JP2009274613A - シートベルトリトラクタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】加速度センサ100が、シートバッグと一体的に傾動するセンサホルダ10と、センサホルダに、シートバックSの傾動方向に沿った面内において加速度の作用する方向に応じて自由に揺動するように支持され、シートバックSの傾動時にセンサホルダに対して揺動することで、慣性体支持部22aを常時水平に保持するセンサケース20と、慣性体支持部に、加速度の作用する方向に応じて自由に揺動するように支持され、センサケースの揺動する加速度よりも小さい水平方向の加速度に応答して揺動する慣性体30と、慣性体が所定量を超えて揺動した際の動きで、第1センサレバー50をロック側へ作動させるカム機構(突起部33、凹部44、凸部45)と、を具備する。
【選択図】図5
Description
(1) 水平方向の加速度を検出する加速度センサと、該加速度センサによって検出される加速度に応じて、シートベルトの引出動作をロックするロック機構とを備えており、リクライニング式の車両用シートのシートバックに内蔵されるシートベルトリトラクタにおいて、
前記加速度センサが、
前記シートバックと一体的に傾動するセンサホルダと、
前記シートバックの傾動方向に関わらず、自重により慣性体支持部を常時水平に保持すべく、該センサホルダに加速度の作用する方向に応じて自由に揺動するように支持されるセンサケースと、
前記慣性体支持部に、加速度の作用する方向に応じて自由に揺動するように支持され、前記センサケースの揺動する加速度とは異なった水平方向の加速度に応答して揺動する慣性体と、
該慣性体が所定量を超えて揺動した際の動きで、前記ロック機構をロック側へ作動させる作動手段と、
を具備することを特徴とするシートベルトリトラクタ。
(2) 前記ロック機構と前記慣性体との間に、前記センサケースに回動可能に支持された状態で、前記ロック機構をロック状態にするためのレバーが設けられており、
そのレバーと前記慣性体との当接面に、前記作動手段として、前記慣性体の揺動量が前記所定量以内にあるときに前記レバーを定位置に維持する第1案内部と、前記慣性体の揺動量が前記所定量を超えたときに前記レバーを前記定位置から前記ロック機構を作動する作動位置まで変位させる第2案内部と、が設けられていることを特徴とする(1)に記載のシートベルトリトラクタ。
(3) 前記レバーと前記慣性体との当接面の一方に、前記作動手段の要素としての突起部が設けられ、他方に、前記突起部を受け入れる前記第1案内部としての凹部と、前記突起と干渉することで前記レバーを前記ロック機構を作動する作動位置まで変位させる前記第2案内部としての凸部が設けられていることを特徴とする(2)に記載のシートベルトリトラクタ。
(4) 前記慣性体は、前記慣性体の揺動中心と該慣性体の重心位置との間の距離を調節可能な構造であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のシートベルトリトラクタ。
(5) 前記慣性体が、上部の揺動球と、下部に設けられたウエイト部と、前記揺動球とウエイト部とを繋ぐ首部とを有し、
前記首部は、前記揺動球と前記ウエイト部との間の距離を調節可能であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載のシートベルトリトラクタ。
(6) 前記センサケースの底部に、前記揺動球より小径で前記首部より大径の円孔が開けられ、
前記慣性体が、前記揺動球をセンサケース内に収容し、前記首部を前記円孔に通し、前記ウエイト部をセンサケースの下方に延ばした状態で、センサケースに組み付けられ、且つ、前記揺動球の下面が、前記円孔の周縁に形成された凸曲面状の前記慣性体支持部に載置されることで、前記センサケースに揺動自在に支持されていることを特徴とする(5)に記載のシートベルトリトラクタ。
(7) 前記慣性体の揺動中心と該慣性体の重心位置との間の距離が、前記センサケースの揺動中心と該センサケースと一体的に揺動する全部材の重心位置との間の距離よりも長く設定されていることにより、前記センサケースの揺動する加速度よりも、前記慣性体が揺動する加速度の方が小さく設定されていることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載のシートベルトリトラクタ。
