JP3966444B2 - 成形体構造及び成形方法 - Google Patents

成形体構造及び成形方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3966444B2
JP3966444B2 JP2001024507A JP2001024507A JP3966444B2 JP 3966444 B2 JP3966444 B2 JP 3966444B2 JP 2001024507 A JP2001024507 A JP 2001024507A JP 2001024507 A JP2001024507 A JP 2001024507A JP 3966444 B2 JP3966444 B2 JP 3966444B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molded body
resin
protected
molding
primary
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001024507A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002225077A (ja
Inventor
尚 鈴木
洋介 深川
宏治 關
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Azbil Corp
Original Assignee
Azbil Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Azbil Corp filed Critical Azbil Corp
Priority to JP2001024507A priority Critical patent/JP3966444B2/ja
Publication of JP2002225077A publication Critical patent/JP2002225077A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3966444B2 publication Critical patent/JP3966444B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、小型の近接センサ等に適用して好適な成形体構造及び成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
検出スイッチとしての近接スイッチや光電スイッチ等は、種々の環境下で使用されており、例えば水等の液体が使用される製造ラインで用いられる近接スイッチには、機械的強度の他高い防水性が要求される。このような検出スイッチとして、例えば、特開平7−226135号に開示された検出スイッチがある。このものは、図15に示すように本体ケース51の前面開口部52に前面カバー53が組み付けられた素子ブロック54を嵌合した筐体構造を有する。尚、素子ブロック54の上面には表示カバー55が嵌合されている。また本体ケース51と各部品との継目部56である図中二点鎖線で示す領域には接合用溝部57が形成され、弾性樹脂が接合用溝部57を埋めるように金型成形されて弾性結合部58が形成されている。そしてその弾性接合部58により継目部56を被覆した状態で前記本体ケース51に各部品を接合して中空一体化した構成となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来構造の検出スイッチにおいては、電気部品や電子部品等の内蔵する部品を一次成形体であるケース内に組み付けた後に、ケースの外側に結合部を二次成形する作業が必要となり、組立コストが高くなると共に、ケースやフレーム等の部品が多くなりコストが高くなる。また、ケースに前記内蔵部品を後付で組み付けるためにはケースと内蔵部品との間に僅かでも寸法公差が必要であり、ケース材質の樹脂と内蔵部品の表面とが密着していない。このため、内蔵部品を外部環境から保護する性能が低い。特に中空構造では、小型化を進めればシール部の面積を減らさざるを得ないため、シール性が低下する。更に、組立作業性を考慮すると、部品配置に制約が生じるため小型化が困難である。また、ケース部品の板厚は、成形性や必要強度の制約から或る一定値よりも小さくすることができないため、どうしても全体の形状を小型化することができない、等の問題がある。
【0004】
また、上記中空構造に代えて、金型内に置いた内蔵部品の周囲に熱可塑性樹脂を射出成形して一体化する中実一体構造が当然に考えられる。この場合、出来上がった成形体の機械的強度を保つために所定の強さを有する樹脂を用いる必要がある。
