JP2009272974A - 車両アンテナ構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】トランクリッド12を、外面パネル21とこの外面パネル21の内側に配置される内面パネル22とで形成し、この内面パネル22の凹部23にアンテナ体13を配置するとともに、内面パネル22及びアンテナ体13を外面パネル21で一様に覆って構成した。
【選択図】図2
Description
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、車体パネル内にアンテナ体を設ける場合、車両の美観の向上を実現できる車両用アンテナ構造を提供することを目的とする。
この構成によれば、車体パネルを、外面パネルとこの外面パネルの内側に配置される内面パネルとで形成したため、この内面パネルの凹部にアンテナ体を配置し、このアンテナ体を外面パネルで挟みこむことにより、簡単な構成でアンテナ体を車体パネル内に設けることができる。さらに、内面パネル及びアンテナ体は、外面パネルによって一様に覆われるため、例えば、アンテナ体を覆うためのカバー部材が車体パネルの外表面に露出することはなく、車体パネル内にアンテナ体を設けた場合に、車両の美観の向上を実現できる。
図2は、車両アンテナ構造50の側断面図であり、図3は、車両アンテナ構造50の分解斜視図である。トランクリッド12は、図2及び図3に示すように、車両の表面に露出する外面パネル21と、この外面パネル21の内側に配置される内面パネル22とを備えた2層構造となっており、これら外面パネル21と内面パネル22との間にアンテナ体13が介装されている。また、内面パネル22の内側には、外面パネル21及び内面パネル22を補強するとともに、アンテナ体13のアースとして機能する補強板30が配置されている。
ここで、外面パネル21の板厚を厚くしすぎると、アンテナ体13の指向性や利得が低下する。一方、外面パネル21の板厚を薄くすると、アンテナ体13の指向性や利得は向上するものの外面パネル21の強度が低下する。本実施形態では、アンテナ体13の指向性や利得を維持しつつ、強度を確保するために、外面パネル21の板厚は2〜3mm程度に形成されている。
詳述すると、図3に示すように、凹部23の側面23Aには、それぞれ対向する位置に舌片15を斜め下方に挿入可能な開口24が形成されている。この開口24の高さは、上記舌片15と略同じ高さに形成され、アンテナ体13の位置が上下方向にずれることを防止している。また、凹部23の底面23Bには、上記開口24、24間にボス(ボス部)25が形成されている。このボス25は、本体14に形成された位置決め孔14Aに嵌って、アンテナ体13が前後または左右方向にずれることを防止するためのものである。
本構成では、舌片15を弾性変形させて、斜め下方に延出する開口24に挿入することにより、この挿入した舌片15は、その復元力により、凹部23と強固に係止される。
また、凹部23の幅Lは、本体14の幅W1と舌片15の幅W2との合計長さよりも長く、アンテナ体13の幅(W1+2W2)よりも短く形成されている。すなわち、
W1+W2<L<W1+2W2
を満たすように形成されている。これにより、舌片15を弾性変形させるだけで、アンテナ体13を凹部23に容易に取り付けることができる。
この連結部32上には、アンテナ体13が受信した信号を増幅するためのブースタ回路基板33が配置されている。ブースタ回路基板33にはブラケット34が取り付けられ、このブラケット34はボルト35及びナット36で補強板30の連結部32に固定されている。これにより、この補強板30を介してブースタ回路基板33は接地される。
また、ブースタ回路基板33には、アンテナ体13に電力を供給する給電ケーブル37が設けられ、この給電ケーブル37の先端に形成された端子38は、内面パネル22の凹部23の底面23Bに形成された貫通孔26を通じて、当該内面パネル22に延在するアンテナ体13の給電部16に取り付けられている。また、ブースタ回路基板33には、このブースタ回路基板33で増幅したアンテナ信号をオーディオ機器(不図示)に出力するための出力ケーブル39が接続されている。本構成では、アンテナ体13は、開閉操作されるトランクリッド12に設けられているため、出力ケーブル39は、開閉操作の際に伸縮自在なカールコードケーブルが用いられている。
上述のように、アンテナ体13は、本体14の両端部にそれぞれ舌片15,15を備える。この舌片15は、図5に示すように、基端部15Aの幅が舌片本体(基部)15Bよりも狭く形成されている。これにより、舌片15は、基端部15Aでアンテナ体13に対して上下方向に弾性変形させることができる。