また、減速を受けた際に、センサケースの揺動する加速度とは異なった水平方向の加速度に応答して慣性体が揺動を始めるので、センサケースの動きに妨げられずに、慣性体の動きに応じてロック機構を作動させることができる。即ち、従来のシートベルトリトラクタでは、緩やかな減速を受けた際にセンサケースごと先に傾いてしまうことによって、次に引き続いて急激な減速を受けた際にボール(慣性体)が動きづらくなってしまい、ロック遅れを生じることがあったが、本発明の場合は、慣性体が最初からセンサケースよりも先に揺動することにより、センサケースの動きに影響されずに、慣性体の揺動に応じて、ロック機構を迅速に作動させることができる。
具体的な動きとしては、緩やかな減速時には、慣性体が小さく揺れ、揺れが所定量を超えないので、ロック機構はロック作動しないが、急な減速時には、慣性体が大きく揺れ、その揺れが所定量を超えた段階で、ロック機構がロック作動する。従って、緩減速から急減速に移行した場合にも、慣性体の揺れの大きさに応じてロックが行われることになり、シートベルトのロック遅れが生じることがない。その場合、緩減速時と急減速時に慣性体が同じ方向に揺動するので、作動性が良好である。また、センサホルダとセンサケースと慣性体と作動手段だけで加速度センサを構成しているので、部品点数が少なくて済み、コンパクト化に貢献することもできる。
第1実施形態のシートベルトリトラクタは、リクライニング式の車両用シートのシートバックS(図3参照。)に取り付けられるもので、図1に示すように、シートバックSに固定されるリトラクタフレーム1を備えており、リトラクタフレーム1には、シートベルト(図示せず)を巻き取るスピンドル2が回転可能に支持されている。スピンドル2の軸方向の一端側には、スピンドル2をシートベルトの巻取り方向に付勢するリトラクタスプリング(図示略)が連結され、該リトラクタスプリングは、カバー(図示略)に収容された状態でリトラクタフレーム1に取り付けられている。
このため、首部34は、その長さを変更することで、揺動球31とウエイト部32との間の距離を調節可能であり、また、慣性体30の重心位置G1を調節することができる。
なお、本実施形態では、センサケース20と第2センサレバー40を合わせた部品の重心位置G2が、センサケース20の揺動中心より上側に設定されているが、センサケース20と第2センサレバー40を合わせた部品の重心位置G2は、センサケース20の揺動中心の僅か下側に設定されて、上記の条件を成立させてもよい。
シートベルトリトラクタが基準姿勢にあるときは、図3に示すように、慣性体30は揺動しておらず、センサケース20は、自身の重量と慣性体30の重量を受けることにより、一定の姿勢を保持している。この状態から、図4に示すように、シートバックSをリクライニング姿勢にすると、リトラクタフレーム1に固定されたセンサホルダ10が、シートバックSと一体的に傾動する。その際、センサケース20は、自身の重量と慣性体30の重量を受けて、センサホルダ10に対して揺動し、慣性体支持部22aを水平に保持するように一定の姿勢を保つ。このように、シートバックSのリクライニング角度に関わらず、慣性体支持部22aを常時水平に保つことができるので、リクライニング角度に関わらず、加速度に適正に反応して、シートベルトの引き出しをロックすることができる。
次に、本発明の第2実施形態に係るシートベルトリトラクタについて、図7〜10を参照して説明する。なお、本実施形態においては、慣性体の構成において、第1実施形態と異なる。そのため、同一部分については、同一符号を付して説明を省略或いは簡略化する。
第1実施形態と同様、シートベルトリトラクタが基準姿勢にあるときは、図7に示すように、慣性体30aは揺動しておらず、センサケース20は、自身の重量と慣性体30aの重量を受けることにより、一定の姿勢を保持している。この状態から、図8に示すように、シートバックSをリクライニング姿勢にすると、リトラクタフレーム1に固定されたセンサホルダ10が、シートバックSと一体的に傾動する。その際、センサケース20は、自身の重量と慣性体30aの重量を受けて、センサホルダ10に対して揺動し、慣性体支持部22aを水平に保持するように一定の姿勢を保つ。このように、シートバックSのリクライニング角度に関わらず、慣性体支持部22aを常時水平に保つことができるので、リクライニング角度に関わらず、加速度に適正に反応して、シートベルトの引き出しをロックすることができる。