しかしながら、このような樹脂は、溶融時にもある程度粘度が高く、金型内へ射出充填するときに比較的高い圧力を必要とするために、内蔵部品が流動する溶融樹脂から力を受けて破損したり、取付位置がずれたりする等の問題がある。また、溶融樹脂の粘度を低下させるためには溶融温度を上昇させる必要があるが、内蔵部品の中に熱による悪影響を受けやすいものがある場合、溶融樹脂の温度を上昇させることは難しいという問題がある。更に、冷却過程における樹脂の体積収縮に伴って発生する内部応力が大きいために、内部部品の破損、特性変化及び取付位置のズレ等を招くという問題もある。
【0005】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたもので、内蔵する部品に悪影響を及ぼす温度よりも低い溶融温度で熱可塑性樹脂を射出成形し、破損や位置ずれを生じることなく内蔵部品と一体化させて外部環境から内蔵部品を保護すると共に、外力に対しても充分に耐え得る機械的強度を備えた成形体構造及び成形方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の成形体構造は、保護対象物体と、この保護対象物体の表面を被覆する樹脂製の第1の成形体と、この第1の成形体の表面を被覆する樹脂製の第2の成形体とを備えて中実一体成形体をなすものであって、
特に前記第1の成形体前記第2の成形体よりも小さい弾性係数の樹脂からなり、その表面から前記保護対象物の表面に達して前記第2の成形体の一部が埋め込まれる孔を有し、
前記第2の成形体は前記第1の成形体の一部を露出させて該第1の成形体に生じる応力を逃がす開口部を有することを特徴とする。
【0007】
請求項2の成形体構造は、請求項1の成形体構造において、前記第1の成形体の一部が、前記第2の成形体の一部と共に外形表面を形成していることを特徴とする。
請求項3の成形体構造は、請求項1の成形体構造において、前記第1の成形体は貫通孔を有し、この貫通孔の内周面も前記第2の成形体で被覆していることを特徴とする。
【0008】
請求項4の成形方法は、保護対象物体を弾性係数の小さい樹脂からなる第1の成形体にて被覆し、この第1の成形体を弾性係数の大きい樹脂からなる第2の成形体にて被覆した中実一体成形体構造体の製造方法であって、
前記保護対象物の表面に達する孔を形成して該保護対象物の表面を覆う前記第1の成形体を金型を用いて射出成形する工程と、射出成形された前記第1の成形体の一部を露出させ、且つ前記孔に埋め込まれると共に前記第1の成形体のその他の表面領域を覆う前記第2の成形体を金型を用いて射出成形する工程とを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば保護対象物体第1の成形体により被覆し、弾性係数の小さい第1の成形体を弾性係数の大きい第2の成形体により被覆して保護する中実一体成形体を実現するにに際し、第1の成形体の一部が第2の成形体に覆われることなく露出しており、第2の成形体と共に外形表面を形成して応力開放構造となっているので、保護対象に与える悪影響を回避しつつその一体成形を可能とする。また第1の成形体に設けられて前記保護対象物の表面に達する孔にも第2の成形体が埋め込まれるので、第1および第2の成形体の密着性が高められ、更には孔に埋め込まれた第2の成形体によって前記保護対象物を正確に位置決めすることができる。
また、第1の成形体の貫通孔の内周壁についても第2の成形体で被覆しているので、その強度を確保し、ネジ等で取り付ける際にネジ頭の下面接触部及び貫通するネジ軸部等による保護対象物体の変形や破損等を防止することができる
【0010】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明に係る成形体構造の第1の実施形態を示す近接センサの斜視図、図2は図1に示す近接センサの一次成形体の斜視図、図3は、図2に示す近接センサの一次成形体を覆う二次成形体の斜視図である。尚、図3に示す二次成形体は、形状を判り易くするために図1に示す近接センサにおいて図2に示す一次成形体を取り除いた状態を示している。
【0011】
図1乃至図3に示すように近接センサ(樹脂成形体)10は、近接センサ本体としての一次成形体(第1の樹脂成形体)11、この一次成形体11を覆う外殻としての二次成形体(第2の樹脂成形体)12及び電線13から成る。
一次成形体11は、インサート部品の封止を目的とし、成形樹脂としてゴム弾性を有する熱可塑性エラストマ樹脂が使用される。また、二次成形体12は、近接センサ10の筺体化を目的として、当該センサ筺体に要求される仕様を満たす成形樹脂が選択され、2回の成形により、前記インサート部品にダメージを与えることなく、封止及びセンサの筺体化を実現する中実一体成形構造とするものである。尚、一次成形樹脂と二次成形樹脂間に密着性が得られるものを選定することは勿論である。
【0012】
