避けた位置にあることを特徴とする多次成形体。
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