また、慣性体は、慣性体の揺動中心と慣性体の重心位置との間の距離を調節可能な構造であればよく、本実施形態の首部の長さを変えることや、揺動球とウエイト部とを材質の異なる別部材とすることで構成されてもよい。
10 センサホルダ
20 センサケース
22 円孔
22a 慣性体支持部
30 慣性体
31 揺動球
32 ウエイト部
33 突起部(作動手段)
34 首部
44 凹部(第1案内部、作動手段)
45 凸部(第2案内部、作動手段)
40 第2センサレバー
50 第1センサレバー(ロック機構)
100 加速度センサ
Claims (7)
- 水平方向の加速度を検出する加速度センサと、該加速度センサによって検出される加速度に応じて、シートベルトの引出動作をロックするロック機構とを備えており、リクライニング式の車両用シートのシートバックに内蔵されるシートベルトリトラクタにおいて、
前記加速度センサが、
前記シートバックと一体的に傾動するセンサホルダと、
前記シートバックの傾動方向に関わらず、自重により慣性体支持部を常時水平に保持すべく、該センサホルダに加速度の作用する方向に応じて自由に揺動するように支持されるセンサケースと、
前記慣性体支持部に、加速度の作用する方向に応じて自由に揺動するように支持され、前記センサケースの揺動する加速度とは異なった水平方向の加速度に応答して揺動する慣性体と、
該慣性体が所定量を超えて揺動した際の動きで、前記ロック機構をロック側へ作動させる作動手段と、
を具備することを特徴とするシートベルトリトラクタ。 - 前記ロック機構と前記慣性体との間に、前記センサケースに回動可能に支持された状態で、前記ロック機構をロック状態にするためのレバーが設けられており、
そのレバーと前記慣性体との当接面に、前記作動手段として、前記慣性体の揺動量が前記所定量以内にあるときに前記レバーを定位置に維持する第1案内部と、前記慣性体の揺動量が前記所定量を超えたときに前記レバーを前記定位置から前記ロック機構を作動する作動位置まで変位させる第2案内部と、が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のシートベルトリトラクタ。 - 前記レバーと前記慣性体との当接面の一方に、前記作動手段の要素としての突起部が設けられ、他方に、前記突起部を受け入れる前記第1案内部としての凹部と、前記突起と干渉することで前記レバーを前記ロック機構を作動する作動位置まで変位させる前記第2案内部としての凸部が設けられていることを特徴とする請求項2に記載のシートベルトリトラクタ。
- 前記慣性体は、前記慣性体の揺動中心と該慣性体の重心位置との間の距離を調節可能な構造であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のシートベルトリトラクタ。
- 前記慣性体が、上部の揺動球と、下部に設けられたウエイト部と、前記揺動球とウエイト部とを繋ぐ首部とを有し、
前記首部は、前記揺動球と前記ウエイト部との間の距離を調節可能であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のシートベルトリトラクタ。 - 前記センサケースの底部に、前記揺動球より小径で前記首部より大径の円孔が開けられ、
前記慣性体が、前記揺動球をセンサケース内に収容し、前記首部を前記円孔に通し、前記ウエイト部をセンサケースの下方に延ばした状態で、センサケースに組み付けられ、且つ、前記揺動球の下面が、前記円孔の周縁に形成された凸曲面状の前記慣性体支持部に載置されることで、前記センサケースに揺動自在に支持されていることを特徴とする請求項5に記載のシートベルトリトラクタ。 - 前記慣性体の揺動中心と該慣性体の重心位置との間の距離が、前記センサケースの揺動中心と該センサケースと一体的に揺動する全部材の重心位置との間の距離よりも長く設定されていることにより、前記センサケースの揺動する加速度よりも、前記慣性体が揺動する加速度の方が小さく設定されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のシートベルトリトラクタ。
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