熱可塑性エラストマ樹脂は、周知のようにゴムとプラスチックの両方の特性を有し、プラスチックと同じ成形加工性を有し、しかも、ゴム状弾性を具備した高分子材料で、常温では、加硫ゴムと同じ性質を示し、高温では可塑化されて一般の射出成形機で成形することができる。代表的な熱可塑性エラストマ樹脂として、スチレンブタジェン系(TPS)、オレフィン系(TPO)、ポリエステル系(TPEA)、ポリウレタン系(TPU)や、塩化ビニル系(TPVC)、ポリアミド系(TPEA)、フッ素ゴム系等がある。これらの、熱可塑性エラストマ樹脂は、弾性係数が小さい(例えば、縦弾性係数45〜460MPa)反面、線膨張係数は大きい(例えば、8×10-5〜20×10-5[K-1])。尚、本明細書の弾性係数(弾性定数ともいう)は、垂直応力と垂直歪みとの比例定数である縦弾性係数(ヤング率)、剪断応力と剪断歪みとの比例定数である剪断弾性係数、曲げ応力と曲げ歪みとの比例定数である曲げ弾性係数などの総称であって、この弾性係数の値が大きい材料ほど一定荷重に対する変形が小さいということを表すものである。
【0013】
また、熱可塑性エラストマ樹脂は、縦弾性係数が構造材や耐熱、耐靱性の高い材料、部品等に使用されるエンジニアリングプラスチック(例えば、PBT、ABS、PC等)の縦弾性係数(例えば、2000〜6000MPa)に比べて小さいため、インサート部品や二次成形体12の二次成形樹脂との線膨張係数の違いを吸収し、温度変化による一次、二次成形樹脂間の密着性の低下、クラックの発生等を抑制することができる。また、熱可塑性エラストマ樹脂は、通常、ガラス転移点がセンサ使用温度以下であるため、インサート部品に加わる熱応力の絶対値そのものを低減することができる。即ち、ガラス転移点は、流動性がなくなる温度としてみることができる。ガラス転移点がセンサ使用室温以下ということは、センサ使用時(ガラス転移点より高い温度)に応力が発生してもそれに応じて成形樹脂が変形することができるので、残留応力が発生し難い。
【0014】
さて、一次成形体11は、図4に示すように電気部品や電子部品としての検出コイルを巻回したコア21、発光素子(LED)22及び他の回路素子24等が実装された回路基板20がインサートされている。この回路基板20は、例えば、ガラス・エポキシ基板の表面に導電性のプリントパターンを形成したもので、上記電気部品や電子部品をハンダ付けやワイヤラッピング等で固定してある。電線13は、被覆材14の端末14aから引き出された心線15〜17の端末が回路基板20に接続されている(図6)。また、一次成形体11としては、内蔵された発光素子22の光を透過させて外部から視認可能とするために半透明の樹脂(例えば、ポリエステル系エラストマの場合には非晶性のエラストマに結晶性樹脂を配合したアロイ材料)が使用されている。
【0015】
回路基板20及び電線13の端末は、一次成形用の金型(図示せず)に収納され、電線13の被覆14の端末近傍部分14bがカシメられてくびられ、前述した熱可塑性エラストマ樹脂である一次成形樹脂25が充填される。この一次成形樹脂25は、回路基板20、コア21、発光素子22、回路素子24間の隙間に充填され、且つこれらの内蔵する部品の近傍に達したときにその耐熱温度よりも低くなるような溶融温度で充填される。例えば、摂氏250度の溶融樹脂を金型内に注入すると流路中で溶融樹脂のスキン層が冷却されると共にコア層は高温に保たれつつ部品近傍まで流動し、部品近傍に至った時点でスキン層は摂氏90度程度になっており、このスキン層が耐熱温度摂氏100度の部品に接触しても問題は生じない。また、このときスキン層が断熱作用を発揮するため、高温に保たれたコア層からの熱が直接部品に届くことがなく悪影響を及ぼさない。熱可塑性エラストマは、比較的低温の溶融状態にあっても流動性が良いため、比較的低い圧力で射出することが可能であり、溶融樹脂の流れによって内蔵部品の破損や位置ずれを生じることなく一体的にモールドすることができる。
【0016】
また、一次成形樹脂25は、被覆材14の開口する端末14aから内部に入り込み、端末近傍部分14bがカシメられているために当該部分14bから内部への侵入を阻止され、前記カシメられた部分14bから端末14aに向かって拡開する略ラッパ状に押し広げられる。勿論、端末14aにおける心線15〜17の間にも一次成形樹脂25が入り込む。これにより、電線13の一次成形体11からの引き抜き強度(引張強度)が大幅に向上すると共に、インサート部品のシール性が確保される。このようにして、一次成形体11が成形される。
【0017】
図2及び図4に示すように一次成形体11は、略直方体形状をなし、回路基板20の後方に上面11aと後部下面11b'とを貫通してネジ取付孔(段差孔)11cが設けられており、更に、二次成形体12との密着性の向上及び回路基板20の変形等を防止すると共に回路基板20の位置決めを行うために上面11aから回路基板20までテーパ孔11dが複数設けられ、両側面の前、後に夫々溝11e、11fが、前面中央に溝11gが設けられている。溝11gの下端は、前部下面11bに連設されている。
【0018】
図4に示すように一次成形体11の前部下面11bは、回路基板20に固定されているコア21の端面(検出面)21aと同一面とされ、当該前部下面11bに連設する後部下面11b'は、前部下面11bから所定の高さtに設定されている。この前部下面11bは、基準面とされる(以下「基準面11b」という)。基準面11bの前端近傍の左右両側に円柱形状の突起11i、11iが突設されており、その高さは、基準面11bから前記所定の高さtに設定されている。