また、舌片15は、この舌片15の延出方向からの外力Fに対して伸縮して変形可能に構成されている。具体的には、舌片本体15Bには、基端部15Aから斜めに延びる斜辺部18と、この斜辺部18と反対側の辺15Cに連なる変形孔部19とを備える。この変形孔部19は、舌片本体15Bに形成された孔19Aと、この孔19Aと舌片本体15Bの辺15Cとを連通する開口19Bとを備える。本構成では、舌片15に対して、この舌片15の延出方向に外力Fがかかった場合、舌片15は、斜辺部18が矢印X方向に回動して変形するとともに、変形孔部19が実線で示すように潰れることにより、延出方向に伸縮して変形する。これによれば、舌片15の延出方向に荷重に対し、舌片15が延出方向に変形することにより、この応力が本体14に加重されることが防止され、この本体14の変形が防止される。
まず、アンテナ体13の一方の舌片15を開口24に挿入し、本体14を挿入した側の側面23Aに当接させる。次に、他方の舌片15を下方に変形させて、この舌片15の先端部を他方の側の開口24に挿入する。
この状態では、アンテナ体13の舌片15には、図6に示すように、矢印Y方向への復元力が働いている。このため、アンテナ体13を左右に移動させて、本体14に形成された位置決め孔14Aに凹部23のボス25が嵌ると、舌片15の復元力により、本体14は凹部23の底面23Bに押し付けられる。
本構成では、アンテナ体13の舌片15を弾性変形させて内面パネル22の凹部23の側面23Aに形成された開口24に挿入するとともに、このアンテナ体13の本体14に形成された位置決め孔14Aを当該凹部23の底面23Bに形成されたボス25に嵌め込み、舌片15の復元力により、アンテナ体13を凹部23に係止したため、ねじ等の固定具を用いることなく、簡単な構成でアンテナ体13を凹部23に固定することができる。更に、舌片15の復元力により、アンテナ体13は位置決め孔14Aを凹部23のボス25に嵌めた状態で位置決めされる。このため、自動車の運転中に振動が生じた場合であっても、アンテナ体13を強固に凹部23に固定することができる。
図7は、アンテナ体13を凹部23に取り付けた状態を示す部分断面図である。凹部23の側面23Aの開口24を斜め下方ではなく、凹部23の底面23Bに沿って形成しても良い。この構成であっても、舌片15の復元力により、アンテナ体13の本体14は凹部23の底面23Bに押し付けられるため、アンテナ体13を強固に凹部23に固定することができる。
図8は、別の変形例を示す部分断面図である。この構成では、開口24の終端に壁部40が形成されている点で上記したものと構成を異にする。本構成では、アンテナ体13を凹部23に取り付ける際に、舌片15の先端が壁部40に当接するため、舌片15には、この舌片15の延出方向に、図8の外力Fがかかるようになっている。
このような場合であっても、舌片15の舌片本体15Bには、斜辺部18と変形孔部19とが形成されているため、これら斜辺部18及び変形孔部19に外力Fがかかった場合、図5に示すように、舌片15の延出方向に荷重に対し、舌片15が延出方向に変形することにより、この応力が本体14に加重されることが防止され、この本体14の変形が防止される。
また、本実施形態では、アンテナ体13は、舌片15を備え、この舌片15を凹部23の側面23Aに形成した開口24に挿入することにより、当該アンテナ体13を凹部23に係止する構成としているが、例えば、アンテナ体13を凹部23にねじやクリップ等の固定具を介して固定する構成としても良く、また、このアンテナ体13を凹部23にインサート形成により固定する構成としても良い。
11 トランクルーム
12 トランクリッド(車体パネル)
13 アンテナ体
14 本体(アンテナ本体)
14A 位置決め孔
15 舌片
15A 基端部
15B 舌片本体(基部)
18 斜辺部
19 変形孔部
19A 孔
19B 開口
21 外面パネル
22 内面パネル
23 凹部
23A 側面
23B 底面
24 開口
25 ボス(ボス部)
30 補強板
40 壁部
50 車両アンテナ構造
Claims (4)
- 車体パネル内にアンテナ体を備える車両アンテナ構造において、
前記車体パネルを、外面パネルとこの外面パネルの内側に配置される内面パネルとで形成し、この内面パネルに凹部を設け、この凹部に前記アンテナ体を配置するとともに、当該内面パネル及びアンテナ体を前記外面パネルで覆って構成したことを特徴とする車両アンテナ構造。 - 前記アンテナ体は、位置決め孔が形成された平板形状のアンテナ本体と、このアンテナ本体の両端部からそれぞれ延出する舌片とを備え、これら舌片を弾性変形させて前記凹部の側面に形成された開口に挿入するとともに、前記位置決め孔を当該凹部の底面に形成されたボス部に嵌め込み、前記舌片の復元力により、前記アンテナ体を前記凹部に係止したことを特徴とする請求項1に記載の車両アンテナ構造。
- 前記舌片の基部は、当該舌片の延出方向に変形可能に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の車両アンテナ構造。
- 前記外面パネルは、前記内面パネルよりも誘電率の高い材質で形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の車両アンテナ構造。
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