【0019】
次に、一次成形体11を二次成形用の金型(図示せず)に収納し、両側部の溝11e、11f、前面の溝11gに対向して設けられた各ゲートから二次成形用の溶融した成形樹脂26を加圧注入して二次成形体12を成形する。この二次成形樹脂26は、一次成形体11を保護する外殻としての強度を確保し、且つ寸法精度を得るために硬い樹脂が使用される。
【0020】
前述したように、一次成形体11に使用する熱可塑性エラストマ樹脂は、縦弾性係数が小さい反面、線膨張係数は大きいため、センサパッケジにおいて二次成形体12で一次成形体11の外周面の全てを覆って拘束する密封構造を採用すると、周囲の温度変化によって発生した歪みが全て一次成形体11の内部応力となり、インサート部品に大きな応力を与えることとなる。
【0021】
そこで、本発明では、二次成形体12を機械的強度、寸法精度の必要な部分のみに制限する応力開放構造としたものである。即ち、一次成形体11に対して決まった領域を開放し、その部分において周囲温度変化に伴って一次成形体が膨張・収縮することを許容することで、一次成形体11のインサート部品に発生する熱応力を外部に発散できる構造としている。代表的な二次成形樹脂として、PBT、ABS、PC等がある。これらの二次成形樹脂26は、一次成形樹脂25に比べて縦弾性係数が大きい(例えば、2000〜6000MPa)。
【0022】
図3、図7及び図8に示すように二次成形体12は、一次成形体11の上面11aを保護する上板12a、基準面11bと各突起11iとの間に生じさせた空間に充填されコア21の端面21aを保護する下板12b、ねじ取付孔11cの内周面及びネジ頭部と当接する段差面を覆うネジ取付補強部12c、上面11aの各孔11dに充填されて回路基板20の反り等の変形を防止する突起部12d、両側部の溝11eに充填されて上板12aと下板12bとを連設すると共に前側部の一部を保護する補強部を兼ねた連設部12e、両側部の溝11fに充填されて後側部の一部を保護する補強部12f、前面の溝11eに充填されて前面の一部を保護する補強部12g、及び電線13の被覆材14の端末近傍部分14bを覆う保護部12j等からなる。
【0023】
二次成形体12の下板12bは、一次成形体11の基準面11bに密着成形され、左、右の突起11i、11iにより板厚が所定の高さtに正確に成形されて下面が後部下面11b'と面一をなしている。各突起11iは、上面11aの前部に充填される樹脂による変形を防止して前部下面11bと金型との間の前記空間を所定の間隔tに保持する。これにより、コア21の端面(検出面)21aから下板12bの下面までの距離が前記所定の高さtに精度よく設定され(図7)、近接センサ10の動作距離のバラツキが抑えられる。また、下板12bは、基準面11bに密着成形されることでシール性が確保され、コア21の端面21aが液密に封止される。
【0024】
また、図7乃至図9に示すようにネジ取付孔11cの内周面及び段差面を二次成形体12の補強部12cにより覆うことで強度が確保され、ネジ40(図9)で取り付ける際にネジ頭40aの下面接触部及び貫通するネジ軸部40b等による近接センサ10の変形や破損等が防止されると共に、電線13の心線15〜17が保護され、シール性も確保される。尚、補強部12cは、円筒部分に、軸方向に沿う長孔を周方向に間隔を存して複数設けてもよく、或いは、小孔を多数メッシュ状に設けてもよい。
【0025】
また、二次成形体12のネジ取付孔11c内周面を覆う補強部12cとしては、図10(a)、或いは(b)のような形状としてもよい。更に、補強部12cの内周面に雌ネジを刻設してもよい。
このようにして、近接センサ10は、一次成形体11と二次成形体12とにより、センサ封止に求められるシール性と強度の機能を満たす構造体とされ、線膨張係数の大きい一次成形体11によりインサート部品を封止し、このインサート部品から発生する熱応力を二次成形体12の一部を開放構造とすることにより緩和する。更に、一次成形体11に縦弾性係数(ヤング率)の小さいものを使用することにより、前記インサート部品(内蔵物)や二次成形体12との線膨張係数の違いにより生じる密着性の剥離を回避している。このような構造とすることにより、近接センサ10の中実構造が図られる。尚、図1に示すように二次成形体12の上板12aに二点鎖線で示すように窓(開口部)12mを設け、更なる開放構造としてもよい。
【0026】
図11は、第2の成形体の第2の実施形態を示し、二次成形体として板金性の筺体28としたものである。即ち、金属板をプレス加工して上板28aの両側部に補強用の支持部28bを複数形成して夫々一側に直角に折曲し、更にこれら支持部28の先端28cを内側に直角に折曲して筺体28を形成する。そして、前述したように形成した一次成形体(図示せず)に筺体28を嵌めるように組み付ける。また、必要に応じてゴム系接着剤を用いて一次成形体と筺体28とを接着しても良い。鋼板の縦弾性係数は、200GPa程度であり、このように二次成形体を板金性の筺体とすることで、強度を充分に確保することが可能である。また、コストの低減も図られる。更に、一次成形体の形状も簡単にすることができ、成形が容易となる。
【0027】
図12及び図13は、本発明の第3の実施形態を示し、成形体構造としての近接センサ30の一次成形体31は、円盤状をなし、保護物体として例えば、高透磁率フェライト製ボビンにウレタン被覆導線を巻回して形成したターン巻きコイル33がインサートされており、中央に上面31a、下面31bを貫通して設けられた段差状をなすネジ取付孔31cの内周面が二次成形体32で被覆された構造としたものである。これにより、ネジ取付孔31cの内周面及び段差面の強度が確保され、ネジ40で取り付ける際にネジ頭40aの下面接触部及び貫通するネジ軸部40b等による近接センサ30の変形や破損等が防止されと共に、コイル33も保護され、且つシールされる。
【0028】
尚、ネジ取付孔31cとしては、図14(a)のように内周面の中央部を全周に亘り張り出させて環状の凸条とし、或いは同図(b)のように単なる孔とし、夫々二次成形体32により内周面を被覆するようにしてもよい。これら一次成形体31のネジ取付孔31cの形状や、その内周面を被覆する二次成形体32の形状は、使用目的に応じて成形すればよい。また、二次成形体32の内周面に雌ネジを刻設してもよい。
【0029】
尚、上記実施の形態においては、一次成形体の材料として熱可塑性エラストマを用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。即ち、一次成形体を成形するに当たって保護対象物体が破損せず、且つ熱応力による悪影響を許容できる範囲であれば、前述したエンジニアリングプラスチック等で一次成形体を成形することも本発明の適用範囲である。また、上記実施の形態においては、近接スイッチや光電スイッチ等の検出スイッチを例示したが、本発明の適用範囲はこれに留まるものではない。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1に係わる成形体構造又は請求項4に係わる成形方法によれば、保護対象物体を第1の成形体により被覆し、第2の成形体により保護することができ、且つ前記保護対象物体や第2の成形体との線膨張係数の違いによって保護対象物体へ及ぼされる悪影響を回避しつつ一体成形を可能とすることができる。これにより、保護対象物体としての近接センサ等の組立作業の容易化又はシール性能の向上又は更なる小型化を図ることが可能となる。請求項2の成形体構造は、前記第1の成形体の一部が、前記第2の成形体の一部と共に外形表面を形成していることで、応力開放構造とすることができ、これにより、保護対象物体としての近接センサ等の組立作業の容易化又はシール性の向上又は更なる小型化を図ることが可能となる。
【0031】
請求項3の成形体構造は、前記第1の成形体は貫通孔を有し、この貫通孔の表面の少なくとも一部を前記第2の成形体で被覆していることで、強度が確保され、ネジ等で取り付ける際にネジ頭の下面接触部及び貫通するネジ軸部等による変形や破損等が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る成形体構造の第1の実施形態を示し、近接センサの斜視図である。
【図2】図1に示す近接センサの一次成形体の斜視図である。
【図3】図2に示す近接センサの一次成形体を覆う二次成形体の斜視図で、図1に示す近接センサにおいて図2に示す一次成形体を取り除いた状態を示す。
【図4】図2に示す一次成形体の矢線IV−IVに沿う断面図である。
【図5】図4に示す一次成形体の底面図である。
【図6】図4に示す一次成形体の矢線VI−VIに沿う断面図である。
【図7】図1に示す近接センサの矢線VII−VIIに沿う断面図である。
【図8】図7に示す近接センサの矢線VIII−VIIIに沿う断面図である。
【図9】図7に示す近接センサの矢線IX―IXに沿う断面図である。
【図10】図9に示すネジ取付孔の補強部の他の実施例を示す断面図である。
【図11】本発明の第2の成形体の他の実施例を示す斜視図である。
【図12】本発明に係る成形体構造の第2の実施形態を示す平面図である。
【図13】図12の矢線XIII-XIIIに沿う断面図である。
【図14】図12の二次成形体の他の実施例を示す断面図である。
【図15】従来の検出スイッチの一例を示す断面図である。
【符号の説明】
10、30 近接センサ(成形物体)
11、31 一次成形体(第1の成形体)
11a 上面
11b 前部下面
11b' 後部下面
11c ネジ取付孔
12、32 二次成形体(第2の成形体)
12a 上板
12b 下板
12c、12e、12f 補強部
13 電線
20 回路基板(保護対象物体)
21 コア(保護対象物体)
22 発光素子(保護対象物体)
24 回路素子(保護対象物体)
28 筺体(第2の成形体)
33 コイル(保護対称物体)
40 ネジ

Claims (4)

  1. 保護対象物体と、この保護対象物体の表面を被覆する樹脂製の第1の成形体と、この第1の成形体の表面を被覆する樹脂製の第2の成形体とを備えて中実一体成形体をなす成形体構造であって、
    前記第1の成形体前記第2の成形体よりも小さい弾性係数の樹脂からなり、その表面から前記保護対象物の表面に達して前記第2の成形体の一部が埋め込まれる孔を有し、
    前記第2の成形体は前記第1の成形体の一部を露出させて該第1の成形体に生じる応力を逃がす開口部を有することを特徴とする成形体構造。
  2. 前記第1の成形体の一部が、前記第2の成形体の一部と共に外形表面を形成していることを特徴とする請求項1記載の成形体構造。
  3. 前記第1の成形体は貫通孔を有し、前記第2の成形体は上記貫通孔の内周面も被覆していることを特徴とする請求項1に記載の成形体構造。
  4. 保護対象物体を弾性係数の小さい樹脂からなる第1の成形体にて被覆し、この第1の成形体を弾性係数の大きい樹脂からなる第2の成形体にて被覆した中実一体成形体構造体の製造方法であって、
    その表面から前記保護対象物の表面に達して前記第2の成形体の一部が埋め込まれる孔を有すると共に前記保護対象物の表面の全てを覆う前記第1の成形体を金型を用いて射出成形する工程と、射出成形された前記第1の成形体の一部を露出させ、且つ該第1の成形体の、前記孔を含むその他の表面領域を覆う前記第2の成形体を金型を用いて射出成形する工程とを備えることを特徴とする成形方法。
JP2001024507A 2001-01-31 2001-01-31 成形体構造及び成形方法 Expired - Fee Related JP3966444B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001024507A JP3966444B2 (ja) 2001-01-31 2001-01-31 成形体構造及び成形方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001024507A JP3966444B2 (ja) 2001-01-31 2001-01-31 成形体構造及び成形方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002225077A JP2002225077A (ja) 2002-08-14
JP3966444B2 true JP3966444B2 (ja) 2007-08-29

Family

ID=18889638

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001024507A Expired - Fee Related JP3966444B2 (ja) 2001-01-31 2001-01-31 成形体構造及び成形方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3966444B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7035680B2 (ja) * 2018-03-22 2022-03-15 日立金属株式会社 樹脂成形体付きケーブル
CN108973034A (zh) * 2018-09-01 2018-12-11 苏州百盛精密工业有限公司 集成式冷却分流块及其生产工艺
JP7394565B2 (ja) * 2019-09-13 2023-12-08 株式会社タムラ製作所 リアクトル

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002225077A (ja) 2002-08-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4396702B2 (ja) 複合モールド品
CN110290306B (zh) 一种摄像头模组及其制作方法、电子设备
WO2011007385A1 (ja) 車両状態検出装置および製造方法
JP2009266195A (ja) 電子装置の筐体及びその製造方法
US20050112944A1 (en) Connector
KR101254205B1 (ko) 내수성 영역을 구비한 다발 연성 회로기판 기반 평면 케이블
CN106461439A (zh) 电路基板的安装构造、使用了该结构的传感器
JP5166815B2 (ja) 筐体の製造方法および金型
CN102202472A (zh) 电子装置外壳及其制造方法
JP3966444B2 (ja) 成形体構造及び成形方法
JPH11254476A (ja) 電気・電子部品の樹脂封止成形品の製造方法
JP4942541B2 (ja) 電気電子モジュールおよびその製造方法
JP2002134945A (ja) 殻付電子部品の製法
JP5640871B2 (ja) 樹脂成形品およびその製造法
JP2022090221A (ja) 電子部品付き樹脂筐体およびその製造方法
JP5089321B2 (ja) 筐体および電子機器
KR102097993B1 (ko) 방수성 및 내구 신뢰성을 갖는 접속단자 일체형 인몰드 전자회로 성형물
JP4003862B2 (ja) 成形体
CN216487561U (zh) 线圈组件及具有其的电子膨胀阀
JP3966445B2 (ja) 近接センサ
JP2002225067A (ja) 多次成形体及びその製造方法
WO2021246167A1 (ja) 複合成形部品
JPH03257734A (ja) 電子スイッチ
JP3407196B2 (ja) 近接スイッチの製造方法
JPH10321101A (ja) 近接スイッチ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040601

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051003

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051026

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051216

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070509

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7426

Effective date: 20070524

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070524

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100608

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110608

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120608

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130608

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees